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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058767
(43)【公開日】2024-04-30
(54)【発明の名称】画像処理装置、画像処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06V 30/14 20220101AFI20240422BHJP
   G06F 16/14 20190101ALI20240422BHJP
   G06F 16/13 20190101ALI20240422BHJP
【FI】
G06V30/14 340B
G06F16/14 100
G06F16/13 200
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022166064
(22)【出願日】2022-10-17
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】西山 和宏
【テーマコード(参考)】
5B029
【Fターム(参考)】
5B029AA01
5B029CC25
(57)【要約】      (修正有)
【課題】原稿の読み取りにより生成された画像データを処理する画像処理装置及び画像処理プログラムを提供する。
【解決手段】スキャナー(画像読取装置)と、通信IFを介して通信が可能な画像処理装置は、原稿の読み取りにより生成された画像データを取得し、画像データに含まれている文字列を文字認識により取得する制御部を備える。制御部は、画像データのうち第1識別マーク51によって範囲が指定された文字列であって第1識別マークとは別の第2識別マーク52が更に付加された文字列を、文字認識により取得する第1処理と、第1処理によって取得した文字列を用いた第2処理と、を実行する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿の読み取りにより生成された画像データを取得し、前記画像データに含まれている文字列を文字認識により取得する制御部を備えた画像処理装置であって、
前記制御部は、
前記画像データのうち第1識別マークによって範囲が指定された前記文字列であって前記第1識別マークとは別の第2識別マークが更に付加された前記文字列を、文字認識により取得する第1処理と、
前記第1処理によって取得した前記文字列を用いた第2処理と、を実行する、
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像処理装置において、前記第2処理は、前記画像データを保存する記憶部におけるフォルダーのフォルダー名と前記文字列とを比較し、前記フォルダー名の少なくとも一部が前記文字列の少なくとも一部と一致するフォルダーに前記画像データを保存する処理である、
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項3】
請求項1に記載の画像処理装置において、前記第2処理は、前記画像データを保存する記憶部におけるフォルダーに対応づけられた指定文字列と前記文字列とを比較し、前記指定文字列の少なくとも一部が前記文字列と一致する場合、前記指定文字列に対応するフォルダーに前記画像データを保存する処理である、
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項4】
請求項2または請求項3に記載の画像処理装置において、前記記憶部は、クラウドサーバーが備える記憶部である、
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項5】
請求項1に記載の画像処理装置において、前記文字列を第1文字列とし、前記画像データに含まれる文字列であって前記第1文字列とは異なる文字列を第2文字列として、
前記制御部は、
前記第1処理において、前記画像データのうち前記第1識別マークとは異なる位置にある第3識別マークによって範囲が指定された前記第2文字列であって前記第2識別マークが更に付加された前記第2文字列を文字認識により取得し、
前記第2処理において、前記第1処理によって取得した前記第1文字列と前記第2文字列とを用いた処理を実行する、
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項6】
請求項5に記載の画像処理装置において、
前記第2処理は、
前記画像データのファイル名を、前記第1文字列を含むファイル名とする処理と、
前記画像データを保存する記憶部におけるフォルダーのフォルダー名と前記第2文字列とを比較し、前記フォルダー名の少なくとも一部が前記第2文字列の少なくとも一部と一致するフォルダーに前記画像データを保存する処理と、を含む、
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項7】
請求項5に記載の画像処理装置において、
前記第2処理は、
前記画像データのファイル名を、前記第1文字列を含むファイル名とする処理と、
前記画像データを保存する記憶部における既存のフォルダーに対応づけられた指定文字列と前記第2文字列とを比較し、前記指定文字列の少なくとも一部が前記第2文字列の少なくとも一部と一致する場合、前記指定文字列に対応するフォルダーに前記画像データを保存する処理と、を含む、
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項8】
請求項1に記載の画像処理装置において、前記第1識別マークは、予め定められた色の線であって前記文字列を囲う線で構成され、
前記第2識別マークは、前記第1識別マークと交差する線を含み、前記第1識別マークより大きさの小さいマークであり、
前記制御部は、前記第1識別マークとともに前記第2識別マークが付加されている場合、前記第1識別マークによって範囲が指定された前記文字列を文字認識により取得する、
ことを特徴とする画像処理装置。
【請求項9】
原稿の読み取りにより生成された画像データに対する処理を画像処理装置に実行させる画像処理プログラムであって、
前記画像データのうち第1識別マークによって範囲が指定された文字列であって前記第1識別マークとは別の第2識別マークが更に付加された前記文字列を文字認識により取得する第1処理と、
前記第1処理によって取得した前記文字列を用いた第2処理と、を前記画像処理装置に実行させる、
ことを特徴とする画像処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿の読み取りにより生成された画像データを処理する画像処理装置および画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、スキャナーで読み取った用紙の読取データから、指定された記入箇所に記入されたデータをOCR(Optical Character Reader)により文字認識して取得することが行われている。例えば特許文献1には、読取対象である用紙から取得する属性データに付与する属性名を、用紙に予め記載されている文字列をマーキングすることによって指定する方法が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-192032号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
OCRにより文字認識を行う領域を用紙にマーキングを行うことで指定する方法では、読み取りとは無関係に最初からマーキングが行われていると、そのマーキングに基づいて文字認識を行ってしまい、即ち目的とする文字列とは別の文字列を認識してしまい、所望する文字認識結果を得られない場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する為の、本発明の画像処理装置は、原稿の読み取りにより生成された画像データを取得し、前記画像データに含まれている文字列を文字認識により取得する制御部を備えた画像処理装置であって、前記制御部は、前記画像データのうち第1識別マークによって範囲が指定された前記文字列であって前記第1識別マークとは別の第2識別マークが更に付加された前記文字列を、文字認識により取得する第1処理と、前記第1処理によって取得した前記文字列を用いた第2処理と、を実行することを特徴とする。
【0006】
また本発明の画像処理プログラムは、原稿の読み取りにより生成された画像データに対する処理を画像処理装置に実行させる画像処理プログラムであって、前記画像データのうち第1識別マークによって範囲が指定された前記文字列であって前記第1識別マークとは別の第2識別マークが更に付加された前記文字列を文字認識により取得する第1処理と、前記第1処理によって取得した前記文字列を用いた第2処理と、を前記画像処理装置に実行させることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】画像処理装置及び画像処理装置と通信する機器の構成を示すブロック図。
図2】画像処理プログラムにより実現される処理の流れを示すフローチャート。
図3】スキャナーによって読み取りを行う原稿の一例を示す図。
図4】フォルダーと指定文字列の一例を示す図。
図5】スキャナーによって読み取りを行う原稿の一例を示す図。
図6】画像処理プログラムにより実現される処理の流れを示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を概略的に説明する。
第1の態様に係る画像処理装置は、原稿の読み取りにより生成された画像データを取得し、前記画像データに含まれている文字列を文字認識により取得する制御部を備えた画像処理装置であって、前記制御部は、前記画像データのうち第1識別マークによって範囲が指定された前記文字列であって前記第1識別マークとは別の第2識別マークが更に付加された前記文字列を、文字認識により取得する第1処理と、前記第1処理によって取得した前記文字列を用いた第2処理と、を実行することを特徴とする。
【0009】
本態様によれば、前記制御部は前記画像データのうち第1識別マークによって範囲が指定された前記文字列であって前記第1識別マークとは別の第2識別マークが更に付加された前記文字列を、文字認識により取得することから、前記第1識別マークのみによって文字認識を行う範囲が指定された場合に比べて誤認識を良好に抑制することができる。
【0010】
第2の態様は、第1の態様において、前記第2処理は、前記画像データを保存する記憶部におけるフォルダーのフォルダー名と前記文字列とを比較し、前記フォルダー名の少なくとも一部が前記文字列の少なくとも一部と一致するフォルダーに前記画像データを保存する処理であることを特徴とする。
【0011】
本態様によれば、前記第2処理は、前記画像データを保存する記憶部におけるフォルダーのフォルダー名と前記文字列とを比較し、前記フォルダー名の少なくとも一部が前記文字列の少なくとも一部と一致するフォルダーに前記画像データを保存する処理であることから、前記画像データの保存先をユーザーが都度指定する必要がなくなり、ユーザビリティが向上する。
【0012】
第3の態様は、第1の態様において、前記第2処理は、前記画像データを保存する記憶部におけるフォルダーに対応づけられた指定文字列と前記文字列とを比較し、前記指定文字列の少なくとも一部が前記文字列と一致する場合、前記指定文字列に対応するフォルダーに前記画像データを保存する処理であることを特徴とする。
【0013】
本態様によれば、前記第2処理は、前記画像データを保存する記憶部におけるフォルダーに対応づけられた指定文字列と前記文字列とを比較し、前記指定文字列の少なくとも一部が前記文字列と一致する場合、前記指定文字列に対応するフォルダーに前記画像データを保存する処理であることから、前記画像データの保存先をユーザーが都度指定する必要がなくなり、ユーザビリティが向上する。
また本態様では、文字認識により得られる前記文字列とフォルダー名とが直接対応している必要が無い為、フォルダー名の設定の自由度が向上する。
【0014】
第4の態様は、第2のまたは第3の態様において、前記記憶部は、クラウドサーバーが備える記憶部であることを特徴とする。
本態様によれば、前記記憶部は、クラウドサーバーが備える記憶部である場合において、上述した第2のまたは第3の態様の作用効果が得られる。
【0015】
第5の態様は、第1の態様において、前記文字列を第1文字列とし、前記画像データに含まれる文字列であって前記第1文字列とは異なる文字列を第2文字列として、前記制御部は、前記第1処理において、前記画像データのうち前記第1識別マークとは異なる位置にある第3識別マークによって範囲が指定された前記第2文字列であって前記第2識別マークが更に付加された前記第2文字列を文字認識により取得し、前記第2処理において、前記第1処理によって取得した前記第1文字列と前記第2文字列とを用いた処理を実行することを特徴とする。
【0016】
本態様によれば、前記第1文字列に加え、前記第1文字列とは異なる前記第2文字列を利用することで、前記第2処理のバリエーションを拡げることができ、ユーザビリティを更に向上させることができる。
【0017】
第6の態様は、第5の態様において、前記第2処理は、前記画像データのファイル名を、前記第1文字列を含むファイル名とする処理と、前記画像データを保存する記憶部におけるフォルダーのフォルダー名と前記第2文字列とを比較し、前記フォルダー名の少なくとも一部が前記第2文字列の少なくとも一部と一致するフォルダーに前記画像データを保存する処理と、を含むことを特徴とする。
【0018】
本態様によれば、前記画像データの保存先に加え前記画像データのファイル名をユーザーが都度指定する必要がなくなり、ユーザビリティが向上する。
【0019】
第7の態様は、第5の態様において、前記第2処理は、前記画像データのファイル名を、前記第1文字列を含むファイル名とする処理と、前記画像データを保存する記憶部における既存のフォルダーに対応づけられた指定文字列と前記第2文字列とを比較し、前記指定文字列の少なくとも一部が前記第2文字列の少なくとも一部と一致する場合、前記指定文字列に対応するフォルダーに前記画像データを保存する処理と、を含むことを特徴とする。
【0020】
本態様によれば、前記画像データの保存先に加え前記画像データのファイル名をユーザーが都度指定する必要がなくなり、ユーザビリティが向上する。
また本態様では、文字認識により得られる前記第2文字列とフォルダー名とが直接対応している必要が無い為、フォルダー名の設定の自由度が向上する。
【0021】
第8の態様は、第1の態様において、前記第1識別マークは、予め定められた色の線であって前記文字列を囲う線で構成され、前記第2識別マークは、前記第1識別マークと交差する線を含み、前記第1識別マークより大きさの小さいマークであり、前記制御部は、前記第1識別マークとともに前記第2識別マークが付加されている場合、前記第1識別マークによって範囲が指定された前記文字列を文字認識により取得することを特徴とする。
【0022】
本態様によれば、前記第1識別マークは、予め定められた色の線であって前記文字列を囲う線で構成される為、文字認識を行う前記文字列を簡単に指定することができる。また前記第2識別マークは、前記第1識別マークと交差する線を含み、前記第1識別マークより大きさの小さいマークであることから、前記第1識別マークと前記第2識別マークの対をより確実に認識することができる。
尚、本態様は上記第1の態様に限らず、上記第2~第7の態様のいずれかに適用しても良い。
【0023】
第9の態様に係る画像処理プログラムは、原稿の読み取りにより生成された画像データに対する処理を画像処理装置に実行させる画像処理プログラムであって、前記画像データのうち第1識別マークによって範囲が指定された文字列であって前記第1識別マークとは別の第2識別マークが更に付加された前記文字列を文字認識により取得する第1処理と、前記第1処理によって取得した前記文字列を用いた第2処理と、を前記画像処理装置に実行させることを特徴とする。
【0024】
本態様によれば、画像処理プログラムは前記画像データのうち第1識別マークによって範囲が指定された前記文字列であって前記第1識別マークとは別の第2識別マークが更に付加された前記文字列を、文字認識により取得する処理を前記画像処理装置に実行させることから、前記第1識別マークのみによって文字認識を行う範囲が指定された場合に比べて誤認識を良好に抑制することができる。
【0025】
以下、本発明を具体的に説明する。
図1は、本実施形態に係る画像処理装置10及び画像処理装置10と通信可能な機器の構成を簡易的に示している。画像処理装置10は、スキャナー30と、通信IF14を介して通信が可能である。スキャナー30は、原稿の画像を読み取る画像読取装置の一例である。スキャナー30は、原稿を光学的に読み取って読取結果としての所定のフォーマットの画像データを生成し当該画像データを画像処理装置10へ出力する。
【0026】
画像処理装置10は、例えば、パーソナルコンピューター、スマートフォンやタブレット等の携帯情報端末、或いはそれらと同程度の処理能力を有する情報処理装置によって実現される。また、本実施形態にかかる制御部11を実現可能なハードウェアを画像処理装置と捉えてもよい。
【0027】
画像処理装置10は、制御部11、表示部12、操作受付部13、通信インターフェイス(IF)14、記憶部15等を備える。制御部11は、CPU11a、ROM11b、RAM11c等を有する部位であり、一つ又は複数のICや、その他のメモリー等を適宜含んで構成される。記憶部15は、例えば、ハードディスクドライブやフラッシュメモリー等の不揮発性の記憶装置である。記憶部15は、制御部11の一部であってもよい。
【0028】
制御部11では、CPU11aが、ROM11bや記憶部15等に保存されたプログラムに従った演算処理を、RAM11c等をワークエリアとして用いて実行することにより、画像処理装置10の挙動を制御する。制御部11はプログラムの1つとして画像処理プログラムAを搭載しており、画像処理プログラムAに従って、後述するデータ取得部20、第1処理部21、第2処理部22等といった各機能を実現する。
【0029】
画像処理プログラムAは、原稿の読み取りにより生成された画像データに対する処理を制御部11に実行させる画像処理プログラムである。また、画像処理プログラムAは、画像データの保存や管理を実行するためのアプリケーションプログラムである。
【0030】
通信IF14は、公知の通信規格を含む所定の通信プロトコルに準拠して有線あるいは無線で外部と通信を実行するIFである。図1の例では、画像処理装置10は、通信IF14を介してスキャナー30と接続している。また画像処理装置10は、通信IF14あるいは不図示の別の通信IFを介して、外部のネットワークに接続することも可能であり、一例としてインターネットNWに接続が可能である。制御部11の画像処理プログラムAは、インターネットNWを通じてクラウドサーバー40の記憶部45に、スキャナー30から取得した画像データをアップロード可能である。
尚、画像処理装置10がクラウドサーバー40の記憶部45に画像データをアップロード可能であることは必須ではなく、画像処理装置10が備える記憶部15にのみ画像データを保存可能であっても良い。
【0031】
表示部12は、視覚的情報を表示するための手段であり、例えば、液晶ディスプレイ(LCD)や、有機ELディスプレイ等により構成される。表示部12は、ディスプレイと、当該ディスプレイを駆動するための駆動回路とを含む構成であってもよい。操作受付部13は、ユーザーによる操作を受け付けるための手段であり、例えば、物理的なボタン、タッチパネル、マウス、キーボード等によって実現される。むろん、タッチパネルは、表示部12の一機能として実現されるとしてもよい。また、表示部12および操作受付部13を含めて操作パネル等と呼ぶことができる。
【0032】
表示部12、操作受付部13、記憶部15等の図1に示した一部の構成は、画像処理装置10に外付けされた周辺機器であってもよい。また、図1に示した画像処理装置10とスキャナー30とを含んだシステムを1つの画像処理装置として捉えることも可能である。あるいは、画像処理装置10とスキャナー30とは、実態としてそれら全体が1つの装置に含まれていてもよい。画像処理装置10とスキャナー30とが1つの装置に含まれている場合、そのような構成を画像処理装置と呼ぶことができる。また、画像処理装置10とスキャナー30とを含む構成は、プリンターの機能とスキャナーの機能とを併せ持った複合機であってもよい。
【0033】
図2は、制御部11が画像処理プログラムAに従って実行する処理をフローチャートにより示している。
ステップS101が実行される前の段階として先ず、スキャナー30は、ユーザーが任意にセットした原稿を読み取ることにより画像データを生成する。以降において単に画像データと称する場合、スキャナー30が原稿を読み取ることにより生成した画像データを指す。本実施例では、ユーザーがスキャナー30に読み取らせる原稿は、少なくとも文字が記載された原稿とする。原稿には、例えばレシート、請求書、契約書等の種々のものがあるが、以降においては図3に示す納品書Paを原稿の一例として説明する。
スキャナー30は、画像データを、画像処理装置10へ送信する。尚制御部11は、通信IF14を介してスキャナー30へ原稿の読取開始を指示し、スキャナー30は、制御部11からの当該読取開始の指示に従って原稿の読み取りを開始してもよい。
【0034】
データ取得部20(図1参照)は、上述のようにスキャナー30から送信された画像データを、通信IF14を介して取得する(ステップS101)。なお、データ取得部20は、スキャナー30から画像データを直接取得するのではなく、スキャナー30から画像データが転送された転送先としての記憶部、一例として記憶部15から当該画像データを取得してもよい。
【0035】
次いで第1処理部21(図1参照)は、第1処理を実行する。一例として第1処理は、ステップS102とステップS103とで構成される。ステップS102では、画像データのうち図3に示す第1識別マーク51と第2識別マーク52を抽出する。ステップS103では、第1識別マーク51によって範囲が指定された文字列61を文字認識により取得する。尚、以降では文字列61は第1文字列61と称する。
この様にステップS102、S103で規定される第1処理は、画像データのうち第1識別マーク51によって範囲が指定された文字列であって第1識別マーク51とは別の第2識別マーク52が更に付加された第1文字列61を、文字認識により取得する処理である。
【0036】
図3において第1識別マーク51は、一例として”納品書”の文字列を囲う線で構成される。また第1識別マーク51を形成する線は、一例として赤、青、緑などの色の線であり、ユーザーがマーキングペン等を用いて描くことができる。文字列の色と第1識別マーク51を形成する線の色とは異なることが好ましく、例えば文字列が黒色である場合、第1識別マーク51を形成する線は黒色以外の色であることが好ましい。
第1識別マーク51を形成する線の色は、予め設定情報としてROM11b(図1参照)或いは記憶部15(図1参照)などの記憶部に記憶されている。ユーザーは、第1識別マーク51を形成する線の色を、例えば表示部12に表示されるUI(ユーザインタフェース)や、取り扱い説明書等によって予め把握している。尚、第1識別マーク51を形成する線の色は、ユーザーが表示部12のUIを介して任意に設定(変更)可能であっても良い。
【0037】
また第1識別マーク51は、文字列を囲う線であれば形状はどの様なものでも良く、四角形、楕円形等の形状を採用できる。また第1識別マーク51を形成する線の始点と終点が概ね一致し、第1識別マーク51が閉鎖された形状とされていても良い。また或いは第1識別マーク51を形成する線の始点と終点が一致しておらず、第1識別マーク51の一部が開放された形状とされていても良い。またこの様な第1識別マーク51の形状の特徴は、予め設定情報としてROM11b(図1参照)或いは記憶部15(図1参照)などの記憶部に記憶されていても良い。この場合制御部11は、記憶された第1識別マーク51の形状の特徴をもとにして第1識別マーク51を抽出することで、より適切に第1識別マーク51を抽出することができる。またこの場合ユーザーは、第1識別マーク51の好適な形状を、例えば表示部12に表示されるUIや、取り扱い説明書等によって予め把握していることが好ましい。
【0038】
また第1識別マーク51は、文字列を囲う線に限らず、蛍光ペンなどによって文字列を塗り潰すものであっても良い。
【0039】
次に第2識別マーク52は、一例として第1識別マーク51と交差する線を含み、第1識別マーク51より大きさの小さいマークであって、図3の例では”レ”の形状、即ちチェックマークである。
第2識別マーク52を形成する線は、一例として赤、青、緑などの色の線であり、ユーザーがマーキングペン等を用いて描くことができる。文字列の色と第2識別マーク52を形成する線の色とは異なることが好ましく、例えば文字列が黒色である場合、第2識別マーク52を形成する線は黒色以外の色であることが好ましい。尚、第2識別マーク52を形成する線の色は、第1識別マーク51の色と同じであっても良いし、異なっていても良い。
【0040】
第2識別マーク52を形成する線の色は、予め設定情報としてROM11b(図1参照)或いは記憶部15(図1参照)などの記憶部に記憶されている。ユーザーは、第2識別マーク52を形成する線の色を、例えば表示部12に表示されるUIや、取り扱い説明書等によって予め把握している。尚、第2識別マーク52を形成する線の色は、ユーザーが表示部12のUIを介して任意に設定(変更)可能であっても良い。
【0041】
また第2識別マーク52は、第1識別マーク51とともに付されるものであって、第1識別マーク51より小さければどの様な形状でも良く、図3に示した様なチェックマークに限らず、”×”などのその他の形状や、アルファベット等の文字であっても良い。但し第2識別マーク52は、ユーザーが付すものである為、簡易な形状であることが好ましい。
またこの様な第2識別マーク52の形状の特徴は、予め設定情報としてROM11b(図1参照)或いは記憶部15(図1参照)などの記憶部に記憶されている。制御部11は、記憶された第2識別マーク52の形状の特徴をもとにして第2識別マーク52を抽出する。
ユーザーは、第2識別マーク52の形状を、例えば表示部12に表示されるUIや、取り扱い説明書等によって予め把握している。尚、第2識別マーク52の形状は、ユーザーが表示部12のUIを介して任意に設定(変更)可能であっても良い。
【0042】
また第2識別マーク52の第1識別マーク51に対する相対的な位置は、図3の例では上部右側であるが、どの様な位置であっても良く、上部中央、上部左側、下部右側、下部中央、及び下部左側のいずれかであっても良い。またこの様な第1識別マーク51に対する第2識別マーク52の相対的な位置を、予め設定情報としてROM11b(図1参照)或いは記憶部15(図1参照)などの記憶部に記憶されていても良い。この場合制御部11は、記憶された第1識別マーク51に対する第2識別マーク52の相対的な位置に関する情報をもとにして第2識別マーク52を抽出することで、より適切に第2識別マーク52を抽出することができる。
またこの場合ユーザーは、第1識別マーク51に対する第2識別マーク52の相対的な位置を、例えば表示部12に表示されるUIや、取り扱い説明書等によって予め把握していることが好ましい。尚、第1識別マーク51に対する第2識別マーク52の相対的な位置は、ユーザーが表示部12のUIを介して任意に設定(変更)可能であっても良い。
【0043】
また図3の例において第2識別マーク52は、第1識別マーク51と交差しているが、これに限られるものではなく、第1識別マーク51と交差していなくとも良い。
【0044】
次いで図2のステップS103では、ステップS102で抽出した第1識別マーク51によって囲われた画像データを対象として、文字認識(OCR:Optical Character Recognition/Reader)を実行することにより、第1文字列61を取得し、即ち第1文字列61のテキストデータを取得する。文字認識処理は、公知の技術であるため、詳細な説明は省略する。
【0045】
次いで第2処理部22(図2参照)は、第2処理を実行する。一例として第2処理は、ステップS104~ステップS106で構成される。
第2処理部22はステップS104において、ステップS103で取得した第1文字列61(図3の例では”納品書”)をもとに、記憶部15におけるフォルダーを検索する。例えば、フォルダー名に“納品書”という文字列を含むフォルダーが記憶部15に存在するかを検索する。この様なフォルダーが記憶部15に存在する場合、当該フォルダーが画像データの保存先として設定される。尚、上記フォルダーが存在しない場合、上記の例では”納品書”という名称のフォルダーを新規に作成し、このフォルダーを画像データの保存先としても良い。或いは上記フォルダーが存在しない場合や、上記フォルダーが複数存在して保存先を確定できない場合には、画像データは予め定められた一時フォルダーを保存先としても良い。
【0046】
第2処理部22はステップS105において、保存ファイル名を設定する。保存ファイル名はどの様なものでも良いが、一例として”YYYYMMDD_認識結果_RRRR”の様に設定できる。ここで”YYYY”は西暦年、”MM”は月、”DD”は日であり、”RRRR”は通し番号である。通し番号は、画像データの保存先フォルダーを参照し、同一の日付のファイルのうち最も新しい番号とされる。
【0047】
そして第2処理部22はステップS106において、ステップS104で設定された画像データの保存先フォルダーに、ステップS105で設定されたファイル名にて画像データを保存する。
【0048】
以上の様に制御部11は、画像処理プログラムAによって、画像データのうち第1識別マーク51によって範囲が指定された文字列であって第1識別マーク51とは別の第2識別マーク52が更に付加された第1文字列61を、文字認識により取得することから、第1識別マーク51のみによって文字認識を行う範囲が指定された場合に比べて誤認識を良好に抑制することができる。
【0049】
また第2処理部22により実現される第2処理は、画像データを保存する記憶部15におけるフォルダーのフォルダー名と第1文字列61とを比較し、フォルダー名の少なくとも一部が第1文字列61の少なくとも一部と一致するフォルダーに画像データを保存する処理であることから、画像データの保存先をユーザーが都度指定する必要がなくなり、ユーザビリティが向上する。
尚、記憶部15におけるフォルダーのフォルダー名と第1文字列61とを比較する際、フォルダー名の一部が第1文字列61の一部と一致する場合、フォルダー名の一部が第1文字列61の全部と一致する場合、フォルダー名の全部が第1文字列61の一部と一致する場合、及びフォルダー名の全部が第1文字列61の全部と一致する場合、のこれらのうち一つまたは二以上を採用して比較することができる。
尚、画像データを保存する記憶部15におけるフォルダーのフォルダー名と第1文字列61とを比較し、フォルダー名の少なくとも一部と、第1文字列61の少なくとも一部とが一致しない場合、第1文字列61の一部又は全部の名称のフォルダーを新規に作成し、当該作成したフォルダーに画像データを保存しても良い。
【0050】
尚、画像データの保存先は、画像処理装置10が備える記憶部15に代えて、クラウドサーバー40が備える記憶部45であっても良い。また画像データの保存先は、画像処理装置10からアクセス可能なその他のネットワーク上の記憶部であっても良い。これは、以降説明する他の実施形態でも同様である。
【0051】
また上記第2処理において画像データの保存先フォルダーは、既存のフォルダーに対応づけられた指定文字列と第1文字列61とを比較し、指定文字列の少なくとも一部が第1文字列61と一致する場合、指定文字列に対応するフォルダーとしても良い。
例えば、図4に示す様に記憶部15に”\nouhin”フォルダーが存在し、このフォルダーに指定文字列として”納品書”が対応付けられているとする。第1文字列61は”納品書”であるので、指定文字列と一致する。従ってこの場合画像データは”\nouhin”フォルダーに保存されることとなる。また記憶部15に”\seikyu”フォルダーが存在し、このフォルダーに指定文字列として”請求書”が対応付けられている場合に、文字認識により得られた第1文字列61が”請求書”の場合は、画像データは”\seikyu”フォルダーに保存されることとなる。
本実施例においても画像データの保存先をユーザーが都度指定する必要がなくなり、ユーザビリティが向上する。
またこの様な態様では、文字認識により得られる文字列とフォルダー名とが直接対応している必要が無い為、フォルダー名の設定の自由度が向上する。
尚、指定文字列と第1文字列61とを比較する際、指定文字列の一部が第1文字列61の一部と一致する場合、指定文字列の一部が第1文字列61の全部と一致する場合、指定文字列の全部が第1文字列61の一部と一致する場合、及び指定文字列の全部が第1文字列61の全部と一致する場合、のこれらのうち一つまたは二以上を採用して比較することができる。
【0052】
また一つの既存フォルダーに対応づけられた指定文字列は、一つに限らず、複数であっても良い。例えば”\nouhin”フォルダーに対応する指定文字列は、”納品書”に加え、更に”delivery note”などの他の文字列が設定されていても良い。
この様な記憶部15のフォルダーと指定文字列との関係は、予め設定情報としてROM11b(図1参照)或いは記憶部15(図1参照)などの記憶部に記憶されている。制御部11は、文字認識により得られた文字列をもとに指定文字列を検索し、該当する指定文字列が存在する場合、この指定文字列に対応するフォルダーを画像データの保存先として選択する。
なお、既存フォルダーと指定文字列との関係は、ユーザーが表示部12のUIを介して任意に設定(変更)可能であっても良い。
【0053】
次に、複数の文字列を認識する実施例について図5を参照して説明する。
図5において符号62は第1文字列61とは異なる第2文字列を示している。また符号53は第1識別マーク51とは異なる位置にある第3識別マークである。図5において第3識別マーク53は、一例として”〇△×株式会社”の文字列(第2文字列62)を囲う線で構成される。
【0054】
第3識別マーク53を形成する線は、一例として赤、青、緑などの色の線であり、ユーザーがマーキングペン等を用いて描くことができる。文字列の色と第3識別マーク53を形成する線の色とは異なることが好ましく、例えば文字列が黒色である場合、第3識別マーク53を形成する線は黒色以外の色であることが好ましい。
また第3識別マーク53を形成する線の色は、第1識別マーク51を形成する線の色とは異なっている必要がある。第1識別マーク51と第3識別マーク53とを区別する為である。
第3識別マーク53を形成する線の色は、予め設定情報としてROM11b(図1参照)或いは記憶部15(図1参照)などの記憶部に記憶されている。ユーザーは、第3識別マーク53を形成する線の色を、例えば表示部12に表示されるUI(ユーザインタフェース)や、取り扱い説明書等によって予め把握している。尚、第3識別マーク53を形成する線の色は、ユーザーが表示部12のUIを介して任意に設定(変更)可能であっても良い。
その他、第3識別マーク53の形状等に関しては上述した第1識別マーク51と同様である。
【0055】
また第3識別マーク53には、第1識別マーク51と同様に第2識別マーク52が付されている。第3識別マーク53に付加する第2識別マーク52は、第1識別マーク51に付加する第2識別マーク52と同様である為、ここでは重複する説明は省略する。
【0056】
図6を参照して複数の文字列を認識する処理の一例を説明する。
ステップS201、S202は、それぞれ上述した図2のステップS101、S102と同様であり、重複する説明は省略する。
第1処理部21(図1参照)が実行する第1処理は、ステップS202~S205によって構成される。
第1処理部21は、ステップS203において、画像データのうち図5に示す第3識別マーク53と第2識別マーク52を抽出する。そしてステップS204において第1文字列61の文字認識を行い、ステップS205において第2文字列62の文字認識を行う。
【0057】
次に第2処理部22(図1参照)が実行する第2処理は、ステップS206~S208によって構成される。
第2処理部22は、ステップS206において、第1文字列61をもとに画像データを保存する際の保存ファイル名を設定する。
保存ファイル名は、例えば”YYYYMMDD_第1文字列61_RRRR”の様に設定できる。ここで”YYYY”は西暦年、”MM”は月、”DD”は日であり、”RRRR”は通し番号である。通し番号は、画像データの保存先フォルダーを参照し、同一の日付のファイルのうち最も新しい番号とされる。
【0058】
次に第2処理部22は、ステップS207において、第2文字列62をもとに記憶部15のフォルダーの検索を行う。例えば、フォルダー名に“〇△×株式会社”という文字列の一部或いは全部を含むフォルダーが記憶部15に存在するかを検索する。この様なフォルダーが記憶部15に存在する場合、当該フォルダーが画像データの保存先となる。尚、上記フォルダーが存在しない場合、上記の例では”〇△×株式会社”という名称のフォルダーを新規に作成し、このフォルダーを画像データの保存先としても良い。或いは上記既存フォルダーが存在しない場合や、上記フォルダーが複数存在して保存先を確定できない場合には、画像データは予め定められた一時フォルダーを保存先としても良い。
そして第2処理部22はステップS208において、ステップS207で設定された画像データの保存先フォルダーに、ステップS206で設定されたファイル名にて画像データを保存する。
【0059】
この様に本実施例において制御部11は、第1処理において、画像データのうち第1識別マーク51とは異なる位置にある第3識別マーク53によって範囲が指定された文字列であって第2識別マーク52が更に付加された第2文字列62を文字認識により取得し、第2処理において、第1処理によって取得した第1文字列61と第2文字列62とを用いた処理を実行する。
即ち第1文字列61に加え、第1文字列61とは異なる第2文字列62を利用することで、第2処理のバリエーションを拡げることができ、ユーザビリティを更に向上させることができる。
【0060】
また上記の実施例において第2処理は、画像データのファイル名を、第1文字列61を含むファイル名とする処理と、画像データを保存する記憶部15におけるフォルダーのフォルダー名と第2文字列62とを比較し、フォルダー名の少なくとも一部が第2文字列62の少なくとも一部と一致するフォルダーに画像データを保存する処理と、を含む。
このことにより、画像データの保存先に加え画像データのファイル名をユーザーが都度指定する必要がなくなり、ユーザビリティが向上する。
尚、記憶部15におけるフォルダーのフォルダー名と第2文字列62とを比較する際、フォルダー名の一部が第2文字列62の一部と一致する場合、フォルダー名の一部が第2文字列62の全部と一致する場合、フォルダー名の全部が第2文字列62の一部と一致する場合、及びフォルダー名の全部が第2文字列62の全部と一致する場合、のこれらのうち一つまたは二以上を採用して比較することができる。
【0061】
尚、上述した図5図6の例では、第1文字列61を保存ファイル名の設定に利用し、第2文字列62を保存先フォルダーの決定に用いたが、双方をファイル名の設定に利用しても良いし、或いは双方を保存先フォルダーの決定に用いても良い。
また図5の例では第1文字列61と第2文字列62の2つの文字列を取得したが、3つ以上の文字列を取得する様にしても良い。即ち第1識別マーク51と第3識別マーク53に加え、更に一つ以上の識別マークを用いて文字認識を行う文字を指定しても良い。
【0062】
また本実施例においても、図4を参照して説明したと同様に、既存のフォルダーに対応づけられた指定文字列と、文字認識により得られた第2文字列62とを比較して画像データの保存先を設定しても良い。
即ち第2処理は、画像データのファイル名を、第1文字列61を含むファイル名とする処理と、画像データを保存する記憶部15における既存のフォルダーに対応づけられた指定文字列と第2文字列62とを比較し、指定文字列の少なくとも一部が第2文字列62の少なくともと一致する場合、指定文字列に対応するフォルダーに画像データを保存する処理と、を含むものであっても良い。
これにより文字認識により得られる第2文字列62とフォルダー名とが直接対応している必要が無い為、フォルダー名の設定の自由度が向上する。
尚、指定文字列と第2文字列62とを比較する際、指定文字列の一部が第2文字列62の一部と一致する場合、指定文字列の一部が第2文字列62の全部と一致する場合、指定文字列の全部が第2文字列62の一部と一致する場合、及び指定文字列の全部が第2文字列62の全部と一致する場合、のこれらのうち一つまたは二以上を採用して比較することができる。
【0063】
また上記の実施例において第2処理は、第1文字列61と第2文字列62を画像データの保存処理に利用するものであるが、これに限られないことは言うまでもない。例えば第1文字列61が組織名又はユーザー名などであり、第2文字列62がスケジュールに関するものである場合、第1文字列61と第2文字列62をスケジュール管理サービスに適用することもできる。例えば第1文字列61を用いてスケジュールを登録する組織或いはユーザーを選択し、第2文字列62を用いてスケジュールを登録することができる。
【0064】
本発明は上記において説明した実施形態や変形例に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
例えば、画像データを保存する際、画像データから上述した第1識別マーク51、第2識別マーク52、及び第3識別マーク53を消去しても良い。
また第2識別マーク52を用いなくとも誤認識が少ない場合、例えば第1識別マーク51、第3識別マーク53の形状に特徴がある場合には、第2識別マーク52は省略することもできる。
【符号の説明】
【0065】
10…画像処理装置、11…制御部、12…表示部、13…操作受付部、14…通信IF、15…記憶部、20…データ取得部、21…第1処理部、22…第2処理部、30…スキャナー、40…クラウドサーバー、45…記憶部、51…第1識別マーク、52…第2識別マーク、53…第3識別マーク、61…第1文字列、62…第2文字列、
A…画像処理プログラム、NW…インターネット、Pa…原稿
図1
図2
図3
図4
図5
図6