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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058829
(43)【公開日】2024-04-30
(54)【発明の名称】貨幣処理機
(51)【国際特許分類】
   G07D 11/12 20190101AFI20240422BHJP
   G07D 1/00 20060101ALI20240422BHJP
【FI】
G07D11/12
G07D1/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022166184
(22)【出願日】2022-10-17
(71)【出願人】
【識別番号】000116079
【氏名又は名称】ローレルバンクマシン株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】500267170
【氏名又は名称】ローレル機械株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】500265501
【氏名又は名称】ローレル精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100161702
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 宏之
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】高橋 いづみ
【テーマコード(参考)】
3E141
【Fターム(参考)】
3E141AA01
3E141AA08
3E141CA05
3E141FC04
3E141FC05
3E141FJ08
3E141GA06
3E141LA41
3E141LA61
(57)【要約】
【課題】回収後の取り扱いを考慮して貨幣を回収することが可能となる貨幣処理機を提供する。
【解決手段】貨幣Cを出金可能に収納する第一の収納部56と、貨幣Cを収納する第二の収納部55と、収納する貨幣Cを特定の条件が整った際に回収指示可能な指示部69と、指示部69に回収指示がなされると、第二の収納部55の貨幣をすべて回収可能とすると共に、第一の収納部56に収納される貨幣の内の一部を回収可能とする制御部67と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
貨幣を出金可能に収納する第一の収納部と、
貨幣を収納する第二の収納部と、
収納する貨幣を特定の条件が整った際に回収指示可能な指示部と、
前記指示部に回収指示がなされると、前記第二の収納部の貨幣をすべて回収可能とすると共に、前記第一の収納部に収納される貨幣の内の一部を回収可能とする制御部と、
を備えた貨幣処理機。
【請求項2】
前記制御部は、前記第一の収納部の貨幣量と前記第二の収納部の貨幣量とを合算した貨幣量が、特定数量を超えた場合に、前記特定の条件が整ったと判定する請求項1に記載の貨幣処理機。
【請求項3】
前記制御部は、前記第一の収納部の貨幣量と前記第二の収納部の貨幣量とを合算した貨幣量が、特定数量と予め設定される特定残量とを合算した貨幣量を超えた場合に、前記特定の条件が整ったと判定する請求項1に記載の貨幣処理機。
【請求項4】
前記特定残量が、可変であることを特徴とする請求項3記載の貨幣処理機。
【請求項5】
前記制御部は、特定の権限を有する操作者による操作であることが確認されると、前記特定残量に関わらず、前記第一の収納部の貨幣量と前記第二の収納部の貨幣量とを合算した貨幣量が、特定数量を超えた場合に、前記特定の条件が整ったと判定することが可能となる請求項3に記載の貨幣処理機。
【請求項6】
さらに、前記特定の条件が整った際に、当該特定の条件が整ったことを示す情報を出力する表示部を備えた請求項1ないし5の何れか一項に記載の貨幣処理機。
【請求項7】
前記第一の収納部は、貨幣を出金可能に金種別に収納し、
前記第二の収納部は、貨幣を金種別に収納し、
前記指示部は、収納する貨幣を前記特定の条件が整った際に金種別に回収指示可能であり、
前記制御部は、前記指示部に回収指示がなされると、前記第二の収納部の指示された金種の貨幣をすべて回収可能とすると共に、前記第一の収納部に収納される指示された金種の貨幣の内の一部を回収可能とし、さらに、複数の金種の貨幣において、前記特定の条件が整った際には、何れか一の金種の貨幣から順に回収を可能とすることを特徴とする請求項1ないし5の何れか一項記載の貨幣処理機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、貨幣を処理する貨幣処理機に関する。
【背景技術】
【0002】
貨幣処理機には、硬貨を繰り出し可能に金種別に収納する硬貨収納繰出部と、硬貨を金種別に収納する硬貨収納部とを有するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-177407号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
貨幣を回収する際に、回収後の取り扱いを考慮して回収したいという要望があった。
【0005】
本発明は、回収後の取り扱いを考慮して貨幣を回収することが可能となる貨幣処理機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る第1の態様は、貨幣を出金可能に収納する第一の収納部と、貨幣を収納する第二の収納部と、収納する貨幣を特定の条件が整った際に回収指示可能な指示部と、前記指示部に回収指示がなされると、前記第二の収納部の貨幣をすべて回収可能とすると共に、前記第一の収納部に収納される貨幣の内の一部を回収可能とする制御部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、回収後の取り扱いを考慮して貨幣を回収することが可能となる貨幣処理機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係る第1実施形態の貨幣処理機の構成を示す概略図である。
図2】本発明に係る第1実施形態の貨幣処理機の回収メニュー画面を示す図である。
図3】本発明に係る第1実施形態の貨幣処理機の金種選択メニュー画面を示す図である。
図4】本発明に係る第2実施形態の貨幣処理機の構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
<第1実施形態>
本発明に係る第1実施形態の貨幣処理機を図1図3を参照して以下に説明する。以下の説明における「前」は貨幣処理機の操作者側、「後」は貨幣処理機の操作者とは反対側である。貨幣処理機は、貨幣を入金収納可能であって、さらに収納している貨幣を出金可能である。貨幣処理機は、具体的には、貨幣のうちの硬貨が入金収納可能であって、さらに収納している硬貨を出金する処理を行う硬貨処理機である。
【0010】
第1実施形態の貨幣処理機10は、バラの状態のバラ硬貨Cに関する処理を行う硬貨処理装置11と、所定の複数枚のバラ硬貨Cを集積し包装紙により包装した包装硬貨B(以下、棒金Bと称す)に関する処理を行う棒金処理装置12とを有している。
【0011】
硬貨処理装置11は、硬貨処理装置11外からバラ硬貨Cが入金され、入金されたバラ硬貨Cの入金処理を行う硬貨入金処理部21と、硬貨入金処理部21からバラ硬貨Cを受け入れて収納する収納処理を行うと共に収納しているバラ硬貨Cを機外に取り出し可能に出金する硬貨収納出金処理部22とを有している。
【0012】
硬貨入金処理部21は、硬貨処理装置11外からバラ硬貨Cが投入されると共に投入されたバラ硬貨Cを一枚ずつ分離して繰り出すホッパである入金部31を有している。硬貨入金処理部21は、入金部31から繰り出されたバラ硬貨Cを搬送しつつ入金識別計数部32で真偽及び金種を識別して計数する入金搬送部33と、入金識別計数部32で偽つまり受け入れ不可と識別されたバラ硬貨Cを入金搬送部33から落下案内する開閉式の入金リジェクト案内部34と、入金リジェクト案内部34で入金搬送部33から案内されたバラ硬貨Cを機外に取り出し可能に収納する硬貨入金リジェクト箱35とを有している。硬貨入金リジェクト箱35は、硬貨処理装置11の装置本体40の前面側に設けられており、装置本体40から前方に引き出され取り外されることによって、収納しているバラ硬貨Cが機外に取り出し可能となる。
【0013】
硬貨入金処理部21は、入金識別計数部32で真つまり受け入れ可能と識別されたバラ硬貨Cを入金搬送部33から落下案内する開閉式の包装案内部45を有している。包装案内部45で案内されたバラ硬貨Cは、棒金処理装置12に搬送される。棒金処理装置12は、硬貨処理装置11から送り込まれたバラ硬貨Cを所定の包装単位枚数(例えば50枚)ずつ集積させて包装して棒金Bを作製する。
【0014】
硬貨入金処理部21は、入金識別計数部32で受け入れ可能と識別されたバラ硬貨Cを入金搬送部33から落下案内する貯留案内部47と、貯留案内部47で入金搬送部33から案内されたバラ硬貨Cを一時貯留する入金貯留部48とを有している。貯留案内部47は、真つまり受け入れ可能と識別されたバラ硬貨Cを入金搬送部33から金種別に分類して入金貯留部48に案内し、入金貯留部48は案内されたバラ硬貨Cを金種別に分類した状態のまま貯留する。
【0015】
硬貨入金処理部21は、入金貯留部48が貯留しているバラ硬貨Cを金種別に分類した状態のまま収納する硬貨収納部51と、入金貯留部48が貯留しているバラ硬貨Cを機外に取り出し可能に返却する硬貨返却箱52とを有している。硬貨返却箱52は、硬貨処理装置11の装置本体40の前面側に設けられており、装置本体40から前方に引き出され取り外されることによって、収納しているバラ硬貨Cが機外に取り出し可能となる。
【0016】
硬貨収納部51は、金種別の収納金庫55(第二の収納部)を有している。金種別の収納金庫55は、第1金種のバラ硬貨C(具体的には1円硬貨)を収納する第1収納金庫55と、第2金種のバラ硬貨C(具体的には5円硬貨)を収納する第2収納金庫55と、第3金種のバラ硬貨C(具体的には10円硬貨)を収納する第3収納金庫55と、第4金種のバラ硬貨C(具体的には50円硬貨)を収納する第4収納金庫55と、第5金種のバラ硬貨C(具体的には100円硬貨)を収納する第5収納金庫55と、第6金種のバラ硬貨C(具体的には500円硬貨)を収納する第6収納金庫55と、を有している。これら第1~第6収納金庫55は、いずれもバラ硬貨Cを繰り出し不可、すなわち出金不可である。硬貨収納部51は、装置本体40から前方に引き出されると、これら第1~第6収納金庫55が載置されている図示略の載置台部から、第1~第6収納金庫55が個別に取り外されて外に取り出される。言い換えれば、硬貨収納部51には、第1~第6収納金庫55が個別に着脱可能に設けられている。よって、第1~第6収納金庫55は、装置本体40に対しても着脱可能に設けられている。
【0017】
硬貨収納出金処理部22は、入金貯留部48が貯留しているバラ硬貨Cを金種別に分類した状態のまま繰り出し可能に収納する硬貨収納繰出部53と、硬貨収納繰出部53から計数しつつ繰り出されたバラ硬貨Cを搬送しつつ金種を識別して計数する硬貨出金搬送部61と、硬貨出金搬送部61で搬送されてきたバラ硬貨Cを機外に取り出し可能に収納する硬貨出金箱62と、硬貨出金箱62に収納されているバラ硬貨Cを案内する出金リジェクト案内部63と、出金リジェクト案内部63で硬貨出金箱62から案内されたバラ硬貨Cを機外に取り出し可能に収納する硬貨リジェクト庫64とを有している。硬貨出金箱62及び硬貨リジェクト庫64は、いずれも硬貨処理装置11の装置本体40の前面側に設けられており、いずれも装置本体40から前方に引き出され取り外されることによって、収納しているバラ硬貨Cが機外に取り出し可能となる。硬貨出金搬送部61は、硬貨収納繰出部53から計数しつつ繰り出されたバラ硬貨Cを棒金処理装置12にも搬送可能となっている。
【0018】
硬貨収納繰出部53は、金種別のスタッカ56(第一の収納部)を有している。金種別のスタッカ56は、第1金種のバラ硬貨C(具体的には1円硬貨)を出金可能に収納する第1スタッカ56と、第2金種のバラ硬貨C(具体的には5円硬貨)を出金可能に収納する第2スタッカ56と、第3金種のバラ硬貨C(具体的には10円硬貨)を出金可能に収納する第3スタッカ56と、第4金種のバラ硬貨C(具体的には50円硬貨)を出金可能に収納する第4スタッカ56と、第5金種のバラ硬貨C(具体的には100円硬貨)を出金可能に収納する第5スタッカ56と、第6金種のバラ硬貨C(具体的には500円硬貨)を出金可能に収納する第6スタッカ56と、を有している。これら第1~第6スタッカ56は、いずれも硬貨処理装置11に対して着脱不可となっており、いずれも装置本体40を構成している。
【0019】
硬貨処理装置11には、棒金処理装置12を含む貨幣処理機10の全体を制御する制御部67と、棒金処理装置12を含む貨幣処理機10に電源を供給する電源部68とが設けられている。硬貨処理装置11には、操作者による操作入力を受け付けると共に操作者に向けた表示を行う操作表示部69(指示部、表示部)が設けられている。なお、制御部67、電源部68及び操作表示部69を、棒金処理装置12に設けるようにしても良い。また、特に操作表示部69及び制御部67については、貨幣処理機10とは別体の管理装置(操作卓とも言う。またはPC)に設けるものであっても良い。
【0020】
制御部67は、貨幣処理機10の各部のバラ硬貨C及び棒金Bの収納量を把握している。制御部67は、例えば、硬貨収納部51の第1~第6収納金庫55のそれぞれのバラ硬貨Cの入金量を記憶しており、よって、第1~第6収納金庫55のそれぞれについて、収納しているバラ硬貨Cの枚数を常に把握している。また、制御部67は、硬貨収納繰出部53の第1~第6スタッカ56のそれぞれのバラ硬貨Cの入出金量を記憶しており、よって、第1~第6スタッカ56のそれぞれについて、収納しているバラ硬貨Cの枚数を常に把握している。
【0021】
さらに、制御部67は、第1~第6収納金庫55のそれぞれのバラ硬貨Cの入金量及び第1~第6スタッカ56のそれぞれのバラ硬貨Cの入出金量とから、硬貨収納部51及び硬貨収納繰出部53に収納されている第1~第6金種のそれぞれのバラ硬貨Cの枚数を常に把握している。すなわち、制御部67は、第1収納金庫55と第1スタッカ56とに収納されている第1金種のバラ硬貨Cの枚数と、第2収納金庫55と第2スタッカ56とに収納されている第2金種のバラ硬貨Cの枚数と、第3収納金庫55と第3スタッカ56とに収納されている第3金種のバラ硬貨Cの枚数と、第4収納金庫55と第4スタッカ56とに収納されている第4金種のバラ硬貨Cの枚数と、第5収納金庫55と第5スタッカ56とに収納されている第5金種のバラ硬貨Cの枚数と、第6収納金庫55と第6スタッカ56とに収納されている第6金種のバラ硬貨Cの枚数と、を把握している。なお、硬貨収納部51及び硬貨収納繰出部53に収納されている第1~第6金種のそれぞれのバラ硬貨Cの枚数は、制御部67が必要なとき(例えば、後述するバラ硬貨大袋合算回収処理時等)に算出するようにしても良い。
【0022】
棒金処理装置12は、入金部31から繰り出され包装案内部45で案内されてきたバラ硬貨C、及び、硬貨収納繰出部53から繰り出されたバラ硬貨Cを受け入れて所定枚数ずつ纏めて包装紙で包装し一体化して棒金Bとする包装処理を行う包装部101と、包装部101で作製されて繰り出された棒金Bを繰り出し可能に収納する棒金収納部102と、包装部101及び棒金収納部102から繰り出された棒金Bを受け入れて機外に取り出し可能に出金すると共に、既に作製されている棒金Bを機外から受け入れて棒金収納部102に収納する棒金搬送入出金部103と、を有している。
【0023】
包装部101は、硬貨処理装置11からバラ硬貨Cを受け入れると共に、受け入れたバラ硬貨Cを、金種識別しつつ計数して包装単位枚数(50枚)ずつ集積させ、集積された包装単位枚数のバラ硬貨Cに紙或いは樹脂フィルムからなる包装紙を所定長さ巻き回し、集積方向の両側の包装紙の余長部分を内側に丸めるように加締めることにより棒金Bとする。
【0024】
包装部101は、作製した棒金Bを、棒金出金リジェクト庫114とクリアボックス115と棒金搬送入出金部103とに振り分ける。棒金出金リジェクト庫114及びクリアボックス115は、包装単位枚数に満たない数のバラ硬貨Cを包装した端数棒金等を機外に取り出し可能に収納する。棒金出金リジェクト庫114及びクリアボックス115は、棒金処理装置12の装置本体116の前面側に設けられており、装置本体116から前方に引き出され取り外されることによって、収納している棒金Bが機外に取り出し可能となる。
【0025】
棒金搬送入出金部103は、包装部101及び棒金収納部102から繰り出された棒金Bを受け取って昇降搬送する棒金搬送部121を有している。包装部101から棒金搬送入出金部103に繰り出された棒金Bは、端数棒金以外の棒金Bつまり包装単位枚数のバラ硬貨Cを包装して作製した正常棒金である。棒金搬送入出金部103は、棒金搬送部121で搬送されてきた棒金Bを棒金処理装置12の外に放出する棒金放出部122と、棒金搬送部121で搬送されてきた棒金Bを受け取って棒金処理装置12の機外に取り出し可能に出金する棒金出金部123と、棒金搬送部121で搬送されてきた棒金Bを機外に取り出し可能に一括で収納する箱状の棒金一括収納部124と、棒金処理装置12の外から投入された棒金Bを識別及び計数して棒金搬送部121に受け渡す計数装填部120とを有している。
【0026】
棒金収納部102は、計数装填部120によって識別及び計数された棒金Bをも収納することになり、その際に、棒金搬送部121が、計数装填部120によって識別及び計数された棒金Bを棒金収納部102に搬送する。計数装填部120は、棒金処理装置12において、既に作製されている棒金Bを機内の棒金収納部102に装填する際の受け入れと計数とを行う部分である。
【0027】
棒金放出部122は、棒金処理装置12の装置本体116の下部の前面に開口している。棒金放出部122は、棒金Bを棒金処理装置12の外側に置かれた受箱126に向けて放出する。
【0028】
棒金出金部123は、装置本体116の上部の前面に開口しており、開閉可能な図示略のシャッタを有している。棒金出金部123は、棒金Bを複数本収納可能であり、収納している棒金Bは図示略のシャッタが開かれると直接手で機外に取り出し可能となる。
【0029】
棒金一括収納部124は、棒金Bを複数本一括収納可能である。棒金一括収納部124は、装置本体116から前方に引き出され取り外されることによって、収納している棒金Bが機外に取り出し可能となる。
【0030】
計数装填部120は、装置本体116から前方に引き出されることによって、棒金Bが機外から投入される。計数装填部120は、機外から投入された棒金Bを一本ずつ識別及び計数しつつ棒金搬送部121に押し出す。
【0031】
棒金収納部102は、棒金搬送部121で搬送されてきた棒金Bを受け取って金種別の図示略の収納部に分類して収納すると共に、金種別の収納部に収納している棒金Bを金種別に計数しつつ棒金搬送部121に繰り出す。
【0032】
棒金搬送部121は、包装部101から棒金Bを受け取って、棒金放出部122及び棒金収納部102に選択的に搬送する。また、棒金搬送部121は、棒金収納部102から繰り出された棒金Bを受け取って、棒金出金部123及び棒金一括収納部124に選択的に搬送する。更に、棒金搬送部121は、計数装填部120から棒金Bを受け取って、棒金収納部102に搬送する。棒金搬送部121は、複数本の棒金Bを同時に搬送可能となっている。
【0033】
次に、第1実施形態の貨幣処理機10の主な処理について説明する。
【0034】
[バラ硬貨入金処理]
バラ硬貨入金処理は、機外から入金部31に投入されたバラ硬貨Cを搬送しつつ識別及び計数して一時貯留させる処理である。操作表示部69に表示されたメインメニュー画面においてバラ硬貨入金処理の選択操作がなされると、制御部67は、バラ硬貨入金処理を開始することになり、入金部31の図示略のシャッタを開く。そして、入金部31に機外からバラ硬貨Cが装填され、操作表示部69にバラ硬貨入金処理の開始操作がなされると、制御部67は、入金部31の図示略のシャッタを閉じてから、入金部31でバラ硬貨Cを一枚ずつ所定の間隔をあけて繰り出させることになり、繰り出されたバラ硬貨Cを、入金搬送部33で搬送させる。この搬送中に入金識別計数部32がバラ硬貨Cを識別及び計数することになり、制御部67は、入金識別計数部32で受け入れ可能と識別したバラ硬貨Cを、入金搬送部33から貯留案内部47で入金貯留部48に金種別に分類して一時貯留させることになる。
【0035】
他方、制御部67は、入金部31から繰り出されたバラ硬貨Cのうち、入金識別計数部32で受け入れ不可と識別したバラ硬貨C、すなわち金種識別できない金種識別不良のバラ硬貨C等をリジェクト硬貨として、入金搬送部33から入金リジェクト案内部34で硬貨入金リジェクト箱35に収納させる。
【0036】
以上のバラ硬貨入金処理の作動を行うことによって、入金部31のバラ硬貨Cがなくなり、入金部31から繰り出されたすべてのバラ硬貨Cが、入金貯留部48及び硬貨入金リジェクト箱35の何れかに搬送されると、制御部67は、入金識別計数部32で受け入れ可能と判定して入金貯留部48に一時貯留させたバラ硬貨Cの金種別の枚数及び総額等を操作表示部69に表示させると共に、硬貨入金リジェクト箱35の装置本体40へのロックを解除して硬貨入金リジェクト箱35を装置本体40から取り外し可能とする。そして、制御部67は、操作表示部69への入金確定操作及び入金キャンセル操作の入力を待機する状態となって硬貨入金処理を終了する。
【0037】
[バラ硬貨収納処理]
バラ硬貨入金処理後、操作表示部69への入金確定操作が入力された入金確定時に、制御部67は、入金を確定すると共に、硬貨入金処理にて入金貯留部48に金種別に分類して一時貯留させたバラ硬貨Cを、金種別に分類した状態のまま、硬貨収納繰出部53の第1~第6スタッカ56と、硬貨収納部51の第1~第6収納金庫55とのうちの一方に選択的に収納させるバラ硬貨収納処理を行う。その際に、制御部67は、基本的には第1~第6スタッカ56にバラ硬貨Cを収納させ、例えば、第1~第6スタッカ56の何れかがオーバーフローになってしまうことが予測される場合に、第1~第6収納金庫55にバラ硬貨Cを収納させる。
【0038】
制御部67は、第1~第6スタッカ56にバラ硬貨Cを収納させる際には、第1~第6スタッカ56のそれぞれについて、今回の処理前に収納されていたバラ硬貨Cの収納量に、今回の処理で収納したバラ硬貨Cの収納量を加えて、今回の処理後のバラ硬貨Cの収納量として記憶する。また、制御部67は、第1~第6収納金庫55にバラ硬貨Cを収納させる際には、第1~第6収納金庫55のそれぞれについて、今回の処理前に収納されていたバラ硬貨Cの収納量に、今回の処理で収納したバラ硬貨Cの収納量を加えて、今回の処理後のバラ硬貨Cの収納量として記憶する。
【0039】
[バラ硬貨返却処理]
バラ硬貨入金処理後、操作表示部69への入金キャンセル操作が入力された入金キャンセル時に、制御部67は、入金を確定せず、硬貨入金処理にて入金貯留部48に一時貯留したバラ硬貨Cをすべて、硬貨返却箱52に繰り出すバラ硬貨返却処理を行う。バラ硬貨返却処理の最後に、制御部67は、硬貨返却箱52の装置本体40へのロックを解除して硬貨返却箱52を装置本体40から取り外し可能とする。
【0040】
[バラ硬貨出金処理]
バラ硬貨出金処理は、操作表示部69へ入力された硬貨出金操作に基づいて、第1金種のバラ硬貨Cを収納している第1スタッカ56、第2金種のバラ硬貨Cを収納している第2スタッカ56、第3金種のバラ硬貨Cを収納している第3スタッカ56、第4金種のバラ硬貨Cを収納している第4スタッカ56、第5金種のバラ硬貨Cを収納している第5スタッカ56、第6金種のバラ硬貨Cを収納している第6スタッカ56、のうちの指定された金種のものからバラ硬貨Cを出金する処理である。
【0041】
操作表示部69に表示されたメインメニュー画面においてバラ硬貨出金処理の選択操作がなされ、その後のメニュー画面で金種別の出金枚数が入力されると、制御部67は、操作表示部69に入力された金種別の出金枚数に基づき、第1~第6スタッカ56のうちの出金対象のものからバラ硬貨Cを、一枚ずつに分離しつつ所定の間隔をあけて繰り出させることになる。すると、繰り出されたバラ硬貨Cを、硬貨出金搬送部61が、識別及び計数しつつ搬送し、正常なバラ硬貨Cを硬貨出金箱62に搬送する。他方、硬貨出金搬送部61は、硬貨出金処理において異常なバラ硬貨Cが含まれる場合、異常なバラ硬貨Cを含んでバラ硬貨Cを硬貨出金箱62から出金リジェクト案内部63で硬貨リジェクト庫64に収納させ、その後、バラ硬貨出金処理をやり直す。以上のようにして、入力された金種別の出金枚数のバラ硬貨Cを、硬貨出金箱62に収納する。バラ硬貨出金処理の最後に、制御部67は、硬貨出金箱62の装置本体40へのロックを解除して硬貨出金箱62を装置本体40から取り外し可能とする。
【0042】
制御部67は、第1~第6スタッカ56からバラ硬貨Cを繰り出させる際には、第1~第6スタッカ56のそれぞれについて、今回の処理前に収納されていたバラ硬貨Cの収納量から、今回の処理で繰り出したバラ硬貨Cの繰り出し量を減算して、今回の処理後のバラ硬貨Cの収納量として記憶する。
【0043】
[棒金出金処理]
操作表示部69に表示されたメインメニュー画面において棒金出金処理の選択操作がなされ、その後のメニュー画面で金種別の出金数が入力されると、制御部67は、操作表示部69に入力された金種別の出金数に基づいて、棒金収納部102から、指定された金種の棒金Bを指定された本数繰り出させ棒金搬送部121で、棒金出金部123及び棒金一括収納部124の指定された一方に出金する。
【0044】
[棒金作製収納処理]
操作表示部69に表示されたメインメニュー画面において棒金作製収納処理の選択操作がなされ、その後のメニュー画面で金種別の作製数が入力されると、制御部67は、操作表示部69に入力された棒金作製数に基づいて、硬貨収納繰出部53の第1~第6スタッカ56から、指定された金種のバラ硬貨Cを繰り出させ、包装部101で棒金Bにして棒金搬送部121で棒金収納部102に補充する。
【0045】
[硬貨回収処理]
操作表示部69に表示されたメインメニュー画面において、硬貨回収処理の選択操作が入力されると、制御部67は、例えば、図2に示すような回収メニュー画面200を操作表示部69に表示させる。回収メニュー画面200は、「バラ硬貨回収」ボタン表示201と、「バラ硬貨包装回収」ボタン表示202と、「バラ硬貨金庫回収」ボタン表示203と、「バラ硬貨大袋合算回収」ボタン表示204と、を含んでいる。なお、これらのうち「バラ硬貨大袋合算回収」ボタン表示204は、メインメニュー画面に表示させるようにしても良い。
【0046】
{バラ硬貨回収処理}
回収メニュー画面200において、「バラ硬貨回収」ボタン表示201が選択操作されると、制御部67は、バラ硬貨回収処理を行う。バラ硬貨回収処理では、制御部67は、硬貨収納部51の装置本体40へのロックを解除して、装置本体40から硬貨収納部51を引き出し可能とする。すると、操作者は、装置本体40から硬貨収納部51を引き出して第1~第6収納金庫55を取り出す。
【0047】
それと共に、制御部67は、硬貨収納繰出部53の第1~第6スタッカ56からバラ硬貨Cを金種別に順に繰り出させ、硬貨出金搬送部61で硬貨出金箱62に搬送させる。制御部67は、例えば、第1スタッカ56からバラ硬貨Cを繰り出させ、硬貨出金搬送部61で硬貨出金箱62に搬送させる。これにより、第1スタッカ56のバラ硬貨Cが全て硬貨出金箱62に搬送されると、制御部67は、硬貨出金箱62の装置本体40へのロックを解除して、装置本体40から硬貨出金箱62を引き出し可能とする。すると、操作者は、装置本体40から硬貨出金箱62を引き出し取り外して硬貨出金箱62の第1金種のバラ硬貨Cを取り出す。その後、硬貨出金箱62が装置本体40に装填されたことを図示略のセンサが検知すると、制御部67は、硬貨出金箱62を装置本体40へロックすると共に、第2スタッカ56からバラ硬貨Cを繰り出させ、硬貨出金搬送部61で硬貨出金箱62に搬送させる。これにより、第2スタッカ56のバラ硬貨Cが全て硬貨出金箱62に搬送されると、制御部67は、硬貨出金箱62の装置本体40へのロックを解除する。すると、操作者は、装置本体40から硬貨出金箱62を引き出し取り外して硬貨出金箱62の第2金種のバラ硬貨Cを取り出す。その後、硬貨出金箱62が装置本体40に装填されたことを図示略のセンサが検知すると、制御部67は、硬貨出金箱62を装置本体40へロックすると共に、第3スタッカ56からバラ硬貨Cを繰り出させる。
【0048】
以上のような処理を第3~第6スタッカ56についても同様に行う。これにより、硬貨収納部51に収納されていたバラ硬貨C及び硬貨収納繰出部53に収納されていたバラ硬貨Cが、機外に回収される。
【0049】
ここで、バラ硬貨回収処理においては、第1~第6金種のそれぞれについて、第1~第6スタッカ56のバラ硬貨Cのうちの操作表示部69で指定された一部金種の全数量のバラ硬貨Cを回収することも可能となっている。また、バラ硬貨回収処理においては、第1~第6金種のそれぞれについて、第1~第6スタッカ56のバラ硬貨Cのうちの操作表示部69で指定された一部金種の一部数量のバラ硬貨Cを回収することも可能となっている。
【0050】
{バラ硬貨包装回収処理}
回収メニュー画面200において、「バラ硬貨包装回収」ボタン表示202が選択操作されると、制御部67は、硬貨収納繰出部53の第1~第6スタッカ56から全てのバラ硬貨Cを金種別に順に繰り出させ、包装部101で棒金Bにして、棒金搬送部121で搬送させ、棒金放出部122から受箱126に放出させる。例えば、第1スタッカ56からバラ硬貨Cを繰り出させ、包装部101で棒金Bにして、棒金放出部122から受箱126に放出させる。このとき、最後にバラ硬貨Cの数が端数になった端数棒金Bは、例えばクリアボックス115に収納される。次に、第2スタッカ56からバラ硬貨Cを繰り出させ、包装部101で棒金Bにして、棒金放出部122から受箱126に放出させる。
【0051】
以上のような処理を第2~第6スタッカ56についても同様に行う。これにより、硬貨収納繰出部53に収納されていたバラ硬貨Cが、基本的には棒金Bになって機外に回収される。
【0052】
ここで、バラ硬貨包装回収処理においては、第1~第6金種のそれぞれについて、第1~第6スタッカ56の一部金種のバラ硬貨Cの全数量を棒金Bとして回収することも可能である。また、バラ硬貨包装回収処理においては、第1~第6金種のそれぞれについて、第1~第6スタッカ56の一部金種のバラ硬貨Cの一部数量を棒金Bとして回収することも可能である。
【0053】
{バラ硬貨金庫回収処理}
回収メニュー画面200において、「バラ硬貨金庫回収」ボタン表示203が選択操作されると、制御部67は、硬貨収納部51の装置本体40へのロックを解除して、装置本体40から硬貨収納部51を引き出し可能とする。すると、操作者は、装置本体40から硬貨収納部51を引き出して第1~第6収納金庫55を取り出す。
【0054】
{バラ硬貨大袋合算回収処理}
ここで、制御部67は、硬貨収納部51の入金がある度と、硬貨収納繰出部53の入出金がある度とに、第1~第6金種のそれぞれについて、バラ硬貨大袋合算回収処理が可能な特定の条件が整っているか否かを判定する条件判定を行ってその結果を記憶している。
【0055】
すなわち、制御部67は、条件判定では、まず、第1~第6収納金庫55のそれぞれについて、この条件判定開始時点での収納されているバラ硬貨Cの収納枚数である貨幣量(b)を、制御部67が記憶している特定数量(c)と比較して、特定数量(c)よりも多いか否かを判定する第1判定を行う。ここで、特定数量(c)は、バラ硬貨大袋合算回収処理での回収後に麻袋等の大袋に収納され封緘具によって封緘されて保管されるバラ硬貨Cの袋回収単位枚数である。第1金種である1円硬貨の特定数量は、例えば5000枚に設定され、第2金種である5円硬貨、第3金種である10円硬貨、第4金種である50円硬貨及び第5金種である100円硬貨のそれぞれの特定数量は、例えば4000枚に設定され、第6金種である500円硬貨の特定数量は、例えば2000枚に設定されている。なお、バラ硬貨Cを大袋よりも小さい小袋に収納し封緘具によって封緘して保管する場合、特定数量は、これらのそれぞれよりも少なく設定される。
【0056】
具体的に、第1判定では、制御部67は、この条件判定開始時点で第1収納金庫55に収納されているバラ硬貨Cの収納枚数である貨幣量(b)が、第1金種の特定数量(c)より多い場合、第1金種については、第1収納金庫55の貨幣量(b)の過多によりバラ硬貨大袋合算回収処理は不可であると判定する。
【0057】
第2~第6金種についても、第1金種と同様の第1判定を行う。
【0058】
すなわち、制御部67は、第1判定にて、第2収納金庫55の貨幣量(b)が第2金種の特定数量(c)より多い場合、第2金種についてはバラ硬貨大袋合算回収処理は不可であると判定する。また、制御部67は、第1判定にて、第3収納金庫55の貨幣量(b)が第3金種の特定数量(c)より多い場合、第3金種についてはバラ硬貨大袋合算回収処理は不可であると判定する。また、制御部67は、第1判定にて、第4収納金庫55の貨幣量(b)が第4金種の特定数量(c)より多い場合、第4金種についてはバラ硬貨大袋合算回収処理は不可であると判定する。また、制御部67は、第1判定にて、第5収納金庫55の貨幣量(b)が第5金種の特定数量(c)より多い場合、第5金種についてはバラ硬貨大袋合算回収処理は不可であると判定する。また、制御部67は、第1判定にて、第6収納金庫55の貨幣量(b)が第6金種の特定数量(c)より多い場合、第6金種についてはバラ硬貨大袋合算回収処理は不可であると判定する。
【0059】
一方、第1金種に関する第1判定にて、この条件判定開始時点で第1収納金庫55に収納されているバラ硬貨Cの貨幣量(b)が、第1金種の特定数量(c)以下の場合、制御部67は、第1収納金庫55に収納されているバラ硬貨Cの貨幣量(b)と、硬貨収納繰出部53の第1金種の第1スタッカ56に収納されているバラ硬貨Cの収納枚数である貨幣量(a)とを合算した第1金種の合算枚数である合算貨幣量(a+b)が、第1金種の特定数量(c)と予め設定されて記憶している第1金種の残留枚数である特定残量(d)とを加算した第1金種の基準貨幣量(c+d)以上であるか否かを判定する第2判定を行う。
【0060】
ここで、特定残量(d)は、貨幣処理機10の運用のために第1スタッカ56に残すバラ硬貨Cの枚数であり、例えば、0に設定したり、200枚に設定したりと、操作表示部69への変更操作によって可変となっている。また、特定残量(d)は、金種別に設定可能となっている。特定残量(d)は、例えば、貨幣処理機10の運用状況に対応させて変化させることが可能である。特定残量(d)は、例えば、一日の業務開始時には多く、業務終了間近になるに従って少なくなるような数量とすることが可能である。特定残量(d)は、業務終了時に第1~第6スタッカ56にそれぞれ一定の数量の硬貨を残置させて翌日の運用に供する場合には、残置枚数を特定残量(d)として採用しても良い。特定残量(d)を可変値ではなく設定された固定値としても良い。
【0061】
制御部67は、この第1金種に関する第2判定にて、第1金種の合算貨幣量(a+b)が第1金種の基準貨幣量(c+d)以上である場合((a+b)≧(c+d))、第1金種についてのバラ硬貨大袋合算回収処理が可能であると判定する一方、第1金種の合算貨幣量(a+b)が第1金種の基準貨幣量(c+d)よりも小さい場合((a+b)<(c+d))、第1金種についてのバラ硬貨大袋合算回収処理が不可であると判定する。言い換えれば、制御部67は、第1金種に関する第2判定にて、第1収納金庫55の貨幣量(b)が、第1金種の特定数量(c)を超えずに、第1スタッカ56の貨幣量(a)と第1収納金庫55の貨幣量(b)とを合算した第1金種の合算貨幣量(a+b)が、第1金種の特定数量(c)と第1金種の特定残量(d)とを加算した第1金種の基準貨幣量(c+d)以上の場合((a+b)≧(c+d))に、バラ硬貨大袋合算回収処理が可能となる特定の条件が整ったと判定する。
【0062】
よって、制御部67は、この第1金種に関する第2判定にて、第1収納金庫55の貨幣量(b)が第1金種の特定数量(c)を超えずに、第1金種の合算貨幣量(a+b)が、第1金種の基準貨幣量(c+d)を超える場合((a+b)>(c+d))も、バラ硬貨大袋合算回収処理が可能となる特定の条件が整ったと判定することになる。なお、制御部67は、この第1金種に関する第2判定にて、第1収納金庫55の貨幣量(b)が第1金種の特定数量(c)を超えずに、第1金種の合算貨幣量(a+b)が、第1金種の基準貨幣量(c+d)を超える場合((a+b)>(c+d))のみ、バラ硬貨大袋合算回収処理が可能となる特定の条件が整ったと判定するようにしても良い。
【0063】
ここで、第1金種の特定残量(d)を0に設定した場合、制御部67は、この第1金種に関する第2判定にて、第1収納金庫55の貨幣量(b)が第1金種の特定数量(c)を超えずに、第1スタッカ56の貨幣量(a)と第1収納金庫55の貨幣量(b)とを合算した第1金種の合算貨幣量(a+b)が、第1金種の特定数量(c)以上の場合((a+b)≧(c))に、バラ硬貨大袋合算回収処理が可能となる特定の条件が整ったと判定することになる。よって、第1金種の特定残量(d)を0に設定した場合、制御部67は、この第1金種に関する第2判定にて、第1収納金庫55の貨幣量(b)が第1金種の特定数量(c)を超えずに、第1金種の合算貨幣量(a+b)が、第1金種の特定数量(c)を超える場合((a+b)>(c))も、バラ硬貨大袋合算回収処理が可能となる特定の条件が整ったと判定することになる。なお、第1金種の特定残量(d)を0に設定した場合、制御部67は、この第1金種に関する第2判定にて、第1収納金庫55の貨幣量(b)が第1金種の特定数量(c)を超えずに、第1金種の合算貨幣量(a+b)が、第1金種の特定数量(c)を超える場合((a+b)>(c))のみ、バラ硬貨大袋合算回収処理が可能となる特定の条件が整ったと判定するようにしても良い。
【0064】
第2金種についても、第1判定にて、この条件判定開始時点での第2収納金庫55の貨幣量(b)が、第2金種の特定数量(c)以下の場合、第1金種と同様の第2判定を行う。すなわち、制御部67は、第2金種に関する第2判定にて、第2収納金庫55の貨幣量(b)と、第2スタッカ56の貨幣量(a)とを加算した第2金種の合算貨幣量(a+b)が、第2金種の特定数量(c)と第2金種の特定残量(d)とを加算した第2金種の基準貨幣量(c+d)以上であるか否かを判定する。そして、制御部67は、この第2金種に関する第2判定にて、第2金種の合算貨幣量(a+b)が第2金種の基準貨幣量(c+d)以上である場合((a+b)≧(c+d))、第2金種についてのバラ硬貨大袋合算回収処理が可能であると判定する一方、第2金種の合算貨幣量(a+b)が第2金種の基準貨幣量(c+d)よりも小さい場合((a+b)<(c+d))、第2金種についてのバラ硬貨大袋合算回収処理が不可であると判定する。
【0065】
第3金種についても、第1判定にて、この条件判定開始時点での第3収納金庫55の貨幣量(b)が、第3金種の特定数量(c)以下の場合、第1金種と同様の第2判定を行う。すなわち、制御部67は、第3金種に関する第2判定にて、第3収納金庫55の貨幣量(b)と、第3スタッカ56の貨幣量(a)とを加算した第3金種の合算貨幣量(a+b)が、第3金種の特定数量(c)と第3金種の特定残量(d)とを加算した第3金種の基準貨幣量(c+d)以上であるか否かを判定する。そして、制御部67は、この第3金種に関する第2判定にて、第3金種の合算貨幣量(a+b)が第3金種の基準貨幣量(c+d)以上である場合((a+b)≧(c+d))、第3金種についてのバラ硬貨大袋合算回収処理が可能であると判定する一方、第3金種の合算貨幣量(a+b)が第3金種の基準貨幣量(c+d)よりも小さい場合((a+b)<(c+d))、第3金種についてのバラ硬貨大袋合算回収処理が不可であると判定する。
【0066】
第4金種についても、第1判定にて、この条件判定開始時点での第4収納金庫55の貨幣量(b)が、第4金種の特定数量(c)以下の場合、第1金種と同様の第2判定を行う。すなわち、制御部67は、第4金種に関する第2判定にて、第4収納金庫55の貨幣量(b)と、第4スタッカ56の貨幣量(a)とを加算した第4金種の合算貨幣量(a+b)が、第4金種の特定数量(c)と第4金種の特定残量(d)とを加算した第4金種の基準貨幣量(c+d)以上であるか否かを判定する。そして、制御部67は、この第4金種に関する第2判定にて、第4金種の合算貨幣量(a+b)が第4金種の基準貨幣量(c+d)以上である場合((a+b)≧(c+d))、第4金種についてのバラ硬貨大袋合算回収処理が可能であると判定する一方、第4金種の合算貨幣量(a+b)が第4金種の基準貨幣量(c+d)よりも小さい場合((a+b)<(c+d))、第4金種についてのバラ硬貨大袋合算回収処理が不可であると判定する。
【0067】
第5金種についても、第1判定にて、この条件判定開始時点での第5収納金庫55の貨幣量(b)が、第5金種の特定数量(c)以下の場合、第1金種と同様の第2判定を行う。すなわち、制御部67は、第5金種に関する第2判定にて、第5収納金庫55の貨幣量(b)と、第5スタッカ56の貨幣量(a)とを加算した第5金種の合算貨幣量(a+b)が、第5金種の特定数量(c)と第5金種の特定残量(d)とを加算した第5金種の基準貨幣量(c+d)以上であるか否かを判定する。そして、制御部67は、この第5金種に関する第2判定にて、第5金種の合算貨幣量(a+b)が第5金種の基準貨幣量(c+d)以上である場合((a+b)≧(c+d))、第5金種についてのバラ硬貨大袋合算回収処理が可能であると判定する一方、第5金種の合算貨幣量(a+b)が第5金種の基準貨幣量(c+d)よりも小さい場合((a+b)<(c+d))、第5金種についてのバラ硬貨大袋合算回収処理が不可であると判定する。
【0068】
第6金種についても、第1判定にて、この条件判定開始時点での第6収納金庫55の貨幣量(b)が、第6金種の特定数量(c)以下の場合、第1金種と同様の第2判定を行う。すなわち、制御部67は、第6金種に関する第2判定にて、第6収納金庫55の貨幣量(b)と、第6スタッカ56の貨幣量(a)とを加算した第6金種の合算貨幣量(a+b)が、第6金種の特定数量(c)と第6金種の特定残量(d)とを加算した第6金種の基準貨幣量(c+d)以上であるか否かを判定する。そして、制御部67は、この第6金種に関する第2判定にて、第6金種の合算貨幣量(a+b)が第6金種の基準貨幣量(c+d)以上である場合((a+b)≧(c+d))、第6金種についてのバラ硬貨大袋合算回収処理が可能であると判定する一方、第6金種の合算貨幣量(a+b)が第6金種の基準貨幣量(c+d)よりも小さい場合((a+b)<(c+d))、第6金種についてのバラ硬貨大袋合算回収処理が不可であると判定する。
【0069】
制御部67は、以上のような条件判定を、貨幣処理機10の運用中、硬貨収納部51の入金の度、及び硬貨収納繰出部53の入出金の度に行って記憶している。そして、制御部67は、メインメニュー画面において、硬貨回収処理の選択操作が入力されると、記憶している条件判定の結果から、第1~第6金種に、バラ硬貨大袋合算回収処理が可能であると判定した金種がない場合、操作表示部69に表示される、図2に示す回収メニュー画面200において「バラ硬貨大袋合算回収」ボタン表示204は表示させないことになる。言い換えれば、回収メニュー画面200において、「バラ硬貨大袋合算回収」ボタン表示204は、選択操作可能な場合に限って追加的に表示される。このように、回収メニュー画面200において「バラ硬貨大袋合算回収」ボタン表示204を表示させなければ、「バラ硬貨大袋合算回収」ボタン表示204の選択が不可となる。すなわち、回収メニュー画面200の「バラ硬貨大袋合算回収」ボタン表示204は、上記の特定の条件が整った際に操作表示部69が出力、すなわち表示するものである。言い換えれば、操作表示部69は、上記の特定の条件が整った際に、当該特定の条件が整ったことを示す情報(回収メニュー画面200の「バラ硬貨大袋合算回収」ボタン表示204)を出力する。なお、「バラ硬貨大袋合算回収」ボタン表示204をメインメニュー画面に表示させるようにした場合も、第1~第6金種に、バラ硬貨大袋合算回収処理が可能であると判定した金種がない場合、制御部67は、「バラ硬貨大袋合算回収」ボタン表示204をメインメニュー画面に表示させないことになる。
【0070】
回収メニュー画面200において、「バラ硬貨大袋合算回収」ボタン表示204が表示された状態で、「バラ硬貨大袋合算回収」ボタン表示204が選択操作されると、制御部67は、上記の条件判定によって、第1~第6金種のうち、バラ硬貨大袋合算回収処理が可能であると判定した金種を、操作表示部69に選択可能に表示させる一方、バラ硬貨大袋合算回収処理が不可な金種を、操作表示部69に選択不可に表示させる。言い換えれば、操作表示部69は、上記の特定の条件が整った際に、条件が整った金種のみ、硬貨処理装置11に収納しているバラ硬貨Cを回収指示可能となる。制御部67は、回収メニュー画面200において、「バラ硬貨大袋合算回収」ボタン表示204が選択操作されると、金種選択を行うための、例えば、図3に示すような金種選択メニュー画面210を操作表示部69に表示させる。
【0071】
図3に示す金種選択メニュー画面210は、第1~第6金種が全て選択可能な場合を示している。この金種選択メニュー画面210は、「第1金種」ボタン表示211と、「第2金種」ボタン表示212と、「第3金種」ボタン表示213と、「第4金種」ボタン表示214と、「第5金種」ボタン表示215と、「第6金種」ボタン表示216と、「確定」ボタン表示217とを有している。
【0072】
ここで、制御部67は、第1~第6金種のうち、選択不可な金種については、バラ硬貨Cの貨幣量が不足している場合は、その旨を操作表示部69に表示させる一方、バラ硬貨Cの収納金庫55の貨幣量が過多である場合は、その旨を操作表示部69に表示させる。例えば、図3において、第1金種が、貨幣量不足で選択不可な場合、「第1金種」ボタン表示211が表示されず、かわりに「第1金種:貨幣量不足で選択不可」と表示される。また、例えば、第1金種が、貨幣量過多で選択不可な場合、「第1金種」ボタン表示211が表示されず、かわりに「第1金種:貨幣量過多で選択不可」と表示される。
【0073】
このように、金種選択メニュー画面210において、「第1金種」ボタン表示211、「第2金種」ボタン表示212、「第3金種」ボタン表示213、「第4金種」ボタン表示214、「第5金種」ボタン表示215及び「第6金種」ボタン表示216のうち、バラ硬貨大袋合算回収処理が不可な金種については、選択が不可となる。すなわち、金種選択メニュー画面210において、「第1金種」ボタン表示211、「第2金種」ボタン表示212、「第3金種」ボタン表示213、「第4金種」ボタン表示214、「第5金種」ボタン表示215及び「第6金種」ボタン表示216は、上記の特定の条件が整った際に操作表示部69が出力、すなわち表示するものである。言い換えれば、操作表示部69は、上記の特定の条件が整った際に、当該特定の条件が整ったことを示す情報(「第1金種」ボタン表示211、「第2金種」ボタン表示212、「第3金種」ボタン表示213、「第4金種」ボタン表示214、「第5金種」ボタン表示215及び「第6金種」ボタン表示216のうち特定の条件が整った金種のボタン表示))を出力する。
【0074】
金種選択メニュー画面210において、「第1金種」ボタン表示211と、「第2金種」ボタン表示212と、「第3金種」ボタン表示213と、「第4金種」ボタン表示214と、「第5金種」ボタン表示215と、「第6金種」ボタン表示216と、のうちの何れか一つが選択操作された後、「確定」ボタン表示217が操作されると、制御部67は、選択された単一金種についてのみバラ硬貨大袋合算回収処理を行う。
【0075】
金種選択メニュー画面210において、「第1金種」ボタン表示211と、「第2金種」ボタン表示212と、「第3金種」ボタン表示213と、「第4金種」ボタン表示214と、「第5金種」ボタン表示215と、「第6金種」ボタン表示216と、のうちの何れか複数或いは全部が選択操作された後、「確定」ボタン表示217が操作されると、制御部67は、選択された複数或いは全部の金種について、金種別に順次、バラ硬貨大袋合算回収処理を行う。
【0076】
すなわち、制御部67は、操作表示部69に入力された選択操作に基づいて、複数金種の中から少なくとも一つの金種についてバラ硬貨大袋合算回収処理を行う。
【0077】
ここでは、例えば、「第1金種」ボタン表示211と、「第2金種」ボタン表示212と、「第3金種」ボタン表示213と、「第4金種」ボタン表示214と、「第5金種」ボタン表示215と、「第6金種」ボタン表示216と、の全部が選択操作された後、「確定」ボタン表示217が操作された場合を例にとり説明する。この場合、制御部67は、第1~6金種について所定の順番でバラ硬貨大袋合算回収処理を行う。ここでは、制御部67は、第1金種、第2金種、第3金種、第4金種、第5金種、第6金種のように、額面の昇順に、バラ硬貨大袋合算回収処理を行うものとする。バラ硬貨大袋合算回収処理を行うものとして選択された複数或いは全部の金種の回収順序を操作表示部69において任意に設定可能としても良い。
【0078】
(第1金種についてのバラ硬貨大袋合算回収処理)
【0079】
制御部67は、第1金種の特定数量(c)から、第1収納金庫55の貨幣量(b)を減算した枚数である不足貨幣量(c-b)を算出する。そして、制御部67は、第1スタッカ56からバラ硬貨Cをこの不足貨幣量(c-b)分、繰り出させ、硬貨出金搬送部61で硬貨出金箱62に搬送させる。これにより、第1スタッカ56からのこの不足貨幣量(c-b)分のバラ硬貨Cが全て硬貨出金箱62に搬送されると、制御部67は、硬貨出金箱62の装置本体40へのロックを解除する。それと共に、制御部67は、硬貨収納部51の装置本体40へのロックを解除して、装置本体40から硬貨収納部51を引き出し可能とし第1収納金庫55を取り出し可能とする。加えて、制御部67は、操作表示部69に、装置本体40からの第1金種の第1収納金庫55の取り出しと、硬貨出金箱62の硬貨の取り出しとを案内表示し、その進捗を監視する。すると、操作者は、装置本体40から硬貨出金箱62を取り外して硬貨出金箱62の第1金種のバラ硬貨Cを大袋に収納すると共に、装置本体40から第1収納金庫55を取り出し、第1収納金庫55のバラ硬貨Cを同じ大袋に収納して、この大袋を封緘具によって封緘する。封緘された大袋には、特定数量(5000枚)の第1金種のバラ硬貨Cが収納される。大袋は封緘具によって封緘された状態で保管される。取り出された硬貨出金箱62が装置本体40に装填されたことを図示略のセンサが検知すると、制御部67は、硬貨出金箱62を装置本体40へロックして、第1スタッカ56の貨幣量(a)を、繰り出した枚数分減算して更新記憶する共に、第1収納金庫55の貨幣量(b)を0に更新記憶して、第1金種についてのバラ硬貨大袋合算回収処理を終了する。
【0080】
例えば、第1収納金庫55の貨幣量(b)が4950枚であった場合に、第1金種の特定数量(c)である5000枚から、4950枚を減算しての不足貨幣量(c-b)である50枚を算出する。そして、制御部67は、第1スタッカ56からバラ硬貨Cを不足貨幣量(c-b)である50枚分、硬貨出金箱62に出金する。これにより、5000枚のバラ硬貨Cを大袋に収納して封緘具で封緘できる。
【0081】
第2金種、第3金種、第4金種、第5金種及び第6金種についても、この順に、第1金種と同様の処理を行う。
【0082】
すなわち、第2金種についてのバラ硬貨大袋合算回収処理では、制御部67は、第2金種の特定数量(c)から第2収納金庫55の貨幣量(b)を減算した不足貨幣量(c-b)を算出し、第2スタッカ56からバラ硬貨Cをこの不足貨幣量(c-b)分、硬貨出金箱62に搬送させる。これにより、第2スタッカ56からこの不足貨幣量(c-b)分のバラ硬貨Cが全て硬貨出金箱62に搬送されると、制御部67は、硬貨出金箱62の装置本体40へのロックを解除すると共に、硬貨収納部51の装置本体40へのロックが解除されていなければ解除する。すると、操作者は、装置本体40から硬貨出金箱62を取り外して硬貨出金箱62のバラ硬貨Cを大袋に収納すると共に、装置本体40から第2収納金庫55を取り出し、第2収納金庫55のバラ硬貨Cを同じ大袋に収納して、この大袋を封緘具によって封緘する。取り出された硬貨出金箱62が装置本体40に装填されたことを図示略のセンサが検知すると、制御部67は、硬貨出金箱62を装置本体40へロックして、第2スタッカ56の貨幣量(a)を、繰り出した枚数分減算して更新記憶する共に、第2収納金庫55の貨幣量(b)を0に更新記憶し、第2金種についてのバラ硬貨大袋合算回収処理を終了する。
【0083】
同様に、第3金種についてのバラ硬貨大袋合算回収処理では、制御部67は、第3金種の特定数量(c)から第3収納金庫55の貨幣量(b)を減算した不足貨幣量(c-b)を算出し、第3スタッカ56からバラ硬貨Cをこの不足貨幣量(c-b)分、硬貨出金箱62に搬送させる。これにより、第3スタッカ56からこの不足貨幣量(c-b)分のバラ硬貨Cが全て硬貨出金箱62に搬送されると、制御部67は、硬貨出金箱62の装置本体40へのロックを解除すると共に、硬貨収納部51の装置本体40へのロックが解除されていなければ解除する。すると、操作者は、装置本体40から硬貨出金箱62を取り外して硬貨出金箱62のバラ硬貨Cを大袋に収納すると共に、装置本体40から第3収納金庫55を取り出し、第3収納金庫55のバラ硬貨Cを同じ大袋に収納して、この大袋を封緘具によって封緘する。取り出された硬貨出金箱62が装置本体40に装填されたことを図示略のセンサが検知すると、制御部67は、硬貨出金箱62を装置本体40へロックして、第3スタッカ56の貨幣量(a)を、繰り出した枚数分減算して更新記憶する共に、第3収納金庫55の貨幣量(b)を0に更新記憶し、第3金種についてのバラ硬貨大袋合算回収処理を終了する。
【0084】
同様に、第4金種についてのバラ硬貨大袋合算回収処理では、制御部67は、第4金種の特定数量(c)から第4収納金庫55の貨幣量(b)を減算した不足貨幣量(c-b)を算出し、第4スタッカ56からバラ硬貨Cをこの不足貨幣量(c-b)分、硬貨出金箱62に搬送させる。これにより、第4スタッカ56からこの不足貨幣量(c-b)分のバラ硬貨Cが全て硬貨出金箱62に搬送されると、制御部67は、硬貨出金箱62の装置本体40へのロックを解除すると共に、硬貨収納部51の装置本体40へのロックが解除されていなければ解除する。すると、操作者は、装置本体40から硬貨出金箱62を取り外して硬貨出金箱62のバラ硬貨Cを大袋に収納すると共に、装置本体40から第4収納金庫55を取り出し、第4収納金庫55のバラ硬貨Cを同じ大袋に収納して、この大袋を封緘具によって封緘する。取り出された硬貨出金箱62が装置本体40に装填されたことを図示略のセンサが検知すると、制御部67は、硬貨出金箱62を装置本体40へロックして、第4スタッカ56の貨幣量(a)を、繰り出した枚数分減算して更新記憶する共に、第4収納金庫55の貨幣量(b)を0に更新記憶し、第4金種についてのバラ硬貨大袋合算回収処理を終了する。
【0085】
同様に、第5金種についてのバラ硬貨大袋合算回収処理では、制御部67は、第5金種の特定数量(c)から第5収納金庫55の貨幣量(b)を減算した不足貨幣量(c-b)を算出し、第5スタッカ56からバラ硬貨Cをこの不足貨幣量(c-b)分、硬貨出金箱62に搬送させる。これにより、第5スタッカ56からこの不足貨幣量(c-b)分のバラ硬貨Cが全て硬貨出金箱62に搬送されると、制御部67は、硬貨出金箱62の装置本体40へのロックを解除すると共に、硬貨収納部51の装置本体40へのロックが解除されていなければ解除する。すると、操作者は、装置本体40から硬貨出金箱62を取り外して硬貨出金箱62のバラ硬貨Cを大袋に収納すると共に、装置本体40から第5収納金庫55を取り出し、第5収納金庫55のバラ硬貨Cを同じ大袋に収納して、この大袋を封緘具によって封緘する。取り出された硬貨出金箱62が装置本体40に装填されたことを図示略のセンサが検知すると、制御部67は、硬貨出金箱62を装置本体40へロックして、第5スタッカ56の貨幣量(a)を、繰り出した枚数分減算して更新記憶する共に、第5収納金庫55の貨幣量(b)を0に更新記憶し、第5金種についてのバラ硬貨大袋合算回収処理を終了する。
【0086】
同様に、第6金種についてのバラ硬貨大袋合算回収処理では、制御部67は、第6金種の特定数量(c)から第6収納金庫55の貨幣量(b)を減算した不足貨幣量(c-b)を算出し、第6スタッカ56からバラ硬貨Cをこの不足貨幣量(c-b)分、硬貨出金箱62に搬送させる。これにより、第6スタッカ56からこの不足貨幣量(c-b)分のバラ硬貨Cが全て硬貨出金箱62に搬送されると、制御部67は、硬貨出金箱62の装置本体40へのロックを解除すると共に、硬貨収納部51の装置本体40へのロックが解除されていなければ解除する。すると、操作者は、装置本体40から硬貨出金箱62を取り外して硬貨出金箱62のバラ硬貨Cを大袋に収納すると共に、装置本体40から第6収納金庫55を取り出し、第6収納金庫55のバラ硬貨Cを同じ大袋に収納して、この大袋を封緘具によって封緘する。取り出された硬貨出金箱62が装置本体40に装填されたことを図示略のセンサが検知すると、制御部67は、硬貨出金箱62を装置本体40へロックして、第6スタッカ56の貨幣量(a)を、繰り出した枚数分減算して更新記憶する共に、第6収納金庫55の貨幣量(b)を0に更新記憶し、第6金種についてのバラ硬貨大袋合算回収処理を終了する。
【0087】
以上では、第1~第6金種の全金種が選択された場合を例にとり説明したが、図3に示すような金種選択メニュー画面210において、第1~第6金種のうちの何れか一つ、または全部ではない複数が選択されて確定されると、制御部67は、選択されて確定された金種のみバラ硬貨大袋合算回収処理を行う。
【0088】
上記のようにして、第1~第6金種のうち、図3に示すような金種選択メニュー画面210で選択され、確定された全ての金種についてのバラ硬貨大袋合算回収処理が終了し、硬貨収納部51に第1~第6収納金庫55がセットされ、硬貨収納部51が装置本体40に押し込まれて、これを図示略のセンサが検知すると、制御部67は、硬貨収納部51を装置本体40にロックする。硬貨収納部51の装置本体40へのロックと硬貨出金箱62の装置本体40へのロックとが検知されると、制御部67は、これらの一連の動作及び情報を、履歴情報として記憶して、バラ硬貨大袋合算回収処理を終了する。なお、装置本体40から取り外された後に戻し入れられた第1~第6収納金庫55内のバラ硬貨Cが空であることを確認できる機構を設けても良い。
【0089】
ここで、制御部67は、図3に示すような金種選択メニュー画面210で操作者に金種選択操作を行わせることなく、バラ硬貨大袋合算回収処理が可能であると判定した全ての金種について、図2に示す回収メニュー画面200において「バラ硬貨大袋合算回収」ボタン表示204が選択されると、自動的に、順次、バラ硬貨大袋合算回収処理を行うようにしても良い。
【0090】
また、制御部67は、操作表示部69の回収メニュー画面200に、「バラ硬貨大袋合算回収」ボタン表示204を表示させる場合に、「バラ硬貨大袋合算回収」ボタン表示204の表示に加えて、特定の条件が整った金種情報を、追加的に表示しても良いし、金種情報ボタンを設けて、かつ、操作させることで、特定の条件が整った金種情報を表示させるようにしても良い。
【0091】
以上により、制御部67は、第1~第6金種のそれぞれについて、特定の条件が整って、操作表示部69に、バラ硬貨大袋合算回収処理の回収指示がなされると、第1~第6収納金庫55のうちの回収指示された金種のバラ硬貨Cをすべて回収可能とすると共に、第1~第6スタッカ56のうちの指示された金種のバラ硬貨Cの内の一部を回収可能とする。
【0092】
また、制御部67は、第1~第6金種のそれぞれについて、第1~第6スタッカ56のバラ硬貨Cの貨幣量(a)と、第1~第6収納金庫55のバラ硬貨Cの貨幣量(b)とを合算した合算貨幣量(a+b)が、特定数量(c)と予め設定される特定残量(d)とを合算した基準貨幣量(c+d)を超えた場合に、特定の条件が整ったと判定する。
【0093】
また、制御部67は、特定残量(d)を0とした場合、第1~第6金種のそれぞれについて、第1~第6スタッカ56のバラ硬貨Cの貨幣量(a)と、第1~第6収納金庫55のバラ硬貨Cの貨幣量(b)とを合算した合算貨幣量(a+b)が、特定数量(c)を超えた場合に、特定の条件が整ったと判定する。
【0094】
また、制御部67は、特定残量(d)が可変である。
【0095】
以上に述べた第1実施形態の貨幣処理機10は、制御部67が、第1~第6金種のそれぞれについて、操作表示部69へのバラ硬貨大袋合算回収処理の回収指示が可能となる特定の条件が整って、操作表示部69に、この回収指示がなされると、第1~第6収納金庫55のうちの、この回収指示がなされた金種のバラ硬貨Cをすべて回収可能とすると共に、第1~第6スタッカ56のうちの、この回収指示がなされた金種のバラ硬貨Cの内の一部を回収可能とする。これにより、貨幣処理機10は、例えば、第1金種のバラ硬貨Cを回収する際に、回収後の取り扱いとしてバラ硬貨Cが第1収納金庫55からのバラ硬貨Cの貨幣量を超えて回収できた方が便利な場合に、追加する分のバラ硬貨Cを第1スタッカ56から回収することができる。第2~第6金種の回収時も同様である。従って、貨幣処理機10は、回収後の取り扱いを考慮してバラ硬貨Cを回収することが可能となる。
【0096】
また、貨幣処理機10は、制御部67が、第1~第6金種のそれぞれについて、第1~第6スタッカ56の貨幣量(a)と、第1~第6収納金庫55の貨幣量(b)とを合算した合算貨幣量(a+b)が、特定数量(c)と予め設定される特定残量(d)とを合算した基準貨幣量(c+d)を超えた場合に、操作表示部69への回収指示が可能となる特定の条件が整ったと判定する。これにより、例えば、第1金種のバラ硬貨Cを回収する際に、第1スタッカ56から不足分の追加を行うと特定残量(d)を残すことができない場合に、操作表示部69への回収指示が不可となる。よって、無駄に処理が行われてしまうことがない。第2~第6金種の回収時も同様である。従って、貨幣処理機10は、第1~第6金種のそれぞれについて、無駄に処理が行われることなく、適正に特定数量(c)を回収することができる。
【0097】
この場合、制御部67は、貨幣処理機10を操作する操作者が、操作開始時に入力するID情報から、一般職ではなく、管理者権限等の特定の権限を有する管理職等の特定の資格を有する者による操作であることが確認されると、第1~第6金種のそれぞれについて、特定残量(d)に関わらず、第1~第6スタッカ56の貨幣量(a)と、第1~第6収納金庫55の貨幣量(b)とを合算した合算貨幣量(a+b)が、特定数量(c)を超えた場合に、操作表示部69への回収指示が可能となる特定の条件が整ったと判定することが可能となるようにしても良い。これにより、特定の権限を有する操作者による操作であれば、特定残量(d)が残らなくても、合算貨幣量(a+b)が、特定数量(c)を超えていればバラ硬貨Cを回収することが可能となり、状況に応じた対応が可能となる。従って、使い勝手性が向上する。この場合、枚数による特定の条件が整っている通常の場合と、条件付きでの場合とが区別できるように、操作表示部69にメニュー項目を表示させると良い。すなわち、条件付きである場合には、その後の貨幣処理機10の運用の取引で制限を受けるリスクがあることを認識させつつ、「バラ硬貨大袋合算回収」を実施可能とすることができる。
【0098】
また、貨幣処理機10は、制御部67が、特定残量(d)を0とした場合、第1~第6金種のそれぞれについて、第1~第6スタッカ56の金種のバラ硬貨Cの貨幣量(a)と、第1~第6収納金庫55の金種のバラ硬貨Cの貨幣量(b)とを合算した合算貨幣量(a+b)が、特定数量(c)を超えた場合に、操作表示部69への回収指示が可能となる特定の条件が整ったと判定する。これにより、例えば、第1金種のバラ硬貨Cを回収する際に、第1スタッカ56から不足分の追加を行うことができない場合に、操作表示部69への回収指示が不可となる。よって、無駄に処理が行われてしまうことがない。第2~第6金種の回収時も同様である。従って、貨幣処理機10は、第1~第6金種のそれぞれについて、無駄に処理が行われることなく、適正に特定数量(c)を回収することができる。
【0099】
また、貨幣処理機10は、特定残量(d)が、可変であるため、特定残量(d)に幅を持たせることができる。特定残量(d)を、例えば、これからバラ硬貨Cの入出金が多く行われる業務開始時には、最低限必要と考えられる枚数(例えば200枚)が設定され、これからバラ硬貨Cの入出金が少なくなってくる、業務終了間近にあっては、バラ硬貨Cの翌日への残置設定枚数にほぼイコールの枚数(例えば100枚)または残置しない場合には0枚、と言うように、業務時間経過に合わせて、時系列的に変化させることも可能となる。或いは、午後の入金が多い場合には、午前は特定残量(d)を多くし、午後早い段階で特定残量(d)を少なくすることも可能となる。
【0100】
また、貨幣処理機10は、操作表示部69が、操作表示部69への回収指示が可能となる特定の条件が整った際に、当該特定の条件が整ったことを示す情報を出力する。従って、操作表示部69への回収指示が可能となる特定の条件が整ったことを操作者に知らせることができる。
【0101】
また、貨幣処理機10は、第1~第6スタッカ56が、バラ硬貨Cを出金可能に金種別に収納し、第1~第6収納金庫55が、バラ硬貨Cを金種別に収納し、操作表示部69が、収納するバラ硬貨Cを特定の条件が整った際に金種別に回収指示可能である。そして、貨幣処理機10は、制御部67が、操作表示部69に回収指示がなされると、第1~第6金種のそれぞれについて、第1~第6収納金庫55の指示された金種のバラ硬貨Cをすべて回収可能とすると共に、第1~第6スタッカ56に収納される指示された金種のバラ硬貨Cの内の一部を回収可能とし、さらに、複数の金種のバラ硬貨Cにおいて、特定の条件が整った際には、金種別に、何れか一の金種のバラ硬貨Cから順に回収を可能とする。これにより、複数の第1~第6金種のそれぞれについて、第1~第6収納金庫55からの回収後の取り扱いとしてバラ硬貨Cが第1~第6収納金庫55からのバラ硬貨Cの貨幣量を超えて回収できた方が便利な場合に、追加する分のバラ硬貨Cを第1~第6スタッカ56から合わせて回収することができる。従って、貨幣処理機10は、回収後の取り扱いを考慮してバラ硬貨Cを回収することが可能となる。しかも、その際に、複数金種を金種別に、何れか一の金種のバラ硬貨Cから順に回収するため、複数金種が混在しないように、金種毎に分けてバラ硬貨Cを回収することができる。
【0102】
<第2実施形態>
本発明に係る第2実施形態の貨幣処理機を主に図4を参照して、第1実施形態との相違部分を中心に説明する。
【0103】
図4に示すように、第2実施形態においては、硬貨出金搬送部61の硬貨出金箱62よりも上流側から分岐して、入金搬送部33の入金識別計数部32よりも上流側に合流する転送搬送部231が設けられている。
【0104】
{バラ硬貨大袋合算回収処理}
第2実施形態においては、第1実施形態に対して、バラ硬貨大袋合算回収処理の一部が異なっている。
【0105】
回収メニュー画面200において、「バラ硬貨大袋合算回収」ボタン表示204が表示された状態で、「バラ硬貨大袋合算回収」ボタン表示204が選択操作されると、制御部67は、第1実施形態と同様、上記の条件判定によって、第1~第6金種のうち、バラ硬貨大袋合算回収処理が可能であると判定した金種を、操作表示部69に、金種選択メニュー画面210のように選択可能に表示させる。そして、第1実施形態と同様に、「第1金種」ボタン表示211、「第2金種」ボタン表示212、「第3金種」ボタン表示213、「第4金種」ボタン表示214、「第5金種」ボタン表示215及び「第6金種」ボタン表示216のうちの何れか一つ、または複数、または全部が選択操作された後、「確定」ボタン表示217が操作されると、制御部67は、選択された金種について、金種別に順にバラ硬貨大袋合算回収処理を行う。
【0106】
ここでも、例えば、「第1金種」ボタン表示211と、「第2金種」ボタン表示212と、「第3金種」ボタン表示213と、「第4金種」ボタン表示214と、「第5金種」ボタン表示215と、「第6金種」ボタン表示216と、の全部が選択操作された後、「確定」ボタン表示217が操作された場合を例にとり説明する。また、ここでも、制御部67は、第1~第6金種について額面の昇順にバラ硬貨大袋合算回収処理を行うものとする。
【0107】
制御部67は、第1金種の特定数量(c)から、第1収納金庫55の貨幣量(b)を減算した不足貨幣量(c-b)を算出する。そして、制御部67は、第1スタッカ56からバラ硬貨Cをこの不足貨幣量(c-b)分、繰り出させ、硬貨出金搬送部61から、転送搬送部231、入金搬送部33、貯留案内部47及び入金貯留部48を介して、この不足貨幣量(c-b)分のバラ硬貨Cを全て第1収納金庫55に搬送させる。その際に、入金識別計数部32によってバラ硬貨Cの識別及び計数を行って、異常の有無を確認するようにしても良い。
【0108】
第2金種、第3金種、第4金種、第5金種及び第6金種についても、この順に、第1金種と同様の処理を行う。
【0109】
すなわち、制御部67は、第2金種の不足貨幣量(c-b)を算出し、第2スタッカ56からバラ硬貨Cをこの不足貨幣量(c-b)分、繰り出させ、硬貨出金搬送部61から、転送搬送部231、入金搬送部33、貯留案内部47及び入金貯留部48を介して、第2収納金庫55に搬送させる。
【0110】
また、制御部67は、第3金種の不足貨幣量(c-b)を算出し、第3スタッカ56からバラ硬貨Cをこの不足貨幣量(c-b)分、繰り出させ、硬貨出金搬送部61から、転送搬送部231、入金搬送部33、貯留案内部47及び入金貯留部48を介して、第3収納金庫55に搬送させる。
【0111】
また、制御部67は、第4金種の不足貨幣量(c-b)を算出し、第4スタッカ56からバラ硬貨Cをこの不足貨幣量(c-b)分、繰り出させ、硬貨出金搬送部61から、転送搬送部231、入金搬送部33、貯留案内部47及び入金貯留部48を介して、第4収納金庫55に搬送させる。
【0112】
また、制御部67は、第5金種の不足貨幣量(c-b)を算出し、第5スタッカ56からバラ硬貨Cをこの不足貨幣量(c-b)分、繰り出させ、硬貨出金搬送部61から、転送搬送部231、入金搬送部33、貯留案内部47及び入金貯留部48を介して、第5収納金庫55に搬送させる。
【0113】
また、制御部67は、第6金種の不足貨幣量(c-b)を算出し、第6スタッカ56からバラ硬貨Cをこの不足貨幣量(c-b)分、繰り出させ、硬貨出金搬送部61から、転送搬送部231、入金搬送部33、貯留案内部47及び入金貯留部48を介して、第6収納金庫55に搬送させる。
【0114】
その後、制御部67は、硬貨収納部51の装置本体40へのロックを解除して、装置本体40から硬貨収納部51を引き出し可能とし第1~第6収納金庫55を取り出し可能とする。加えて、制御部67は、操作表示部69に、装置本体40からの第1~第6金種の第1~第6収納金庫55の取り出しを案内表示し、その進捗を監視する。
【0115】
すると、操作者は、装置本体40から第1収納金庫55を取り出し、第1収納金庫55のバラ硬貨Cを大袋に収納して、この大袋を封緘具によって封緘する。封緘された大袋には、特定数量(5000枚)の第1金種のバラ硬貨Cが収納される。
【0116】
また、操作者は、装置本体40から第2収納金庫55を取り出し、第2収納金庫55のバラ硬貨Cを大袋に収納して、この大袋を封緘具によって封緘する。封緘された大袋には、特定数量(4000枚)の第2金種のバラ硬貨Cが収納される。
【0117】
また、操作者は、装置本体40から第3収納金庫55を取り出し、第3収納金庫55のバラ硬貨Cを大袋に収納して、この大袋を封緘具によって封緘する。封緘された大袋には、特定数量(4000枚)の第3金種のバラ硬貨Cが収納される。
【0118】
また、操作者は、装置本体40から第4収納金庫55を取り出し、第4収納金庫55のバラ硬貨Cを大袋に収納して、この大袋を封緘具によって封緘する。封緘された大袋には、特定数量(4000枚)の第4金種のバラ硬貨Cが収納される。
【0119】
また、操作者は、装置本体40から第5収納金庫55を取り出し、第5収納金庫55のバラ硬貨Cを大袋に収納して、この大袋を封緘具によって封緘する。封緘された大袋には、特定数量(4000枚)の第5金種のバラ硬貨Cが収納される。
【0120】
また、操作者は、装置本体40から第6収納金庫55を取り出し、第6収納金庫55のバラ硬貨Cを大袋に収納して、この大袋を封緘具によって封緘する。封緘された大袋には、特定数量(2000枚)の第6金種のバラ硬貨Cが収納される。
【0121】
大袋は封緘具によって封緘された状態で保管される。引き出された硬貨収納部51に第1~第6収納金庫55がセットされ、硬貨収納部51が装置本体40に押し込まれて、これを図示略のセンサが検知すると、制御部67は、硬貨収納部51を装置本体40へロックして、第1~第6スタッカ56のそれぞれの貨幣量(a)を繰り出し枚数減算して更新記憶すると共に、第1~第6収納金庫55のそれぞれの貨幣量(b)を0に更新記憶して、バラ硬貨大袋合算回収処理を終了する。なお、第2実施形態においても、装置本体40から取り外された後に戻し入れられた第1~第6収納金庫55内のバラ硬貨Cが空であることを確認できる機構を設けることが可能である。
【0122】
以上では、第1~第6金種の全金種が選択された場合を例にとり説明したが、図3に示すような金種選択メニュー画面210で第1~第6金種のうちの何れかの金種が選択され確定されると、制御部67は、選択され確定された金種のみバラ硬貨大袋合算回収処理を行う。
【0123】
上記のようにして、硬貨収納部51の装置本体40へのロックが検知されると、制御部67は、これらの一連の動作及び情報を、履歴情報として記憶して、バラ硬貨大袋合算回収処理を終了する。
【0124】
以上に述べた第2実施形態の貨幣処理機10は、第1~第6スタッカ56から、硬貨出金搬送部61、転送搬送部231、入金搬送部33、貯留案内部47及び入金貯留部48を介して、第1~第6収納金庫55にバラ硬貨Cを搬送可能である。これにより、貨幣処理機10は、例えば、第1金種のバラ硬貨Cを回収する際に、回収後の取り扱いとしてバラ硬貨Cが第1収納金庫55の貨幣量(b)を超えて回収できた方が便利な場合に、追加する分のバラ硬貨Cを第1スタッカ56から第1収納金庫55に追加して回収することができる。第2~第6金種の回収時も同様である。従って、貨幣処理機10は、回収後の取り扱いを考慮してバラ硬貨Cを回収することが可能となる。しかも、第1~第6収納金庫55を、袋回収単位枚数である特定数量(c)にすることができるため、操作者による回収作業も容易となる。
【0125】
また、以上に述べた第2実施形態の貨幣処理機10においても、複数金種においてバラ硬貨大袋合算回収処理を行おうとする際には、任意の順で、一の金種ごとにバラ硬貨大袋合算回収処理を行う説明を行ったが、この第2実施形態の貨幣処理機10にあっては、硬貨出金搬送部61の硬貨出金箱62よりも上流側から分岐して、入金搬送部33の入金識別計数部32よりも上流側に合流する転送搬送部231が設けられることで、入金識別計数部32で転送されるバラ硬貨Cを識別し、貯留案内部47でバラ硬貨Cを金種別に分類して入金貯留部48に案内し、その後、第1~第6収納金庫55にバラ硬貨Cを搬送することができるため、必ずしも、一の金種ごとにバラ硬貨大袋合算回収処理を行う必要はなく、複数の金種のバラ硬貨Cに対し同時にバラ硬貨大袋合算回収処理を行うことも可能であるため、より作業効率を高めることができる。
【0126】
第1,第2実施形態においては、第1~第6収納金庫55が、それぞれバラ硬貨Cを金種別に収納する一方、繰り出しは行えない場合を例にとり説明した。これに対し、第1~第6収納金庫55が、第1~第6スタッカ56と同様に、それぞれバラ硬貨Cを金種別に収納すると共に繰り出して硬貨出金搬送部61に出金可能なものとしても良い。すると、第1~第6収納金庫55のそれぞれについて、特定数量(c)を超えてバラ硬貨Cを収納している場合にも、回収指示が可能となる。この場合、回収指示がなされると、第1~第6収納金庫55の装置本体40からの取り外しではなく、第1~第6収納金庫55から特定数量(c)を硬貨出金搬送部61を介して硬貨出金箱62に出金させるようにする。
【0127】
第2実施形態において、第1~第6収納金庫55が、それぞれバラ硬貨Cを金種別に収納すると共に繰り出して硬貨出金搬送部61に出金可能なものとした場合に、第1~第6収納金庫55が、硬貨出金搬送部61、転送搬送部231、入金搬送部33、貯留案内部47及び入金貯留部48を介して第1~第6スタッカ56にバラ硬貨Cを搬送することも可能となる。このため、第1~第6収納金庫55のそれぞれについて、特定数量(c)を超えてバラ硬貨Cを収納している場合について、特定数量(c)に対し余分となるバラ硬貨Cを第1~第6収納金庫55から第1~第6スタッカ56に搬送してから、第1~第6収納金庫55を取り出させることで、特定数量(c)が収納された状態の第1~第6収納金庫55からバラ硬貨Cが回収可能となる。
【0128】
なお、第1,第2実施形態においては、貨幣として、硬貨を処理する貨幣処理機を例にとり説明したが、貨幣として、紙幣を処理する貨幣処理機にも、上記した技術思想を適用することができる。
【符号の説明】
【0129】
10…貨幣処理機、55…第1~第6収納金庫(第二の収納部)、56…第1~第6スタッカ(第一の収納部)、67…制御部、69…操作表示部(指示部,表示部)、C…バラ硬貨(貨幣)。
図1
図2
図3
図4