IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ザインエレクトロニクス株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058821
(43)【公開日】2024-04-30
(54)【発明の名称】受信信号品質モニタ
(51)【国際特許分類】
   H04L 25/02 20060101AFI20240422BHJP
   H04L 7/033 20060101ALI20240422BHJP
   H04L 25/49 20060101ALI20240422BHJP
   H04B 17/309 20150101ALI20240422BHJP
【FI】
H04L25/02 R
H04L7/033 100
H04L25/49 L
H04B17/309
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022166166
(22)【出願日】2022-10-17
(71)【出願人】
【識別番号】399011195
【氏名又は名称】ザインエレクトロニクス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100110582
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 昌聰
(72)【発明者】
【氏名】石田 智大
(72)【発明者】
【氏名】久保 俊一
【テーマコード(参考)】
5K029
5K047
【Fターム(参考)】
5K029FF02
5K029HH14
5K029KK27
5K047AA16
5K047GG11
5K047MM38
5K047MM59
5K047MM62
(57)【要約】      (修正有)
【課題】回路サイズ及び消費電力を低減しつつ、受信信号の品質を正確にモニタすることができる受信信号品質モニタを提供する。
【解決手段】受信信号品質モニタと、デジリアライザとを備えている受信装置RXにおいて、受信信号品質モニタの位相調整回路11は、シリアルデータ信号のユニットインターバル(UI)の数倍の位相範囲内において、参照用サンプラのサンプリング・クロック信号φeの位相掃引をする。第1同期回路13Aは、複数のデータ受信用サンプラに含まれる1つのサンプラの第1出力信号及び参照用サンプラSMeの第2出力信号を入力する。比較論理回路15には、第1同期回路13Aから同期して出力された第1出力信号及び第2出力信号を入力し、比較論理回路15は、受信信号の品質に関連する比較結果を出力する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリアルデータ信号を受信し、並列に接続され、多相のサンプリング・クロック信号がそれぞれ入力される複数のデータ受信用サンプラと、
前記シリアルデータ信号を受信する参照用サンプラと、
前記シリアルデータ信号のユニットインターバル(UI)のN倍(2≦N)の位相範囲内において、前記参照用サンプラへ入力するサンプリング・クロック信号の位相掃引が可能な位相調整回路と、
前記複数のデータ受信用サンプラのうちの1つのサンプラの出力信号、及び、前記参照用サンプラの出力信号が入力される第1同期回路と、
前記第1同期回路から同期して出力された2つの出力信号が入力される比較論理回路と、
を備える受信信号品質モニタ。
【請求項2】
前記位相調整回路により調整される位相範囲は、
前記参照用サンプラへ入力する前記サンプリング・クロック信号の1周期以上であることを特徴とする請求項1に記載の受信信号品質モニタ。
【請求項3】
前記比較論理回路の出力結果をカウントするカウンタを更に備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の受信信号品質モニタ。
【請求項4】
前記参照用サンプラは、
前記シリアルデータ信号を受信する第1入力端子と、
可変の参照用閾値電圧が入力される第2入力端子と、
を備え、
前記シリアルデータ信号と前記参照用閾値電圧との比較結果を、位相掃引が可能な前記サンプリング・クロック信号に同期して、サンプリングする、
ことを特徴とする請求項1に記載の受信信号品質モニタ。
【請求項5】
前記複数のデータ受信用サンプラに含まれる個々のサンプラは、
前記シリアルデータ信号を受信する第1入力端子と、
閾値電圧が入力される第2入力端子と、
を備え、
前記シリアルデータ信号と前記閾値電圧との比較結果を、前記多相のサンプリング・クロック信号に含まれ、当該サンプラに対応するサンプリング・クロック信号に同期して、サンプリングする、
ことを特徴とする請求項4に記載の受信信号品質モニタ。
【請求項6】
前記複数のデータ受信用サンプラから出力された複数の出力信号が入力される第2同期回路と、
前記第2同期回路から出力された複数の出力信号が入力され、前記多相のサンプリング・クロック信号を生成するCDR回路と、
を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の受信信号品質モニタ。
【請求項7】
前記シリアルデータ信号は、kレベル(3≦k、kは整数)の多値を有するパルス振幅変調(PAM)信号であり、
前記複数のデータ受信用サンプラのそれぞれは、k-1個のサンプラを備え、このk-1個のサンプラのそれぞれには、前記シリアルデータ信号と共に、互いにレベルの異なる閾値電圧が入力され、k-1個のサンプラのそれぞれから、k-1個の比較結果が出力される、
ことを特徴とする請求項1に記載の受信信号品質モニタ。
【請求項8】
前記複数のデータ受信用サンプラに含まれる1つのサンプラからは、前記k-1個の比較結果が出力され、
前記第1同期回路には、前記k-1個の比較結果と前記参照用サンプラの出力信号とが入力され、
前記比較論理回路は、k-1個の副・比較論理回路を備え、
前記k-1個の副・比較論理回路のそれぞれには、前記第1同期回路から、同期して出力された出力信号が入力される、
ことを特徴とする請求項7に記載の受信信号品質モニタ。
【請求項9】
前記位相調整回路は、
前記CDR回路から出力された前記多相のサンプリング・クロック信号が入力される選択回路と、
前記選択回路の出力信号が入力される位相補間回路と、
を備える、
ことを特徴とする請求項6に記載の受信信号品質モニタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信信号品質モニタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1、特許文献2、特許文献3、非特許文献1及び非特許文献2は、受信装置を開示している。受信装置の内部に、アイ・ダイアグラム生成用のデータ(受信信号の品質モニタ信号)を出力可能な受信信号品質モニタを組み込むと、当該データを評価することで、受信信号の品質を評価することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-152731号公報
【特許文献2】米国特許第10720910号明細書
【特許文献3】米国特許第10735116号明細書
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Yu-Chuan Lin, H. Tsao, "A10-Gb/s Eye-Opening Monitor Circuit for Receiver Equalizer Adaptations in 65-nmCMOS", IEEE Transactions on Very Large Scale Integration (VLSI) Systems, 1January 2020
【非特許文献2】Hyosup Won, Joon-Yeong Lee, et.al., "A 28-Gb/s Receiver With Self-contained Adaptive Equalization andSampling Point Control Using Stochastic Sigma-Tracking Eye-Opening Monitor",IEEE Transactions on Circuits and Systems I, Regular Papers, Volume 64, Issue3, March 2017
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
回路面積及び消費電力を低減しつつ、受信信号の品質を正確にモニタすることができる受信信号品質モニタが期待されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この受信信号品質モニタは、シリアルデータ信号を受信し、並列に接続され、多相のサンプリング・クロック信号がそれぞれ入力される複数のデータ受信用サンプラと、前記シリアルデータ信号を受信する参照用サンプラと、前記シリアルデータ信号のユニットインターバル(UI)のN倍(2≦N)の位相範囲内、において、前記参照用サンプラへ入力するサンプリング・クロック信号の位相掃引が可能な位相調整回路と、前記複数のデータ受信用サンプラのうちの1つのサンプラの出力信号、及び、前記参照用サンプラの出力信号が入力される第1同期回路と、前記第1同期回路から同期して出力された2つの出力信号が入力される比較論理回路とを備える。
【0007】
位相調整回路による位相掃引範囲が狭い場合には、エラーに対する対策のため、複数のデータ受信用サンプラの前段に、遅延調整用の回路が配置されることがある。この装置においては、位相掃引範囲が広いため、エラーが生じる領域を、アイ・ダイアグラム形成領域から十分に分離することができ、かかる回路を省略することもでき、回路面積及び消費電力を低減しつつ、受信信号の品質を正確にモニタすることができる。
【0008】
受信信号品質モニタにおいて、前記位相調整回路により調整される位相範囲は、前記参照用サンプラへ入力するサンプリング・クロック信号の1周期以上であることが好適であり、位相範囲が拡張することで、アイ開口の位置が移動しても、これを取得しやすくなる。
【0009】
受信信号品質モニタは、前記比較論理回路の出力結果をカウントするカウンタを更に備えることが好ましい。
【0010】
前記参照用サンプラは、前記シリアルデータ信号を受信する第1入力端子と、可変の参照用閾値電圧が入力される第2入力端子とを備え、前記シリアルデータ信号と前記参照用閾値電圧との比較結果を、位相掃引が可能な前記サンプリング・クロック信号に同期して、サンプリングすることが好ましい。
【0011】
前記複数のデータ受信用サンプラに含まれる個々のサンプラは、前記シリアルデータ信号を受信する第1入力端子と、閾値電圧が入力される第2入力端子と、を備え、前記シリアルデータ信号と前記閾値電圧との比較結果を、前記多相のサンプリング・クロック信号に含まれ、当該サンプラに対応するサンプリング・クロック信号に同期して、サンプリングすることが好ましい。
【0012】
受信信号品質モニタは、前記複数のデータ受信用サンプラから出力された複数の出力信号が入力される第2同期回路と、前記第2同期回路から出力された複数の出力信号が入力され、前記多相のサンプリング・クロック信号を生成するCDR(Clock and Data Recovery)回路とを備えることが好ましい。
【0013】
受信信号品質モニタにおいては、前記シリアルデータ信号は、kレベル(3≦k、kは整数)の多値を有するパルス振幅変調(PAM)信号であり、前記複数のデータ受信用サンプラのそれぞれは、k-1個のサンプラを備え、このk-1個のサンプラのそれぞれには、前記シリアルデータ信号と共に、互いにレベルの異なる閾値電圧が入力され、k-1個のサンプラのそれぞれから、k-1個の比較結果が出力されることが好ましい。
【0014】
受信信号品質モニタにおいては、前記複数のデータ受信用サンプラに含まれる1つのサンプラからは、前記k-1個の比較結果が出力され、前記第1同期回路には、前記k-1個の比較結果と前記参照用サンプラの出力信号とが入力され、前記比較論理回路は、k-1個の副・比較論理回路を備え、前記k-1個の副・比較論理回路のそれぞれには、前記第1同期回路から、同期して出力された出力信号が入力されることが好ましい。第1同期回路から同期して出力された少なくとも2つの出力信号が入力される。
【0015】
前記位相調整回路は、前記CDR回路から出力された前記多相のサンプリング・クロック信号が入力される選択回路と、前記選択回路の出力信号が入力される位相補間回路とを備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
受信信号品質モニタによれば、回路面積及び消費電力を低減しつつ、受信信号の品質を正確にモニタすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、送受信システム及び外部装置300を示すブロック図である。
図2図2は、受信装置RXのブロック図である。
図3図3は、参照用サンプラSMeのブロック図である。
図4図4は、位相調整回路11のブロックである。
図5図5は、位相補間回路11Bのブロック図である。
図6図6は、第1同期回路13Aの構造を示すブロック図である。
図7図7は、比較論理回路(XOR回路)の真理値表を示す図である。
図8図8は、エラーカウンタの出力を二次元上にプロットした図である。
図9図9は、セットアップ時間STとホールド時間HDを説明するためのタイミングチャートである。
図10図10は、一般的なCDR回路のブロック図である。
図11図11は、図10に示したCDR回路の動作を説明するためのタイミングチャートである。
図12図12は、CDR回路17のブロック図である。
図13図13は、図12に示したCDR回路におけるデータの位相差を説明するためのタイミングチャートである。
図14図14は、第2同期回路13Bの構造を示すブロック図である。
図15図15(A)はシリアルデータ信号DATA-Sのタイミングチャート、図15(B)は参照用のサンプリング・クロック信号φeを示すタイミングチャートである。
図16図16は、シリアルデータ信号、多相クロック信号φ1~φ10、クロック信号φeを示すタイミングチャートである。
図17図17は、シリアルデータ信号及び同期回路13A、13Bから出力される信号のタイミングダイアグラムである。
図18図18は、別の受信装置RXのブロック図である。
図19図19は、図18に示した位相調整回路11のブロック図である。
図20図20は、多値サンプラの構造を示すブロック図である。
図21図21は、多値サンプラへの入力電圧(V)の時間(Time)に対する変化を示すグラフである。
図22図22は、多値サンプラ及び後段の回路構造を示すブロック図である。
図23図23は、第1データ受信用サンプラSM1high及び参照用サンプラSMeへの入力電圧(V)の時間(Time)に対する変化を示すグラフである。
図24図24は、多値サンプラ及び後段の回路構造を示すブロック図である。
図25図25は、多値サンプラ及び後段の回路構造を示すブロック図である。
図26図26(A)、図26(B)は、例示的なシリアルデータ信号のタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。本発明は、これらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0019】
図1は、送受信システム及び外部装置300を示すブロック図である。
【0020】
送受信システムは、受信装置RX及び送信装置TXを備えている。受信装置RXには、信号品質検査用の外部装置300を接続することができる。
【0021】
送信装置TXは、入力パラレルデータ信号DATA-PIの入力端子と、シリアルデータ信号DATA-Sの出力端子とを備えている。送信装置TXから送信されたシリアルデータ信号DATA-Sは、通信ケーブルCBを介して伝送され、受信装置RXによって受信される。例えば、8ビットのパラレルデータ信号を送信する場合には、パラレルデータ信号をシリアル変換し、これに8b/10b方式の暗号化を施すことでシリアルデータの中にクロックを埋め込み、10ビットのシリアルデータ信号DATA-Sを送信する。
【0022】
受信装置RXは、受信したシリアルデータ信号DATA-Sをパラレル変換するデジリアライザと、出力パラレルデータ信号DATA-POの出力端子と、受信信号品質モニタ(アイモニタ)を備えている。受信装置RX内の受信信号品質モニタは、品質モニタ信号OUTPUTの出力端子と、外部入力閾値制御信号CNT-THの入力端子と、外部入力位相制御信号CNT-PHの入力端子とを備えている。品質モニタ信号OUTPUTは、アイ・ダイアグラムなどの受信信号状態を示す信号であり、信号の品質に関する情報を含んでいる。
【0023】
外部装置300は、コンピュータであり、メモリ301、中央処理装置(CPU)302、インターフェース303、バス304、表示器305、外部入力閾値制御信号CNT-THの出力端子、外部入力位相制御信号CNT-PHの出力端子を備えている。
【0024】
メモリ301に格納された制御信号生成プログラムにしたがって、中央処理装置302が演算処理を行い、外部入力位相制御信号CNT-PHと、外部入力閾値制御信号CNT-THとが生成される。外部入力位相制御信号CNT-PHは、描画の横軸に対応する時刻(tφe)における位相調整回路11(図2参照)のサンプリング・クロック信号φeの位相を制御する信号である。外部入力閾値制御信号CNT-THは、描画の縦軸に対応する時刻(tVe)における電圧発生器12(図2参照)の参照用閾値電圧Veを制御する信号である。これらの時刻(tφe,tVe)は、描画時の横軸及び縦軸の最大値に到達すると、周期的に0にリセットされる。また、これらの制御信号が直接的に、対象パラメータ(位相、電圧)を制御するのではなく、これらの制御信号をトリガーとして、受信装置RX内部において、対象パラメータを制御してもよい。
【0025】
外部装置300は、受信装置RXから出力された品質モニタ信号OUTPUTを受信し、メモリ301に格納されたアイ・ダイアグラムの描画プログラムにしたがって、中央処理装置302が演算処理を行い、アイ・ダイアグラムなどの受信信号状態を、表示器305上に表示することができる。アイ・ダイアグラムの描画プログラムは、時系列に出力される品質モニタ信号OUTPUTをメモリ301内に記憶してから、アイ・ダイアグラムの描画を行う。品質モニタ信号OUTPUTは、受信時のタイミングに応じて、アイ・ダイアグラムのX軸の座標の情報として、参照用のサンプリング・クロック信号φe(図2参照)の位相の時刻情報(tφe)を有しており、Y軸の座標情報として、掃引される参照用の参照用閾値電圧Ve(図2参照)の時刻情報(tVe)を有している。描画時の二次元座標(tφe,tVe)によって定義される位置に、エラーカウンタ(カウンタ)16(図2参照)においてカウントされたエラー数を記録し、二次元状のメモリ空間上に、アイ・ダイアグラムの情報を格納する。続いて、このプログラムは、得られたアイ・ダイアグラムの画像情報を表示器305に送信する。もちろん、品質モニタ信号に含まれるデータをコンピュータのメモリ301に格納し、このデータを、表計算ソフトウエア(スプレッドシート)に入力することで、アイ・ダイアグラムを得ることも可能である。
【0026】
なお、外部装置300は、通常のパーソナルコンピュータや、シングルボードコンピュータの他、これらのコンピュータと同じ信号処理を行う専用機器や携帯情報端末によっても、実現することができる。
【0027】
図2は、受信装置RXのブロック図である。
【0028】
受信装置RXは、シリアルデータ信号DATA-Sの入力端子を備えており、シリアルデータ信号DATA-Sは、アンプ101に入力される。本例のアンプ101は、単純なバッファアンプであるが、イコライザーやフィルタを含んでいてもよい。アンプ101から出力されたシリアルデータ信号DATA-Sは、受信信号品質モニタに入力され、受信信号品質モニタは、品質モニタ信号OUTPUTを出力端子から出力する。アンプ101から出力されたシリアルデータ信号DATA-Sは、複数のデータ受信用サンプラSM1~SMm(例:m=10)を備えたデシリアライザにも入力される。デジリアライザは、受信したシリアルデータ信号DATA-Sを、出力パラレルデータ信号DATA-POに変換し、複数の出力端子から出力する。受信信号のサンプリングタイミングは、CDR(Clock and Data Recovery)回路17によって調整され、サンプリング時の電圧や位相は、制御回路18によって、制御される。このように、受信装置RXは、受信信号品質モニタと、デジリアライザとを備えている。
【0029】
(受信信号品質モニタ)
受信信号品質モニタは、複数のデータ受信用サンプラSM1~SMmの出力信号を利用する。デジリアライザは、m個のサンプラを含み、その中のn番目のサンプラをサンプラSMnとする。1≦n≦mであり、m及びnは整数である。複数のデータ受信用サンプラSM1~SMmは、それぞれが、シリアルデータ信号DATA-Sを受信し、並列に接続され、それぞれのサンプリング・クロック信号φnの入力端子には、多相のサンプリング・クロック信号(φ1~φm)に含まれる各クロック信号が入力される。同図では、具体的な一例として、m=10として説明されるが、mは10より大きくても、10より小さくてもよい。
【0030】
受信信号品質モニタは、複数のデータ受信用サンプラSM1~SMmと、シリアルデータ信号DATA-Sを受信する参照用サンプラSMeと、位相調整回路11と、電圧発生器12と、第1同期回路13Aと、比較論理回路15と、エラーカウンタ16と、CDR回路17とを備えている。以下、詳説する。
【0031】
(参照用サンプラ)
図3は、参照用サンプラSMeのブロック図である。
【0032】
参照用サンプラSMeは、シリアルデータ信号DATA-Sを受信する。受信したシリアルデータ信号DATA-Sは、比較器COMPにより、参照用閾値電圧Veと比較され、この比較結果は、参照用サンプリングタイミング(サンプリング・クロック信号φeのライズエッジ)で、サンプリングされ、比較結果が出力される。一例として、サンプリングには、DフリップフロップFF1を用いる。DフリップフロップFF1においては、D端子に記憶させたい真理値を入力した状態で、クロック信号φeのライズエッジがC端子に入力されると、D端子の真理値をDフリップフロップが記憶し、記憶した真理値を、Q端子から出力する。Q端子の出力(比較結果)は、サンプリング・クロック信号φeの次のライズエッジが入力されるまで保持される。
【0033】
参照用サンプラSMeから出力された比較結果(第2出力信号(参照信号Se))は、シリアルデータ信号DATA-Sが参照用閾値電圧Veよりも大きい場合は「1」、小さい場合は「0」を示す。サンプリング・クロック信号φeは、位相調整回路11から出力され、参照用閾値電圧Veは電圧発生器12から出力される。
【0034】
このように、受信信号品質モニタにおいては、参照用サンプラSMeは、シリアルデータ信号DATA-Sを受信する第1入力端子SMe1と、参照用閾値電圧Veが入力される第2入力端子SMe2と、サンプリング・クロック信号φeの入力端子SMe3とを備え、シリアルデータ信号DATA-Sと、参照用閾値電圧Veとの比較結果(参照信号Se)を、サンプリング・クロック信号φeに同期して、サンプリングする。
【0035】
(複数のデータ受信用サンプラ)
なお、複数のデータ受信用サンプラSM1~SMmの個々の構造は、参照用サンプラSMeの構造と同一である。個々のサンプラSMn(n=1~m)の動作は、図3の説明において、参照用閾値電圧Veを閾値電圧Vn(n=1~m)に読み替え、サンプリング・クロック信号φeをサンプリング・クロック信号φn(n=1~m)に読み替え、参照信号Seを出力信号Sn(n=1~m)に読み替えて説明される。
【0036】
(位相調整回路)
図4は、位相調整回路11のブロックである。
【0037】
位相調整回路11は、1又は2以上の入力端子と、サンプリング・クロック信号φeの出力端子とを備えている。本例の位相調整回路11の入力端子の数は、2以上である。これらの入力端子には、多相クロック信号(φ1~φm)に含まれる2以上のサンプリング・クロック信号(φ1~φm)が入力される。位相調整回路11の出力端子からは、サンプリング・クロック信号φeが出力される。位相調整回路11の出力端子は、参照用サンプラSMe(図2図3参照)のサンプリング・クロック信号φeの入力端子に接続されている。位相調整回路11は、サンプリング・クロック信号φeの位相掃引をすることができる。本例では、位相調整回路11は、位相制御信号PH-SELを受信し、受信した位相制御信号PH-SELに応じて、サンプリング・クロック信号φeの位相を調整する。位相制御信号PH-SELは、制御回路18(図2参照)から出力される。制御回路18は、外部から入力された外部入力位相制御信号CNT-PHに基づいて、位相制御信号PH-SELを生成することができる。外部入力位相制御信号CNT-PHと、位相制御信号PH-SELとは、同一の信号であってもよく、この場合は、制御回路18(図2参照)を省略することも可能である。
【0038】
位相調整回路11の構造としては、複数の形態が考えられるが、同図に示される位相調整回路は、マルチプレクサ11A(選択回路)と、位相補間回路11B(Phase Interpolator)とを備えている。マルチプレクサ11Aは、多相クロック信号φ1~φmの中から、位相制御信号PH-SELにおけるクロック選択信号SEL0の指示に従って、2つのクロック信号φA、φBを選択する(A,Bの値は、クロック選択信号PH-SELによって指示される)。位相補間回路11Bは、入力された2つのクロック信号φA,φBの間に位置する位相を有するクロック信号φeを生成して、出力する。クロック信号φeのライズエッジEφeの時刻tEは、クロック信号φAのライズエッジEφAの時刻tAから所定時間ΔTだけ経過した時刻に設定される。クロック信号φBのライズエッジEφBの時刻を時刻tBとする。所定時間ΔTは、時間差(tB-tA)に、1以下の係数を乗じた値を有し、この係数は、位相制御信号PH-SELにおける補間位置選択信号SEL1によって与えられる。
【0039】
以上、説明したように、位相調整回路11は、CDR回路から出力された多相クロック信号φ1~φmが入力されるマルチプレクサ11Aと、マルチプレクサ11Aの出力信号が入力される位相補間回路11Bとを備えている。マルチプレクサは、入力信号から所望の信号を選択して出力する選択回路である。多相クロック信号は、複数の位相を有しており、位相補間回路11Bは、入力された2つの信号の位相と、位相制御信号に応じて、所望の位相を有する参照用のクロック信号φeを出力することができる。
【0040】
(位相補間回路)
図5は、位相補間回路11Bのブロック図である。
【0041】
位相補間回路11Bは、クロック信号φAが入力される第1インバータ11BAと、クロック信号φBが入力される第2インバータ11BBと、これらの出力端子に接続された第3インバータ11BCとを備えている。第1インバータ11BA及び第2インバータ11BBは、それぞれ、複数のゲート付きインバータを並列に接続してなり、インバータにはゲート(トランジスタのスイッチ)が直列に接続され、ONになるゲートの数を、補間位置選択信号SEL1によって、制御することができる。第1インバータ11BAにおいて、α個のゲートをONし、第2インバータ11BBにおいて(1-α)個のゲートをONすると、補間パラメータα(0<α<1)に応じて、出力信号φEのライズエッジの時刻tEを変更することができる。
【0042】
(電圧発生器)
図2に示した電圧発生器12は、複数のデータ受信用サンプラSM1~SMmに入力される複数の閾値電圧V1~Vm(例:m=10)と、参照用サンプラSMeに入力される参照用閾値電圧Veを発生する。本例では、電圧発生器12は、閾値選択信号或いは閾値制御信号TH-SELを受信し、受信した閾値制御信号TH-SELに応じて、参照用閾値電圧Veを変更する。アイ・ダイアグラムを得るため、参照用閾値電圧Veは掃引される。参照用閾値電圧Veは、電圧発生器12が、自身で掃引する構成も可能であるが、本例では、閾値制御信号TH-SELを用いる。本例の閾値制御信号TH-SELは、制御回路18から出力される。制御回路18は、外部から入力された外部入力閾値制御信号CNT-THに基づいて、閾値制御信号TH-SELを生成することができる。外部入力閾値制御信号CNT-THと、閾値制御信号TH-SELとは、同一の信号であってもよく、この場合は、制御回路18を省略することも可能である。閾値制御信号に応じて、閾値電圧を変更する構造は、無数に知られている。例えば、閾値電圧を与える節点の下流に複数の抵抗器を並列に接続し、各抵抗に直列に各スイッチを接続し、閾値制御信号で、これらのスイッチのON/OFFを制御すれば、閾値電圧を変化させることができる。
【0043】
複数のデータ受信用サンプラSM1~SMmに入力される複数の閾値電圧V1~Vmは、固定された値であってもよく、サンプラが受信するシリアルデータ信号DATA-Sの振幅中心電圧に設定することもできる。複数の閾値電圧V1~Vmは、必要に応じて、フィードバック制御等を用いて、値を変化させることも可能である。例えば、デシリアライザからの各出力信号のデジタル値を基準期間の間、積算して、積算値が、第1積算閾値を超えるようであれば、現在の閾値電圧が低いと判断して、対応するサンプラへの入力閾値電圧を上昇させ、第2積算閾値を下回るようであれば、現在の閾値電圧が高いと判断して、入力閾値電圧を低下させるような閾値制御信号を、電圧発生器12に入力することも可能である。
【0044】
このように、受信信号品質モニタにおいては、複数のデータ受信用サンプラSM1~SMmに含まれる個々のサンプラSMn(nは、1~mより選択される任意の数)は、シリアルデータ信号DATA-Sを受信する第1入力端子と、閾値電圧Vnが入力される第2入力端子と、サンプリング・クロック信号φnの入力端子と、を備え、シリアルデータ信号DATA-Sと、閾値電圧Vnとの比較結果Sn(S1~Sm)を、多相のサンプリング・クロック信号に含まれ、当該サンプラSMn(SM1~SMm)に対応するサンプリング・クロック信号φn(φ1~φm)に同期して、サンプリングして、出力する。
【0045】
(第1同期回路)
図6は、第1同期回路13Aの構造を示すブロック図である。
【0046】
第1同期回路13Aには、評価対象信号Sx(第1出力信号(例:S2))と参照信号Se(第2出力信号)が入力される。評価対象信号Sx(例:S2)は、複数のデータ受信用サンプラSM1~SMmに含まれる1つのサンプラの出力信号である。参照信号Seは、参照用サンプラSMeの出力信号である。第1同期回路13Aは、評価対象信号Sx及び参照信号Seを同期させる。第1同期回路13Aは、同期した評価対象信号SxOUTと、同期した参照信号SeOUTとを出力する。評価対象信号SxOUTのライズエッジと、参照信号SeOUTのライズエッジのタイミングは、一致する。
【0047】
一例としての第1同期回路13Aは、評価対象信号SxがD端子に入力されるフリップフロップ13A1と、フリップフロップ13A1の出力信号Sx’がD端子に入力されるフリップフロップ13A2とを備えている。第1同期回路13Aは、参照信号SeがD端子に入力されるフリップフロップ13A3と、フリップフロップ13A3から出力された参照信号Se’がD端子に入力されるフリップフロップ13A4とを備えている。各フリップフロップは、Dフリップフロップであり、クロック入力端子(C端子)には、同期用のサンプリング・クロック信号φK(例:φ7)が入力される。
【0048】
なお、第1同期回路13Aは、分周器13DIVを備えていてもよい。分周器13DIVは、必須ではないが、サンプリング・クロック信号の周波数を低下させることができる。分周器13DIVが、第1同期回路13Aへ入力されるサンプリング・クロック信号φK(例:φ7)を2分周すれば、サンプリング・クロック信号の周波数は、2分の1になり、周期は2倍になる。
【0049】
(比較論理回路)
図7は、比較論理回路(XOR回路)の真理値表を示す図である。
【0050】
比較論理回路15には、第1同期回路13Aから同期して出力された評価対象信号SxOUT及び参照信号SeOUTが入力される。比較論理回路15は、入力されたデジタル信号の論理を比較する回路であり、本例では、XOR回路(排他的論理和回路)である。XOR回路は、入力データの論理が一致すれば「0」、異なれば「1」を出力する。XOR回路は、4つのNAND回路で代替することも可能である。後段の信号処理形態によっては、別の論理構成を出力する構造も可能である。例えば、XOR回路の出力をNOT回路で反転させた回路等を採用することもできる。したがって、比較論理回路15は、入力データの論理を比較する論理回路であれば、XOR回路に限定されない。
【0051】
(エラーカウンタ)
図8は、エラーカウンタの出力を二次元上にプロットした図である。
【0052】
エラーカウンタ16(図2参照)は、比較論理回路15の出力結果(デジタルデータ)をカウントするカウンタである。エラーカウンタ16は、比較論理回路15への入力データ(評価対象信号Sx、参照信号Se)が一致しなかった場合、カウントアップを行う。一定期間(E-COUNTとする)の間、比較結果をカウントして積算し、カウント値を出力する。基準ライズエッジ(例:Eφ8)の位相を0°とする。参照信号Seは、基準ライズエッジから位相Pφe(度)だけ離れたライズエッジEφeでサンプリングされた信号である。カウント値は、座標(Pφe,Ve)(画素)における、評価対象信号Sxと参照信号Seの不一致度を示している。位相Pφeを横軸とし、参照用閾値電圧Veを縦軸とする二次元のグラフを描く場合、座標(Pφe,Ve)の位置における、エラーカウンタ16のカウント値が、アイ・ダイアグラムを描く。カウント値が低い画素は、アイ・ダイアグラムの開口内の領域を示しており、アイ・ダイアグラムの開口内では、カウント値が、実質的にゼロとなる。
【0053】
二次元上に描かれたアイ・ダイアグラム形成領域R(EYE)の位相範囲は、本例の位相Pφeの最大値(N×UI、360°)の少なくとも1/2以下の範囲であり、好適には、1/3以下の範囲であり、さらに好適には、1/4以下の範囲である。なお、Nは自然数であり、UIはシリアルデータ信号DATA-Sのユニット・インタバーバルを示す。すなわち、位相Pφeの最大値は、データ取得に必要なアイ・ダイアグラム形成領域R(EYE)の位相範囲よりも大きい。アイ・ダイアグラム形成領域R(EYE)の中心から、約(N×UI×1/2、180°)の位相分だけ離れた位置に、エラー許容領域R(VIO)の中心が設定されている。エラー許容領域R(VIO)の位相範囲は、位相Pφeの最大値の少なくとも1/2以下の範囲であり、好適には、1/3以下の範囲であり、さらに好適には、1/4以下の範囲である。エラー許容領域R(VIO)においては、第1同期回路13Aにおいて、参照信号Seとサンプリング・クロック信号φ7との間で、セットアップ時間違反及び/又はホールド時間違反が生じ得る。要するに、エラー許容領域R(VIO)では、エラーが生じる。本例では、エラー許容領域R(VIO)は、アイ・ダイアグラム形成領域R(EYE)から離れており、アイ・ダイアグラム形成領域R(EYE)は、エラーの影響を受けないという利点がある。
【0054】
なお、アイ・ダイアグラム形成領域R(EYE)及びエラー許容領域R(VIO)の横軸上の位置は、位相調整回路の動作温度や製造ばらつきなどに起因する意図しない固有遅延量に応じて、基準位置から横軸に沿ってずれる。また、位相Pφe=360°の位置と、位相Pφe=0°の位置は、同一位置であり、グラフの左端と右端とは連続的につながっている場合がある。固有遅延量が増加すると、アイ・ダイアグラムの一部分はグラフの左端の近傍に現れ、残りの部分はグラフの右端の近傍に現れる場合がある。本装置においては、位相調整回路の固有遅延量が変化しても、アイ・ダイアグラム形成領域R(EYE)は、エラー許容領域R(VIO)から離れており、エラーの影響を受けないという利点がある。
【0055】
図9は、セットアップ時間STとホールド時間HDを説明するためのタイミングチャートである。
【0056】
図2を参照すると、第1同期回路13Aには、同期信号としてのサンプリング・クロック信号φ7が入力され、同期させる入力信号として、評価対象信号Sxと、参照信号Seが設定されている。本例では、評価対象信号Sx(例:S2)が、サンプラSM2において、サンプリング・クロック信号φ2でサンプリングされているものとする。
【0057】
位相Pφeは、シリアルデータ信号DATA-SのUIの5個分の範囲R(Pφe)内で、変動する例が示されている。
【0058】
第1の場合(Case1)、サンプリング・クロック信号φeのライズエッジEφeは、データD1の位置と、データD6の位置に一致しており、参照信号Seにおいては、データD1の真理値に続いて、データD6の真理値が出力される。この場合、サンプリング・クロック信号φ7のライズエッジEφ7の近傍範囲(セットアップ時間ST、ホールド時間HD)内に、参照信号Seのデータ間境界位置は無いので、セットアップ時間違反(setup time violation)やホールド時間違反(hold time violation)は生じない。
【0059】
第2の場合(Case2)、サンプリング・クロック信号φeのライズエッジEφeは、データD3の位置と、データD8の位置に一致しており、参照信号Seにおいては、データD3の真理値に続いて、データD8の真理値が出力される。この場合、サンプリング・クロック信号φ7のライズエッジEφ7の近傍範囲(セットアップ時間ST)内に、参照信号Seのデータ間境界位置があるので、セットアップ時間違反が生じる。
【0060】
第3の場合(Case3)、サンプリング・クロック信号φeのライズエッジEφeは、データD4の位置と、データD9の位置に一致しており、参照信号Seにおいては、データD4の真理値に続いて、データD9の真理値が出力される。この場合、サンプリング・クロック信号φ7のライズエッジEφ7の近傍範囲(ホールド時間HD)内に、参照信号Seのデータ間境界位置があるので、ホールド時間違反が生じる。
【0061】
本例では、これらのエラーが生じる領域を、アイ・ダイアグラム形成領域から十分に分離させるため、評価対象信号Sx(例:S2)のサンプリング・クロック信号φ2のライズエッジEφ2から、サンプリング・クロック信号φ7のライズエッジEφ7までの時間を、R(Pφe)/2(2.5UI)に設定している。このような目的のため、例えば、2≦(R(Pφe)/2)≦8に設定することができる。
【0062】
(CDR回路)
図10は、一般的なCDR回路のブロック図である。
【0063】
このCDR回路は、位相差検出器72と、フィルタ73と、電圧制御発振器74とを備えている。位相差検出器72には、シリアルデータ信号Dataと、クロック信号Clockが入力される。CDR回路は、入力データのエッジ情報に基づいて、クロック信号を生成する。
【0064】
図11は、図10に示したCDR回路の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【0065】
位相差検出器72は、シリアルデータ信号Dataの切り替わりのエッジ位置と、クロック信号Clockのライズエッジの位置の間の位相差を検出し、シリアルデータ信号Dataの位置の方が進んでいる場合には、これらの位相差に対応した幅を有する正のパルス信号UPを出力し、遅れている場合に、これらの位相差に対応した幅を有する負のパルス信号DOWNを出力する。(ローパス)フィルタ73は、正のパルス信号UP及び負のパルス信号DOWNを積算・平滑化して、位相差に応じた電圧を出力する。電圧制御発振器74は、位相が基準より進んでいれば(正のパルス信号の幅の積算値が多く、入力された電圧が正の場合)、クロック信号Clockの繰り返し周波数を低下させ、位相が基準より遅れていれば(負のパルス信号の幅の積算値が多く、入力された電圧が負の場合)、クロック信号Clockの繰り返し周波数を増加させればよい。
【0066】
なお、図2に示したCDR回路17は、第2同期回路13Bの後段に配置しているので、パラレルデータ信号が入力され、図10に示した構造のCDR回路とは異なる。図10に示した構造のCDR回路を、図2に示した受信装置に適用する場合は、例えば、シリアルデータ信号DATA-Sと、個々のサンプリング・クロック信号φn(φ1~φm)を、それぞれCDR回路に入力し、これらの入力信号に基づいて、サンプリング・クロック信号φn(φ1~φm)を生成する構成を採用することができる。
【0067】
図12は、CDR回路17のブロック図である。
【0068】
CDR回路17は、第2同期回路13Bの後段に配置されており、位相差検出器172と、フィルタ173と、電圧制御発振器174と、多相クロック信号発生器175とを備えている。CDR回路17には、第2同期回路13Bから出力されたパラレルデータ信号(デジタル信号S1OUT~SmOUT)が入力される。
【0069】
各デジタル信号S1OUT~SmOUTは、「1」又は「0」の情報を有している。これらの「1」及び「0」の配列は、配列全体として、位相差情報を有している。すなわち、この位相差情報は、データ受信用サンプラSM1~SMmにおける、シリアルデータ信号DATA-Sの位相と、サンプリング・クロック信号の位相との間の位相差情報である。この位相差情報は、各サンプリング・クロック信号の位相φ1~φmが、シリアルデータ信号DATA-Sの位相よりも進んでいる状態(FAST)であるか、遅れている状態(SLOW)であるかの情報である。
【0070】
図13は、図12に示したCDR回路におけるデータの位相差を説明するためのタイミングチャートである。
【0071】
図12に示したデジタル信号S1OUT~SmOUTのうち、奇数番目の信号(S1OUT,S3OUT,S5OUT,S7OUT,S9OUT)は、図2の奇数番目のサンプラ(SM1,SM3,SM5,SM7,SM9)において、シリアルデータ信号DATA-Sのエッジの位置で、サンプリングしたデータを有している。なお、偶数番目の信号(S2OUT,S4OUT,S6OUT,S8OUT,S10OUT)は、シリアルデータ信号DATA-Sにおけるパルス幅の中央位置で、サンプリングしている。
【0072】
この場合において、サンプリング・クロック信号φ2,φ3、φ4でサンプリングしたデジタル信号S2OUT,S3OUT,S4OUTのデータの配列が、例えば「0,0,1」又は「1,1,0」であった場合、サンプリング・クロック信号φ3のライズエッジは、シリアルデータ信号DATA-Sのエッジよりに、進んでいる状態(FAST)である。
【0073】
逆に、サンプリング・クロック信号φ4,φ5、φ6でサンプリングしたデジタル信号S4OUT,S5OUT,S6OUTのデータの配列が、「0,1,1」又は「1,0,0」であった場合は、サンプリング・クロック信号φ5のライズエッジは、シリアルデータ信号DATA-Sのエッジよりに、遅れている状態(SLOW)である。
【0074】
これらの以外のデータ配列の場合、例えば「1,0,1」や「1,1,1」などの場合は、例外として無視する。
【0075】
図12を再び参照すると、位相差検出器172は、入力されたデジタル信号S1OUT~SmOUTのデータ配列、例えば、10桁のデジタルデータに基づいて、奇数番目のサンプリング・クロック信号(φ1,φ3,φ5,φ7,φ9)のライズエッジの位置が、シリアルデータ信号のデータ境界位置に対して、進んでいる状態であるか、又は、遅れている状態であるかを検出する。位相差検出器172が、進んでいる場合(FAST)のデータ配列と、遅れている場合(SLOW)のデータ配列の判定テーブルを記憶しておき、前者に一致した場合に「1」を、後者に一致した場合に「0」を出力すれば、入力データに基づいて、FAST/SLOWの状態判定を行うことができる。なお、3個のデータの一致を判定する論理回路は、例えば、3つのAND回路の並列に配置し、これらの3つの出力を、3入力のAND回路に入力すれば、構成することができる。
【0076】
位相差検出器172から、位相差情報信号(例えば、FASTが4個、SLOWが1個の場合で、配列「1、1,1,1,0」)が出力された場合、(ローパス)フィルタ173は、例えば、これらのパルス信号を、積算・平滑化した直流電圧を出力する。この場合、全体としては、サンプリング・クロック信号の位相が、進んでいると判定できるので、電圧制御発振器174は、クロック信号の繰り返し周波数を低下させる。この動作は、図10に示した一般的なCDR回路の動作と同一であり、全体として、遅れていると判定される場合は、逆の動作を行う。なお、CDR回路におけるクロック信号の繰り返し周波数の制御方式としては、他の方式も知られており、このような方式も、用いることができる。
【0077】
以上のように、CDR回路17では、FASTの数が多ければ、電圧制御発振器のクロック周波数を低下させ、SLOWの数が多ければ、電圧制御発振器のクロック周波数を高くする。この処理を繰り返すことで、サンプリング・クロック信号φ1~φmのうち、奇数番目のライズエッジは、シリアルデータ信号DATA-Sのエッジに揃うようになり、シリアルデータ信号に整合したサンプリング・クロック信号が得られることになる。
【0078】
なお、電圧制御発振器174から出力されたクロック信号は、多相クロック信号発生器175に入力される。多相クロック信号発生器175は、入力された1つのクロック信号から、位相の異なる複数のサンプリング・クロック信号φ1~φmを生成する。多相クロック信号発生器175は、例えば、1又は複数の分周器を用いて構成することができる。1つの分周器の後段に複数の遅延回路を直列接続して、各遅延回路の出力端子から各サンプリング・クロック信号を出力させることも可能である。複数の分周器を並列接続し、各分周器のリセットタイミングを異ならせる構成なども考えられる。従来から、数多くの方式の多相クロック信号発生器が知られているので、公知の回路を採用することができる。
【0079】
以上、説明したように、受信信号品質モニタは、複数のデータ受信用サンプラSM1~SMmから出力された複数の出力信号S1~Smが入力される第2同期回路13Bと、第2同期回路13Bから出力された複数の出力信号S1OUT~SmOUTが入力され、多相クロック信号(φ1~φm)を生成するCDR回路17とを備えている。なお、CDR回路17には、出力信号S1OUT~SmOUTの全部ではなく、これらから選択された一部の出力信号を入力してもよい。
【0080】
(制御回路)
制御回路18は、位相調整回路11に入力される位相制御信号PH-SELと、電圧発生器12に入力される閾値制御信号TH-SELを生成して、出力する。制御回路18は、エラーカウンタ16に入力されるリセット制御信号CNT-RESETと、ストップ制御信号CNT-STOPを出力する。上述のように、エラーカウンタ16においては、2次元上にアイ・ダイアグラムを描画する場合において、アイ・ダイアグラムの各画素に対応するエラー数を、一定期間(E-COUNT)の間、カウントする。この一定期間(E-COUNT)は、リセット制御信号CNT-RESETの入力タイミングから、ストップ制御信号CNT-STOPの入力タイミングまでの期間で与えられ、前者の入力はエラーカウンタ16をリセットし、後者の入力はカウントを終了して、カウント値を出力させる。
【0081】
(デジリアライザ)
デジリアライザは、複数のデータ受信用サンプラSM1~SMmと、第2同期回路13Bとを含んでいる。
【0082】
各サンプラSMn(SM1~SMm)の構造は、図3に示した参照用サンプラSMeの構造と同一である。なお、複数のデータ受信用サンプラSM1~SMmは、受信信号品質モニタの一部でもある。複数のデータ受信用サンプラSM1~SMmが受信したシリアルデータ信号DATA-Sは、多相のサンプリング・クロック信号φ1~φmにそれぞれ同期して、サンプリングされる。複数のデータ受信用サンプラは、シリアルデータ信号を受信し、並列に接続され、多相のサンプリング・クロック信号φ1~φmがそれぞれ入力される。
【0083】
(第2同期回路)
図14は、第2同期回路13Bの構造を示すブロック図である。
【0084】
第2同期回路13Bには、複数のデータ受信用サンプラSM1~SMmから出力された出力信号S1~Sm(例:m=10)が入力される。第2同期回路13Bは、受信した出力信号S1~Smのタイミングを同期させ、パラレルデータ出力信号DATA-PO(S1OUT~SmOUT)として、出力する。各出力信号Sn(S1~Sm)は、2つのフリップフロップを直列に接続したフリップフロップグループに入力される。各フリップフロップは、Dフリップフロップである。
【0085】
n番目のフリップフロップグループの前段のフリップフロップのD端子には、第1出力信号Sn(1≦n≦m)が入力される。n=1,2,3,4,10の場合のフリップフロップグループの前段のフリップフロップのクロック入力端子(C端子)には、同期用のサンプリング・クロック信号φK(例:φ7)が入力される。n=5,6,7,8,9の場合のフリップフロップグループの前段のフリップフロップのクロック入力端子(C端子)には、同期用のサンプリング・クロック信号はφL(例:φ2)が入力される。
【0086】
n番目のフリップフロップグループの後段のフリップフロップのD端子には、前段のフリップフロップでサンプリングされた第1出力信号Sn’(1≦n≦m)が入力される。n番目のフリップフロップグループの後段のフリップフロップのクロック入力端子(C端子)には、同期用のサンプリング・クロック信号φK(例:φ7)が入力される。
【0087】
すなわち、第2同期回路13Bは、サンプリング・クロック信号φK(例:φ7)を用いて、最終的な同期を行う。nが偶数の場合(2,4,6,8,10)のデータは、シリアルデータ信号DATA-Sのパルス幅の中央値でサンプリングを行ったデータである。出力されるデータは、n=10,2,4,6,9の順番に並べることもできる。
【0088】
次に、データのサンプリングについて、補足的に説明する。
【0089】
図15(A)はシリアルデータ信号DATA-Sのタイミングチャート、図15(B)は参照用のサンプリング・クロック信号φeを示すタイミングチャートである。
【0090】
参照用サンプラSMeには、シリアルデータ信号DATA-Sと、掃引可能な参照用閾値電圧Veが入力される。シリアルデータ信号DATA-Sは、例えば、「1,0,1,0,0,1」であるとする。サンプリング・クロック信号φeのライズエッジEφeの位置は、位相調整回路11(図2参照)によって、時間軸方向に移動させ、掃引することができる。同図には、デシリアライザで用いられるサンプラSMn(例:SM2)への閾値電圧V2と、そのサンプリング・クロック信号φn(例:φ2)のライズエッジEφn(例:Eφ2)も示されている。サンプラSM2は、ライズエッジEφ2において、シリアルデータ信号をサンプリングし、「1」を出力する。シリアルデータ信号DATA-Sの1つのデータの幅は、UI(ユニット・インタバーバル)である。
【0091】
例えば、掃引可能なライズエッジEφeの基準位置(0°)を、最初の第8のライズエッジEφ8の位置とする。ライズエッジEφeの位相Pφeは、次の第8のライズエッジEφ8の位置まで掃引可能であり、UIに換算すると、位相Pφeは0~N×UI(例:N=5)まで変化可能であり、位相変化範囲R(Pφe)=N×UIである。位相の角度で表現すると、位相Pφeは、0°~360°まで変化可能であり(0°≦Pφe≦360°)、位相変化範囲R(Pφe)=360°である。サンプリング・クロック信号φeの周期Tφeは、Tφe=N×UIに設定することができるが、必要なのは、ライズエッジEφeの位置なので、これとは異なる周期であってもよい。また、同様の理由から、サンプリング・クロック信号φeのデューティ比は、必ずしも、50%でなくてもよい。
【0092】
サンプリング・クロック信号φeの周期(Tφe=N×UI)に関して、サンプリング周波数を低下させるためには、2≦Nが好ましい。また、上述のように、アイ・ダイアグラムに対する、セットアップ時間違反やホールド時間違反の影響を抑制するためには、3≦Nであることが好ましく、4≦Nであることが更に好ましい。また、サンプリング・クロック信号のデューティ比が50%であり、Nが奇数であれば、信号の反転によりライズエッジの位相が2倍に増加するため、パラレルデータ信号をX=2×Nビット(例:10ビット)に設定するのが好ましい。したがって、N=5、7が好ましいが、N=2、3、4、6のような場合でも、同様の効果を期待することができる。
【0093】
なお、サンプリング・クロック信号φe(或いはサンプリング・クロック信号φ1~φ10)のクロック周波数fが、データ1単位の時間Tの逆数(f=1/T)で与えられる場合、フルレート伝送とよばれる。クロック周波数fが1/4Tの場合、クォーターレート伝送と呼ばれる。クロックの周波数fが1/(N×T)の場合、(1/N)レート伝送と呼ぶことができる。例えば、上記では、m相クロック(m=10)を用いて1/Nレート(例:N=5)の伝送が行われる(m、Nは整数であり、2≦m、2≦N、N≦m)。なお、クロック信号の伝送に必要なクロック信号線の本数は、必要なクロック信号の位相の数によって決まるが、多くの場合、N本もしくは2×N本である。
【0094】
また、上述のように、参照用閾値電圧Veは、電圧発生器12によって、変化させられ、掃引される。このように、受信信号品質モニタは、可変の参照用閾値電圧Veを発生する電圧発生器12を備えており、参照用閾値電圧Veは、アイ・ダイアグラムを描く場合の縦軸の座標を与えている。参照用閾値電圧Veを変化させることにより、二次元のアイ・ダイアグラムを描く場合の座標(Pφe,Ve)を、縦軸方向に沿って変化させることができる。位相調整回路11によって、位相Pφeの値を変化させることにより、二次元のアイ・ダイアグラムを描く場合の座標(Pφe,Ve)を横軸方向に沿って変化させることができる。
【0095】
また、任意のサンプラの閾値電圧Vn(例:V2)も、電圧発生器12によって、変化させることができる。このように、受信信号品質モニタは、可変の閾値電圧Vn(V1~Vm)を発生する電圧発生器12を備えている。また、複数のデータ受信用サンプラへ入力される閾値電圧Vn(V1~Vm)は、それぞれのサンプラSMn(SM1~SMm)に入力されるシリアルデータ信号の振幅中心になるように、フィードバック制御をすることができる。例えば、シリアルデータ信号DATA-Sが、8b10b方式でエンコードされた信号の場合は、各サンプラから出力される「1」及び「0」の数を所定期間の間、カウントし、「1」の数が、「0」の数よりも多ければ、閾値電圧Vnが、シリアルデータ信号DATA-Sの振幅中心電圧よりも低いと判断して、参照用閾値電圧Veを増加させ、少なければ、参照用閾値電圧Veを減少さればよい。
【0096】
複数のデータ受信用サンプラへ入力される閾値電圧Vnは、入力信号レベルが、明確に区別できるように設定するのが好ましい。例えば、データ「1」のレベルが1Vであり、「0」のレベルが-1Vである場合、閾値電圧は0Vに設定される。また、例えば、データ「1」のレベルが2Vであり、「0」のレベルが0Vである場合、閾値電圧は1Vに設定される。
【0097】
図16は、シリアルデータ信号、多相クロック信号φ1~φ10、クロック信号φeを示すタイミングチャートである。
【0098】
第1同期回路13A(図2参照)には、2つの信号が入力される。1つの信号は、シリアルデータ信号DATA-Sを、サンプリング・クロック信号φ2のライズエッジEφ2でサンプリングした信号である。もう1つの信号は、シリアルデータ信号DATA-Sを、サンプリング・クロック信号φeのライズエッジEφeでサンプリングした信号である。第2同期回路13B(図2参照)には、サンプリング・クロック信号φn(例:φ1~φ10)でサンプリングした信号が入力される。これらの同期回路は、同期用のサンプリング・クロック信号φ7のタイミングで、サンプリングしたデータを出力する。
【0099】
ライズエッジEφeの位相Pφeは、位相変化範囲R(Pφe)の中で移動する。第1同期回路13Aに入力される一方の信号が、ライズエッジEφn(例:Eφ2)でサンプリングして得られる場合、Eφ2~Eφ7までの位相間隔を、R(Pφe)/2(=2.5UI)に設定することが好ましい。換言すれば、シリアルデータ信号から変換されるパラレルデータ信号が、Xビットである場合、第1ライズエッジEφnから、第2ライズエッジEφ(n+X/2)までの位相間隔(時間)を、(X/4)×UIに設定する。上述のように、位相変化範囲R(Pφe)は、好ましくは、5×UI(=(X/2)×UI)に、設定する。
【0100】
図17は、シリアルデータ信号及び同期回路13A、13Bから出力される信号のタイミングダイアグラムである。
【0101】
nが偶数番目のサンプラSMn(nは偶数)でサンプリングされたデジタル信号S2,S4,S6,S8のデータは、第2同期回路13B(図14参照)における前段のフリップフロップで、デジタル信号S2’,S4’,S6’,S8’のデータに変換され、その後、後段のフリップフロップで、デジタル信号S2OUT,S4OUT,S6OUT,S8OUTのデータに変換され、データ間のエッジの位相が揃った状態で、第2同期回路13Bから出力される。
【0102】
図18は、別の受信装置RXのブロック図である。
【0103】
図18の受信装置RXは、位相調整回路11及び入力部110の構成のみが、図2の受信装置RXと異なり、他の構成は、同一である。本例の入力部110は、1つのサンプリング・クロック信号φ1のみを、位相調整回路11に入力する接続構造を有している。位相調整回路11に入力するサンプリング・クロック信号としては、φ1とは別のサンプリング・クロック信号であってもよい。
【0104】
図19は、図18に示した位相調整回路11のブロック図である。
【0105】
位相調整回路11には、単一のサンプリング・クロック信号φ1が入力される。複数のインバータ回路(NOT回路11a、11b、11c、11d・・・11s、11t)が直列に接続されており、インバータ回路の2個毎の出力端子が、マルチプレクサ11C(選択回路)に入力されている。一対のインバータ回路は、遅延回路を構成しており、入力されたサンプリング・クロック信号φ1に、遅延を与えて、出力する。マルチプレクサ11Cには、ライズエッジの時間が異なる複数のサンプリング・クロック信号が、入力される。位相制御信号PH-SEL(位相又はクロック選択信号SEL0)は、マルチプレクサ11Cに入力されたm個のサンプリング・クロック信号から、1つサンプリング・クロック信号を選択し、特定の位相を有するサンプリング・クロック信号φeを出力する。位相制御信号PH-SEL(位相又はクロック選択信号SEL0)が選択する信号を切り替えることにより、サンプリング・クロック信号φeの位相を調整し、掃引することができる。
【0106】
なお、上述のシリアルデータ信号の伝送方式は、例えば、NRZ(Non Returnto Zero)信号であり、シリアルデータ信号は、2つの電圧レベルを有している。したがって、各サンプラに入力される閾値電圧は1つであり、2つのレベルの判定を行うことができる。PAM4(Pulse Amplitude Modulation 4)は、4つの電圧レベルを用いる信号伝送方式である。PAMk(3≦k)の信号伝送方式を用い、電圧レベルが3以上の場合、これらのレベルを判別できる多値サンプラを用いる。上記では、複数のデータ受信用サンプラSM1~SMmが示されたが、これらは同一構造を有するので、以下では、これらのサンプラの代表として、1つのデータ受信用サンプラSM1を多値サンプラに変更した構造について、説明する。
【0107】
図20は、多値サンプラの構造を示すブロック図である。
【0108】
4つの電圧レベルを有するシリアルデータ信号(PAM4)を受信する場合、これらを判別するためには、3つの閾値電圧が必要であり、これにより3つのアイ開口を有するアイ・ダイアグラムが得られる。一般化すると、k個のレベルを有するシリアルデータ信号を受信する場合、これらを判別するためには、k-1個の閾値電圧が必要であり、これによりk-1個のアイ開口を有するアイ・ダイアグラムが得られる。同図では、PAM4のシリアルデータ信号を受信する場合を示しており、データ受信用サンプラSM1は、第1データ受信用サンプラSM1high、第2データ受信用サンプラSM1mid、第3データ受信用サンプラSM1lowを有しており、個々のサンプラの構造は、図3に示したものと同一である。それぞれのサンプラには、高レベル閾値電圧V1high(第1閾値電圧)、中レベル閾値電圧V1mid(第2閾値電圧)、低レベル閾値電圧V1low(第3閾値電圧)が入力される。それぞれのサンプラには、第1サンプリング・クロック信号φ1が入力され、第1出力信号S1high,第2出力信号S1mid,第3出力信号S1lowが出力される。
【0109】
図21は、多値サンプラへの入力電圧(V)の時間(Time)に対する変化を示すグラフである。
【0110】
シリアルデータ信号に含まれるデータが、第1データDATA1の場合、これが第1データ受信用サンプラSM1high、第2データ受信用サンプラSM1mid、第3データ受信用サンプラSM1lowに入力された場合には、サンプリング・クロック信号φ1のサンプリングタイミングでは、入力電圧は、全ての閾値電圧より高いので、第1,第2、第3サンプラの出力(S1high,S1mid,S1low)=(1,1,1)となる。データ変換テーブルを用いると、(1,1,1)は、「11」に変換することができる。
【0111】
同様に、シリアルデータ信号に含まれるデータが、第2データDATA2の場合、これが第1データ受信用サンプラSM1high、第2データ受信用サンプラSM1mid、第3データ受信用サンプラSM1lowに入力された場合には、サンプリング・クロック信号φ1のサンプリングタイミングでは、第1,第2、第3サンプラの出力(S1high,S1mid,S1low)=(0,1,1)となる。データ変換テーブルを用いると、(0,1,1)は、「10」に変換することができる。
【0112】
同様に、シリアルデータ信号に含まれるデータが、第3データDATA3の場合、これが第1データ受信用サンプラSM1high、第2データ受信用サンプラSM1mid、第3データ受信用サンプラSM1lowに入力された場合には、サンプリング・クロック信号φ1のサンプリングタイミングでは、第1,第2、第3サンプラの出力(S1high,S1mid,S1low)=(0,0,1)となる。データ変換テーブルを用いると、(0,0,1)は、「01」に変換することができる。
【0113】
同様に、シリアルデータ信号に含まれるデータが、第4データDATA4の場合、これが第1データ受信用サンプラSM1high、第2データ受信用サンプラSM1mid、第3データ受信用サンプラSM1lowに入力された場合には、サンプリング・クロック信号φ1のサンプリングタイミングでは、第1,第2、第3サンプラの出力(S1high,S1mid,S1low)=(0,0,0)となる。データ変換テーブルを用いると、(0,0,0)は、「00」に変換することができる。
【0114】
以上のように、多値サンプラを用いると、PAM4の信号レベルを分離して判別し、デシリアライズすることができる。複数の多値サンプラの後段には、上記と同様に、同期回路を設けることができる。なお、アイ・ダイアグラムを得るには、全てサンプラの出力信号を用いる必要はない。
【0115】
図22は、多値サンプラ及び後段の回路構造を示すブロック図である。
【0116】
データ受信用サンプラSM1の構造は、図20に示した通りである。第1データ受信用サンプラSM1highの出力信号S1highと、参照用サンプラSMeの参照信号Seとは、第1同期回路13Aに入力される。参照用サンプラSMeの構造は、図3に示したものと同一であり、後段の回路及び残りの回路は、上述の回路と同一でよい。すなわち、受信装置は、比較論理回路15及びエラーカウンタ16を備えている。参照用サンプラSMeには、シリアルデータ信号と、参照用閾値電圧Veが入力され、サンプリング・クロック信号φeでサンプリングが行われる。この参照用閾値電圧Veは、変動させるものであり、1つでよい。本例では、上記と同様に、アイ・ダイアグラムを得ることができる。
【0117】
信号伝送方式がPAM4の場合においては、3つレベルの閾値を用いたサンプラ出力を全て用いた方が、精密な信号品質測定ができるが、1つのレベルの閾値判定出力のみを用いた場合においても、信号品質を評価することはできる。この場合、回路構成が簡単になるという利点がある。同図では、1つのレベルの閾値として、高レベル閾値電圧V1highを用いた例を図示しているが、中レベル閾値電圧V1mid、又は低レベル閾値電圧V1lowを用いた例も可能である。
【0118】
図23は、第1データ受信用サンプラSM1high及び参照用サンプラSMeへの入力電圧(V)の時間(Time)に対する変化を示すグラフである。
【0119】
シリアルデータ信号に含まれるデータが、第1データDATA1の場合、これが第1データ受信用サンプラSM1highに入力された場合には、サンプリング・クロック信号φ1のタイミングでは、第1データ受信用サンプラSM1highの出力信号S1highは「1」となる。第1データDATA1が、参照用サンプラSMeに入力された場合には、サンプリング・クロック信号φeのサンプリングタイミングでは、参照用サンプラSMeから出力される参照信号Seは「1」となる。
【0120】
同様に、シリアルデータ信号に含まれるデータが、第2データDATA2の場合、これが第1データ受信用サンプラSM1highに入力された場合には、サンプリング・クロック信号φ1のタイミングでは、第1データ受信用サンプラSM1highの出力信号S1highは「0」となる。第2データDATA2が、参照用サンプラSMeに入力された場合には、サンプリング・クロック信号φeのサンプリングタイミングでは、参照用サンプラSMeの出力信号Seは「1」となる。
【0121】
同様に、シリアルデータ信号に含まれるデータが、第3データDATA3又は第4データDATA4の場合、これが第1データ受信用サンプラSM1highに入力された場合には、サンプリング・クロック信号φ1のタイミングでは、第1データ受信用サンプラSM1highの出力信号S1highは「0」となる。第3データDATA3又は第4データDATA4が、参照用サンプラSMeに入力された場合には、サンプリング・クロック信号φeのサンプリングタイミングでは、参照用サンプラSMeの出力信号Seは「0」となる。
【0122】
図24は、多値サンプラ及び後段の回路構造を示すブロック図である。
【0123】
図24に示した回路は、図22に示した回路と比較して、第1同期回路13Aの入力側にマルチプレクサ131(選択回路)が配置されている点が異なり、他の構成は同一である。マルチプレクサ131には、第1データ受信用サンプラSM1highからの複数の出力信号が入力される。これらの出力信号は、高レベル閾値判定された第1出力信号S1high、中レベル閾値判定された第2出力信号S1mid、低レベル閾値判定された第3出力信号S1lowである。これらの出力信号(S1high,S1mid,S1low)は、マルチプレクサ131に入力され、1つが選択されて、出力される。マルチプレクサ131により選択された出力信号は、第1同期回路13Aに入力される。マルチプレクサ131が、選択する信号を切り替えることにより、3つの閾値レベルで判定された3つのアイ・ダイアグラムを得ることができる。なお、マルチプレクサ131には、出力信号(S1high,S1mid,S1low)の切り替えを指示する選択信号を、制御回路又は外部装置から、入力することができる。本例の回路においては、第1同期回路13Aへのサンプラからの入力信号を、切り替えているので、回路の大きさを比較的小さくすることができる。残りの回路構造は、図22に示したものと同一である。
【0124】
図25は、多値サンプラ及び後段の回路構造を示すブロック図である。
【0125】
図25に示した回路は、図24に示したマルチプレクサを省略し、マルチプレクサによる切り替えを行わずに、第1サンプラの全ての出力信号(S1high,S1mid,S1low)を並列に処理する回路構成を備えている。第1サンプラからの全ての出力信号(第1出力信号S1high、第2出力信号S1mid、第3出力信号S1low)は、第1同期回路13Aに入力される。
【0126】
第1同期回路13Aには、第1出力信号S1high、第2出力信号S1mid、第3出力信号S1low、及び、参照用サンプラSMeから出力された参照信号Seが入力される。第1同期回路13Aは、入力されたこれらの信号を同期させて出力する。上述の比較論理回路15は、複数の副・比較論理回路からなる。
【0127】
第1比較論理回路15highの一方の入力端子には、第1出力信号S1highが入力される。第2比較論理回路15midの一方の入力端子には、第2出力信号S1midが入力される。第3比較論理回路15lowの一方の入力端子には、第3出力信号S1lowが入力される。各比較論理回路の他方の入力端子には、参照信号Seが入力される。各比較論理回路は、図2に示した比較論理回路15と同様に、これは好適にはXOR回路であり、入力データの論理が一致すれば「0」、異なれば「1」を出力する。
【0128】
第1比較論理回路15highの出力端子は、第1エラーカウンタ16highの入力端子に接続されている。第2比較論理回路15midの出力端子は、第2エラーカウンタ16midの入力端子に接続されている。第3比較論理回路15lowの出力端子は、第3エラーカウンタ16lowの入力端子に接続されている。各エラーカウンタにおける処理は、図2に示したエラーカウンタと同様である。この回路によれば、3つのサンプラ出力に対して、並列処理を行うため、短時間で多値のアイ・ダイアグラムを得ることができる。
【0129】
以上、説明したように、図20図25の受信信号品質モニタにおいては、シリアルデータ信号は、kレベル(3≦k、kは整数)の多値を有するパルス振幅変調(PAM)信号であり、複数のデータ受信用サンプラのそれぞれは、k-1個のサンプラを備える。このk-1個のサンプラのそれぞれには、シリアルデータ信号と共に、互いにレベルの異なる閾値電圧(V1high、V1mid、V1low)が入力される。k-1個のサンプラのそれぞれから、k-1個の比較結果(S1high、S1mid、S1low)が出力される。かかる構成により、多値のシリアルデータ信号の処理も可能となる。
【0130】
また、図25の受信信号品質モニタにおいては、複数のデータ受信用サンプラに含まれる1つのサンプラからは、第1出力信号として、k-1個の比較結果(S1high、S1mid、S1low)が出力され、第1同期回路13Aには、k-1個の比較結果と、参照用サンプラの第2出力信号(参照信号Se)とが入力される。比較論理回路15は、k-1個の副・比較論理回路(15high、15mid、15low)を備え、k-1個の副・比較論理回路のそれぞれには、第1同期回路13Aから、同期して出力されたk-1個の比較結果(S1high、S1mid、S1low)と、第2出力信号(参照信号Se)とが入力される。
【0131】
図26(A)、図26(B)は、例示的なシリアルデータ信号のタイミングチャートである。
【0132】
図26(A)のシリアルデータ信号は、周期的な信号である。図26(B)のシリアルデータ信号は、ランダムパターン又は疑似ランダムパターンを有する信号である。1/5レート伝送の場合、アイ・ダイアグラム用のデータサンプリングを行う場合、5データ毎にデータサンプリングが行われ、アイ・ダイアグラムの中央に重ねて表示される。すなわち、いずれの信号の場合においても、D1のデータのサンプリングが行われた後、D6のデータがサンプリングされる。
【0133】
周期性を有するシリアルデータ信号(図26(A))から得られるアイ・ダイアグラムの開口の寸法は、ランダムパターンを有するシリアルデータ信号(図26(B))から得られるアイ・ダイアグラムの開口の寸法よりも、一般に、大きくなる。伝送線路特性は、あらゆる入力を想定して行う方が好ましいので、受信信号の品質を正確に評価する場合には、受信するシリアルデータ信号は、ランダムパターン又は疑似ランダムパターンの方が好ましい。
【0134】
以上、説明したように、上述の受信信号品質モニタは、それぞれがシリアルデータ信号DATA-Sを受信し、並列に接続され、それぞれのサンプリング・クロック信号φn(1≦n≦m、m及びnは整数)の入力端子には、多相クロック信号に含まれる各クロック信号が入力される複数のデータ受信用サンプラSM1~SMmと、シリアルデータ信号を受信する参照用サンプラSMeと、多相クロック信号に含まれる1又は2以上のクロック信号が入力される1又は2以上の入力端子と、参照用サンプラのサンプリング・クロック信号φeの入力端子に接続された出力端子とを備え、シリアルデータ信号のユニットインターバル(UI)のN倍(2≦N)の位相範囲(N×UI)内において、出力されるサンプリング・クロック信号φeの位相掃引が可能な位相調整回路11と、複数のデータ受信用サンプラに含まれる1つのサンプラの第1出力信号、及び、参照用サンプラSMeの第2出力信号が入力され、第1及び第2出力信号を同期させて出力する第1同期回路13Aと、第1同期回路13Aから同期して出力された第1及び第2出力信号が入力される比較論理回路15とを備えている。比較論理回路15には、第1同期回路13Aから同期して出力された第1及び第2出力信号が入力され、比較論理回路15は、受信信号の品質に関連する比較結果を出力する。
【0135】
上述の受信装置においては、サンプリング・クロック信号φnの周波数は、好適には、シリアルデータ信号DATA-Sの周波数の1/N(2≦N)である。受信信号品質モニタは、シリアルデータ信号のユニットインターバル(UI)のN倍(2≦N)の位相範囲(N×UI)内において(数倍の位相範囲内)、出力されるサンプリング・クロック信号φeの位相掃引が可能な位相調整回路11を備えている。UIの数倍の位相範囲内において、サンプリング・クロック信号φeの位相掃引が可能である。好適には、受信するサンプリング・クロック信号φnの周波数が、入力されるシリアルデータ信号の1データの時間幅の逆数で与えられる周波数のN分の1(例:N=5)である場合は、掃引可能な位相範囲はN×UI(例:N=5(位相掃引範囲360°))である。この位相範囲は、例えば、(N/2)×UI以上(例:2.5UI)の場合でも、セットアップ違反やホールド違反の影響を低減する効果がある。また、位相調整回路11により調整される位相範囲(位相変化範囲R(Pφe))は、参照用サンプラへ入力するサンプリング・クロック信号φeの1周期(図15の例ではN×UI)以上とすることが好適であり、位相範囲が拡張することで、アイ開口の位置が移動しても、これを取得しやすくなる。
【0136】
上述の受信装置においては、位相調整回路11を、参照用サンプラSMeの前段に配置しているが、その他のサンプラの前段には、遅延調整用の位相調整回路を配置していない。このような遅延調整用の位相調整回路を必要とする受信装置と比較して、上述の受信装置は、回路面積及び消費電力を低減させることができる。また、位相掃引範囲を上記の如く設定することにより、遅延調整用の回路を各サンプラの前段に配置していない場合は、このような遅延調整用回路の固有遅延の影響を抑制することができる。また、位相調整回路11において、動作環境の変化等により、意図しない固有遅延が発生しても、位相掃引範囲が上記の如く広いため、アイ・ダイアグラムを得ることができる。
【0137】
以上、多相クロック信号を使ったデータ受信装置におけるアイモニタの位相調整回路技術を開示した。この技術では、好適には、入力データをランダムパターンにした。位相調整回路による調整位相範囲を広く設定した。また、比較論理回路において、アイ・ダイアグラムの開口に関する部分で、同期エラーを引き起こさないように、同期をとった。これにより、位相調整回路の固有遅延を打ち消すために、多相クロック信号の経路上に、位相調整回路のダミー回路や、位相補償回路の追加を必要としなくなり、電力消費や面積が小さくすることができる。
【0138】
信号品質の評価について補足説明を行う。伝送線路を経由して受信した信号はそれぞれの持つ負荷などによって信号が劣化する。伝送信号の品質は、アイ・ダイアグラムのアイ開口度を見ることで判断できる。アイ・ダイアグラムは、伝送データの最小単位2つ分を1周期として、信号を重ね合わせたものであり、アイ開口度はアイ・ダイアグラムの中心の開口の大きさを指す。開口の高さと幅が大きいほど信号の品質が良いと評価される。なお、アイ開口の全体ではなく、品質モニタ信号の一部を評価することによっても、信号品質を評価することができる。アイ開口の中心を通る縦軸方向の開口寸法のみ評価する。アイ開口の中心を通る横軸方向の開口寸法のみ評価する。アイ開口の適当な位置を通る開口寸法を評価する。アイ開口の斜め方向の開口寸法を評価する。このように、様々な評価の方式が考えられる。
【0139】
近年、通信デバイスの普及やペーパーレス化、在宅ワークの普及などに伴い必要とされる通信データのデータレートは増加している。上述の受信装置は、多相クロック(m相クロック)を使うデータ伝送をしているので、高いデータレートの通信に対応することができる。上述の受信装置は、消費電力が小さく、面積も小さい。1/Nレート伝送のNが大きくなるほど、この効果は大きくなるが、上述の装置においては、適切な同期も行うことができる。
【符号の説明】
【0140】
11…位相調整回路、11A…マルチプレクサ、11B…位相補間回路、11C…マルチプレクサ、12…電圧発生器、13A…第1同期回路、13B…第2同期回路、13DIV…分周器、15…比較論理回路、16…エラーカウンタ、17…CDR回路、18…制御回路、72…位相差検出器、73…フィルタ、74…電圧制御発振器、101…アンプ、110…入力部、131…マルチプレクサ、172…位相差検出器、173…フィルタ、174…電圧制御発振器、175…多相クロック信号発生器、300…外部装置、301…メモリ、303…インターフェース、304…バス、305…表示器、CB…通信ケーブル、COMP…比較器、OUTPUT…品質モニタ信号、SM1~SMm…データ受信用サンプラ、SMe…参照用サンプラ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26