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特開2024-58742サービス端末、それに用いるコンピュータプログラム、及び制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058742
(43)【公開日】2024-04-30
(54)【発明の名称】サービス端末、それに用いるコンピュータプログラム、及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/06 20120101AFI20240422BHJP
【FI】
G06Q20/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022166024
(22)【出願日】2022-10-17
(71)【出願人】
【識別番号】000169477
【氏名又は名称】株式会社コナミアミューズメント
(74)【代理人】
【識別番号】100099645
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 晃司
(74)【代理人】
【識別番号】100161090
【弁理士】
【氏名又は名称】小田原 敬一
(72)【発明者】
【氏名】高田 紘行
【テーマコード(参考)】
5L020
5L055
【Fターム(参考)】
5L020AA12
5L055AA12
(57)【要約】
【課題】施設に応じた特性を持たせることができるサービス端末を提供する。
【解決手段】ゲーム機3Aは、複数の決済方法のいずれかによる対価の決済と引き換えにゲームのプレイを提供し、複数の店舗6のいずれかに設置される。ゲーム機3Aは、自家型電子マネーによる決済が複数の決済方法に含まれ、その自家型電子マネーの発行者によって店舗6が運営される場合に、その発行者を特定可能な店舗IDの情報に基づいて、その発行者によって設定された特典としての発行者特典を特定する。そして、ゲーム機3Aは、ゲームのプレイの対価が自家型電子マネーによって決済された場合に、複数の決済方法のうち自家型電子マネーによる決済に限定されるように、発行者特典をゲームのプレイに付与する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の決済方法のいずれかによる対価の決済と引き換えに所定のサービスをそれぞれ提供する複数のサービス端末のうち所定の施設に設置されるサービス端末であって、
通貨と引き換えに発行される電子的価値としての電子マネーのうち発行者が提供するサービスに決済対象が制限されるタイプの自家型電子マネーによる決済が前記複数の決済方法に含まれ、当該自家型電子マネーの発行者によって前記所定の施設が運営される場合に、当該発行者を特定可能な発行者情報に基づいて、当該発行者によって設定された特典としての発行者特典を特定する特典特定手段と、
前記対価が前記自家型電子マネーによって決済された場合に、前記複数の決済方法のうち前記自家型電子マネーによる決済に限定されるように、前記発行者特典を前記所定のサービスに付与する特典付与手段と、
を備える、サービス端末。
【請求項2】
前記自家型電子マネーは、複数種類の自家型電子マネーを含み、
前記発行者特典は、前記複数種類の自家型電子マネーにそれぞれ対応する二以上の特典を含み、
前記特典付与手段は、前記複数種類の自家型電子マネーのいずれかによって前記所定の対価が決済された場合に、前記二以上の特典のうち前記所定の対価を決済した自家型電子マネーに対応する特典を前記発行者特典として付与する、請求項1に記載のサービス端末。
【請求項3】
前記特典付与手段は、前記対価が前記自家型電子マネーによって決済され、かつ所定の特典条件が満たされた場合に前記発行者特典を付与し、
前記特典条件は、前記所定の対価の額が所定額以上の場合に満たされる金額条件、所定の時期において満たされる時期条件、前記所定のサービスの利用状況によって満たされる利用条件、及び前記複数のサービス端末がそれぞれ設置される複数の施設のうち特定の施設において満たされる施設条件の少なくともいずれか一つを含み、当該一つが満たされた場合に満たされる、請求項2に記載のサービス端末。
【請求項4】
前記対価を決済するための決済端末に接続され、当該対価を決済した決済方法を識別可能な決済種別の情報を含む決済結果を前記決済端末から取得する結果取得手段を備える、請求項1~3のいずれか一項に記載のサービス端末。
【請求項5】
前記決済種別は、前記自家型電子マネーを示す種別として自家型マネー種別を含み、
前記自家型マネー種別は、前記自家型電子マネーが複数種類の自家型電子マネーを含む場合に、当該複数種類の自家型電子マネーのうち少なくとも二種類以上の自家型電子マネーに共通に割り当てられる、請求項4に記載のサービス端末。
【請求項6】
前記複数のサービス端末として、ゲームをそれぞれ提供する複数のゲーム機が利用され、
前記所定のサービスとして、各ゲーム機が提供する前記ゲームが機能する、請求項1~3のいずれか一項に記載のサービス端末。
【請求項7】
コンピュータを、請求項1~3のいずれか一項に記載のサービス端末の各手段として機能させるように構成されたコンピュータプログラム。
【請求項8】
複数の決済方法のいずれかによる対価の決済と引き換えに所定のサービスをそれぞれ提供する複数のサービス端末のうち所定の施設に設置されるサービス端末に組み込まれるコンピュータに、
通貨と引き換えに発行される電子的価値としての電子マネーのうち発行者が提供するサービスに決済対象が制限されるタイプの自家型電子マネーによる決済が前記複数の決済方法に含まれ、当該自家型電子マネーの発行者によって前記所定の施設が運営される場合に、当該発行者を特定可能な発行者情報に基づいて、当該発行者によって設定された特典としての発行者特典を特定する特典特定手順と、
前記対価が前記自家型電子マネーによって決済された場合に、前記複数の決済方法のうち前記自家型電子マネーによる決済に限定されるように、前記発行者特典を前記所定のサービスに付与する特典付与手順と、
を実行させる、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の決済方法のいずれかによる対価の決済と引き換えに所定のサービスをそれぞれ提供する複数のサービス端末のうち所定の施設に設置されるサービス端末等に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の決済方法のいずれかによる対価の決済と引き換えに所定のサービスをそれぞれ提供する複数のサービス端末のうち所定の施設に設置されるサービス端末が存在する。例えば、このようなサービス端末として機能するゲーム装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第6864861号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のゲーム装置では、複数の支払い方法のいずれかによってゲームのプレイ料金が支払われる。また、プレイ料金が支払われた場合にその支払い方法に応じて異なる種類のアイテムが付与される場合もある。しかし、このアイテムはゲーム装置が設置される施設の運営者によって設定されるものでも、施設毎に設定されるものでもない。この種のゲーム装置は運営者の相違する複数の施設に設置される場合が多く、各施設は競争関係にある場合も多いが、特許文献1のゲーム装置では他の施設との差別化が難しい。例えば、各施設ではその運営者がいわゆる自家型電子マネーを発行し、その利用者の情報に基づく各種キャンペーンを行う場合も少なくないが、特許文献1のゲーム装置ではそのようなキャンペーンの適用は難しい。
【0005】
そこで、本発明は、施設に応じた特性を持たせることができるサービス端末等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のサービス端末は、複数の決済方法のいずれかによる対価の決済と引き換えに所定のサービスをそれぞれ提供する複数のサービス端末のうち所定の施設に設置されるサービス端末であって、通貨と引き換えに発行される電子的価値としての電子マネーのうち発行者が提供するサービスに決済対象が制限されるタイプの自家型電子マネーによる決済が前記複数の決済方法に含まれ、当該自家型電子マネーの発行者によって前記所定の施設が運営される場合に、当該発行者を特定可能な発行者情報に基づいて、当該発行者によって設定された特典としての発行者特典を特定する特典特定手段と、前記対価が前記自家型電子マネーによって決済された場合に、前記複数の決済方法のうち前記自家型電子マネーによる決済に限定されるように、前記発行者特典を前記所定のサービスに付与する特典付与手段と、を備える、ものである。
【0007】
本発明のコンピュータプログラムは、コンピュータを、上述のサービス端末の各手段として機能させるように構成されたものである。
【0008】
本発明の制御方法は、複数の決済方法のいずれかによる対価の決済と引き換えに所定のサービスをそれぞれ提供する複数のサービス端末のうち所定の施設に設置されるサービス端末に組み込まれるコンピュータに、通貨と引き換えに発行される電子的価値としての電子マネーのうち発行者が提供するサービスに決済対象が制限されるタイプの自家型電子マネーによる決済が前記複数の決済方法に含まれ、当該自家型電子マネーの発行者によって前記所定の施設が運営される場合に、当該発行者を特定可能な発行者情報に基づいて、当該発行者によって設定された特典としての発行者特典を特定する特典特定手順と、前記対価が前記自家型電子マネーによって決済された場合に、前記複数の決済方法のうち前記自家型電子マネーによる決済に限定されるように、前記発行者特典を前記所定のサービスに付与する特典付与手順と、を実行させる、ものである。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の一形態に係るサービス端末が適用されたネットワークシステムの全体構成の一例を示す図。
図2】決済端末の外観を示す斜視図。
図3】ネットワークシステムに構築されるシステムの概要を示す図。
図4】発行者特典の付与の手順の一例を説明するための説明図。
図5】ネットワークシステムにおける制御系の要部の一例を示す機能ブロック図。
図6】ゲーム機のプログラムに設けられる適用部を説明するための説明図。
図7】ブランドデータの構成の一例を示す図。
図8】第2施設データの構成の一例を示す図。
図9】特典付与処理の手順の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(全体構成)
以下、本発明のサービス端末の一形態を説明する。本形態のサービス端末は、ネットワークシステムの一部として構成される。本形態のサービス端末は、ネットワークシステムにおいて所定の対価と引き換えに所定のサービスを提供する役割を担う。以下では、まずネットワークシステムの概要について説明する。図1に示すように、ネットワークシステム1は、サーバSVを含んでいる。サーバSVには、サービス端末3、決済端末4、設定装置5、及び会員管理装置MUがネットワークNTを介して接続される。
【0011】
サーバSVは、一例として、複数のサーバユニット2A、2B…(以下、参照符号2で代表することがある。)が組み合わされた論理的なサーバシステムとして構成される。サーバユニット2はネットワークNT上の特定位置に集合的に設置されてもよいし、クラウドコンピューティングを利用してネットワークNT上で分散して設置されることにより、いわゆるクラウド型のサーバシステムを構成するように設けられてもよい。ネットワークNTは、サーバSVに対してサービス端末3、決済端末4、設定装置5、及び会員管理装置MUを通信可能に接続させることができる限り、適宜に構成されてよい。一例として、ネットワークNTは、WANとしてのインターネットと、サーバSV、サービス端末3、決済端末4、設定装置5、及び会員管理装置MUとをそれぞれインターネットに接続するLAN、或いはアクセスポイントといった各種の接続設備又は機器等とを含んでよい。
【0012】
決済端末4は、所定のサービスの対価を電子的に決済するためのコンピュータ装置である。決済端末4は適宜に決済を実現してよいが、一例として対価を電子的に決済するための媒体情報を記録する決済媒体を介して実現する。このため、決済端末4は決済媒体の媒体情報を読み取るリーダとしての機能を有する。決済媒体として各種の媒体が適宜に利用されてよく、例えばICタグを含むICカード、或いは媒体情報を含むように所定の規格に準じて作成された二次元コード等のコードを表示するカードといった各種カードが利用されてもよいが、一例として後述のユーザ端末装置7のうちモバイル端末装置7bが利用される。
【0013】
決済端末4は決済媒体(例えばモバイル端末装置7b)を介してクレジットカードによる決済、デビットカードによる決済、或いは二次元コード等のコードを使用した決済といった各種の決済方法を適宜に実行し得るが、その決済方法には電子マネーによる決済が含まれる。電子マネーは通貨と引き換えに発行され、決済時に通貨と同様に使用可能な電子的価値である。電子マネーは、プリペイド(先払い)型、或いはポストペイ(後払い)型といった支払い時期による分類等、適宜に分類され得るが、決済対象によって分類される場合もある。具体的には、電子マネーは、例えば自家型電子マネー、及び第三者型電子マネーを含んでいる。自家型電子マネーは発行者が提供するサービスに決済対象が制限されるタイプの電子マネーである。第三者型電子マネーは、発行者以外の第三者が提供するサービスを決済対象に含む(第三者のサービスの決済が許容される)タイプの電子マネーである。決済端末4は、これら二種類の電子マネーのいずれか一方のみを許容してもよいが、一例としていずれも許容する。つまり、決済端末4は自家型電子マネー、及び第三者型電子マネーの両方を含む複数の決済方法で決済可能なマルチ決済端末として構成される。
【0014】
決済端末4、及びサービス端末3は所定のサービスと関連した適宜の場所に設置されてよいが、図1の例ではいずれも店舗6に設置されている。店舗6は、所定のサービスを提供するための施設の一例である。サービス端末3は、所定のサービスを提供するためのコンピュータ装置である。サービス端末は各種のサービスを提供する適宜の装置を含み得るが、図1の例ではそのような装置の一例としてゲーム機3A、及び自動販売機3Bが示されている。各店舗6には適宜の数の決済端末4、ゲーム機3A、及び自動販売機3Bが設置され得るが、図1の例ではいずれも一台ずつ設置されている。
【0015】
ゲーム機3Aは、ゲームを提供するゲーム装置である。ゲーム機3Aはゲームを提供する各種のゲーム装置(コンピュータ装置)を含んでいてよいが、図1の例ではアーケードゲーム機として構成されている。アーケードゲーム機はアミューズメント施設等の適宜の施設に設置され、所定の対価の徴収(消費)と引き換えにユーザにゲームをプレイさせる商業用(業務用)のゲーム機(装置)である。ゲーム機3Aは所定の施設としての店舗6に設置され、所定のサービスとしてゲームを提供する。ゲーム機3Aは、アクションゲーム、シミュレーションゲーム、ロールプレイングゲーム、或いはプライズゲーム(クレーンゲーム等の景品獲得を目的とするゲーム)といった各種のゲームを適宜に提供してよい。
【0016】
自動販売機3Bは、一又は複数の商品を販売する販売装置である。自動販売機3Bが販売する商品は、飲料、食品、新聞、雑誌、書籍、玩具、メダル等の各種遊技媒体といった各種の物品から適宜に設定されてよい。乗車券、入場券、チケット等の券種を販売する券売機、ユーザを撮影して印刷出力する撮影機等も自動販売機の概念に含まれる。あるいは、給油機も自動販売機の概念に含まれてよい。さらに、自動販売機3Bは商品に限定されず、役務の提供に使用されてもよい。例えば、このような役務には電子マネーのチャージ(通貨と引き換えの発行)が含まれていてもよい。つまり、自動販売機3Bは電子マネーをチャージするチャージサービスを提供してよく、そのサービスにおいて電子マネーの発行と引き換えに徴収されるべき対価(通貨)を徴収する通貨徴収装置として機能してもよい。
【0017】
所定のサービスは各種のサービスを適宜に含み得るが、一例として店舗6にてゲーム機3A、及び自動販売機3Bを介して提供されるゲーム、商品の提供、或いはチャージサービス等の役務の提供を含んでいる。そして、これらのサービスの対価が決済端末4を介して決済される。具体的には、例えばゲームをプレイするための対価、及び商品の購入に必要な対価が決済端末4を介して決済される。あるいは、チャージサービスが自動販売機3Bを介して提供される場合、自動販売機3Bが徴収した対価(通貨)と引き換えに決済端末4を介して電子マネーがチャージされる。このため、ゲーム機3A、及び自動販売機3B(以下、これらを区別しない場合はサービス端末3と呼ぶ場合がある)は、これらの対価の決済のために決済端末4に接続される。
【0018】
決済端末4は各サービス端末と1対1に対応するように設置されてもよいが、1対多で対応するように設置される。つまり、一台の決済端末4は、複数のサービス端末3(二台のゲーム機3Aといった同種のサービス端末3、及び一台のゲーム機3Aと一台の自動販売機3Bといった異種のサービス端末3の両方を含む)間で共有されるように設置される。また、決済端末4、及びサービス端末3は適宜の数の店舗6に設置され得るが、図1の例では二つの店舗6が示されている。
【0019】
なお、自動販売機3Bは、例えばその他にも料金(対価)の支払いと引き換えに一定の役務、或いは無形の商品を提供する装置(例えば、ユーザに動画等を視聴させる装置、通貨を両替して提供する両替機、洗濯や洗車といった一定のサービスを提供する装置、ユーザが求める情報を有償で提供する装置等)として構成されてよい。つまり、自動販売機3Bは有形、或いは無形の各種のサービスを提供する装置として構成されてよい。そして、それらの各種のサービスが所定のサービスとして機能してよい。
【0020】
会員管理装置MUは、各店舗6において各サービスを利用するユーザのうち会員登録をしたユーザを会員として管理するためのコンピュータ装置である。このため、会員管理装置MUは、各店舗6に設置される。会員管理装置MUでは各会員に関する各種の管理が実行され得るが、例えば各会員の会員情報が管理される。会員情報は各会員に関する各種の情報を適宜に含み得るが、例えば会員ID(各会員を識別するために会員毎にユニークな情報)、会員ランク(例えばプレミアム会員、通常会員といった利用状況に応じたランクが用意される場合)、或いは会員属性(氏名、年齢、性別等)といった情報を含んでいる。
【0021】
設定装置5は、自家型電子マネーに関する各種管理を行うコンピュータ装置である。設定装置5では各種の管理が適宜に実行されてよいが、例えば自家型電子マネーの各利用者の管理、或いは各利用者の利用状況の管理等が実行される。また、このような管理には、自家型電子マネーを利用した各種キャンペーンの設定が含まれる。設定装置5は適宜の場所に設置されてよく、例えば一つの店舗6が独自の自家型電子マネーを発行している場合、その店舗6に設置されてもよいし、複数の系列店が存在する場合にそれらを統合する施設(例えば本社)等に複数の系列店で共用されるように設置されてもよいが、図1の例では各店舗6に設置されている。この場合、設定装置5は会員管理装置MUとは別のコンピュータ装置として構成されてもよいが、一例として一台のコンピュータ装置が設定装置5、及び会員管理装置MUの両方の役割を兼務する。
【0022】
具体的には、設定装置5、及び会員管理装置MUとして、専用のコンピュータ装置、或いは携帯情報端末(例えばスマートフォン、或いはタブレット端末等)といった各種の装置が適宜に利用されてよいが、図1の例ではパーソナルコンピュータが利用されている。パーソナルコンピュータは所定のソフトウェア(アプリケーション)の実行に伴い各種の機能を提供可能であるが、そのような機能には会員管理機能、及び自家型電子マネーの管理機能が含まれる。つまり、パーソナルコンピュータには、会員管理機能用のソフトウェア(以下、会員ソフトと呼ぶ場合がある)と、自家型電子マネーの管理機能用のソフトウェア(以下、マネーソフトと呼ぶ場合がある)とがインストールされる。
【0023】
会員ソフトとマネーソフトとは、別々のソフトウェアであってもよいが、一例として共通のWebブラウザ用のソフトウェア(以下、ブラウザソフトと呼ぶ場合がある)として構成される。ブラウザソフトは、各種Webサイトを閲覧するための周知のソフトウェアである。各種Webサイトには、会員管理機能用のWebサイト(以下、会員サイトと呼ぶ場合がある)、及び自家型電子マネーの管理機能用のWebサイト(以下、マネーサイトと呼ぶ場合がある)が含まれる。このため、ブラウザソフトは、会員サイトにアクセスする場合に会員ソフトとして、マネーサイトにアクセスする場合にマネーソフトとして、それぞれ機能する。以下では、会員ソフトが利用される場合とマネーソフトが利用される場合とにおいてパーソナルコンピュータをそれぞれ会員管理装置MU、及び設定装置5と呼び、それらを区別する。
【0024】
ネットワークシステム1には、ネットワークNTを介してユーザ端末装置7が接続される場合がある。ユーザ端末装置7は、ネットワーク接続が可能でかつユーザの個人用途に供されるコンピュータ装置である。ユーザ端末装置7として、携帯型ゲーム機、携帯型タブレット端末装置といった、各種のコンピュータ装置が利用されてよいが、図1の例では据置型又はブック型のパーソナルコンピュータ7a、及び携帯電話(スマートフォンを含む)のようなモバイル端末装置7bが示されている。これらのユーザ端末装置7は、各種のコンピュータソフトウェアを実装することにより、種々のサービスをユーザに享受させることが可能である。このようなソフトウェアにはブラウザソフトが含まれる。このため、ユーザ端末装置7は、このブラウザソフトを通じて会員サイト、及びマネーサイトにアクセス可能である。さらに、モバイル端末装置7bには、決済用のソフトウェア(以下、決済アプリと呼ぶ場合がある)がインストールされる場合がある。この場合、モバイル端末装置7bは、その決済アプリを通じて決済媒体として機能する。モバイル端末装置7bは一台で複数種類の電子マネーに対応し得るが、その場合、電子マネー毎に異なる決済アプリがインストールされる(決済アプリ毎に異なる決済媒体として機能する)。
【0025】
(決済端末の外観)
次に、図2を参照して、決済端末4の外観について説明する。図2は、決済端末4の外観を示す斜視図である。図2に示すように、決済端末4には筐体HGが設けられる。筐体HGには、モニタMO、タッチセンサTS、及びリーダ装置(不図示)が設けられる。モニタMOは周知の表示装置である。モニタMOはユーザと向き合うように筐体HGの正面側に設けられる。モニタMOには各種の情報が適宜に表示され得るが、例えばそのような情報には決済方法を選択する選択肢といった決済に関する情報が含まれる。タッチセンサTSはタッチ操作の位置に応じた信号を出力する周知の検出装置である。タッチセンサTSはモニタMOの表示面を覆うように配置され、モニタMOが表示する選択肢等へのタッチ操作を通じた指示を入力する。
【0026】
リーダ装置は、決済媒体に記憶された媒体情報を読み取る周知の入力装置である。決済媒体は媒体情報を適宜に記憶してよく、例えば各種コードを介して記憶してもよい。この場合、例えば、リーダ装置はコードを読み取るカメラとして構成されてよい。あるいは、決済媒体は媒体情報をICタグ(ICチップ)等の電子的記録媒体を介して記憶してもよい。このようにリーダ装置は媒体情報の記録方法に応じて適宜に構成され得るが、一例としてモバイル端末装置7bにはICタグを介して媒体情報が記録され、リーダ装置はICタグの媒体情報を読み取る(リーダ機能を有する)装置として構成される。また、リーダ装置はリーダ機能のみを有していてもよいが、一例としてライタ機能も有している。具体的には、リーダ装置は、近距離無線通信規格を通じてICタグが出力する信号を受信したりICタグに情報を書き込むための信号を送信したりする送受信機として構成される。リーダ装置は適宜に配置されてよいが、一例としてモニタMOに近づけられた(かざされた)モバイル端末装置7bに読取り等を実行するように筐体HGの内部においてモニタMOに対応する位置に配置される。
【0027】
(ネットワークシステムに構築されるシステム)
次に、図3を参照してサービス端末が付与する発行者特典を実現するためにネットワークシステム1に構築されるシステムについて説明する。発行者特典は、自家型電子マネーの発行者によって用意される特典である。サービス端末にはその開発者や販売者等によって設定される特典が用意される場合が多いが、発行者特典はそれとは別の自家型電子マネーの発行者(サービス端末3の購入者である場合が多い)によってその都合で適宜設定され得る特典である。つまり、サービス端末3はこのような発行者特典を付与するように所定のサービスをネットワークシステム1において提供する。このため、ネットワークシステム1はそれを実現するためのシステムを適宜に含んでいる。
【0028】
図3は、ネットワークシステム1に構築されるシステムの一例の概要を示す図である。図3に示すように、ネットワークシステム1のサーバSV上には、決済システム10、マネー管理システム20、電子マネーシステム30、及びアーケードシステムASが構築される。これらのシステム10、20、30、ASはサーバSVに含まれるサーバユニット2A等を適宜に利用して実現されるシステムである。なお、以下では、ユーザ端末装置7の一例としてモバイル端末装置7bが利用され、そのモバイル端末装置7bが決済媒体の一例として利用される場合について説明する。また、サービス端末3を代表してゲーム機3Aについて説明する。
【0029】
電子マネーシステム30は、電子マネーの発行者によって運営されるシステムである。電子マネーシステム30は、電子マネーによる決済に関連した各種のサービスを提供するが、例えば電子マネーによる決済の決済履歴を管理するサービスを提供する。決済端末4では適宜の種類(数)の電子マネーによる決済が許容されてよいが、一例として自家型電子マネー、第1第三者型電子マネー、及び第2第三者型電子マネーの三種類の電子マネーによる決済が許容される。この場合、電子マネーシステム30は、それらの三種類の電子マネーにそれぞれ対応する自家型電子マネーシステム、第1第三者型電子マネーシステム、及び第2第三者型電子マネーシステムを含むが、図3の例ではそれらの図示は省略されている。これらはいずれもサーバユニット2を利用して適宜に構築され、運営者はいずれも相違する。ただし、自家型電子マネーシステムの運営者(サーバユニット2はレンタルによって実現されてもよく、その場合はレンタルしている使用者)は店舗6の運営者と共通する。
【0030】
マネー管理システム20は、電子マネーの発行、利用者管理等の電子マネーの管理に関するサービスを提供する。このため、マネー管理システム20は、各種の情報を適宜に送受信するために電子マネーシステム30に接続される。また、電子マネーの管理には、例えば電子マネーの発行等を行うためのWebサイトの提供が含まれる。このため、マネー管理システム20には、ブラウザソフトを通じてモバイル端末装置7bが接続される場合がある。マネー管理システム20は、そのWebサイトを通じて、例えばプリペイド型の電子マネーをチャージ(通貨と引き換えの発行)するサービス等をモバイル端末装置7bに提供する。
【0031】
マネー管理システム20は、三種類の電子マネーにそれぞれ対応する自家型電子マネー管理システム20A、第1第三者型電子マネー管理システム20B、及び第2第三者型電子マネー管理システム20Cを含んでいる。これらは、自家型電子マネー、第1第三者型電子マネー、及び第2第三者型電子マネーに関する管理をそれぞれ実行するマネー管理システム20である。例えば自家型電子マネー管理システム20Aは、自家型電子マネーの発行等を行うためのWebサイトとして上述のマネーサイト、及び会員サイトを提供する。このため、自家型電子マネー管理システム20Aには、モバイル端末装置7bに加えて、会員管理装置MU、及び設定装置5が接続される場合がある。また、自家型電子マネー管理システム20Aは、モバイル端末装置7b、会員管理装置MU、及び設定装置5と、決済システム10との間に介在し、各種の情報を決済システム10と共有する役割も担う。このため、マネー管理システム20には決済システム10が接続される。
【0032】
また、各電子マネーは決済端末4、及び決済システム10のいずれで決済されてもよいが、一例として自家型電子マネーは決済システム10によって決済される。この場合、自家型電子マネーの残高は決済システム10において管理されてもよい(この場合決済システム10が自家型電子マネー管理システム20Aとして機能してもよい)が、一例として自家型電子マネー管理システム20Aにおいて管理される。このため、自家型電子マネー管理システム20Aの管理には、自家型電子マネーの残高の管理が含まれる。一方で、第1第三者型電子マネー、及び第2第三者型電子マネーは決済端末4によって決済される。この場合、モバイル端末装置7bには第1第三者型電子マネー用の決済アプリ、及び第2第三者型電子マネー用の決済アプリを介してそれぞれ第1第三者型電子マネーの残高、及び第2第三者型電子マネーの残高の情報が記録され、それらの残高の更新を通じて決済端末4において決済が実行される。各電子マネーの残高は、各決済媒体を識別するための媒体識別情報を介して管理される。決済アプリが使用される場合、媒体識別情報はその決済アプリを介してモバイル端末装置7b(決済媒体)毎にユニークに管理される。
【0033】
決済システム10は、例えばサーバユニット2A、及びデータベースDB1(サーバユニット2の一つ)を利用し、マルチ決済を提供するシステムとして構築される。決済システム10は、マネー管理システム20及び電子マネーシステム30と、各店舗6の決済端末4との間に介在し、それらにマルチ決済に関する各種のサービスを提供する。決済システム10において電子マネーの決済は適宜に実現され得るが、例えば第1第三者型電子マネー、及び第2第三者型電子マネーの場合、媒体情報に電子マネーの残高の情報が含まれ、決済端末4が直接的に決済を実行する。この場合、決済システム10は、決済端末4から決済結果を受信し、適宜にマネー管理システム20及び電子マネーシステム30に共有する(提供する)サービスを提供する。
【0034】
一方、自家型電子マネーの場合、決済システム10は、決済端末4との間に介在し、モバイル端末装置7bの決済アプリを介して電子マネーによる決済を実行する決済サービスを提供する。具体的には、例えば、ゲーム機3Aが提供するプレイの対価が決済される場合、決済システム10は、決済端末4から提供される決済情報を取得し、その決済情報に基づいて決済を実行する。決済情報は決済を実現するための情報を適宜に含み得るが、例えばゲーム機3Aから要求される対価、及び決済アプリを介して読み取った媒体情報が含まれる。同様に、媒体情報は各種の情報を含んでいてよく、上述のように残高の情報を含む場合もあるが、一例として残高の情報の代わりに各決済媒体を識別するための媒体識別情報を含んでいる。決済システム10は、媒体識別情報に対応する残高の情報を自家型電子マネー管理システム20Aから取得し、決済を実行する。決済システム10は、その決済結果を、それが反映されるように自家型電子マネー管理システム20Aに提供するとともに、決済端末4を介してゲーム機3Aに送信されるように決済端末4に提供する。さらに、決済システム10は、その決済結果が反映されるようにその決済結果を適宜に自家型電子マネー用の電子マネーシステム30にも共有する。
【0035】
同様に、決済システム10は、設定装置5と会員管理装置MUとの間に介在し、設定装置5と会員管理装置MUとの間で各種情報を共有する情報共有サービスを提供する。情報共有サービスは、例えば各店舗6の会員IDと各会員が所有する決済媒体の媒体識別情報とを連携させる(相互に関連付ける)ID連携サービスを含んでいる。会員IDと媒体識別情報とは適宜に連携されてよいが、例えば一方の発行時に対応のID(媒体識別情報を含む)を入力させることにより連携される。つまり、自家型電子マネー管理システム20Aを介してID連携が実行される。決済システム10は、自家型電子マネー管理システム20Aを介してID連携の連携結果を適宜に取得する。なお、ID連携の結果は、マネーサイト等を介して適宜に設定装置5、或いはモバイル端末装置7b等において参照、或いは修正されてもよい。
【0036】
アーケードシステムASは、例えばサーバユニット2B、及びデータベースDB2(サーバユニット2の一つ)を利用し、ゲーム(サービス)に関連する各種のゲーム機用サービスを各ゲーム機3Aに提供するシステムとして構築される。ゲーム機サービスは各種のサービスを含んでいてよいが、一例としてネットワークNTを介してプログラム或いはデータを配信し、更新する配信サービスを含んでいる。アーケードシステムASは、このような配信サービスを通じてゲーム機3Aにゲームの提供に必要な各種のプログラム或いはデータを適宜に配信等する。このため、アーケードシステムASはゲーム機3Aと接続される。なお、ゲーム機用サービスは、例えばその他にも他のユーザとマッチングするマッチングサービス、ゲーム機3Aからユーザの識別情報を受け取って、そのユーザを認証する認証サービス、認証したユーザの利用実績等のデータをゲーム機3Aから受け取って保存し、或いは保存するデータをゲーム機3Aに提供するサービス、ユーザから料金を徴収する課金サービスといったサービスを適宜に含んでいてよい。
【0037】
アーケードシステムASは各種情報の送受信を目的にネットワークNTを介して他のシステム等と適宜に接続されてよく、例えばゲーム機3Aのみに接続されていてもよいが、図3の例では決済システム10に接続されている。発行者特典は適宜に設定されてよく、例えば設定装置5を介してキャンペーンの一種として設定される場合がある。この場合、アーケードシステムASと決済システム10との間で送受信される情報には、そのキャンペーン(発行者特典)の情報が含まれる。アーケードシステムASは、自家型電子マネー管理システム20A、或いは設定装置5と接続され、それらを介してキャンペーン(運営者によって店舗6毎等の適宜の単位で設定される)の情報を直接的に取得してもよいが、一例として決済システム10を介して間接的に取得する。
【0038】
決済システム10、及びアーケードシステムASは異なる運営者によって運営されてもよいが、一例として同じ運営者によって運営される。また、決済システム10、及びアーケードシステムASは、店舗6毎、或いは複数の系列店の単位にて構築されてもよいが、一例として運営者の相違する店舗6を含む複数の店舗6にて共有されるように構築される。このため、決済システム10、及びアーケードシステムASの運営者は、店舗6の運営者、及び電子マネーシステム30の運営者のいずれとも相違する。ネットワークシステム1には各種のシステムが適宜に構築され得るが、一例としてこれらの決済システム10、マネー管理システム20、電子マネーシステム30、及びアーケードシステムASを含んでいる。
【0039】
(発行者特典の詳細)
次に、図4を参照して、発行者特典の詳細について説明する。発行者特典は上述のとおり自家型電子マネーの発行者によって独自に用意される特典である。発行者が運営する店舗6(施設)に設置されるサービス端末3では、サービスの対価を決済する決済方法としてその発行者が発行する自家型電子マネーの使用が許容される。発行者特典は各種の条件で付与され得るが、一例として自家型電子マネーによる対価の決済を条件に付与される。つまり、発行者特典は、自家型電子マネーの利用者のみに付与される。
【0040】
図4は、発行者特典の付与の手順の一例を説明するための説明図である。発行者特典は適宜に実現されてよく、例えば各ゲーム機3Aと各発行者特典とを関連付けるデータとしてプログラムとは別に用意される特典データ(適宜に更新されてよい)によって実現されてもよいが、一例として特典データに相当する部分(以下、適用部と呼ぶ場合がある)を含むプログラム(特典の内容を含め、適宜に更新され得る)によって実現される。適用部はプログラムにおいて発行者特典を実現するための部分である。つまり、各ゲーム機3Aに組み込まれるプログラムによって発行者特典は実現される。ただし、発行者特典は発行者、換言すれば店舗6(施設)によって内容が相違する。このため、プログラムには複数の発行者特典にそれぞれ対応する複数の適用部が設けられ、各ゲーム機3Aは発行者を特定可能な情報(以下、発行者情報と呼ぶ場合がある)に基づいて対象の適用部(発行者特典)を特定し、その特定した適用部の適用を通じて発行者特典をゲーム(サービス)に付与する。発行者情報は各ゲーム機3Aに適宜に提供されてよく、例えば各店舗6への設置時等に各種の記録媒体、或いはコンピュータ装置を介して提供されてもよいし、決済端末4を介して決済システム10から提供されてもよいが、一例としてアーケードシステムASから提供される。図4の例は、このような場合の手順を示している。この場合、図4に示すように、発行者特典の付与は、F11~F17までの七つの手順を含んでいる。
【0041】
具体的には、まずアーケードシステムASから発行者情報がゲーム機3Aに送信される(F11)。ゲーム機3Aは発行者情報を取得すると、適宜に使用可能なように保存する。発行者情報として各発行者(換言すれば各発行者特典)を特定可能な適宜の情報が利用されてよく、例えば特典データ、或いは各発行者と関連付けられる筐体ID(各ゲーム機3Aを識別するための情報)が利用されてもよいが、一例として各店舗6を識別するために店舗毎にユニークに付与される店舗ID(運営者が相違する店舗6の間では異なる体系の店舗IDが利用されてもよいし、運営者の異なる店舗6を含む全店においてユニークであってもよい)が利用される。自家型電子マネーの場合、その発行者とそれを使用可能な店舗6の運営者とは一致する。このため、店舗IDは発行者情報として機能する。
【0042】
一方、店舗6にて自家型電子マネーの利用者(以下では、店舗6のユーザのうち自家型電子マネーの利用者を利用者MHと呼び、ユーザと区別する場合がある)がゲーム機3Aを介してゲームをプレイする場合、その対価は決済端末4を介して徴収される。このため、利用者MHはモバイル端末装置7bを決済端末4に近づけて支払いを実行する(F12)。具体的には、利用者MHはまずゲーム機3A、或いは決済端末4を操作し、支払い対象のサービス(対価)を指定する。決済端末4は、その指定に基づいて対価を徴収する機会を付与する。そして、その機会においてモバイル端末装置7bが近距離無線通信可能な範囲に近づけられると(かざされると)、モバイル端末装置7bから決済端末4に媒体情報を送信される。媒体情報は適宜の情報を含み得るが、一例として媒体識別情報、媒体種別(カード、或いはモバイル端末装置7bといった決済媒体の種類を示す情報)といった情報が含まれる。
【0043】
決済端末4は、モバイル端末装置7bから媒体情報を取得すると、対価の決済を決済システム10に要求する(F13)。この要求は決済に必要な各種の情報を含み得るが、例えば媒体情報、及び決済対象の対価の情報を含んでいる。この要求が送信されると、決済システム10はそれを取得し、その要求に基づいて決済を実行する(F14)。具体的には、決済システム10は、自家型電子マネー管理システム20Aと連携して、媒体識別情報の残高から今回の対価を減額するように決済を実行する。そして、決済システム10は、その決済の後に決済結果を決済端末4に送信する(F15)。なお、決済システム10は、決済履歴に反映されるように適宜の時期にその決済結果を自家型電子マネー用の電子マネーシステム30と共有する。
【0044】
決済端末4は決済システム10から決済結果が送信されると、それを取得し、ゲーム機3Aに送信する(F16)。決済端末4から決済結果が送信されると、ゲーム機3Aはその結果を取得し、その結果に基づいてプレイ提供の可否を判別する。具体的には、ゲーム機3Aは、対価が適切に決済されている場合にゲームのプレイを許可し、対価が適切に決済されていない場合にゲームのプレイを不許可とする。また、ゲーム機3Aは、プレイを許可する場合において発行者特典の要否を判別するとともに、必要に応じて発行者特典の付与を実行する(F17)。
【0045】
具体的には、決済結果には決済方法を識別(判別)するための決済種別の情報が含まれる。決済種別は、電子マネーの場合、第1第三者型電子マネー、第2第三者型電子マネー、及び自家型電子マネーといった各電子マネーをそれぞれ識別するためのマネー種別を含んでいる。決済システム10が複数の自家型電子マネーの決済に対応する場合(例えば複数の店舗6が異なる発行者によってそれぞれ運営されている場合等)、それらの複数の自家型電子マネーにそれぞれ対応する複数のマネー種別が用意されていてもよいが、一例として複数の自家型電子マネーにはいずれにも同じ一つのマネー種別(以下、自家型マネー種別と呼ぶ場合がある)が割り当てられる。つまり、マネー種別は、第三者型電子マネーに関しては第1第三者型電子マネー、或いは第2第三者型電子マネーといった具体的な種類(ブランド)まで判別可能に付与されるものの、自家型電子マネーについては自家型電子マネーであることの判別が出来る程度に付与される。
【0046】
ただし、二種類以上の自家型電子マネーに複数の自家型マネー種別が割り当てられる場合もある。例えば、複数の系列店においてその経営母体が発行する自家型電子マネーと個別の店舗が発行する自家型電子マネーとが共存している場合には、それらには互いを区別するためにそれぞれ別々の自家型マネー種別が割り当てられる可能性がある。いずれにしても自家型マネー種別は複数種類の自家型電子マネーをひとまとめとするように、少なくとも二種類以上の自家型電子マネーに割り当てられる方が好ましい。
【0047】
ゲーム機3Aは、決済種別が自家型マネー種別以外の種別である場合、発行者特典の対象外(否)と判別する。一方、ゲーム機3Aは、決済種別が自家型マネー種別である場合に発行者特典の対象(要)と判別する。ただし、発行者特典は自家型電子マネーの利用者全員が対象であってもよいし、適宜の特典条件に基づいてそれらの一部が対象であってもよく、一部に限定される場合、ゲーム機3Aは更に特典条件が満たされるか否か判別し、特典条件が満たされる場合に発行者特典の対象と判別する。
【0048】
また、ゲーム機3Aは、発行者特典の対象と判別した場合、付与対象の発行者特典を特定する。上述のとおり発行者特典は発行者に応じて設定される。このため、複数の発行者特典が存在する場合、発行者情報に基づいて付与対象の発行者特典が特定される。より具体的には、ゲーム機3Aは、発行者情報として保存済の店舗IDの情報を利用し、自己の店舗IDをまず特定する。そして、ゲーム機3Aは、各発行者特典を実現するための部分としてプログラムに設けられる複数の適用部のうちその店舗IDに対応する店舗6(発行者)に適用されるべき適用部、つまり自己の店舗6(発行者)に対応する発行者特典を特定する。
【0049】
対象の適用部(発行者特典)を特定すると、ゲーム機3Aはその特定した適用部の適用を通じて発行者特典を実際に付与する。発行者特典はゲームに関する各種の特典を適宜に含んでいてよく、例えばゲームに含まれる各種設定(例えばクレーンゲームにおけるクレーンが景品を挟む力等)の変更、アイテムの付与、特別なキャラクタの使用、或いはゲームイベント(例えば複数のユーザが結果を競うタイプの大会等)等の特別なモード(進行等の展開を含む)をプレイする権利といったゲームの種類に応じた適宜の特典を含んでいてよい。一例として発行者特典は、このような手順で付与される。
【0050】
なお、各適用部はプログラム固定的に設けられていてもよいし、発行者によって適宜に変更されてもよい。その変更は適宜に実現されてよく、例えば各店舗6の運営者(自家型電子マネーの発行者に相当)とアーケードシステムASの運用者との間の人的運用(例えば、電子メール等を含む各種の通信を利用した運営者間の連絡)によってアーケードシステムASの運用者によって変更(更新)されてもよい。あるいは、適用部の更新は、設定装置5を介して実行されてもよい。具体的には、設定装置5を通じて各店舗6の運営者によってキャンペーンの一種として発行者特典が設定されると、自家型電子マネー管理システム20Aはその設定結果(発行者特典を含むキャンペーンの情報)を、決済システム10を介してアーケードシステムASに送信する。アーケードシステムASは取得した設定結果に基づいてプログラムを更新し、更新後のプログラムをゲーム機3Aに配信する。設定装置5を介した更新は適宜に実現され得るが、一例としてこのように実現される。
【0051】
(制御系の要部の構成)
次に、図5を参照して、ネットワークシステム1のうち、発行者特典の付与に関わる制御系の要部の構成について説明する。図5は、ネットワークシステム1における制御系の要部の一例を示している。なお、図5の構成は、図3のネットワークシステム1の構成の具体例の一つであり、図3に対応する構成要素には図3と共通の参照符号が付されている。
【0052】
図5に示すように、決済システム10には、制御部11と、記憶部12とが設けられる。記憶部12は、ハードディスクアレイ等の不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって構成される。記憶部12には、制御部11にて参照されるべきコンピュータプログラムPG1、及びシステムデータSDが記憶される。システムデータSDには各種のデータが適宜に含まれ得るが、図5の例ではブランドデータMD、及び第1施設データFD1が示されている。
【0053】
第1施設データFD1は、各店舗6(施設)に設置される端末を管理するための施設データの一種である。各店舗6には各種の端末が設置されてよく、それらが適宜に施設データによって管理され得るが、第1施設データFD1で管理される端末には決済端末4が含まれる。つまり、各店舗6の決済端末4は第1施設データFD1によって管理される。ブランドデータMDは、決済端末4にて決済可能な決済方法を管理するためのデータである。ブランドデータMDの詳細は後述する。
【0054】
制御部11は、一又は複数のサーバユニット2のコンピュータハードウエア資源(例えばCPU等)を利用して構成される。制御部11には、制御部11を構成するハードウエア資源とコンピュータプログラムPG1との組み合わせによって各種の論理的装置が構成されるが、図5の例では論理的装置の一例として決済管理部13が示されている。
【0055】
決済管理部13は、マルチ決済に関する各種の処理を行う論理的装置である。このような処理には、例えば決済端末4がモバイル端末装置7b(決済媒体)から読み取った媒体情報等に基づいて電子マネー等による決済を実行する処理が含まれる。具体的には、決済管理部13は、例えば自家型電子マネーによる決済を実現するために自家型電子マネー管理システム20Aと送受信し、残高を更新する処理を実行する。また、決済管理部13は、その決済結果を決済端末4、マネー管理システム20、或いは電子マネーシステム30といった適宜の端末やシステム等と共有する処理も実行する。
【0056】
決済端末4には、制御部41と、記憶部42とが設けられる。記憶部42は、ハードディスクアレイ等の不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって構成される。記憶部42には、制御部41にて参照されるべきコンピュータプログラムPG2及び端末データが記憶される。端末データには各種のデータが適宜に含まれ得るが、図5の例ではブランドデータMD、及び第1施設データFD1が示されている。
【0057】
端末データは、適宜の手法により記憶部42に記憶されてよく、例えばプレインストールされていてもよいし、各種の記録媒体を介して記憶部42に記憶されてもよい。このように端末データは適宜の手法により記憶部42に記憶され得るが、一例としてブランドデータMD、及び第1施設データFD1(各決済端末4に対応する部分のみでもよい)は決済システム10からネットワークNTを通じて提供される。
【0058】
制御部41は、一又は複数のサーバユニット2のコンピュータハードウエア資源を利用して構成される。制御部41には、制御部41を構成するハードウエア資源とコンピュータプログラムPG2との組み合わせによって各種の論理的装置が構成されるが、図5の例では論理的装置の一例として、決済実行部43が示されている。
【0059】
決済実行部43は、モバイル端末装置7b(決済媒体)を介した決済を実現するための各種の処理を行う論理的装置である。このような処理には、モバイル端末装置7bの媒体情報を読み取ったり、媒体情報(例えば残高が記録される場合の残高等)を更新したりする処理が含まれる。また、モバイル端末装置7bから読み取った媒体情報に基づいて決済が実行されるように、その媒体情報を決済システム10に送信したり、その結果を取得してゲーム機3A等のサービス端末3に送信したりする処理が含まれる。さらに、決済実行部43は、例えば第1施設データFD1、及びブランドデータMDといった各種のデータを決済システム10から取得して保存する処理も実行する。
【0060】
アーケードシステムASには、制御部AS1と、記憶部AS2とが設けられる。記憶部AS2は、ハードディスクアレイ等の不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって構成される。記憶部AS2には制御部AS1にて参照されるべきコンピュータプログラム、及びシステムデータが記憶され、システムデータには各種のデータが適宜に含まれ得るが、図5の例ではシステムデータの一例として第2施設データFD2のみ示されている。
【0061】
第2施設データFD2は、第1施設データFD1と同様に各店舗6(施設)に設置される端末を管理するための施設データの一種である。ただし、第2施設データFD2で管理される端末にはサービス端末3が含まれる。つまり、各店舗6のサービス端末3(ゲーム機3A等)は第2施設データFD2によって管理される。第2施設データFD2の詳細は後述する。
【0062】
制御部AS1は、一又は複数のサーバユニット2のコンピュータハードウエア資源(例えばCPU等)を利用して構成される。制御部AS1には、制御部AS1を構成するハードウエア資源と記憶部AS2のコンピュータプログラムとの組み合わせによって各種の論理的装置が構成される。そして、その論理的装置を通じてゲーム機3A(サービス端末3)に対する情報の送受信等の各種の処理が適宜に実現され得るが、図5の例ではそれらの図示は省略されている。
【0063】
ゲーム機3Aには、制御部31と、記憶部32とが設けられる。記憶部32は、ハードディスクアレイ等の不揮発性記憶媒体(コンピュータ読み取り可能な記憶媒体)を含んだ記憶ユニットによって構成される。記憶部32には、制御部31にて参照されるべきコンピュータプログラムPG3及びゲームデータGDが記憶される。ゲームデータGDには各種のプレイ実績を管理するためのプレイデータ、各種画像(ゲーム画面を含む)を表示するための画像データ、或いはBGM等の各種音声を再生するための音声データといったゲームに関連する各種のデータが適宜に含まれ得るが、図5の例では第2施設データFD2が示されている。
【0064】
第2施設データFD2は上述のとおりであるが、各店舗6に設置されるゲーム機3Aの情報を含んでいる。換言すれば、各ゲーム機3Aが設置される店舗6を特定可能な情報、つまり発行者情報を含んでいる。このため、第2施設データFD2は、各ゲーム機3Aが設置される店舗6の情報を含むようにアーケードシステムASから提供される。具体的には、ゲームデータGDは、適宜の手法により記憶部32に記憶されてよく、例えばプレインストールされていてもよいし、各種の記録媒体を介して記憶部32に記憶されてもよい。このようにゲームデータは適宜の手法により記憶部32に記憶され得るが、一例として第2施設データFD2(各ゲーム機3Aに対応する部分のみでもよい)はアーケードシステムASからネットワークNTを通じて提供される。
【0065】
制御部31は、一又は複数のサーバユニット2のコンピュータハードウエア資源を利用して構成される。制御部31には、制御部31を構成するハードウエア資源とコンピュータプログラムPG3との組み合わせによって各種の論理的装置が構成されるが、図5の例では論理的装置の一例として、ゲーム提供部33、及び特典適用部34が示されている。
【0066】
ゲーム提供部33は、ゲームの提供に関する各種の処理を行う論理的装置である。例えば、このような処理にはゲーム画面を描画したり表示したりする処理、ユーザのプレイ行為に基づいてゲームを進行させるための処理、或いはユーザのプレイ行為を評価する処理といった処理が含まれる。一方、特典適用部34は、発行者特典を実現するための各種の処理を行う論理的装置である。例えば、このような処理には特典の要否を判別したり、対象の発行者特典を特定したり、特定した発行者特典を付与したりする処理が含まれる。特典適用部34は、このような処理の一例として、特典付与処理を実行する。特典付与処理の手順の詳細は後述する。
【0067】
なお、決済システム10、決済端末4、アーケードシステムAS、及びゲーム機3Aには各種の入力装置及び出力装置が適宜に設けられる。例えば、決済端末4の入力装置には上述のリーダ装置、タッチセンサTSが含まれ、出力装置にはモニタMOが含まれる。そして、それらは制御部41に接続されて各種信号を入力したり動作を制御されたりする。同様に、ゲーム機3Aにはプレイ行為を入力するためのタッチセンサ等の各種の入力装置、或いは音声を再生するスピーカやゲーム画面等を表示する表示装置といった各種の出力装置が設けられる。しかし、それらの図示は省略した。
【0068】
(プログラムの適用部)
次に、図6を参照して、ゲーム機3A(サービス端末3)のプログラムPG3に設けられる適用部について説明する。各適用部は、上述のとおり各発行者特典を実現するための部分である。各ゲーム機3Aは各店舗6に配置され、各店舗6にはその運営者(自家型電子マネーの発行者)によって運営者に応じた発行者特典が用意される。発行者特典は店舗6、或いは系列店といった各種の単位に応じて適宜に用意され得るが、図6の例は三名の発行者によって三つの発行者特典が用意される場合を示している。また、系列店ではその経営母体によって共通の発行者特典が用意される場合が多いと考えられるが、個別の店舗6において個別の発行者特典が用意される場合もある。図6の例は、このような系列店の一部において個別の発行者特典が用意される場合を示している。具体的には、図6の例では三つの店舗6のうち二つの店舗6は系列店に相当するものの、それらの二つの店舗6のうち一方において個別の発行者特典が用意される場合が示されている。この場合、図6に示すように、プログラムPG3には、“第1特典”~“第3特典”の三つの発行者特典をそれぞれ付与するために“第1適用部”~“第3適用部”の三つの適用部が設けられる。
【0069】
具体的には、“第1適用部”は“第1特典”を、“第2適用部”は“第2特典”を、“第3適用部”は“第3特典”を、それぞれ付与するための適用部である。また、“第1特典”は系列店における経営母体によって、“第2特典”は“B店舗”の運営者によって、“第3特典”は“C店舗”の運営者によって、それぞれ用意された発行者特典である。“A店舗”及び“B店舗”は系列店であり、経営母体は共通する。“A店舗”及び“B店舗”はいずれも同じその経営母体によって運営されているとも言えるが、これらの各店舗6には個別の運営者(例えば店長)が配置され、その個別の運営者によって実質的に運営される。自家型電子マネーは経営母体によってだけでなく、その個別の運営者によって発行される場合がある。例えば、経営母体、及び“B店舗”のそれぞれによって自家型電子マネーが発行される場合、経営母体が発行する自家型電子マネーは“A店舗”及び“B店舗”の両店にて使用可能であるが、“B店舗”が発行する自家型電子マネーの使用はその“B店舗”に制限される。このため、経営母体が共通していても(同じ系列店であっても)、“B店舗”にて異なる自家型電子マネーが発行され、異なる発行者特典が用意される場合があり、図6の例はこのような場合を示している。
【0070】
プログラムPG3は“A店舗”~“C店舗”のいずれに設置されるゲーム機3Aにも共通に配信されるが、各店舗6において適用される対象の適用部は相違する。例えば、“A店舗”に設置されるゲーム機3Aで付与可能な発行者特典は“第1特典”である。そこに設置されるゲーム機3Aでは“第1適用部”~“第3適用部”の適用部のうち“第1適用部”が適用対象の適用部として特定されるべきである。このため、各適用部は各店舗6と関連付けられるように記述され、発行者情報としての第2施設データFD2に基づいて対象の適用部が特定される。
【0071】
例えば、“A店舗”の場合、ゲーム機3Aはまず第2施設データFD2を参照し、自己が設置されている店舗6(“A店舗”)を判別する。続いてゲーム機3Aは自己の店舗6に対応付けられる適用部(“第1適用部”)を特定する。そして、ゲーム機3Aは“第1適用部”~“第3適用部”のうち“第1適用部”を適用して“第1特典”の付与を実現する。“第1適用部”は“第1特典”の付与を実現可能に適宜に構成され得るが、例えば発行者特典の付与に特典条件が付随する場合、その特典条件の情報を含んでいてもよい。特典条件は特典データ等、プログラムPG3とは別に管理されてもよいが、いずれにしても“第1特典”の付与には特典条件の判別が含まれる。“C店舗”の場合も同様である。
【0072】
“B店舗”の場合、“第1適用部”の適用(“第1特典”の付与)については“A店舗”の場合と同様であるが、“B店舗”には“第2特典”も用意される。つまり、“B店舗”では、経営母体が発行する自家型電子マネー(以下、主自家型マネーと呼ぶ場合がある)が決済に使用された場合に“第1特典”が、“B店舗”の運営者が発行する自家型電子マネー(以下、副自家型マネーと呼ぶ場合がある)が決済に使用された場合に“第2特典”が、それぞれ付与される。この場合、いずれの自家型電子マネーで決済されたか識別が必要である。このため、主自家型マネー、及び副自家型マネーにはそれぞれ別々の自家型マネー種別が割り当てられ、それに基づいて判別される。
【0073】
具体的には、少なくとも“第2適用部”は副自家型マネー用の自家型マネー種別に関連付けられるように記述される。“B店舗”のゲーム機3Aは自己の店舗6に加えて更に自家型マネー種別に基づいて主自家型マネー、及び副自家型マネーのいずれかを判別する。そして、決済された自家型電子マネーが主自家型マネーである場合には自己の店舗6に対応付けられる適用部として“第1適用部”を、副自家型マネーである場合には自己の店舗6に対応付けられる適用部として“第2適用部”を、それぞれ特定し、それらの適用を通じて“第1特典”、及び“第2特典”をそれぞれ付与する。主自家型マネー、及び副自家型マネーの識別は適宜に実現され得るが、一例としてこのように別々の自家型マネー種別に基づいて実行される。この場合において、副自家型マネー用の自家型マネー種別は適宜に用意されてよく、例えば系列(複数の系列店によって形成される一つの経営グループ)毎に所定数、或いは系列にかかわらず全店で所定数といった適宜の単位で所定数用意されてもよいが、いずれにしても複数の系列を跨いで使いまわされる(異なる系列間において重複的に使用される)方が好ましい。一例として、プログラムPG3の各適用部はこのように使用される。この例において主自家型マネー、及び副自家型マネーが、本発明の複数種類の自家型電子マネーとして機能する。また、“第1特典”、及び“第2特典”が、本発明の二以上の特典として機能する。
【0074】
なお、プログラムPG3は“A店舗”~“C店舗”の各ゲーム機3Aに共通にインストールされるが、各店舗6、或いは各ゲーム機3Aの都合等により適宜調整が加えられてもよい。つまり、プログラムPG3は各店舗6のゲーム機3A間において相違する部分を含んでいてもよい。例えば、設定装置5を介して各発行者の発行者特典(あるいは特典条件)が更新された場合、更新対象のプログラムPG3は更新対象の店舗6に設置されるゲーム機3Aに限定されてもよい。いずれにしてもプログラムPG3は複数の発行者特典にそれぞれ対応する複数の適用部を有する限り、適宜に構成されてよい。
【0075】
(各種データの詳細)
次に、図7図8を参照して、ブランドデータMD、及び第2施設データFD2の詳細について説明する。図7は、ブランドデータMDの構成の一例を示す図である。図7に示すように、ブランドデータMDは、決済端末4毎に使用可能な決済方法を管理するためのブランドレコードMDRを含んでいる。また、ブランドレコードMDRは、このような管理を実現するために、“端末ID”、“店舗ID”、“ブランドID”、及び“決済種別”の情報を含んでいる。ブランドレコードMDRには、これらの情報が相互に関連付けられるように記録されている。
【0076】
“端末ID”は、各決済端末4を識別するために決済端末4毎にユニークな端末IDを示す情報である。“店舗ID”は、各店舗6を識別するために店舗6毎にユニークな店舗IDを示す情報である。“ブランドID”は、各決済方法を識別するために決済方法毎にユニークなブランドIDを示す情報である。例えば、自家型電子マネー、第1第三者型電子マネー、及び第2第三者型電子マネーには、それぞれ別々のブランドIDが付与される。そして、これらの全てを使用可能な決済端末4の端末IDには、これらの全てのブランドIDの情報が“ブランドID”に記述される。一方で、自家型電子マネー、第1第三者型電子マネー、及び第2第三者型電子マネーの一部のみが使用可能な決済端末4の端末IDには、その一部のブランドIDの情報のみが“ブランドID”に記述される。
【0077】
“決済種別”は、各決済方法(ブランド)に割り当てられる決済種別を示す情報である。例えば、自家型電子マネー、第1第三者型電子マネー、及び第2第三者型電子マネーにはそれぞれを示すマネー種別(一般的に決済コードと呼ばれる場合もある)の情報が決済種別の情報として“決済種別”に記述される。複数種類の自家型電子マネーが存在する場合でも基本的にそれらには共通の自家型マネー種別が割り当てられるが、例えば同系列内で二種類以上の自家型電子マネーが存在する場合等、必要に応じて複数の自家型マネー種別が割り当てられる場合がある。この場合、“決済種別”には各自家型電子マネーに対応する自家型マネー種別の情報が記述される。
【0078】
なお、ブランドデータMDには、これらに限定されず、各種の決済方法に関連する適宜の情報が含まれていてよい。あるいは、反対に上述の各情報が適宜に省略されてもよい。例えば、各決済端末4では、“ブランドID”のみ、或いは“ブランドID”及び“店舗ID”のみといった各決済端末4の“端末ID”に関連付けられる情報のみが抜粋され、“端末ID”の情報が省略されたブランドデータMDが使用されてもよい。つまり、各決済端末4のブランドデータMDでは、自己の決済方法を示す“ブランドID”以外の情報が適宜に省略されてもよい。
【0079】
図8は、第2施設データFD2の構成の一例を示す図である。図8に示すように、第2施設データFD2は、店舗6(施設)毎にそこに設置されるサービス端末3を管理するための施設レコードFDRを含んでいる。また、施設レコードFDRは、このような管理を実現するために、“店舗ID”、“詳細”、及び“筐体ID”の情報を含んでいる。施設レコードFDRには、これらの情報が相互に関連付けられるように記録されている。
【0080】
“店舗ID”は、上述の店舗IDを示す情報である。“詳細”は、各店舗6の詳細を示す情報である。各店舗6の詳細には、例えば運営者、住所、連絡先といった各店舗6の管理に必要な各種の情報が適宜に含まれる。“筐体ID”は、各サービス端末3を識別するためにサービス端末3毎にユニークに付与される筐体IDを示す情報である。なお、第2施設データFD2には、これらに限定されず、管理の都合等に応じて適宜の情報が含まれていてよい。あるいは、上述の各情報が適宜に省略されてもよい。例えば、各サービス端末3では、“店舗ID”のみ、或いは“店舗ID”及び“筐体ID”のみといったサービス端末3の“筐体ID”に関連付けられる情報のみが抜粋され、“詳細”等のサービスの提供に不要な情報が適宜に省略された第2施設データFD2が使用されてもよい。つまり、各サービス端末3の第2施設データFD2では、自己の配置される店舗6を示す“店舗ID”以外の情報が適宜に省略されてもよい。
【0081】
(ネットワークシステムの処理)
次に、図9を参照して、発行者特典の付与に関連してネットワークシステム1で実行される特典付与処理について説明する。特典付与処理は、発行者特典を付与するための処理である。発行者特典はゲームのプレイ等、サービスの対価が自家型電子マネーにて支払われた場合に付与されるが、その支払い条件に加えて別途特典条件が要求される場合がある。図9の例は、その特典条件が要求される場合の特典付与処理を示している。この場合、特典適用部34は、決済端末4を介して対価が支払われ、その決済結果が決済端末4から送信されると図9の特典付与処理を開始し、まずその決済結果を取得する(ステップS101)。決済結果は決済に関する各種の情報を適宜に含み得るが、例えば決済成否の情報、及び決済成功の場合はその決済方法を示す決済種別の情報を含む。
【0082】
続いて特典適用部34は、付与条件を満たすか否か判別する(ステップS102)。付与条件は発行者特典の付与の可否を判別するための条件である。発行者特典は一例として支払い条件、及び特典条件の両方が満たされた場合に付与される。このため、付与条件は、これらの支払い条件、及び特典条件を含んでいる。支払い条件は、上述のとおり対価が自家型電子マネーによって決済された場合に満たされる。特典条件は支払い条件が満たされた場合に特典の付与の可否を判別するための付加的な条件である。特典条件は適宜に設定され得るが、例えば対価の額が所定額以上の場合に満たされる金額条件、所定の時期において満たされる時期条件、ゲーム(サービス)の利用状況によって満たされる利用条件、及び複数の店舗6(施設)のうち特定の店舗6(あるいは特定のサービス端末3でもよい)において満たされる施設条件といった条件(適宜に組み合わされてもよい)を含んでいる。付与条件が満たされない場合、つまり支払い条件が満たされない(自家型電子マネーで決済されてない)場合、或いは支払い条件が満たされる場合でも特典条件が満たされない場合(ステップS102:No)、特典適用部34は以降の処理をスキップして今回の特典付与処理を終了する。
【0083】
一方、付与条件が満たされる場合、つまり自家型電子マネーで決済され(支払い条件が満たされ)、かつ特典条件が満たされる場合(ステップS102:Yes)、特典適用部34は、付与すべき発行者特典を特定する(ステップS103)。具体的には、特典適用部34は第2施設データFD2の“店舗ID”の情報を参照し、自己が設置されている店舗6をまず判別する。そして、特典適用部34は、その判別した店舗6(自己の店舗6)に対応付けられる適用部、或いはその適用部に対応する発行者特典を対象の発行者特典として特定する。主自家型マネー、及び副自家型マネーが存在する場合、二以上の発行者特典にそれぞれ対応する二以上の適用部が存在する可能性がある。この場合、特典適用部34は、決済種別に含まれる自家型マネー種別に基づいて更に今回の決済(決済された自家型電子マネー)に対応する適用部を特定する。自家型マネー種別の情報(例えばその部分のみのブランドデータMD等)はゲーム機3Aにも記憶されていてよく、特典適用部34はその情報を参照しつつ、この特定を実行してもよいが、一例として決済結果に含まれる自家型マネー種別(決済種別)に基づいて特定する。具体的には、主自家型マネー、及び副自家型マネーにそれぞれ対応する二つの適用部は各自家型電子マネーを示す自家型マネー種別の情報と関連付けて記述される。このため、特典適用部34は、決済結果に含まれる自家型マネー種別に基づいてそれと関連付けられる適用部を特定する。
【0084】
続いて特典適用部34は、ステップS103で特定した発行者特典を付与する(ステップS104)。具体的には、特典適用部34は、ステップS103で特定した発行者特典に対応する適用部を適用(実行)することにより、この付与を実現する。そして、この付与の後に特典適用部34は、今回の特典付与処理を終了する。これにより、自家型電子マネーの利用者MHに限定されるように発行者特典が付与される。具体的には、自家型電子マネーで対価が支払われ、かつ特典条件がみたされる場合にその自家型電子マネーの発行者が用意した発行者特典がサービス(例えばゲームのプレイ等)に付与される。
【0085】
以上に説明したように、この形態によれば、自家型電子マネーにてゲーム(サービス)の対価が決済された場合に、その自家型電子マネーの発行者によって設定された発行者特典がゲームに付与される。自家型電子マネーは発行者が提供するサービスに決済対象が制限されるタイプの電子マネーであるから、自家型電子マネーが使用可能な店舗6(施設)はその発行者によって運営される店舗6に相当する。つまり、ゲーム機3Aが設置される店舗6の運営者によって任意に設定され得る発行者特典が、自家型電子マネーによる決済に限定されるようにゲームに付与される。これにより、この発行者特典を利用して、店舗6に応じた特性を持たせることができる。このため、店舗6独自のキャンペーン等を実現することができる。結果として、発行者特典(特性)を利用して、他の店舗6との差別化を図ることができる。また、自家型電子マネーの利用を促進することができ、ひいてはユーザの囲い込みも図ることができる。
【0086】
また、例えば、系列店において主自家型マネー、及び副自家型マネーの使用が許容される場合、自家型マネーの種別によって複数の発行者特典が使い分けられ、副自家型マネーに対応する店舗6では他の系列店にはない発行者特典が付与される。これにより、複数の系列店舗6において主自家型マネーを通じて系列店全体に特性を持たせつつ、更に副自家型マネーを通じて各店舗6における特性も持たせることができる。また、副自家型マネーを通じて系列の店舗6間における差別化も実現することができる。特に、複数の副自家型マネーが存在する場合(複数の副自家型マネーには共通の自家型マネー種別が割り当てられてよい)、それらにそれぞれ対応する複数の発行者特典を通じて系列間の差別化を更に活性化することができる。
【0087】
一方、自家型電子マネーは各店舗6の運営者によって比較的容易に発行され得る。このため、各店舗6で使用可能な自家型電子マネーは限定されるものの、いずれの店舗6にも設置され得るゲーム機3A(あるいは決済端末4)から見ると多数の自家型電子マネーによる決済を担う場合も生じ得る。一方で、決済方法を識別する決済種別は有限な場合も多く、少なくとも無制限なリソースの用意は好ましくない場合が多い。複数種類の自家型電子マネーのうち少なくとも二種類以上の自家型電子マネー(全部、若しくは他の系列の主自家型マネー間や副自家型マネー間といった適宜の一部)に共通の自家型マネー種別が割り当てられる場合、このようなリソースの用意を抑制することができる。換言すれば、少ない自家型マネー種別によって多くの発行者特典の付与に対応するゲーム機3Aを実現することができる。
【0088】
さらに、各発行者特典が各ゲーム機3に共通に配信されるプログラムPG3によって実現される場合、複数の発行者特典を実現するためのプログラムの管理、及び更新を容易化することができる。例えば、自家型電子マネーの発行者数は膨大になる可能性があるため、発行者特典用のプログラムを発行者毎に管理すると管理が煩雑化を招く可能性がある。共通に配信されるプログラム3を通じて、このような管理の手間暇を軽減することができる。
【0089】
以上の形態では、ゲーム機3Aの特典適用部34が、図9の処理を実行することにより本発明の特典特定手段、特典付与手段、及び結果取得手段として機能する。具体的には、特典適用部34が図9のステップS103を実行することにより特典特定手段として、ステップS104を実行することにより特典付与手段として、ステップS101を実行することにより結果取得手段として、それぞれ機能する。
【0090】
本発明は上述した形態に限定されることなく、各種の変形又は変更が施された形態にて実施されてよい。また、本発明は、上述の形態、及び以下の変形等が施された形態に含まれる各種の技術的手段が適宜に組み合わされて得られる形態にて実施されてもよい。例えば、上述の形態では、所定のサービスの対価は決済端末4を介して徴収されている。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。所定のサービスの対価はサービス端末3によって直接的に徴収されてもよい。
【0091】
また、上述の形態では、サービス端末3が図9の処理を実行している。しかし、本発明は、このような形態に限定されない。例えば、図9の処理の全部或いは一部をアーケードシステムAS等の他のシステム等が適宜に実行してもよい。この場合、実際に発行者特典を付与するサービス端末3が間接的に図9の処理の全部等を実行していると把握されてもよいし、サービス端末3とアーケードシステムAS等の図9の処理の全部等を実行する他のシステムとの組合せが本発明のサービス端末と把握されてもよい。
【0092】
上述した実施の形態及び変形例のそれぞれから導き出される本発明の各種の態様を以下に記載する。なお、以下の説明では、本発明の各態様の理解を容易にするために添付図面に図示された対応する部材を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0093】
本発明のサービス端末は、複数の決済方法のいずれかによる対価の決済と引き換えに所定のサービスをそれぞれ提供する複数のサービス端末(3)のうち所定の施設(6)に設置されるサービス端末(3)であって、通貨と引き換えに発行される電子的価値としての電子マネーのうち発行者が提供するサービスに決済対象が制限されるタイプの自家型電子マネーによる決済が前記複数の決済方法に含まれ、当該自家型電子マネーの発行者によって前記所定の施設が運営される場合に、当該発行者を特定可能な発行者情報に基づいて、当該発行者によって設定された特典としての発行者特典を特定する特典特定手段(34)と、前記対価が前記自家型電子マネーによって決済された場合に、前記複数の決済方法のうち前記自家型電子マネーによる決済に限定されるように、前記発行者特典を前記所定のサービスに付与する特典付与手段(34)と、を備える、ものである。
【0094】
本発明によれば、自家型電子マネーにて所定のサービスの対価が決済された場合に、その自家型電子マネーの発行者によって設定された発行者特典が所定のサービスに付与される。自家型電子マネーは発行者が提供するサービスに決済対象が制限されるタイプの電子マネーであるから、自家型電子マネーが使用可能な施設はその発行者によって運営される施設に相当する。つまり、サービス端末が設置される施設の運営者によって任意に設定され得る発行者特典が、自家型電子マネーによる決済に限定されるように所定のサービスに付与される。これにより、この発行者特典を利用してサービス端末が設置される施設に応じた特性を持たせることができる。このため、施設独自のキャンペーン等を実現することができる。結果として、発行者特典(特性)を利用して、他の施設との差別化を図ることができる。また、自家型電子マネーの利用を促進することができ、ひいてはユーザの囲い込みも図ることができる。
【0095】
自家型電子マネーは一種類であっても、複数種類であってもよい。複数種類の自家型電子マネーが存在する場合、それらは複数の発行者によって発行され、各施設ではその施設の運営者によって発行された自家型電子マネーのみが使用可能であるが、二種類の自家型電子マネーの使用が重複的に許容される場合もある。例えば、経営母体が共通の複数の系列的な施設においてその経営母体によって発行された自家型電子マネーと各施設の運営者によって発行された自家型電子マネーとが存在する場合、各施設では各施設の自家型電子マネー、及び経営母体の自家型電子マネーの両方の使用が許容される。このような二種類の自家型電子マネーの使用が許容される場合、それらに共通の発行者特典が用意されてもよいし、自家型電子マネー毎に発行者特典が用意されてもよい。
【0096】
具体的には、例えば、本発明のサービス端末の一態様において、前記自家型電子マネーは、複数種類の自家型電子マネーを含み、前記発行者特典は、前記複数種類の自家型電子マネーにそれぞれ対応する二以上の特典を含み、前記特典付与手段は、前記複数種類の自家型電子マネーのいずれかによって前記所定の対価が決済された場合に、前記二以上の特典のうち前記所定の対価を決済した自家型電子マネーに対応する特典を前記発行者特典として付与してもよい。この場合、例えば複数の系列施設において系列施設全体に特性を持たせつつ、更に各施設における特性も持たせることができる。また、系列施設間における差別化も実現することができる。
【0097】
発行者特典は、自家型電子マネーによる決済だけを条件(支払い条件)に付与されても、各種の付加的な特典条件が満たされた場合に付与されてもよい。このような特典条件は各種の条件を適宜に含んでいてよい。例えば、本発明のサービス端末の一態様において、前記特典付与手段は、前記対価が前記自家型電子マネーによって決済され、かつ所定の特典条件が満たされた場合に前記発行者特典を付与し、前記特典条件は、前記所定の対価の額が所定額以上の場合に満たされる金額条件、所定の時期において満たされる時期条件、前記所定のサービスの利用状況によって満たされる利用条件、及び前記複数のサービス端末がそれぞれ設置される複数の施設のうち特定の施設において満たされる施設条件の少なくともいずれか一つを含み、当該一つが満たされた場合に満たされてもよい。
【0098】
所定の対価はサービス端末によって直接的に決済されても、適宜の装置等を介して間接的に決済されてもよい。例えば、本発明のサービス端末の一態様として、前記対価を決済するための決済端末(4)に接続され、当該対価を決済した決済方法を識別可能な決済種別の情報を含む決済結果を前記決済端末から取得する結果取得手段(34)を備える態様が採用されてもよい。
【0099】
また、自家型電子マネーが複数種類の自家型電子マネーを含む場合において、各自家型電子マネーによる決済は適宜に識別されてよく、例えば自家型電子マネー毎に識別されても、複数種類の自家型電子マネーのいずれによる決済も単に自家型電子マネーによる決済と一様に識別されてもよい。例えば、本発明のサービス端末の一態様において、前記決済種別は、前記自家型電子マネーを示す種別として自家型マネー種別を含み、前記自家型マネー種別は、前記自家型電子マネーが複数種類の自家型電子マネーを含む場合に、当該複数種類の自家型電子マネーのうち少なくとも二種類以上の自家型電子マネーに共通に割り当てられてもよい。自家型電子マネーは各施設の運営者によって比較的容易に発行され得る。このため、各施設で使用可能な自家型電子マネーは限定されるものの、いずれの施設にも設置され得るサービス端末(あるいは決済端末等の間接的に決済を行う装置)から見ると多数の自家型電子マネーによる決済を担う場合も生じ得る。一方で、決済方法を識別する決済種別は有限な場合も多く、少なくとも無制限なリソースの用意は好ましくない場合が多い。複数種類の自家型電子マネーのうち少なくとも二種類以上の自家型電子マネーに共通の自家型マネー種別が割り当てられる場合、このようなリソースの用意を抑制することができる。換言すれば、少ない自家型マネー種別によって多くの発行者特典の付与に対応するサービス端末を実現することができる。
【0100】
所定のサービスとして各種商品の販売、ゲーム等の各種役務の提供といった各種のサービスが適宜に採用されてよい。サービス端末もそれらのサービスを提供する各種の端末として構成されてよい。例えば、本発明のサービス端末の一態様において、前記複数のサービス端末として、ゲームをそれぞれ提供する複数のゲーム機(3A)が利用され、前記所定のサービスとして、各ゲーム機が提供する前記ゲームが機能してもよい。
【0101】
本発明のコンピュータプログラム(PG3)は、コンピュータ(31)を、上述のサービス端末の各手段として機能させるように構成されたものである。
【0102】
本発明の制御方法は、複数の決済方法のいずれかによる対価の決済と引き換えに所定のサービスをそれぞれ提供する複数のサービス端末(3)のうち所定の施設に設置されるサービス端末(3)に組み込まれるコンピュータ(31)に、通貨と引き換えに発行される電子的価値としての電子マネーのうち発行者が提供するサービスに決済対象が制限されるタイプの自家型電子マネーによる決済が前記複数の決済方法に含まれ、当該自家型電子マネーの発行者によって前記所定の施設が運営される場合に、当該発行者を特定可能な発行者情報に基づいて、当該発行者によって設定された特典としての発行者特典を特定する特典特定手順と、前記対価が前記自家型電子マネーによって決済された場合に、前記複数の決済方法のうち前記自家型電子マネーによる決済に限定されるように、前記発行者特典を前記所定のサービスに付与する特典付与手順と、を実行させる、ものである。本発明のコンピュータプログラム、或いは制御方法が実行されることにより、本発明のサービス端末を実現することができる。
【符号の説明】
【0103】
3 サービス端末
4 決済端末
6 店舗(施設)
31 制御ユニット(コンピュータ)
34 特典適用部(特典特定手段、特典付与手段、結果取得手段)
3A ゲーム機(サービス端末)
FD2 第2施設データ(発行者情報)
PG3 コンピュータプログラム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9