(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058830
(43)【公開日】2024-04-30
(54)【発明の名称】保持装置、ワイヤ支持装置、ワイヤ支持セット、吊り下げセットおよび作業搬送システム
(51)【国際特許分類】
E04G 21/14 20060101AFI20240422BHJP
【FI】
E04G21/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022166186
(22)【出願日】2022-10-17
(71)【出願人】
【識別番号】517011065
【氏名又は名称】株式会社アイ・ロボティクス
(74)【代理人】
【識別番号】100123526
【弁理士】
【氏名又は名称】宮川 壮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100125036
【弁理士】
【氏名又は名称】深川 英里
(72)【発明者】
【氏名】安藤 嘉康
(72)【発明者】
【氏名】梶谷 健一
【テーマコード(参考)】
2E174
【Fターム(参考)】
2E174AA01
2E174BA02
2E174CA16
2E174CA38
(57)【要約】
【課題】構造物に対する作業を容易に行うことができる保持装置、ワイヤ支持装置、ワイヤ支持セット、吊り下げセットおよび作業搬送システムを提供すること。
【解決手段】構造物Tに対して作業を行うためのワイヤWiを支持し吊り下げ体2に吊り下げ可能なワイヤ支持装置3を保持する保持装置5であって、前記構造物Tに取り付けるための取付部と、前記取付部に設けられ前記吊り下げ体2に吊り下げられて搬送される前記ワイヤ支持装置3を保持する保持部とを備えることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造物に対して作業を行うためのワイヤを支持し吊り下げ体に吊り下げ可能なワイヤ支持装置を保持する保持装置であって、
前記構造物に取り付けるための取付部と、
前記取付部に設けられ前記吊り下げ体に吊り下げられて搬送される前記ワイヤ支持装置を保持する保持部と
を備える保持装置。
【請求項2】
前記保持部には、
上端から下端にわたって貫通し前記ワイヤ支持装置を上下方向に挿通させる貫通部が設けられている請求項1に記載の保持装置。
【請求項3】
前記保持部は環状に形成されている請求項2に記載の保持装置。
【請求項4】
前記保持部の周壁部に、上端から下端にわたって分離された分離部が設けられている請求項3に記載の保持装置。
【請求項5】
前記保持部の側方から前記分離部を介して前記貫通孔に配されるように前記ワイヤ支持装置を案内する案内部を備える請求項4に記載の保持装置。
【請求項6】
前記保持部の下端の開口面積が上端の開口面積よりも小さく設定されている請求項2から請求項5のいずれか一項に記載の保持装置。
【請求項7】
前記保持部の上端における開口部の中央部から一の縁部までの距離寸法と、当該中央部から他の縁部までの距離寸法とが異なって設定されている請求項2から請求項5のいずれか一項に記載の保持装置。
【請求項8】
構造物に対して作業を行うためのワイヤを支持し吊り下げ体に吊り下げ可能なワイヤ支持装置であって、
前記吊り下げ体に取り付けられる支持本体部と、
前記支持本体部に設けられ前記ワイヤを進退移動可能に支持するワイヤ支持部と
を備えるワイヤ支持装置。
【請求項9】
前記支持本体部の下端の面積が上端の面積よりも小さく設定されている請求項8に記載のワイヤ支持装置。
【請求項10】
前記支持本体部の下端の中央部から一の縁部までの距離寸法と、当該中央部から他の縁部までの距離寸法とが異なって設定されている請求項8又は請求項9に記載のワイヤ支持装置。
【請求項11】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の保持装置と、
請求項8又は請求項9のいずれか一項に記載のワイヤ支持装置と
を備えるワイヤ支持セット。
【請求項12】
請求項8又は請求項9に記載のワイヤ支持装置と、
前記吊り下げ体と
を備える吊り下げセット。
【請求項13】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の保持装置と、
請求項8又は請求項9のいずれか一項に記載のワイヤ支持装置と、
前記吊り下げ体と
を備える作業搬送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保持装置、ワイヤ支持装置、ワイヤ支持セット、吊り下げセットおよび作業搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばビルなどの構造物に対して塗装や点検などの種々の作業が行われている(例えば、特許文献1参照)。
このような作業として、例えばドローンなどに作業部を設けてドローンを飛行させてドローンから構造物に種々の作業を行うことが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このようにドローンから構造物に対して作業を行う場合、ドローンに対する外乱の影響を抑制するための各種制御やドローン操作の熟練度が必要になってしまうという問題がある
【0005】
以上に鑑みて、本発明は、構造物に対する作業を容易に行うことができる保持装置、ワイヤ支持装置、ワイヤ支持セット、吊り下げセットおよび作業搬送システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、構造物に対して作業を行うためのワイヤを支持し吊り下げ体に吊り下げ可能なワイヤ支持装置を保持する保持装置であって、前記構造物に取り付けるための取付部と、前記取付部に設けられ前記吊り下げ体に吊り下げられて搬送される前記ワイヤ支持装置を保持する保持部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本願の一観点によれば、構造物に対する作業を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態としての作業搬送システムを示す全体構成図である。
【
図7】
図1のワイヤ支持装置および保持装置を示す図であって、(A)はワイヤ支持装置が保持装置に接近した様子を示す説明図、(B)はワイヤ支持装置が保持装置に保持される前の様子を示す説明図、(C)はワイヤ支持装置が保持装置に保持された様子を示す説明図である。
【
図8】
図1の作業搬送システムによってタンクに塗装作業を行う様子を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施形態)
以下、本発明の実施形態における保持装置、ワイヤ支持装置、ワイヤ支持セット、吊り下げセットおよび作業搬送システムについて説明する。
図1は、本発明の実施形態としての作業搬送システム1を示す全体構成図である。
作業搬送システム1は、例えばタンクTなどの構造物に設置されてタンクTに対して作業を行うものである。本実施形態においては、タンクTに対して塗装作業を行うものとする。
作業搬送システム1は、ドローン2(吊り下げ体)と、ワイヤ支持装置3と、保持装置5とを備えている。
なお、ドローン2およびワイヤ支持装置3は、吊り下げセットとして機能するものであり、ワイヤ支持装置3および保持装置5は、ワイヤ支持セットとして機能するものである。
【0010】
ドローン2は、
図2に示すように、機器本体部21と、吊り下げ連結部22と、取り付け連結部23とを備えている。
機器本体部21は、プロペラ部21Aと、不図示の送受信部と、電動モータとを備えている。
プロペラ部21Aは、機器本体部21に取り付けられており、不図示の電動モータに連結されている。
このような構成のもと、ドローン2は、操作者による遠隔指示操作のもと、電動モータの駆動を制御することにより、プロペラ部21Aを回転させて空中を無人で飛行するようになっている。
【0011】
吊り下げ連結部22は、長尺部材からなり、ドローン2とワイヤ支持装置3とを着脱可能かつ吊り下げ可能に連結するものである。すなわち、吊り下げ連結部22の一端がドローン2に着脱可能に連結され、他端が取り付け連結部23を介してワイヤ支持装置3に着脱可能に連結されるようになっている。なお、吊り下げ連結部22は、例えば、ワイヤ、紐または鎖などからなっている。
取り付け連結部23は、
図3に示すように、張力判定連結部23Aと、固定アーム部23Bと、作動アーム部23Cとを備えている。
張力判定連結部23Aは、吊り下げ連結部22の他端が取り付けられるようになっている。この張力判定連結部23Aは、吊り下げ連結部22の張力を判定するようになっている。張力判定連結部23Aには固定アーム部23Bが固定されている。また、張力判定連結部23Aには、作動アーム部23Cが回転可能に連結されている。作動アーム部23Cは固定アーム部23Bに対して開閉可能に回転するようになっている。
このような構成のもと、張力判定連結部23Aが吊り下げ連結部22の張力を判定し、当該張力が0超の場合は、固定アーム部23Bと作動アーム部23Cとが閉じられた状態を維持し、一方、張力が弱まると、作動アーム部23Cが固定アーム部23Bに対して開かれるようになっている。
【0012】
ワイヤ支持装置3は、
図4に示すように、本体部31と、ワイヤ支持部32とを備えている。
本体部31は、支持本体部31Aと、上端面部31Bと、取手部31C(吊り下げ取付部)と、下端面部31Dと、支持連結部31Eとを備えている。
支持本体部31Aは、幅方向Wに延びる幅寸法が奥行き寸法に対して大きく設定されてすり鉢状に形成されている。支持本体部31Aの上端には上端面部31Bが設けられている。
上端面部31Bは、平面視して楕円形状にして形成されている。すなわち、平面視して上端面部31Bの中央部A1から幅方向Wに延ばされた位置に配される一の縁部P1までの距離寸法L1が、中央部A1から奥行方向に延ばされた位置に配される他の縁部P2までの距離寸法L2よりも大きく設定されている。つまり、距離寸法L1と距離寸法L2とが異なって設定されている。この上端面部31Bには、取手部31Cが設けられている。
取手部31Cは、手で把持されるものであり、かつ取り付け連結部23によって連結されるものである。
【0013】
支持本体部31Aの下端には下端面部31Dが設けられている。
下端面部31Dは、平面視して楕円形状にして形成されている。すなわち、平面視して下端面部31Dの中央部A2から幅方向Wに延ばされた位置に配される一の縁部P3までの距離寸法L3が、中央部A2から奥行方向に延ばされた位置に配される他の縁部P4までの距離寸法L4よりも大きく設定されている。つまり、距離寸法L3と距離寸法L4とが異なって設定されている。また、距離寸法L3は距離寸法L1に対して小さく設定され、距離寸法L4は距離寸法L2に対して小さく設定されている。そのため下端面部31Dの面積は上端面部31Bの面積よりも小さく設定されている。この下端面部31Dには、支持連結部31Eが設けられている。
支持連結部31Eは、柱状に延ばされた柱状部材であって、先端部にワイヤ支持部32が設けられている。
【0014】
ワイヤ支持部32は、支持連結部31Eに対して回転可能に設けられた滑車部32Aを備えている。滑車部32Aは、外周部においてワイヤWiが巻かれるようになっており、自ら回転することによりワイヤWiを進退移動可能に支持するようになっている。すなわち、ワイヤWiは、滑車部32Aに巻かれた状態で支持され、滑車部32Aが正回転することにより先端方向に送られ、滑車部32Aが逆回転することにより後端方向に戻されるようになっている。
【0015】
保持装置5は、
図5および
図6に示すように、保持部51と、取付部52と、案内部55とを備えている。
保持部51は、上下方向に延びる軸線Nを中心として楕円環状に形成されている。すなわち、保持部51は、上下方向に延びる軸線N回りに設けられた周壁部53を備えており、周壁部53の中央部は、上端から下端にわたって軸線N方向に貫通する貫通部56が形成されている。この保持部51は、幅方向Wに延びる幅寸法が奥行き寸法に対して大きく設定されてすり鉢状に形成されている。周壁部53の内周面57は、支持本体部31Aの外形と相補形状とされている。すなわち、内周面57と支持本体部31Aの外形とは同形状とされており、支持本体部31Aが周壁部53に対して凹凸配置されるようになっている。周壁部53には、上端から下端にわたって分離された分離部54が形成されている。分離部54は周壁部53の周方向の一部を上端から下端にわたって切り欠いており貫通部56に連通している。すなわち、保持部51の側方から分離部54を介して貫通部56の内方に到達するようになっている。
【0016】
保持部51の上端面部51Aは、平面視して楕円形状に形成されている。すなわち、上端面部51Aの開口部は平面視して楕円形状になっており、上端面部51Aの中央部A10から幅方向Wに延ばされた位置に配される一の縁部P10までの距離寸法L10が、中央部A10から奥行方向Dに延ばされた位置に配される他の縁部P20までの距離寸法L20よりも大きく設定されている。つまり、距離寸法L10と距離寸法L20とが異なって設定されている。この上端面部51Aには、案内部55が設けられている。
案内部55は、一対の棒状部材とされており、分離部54の近傍に設けられている。すなわち、一方の案内部55は、保持部51の周方向の一方の端部から径方向外方に延ばされるように設けられ、他方の案内部55は、保持部51の周方向の他方の端部から径方向外方に延ばされるように設けられている。これら一対の案内部55の基端部同士の幅方向Wにおける距離寸法より、先端部同士の距離寸法の方が大きく設定されている。すなわち、案内部55は、上端面部51Aにおいて、互いの距離寸法が基端部から先端部に向かって漸次大きくなるように、分離部54から径方向外方に突出するように設けられている。つまり、案内部55は、平面視して分離部54から径方向外方にハ字状に広がるように上端面部51Aに設けられている。そのため、案内部55は、ワイヤ支持装置3が保持部51の径方向の外方から分離部54を介して貫通部56の内方に到達するように案内するようになっている。
【0017】
保持部51の下端面部51Bは、平面視して楕円形状に形成されている。すなわち、下端面部51Bの開口部は平面視して楕円形状になっており、下端面部51Bの中央部A10から幅方向Wに延ばされた位置に配される一の縁部P11までの距離寸法L11が、中央部A10から奥行方向Dに延ばされた位置に配される他の縁部P21までの距離寸法L21よりも大きく設定されている。つまり、距離寸法L11と距離寸法L21とが異なって設定されている。また、距離寸法L11は距離寸法L10に対して小さく設定され、距離寸法L21は距離寸法L20に対して小さく設定されている。そのため貫通部56の下端の開口面積は上端の開口面積よりも小さく設定たれている。
取付部52は、保持部51の外周のうち分離部54に対して径方向に対向する位置に設けられている。この取付部52は、タンクTの上縁部に着脱可能に取り付けられるようになっている。
【0018】
次いで、作業搬送システム1の動作について説明する。
まず、
図1に示すように、タンクTの上縁部に取付部52を介して保持装置5を2つ取り付ける。このとき、保持装置5は、保持部51の軸線Nが上下方向に配されるようにしてタンクTに取り付けられる。これら2つの保持装置5は、その間においてタンクTに対する塗装作業を行うために必要な所定の距離を空けて取り付けられる。
また、滑車部32AにワイヤWiを巻いてワイヤWiが滑車部32Aの外周に配されるようにする。
さらに、ドローン2に吊り下げ連結部22の一端を取り付け、他端を取り付け連結部23を介して取手部31Cに取り付ける。すなわち、作動アーム部23Cを開いた状態から当該作動アーム部23Cを閉じることにより、固定アーム部23Bと作動アーム部23Cとによって取手部31Cの内方空間を挟むようにする。この状態から、操作者による遠隔指示のもと、タンクTに取り付けられた保持装置5に向けてドローン2を飛行させていく。
【0019】
ドローン2を保持装置5に近づけると、
図7(A)に示すように、支持本体部31Aが保持部51の上方の近傍に配され、滑車部32Aが保持部51の下方の近傍に配される位置にドローン2を移動させる。このとき、支持連結部31Eが分離部54に側方から径方向に対向する位置になるようにする。
この状態からドローン2を保持部51の奥行方向に移動させていく。すると、支持連結部31Eが保持部51に側方から径方向に対向していることから、支持連結部31Eが分離部54に向かって移動していく。このとき、案内部55が分離部54からハ字状に広がっていることから、支持連結部31Eが一対の案内部55の間を移動していく。すなわち、支持連結部31Eが一対の案内部55に適宜接触して、分離部54から周方向に離れないように規制されながら、案内部55に案内されて分離部54に移動していく。
【0020】
そして、ドローン2をさらに進めていくと、
図7(B)に示すように、支持連結部31Eが分離部54を通って貫通部56に配される。このとき、支持本体部31Aが保持部51の上方に配され、支持連結部31Eが貫通部56を上下に挿通して滑車部32Aが保持部51の下方に配される。すなわち、ワイヤ支持装置3が貫通部56を介して上下方向に挿通する。
さらに、ドローン2を下方に移動させていく。すると、
図7(C)に示すように、支持本体部31Aが上方から貫通部56内に配されていく。すなわち、支持本体部31Aの下端面部31Dが保持部51の上端の開口部から貫通部56内に配されていく。このとき、支持本体部31Aおよび保持部51がすり鉢状に形成されていることから、支持本体部31Aの外周面が保持部51の内周面に適宜接触し案内されながら下方に移動していく。さらに、支持本体部31Aおよび保持部51が平面視して楕円形状に形成されていることから、支持本体部31Aの外周面が保持部51の内周面に適宜接触し案内されて支持本体部31Aおよび保持部51の楕円の向きが互いに揃えられることにより、保持部51に対する支持本体部31Aの軸線N回りの回転位置が決められる。すなわち、支持本体部31Aの軸線N回りの回転位置が変わると、滑車部32Aの軸線N回りの回転位置も変わってしまうが、支持本体部31Aの軸線N回りの回転位置が決められるため、滑車部32Aが幅方向Wに向けられてタンクTの壁面に平行になるように配される。
【0021】
さらに、ドローン2を下方に移動させていくと、支持本体部31Aの外周面が保持部51の内周面に接触する。これにより、滑車部32AにワイヤWiが通された状態で、支持本体部31Aが保持部51により下方から保持される。そして、ドローン2を下方に移動させていくと、吊り下げ連結部22の長さ寸法よりもドローン2が支持本体部31Aに近付くことにより、吊り下げ連結部22の張力が弱まる。すると、張力判定連結部23Aが吊り下げ連結部22の張力が弱まったことを判定し、作動アーム部23Cを開く。これにより、取り付け連結部23が取手部31Cから取り外される。この状態で、操作者による遠隔指示のもと、ドローン2をワイヤ支持装置3および保持装置5から離していき、所定の着地点に着地させる。
なお、他方の保持装置5にも同様にして、ワイヤ支持装置3が設けられる。
【0022】
そして、
図8に示すように、2つのワイヤ支持装置3から延びるそれぞれのワイヤWiの一端部に塗装装置7を取り付ける。また、それぞれのワイヤWiの他端部には協調制御ウィンチ8を取り付ける。さらに、塗装装置7から一対の張力維持装置9にワイヤWiを連結する。そして、協調制御ウィンチ8からのワイヤWiの進退を制御することにより、塗装装置7がタンクTの壁面に対向した状態で吊り下げられる。このとき、張力維持装置9によりワイヤWiの張力が維持される。このような状態から、協調制御ウィンチ8を制御してワイヤWiを送り出したり巻き取ったりしながら、張力維持装置9がワイヤWiの張力を維持しつつ塗装装置7がタンクTの壁面に沿って所定のルートで移動していく。このとき、塗装装置7の移動に応じて、滑車部32Aが回転してワイヤWiをスムーズに進退させる。塗装装置7の移動に応じて、塗装部71から塗装剤を壁面に向かって適宜吐出することにより、壁面が塗装されていく。このようにして、タンクTの壁面に対する塗装作業が行われる。
【0023】
なお、塗装作業が終わると、ドローン2をワイヤ支持装置3の上方に飛行させて、取り付け連結部23が取手部31Cに取り付けられるようにする。そして、ワイヤ支持装置3がドローン2に吊り下げられた状態で、上記と反対の動作により、保持装置5から離されていき、ドローン2に吊り下げられながら所定の位置に戻される。
【0024】
以上より、本実施形態における保持装置5によれば、取付部52と保持部51とを備えていることから、構造物に取り付けられた状態で、吊り下げ体によって吊り下げられて空中を搬送されてきたワイヤ支持装置3を保持することができる。そのため、ワイヤを利用して構造物に対する作業を容易に行うことができる。
また、貫通部56が設けられていることから、ワイヤ支持装置3を上方から下方にわたって挿通させることができ、ワイヤ支持装置3を下方から保持することができる。
また、保持部51が環状に形成されていることから、吊り下げ体に吊り下げられたワイヤ支持装置3を挿通させて容易に保持することができる。また、保持部51が楕円環状に形成されていることから、相補形状とされる支持本体部31Aの軸線N回りの回転位置を揃えることができる。そのため、ワイヤ支持装置3を所定の回転位置において容易に保持することができる。
また、周壁部53に分離部54が設けられていることから、吊り下げ体に吊り下げられたワイヤ支持装置3を側方から保持部51に配して保持することができる。
【0025】
また、案内部55が設けられていることから、吊り下げ体に吊り下げられたワイヤ支持装置3を保持部51に向けて側方から案内することができ、保持部51に容易に配して保持することができる。
また、下端面部51Bの開口面積が上端面部51Aの開口面積よりも小さく設定されていることから、吊り下げ体に吊り下げられたワイヤ支持装置3を上方から下方に移動させるときに、保持部51の内周面57がワイヤ支持装置3を保持部51内の中央に案内することができ、ワイヤ支持装置3を保持部51に容易に配して保持することができる。
また、距離寸法L10,L11と距離寸法L20,L21とがそれぞれ異なって設定されていることから、相補形状とされる支持本体部31Aの軸線N回りの回転位置を揃えることができる。そのため、ワイヤ支持装置3を所定の回転位置において容易に保持することができる。
【0026】
また、本実施形態におけるワイヤ支持装置3によれば、支持本体部31Aとワイヤ支持部32とを備えていることから、吊り下げ体に吊り下げられた状態で搬送されて、構造物に取り付けられた保持装置5によって容易に保持されることができる。そのため、ワイヤを利用して構造物に対する作業を容易に行うことができる。
また、支持本体部31Aの下端面部31Dの面積が上端面部31Bの面積よりも小さく設定されていることから、吊り下げ体に吊り下げられた状態で保持装置5に対して上方から下方に移動させるときに、支持本体部31Aの外周面が保持部51内の中央に支持本体部31Aが配されるように案内することができ、保持部51によって容易に保持されることができる。
また、距離寸法L1,L3と距離寸法L2,L4とがそれぞれ異なって設定されていることから、相補形状とされる保持部51の内周面57において軸線N回りの回転位置を揃えることができる。そのため、保持部51によって所定の回転位置において容易に保持されることができる。
【0027】
また、本実施形態におけるワイヤ支持セットによれば、保持装置5とワイヤ支持装置3とを備えていることから、上記と同様の効果を奏することができるだけでなく、構造物に対して迅速に作業を行うことができる。
また、本実施形態における吊り下げセットによれば、ワイヤ支持装置3とドローン2(吊り下げ体)とを備えていることから、上記と同様の効果を奏することができるだけでなく、構造物に対して迅速に作業を行うことができる。
また、本実施形態における作業搬送システム1によれば、ドローン2と、ワイヤ支持装置3と、保持装置5とを備えていることから、上記と同様の効果を奏することができるだけでなく、構造物に対して迅速に作業を行うことができる。
【0028】
なお、本発明の技術範囲は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更を加えることが可能である。
図9は、保持装置5およびワイヤ支持装置3の変形例を示す説明図である。
この変形例と前述の実施形態とは基本的構成は同一であり、ここでは主として異なる点について説明する。
この変形例における保持装置5は、円環状に形成された保持部51を備えている。すなわち、保持部51の上端面部51Aおよび下端面部51Bは、平面視して円形状とされている。さらに、貫通部56の上端の開口部および下端の開口部も平面視して円形状とされている。また、保持部51の内周面57には保持側位置決め部58が設けられている。保持側位置決め部58は、磁石からなっており、軸線N回りのワイヤ支持装置3の回転位置を決めるための位置決め手段として機能するものである。保持側位置決め部58は、内周面57のうち分離部54に対して径方向に対向する位置に設けられている。
【0029】
また、この変形例におけるワイヤ支持装置3は、平面視して円形状とされている。すなわち、支持本体部31Aの上端面部31B及び下端面部31Dは、平面視して円形状とされている。支持本体部31Aには、ワイヤ側位置決め部34が設けられている。ワイヤ側位置決め部34は、磁石からなっており、保持装置5において軸線N回りの回転位置を決めるための位置決め手段として機能するものである。ワイヤ側位置決め部34は、支持本体部31Aの上方の中央部において支持本体部31Aの軸線N1回りに回転可能に設けられている。また、ワイヤ側位置決め部34には連結軸34Bを介して位置決め取手部34Aが設けられている。位置決め取手部34Aは、幅方向Wに棒状に伸ばされており、取手部31Cの内方に設けられている。そして、位置決め取手部34Aを上方に引っ張ると、位置決め取手部34Aが上方に平行移動し、これにより連結軸34Bを介してワイヤ側位置決め部34が上方に移動する。このとき、ワイヤ側位置決め部34は軸線N1回りに回転しながら移動する。一方、位置決め取手部34Aを解放すると、位置決め取手部34Aが元の位置に向かって下方に平行移動し、これにより、連結軸34Bを介してワイヤ側位置決め部34が軸線N1回りに回転しながら元の位置に向かって下方に移動する。すなわち、ワイヤ側位置決め部34は、例えば所定の方向にN極の磁性を及ぼす下方の位置と、同方向にS極の磁性を及ぼす上方の位置とで軸線N1回りに回転しながら移動するようになっている。
【0030】
このような構成のもと、取り付け連結部23を位置決め取手部34Aではなく取手部31Cに連結した状態でドローン2を飛行させる。そして、ドローン2から吊り下げられた状態でワイヤ支持装置3を上方から保持部51に降ろしていくと、保持側位置決め部58とワイヤ側位置決め部34とが磁力によって引きつけられ、支持本体部31Aが軸線N回りに回転する。そして、保持側位置決め部58とワイヤ側位置決め部34とが対向した状態で支持本体部31Aが保持部51内に配される。これにより、保持部51におけるワイヤ支持装置3の軸線N回りの回転位置を容易に決めることができる。一方、ワイヤ支持装置3を回収するときは、取り付け連結部23を位置決め取手部34Aに連結した状態でドローン2を飛行させる。すると、位置決め取手部34Aが上方に引っ張られ、ワイヤ側位置決め部34が軸線N1回りに回転し、保持側位置決め部58に対して同極の磁性を及ぼす。そのため、ワイヤ側位置決め部34と保持側位置決め部58とが反発し、ワイヤ支持装置3が解放され、ドローン2によって所定の位置まで搬送されていく。これにより、位置決めしたワイヤ支持装置3を容易に回収することができる。
【0031】
また、保持部51に貫通部56が設けられているとしているが、これに限ることはなく、貫通部56でなくてもよい。すなわち、ワイヤ支持装置3を少なくとも上下方向に通すものであれば、その構成は適宜変更可能である。また、貫通部56の横断面形状は、円形または楕円形でなくてもよく、例えば、三角形状や四角形状などの多角形状やその他の形状であってもよい。
また、保持部51が円環状または楕円環状であるとしているが、これに限ることはなく、その構成は適宜変更可能である。例えば、三角形状や四角形状などの多角形状やその他の形状であってもよいし、これらの形状であって先端部を漸次小さく設定してすり鉢状にしてもよい。また、保持部51は、ワイヤ支持装置3を保持するものであれば、環状でなくてもよい。
また、分離部54が設けられているとしているが、これに限ることはなく、その構成は適宜変更可能である。例えば、上端から下端にわたって少なくとも一部が分離されていてもよいし、分離部54が設けられていなくてもよい。このとき、例えばワイヤ支持部32のワイヤ支持部32を保持部51に対して上方から通すようにしてもよい。
【0032】
また、案内部55が設けられているとしているが、これに限ることはなく、その構成は適宜変更可能である。例えば、分離部54の縁部において上端から下端にわたって延在させてもよいし、保持部51の下端面部51Bや高さ方向の中央部に設けられていてもよい。また、案内部55がハ字状でなくてもよく、互いに平行に配したり逆ハ字状にしたりしてもよい。さらに、案内部55は一対でなくてもよく、少なくともいずれか一方のみであってもよいし、案内部55が設けられていなくてもよい。
また、保持部51の下端面部51Bの開口面積が、上端面部51Aの開口面積よりも小さく設定されているとしているが、これに限ることはなく、その構成は適宜変更可能である。例えば、互いの開口面積が同じでもよいし、下端面部51Bの開口面積が上端面部51Aの開口面積よりも大きく設定されていてもよい。
【0033】
また、距離寸法L10,L11と距離寸法L20,L21とがそれぞれ異なって設定されているとしているが、これに限ることはなく、その構成は適宜変更可能である。例えば、距離寸法L10,L11と距離寸法L20,L21とがそれぞれ同一に設定されていてもよい。
【0034】
また、ワイヤ支持装置3の支持本体部31Aが平面視して円形または楕円形としているが、これに限ることはなく、その構成は適宜変更可能である。例えば、例えば、三角形状や四角形状などの多角形状やその他の形状であってもよいし、これらの形状であって先端部を漸次小さく設定してすり鉢状にしてもよい。
また、ワイヤ支持部32が滑車部32Aを備えるとしているが、これに限ることはなく、その構成は適宜変更可能である。例えば、滑車のような回転体でなくてもよく、固定された状態でワイヤWiを支持するものであってもよい。
また、支持本体部31Aの下端面部31Dの面積が上端面部31Bの面積よりも小さく設定されているとしているが、これに限ることはなく、その構成は適宜変更可能である。例えば、互いの面積が同じでもよいし、下端面部31Dの面積が上端面部31Bの面積よりも大きく設定されていてもよい。
【0035】
また、距離寸法L1,L3と距離寸法L2,L4とがそれぞれ異なって設定されているとしているが、これに限ることはなく、その構成は適宜変更可能である。例えば、距離寸法L1,L3と距離寸法L2,L4とがそれぞれ同一に設定されていてもよい。
また、保持部51におけるワイヤ支持装置3の軸線N回りの回転位置を決める位置決め手段として、保持側位置決め部58およびワイヤ側位置決め部34を設けたり、内周面57および支持本体部31Aの外形を楕円形状にしたりしているが、これに限ることはなく、その構成は適宜変更可能である。例えば、ワイヤ側位置決め部34が支持本体部31Aの外周面に設けられていてもよいし、支持本体部31Aと保持部51の形状を軸線N回りに回転不能な形状としてもよい。
【0036】
また、支持本体部31Aが凸として保持部51が凹として凹凸配置されるとしているが、これに限ることはなく、その構成は適宜変更可能である。例えば、支持本体部31Aが凹として保持部51が凸として支持本体部31Aが上方から保持部51に凹凸配置されて保持されるようになっていてもよい。また、支持本体部31Aと保持部51とが凹凸配置されるようになっていなくてもよい。例えば、支持本体部31Aが保持部51に載置されたり係止されたりすることにより保持されてもよい。
また、支持本体部31Aと保持部51とが相補形状になっていなくてもよい。例えば、支持本体部31Aが保持部51に載置されたり係止されたりすることにより保持されてもよい。
また、保持部51は、ワイヤ支持装置3が上方から配されて下方から保持するとしているが、これに限ることはなく、その構成は適宜変更可能である。例えば、保持部51は、ワイヤ支持装置3が下方から配されて上方から保持するようにしてもよい。すなわち、保持部51が、機械的・電磁気的・化学的作用によりワイヤ支持装置3を上方から保持してもよい。
また、保持装置5がタンクTに2つ取り付けられるとしているが、これに限ることはなく、その構成は適宜変更可能である。例えば、保持装置5を1つ取り付けてもよいし、3つ以上取り付けてもよい。
【0037】
また、ドローン2が、ワイヤ支持装置3を保持装置5に設置したあと、所定の位置に戻ってきて、作業完了後に、再び飛行して、取手部31Cに取り付け連結部23を改めて連結してワイヤ支持装置3を回収するとしているが、これに限ることはなく、適宜変更可能である。例えば、ドローン2がワイヤ支持装置3を保持装置5に設置したあと、ドローン2はワイヤ支持装置3に連結されたままタンクTや保持部51の上方に載置されて、作業完了後に、再び飛行して、連結されたままのワイヤ支持装置3を回収するようにしてもよい。これにより、ワイヤ支持装置3を容易に回収することができる。
また、取り付け連結部23の構成は適宜変更可能であり、取手部31Cに対して着脱可能に連結するようにして構成してもよいし、固定的に連結するようにしてもよい。また、取り付け連結部23は設けられていなくてもよい。
【0038】
また、ワイヤ支持装置3がワイヤWiを支持した状態で、ドローン2がワイヤ支持装置3を吊り下げて飛行するとしているが、これに限ることはなく、適宜変更可能である。例えば、ワイヤ支持装置3がワイヤWiを支持しない状態で、ドローン2によってワイヤ支持装置3が吊り下げられて保持装置5に設置された後に、ワイヤWiをワイヤ支持部32に支持させるようにしてもよい。
また、吊り下げ体がドローン2であるとしているが、これに限ることはなく、その構成は適宜変更可能である。例えば、RC(Radio Control)機や他の無人航空機などであってもよいし、有人航空機、ウィンチまたはバルーン等であってもよい。さらに、例えば人がワイヤ支持装置3を持って吊り下げるようにすることも可能であり、この場合、吊り下げ体としては人の身体であってもよい。
また、本実施形態においては、空中での作業を例示しているが、これに限ることはなく、適宜変更可能である。例えば、作業搬送システム1は、空中や水中などの流体中での作業を行うことができる。具体的には、空中の他にも、海や川の中などでも作業を行うことができる。
【0039】
また、構造物がタンクTであるとしているが、これに限ることはなく、その構成は適宜変更可能である。例えば、ビル、施設、家屋、橋、ダム、アトラクションなどの人工構造物や、土砂、山、氷、植物などの自然物などであってもよい。また、壁面が鉛直方向に延ばされているが、これに限ることはなく、作業の対象が傾斜していたり、水平方向に延ばされていたりしてもよい。壁面は曲面や平面でなくてもよく、種々の作業対象物とすることができる。
また、作業が塗装作業であるとしているが、これに限ることはなく、適宜変更可能である。例えば、作業とは、点検作業、補修作業、解体作業、新築作業または情報提示作業などを含むものである。これらのうち、点検作業、補修作業、解体作業または新築作業をさらに具体的に示すと、作業対象のヒビやサビなどの検査作業、作業対象の厚さなどの測定作業、洗浄作業、塗装作業、切断作業、掘削作業または破壊作業などを含む。洗浄作業であれば、吐出物としては洗浄剤とすることができる。また、検査作業や測定作業などであれば、作業部として、測定対象を認識するためのカメラ部を設けることができる。また、切断作業、掘削作業または破壊作業などであれば、作業部として、ドリル、チェーンソーまたはワイヤーソーなどを設けることができる。また、情報提示作業とは、作業対象に対して、文字、図形、記号または絵柄などを描いたり映したりすることを含む。
【0040】
既述の実施形態に関し、さらに以下の付記を示す。
(付記1)
構造物に対して作業を行うためのワイヤを支持し吊り下げ体に吊り下げ可能なワイヤ支持装置を保持する保持装置であって、
前記構造物に取り付けるための取付部と、
前記取付部に設けられ前記吊り下げ体に吊り下げられて搬送される前記ワイヤ支持装置を保持する保持部と
を備える保持装置。
【0041】
(付記2)
前記保持部には、
上端から下端にわたって貫通し前記ワイヤ支持装置を上下方向に挿通させる貫通部が設けられている付記1に記載の保持装置。
【0042】
(付記3)
前記保持部は環状に形成されている付記1または付記2に記載の保持装置。
【0043】
(付記4)
前記保持部の周壁部に、上端から下端にわたって分離された分離部が設けられている付記2または付記3に記載の保持装置。
【0044】
(付記5)
前記保持部の側方から前記分離部を介して前記貫通孔に配されるように前記ワイヤ支持装置を案内する案内部を備える付記4に記載の保持装置。
【0045】
(付記6)
前記保持部の下端の開口面積が上端の開口面積よりも小さく設定されている付記2から付記5のいずれか一項に記載の保持装置。
【0046】
(付記7)
前記保持部の上端における開口部の中央部から一の縁部までの距離寸法と、当該中央部から他の縁部までの距離寸法とが異なって設定されている付記2から付記6のいずれか一項に記載の保持装置。
【0047】
(付記8)
構造物に対して作業を行うためのワイヤを支持し吊り下げ体に吊り下げ可能なワイヤ支持装置であって、
前記吊り下げ体に取り付けられる支持本体部と、
前記支持本体部に設けられ前記ワイヤを進退移動可能に支持するワイヤ支持部と
を備えるワイヤ支持装置。
【0048】
(付記9)
前記支持本体部の下端の面積が上端の面積よりも小さく設定されている付記8に記載のワイヤ支持装置。
【0049】
(付記10)
前記支持本体部の下端の中央部から一の縁部までの距離寸法と、当該中央部から他の縁部までの距離寸法とが異なって設定されている付記8又は付記9に記載のワイヤ支持装置。
【0050】
(付記11)
付記1から付記7のいずれか一項に記載の保持装置と、
付記8から付記10のいずれか一項に記載のワイヤ支持装置と
を備えるワイヤ支持セット。
【0051】
(付記12)
付記8から付記10のいずれか一項に記載のワイヤ支持装置と、
前記吊り下げ体と
を備える吊り下げセット。
【0052】
(付記13)
付記1から付記7のいずれか一項に記載の保持装置と、
付記8から付記10のいずれか一項に記載のワイヤ支持装置と、
前記吊り下げ体と
を備える作業搬送システム。
【符号の説明】
【0053】
2 ドローン(吊り下げ体)
3 ワイヤ支持装置
31A 支持本体部
32 ワイヤ支持部
5 保持装置
51 保持部
52 取付部
53 周壁部
54 分離部
55 案内部
56 貫通部
A1,A2,A10 中央部
L1,L2,L3,L4,L10,L11,L20,L21 距離寸法
P1,P3,P10,P11 一の縁部
P2,P4,P20,P21 他の縁部
T タンク(構造物)
Wi ワイヤ