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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058815
(43)【公開日】2024-04-30
(54)【発明の名称】乗用型作業機
(51)【国際特許分類】
   A01M 7/00 20060101AFI20240422BHJP
   A01C 23/00 20060101ALI20240422BHJP
   A01C 23/04 20060101ALI20240422BHJP
【FI】
A01M7/00 D
A01M7/00 H
A01C23/00 C
A01C23/04 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022166152
(22)【出願日】2022-10-17
(71)【出願人】
【識別番号】000000125
【氏名又は名称】井関農機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092794
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 正道
(72)【発明者】
【氏名】赤松 克利
(72)【発明者】
【氏名】廣田 大地
(72)【発明者】
【氏名】畑邊 昌也
(72)【発明者】
【氏名】長尾 康史
【テーマコード(参考)】
2B052
2B121
【Fターム(参考)】
2B052BC07
2B052DC01
2B052DC02
2B052DC13
2B052DC14
2B052DC15
2B052DC17
2B052DD07
2B052EA03
2B052EC04
2B052EC18
2B121CB03
2B121CB24
2B121CB33
2B121CB35
2B121CB37
2B121CB61
2B121CB69
2B121DA62
2B121DA63
2B121EA26
2B121FA04
2B121FA06
2B121FA20
(57)【要約】
【課題】 給水中に、例えば機体が動き出したような場合、ホースが抜けて貴重な薬液が漏れてしまうような問題があった。
【解決手段】 走行装置3、4と、前記走行装置3、4を操作する操作部21と、前記走行装置3、4を駆動する走行駆動部22と、液体を貯留するタンク9と、前記タンク9へ給水を行う給水装置10と、前記操作部21の状態を検出する検出装置23と、前記検出装置23の検出結果に基づき、前記給水装置10を制御する制御部20を備え、
前記走行装置3、4が走行可能な状態になるように前記操作部21が操作されたことを前記検出装置23が検出した場合、前記制御部20は、前記給水装置10による前記タンク9への給水を停止させることを特徴とする乗用型作業機。
【選択図】 図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行装置と、前記走行装置を操作する操作部と、前記走行装置を駆動する走行駆動部と、液体を貯留するタンクと、前記タンクへ給水を行う給水装置と、前記操作部の状態を検出する検出装置と、前記検出装置の検出結果に基づき、前記給水装置を制御する制御部と、機体とを備え、
前記走行装置が走行可能な状態になるように前記操作部が操作されたことを前記検出装置が検出した場合、前記制御部は、前記給水装置による前記タンクへの給水を停止させることを特徴とする乗用型作業機。
【請求項2】
前記走行装置の走行可能な状態とは、前記操作部の主変速レバーが走行ポジションに位置した状態、または前記操作部のブレーキペダルが解除された状態、または前記走行装置の走行をオンオフする前記操作部の主クラッチが入りの状態である、請求項1記載の乗用型作業機。
【請求項3】
前記機体の速度を検出する車速センサが検出した車速が所定の速度以上になった場合、または、前記機体に備えられた位置情報測位システムによって測定された前記機体の位置が所定の時間以内に所定の距離以上変化した場合、または、前記走行装置の車輪の回転量を検出する回転量検出装置が所定の回転量以上の回転量を検出した場合に、前記制御部は前記給水装置による前記タンクへの給水を停止する、請求項2記載の乗用型作業機。
【請求項4】
前記機体には液体を散布する散布ブームを備え、前記散布ブームの移動量を検出する移動量センサが所定の距離以上の移動量を検出した場合は、前記制御部はその検出結果に基づいて、前記給水装置による前記タンクへの給水を停止する、請求項3に記載の乗用型作業機。
【請求項5】
前記制御部には、予め決められた前記散布ブームの退避位置が記憶されており、
前記機体に設けられた近接センサが、作業者が前記機体に近づいたことを検出すると、前記制御部はその検出結果に応じて前記散布ブームを、散布ブーム駆動機構を利用して前記所定の退避位置まで移動させる、請求項4記載の乗用型作業機。
【請求項6】
前記散布ブームによって液体が散布された圃場の既作業領域以外の未作業領域を散布することが出来る、ドローン用の散布ブームと撮像カメラを有するドローンをさらに備え、
前記未作業領域を埋める飛行ルートが予め設定されており、前記ドローンは、前記飛行ルートに沿って飛行しながら散布する自動操縦モードと、散布を停止してホバリングするホバリングモードと、手動操縦モードを有し、
前記自動操縦モードとホバリングモード時には、前記撮像カメラは自由に動くことが出来るが、前記自動操縦モードまたは前記ホバリングモードから前記手動操縦モードに切り替わると、前記撮像カメラの横方向の方位は固定され、上下の角度のみ動かせるように制御される、請求項5記載の乗用型作業機。
【請求項7】
前記機体には前記機体の傾斜を検出する傾斜検出装置を備え、前記傾斜検出装置が所定以上の傾斜を検出した場合には、前記制御部は前記給水装置による前記タンクへの給水を停止する、請求項3に記載の乗用型作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬剤散布機などの乗用型作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、薬液タンクを備える乗用型作業機は公知となっている。例えば先行技術(特許文献1)に示す乗用型作業機では、圃場に置いてある薬液槽から搭載しているタンクへポンプと給水ホースを用いて薬液を供給している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010-200652号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、そのような従来の技術では、給水中に、例えば機体が動き出したような場合、ホースが抜けて貴重な薬液が漏れてしまう問題があったが、それに対する対策はなされていなかった。
【0005】
本発明は、例えば機体が動き出したような場合に対して、給水動作を適切に対処できる乗用型作業機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の本発明は、
走行装置と、前記走行装置を操作する操作部と、前記走行装置を駆動する走行駆動部と、液体を貯留するタンクと、前記タンクへ給水を行う給水装置と、前記操作部の状態を検出する検出装置と、前記検出装置の検出結果に基づき、前記給水装置を制御する制御部と、機体とを備え、
前記走行装置が走行可能な状態になるように前記操作部が操作されたことを前記検出装置が検出した場合、前記制御部は、前記給水装置による前記タンクへの給水を停止させることを特徴とする乗用型作業機である。
【0007】
第2の本発明は、
前記走行装置の走行可能な状態とは、前記操作部の主変速レバーが走行ポジションに位置した状態、または前記操作部のブレーキペダルが解除された状態、または前記走行装置の走行をオンオフする前記操作部の主クラッチが入りの状態である、第1の本発明の乗用型作業機である。
【0008】
第3の本発明は、
前記機体の速度を検出する車速センサが検出した車速が所定の速度以上になった場合、または、前記機体に備えられた位置情報測位システムによって測定された前記機体の位置が所定の時間以内に所定の距離以上変化した場合、または、前記走行装置の車輪の回転量を検出する回転量検出装置が所定の回転量以上の回転量を検出した場合に、前記制御部は前記給水装置による前記タンクへの給水を停止する、第2の本発明の乗用型作業機である。
【0009】
第4の本発明は、
前記機体には液体を散布する散布ブームを備え、前記散布ブームの移動量を検出する移動量センサが所定の距離以上の移動量を検出した場合は、前記制御部はその検出結果に基づいて、前記給水装置による前記タンクへの給水を停止する、第3の本発明の乗用型作業機である。
【0010】
第5の本発明は、
前記制御部には、予め決められた前記散布ブームの退避位置が記憶されており、
前記機体に設けられた近接センサが、作業者が前記機体に近づいたことを検出すると、前記制御部はその検出結果に応じて前記散布ブームを、散布ブーム駆動機構を利用して前記所定の退避位置まで移動させる、第4の本発明の乗用型作業機である。
【0011】
第6の本発明は、
前記散布ブームによって液体が散布された圃場の既作業領域以外の未作業領域を散布することが出来る、ドローン用の散布ブームと撮像カメラを有するドローンをさらに備え、
前記未作業領域を埋める飛行ルートが予め設定されており、前記ドローンは、前記飛行ルートに沿って飛行しながら散布する自動操縦モードと、散布を停止してホバリングするホバリングモードと、手動操縦モードを有し、
前記自動操縦モードとホバリングモード時には、前記撮像カメラは自由に動くことが出来るが、前記自動操縦モードまたは前記ホバリングモードから前記手動操縦モードに切り替わると、前記撮像カメラの横方向の方位は固定され、上下の角度のみ動かせるように制御される、第5の本発明の乗用型作業機である。
【0012】
第7の本発明は、
前記機体には機体の傾斜を検出する傾斜検出装置を備え、前記傾斜検出装置が所定以上の傾斜を検出した場合には、前記制御部は前記給水装置による前記タンクへの給水を停止する、第3の本発明の乗用型作業機である。
【発明の効果】
【0013】
本発明により、例えば機体が動き出したような場合に対して、給水動作を適切に処理できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明における実施の形態にかかる乗用作業機の側面図
図2】同上乗用作業機の制御部を中心とする構成図(その1)
図3】同上乗用作業機の制御部を中心とする構成図(その2)
図4】同上乗用作業機の制御部を中心とする構成図(その3)
図5】同上乗用作業機のブーム受け構造の略示図
図6】同上乗用管理機とドローンによる連携薬剤散布の説明図
図7】薬剤散布の対象とする圃場の起伏を示す図
図8】薬剤散布の既作業領域を違和感なく示す画像図
図9】圃場の上を飛行するドローンの平面図
図10】ドローンと地面との高さ関係を示す図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら、本発明における実施の形態について詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施の形態にかかる乗用型作業機の一例としての薬剤散布機の左側面図である。以下では、薬剤散布機の進行方向を基準として、前後、左右、上下とする。また、薬液や液体肥料や普通の水を単に水と表現することもある。
【0017】
図1に示す通り、本実施の形態の薬液散布作業車1には次のような構成部品が備えられている。すなわち、走行装置を構成する左右一対の前輪3L、3R及び左右一対の後輪4L、4Rを有する機体2の前部において、ボンネット5で覆われたエンジン6と、機体2の略中央部に配置された操縦席7と、操縦席7の前方に設けられた操縦ハンドル8と、機体2の後部において配置されている薬液を貯留するための防除タンク9と、が設けられている。
【0018】
また、防除タンク9の後部であって機体2の下方に防除ポンプ10が設けられている。この防除ポンプ10は本発明の給水装置の一例である。また、防除タンク9の後方に載置台11を設け、金属製や樹脂製の携行缶12を載置可能に構成している。また、機体2の前側には、防除散布装置100が設けられている。
【0019】
防除散布装置100は、機体2の前方に配置されたセンター散布ブーム機構100Cと、機体2の前方左右両端側において回動可能に設けられた左右一対の散布ブーム機構100L、100Rと、で構成されている。また、左右一対の散布ブーム機構100L、100Rには、後述する左右一対の散布ブーム120L、120Rを左右一対の回動部300L、300Rを介して回動させる左右一対の油圧式回動シリンダーが設けられている。
【0020】
また、機体2の前側には、防除散布装置100を昇降する昇降リンク機構200が設けられている。
【0021】
昇降リンク機構200は、図1に示す通り、ボンネット5の左右両側に回動可能に配置された左右一対の平行リンク210L、210Rと、ボンネット5の前方に配置されると共に左右一対の平行リンク210L、210Rの前端部に溶接固定されたフロント水平支柱と、フロント水平支柱を昇降させる油圧式昇降シリンダー230とを備えている。
【0022】
左側の平行リンク210Lは、図1に示す様に、左側の上側リンク210Laと下側リンク210Lbと、これら左側の上側リンク210La及び下側リンク210Lbの後端部を所定間隔を隔てて回動可能に連結すると共に機体2のメインフレームの左側(車幅方向左側)に下端部が固定された左リンク第1連結部材211Lと、これら左側の上側リンク210La及び下側リンク210Lbの前端部を所定間隔を隔てて回動可能に連結する左リンク第2連結部材212Lとを備えている。
【0023】
また、右側の平行リンク210Rについても、上述した左側の平行リンク210Lと同じ構成である。
【0024】
また、左リンク第2連結部材212Lの前側面の下端部と右リンク第2連結部材212Rの前側面の下端部には、上述したフロント水平支柱が溶接固定されており、当該フロント水平支柱の左右幅は左側の平行リンク210Lと右側の平行リンク210Rとの左右の間隔より長く、概ね左右前輪3L、3Rの輪間距離(トレッド)程度の長さを有している。
【0025】
また、左側の下側リンク210Lbと右側の下側リンク210Rbは、側面視で、ボンネット5の前端部とフロント水平支柱の概ね中間位置付近において、左右リンク連結アームにより連結されている。
【0026】
また、上述した油圧式昇降シリンダー230の本体部は、フロント水平支柱の左右幅の中央部に立設されたシリンダー取り付けブラケット232の上端部に回動可能に取り付けられており、油圧式昇降シリンダー230のピストン231の先端部は、左右リンク連結アームに連結されている。
【0027】
これにより、油圧式昇降シリンダー230のピストン231が伸びる方向に移動すると、左右一対の平行リンク210L、210Rは、左リンク第1連結部材211L及び右リンク第1連結部材211Rとの連結部を回動軸として、前端側が上昇するので、フロント水平支柱も同時に上昇する。
【0028】
また、油圧式昇降シリンダー230のピストン231が収縮する方向に移動すると、左右一対の平行リンク210L、210Rは、左リンク第1連結部材211L及び右リンク第1連結部材211Rとの連結部を回動軸として、前端側が降下するので、フロント水平支柱も同時に降下する。
【0029】
上記構成によれば、左側散布ブーム回動スイッチと右側散布ブーム回動スイッチ(図示省略)をそれぞれ操作し、左右一対の油圧式回動シリンダーを動作させることにより、左右一対の散布ブーム120L、120Rを機体2の左右方向に突出させた散布作業姿勢と、薬液散布作業車1の両側方に沿わせた収納姿勢とに切り替えることが出来る。
【0030】
また、上記構成によれば、防除散布装置100を油圧式昇降シリンダー230により昇降させることにより、薬液の散布高さを変更することが出来る。
【0031】
(走行装置の走行可能な状態における給水制御)
次に、このような構造を有する薬剤散布機1において、走行装置3L、3R、4L、4Rが走行可能な状態となったときの防除タンク9への給水制御について説明する。
【0032】
すなわち、図2はその給水制御のための構成図である。10は給水装置(防除ジェットポンプ)であって、機体2に装備されている。なお、圃場には薬液を補充するための薬液槽10bが置かれており、その薬液槽10bと給水装置10との間、また、給水装置10と防除タンク9との間には給水ホース10aで連結されている。
【0033】
20は制御部であって、判断部20aと記憶部20bを有する。また、22は走行駆動部であって、走行装置3、4を駆動出来る。
【0034】
他方、操作部21とは走行装置3、4を操作する操作機構である。例えば、主変速レバー21a、またブレーキペダル21b、あるいは主クラッチ21cである。
【0035】
検出装置23はその操作部21の状態を検出し、走行装置3、4が走行可能な状態になるように操作部21が操作されたことを検出する装置である。この走行可能な状態とは、例えば、操作部21が主変速レバー21aの場合は、主変速レバー21aが走行ポジションに位置したこと、例えば前進レベル1に入ったこと、または後進側へ入ったことを検出した状態である。あるいは操作部21がブレーキペダル21bの場合は、ブレーキペダル21bが解除されたことを検出した状態である。さらにまた、操作部21が主クラッチ21cの場合は、主クラッチ21cが入った状態である。
【0036】
制御部20は、走行装置3、4が走行可能な状態になるように前記操作部が操作されたことを前記検出装置23が検出した場合、検出装置23からの信号を受けて、給水装置(ジェットポンプ)10による防除タンク9への給水動作を停止させる。なお、その際、同時にブザーなどを鳴らして警告することも望ましい。
【0037】
以上のように給水制御することによって、機体2の走行可能な状態に着目して、トラブルが起こる前に適切な給水制御が実現できる。
【0038】
(機体が走行開始した状態における給水制御)
図3は機体2が走行を開始した状態の給水制御を示す構成図である。ここに車速センサ31は機体2の車速を測定するセンサであって、走行駆動部22のアウトプットシャフトに取付けられており、制御部20の判断部20aは車速センサ31の出力信号を受信して機体2が走行を開始したと判断し、給水装置10の給水を停止させる。
【0039】
あるいは、測位衛星32からの測位信号を位置情報測位システム33で受信し、位置情報として制御部20へ送る。受信した制御部20の判断部20aはその位置情報の時間的に変化から機体2が走行を開始したかどうか判断し、開始したと判断した場合は、給水装置10の給水を停止させる。
【0040】
あるいは、走行装置3、4の車輪の回転量を検出する回転量検出装置34からの信号を制御部20へ出力させ、制御部20の判断部20aが記憶部20bに予め記憶しておいた所定の回転量以上の回転をしていると判断した場合、制御部20は給水装置10の給水を停止させる。なお、その際、同時にブザーなどを鳴らして警告することも望ましい。
【0041】
以上のように給水制御することによって、給水したまま機体2が走行を継続することを防ぐことが出来る。
【0042】
(散布ブームの移動状態における給水制御)
図4は散布ブーム120L、120Rの動きに着目した給水制御を示す構成図である。
【0043】
移動量センサ40は散布ブーム120L、120Rの移動量を検出するセンサであって(図1参照)、移動量センサ40から移動量信号を受信した制御部20の判断部20aは、散布ブーム120L、120Rが、記憶部20bに予め記憶された所定の距離以上移動したと判断すると、制御部20は給水装置10の給水を停止させる。なお、その際、同時にブザーなどを鳴らして警告することも望ましい。
【0044】
これによって、近く散布作業が始まることを予想して給水を停止させて、散布作業中にも給水させるようなトラブルを防止することが出来る。
【0045】
ここに、41は近接センサであって、作業者が操縦席7に近づいて来たことを検出する赤外線センサなどのセンサであって、制御部20はその近接センサ41からの信号に基づき、散布ブーム120L、120Rを、散布ブーム駆動機構(左右一対の油圧式回動シリンダーなど)42を利用して、所定の退避位置まで移動させる。この所定の退避位置とは作業者が操縦席7に乗り込む際に通路となる空間を開ける位置であり、作業者の搭乗に邪魔にならない位置である。その位置情報は制御部20の記憶部20bに予め記憶させておく。
【0046】
このように、作業者が操縦席7へ近づくと、近接センサ41がそれを検出し、制御部20は散布ブーム120L、120Rを所定の位置まで移動させるので、上述したように、移動量センサ40がその移動を検出して、それを受けて制御部20は給水装置10の給水動作を停止させる。
【0047】
したがって、作業者が散布作業を開始するため機体2の操縦席7へ近づくと、作業の開始の前に、給水を停止させトラブルを防ぐことが出来る。
【0048】
なお、スマートキーに近接センサ41を内蔵してもよいし、小型カメラを操縦席7の近くに設けておき、AI画像処理技術などを用いて顔認識を行わせ、作業者の判断を行い散布ブーム120L、120Rを所定位置に移動させてもよい。あるいは近接センサ41の代わりにキャビンの取っ手にスイッチを設けておき、押すと散布ブーム120L、120Rが所定位置に移動することにしてもよい。
【0049】
(機体の傾斜における給水制御)
図4において、42は機体2の傾斜を検出する傾斜検出装置であって、その検出結果は制御部20へ送られる。制御部20の判断部20aは予め記憶部20bに記憶されている所定の傾き量を超えているかどうか判断し、超えている場合は給水装置10の給水動作を停止させる。
【0050】
これによって、機体2が傾斜した状態で給水装置10が給水を継続して給水量に予想外の問題などが起こることを防止できる。
【0051】
以下にさらに別の実施例について説明する。
【0052】
1.防除タンク9が満水時になった際に、センサで検知し給水装置10を停止させる。給水時に安心して別の作業が出来る。さらにはその満水をブザーで作業員に知らせることも出来る。作業員はブザーで給水完了を確認出来る。あるいはランプ点灯して知らせてもよい。あるいは、ブザーとランプ点灯の両方で知らせても良い。
【0053】
あるいは、給水を停止させずに、ブザーやランプ点灯などで知らせるだけでもよい。
【0054】
さらには、満水時ではなく、任意の水量が貯水された時点で給水を停止させ、その旨ブザー或いはランプ点灯あるいは双方の手段で知らせてもよい。任意の量なので対応が柔軟に出来る。
【0055】
任意の量としては例えば2/3貯水出来た際などである。この場合、給水を必ずしも停止する必要はない。あるいは3/4貯水した際でも構わない。
【0056】
貯水量を検出するセンサとしては、防除タンク9内部に設置した水位センサや、防除タンク9の下部に設置する重量センサなどがある。
【0057】
また、上記ブザーやランプ点灯は、通信でスマートフォンやタブレットに送信して鳴らしたり点灯したり、振動させてもよい。スマートフォンの代わりにいわゆるスマートキーによって音を鳴らしたり、振動させもよい。
【0058】
2.予めドローンで圃場を撮影し、画像処理によって害虫の検知を行う。害虫の種類や発生率といった結果を圃場の地図上にマッピングして保存する。また、発生した害虫に有効な農薬も自動的に提案させるデータベースも用意しておく。
【0059】
これらのデータを利用して、区域別の防除作業を行うことで作業者にとって未知の害虫に対しても素早く対応できる。
【0060】
3.散布ブーム120L、120Rの収納受部について説明する。図5はブーム受け50を中空丸棒51に差し込み、ピン52で、中空丸棒51とブーム受け50をともに貫通させてブーム受け50が回転することを防止し、そのピン52の下端をスナップピン53で抜け止めを行う。これによって、ブーム受け50の着脱が酔いになる。なお、ブーム受け50と薬剤散布機1の接続部をワンタッチカプラとすることで、ブーム受け50の脱着が容易になる。
【0061】
4.乗用管理機とドローンによる連携薬剤散布について説明する。
【0062】
従来、未散布領域を携帯端末の地図上に表示する技術があったが、ドローンを操縦する場合、ドローンの目視または搭載カメラの映像と、地図とを見る必要があった。
【0063】
そこで、図6に示すように、乗用管理機の作業幅と作業走行軌跡から既作業領域を記憶し、UAV(ドローン)の位置情報(対地高度含む)と搭載カメラの角度(サーボモータ)から計算してカメラ映像に既作業領域を合成表示する。
【0064】
このようにすることによって、ドローンを飛ばしながら既作業領域を確認できる。ドローン搭載のカメラ映像に重ねて合成表示することにより、操縦と作業領域確認を同時に行うことができる。
【0065】
ドローンの位置、カメラの向きに応じて撮影映像にリアルタイムに合成する既作業領域を3Dで作成する。これによって、違和感なく走行予定ラインを映像に合成できる。
【0066】
さらに、作業走行軌跡の記憶時に車両のGPS情報から地面の起伏も読み取り、起伏に合わせて既作業領域を3Dデータを作成することで、図7に示すように、地面に大きな起伏がある圃場でも違和感なく既作業領域を映像に合成できる。カメラにLIDARスキャナを搭載し、地面の形状に合わせて既作業領域を合成する。
【0067】
また、地面と作物の色域を認識し、地面および作物と認識した場所のみに既作業領域を合成する。クロマキー合成のように車両等がある場合、合成画像から抜くことで、図8に示すように、違和感なく合成できる車両の存在を視認しやすくなる。
【0068】
図9に示すように、ドローンに薬液タンクと散布ノズルおよびGPSを搭載し、手動操縦により未作業領域の補充散布を行う場合、既作業領域の上空では散布を自動的に停止する。2重散布を防止できる。
【0069】
また、ドローンなどで空中散布の場合、地面及び作物と認識した場所以外の上空に位置する場合は薬剤散布を停止する。作物や地面以外のもの(車両等)に薬剤をかけることを防止して、散布の無駄を防止できる。
【0070】
図10に示すように、散布高さを設定し、適切な高さ領域にいない場合、散布を停止する。これによって不適切な散布を防止できる。
【0071】
ドローンなどで空中散布する場合、風などが原因で所定の速度以下になってしまう場合は散布を停止する。これによって不適切な散布を防止できる。
【0072】
ドローンは、未作業領域を埋める飛行ルートを予め設定しておき、飛行ルートに沿って飛行しながら散布する自動操縦モードと、散布を停止してホバリングするホバリングモードと、手動操縦モードを有することが出来る。
【0073】
ドローンを使う場合、自動操縦モードとホバリングモード時には、カメラは自由に動かし、自動操縦から手動操縦に切り替わると、カメラの横方向(水平方向)方位は固定し、上下の角度のみ動かせるようにするのが望ましい。これによって手動操縦に切り替えたときの混乱を防止できる。
【0074】
5.操舵方式について説明する。
【0075】
以下に説明するものは、前輪操舵、後輪操舵、4輪操舵の切り替え可能な乗用型作業機に関しての発明である。
【0076】
従来は、操舵モードの切り替えスイッチを押した後、ハンドルと車輪が直進状態に戻しておかないと、操舵モードを切り替えることができなかったので、面倒であり複雑だった。これを簡単に操作できるようにした。
【0077】
(1) 前輪操舵モードから後輪操舵モードに切り替える場合の制御は、後輪操舵スイッチを押すと、ハンドルの向きが変更されていても、前輪は直進状態に動き、後輪は直進状態から、ハンドル回転量に応じた向きに動く。
【0078】
この構成によって、一度ハンドルと車輪を直進状態に戻さなくても操舵方式を切り替えることができる。
【0079】
(2) 後輪操舵モードから前輪操舵モードに切り替える場合の制御は、前輪操舵スイッチを押すと、ハンドルの向きが変更されていても、後輪は直進状態に動き、前輪は直進状態から、ハンドル回転量に応じた向きに動く。
【0080】
この構成によって、一度ハンドルと車輪を直進状態に戻さなくても操舵方式を切り替えることができる。
【0081】
(3) 上記(1)と(2)のいずれの制御も行うことができる。
【0082】
この構成によって、一度ハンドルと車輪を直進状態に戻さなくても操舵方式を切り替えることができる。
【0083】
(4) 前輪操舵モードから4輪操舵モードに切り替える場合の制御は、4輪操舵スイッチを押すと、後輪が前輪とハンドル回転量に応じた向きに動く。
【0084】
この構成によって、一度ハンドルと車輪を直進状態に戻さなくても操舵方式を切り替えることができる。
【0085】
(5) 後輪操舵モードから4輪操舵モードに切り替える場合の制御は、4輪操舵スイッチを押すと、前輪が後輪とハンドル回転量に応じた向きに動く。
【0086】
この構成によって、一度ハンドルと車輪を直進状態に戻さなくても操舵方式を切り替えることができる。
【0087】
(6) 前輪操舵モードから4輪操舵モードに切り替える場合の制御は、4輪操舵スイッチを押す。前輪が後輪より左に切れているときに、前輪がさらに左に切れるようにハンドルを回した場合、後輪のみ右に動かす。
【0088】
この構成によって、左旋回が容易になる。
【0089】
(7) 後輪操舵モードから4輪操舵モードに切り替える場合の制御は、4輪操舵スイッチを押す。前輪が後輪より左に切れているときに、前輪がさらに左に切れるようにハンドルを回した場合、後輪のみ右に動かす。
【0090】
この構成によって、左旋回が容易になる。
【0091】
(8) 前輪操舵モードから4輪操舵モードに切り替える場合の制御は、4輪操舵スイッチを押す。前輪が後輪より右に切れているときに、前輪がさらに右に切れるようにハンドルを回した場合、後輪のみ左に動かす。
【0092】
この構成によって、右旋回が容易になる。
【0093】
(9) 後輪操舵モードから4輪操舵モードに切り替える場合の制御は、4輪操舵スイッチを押す。前輪が後輪より右に切れているときに、前輪がさらに右に切れるようにハンドルを回した場合、後輪のみ左に動かす。
【0094】
この構成によって、右旋回が容易になる。
【0095】
(10) 前輪操舵モードから4輪操舵モードに切り替える場合の制御は、4輪操舵スイッチを押す。前輪が後輪より左に切れているときに、前輪が右に切れるようにハンドルを回した場合、後輪も右に動かす。
【0096】
この構成によって、一度ハンドルと車輪を直進状態に戻さなくても進行方向を切り替えることができる。
【0097】
(11) 後輪操舵モードから4輪操舵モードに切り替える場合の制御は、4輪操舵スイッチを押す。後輪が前輪より左に切れているときに、後輪が右に切れるようにハンドルを回した場合、前輪も右に動かす。
【0098】
この構成によって、一度ハンドルと車輪を直進状態に戻さなくても進行方向を切り替えることができる。
【0099】
(12) 前輪操舵モードから4輪操舵モードに切り替える場合の制御は、4輪操舵スイッチを押す。前輪が後輪より右に切れているときに、前輪が左に切れるようにハンドルを回した場合、後輪も左に動かす。
【0100】
この構成によって、一度ハンドルと車輪を直進状態に戻さなくても進行方向を切り替えることができる。
【0101】
(13) 後輪操舵モードから4輪操舵モードに切り替える場合の制御は、4輪操舵スイッチを押す。後輪が前輪より右に切れているときに、後輪が左に切れるようにハンドルを回した場合、前輪も左に動かす。
【0102】
この構成によって、一度ハンドルと車輪を直進状態に戻さなくても進行方向を切り替えることができる。
【0103】
次に、上記操舵モードの切り替えについての発明を別角度から説明する。
【0104】
(1) 上述したように、従来機は、前輪操舵時に操舵切り替えスイッチを押したあと、ハンドル操作で前輪がまっすぐにならないと後輪操舵できなかった。
【0105】
そこで、乗用管理機に、前輪操舵機構(油圧)、前輪操舵機構への作動油供給を制御するバルブ、前輪操舵と後輪操舵を相互に切り替えるスイッチ、前輪操舵角検出センサを設け、スイッチを押した後にハンドル操作すると、前輪はハンドルをどちらに切ってもまっすぐになる方向に動き、後輪はハンドルに追従するとすることで操舵を阻害せず姿勢を元に戻せる。
【0106】
(2) また、従来機は、後輪操舵時に操舵切り替えスイッチを押したあと、ハンドル操作で後輪がまっすぐにならないと前輪操舵できなかった。
【0107】
そこで、乗用管理機に、後輪操舵機構(油圧)、後輪操舵機構への作動油供給を制御するバルブ、前輪操舵と後輪操舵を相互に切り替えるスイッチ、後輪操舵角検出センサを設け、スイッチを押した後にハンドル操作すると、後輪はハンドルをどちらに切ってもまっすぐになる方向に動き、前輪はハンドルに追従するとすることで操舵を阻害せず姿勢を元に戻せる。
【0108】
(3) また、従来機は、操舵切り替えスイッチを押した後、ハンドル操作でタイヤをまっすぐにしないと操舵できなかった。
【0109】
そこで、乗用管理機に、前輪操舵機構(油圧)、前輪操舵機構への作動油供給を制御するバルブ、後輪操舵機構(油圧)、後輪操舵機構への作動油供給を制御するバルブ、前輪操舵と後輪操舵を相互に切り替えるスイッチ、前輪操舵角検出センサ、後輪操舵角検出センサを設け、スイッチを押した後にハンドル操作すると、操舵しない側(まっすぐにする側)のタイヤはハンドルをどちらに切ってもまっすぐになる方向に動き、操舵する側のタイヤはハンドルに追従するとすることで操舵を阻害せず姿勢を元に戻せる。
【0110】
(4) また、従来機は、前輪操舵時に操舵切り替えスイッチを押したあと、ハンドル操作で前後両輪がまっすぐにならないと4WS操舵できなかった。
【0111】
そこで、乗用管理機に、前輪操舵機構(油圧)、前輪操舵機構への作動油供給を制御するバルブ、後輪操舵機構(油圧)、後輪操舵機構への作動油供給を制御するバルブ、前輪操舵と4WS操舵を相互に切り替えるスイッチ、前輪操舵角検出センサ、後輪操舵角検出センサを設け、スイッチを押した後にハンドル操作すると片方のタイヤのみ動かすことで、より素早く4WS状態に移行できる。
【0112】
(5) また、従来機は、後輪操舵時に操舵切り替えスイッチを押したあと、ハンドル操作で前後両輪がまっすぐにならないと4WS操舵できなかった。
【0113】
そこで、乗用管理機に、前輪操舵機構(油圧)、前輪操舵機構への作動油供給を制御するバルブ、後輪操舵機構(油圧)、後輪操舵機構への作動油供給を制御するバルブ、後輪操舵と4WS操舵を相互に切り替えるスイッチ、前輪操舵角検出センサ、後輪操舵角検出センサを設け、スイッチを押した後にハンドル操作すると片方のタイヤのみ動かすことで、より素早く4WS状態に移行できる。
【0114】
(6) また、従来機は、前輪操舵時に操舵切り替えスイッチを押したあと、ハンドル操作で前後両輪がまっすぐにならないと4WS操舵できなかった。
【0115】
そこで、乗用管理機に、前輪操舵機構(油圧)、前輪操舵機構への作動油供給を制御するバルブ、後輪操舵機構(油圧)、後輪操舵機構への作動油供給を制御するバルブ、前輪操舵と4WS操舵を相互に切り替えるスイッチ、前輪操舵角検出センサ、後輪操舵角検出センサを設け、
スイッチを押した後にハンドル操作すると、現在のタイヤ角に応じて前後輪の挙動をバルブで制御することでより素早く4WS状態に移行できる。前輪が後輪より左に切れているときに、前輪がさらに左に切れるようハンドルを回した場合、後輪のみ右に動かすことで上記効果を得る。
【0116】
(7) また、従来機は、後輪操舵時に操舵切り替えスイッチを押したあと、ハンドル操作で前後両輪がまっすぐにならないと4WS操舵できなかった。
【0117】
そこで、乗用管理機に、前輪操舵機構(油圧)、前輪操舵機構への作動油供給を制御するバルブ、後輪操舵機構(油圧)、後輪操舵機構への作動油供給を制御するバルブ、後輪操舵と4WS操舵を相互に切り替えるスイッチ、前輪操舵角検出センサ、後輪操舵角検出センサを設け、スイッチを押した後にハンドル操作すると片方のタイヤのみ動かすことで、より素早く4WS状態に移行できる。前輪が後輪より左に切れているときに、前輪がさらに左に切れるようハンドルを回した場合、後輪のみ右に動かすことで上記効果を得る。
【0118】
(8) また、従来機は、前輪操舵時に操舵切り替えスイッチを押したあと、ハンドル操作で前後両輪がまっすぐにならないと4WS操舵できなかった。
【0119】
そこで、乗用管理機に、前輪操舵機構(油圧)、前輪操舵機構への作動油供給を制御するバルブ、後輪操舵機構(油圧)、後輪操舵機構への作動油供給を制御するバルブ、前輪操舵と4WS操舵を相互に切り替えるスイッチ、前輪操舵角検出センサ、後輪操舵角検出センサを設け、スイッチを押した後にハンドル操作すると、現在のタイヤ角に応じて前後輪の挙動をバルブで制御することでより素早く4WS状態に移行できる。前輪が後輪より右に切れているときに、前輪がさらに右に切れるようハンドルを回した場合、後輪のみ左に動かすことで上記効果を得る。
【0120】
(9) また、従来機は、後輪操舵時に操舵切り替えスイッチを押したあと、ハンドル操作で前後両輪がまっすぐにならないと4WS操舵できなかった。
【0121】
そこで、乗用管理機に、前輪操舵機構(油圧)、前輪操舵機構への作動油供給を制御するバルブ、後輪操舵機構(油圧)、後輪操舵機構への作動油供給を制御するバルブ、後輪操舵と4WS操舵を相互に切り替えるスイッチ、前輪操舵角検出センサ、後輪操舵角検出センサを設け、スイッチを押した後にハンドル操作すると片方のタイヤのみ動かすことで、より素早く4WS状態に移行できる。前輪が後輪より右に切れているときに、前輪がさらに右に切れるようハンドルを回した場合、後輪のみ左に動かすことで上記効果を得る。
【0122】
(10) また、従来機は、前輪操舵時に操舵切り替えスイッチを押したあと、ハンドル操作で前後両輪がまっすぐにならないと4WS操舵できなかった。
【0123】
そこで、乗用管理機に、前輪操舵機構(油圧)、前輪操舵機構への作動油供給を制御するバルブ、後輪操舵機構(油圧)、後輪操舵機構への作動油供給を制御するバルブ、前輪操舵と4WS操舵を相互に切り替えるスイッチ、前輪操舵角検出センサ、後輪操舵角検出センサを設け、スイッチを押した後にハンドル操作すると、現在のタイヤ角に応じて前後輪の挙動をバルブで制御することでより素早く4WS状態に移行できる。前輪が後輪より左に切れているときに、前輪が右に切れるようハンドルを回した場合、後輪も同時に右に動かすことで上記効果を得る。
【0124】
(11) また、従来機は、後輪操舵時に操舵切り替えスイッチを押したあと、ハンドル操作で前後両輪がまっすぐにならないと4WS操舵できなかった。
【0125】
そこで、乗用管理機に、前輪操舵機構(油圧)、前輪操舵機構への作動油供給を制御するバルブ、後輪操舵機構(油圧)、後輪操舵機構への作動油供給を制御するバルブ、後輪操舵と4WS操舵を相互に切り替えるスイッチ、前輪操舵角検出センサ、後輪操舵角検出センサを設け、スイッチを押した後にハンドル操作すると片方のタイヤのみ動かすことで、より素早く4WS状態に移行できる。後輪が前輪より左に切れているときに、後輪が右に切れるようハンドルを回した場合、前輪も同時に右に動かすことで上記効果を得る。
【0126】
(12) また、従来機は、前輪操舵時に操舵切り替えスイッチを押したあと、ハンドル操作で前後両輪がまっすぐにならないと4WS操舵できなかった。
【0127】
そこで、乗用管理機に、前輪操舵機構(油圧)、前輪操舵機構への作動油供給を制御するバルブ、後輪操舵機構(油圧)、後輪操舵機構への作動油供給を制御するバルブ、前輪操舵と4WS操舵を相互に切り替えるスイッチ、前輪操舵角検出センサ、後輪操舵角検出センサを設け、スイッチを押した後にハンドル操作すると、現在のタイヤ角に応じて前後輪の挙動をバルブで制御することでより素早く4WS状態に移行できる。前輪が後輪より右に切れているときに、前輪が左に切れるようハンドルを回した場合、後輪も同時に左に動かすことで上記効果を得る。
【0128】
(13) また、従来機は、後輪操舵時に操舵切り替えスイッチを押したあと、ハンドル操作で前後両輪がまっすぐにならないと4WS操舵できなかった。
【0129】
そこで、乗用管理機に、前輪操舵機構(油圧)、前輪操舵機構への作動油供給を制御するバルブ、後輪操舵機構(油圧)、後輪操舵機構への作動油供給を制御するバルブ、後輪操舵と4WS操舵を相互に切り替えるスイッチ、前輪操舵角検出センサ、後輪操舵角検出センサを設け、スイッチを押した後にハンドル操作すると片方のタイヤのみ動かすことで、より素早く4WS状態に移行できる。後輪が前輪より右に切れているときに、後輪が左に切れるようハンドルを回した場合、前輪も同時に左に動かすことで上記効果を得る。
【0130】
なお、本発明の乗用型作業機は、上述した薬液散布機に限らず、機体に搭載したタンクへ給水(薬液、水、液体肥料など)が必要なタイプの他の作業機であってもよい。
【0131】
また、上記実施例では給水装置10は機体2側に搭載していたが、圃場の上に載置して、給水するタイプでも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0132】
本発明は、例えば機体が動き出したような場合に対して適切に対応できる乗用型作業機を提供することが出来るので、薬液散布機などに最適である。
【符号の説明】
【0133】
1 薬剤散布機(薬剤散布作業機)
2 機体
3、4 走行装置
9 タンク
10 給水装置
20 制御部
21 操作部
22 走行駆動部
23 検出装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10