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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058799
(43)【公開日】2024-04-30
(54)【発明の名称】ガラス板の製造装置及び製造方法
(51)【国際特許分類】
   C03B 35/00 20060101AFI20240422BHJP
   C03B 33/02 20060101ALI20240422BHJP
【FI】
C03B35/00
C03B33/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022166125
(22)【出願日】2022-10-17
(71)【出願人】
【識別番号】000232243
【氏名又は名称】日本電気硝子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100129148
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 淳也
(72)【発明者】
【氏名】板本 康彦
(72)【発明者】
【氏名】寺町 孝久
【テーマコード(参考)】
4G015
【Fターム(参考)】
4G015FA01
4G015FB01
4G015FC01
4G015FC10
4G015GA00
(57)【要約】
【課題】ガラス板の搬送経路に清浄な空気を供給する。
【解決手段】ガラス板Gの製造装置1は、ガラス板Gを搬送するための搬送経路2a内に空気を供給する給気装置3を備える。給気装置3は、搬送経路2aに空気を送り出す送風機14と、送風機14から送り出された空気を搬送経路2aに供給する給気ダクト15aと、給気ダクト15aと搬送経路2aとを接続する接続部18aと、送風機14から送り出された空気中の異物を取り除くフィルタ19と、を備える。フィルタ19は、接続部18aに配置される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラス板を搬送するための搬送経路内に空気を供給する給気装置を備えるガラス板の製造装置であって、
前記給気装置は、前記搬送経路に前記空気を送り出す送風機と、前記送風機から送り出された前記空気を前記搬送経路に供給する給気ダクトと、前記給気ダクトと前記搬送経路とを接続する接続部と、前記送風機から送り出された前記空気中の異物を取り除くフィルタと、を備え、
前記フィルタは、前記接続部に配置されることを特徴とするガラス板の製造装置。
【請求項2】
前記搬送経路は、縦姿勢の前記ガラス板から不要部を除去する切断室を備え、
前記給気装置は、前記切断室に前記空気を供給する請求項1に記載のガラス板の製造装置。
【請求項3】
前記搬送経路は、縦姿勢の前記ガラス板を検査する検査室を備え、
前記給気装置は、前記検査室に前記空気を供給する請求項1又は2に記載のガラス板の製造装置。
【請求項4】
前記給気装置は、外気を取り込むための外気ダクトを備える請求項1又は2に記載のガラス板の製造装置。
【請求項5】
前記給気ダクトは、相互に接続される第一ダクト及び第二ダクトを含み、
前記第一ダクトは、その端部にフランジ部を有し、
前記第二ダクトは、その端部にフランジ部を有し、
前記第一ダクトの前記フランジ部と、前記第二ダクトの前記フランジ部とは、相互に対向するように重ねられており、
前記第一ダクトの前記フランジ部及び前記第二ダクトの前記フランジ部は、第一コーキング材により覆われる請求項1又は2に記載のガラス板の製造装置。
【請求項6】
前記第一コーキング材は、カバー部材により覆われる請求項5に記載のガラス板の製造装置。
【請求項7】
前記カバー部材は、第二コーキング材により覆われる請求項6に記載のガラス板の製造装置。
【請求項8】
前記カバー部材は、前記第一ダクトの前記フランジ部を覆う第一壁部と、前記第二ダクトの前記フランジ部を覆う第二壁部と、前記第一壁部と前記第二壁部とを連結する第三壁部と、を備える請求項6に記載のガラス板の製造装置。
【請求項9】
前記カバー部材は、第一カバー部材と、前記第一カバー部材に接続される第二カバー部材とを含み、
前記第一カバー部材は、前記第一カバー部材の前記第三壁部と、前記第二カバー部材の前記第三壁部との間の隙間を塞ぐ第四壁部を備える請求項8に記載のガラス板の製造装置。
【請求項10】
前記接続部は、前記フィルタを収容するフィルタボックスを含み、
前記フィルタボックスは、側面と、上面と、下面とを有し、
前記給気ダクトは、前記フィルタボックスの前記側面に接続される請求項1又は2に記載のガラス板の製造装置。
【請求項11】
給気装置により搬送経路内に空気を供給しつつ、ガラス板を搬送する搬送工程を備えるガラス板の製造方法であって、
前記給気装置は、前記搬送経路に前記空気を送り出す送風機と、前記送風機から送り出された前記空気を前記搬送経路に供給する給気ダクトと、前記給気ダクトと前記搬送経路とを接続する接続部と、前記送風機から送り出された前記空気中の異物を取り除くフィルタと、を備え、
前記フィルタは、前記接続部に配置されることを特徴とするガラス板の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス板を製造する装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
周知のように、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどのディスプレイ用の基板をはじめとする様々な分野において、ガラス板が使用されている。
【0003】
この種のガラス板の製造工程では、まず、オーバーフローダウンドロー法やフロート法などの公知の方法により、長尺なガラスリボンを連続的に成形する。次に、ガラスリボンを所定の長さ毎に幅方向に切断し、ガラスリボンからガラス板を切り出す。その後、切り出されたガラス板は、搬送装置により搬送経路上を搬送される。
【0004】
この搬送経路上で、例えば、ガラス板の耳部を含む不要部を除去する工程や、ガラス板の欠陥の有無などを検査する工程などが必要に応じて実施される。そして、このような各種工程を経た後に、搬送装置の搬送経路の下流端では、複数のガラス板が、積載装置によりパレットに梱包され、保管あるいは輸送(出荷)される(例えば、特許文献1及び2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010-30744号公報
【特許文献2】特開2019-89674号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の製造工程において、ガラス板は搬送経路上を搬送されるが、搬送経路には、異物(パーティクル)が付着することのないように、クリーンルームのように清浄度が管理された空気を供給することが望ましい。この場合には、搬送経路に供給される空気が清浄であることが重要となる。
【0007】
本発明は、ガラス板の搬送経路に清浄な空気を供給することを技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1) 本発明は上記の課題を解決するためのものであり、縦姿勢のガラス板を搬送するための搬送経路内に空気を供給する給気装置を備えるガラス板の製造装置であって、前記給気装置は、前記搬送経路に前記空気を送り出す送風機と、前記送風機から送り出された前記空気を前記搬送経路に供給する給気ダクトと、前記給気ダクトと前記搬送経路とを接続する接続部と、前記送風機から送り出された前記空気中の異物を取り除くフィルタと、を備え、前記フィルタは、前記接続部に配置されることを特徴とする。
【0009】
例えばフィルタを送風機や各給気ダクトの中途部に設けた場合には、フィルタを通過した空気に、給気ダクトの内部で生じた異物が混入するおそれがある。これに対し、本発明によれば、給気ダクトの終端部に設けられた接続部にフィルタを配置することで、給気ダクトの内部で異物が生じた場合であっても、フィルタによりこの異物を除去することができる。これにより、ガラス板を搬送する搬送経路に清浄な空気を常に供給することが可能となる。
【0010】
(2) 上記(1)に記載のガラス板の製造装置において、前記搬送経路は、縦姿勢の前記ガラス板から不要部を除去する切断室を備えてもよく、前記給気装置は、前記切断室に前記空気を供給してもよい。
【0011】
切断室では、ガラス板から除去した不要部を廃棄する必要がある。不要部は、例えば切断室と繋がる廃棄室に送られる。切断室では、ガラス板から不要部を除去する際に、ガラス粉が発生する。ガラス粉は、不要部とともに廃棄室へと送られる。本発明によれば、上記のように、給気装置によって切断室に空気を供給することで、切断室の気圧を高めることができる。これにより、廃棄室に送られたガラス粉が切断室内に浸入することを防止することができる。
【0012】
(3) 上記(1)又は(2)に記載のガラス板の製造装置において、前記搬送経路は、縦姿勢の前記ガラス板を検査する検査室を備えてもよく、前記給気装置は、前記検査室に前記空気を供給してもよい。
【0013】
かかる構成によれば、検査室に空気を供給することで、検査室内の温度を一定に維持することができる。これにより、検査室におけるガラス板の検査を適切に行うことができる。また、検査室の気圧を高めることができ、粉塵が外部から検査室内に浸入すること(例えば切断室で発生したガラス粉が検査室内に浸入すること)を防止することができる。
【0014】
(4) 上記(1)から(3)のいずれかに記載のガラス板の製造装置において、前記給気装置は、外気を取り込むための外気ダクトを備えてもよい。
【0015】
かかる構成によれば、外気ダクトから取り込んだ外気を給気に使用することで、搬送経路内における気圧を高めることができる。
【0016】
(5) 上記(1)から(4)のいずれかに記載のガラス板の製造装置において、前記給気ダクトは、相互に接続される第一ダクト及び第二ダクトを含み、前記第一ダクトは、その端部にフランジ部を有し、前記第二ダクトは、その端部にフランジ部を有し、前記第一ダクトの前記フランジ部と、前記第二ダクトの前記フランジ部とは、相互に対向するように重ねられており、前記第一ダクトの前記フランジ部及び前記第二ダクトの前記フランジ部は、第一コーキング材により覆われてもよい。
【0017】
かかる構成によれば、第一ダクトのフランジ部と第二ダクトのフランジ部とを第一コーキング材によって覆うことで、相互に重ねられているフランジ部の間から空気が漏出することを防止することができる。
【0018】
(6) 上記(5)に記載のガラス板の製造装置において、前記第一コーキング材は、カバー部材により覆われてもよい。
【0019】
かかる構成によれば、第一コーキング材をカバー部材によって覆うことで、第一ダクトのフランジ部と第二ダクトのフランジ部との間から空気が漏出することを効果的に防止することができる。
【0020】
(7) 上記(6)に記載のガラス板の製造装置において、前記カバー部材は、第二コーキング材により覆われてもよい。
【0021】
かかる構成によれば、カバー部材を第二コーキング材によって覆うことで、第一ダクトのフランジ部と第二ダクトのフランジ部との間から空気が漏出することを効果的に防止することができる。
【0022】
(8) 上記(6)又は(7)に記載のガラス板の製造装置において、前記カバー部材は、前記第一ダクトの前記フランジ部を覆う第一壁部と、前記第二ダクトの前記フランジ部を覆う第二壁部と、前記第一壁部と前記第二壁部とを連結する第三壁部と、を備えてもよい。
【0023】
かかる構成によれば、第一ダクトのフランジ部と第二ダクトのフランジ部とを重ねあわせた状態で、これらのフランジ部を全体的にカバー部材によって覆うことが可能となる。これにより、第一ダクトのフランジ部と第二ダクトのフランジ部との間から空気が漏出することを効果的に防止することができる。
【0024】
(9) 上記(8)に記載のガラス板の製造装置において、前記カバー部材は、第一カバー部材と、前記第一カバー部材に接続される第二カバー部材とを含み、前記第一カバー部材は、前記第一カバー部材の前記第三壁部と、前記第二カバー部材の前記第三壁部との間の隙間を塞ぐ第四壁部を備えてもよい。
【0025】
かかる構成によれば、第一カバー部材の第四壁部によって、第一カバー部材の第三壁部と第二カバー部材の第三壁部との隙間を塞ぐことで、第一ダクトのフランジ部と第二ダクトのフランジ部とを、第一カバー部材と第二カバー部材とによって好適に覆うことができる。
【0026】
(10) 上記(1)から(9)のいずれかに記載のガラス板の製造装置において、前記接続部は、前記フィルタを収容するフィルタボックスを含み、前記フィルタボックスは、側面と、上面と、下面とを有し、前記給気ダクトは、前記フィルタボックスの前記側面に接続されてもよい。
【0027】
かかる構成によれば、フィルタボックスの上面ではなく側面に給気ダクトを接続することで、給気ダクトが接続されたフィルタボックスの上下方向における寸法を可及的に小さくすることができる。これにより、搬送経路内におけるフィルタボックスの設置スペースを可及的に小さくすることができる。
【0028】
(11) 本発明は上記の課題を解決するためのものであり、給気装置により搬送経路内に空気を供給しつつ、ガラス板を搬送する搬送工程を備えるガラス板の製造方法であって、前記給気装置は、前記搬送経路に前記空気を送り出す送風機と、前記送風機から送り出された前記空気を前記搬送経路に供給する給気ダクトと、前記給気ダクトと前記搬送経路とを接続する接続部と、前記送風機から送り出された前記空気中の異物を取り除くフィルタと、を備え、前記フィルタは、前記接続部に配置されることを特徴とする。
【0029】
かかる構成によれば、給気ダクトの終端部に設けられた接続部にフィルタを配置することで、給気ダクトの内部で異物が生じた場合であっても、フィルタによりこの異物を除去するができる。これにより、ガラス板を搬送する搬送経路に清浄な空気を常に供給することが可能となる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、ガラス板の搬送経路に清浄な空気を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】ガラス板の製造装置の側面図である。
図2】ガラス板の製造装置の平面図である。
図3】給気装置の一部を示す側面図である。
図4】給気装置の一部を示す断面図である。
図5】カバー部材の分解斜視図である。
図6】給気装置の一部を示す斜視図である。
図7】カバー部材の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。図1乃至図7は、本発明に係るガラス板の製造装置及び製造方法の一実施形態を示す。
【0033】
図1及び図2に示すように、製造装置1は、ガラス板Gを搬送する搬送空間2と、搬送空間2に空気を供給する給気装置3と、を備える。なお、図1及び図2におけるXYZは直交座標系である。X方向及びY方向は水平方向(横方向)であり、Z方向は鉛直方向(上下方向)である。
【0034】
搬送空間2は、例えば外部からの汚染物質をある程度遮断できる空間を区画形成するクリーンルームにより構成される。搬送空間2は、複数の空間(処理室)に区切られている。なお、清浄度が管理された空気が搬送空間2に供給されていれば、搬送空間2はクリーンルームにより構成されなくてもよい。
【0035】
搬送空間2は、成形装置(図示せず)によって成形されたガラスリボンから切り出されたガラス板Gを受け渡す受渡室4と、ガラス板Gを幅方向(X方向)に搬送する搬送経路2aと、ガラス板Gを梱包する梱包室7と、を備える。搬送経路2aは、ガラス板Gの一部を切断する切断室5と、ガラス板Gの検査を行う検査室6と、を備える。これらの各処理室は、壁8によって仕切られている。各壁8には、ガラス板Gを通過させるための開口部8aが設けられている。なお、壁8の開口部8aには、この開口部8aを開閉するためのシャッターが設けられていてもよい。また、搬送経路2aは、外部からの汚染物質をより効果的に遮断するため、内天井部5a、6a及び内壁部5b、6bで囲まれている。
【0036】
上記の構成の他、搬送空間2は、ガラス板Gを縦姿勢で搬送する搬送装置9~11を備える。搬送装置9~11は、第一搬送装置9と、第二搬送装置10と、第三搬送装置11と、を含む。各搬送装置9~11は、ガラス板Gの上部を把持する把持部(チャック、吸着パッド等)を備える。
【0037】
受渡室4は、ガラス板Gを第一搬送装置9から第二搬送装置10へと受け渡すためのものである。第一搬送装置9は、ガラスリボンから切り出されたガラス板Gを受渡室4内で第二搬送装置10に向かって搬送する。第二搬送装置10は、受渡室4内の所定位置に待機している。第二搬送装置10は、第一搬送装置9からガラス板Gを受け取ると、このガラス板Gを切断室5、検査室6、梱包室7の順に搬送する。
【0038】
第二搬送装置10は、ガラス板Gをその幅方向に沿って搬送する。すなわち、第二搬送装置10は、ガラス板Gの表面が搬送方向に面しない状態でガラス板Gを搬送する。これにより、搬送時におけるガラス板Gの揺れを抑制することができる。
【0039】
切断室5は、ガラス板Gの幅方向の端部に形成される厚肉の耳部を含む不要部Gaを除去するためのものである。切断室5は、切断装置としてのスクライブ装置(図示せず)及び折割装置(図示せず)を内部に備える。
【0040】
切断室5の下方(下の階)には、ガラス板Gから除去された不要部Gaを回収する廃棄室12が設けられている。不要部Gaは、切断室5の床部5cに設けられている廃棄口を通じて廃棄室12へと送られる。
【0041】
検査室6は、ガラス板Gを検査するための検査装置13を備える。検査装置13は、例えば、ガラス板Gの偏肉(板厚)、筋(脈理)、欠陥の種類(例えば、泡、異物など)、位置(座標)、大きさなどを測定する。
【0042】
梱包室7は、ガラス板GをパレットCに梱包することによってガラス板梱包体を製造するためのものである。梱包室7内には、パレットCと、第三搬送装置11とが配されている。梱包室7では、第二搬送装置10から第三搬送装置11へのガラス板Gの受け渡しが行われる。第三搬送装置11は、ガラス板Gを縦姿勢で保持した状態でパレットCに載置することが可能な積載装置として機能する。
【0043】
梱包室7には、シート供給装置(図示せず)によって、ガラス板Gを保護するための保護シート(図示せず)が供給される。シート供給装置は、梱包室7に隣接するシート供給室(図示せず)に配置されている。第三搬送装置11によって搬送されるガラス板Gは、シート供給装置によって保護シートが重ねられた状態で、パレットCに載置される。
【0044】
梱包室7には、ファンフィルタユニット(図示せず)が設けられている。ファンフィルタユニットは、梱包室7内に清浄な空気を供給する。
【0045】
給気装置3は、搬送経路2a内の空気を循環させる空調機(エアハンドリングユニット)により構成される。給気装置3は、搬送経路2aに空気を送り出す送風機14と、搬送経路2aに空気を供給する給気ダクト15a,15bと、外気を送風機14に導入するための外気ダクト17と、を主に備える。
【0046】
給気ダクト15a,15b及び外気ダクト17は、送風機14に接続されている。送風機14は、外気ダクト17から取り込んだ空気を、給気ダクト15a,15bに向かって送り出すように構成される。
【0047】
上記の構成の他、送風機14は、供給する空気の温度及び/又は湿度を調整するための温湿度調整部(例えば、温水コイル、冷却コイル、加湿ノズル、エリミネータ等)を備えていてもよい。
【0048】
給気ダクト15a,15bは、送風機14から送り出された空気を搬送経路2aの切断室5内及び検査室6内に供給する。給気ダクト15a,15bは、切断室5に空気を供給する第一給気ダクト15aと、検査室6に空気を供給する第二給気ダクト15bとを含む。
【0049】
第一給気ダクト15aは、その一端部が切断室5の内部に接続され、その他端部が送風機14に接続されている。第二給気ダクト15bは、その一端部が検査室6の内部に接続され、その他端部が送風機14に接続されている。以下、第一給気ダクト15aと切断室5とを接続する部分18aを「第一接続部」といい、第二給気ダクト15bと検査室6とを接続する部分18bを「第二接続部」という。
【0050】
図1及び図3に示すように、第一接続部18aは、切断室5の内部において、切断室5の内天井部5aに配置されている。第二接続部18bは、検査室6の内部において、検査室6の内天井部6aに配置されている。
【0051】
各接続部18a,18bは、送風機14から送り出された空気に含まれる異物(パーティクル)を取り除くフィルタ19を内部に備える。すなわち、各接続部18a,18bは、フィルタ19を収容するフィルタボックスとして構成される。
【0052】
フィルタ19としては、例えば高性能フィルタ(例えば、HEPAフィルタ、ULPAフィルタ等)が使用される。これに限らず、フィルタ19は、高性能フィルタに、粗塵用フィルタ及び中性能フィルタを組み合わせたものを使用してもよい。
【0053】
図3及び図4に示すように、各接続部18a,18bは、上面18cと、下面18dと、側面18eとを有する。各接続部18a,18bの上面18cは、切断室5の天井部5d及び検査室6の天井部6cの下方に位置する。各接続部18a,18bの下面18dは、空気を下方に吐出する吹き出し口を有する。各接続部18a,18bの側面18eは、各給気ダクト15a,15bを構成する一部のダクトが接続される開口部18fを有する。
【0054】
各給気ダクト15a,15bは、複数のダクトを接続することにより構成される。複数のダクトの一部は、接続部18a,18bに接続されるために、切断室5の内部及び検査室6の内部に配置されている。切断室5の内部及び検査室6の内部に配されるダクトは、横方向に沿って配される部分と、上下方向に沿って配される部分とを含む。
【0055】
以下、各給気ダクト15a,15bを構成する複数のダクトの接続構造について説明する。以下の説明では、複数のダクトにおいて、相互に接続される二つのダクトのうち、一方のダクト20を「第一ダクト」といい、他方のダクト21を「第二ダクト」という。各ダクト20,21は、例えば角ダクトにより構成される。
【0056】
図4及び図5に示すように、各ダクト20,21は、その端部にフランジ部20a,21aを有する。第一ダクト20のフランジ部20aと、第二ダクト21のフランジ部21aとは、相互に対向するように重ねられている。第一ダクト20のフランジ部20aと、第二ダクト21のフランジ部21aとの間には、パッキン22が設けられている。
【0057】
図4に示すように、各ダクト20,21のフランジ部20a,21aは、コーキング材(以下「第一コーキング材」という)23により覆われている。第一コーキング材23は、第一ダクト20のフランジ部20aの表面及び端部、第二ダクト21のフランジ部21aの表面及び端部を覆っている。
【0058】
図4及び図5に示すように、第一コーキング材23は、カバー部材24,25によって覆われている。また、カバー部材24,25は、コーキング材(以下「第二コーキング材」という)26によって覆われている。
【0059】
図4乃至図7に示すように、カバー部材24,25は、第一カバー部材24と、第一カバー部材24に接続される第二カバー部材25と、を含む。本実施形態では、二つの第一カバー部材24、二つの第二カバー部材25により各ダクト20,21の各フランジ部20a,21aの全周を覆う場合について説明する。なお、各カバー部材24,25の数は、本実施形態に限定されない。
【0060】
図5乃至図7に示すように、各カバー部材24,25は、長尺状に構成されており、第一カバー部材24の長さは、第二カバー部材25の長さよりも短い。これに限らず、第一カバー部材24及び第二カバー部材25の長さは、ダクト20,21の形状及び大きさに応じて適宜設定することができる。
【0061】
各カバー部材24,25は、第一ダクト20のフランジ部20aを覆う第一壁部27と、第二ダクト21のフランジ部21aを覆う第二壁部28と、第一壁部27と第二壁部28とを連結する第三壁部29と、カバー部材24,25の長手方向における端部に設けられる第四壁部30a,30bと、第一ダクト20の外面に対向するように設けられる第五壁部31と、第二ダクト21の外面に対向するように設けられる第六壁部32と、を備える。
【0062】
図5及び図7に示すように、各カバー部材24,25は、第一壁部27乃至第四壁部30a,30bによって中空状に構成される。また、各カバー部材24,25は、第一壁部27、第二壁部28及び第四壁部30a,30bによって区画される開口部33を有する。
【0063】
カバー部材24,25の第一壁部27は、第一ダクト20のフランジ部20aに対向するように配置される板状の部分である。第一壁部27と第一ダクト20のフランジ部20aとの間には、第一コーキング材23が介在している。
【0064】
カバー部材24,25の第二壁部28は、第二ダクト21のフランジ部21aに対向するように配置される板状の部分である。第二壁部28は、第一壁部27とほぼ平行に構成される。第二壁部28と第二ダクト21のフランジ部21aとの間には、第一コーキング材23が介在している。
【0065】
カバー部材24,25の第三壁部29は、第一壁部27及び第二壁部28に対してほぼ直角となるように形成される板状の部分である。第三壁部29は、各ダクト20,21の各フランジ部20a,21aの端部と対向するように配置されている。第三壁部29と、各フランジ部20a,21aとの間には、第一コーキング材23が介在している。
【0066】
カバー部材24,25の第四壁部30a,30bは、カバー部材24,25の長手方向の一端部と他端部とに設けられる板状の部分である。一対の第四壁部30a,30bは、カバー部材24,25の長手方向において、相互に対向するように形成されている。第四壁部30a,30bは、四角形状に構成されており、第一壁部27、第二壁部28及び第三壁部29とほぼ直角を為すように繋がっている。
【0067】
カバー部材24,25の第五壁部31は、第一壁部27と一体に構成される板状の部分である。第五壁部31は、第一壁部27に対してほぼ直角を為すように形成されている。第五壁部31は、第一ダクト20の外面に接触可能な第一の面31aと、第一の面31aの反対側に位置する第二の面31bとを有する。
【0068】
カバー部材24,25の第六壁部32は、第二壁部28と一体に構成される板状の部分である。第六壁部32は、第二壁部28に対してほぼ直角を為すように形成されている。第六壁部32は、第二ダクト21の外面に接触可能な第一の面32aと、第一の面32aの反対側に位置する第二の面32bとを有する。
【0069】
図6及び図7は、第一カバー部材24及び第二カバー部材25を、横方向に沿って配置されたダクト20,21に取り付けた状態を示す。この例では、二つの第一カバー部材24は、ダクト20,21の側面側に設けられる。この場合において、第一カバー部材24は、その長手方向が上下方向と一致するように配される。
【0070】
この例において、二つの第二カバー部材25のうち、一方の第二カバー部材25はダクト20,21の上面側に設けられ、他方の第二カバー部材25はダクト20,21の下面側に設けられる。この場合において、第二カバー部材25は、ダクト20,21の長手方向に交差するように、横方向に沿って配される。
【0071】
第一カバー部材24と第二カバー部材25とは、長手方向の端部同士が重なるように接続される。第二カバー部材25における第一壁部27と第二壁部28との間隔は、第一カバー部材24における第一壁部27と第二壁部28との間隔よりも小さい。このため、第二カバー部材25の端部は、第一カバー部材24の開口部33を通じて、第一カバー部材24の内部に挿入され得る。
【0072】
図7に示すように、第一カバー部材24及び第二カバー部材25は、その端部同士が接続されることにより、全体として四角形状の枠体となって、各ダクト20,21の各フランジ部20a,21aの全周を覆っている。
【0073】
この状態において、第一カバー部材24の第四壁部30a,30bは、第二カバー部材25の第三壁部29の端部を覆っている。これにより、第一カバー部材24の第四壁部30a,30bは、第一カバー部材24の第三壁部29と第二カバー部材25の第三壁部29との間の隙間を塞いでいる。
【0074】
図7に示すように、ダクト20,21の上面側に配置された第二カバー部材25の第三壁部29は、第一カバー部材24の上端部における第四壁部30aに接触することで、第一カバー部材24が下方に移動しないように支持している。すなわち、上側の第二カバー部材25の第三壁部29は、第一カバー部材24を支持する支持部として機能する。換言すると、上側の第二カバー部材25の第三壁部29は、第一カバー部材24の位置ずれを防止する位置規制部として機能する。
【0075】
図7に示すように、第一カバー部材24の下端部における第四壁部30bは、ダクト20,21の下面側に配された第二カバー部材25の第三壁部29を下側から支持する。すなわち、第一カバー部材24の下端部における第四壁部30bは、下側の第二カバー部材25が下方に落下しないように支持する支持部として機能する。換言すると、第一カバー部材24の下端部における第四壁部30bは、第二カバー部材25の位置ずれを防止する位置規制部として機能する。
【0076】
第一カバー部材24における第五壁部31の第一の面31aは、第一ダクト20の側面に接触する。第一カバー部材24における第六壁部32の第一の面32aは、第二ダクト21の側面に接触する。
【0077】
上側の第二カバー部材25における第五壁部31の第一の面31aは、第一ダクト20の上面に接触する。上側の第二カバー部材25における第六壁部32の第一の面32aは、第二ダクト21の上面に接触する。
【0078】
下側の第二カバー部材25における第五壁部31の第一の面31aは、第一ダクト20の下面に接触する。下側の第二カバー部材25における第六壁部32の第一の面32aは、第二ダクト21の下面に接触する。
【0079】
上記の構成に限らず、各カバー部材24,25の第五壁部31及び第六壁部32における第一の面31a,32aと各ダクト20,21の外面との間には、第一コーキング材23が介在していてもよい。
【0080】
図4に示すように、第二コーキング材26は、第二カバー部材25の第五壁部31の端部を覆うように、第五壁部31の第二の面31bから第一ダクト20の外面にわたって塗布されている。これにより、第二コーキング材26は、第五壁部31の第一の面31aと、第一ダクト20の外面との間の隙間を塞いでいる。図示していないが、第二コーキング材26は、第一カバー部材24の第五壁部31についても、その第二の面31bから第一ダクト20の外面にわたって塗布されている。
【0081】
図4に示すように、第二コーキング材26は、第二カバー部材25の第六壁部32の端部を覆うように、第六壁部32の第二の面32bから第二ダクト21の外面にわたって塗布されている。これにより、第二コーキング材26は、第六壁部32の第一の面32aと、第二ダクト21の外面その間の隙間を塞いでいる。図示していないが、第二コーキング材26は、第一カバー部材24の第六壁部32についても、その第二の面32bから第二ダクト21の外面にわたって塗布されている。
【0082】
図7に示すように、第二コーキング材26は、第一カバー部材24の第四壁部30a,30bの端部を覆うように、この第四壁部30a,30bの外面から第二カバー部材25の第三壁部29の外面にわたって塗布されてもよい。これにより、第二コーキング材26は、第一カバー部材24の第四壁部30a,30bと第二カバー部材25の第三壁部29との間の隙間を塞ぐことができる。
【0083】
図3及び図4に示すように、各給気ダクト15a,15bの終端部に位置するダクト(第一ダクト20)は、その端部が接続部18a,18bの側面18eに接続されている。以下、給気ダクト15a,15bと接続部18a,18bとの接続構造について説明する。
【0084】
図4に示すように、第一ダクト20の端部に形成されるフランジ部34は、パッキン22を介して接続部18a,18bの側面18eに接触している。また、フランジ部34は、第一コーキング材23により覆われている。第一コーキング材23は、カバー部材35により覆われている。カバー部材35は、第二コーキング材26により覆われている。
【0085】
カバー部材35は、第一ダクト20のフランジ部34の表面を覆う第一壁部36と、フランジ部34の端部を覆う第二壁部37と、第一壁部36と一体に形成される第三壁部38と、第二壁部37と一体に形成される第四壁部39とを備える。
【0086】
第二壁部37は、第一壁部36に対してほぼ直角を為すように第一壁部36と繋がっている。第一壁部36及び第二壁部37と、第一ダクト20のフランジ部34との間には、第一コーキング材23が介在している。
【0087】
第三壁部38は、第一壁部36に対してほぼ直角を為すように第一壁部36と繋がっている。第三壁部38は、第一ダクト20の外面に接触する第一の面38aと、第一の面38aの反対側に位置する第二の面38bとを有する。
【0088】
第四壁部39は、第二壁部37に対してほぼ直角を為すように第二壁部37と繋がっている。第四壁部39は、接続部18a,18bの側面18eに接触する第一の面39aと、第一の面39aの反対側に位置する第二の面39bとを有する。
【0089】
第二コーキング材26は、第三壁部38の端部を覆うように、第三壁部38の第二の面38bから第一ダクト20の外面にわたって塗布されている。また、第二コーキング材26は、第四壁部39の端部を覆うように、第四壁部39の第二の面39bから各接続部18a,18bの側面18eにわたって塗布されている。
【0090】
なお、図4に示すように、各接続部18a,18bに接続される第一ダクト20の内部には、空気の流量を調整するためのダンパ40が設けられている。
【0091】
外気ダクト17は、複数のダクトを接続することにより構成されている。外気ダクト17は、搬送経路2aが設けられている建屋の外部から空気を取り込んで送風機14に供給する。
【0092】
以下、上記構成の製造装置1を使用してガラス板Gを製造する方法について説明する。本方法は、ガラス板Gを搬送する搬送工程と、搬送経路2aに空気を供給する供給工程と、を備える。
【0093】
ガラス板Gは、例えばオーバーフローダウンドロー法を用いる成形装置により成形されたガラスリボンの一部を幅方向に切断することによって形成される。搬送工程では、このガラス板Gを搬送経路2aに沿って搬送する。
【0094】
搬送工程では、受渡室4内において、ガラス板Gが第一搬送装置9から第二搬送装置10に受け渡される。第二搬送装置10は、第一搬送装置9から受け取ったガラス板Gを、切断室5、検査室6、梱包室7の順に搬送する。
【0095】
切断室5では、ガラス板Gの不要部Gaを除去する切断工程が実施される。切断工程では、第二搬送装置10によって縦姿勢に保持されるガラス板Gに対して、スクライブ装置によってスクライブ線を形成し(スクライブ工程)、その後、折割装置によってガラス板Gの不要部Gaを折割る(折割工程)。ガラス板Gから除去された不要部Gaは、廃棄室12へと送られる(廃棄工程)。切断工程が終了すると、第二搬送装置10は、ガラス板Gを検査室6へと搬送する。
【0096】
検査室6に搬送されたガラス板Gは、検査装置13によって検査される(検査工程)。検査工程では、検査装置13による検査結果に基づき、ガラス板Gの良否が判定される。その後、検査に合格したガラス板Gは、第二搬送装置10によって梱包室7に搬送される。
【0097】
梱包室7では、ガラス板GをパレットCに梱包する梱包工程が実施される。梱包工程において、第三搬送装置11は、第二搬送装置10から受け取ったガラス板Gを縦姿勢で保持し、パレットCに搬送する。ガラス板Gは、シート供給装置によって保護シートが重ねられた状態でパレットCに積載される。なお、複数の第三搬送装置11により複数のパレットCに同時にガラス板Gを積載するようにしてもよい。所定数のガラス板GがパレットCに積載されることで、パレットC上にガラス板積層体が構成される。その後、ガラス板積層体を保護するための保護カバーや位置規制部材がパレットCに取り付けられる。これにより、ガラス板梱包体が製造される。
【0098】
供給工程において、送風機14から送り出された空気は、第一給気ダクト15a及び第一接続部18aを通じて切断室5に供給される。このとき、空気に含まれる塵埃等の異物は、第一接続部18a内のフィルタ19によって除去される。
【0099】
供給工程では、切断室5への空気の供給により、切断室5内の気圧を高めることができる。切断室5では、ガラス板Gから不要部Gaを除去した際に、ガラス粉が発生する。ガラス粉は、不要部Gaとともに廃棄室12へと送られる。本実施形態によれば、切断室5の気圧を高めることにより、廃棄室12に送られたガラス粉が切断室5内に浸入することを防止できる。
【0100】
供給工程において、送風機14から送り出された空気は、第二給気ダクト15b及び第二接続部18bを通じて検査室6に供給される。このとき、空気に含まれる塵埃等の異物は、第二接続部18b内のフィルタ19によって除去される。検査室6内への空気の供給により、検査室6内の温度を一定に維持することができる。これにより、検査装置13の温度上昇による誤動作を防止できる。
【0101】
以上説明した本実施形態に係るガラス板Gの製造装置1及び製造方法によれば、給気装置3の接続部18a,18bにフィルタ19を配置することにより、各給気ダクト15a,15bを通過する空気に含まれる異物を除去することができる。
【0102】
例えばフィルタ19を送風機14や各給気ダクト15a,15bの中途部に設けた場合には、フィルタ19を通過した空気に、給気ダクト15a,15bの内部で生じた異物が混入するおそれがある。これに対し、本実施形態では、各給気ダクト15a,15bの終端部に設けられた接続部18a,18bにフィルタ19を配置することで、給気ダクト15a,15bの内部で生じた異物をも除去することができる。これにより、清浄な空気を切断室5及び検査室6に常に供給することが可能となる。
【0103】
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、上記した作用効果に限定されるものでもない。本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0104】
上記の実施形態では、ガラス板Gを縦姿勢で搬送する例を示したが、これに限らず、ガラス板Gを横姿勢で搬送する搬送経路に対しても本発明を適用することができる。
【0105】
上記の実施形態では、給気ダクト15a,15bの接続部18a,18bが搬送空間2内に露出した場合(露出型)を説明したが、本発明はこの構成に限定されない。接続部18a,18bが切断室5及び検査室6の天井部5d,6cに埋め込まれる場合(天井埋込型)にも本発明を適用することができる。
【0106】
上記の実施形態では、給気ダクト15a,15bの第一ダクト20を接続部18a,18bの側面18eに接続した例を示したが、本発明はこの構成に限定されない。給気ダクト15a,15bは、接続部18a,18bの上面18cに接続されてもよい。
【0107】
上記の実施形態では、外気ダクト17から送風機14に導入された空気を給気ダクト15a,15bへ送る場合を説明したが、本発明はこの構成に限定されない。切断室5及び/又は検査室6に排気口を設け、排気口と送風機14を接続する内気ダクトを通して、切断室5及び検査室6内の空気を送風機14に戻し、外気ダクト17から導入された空気と合わせて給気ダクト15a,15bへ送っても良い。
【0108】
上記の実施形態では、切断室5でスクライブ工程と折割工程を行う場合を説明したが、本発明はこの構成に限定されない。受渡室4と切断室5の間にスクライブ室を設け、スクライブ室内でスクライブ工程を行ってもよい。
【0109】
上記の実施形態では、送風機14が温湿度調整部を備えている例を説明したが、本発明はこの構成に限定されない。送風機14は、給気ダクト15a,15bへ送る空気を清浄にするための、予備的なフィルタを備えていてもよい。
【符号の説明】
【0110】
1 ガラス板の製造装置
2a 搬送経路
3 給気装置
5 切断室
6 検査室
14 送風機
15a 第一給気ダクト
15b 第二給気ダクト
17 外気ダクト
18a 第一接続部
18b 第二接続部
18c 接続部の上面
18d 接続部の下面
18e 接続部の側面
19 フィルタ
20 第一ダクト
20a 第一ダクトのフランジ部
21 第二ダクト
21a 第二ダクトのフランジ部
23 第一コーキング材
24 第一カバー部材
25 第二カバー部材
27 カバー部材の第一壁部
28 カバー部材の第二壁部
29 カバー部材の第三壁部
30a カバー部材の第四壁部
30b カバー部材の第四壁部
G ガラス板
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7