(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058831
(43)【公開日】2024-04-30
(54)【発明の名称】給電システムおよび給電方法
(51)【国際特許分類】
H02J 50/80 20160101AFI20240422BHJP
H02J 50/20 20160101ALI20240422BHJP
H02J 50/12 20160101ALI20240422BHJP
H02J 50/40 20160101ALI20240422BHJP
【FI】
H02J50/80
H02J50/20
H02J50/12
H02J50/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022166188
(22)【出願日】2022-10-17
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】仁瓶 広誉
(72)【発明者】
【氏名】橘田 遼慧
(57)【要約】
【課題】動作に必要な電力を有していない受電装置に対する給電を開始することができる給電システムおよび給電方法を提供する。
【解決手段】送電部は、第1の電力と、前記第1の電力よりも大きい第2の電力と、前記第1の電力よりも大きい第3の電力とを受電装置に送信する。前記送電部が前記第1の電力を前記受電装置に送信した後、第1の認証部は前記受電装置を認証する。前記送電部が前記第2の電力を前記受電装置に送信した後、第2の認証部は前記受電装置を認証する。前記第1の認証部が前記受電装置を認証した後、前記送電部は前記第2の電力を前記受電装置に送信する。前記第2の認証部が前記受電装置を認証した後、前記送電部は前記第3の電力を前記受電装置に送信する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の電力と、前記第1の電力よりも大きい第2の電力と、前記第1の電力よりも大きい第3の電力とを受電装置に送信する送電部と、
前記送電部が前記第1の電力を前記受電装置に送信した後、前記受電装置を認証する第1の認証部と、
前記送電部が前記第2の電力を前記受電装置に送信した後、前記受電装置を認証する第2の認証部と、
を備え、
前記第1の認証部が前記受電装置を認証した後、前記送電部は前記第2の電力を前記受電装置に送信し、
前記第2の認証部が前記受電装置を認証した後、前記送電部は前記第3の電力を前記受電装置に送信する
給電システム。
【請求項2】
前記送電部が前記第1の電力を前記受電装置に送信する前、前記受電装置は起動しておらず、
前記送電部が前記第1の電力を前記受電装置に送信した後、前記受電装置は起動し、
前記受電装置が起動した後、前記第1の認証部は前記受電装置を認証する
請求項1に記載の給電システム。
【請求項3】
前記送電部を有する送電装置と、
前記第1の認証部および前記第2の認証部を有する給電制御サーバと、
を備え、
前記第1の認証部は、前記送電装置を介して前記受電装置から受信された第1の情報を使用することにより前記受電装置を認証し、
前記第2の認証部は、前記送電装置を介して前記受電装置から受信された第2の情報を使用することにより前記受電装置を認証する
請求項1または請求項2に記載の給電システム。
【請求項4】
前記送電部が前記第1の電力を前記受電装置に送信した後、前記受電装置は、前記第1の情報を含むビーコン信号を送信し、
前記送電装置は、前記ビーコン信号を受信することにより前記第1の情報を取得し、取得された前記第1の情報を前記給電制御サーバに送信し、
前記送電部が前記第2の電力を前記受電装置に送信した後、前記受電装置は、前記第2の情報を送信し、
前記送電装置は、前記第2の情報を受信し、受信された前記第2の情報を前記給電制御サーバに送信する
請求項3に記載の給電システム。
【請求項5】
前記受電装置は、前記受電装置を識別する識別情報を含む前記ビーコン信号を所定時間の間隔で送信し、
前記送電装置は、前記所定時間内に受信された前記ビーコン信号に含まれる前記識別情報を前記給電制御サーバに送信し、
前記給電制御サーバは、前記識別情報を記憶する記憶部を有し、前記記憶部に記憶されている前記識別情報のうち、前記送電装置から受信されなかった前記識別情報がある場合、起動していない前記受電装置が存在していることを示す状態情報を前記送電装置に送信し、
前記状態情報が前記給電制御サーバから受信された場合、前記送電部は前記第1の電力を前記受電装置に送信する
請求項4に記載の給電システム。
【請求項6】
前記受電装置は、前記受電装置を識別する識別情報を含む前記ビーコン信号を所定時間の間隔で送信し、
前記給電制御サーバは、前記識別情報を記憶する記憶部を有し、前記記憶部に記憶されている前記識別情報を前記送電装置に送信し、
前記給電制御サーバから受信された前記識別情報を含む前記ビーコン信号が前記所定時間内に受信されない場合、前記送電部は前記第1の電力を前記受電装置に送信する
請求項4に記載の給電システム。
【請求項7】
前記送電部および前記第1の認証部を有する送電装置と、
前記第2の認証部を有する給電制御サーバと、
を備え、
前記第1の認証部は、前記受電装置から受信された第1の情報を使用することにより前記受電装置を認証し、
前記第2の認証部は、前記送電装置を介して前記受電装置から受信された第2の情報を使用することにより前記受電装置を認証する
請求項1または請求項2に記載の給電システム。
【請求項8】
前記送電部が前記第1の電力を前記受電装置に送信した後、前記受電装置は、前記第1の情報を含むビーコン信号を送信し、
前記送電装置は、前記ビーコン信号を受信することにより前記第1の情報を取得し、
前記送電部が前記第2の電力を前記受電装置に送信した後、前記受電装置は、前記第2の情報を送信し、
前記送電装置は、前記第2の情報を受信し、受信された前記第2の情報を前記給電制御サーバに送信する
請求項7に記載の給電システム。
【請求項9】
前記受電装置は、前記受電装置を識別する識別情報を含む前記ビーコン信号を所定時間の間隔で送信し、
前記送電装置は、前記所定時間内に受信された前記ビーコン信号に含まれる前記識別情報を前記給電制御サーバに送信し、
前記給電制御サーバは、前記識別情報を記憶する記憶部を有し、前記記憶部に記憶されている前記識別情報のうち、前記送電装置から受信されなかった前記識別情報がある場合、起動していない前記受電装置が存在していることを示す状態情報を前記送電装置に送信し、
前記状態情報が前記給電制御サーバから受信された場合、前記送電部は前記第1の電力を前記受電装置に送信する
請求項8に記載の給電システム。
【請求項10】
前記受電装置は、前記受電装置を識別する識別情報を含む前記ビーコン信号を所定時間の間隔で送信し、
前記給電制御サーバは、前記識別情報を記憶する記憶部を有し、前記記憶部に記憶されている前記識別情報を前記送電装置に送信し、
前記給電制御サーバから受信された前記識別情報を含む前記ビーコン信号が前記所定時間内に受信されない場合、前記送電部は前記第1の電力を前記受電装置に送信する
請求項8に記載の給電システム。
【請求項11】
送電部が第1の電力を受電装置に送信するステップと、
前記送電部が前記第1の電力を前記受電装置に送信した後、第1の認証部が前記受電装置を認証するステップと、
前記第1の認証部が前記受電装置を認証した後、前記送電部が前記第1の電力よりも大きい第2の電力を前記受電装置に送信するステップと、
前記送電部が前記第2の電力を前記受電装置に送信した後、第2の認証部が前記受電装置を認証するステップと、
前記第2の認証部が前記受電装置を認証した後、前記送電部が前記第1の電力よりも大きい第3の電力を前記受電装置に送信するステップと、
を備える給電方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給電システムおよび給電方法に関する。
【背景技術】
【0002】
コンセント等を用いた有線による給電手段、あるいはQi(チー)等の国際規格で規定されるような無線による給電手段により給電する技術がある。例えば、特許文献1には、ニューラルネットワークを利用して給電条件を決定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
中長距離のワイヤレス給電を行う給電システムは、送電装置および受電装置を有する。受電装置はビーコン信号を定期的に送信する。送電装置は、ビーコン信号を受信することにより、受電装置の存在を認識する。必要に応じて受電装置の認証が実行され、受電装置への給電が開始される。
【0005】
しかしながら、受電装置が動作に必要な電力を有していない場合、受電装置はビーコン信号を送信することができない。そのため、受電装置への給電が開始されない。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、動作に必要な電力を有していない受電装置に対する給電を開始することができる給電システムおよび給電方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、第1の電力と、前記第1の電力よりも大きい第2の電力と、前記第1の電力よりも大きい第3の電力とを受電装置に送信する送電部と、前記送電部が前記第1の電力を前記受電装置に送信した後、前記受電装置を認証する第1の認証部と、前記送電部が前記第2の電力を前記受電装置に送信した後、前記受電装置を認証する第2の認証部と、を備え、前記第1の認証部が前記受電装置を認証した後、前記送電部は前記第2の電力を前記受電装置に送信し、前記第2の認証部が前記受電装置を認証した後、前記送電部は前記第3の電力を前記受電装置に送信する給電システムである。
【0008】
本発明は、送電部が第1の電力を受電装置に送信するステップと、前記送電部が前記第1の電力を前記受電装置に送信した後、第1の認証部が前記受電装置を認証するステップと、前記第1の認証部が前記受電装置を認証した後、前記送電部が前記第1の電力よりも大きい第2の電力を前記受電装置に送信するステップと、前記送電部が前記第2の電力を前記受電装置に送信した後、第2の認証部が前記受電装置を認証するステップと、前記第2の認証部が前記受電装置を認証した後、前記送電部が前記第1の電力よりも大きい第3の電力を前記受電装置に送信するステップと、を備える給電方法である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、給電システムおよび給電方法は、動作に必要な電力を有していない受電装置に対する給電を開始することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の第1の実施形態による給電システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】本発明の第1の実施形態による給電制御サーバの構成を示すブロック図である。
【
図3】本発明の第1の実施形態における登録情報の例を示す図である。
【
図4】本発明の第1の実施形態によるTX(送電装置)の構成を示すブロック図である。
【
図5】本発明の第1の実施形態によるRX(受電装置)の構成を示すブロック図である。
【
図6】本発明の第1の実施形態による給電システムが実行する処理の流れを示す図である。
【
図7】本発明の第1の実施形態による給電システムが実行する処理の流れを示す図である。
【
図8】本発明の第1の実施形態の変形例によるTX(送電装置)の構成を示すブロック図である。
【
図9】本発明の第1の実施形態の変形例による給電システムが実行する処理の流れを示す図である。
【
図10】本発明の第2の実施形態による給電システムが実行する処理の流れを示す図である。
【
図11】本発明の第2の実施形態の変形例による給電システムが実行する処理の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態を説明する。
【0012】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態を説明する。
図1は、第1の実施形態による給電システム1の構成例を示す。給電システム1は、RX30に給電を行うサービス(以下、給電サービス)に適用される。給電システム1は、例えば、給電制御サーバ10と、複数のTX20(TX20-1~20-4)とを備える。給電制御サーバ10は、給電サービスを行う事業者が管理するサーバ装置である。TX20は給電制御サーバ10の制御にしたがって電力を送信する送電装置である。RX30は、TX20から送信された電力を受電する受電装置である。
【0013】
TX20の各々は給電エリアE1~E3に設けられ、給電エリアE1~E3には複数のRX(受電装置)30が存在している。この図の例では、給電エリアE1にはTX20-1が設けられ、RX30A-1~30A-Lが存在している。給電エリアE2にはTX20-2,20-3が設けられ、RX30B-1~30B-M、RX30C-1~30C-N、RX30D-1~30D-Oが存在している。給電エリアE3にはTX20-4が設けられ、RX30E-1~30E-Pが存在している。L、M、N、O、Pの各々は任意の自然数である。TX20の各々は、給電制御サーバ10の制御にしたがって、TX20の各々が設けられた給電エリアE1~E3に存在するRX30に給電を行う。
【0014】
図2は、給電制御サーバ10の構成を示す。給電制御サーバ10は、例えば、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを備える。通信部11は、TX20と通信を行う。記憶部12は、例えば、登録情報120を記憶する。
【0015】
図3は、登録情報120の例を示す。登録情報120は、給電サービスの提供を受ける登録者に関する情報である。登録情報120は、登録者ごとに作成される。登録情報120は、例えば、登録者ID、加入プラン、登録デバイスなどの項目に対応する情報により構成される。登録者IDは、給電サービスの提供を受けるユーザとして登録された登録者を一意に識別する情報である。加入プランは、給電サービスにおいて登録者が加入したプランに関する情報である。
【0016】
登録デバイスは、登録者が、給電サービスにより給電する対象として登録したデバイス(RX30)に関する情報である。この図の例に示すように、登録デバイスとして、複数のデバイス(デバイス1、デバイス2、…)が登録デバイスとして示されていてもよい。デバイスに関する情報として、例えば、デバイスID、パスワード、給電仕様などの各項目に対応する情報が示される。デバイスIDは、デバイスを一意に識別する識別情報である。パスワードは、RX30に給電を実行するか否かを判定する認証に用いられるパスワードである。例えば、TX20がRX30にパスワードを要求し、そのRX30から得られたパスワードが、登録情報120に予め登録されたパスワードと一致した場合、そのRX30に対する給電が開始される。給電仕様は、デバイスを給電する場合における給電の仕様であって、例えば、デバイスが受電可能な最大電力および最大電圧などを含む。
【0017】
記憶部12は、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read / write Memory)、またはROM(Read Only Memory)などの記憶媒体、あるいはこれらの組合せである。記憶部12は、給電制御サーバ10の各種処理を実行するためのプログラム、および各種処理を実行する際に利用される一時的なデータを記憶する。
【0018】
制御部13は、例えば、取得部130と、認証部131と、給電制御部132とを備える。制御部13が備えるこれらの機能部、すなわち、取得部130、認証部131、および給電制御部132のそれぞれは、給電制御サーバ10がハードウェアとして備えるCPU(Central Processing Unit)にプログラムを実行させることによって実現される。
【0019】
取得部130は、各種の情報を取得する。例えば、取得部130は、認証を実行するために用いられる情報、例えばRX30からTX20を介して通知されるデバイスIDおよびパスワードを、通信部11を介して取得する。認証部131は、取得部130によって取得されたデバイスIDおよびパスワードを使用することにより認証を実行する。給電制御部132は、TX20が実行する給電を制御する。
【0020】
図4は、TX20の構成を示す。TX20は、例えば、通信部21と、記憶部22と、制御部23とを備える。通信部21は、給電制御サーバ10およびRX30と通信を行う。通信部21は、給電制御サーバ10と通信を行う第1の通信部と、RX30と通信を行う第2の通信部とを有してもよい。例えば、第1の通信部は、無線通信または有線通信を給電制御サーバ10と行う。第2の通信部は、無線通信をRX30と行う。
【0021】
記憶部22は、HDD、フラッシュメモリ、EEPROM、RAM、またはROMなどの記憶媒体、あるいはこれらの組合せである。記憶部22は、TX20の各種処理を実行するためのプログラム、および各種処理を実行する際に利用される一時的なデータを記憶する。
【0022】
制御部23は、例えば、取得部230と、検出部231と、通信制御部232と、給電部233とを備える。制御部23が備えるこれらの機能部、すなわち、取得部230、検出部231、通信制御部232、および給電部233のそれぞれは、TX20がハードウェアとして備えるCPUにプログラムを実行させることによって実現される。
【0023】
取得部230は、各種の情報を取得する。例えば、取得部230は、RX30が定期的に送信するビーコン信号を、通信部21を介して取得する。取得部230は、取得したビーコン信号を検出部231に出力する。検出部231は、ビーコン信号に基づいてRX30を検出する。
【0024】
通信制御部232は、給電制御サーバ10との通信、および、RX30との通信を制御する。TX20は、図示されていないアンテナを有しており、給電部233は、電波をRX30に送信することにより給電を行う。給電部233が給電を行う方法としては、任意の方法が採用されてよい。例えば、電磁誘導、電波受信、共鳴などを用いて給電する方式を採用することができる。
【0025】
図5は、RX30の構成を示す。RX30は、例えば、通信部31と、記憶部32と、制御部33と、バッテリー34とを備える。通信部31は、TX20と通信を行う。
【0026】
記憶部32は、HDD、フラッシュメモリ、EEPROM、RAM、またはROMなどの記憶媒体、あるいはこれらの組合せである。記憶部32は、RX30の各種処理を実行するためのプログラム、および各種処理を実行する際に利用される一時的なデータを記憶する。例えば、記憶部32は、デバイスIDおよびパスワードを記憶する。
【0027】
制御部33は、例えば、取得部330と、通信制御部331と、受電部332とを備える。制御部33が備えるこれらの機能部、すなわち、取得部330、通信制御部331、および受電部332のそれぞれは、RX30がハードウェアとして備えるCPUにプログラムを実行させることによって実現される。
【0028】
取得部330は、各種の情報を取得する。例えば、取得部330は、TX20から送信された信号を、通信部21を介して取得する。取得部330は、取得した信号を通信制御部331に出力する。通信制御部331は、TX20との通信を制御する。RX30は、図示されていないアンテナを有しており、受電部332は、受電を行う。受電部332は、TX20の給電部233から送信された給電用の電波を受信し、受信した電波を用いてバッテリー34に電力を蓄積させる。RX30は、バッテリー34を有さずに、TX20から受信した電力で実行可能な範囲で処理を実行する機器であってもよい。
【0029】
図6および
図7を用いて、給電システム1が実行する処理の流れを説明する。
図6および
図7は、給電システム1が実行する処理の流れを示す。
図6に示す処理が実行された後、
図7に示す処理が実行される。
【0030】
図6に示す処理が実行される前、RX30のバッテリー34の残量は0であり、RX30は起動していないことを想定している。あるいは、RX30はバッテリー34を有しておらず、RX30は起動していないことを想定している。以下では、RX30がバッテリー34を有する場合の例を説明する。RX30がバッテリー34を有していない場合に対しても以下の処理を適用することができる。
【0031】
RX30が起動していない場合であっても、受電部332はTX20から送信された電波を受信し、バッテリー34を充電することができる。バッテリー34の残量がビーコン信号を送信するために必要な電力よりも小さく、RX30が起動していてもよい。
【0032】
(ステップS1)
TX20は、第1の電力をRX30に送信する。具体的には、給電部233は、バッテリー34に第1の電力を蓄積させるために必要な電波をRX30に送信する。受電部332は、その電波を受信し、バッテリー34に第1の電力を蓄積させる。第1の電力は、RX30が起動するために必要な最低限の電力である。例えば、第1の電力は、RX30が起動しビーコン信号を送信するのに必要な電力以上の電力である。
【0033】
(ステップS2)
第1の電力がバッテリー34に蓄積された後、RX30は起動する。バッテリー34の残量が0よりも大きくRX30が既に起動している場合、このステップは実行されない。
【0034】
(ステップS3)
RX30の通信制御部331は、記憶部32に記憶されているデバイスIDを含むビーコン信号を生成し、ビーコン信号を通信部31に出力する。通信部31は、ビーコン信号を送信する。通信部31は、定期的にビーコン信号を送信する。
【0035】
(ステップS4)
TX20の通信部21は、RX30から送信されたビーコン信号を受信する。取得部230は、通信部21を介してビーコン信号を取得する。取得部230は、取得したビーコン信号を検出部231に出力する。検出部231は、取得部230からビーコン信号を取得し、取得したビーコン信号にデバイスIDが含まれている場合、そのデバイスIDに対応するRX30が存在すると判定する。検出部231は、判定結果を、ビーコン信号と共に通信制御部232に出力する。
【0036】
(ステップS5)
RX30が存在すると検出部231によって判定された場合、通信制御部232は、給電制御サーバ10に第1の認証を要求するための認証要求を生成し、認証要求を通信部21に出力する。認証要求は、取得部230によって取得されたビーコン信号に含まれるデバイスIDを含む。第1の認証は、簡易的な認証である。通信部21は、認証要求を給電制御サーバ10に送信する。
【0037】
(ステップS6)
給電制御サーバ10の通信部11は、TX20から送信された認証要求を受信する。取得部130は、認証要求に含まれるデバイスIDを、通信部11を介して取得する。認証部131は、第1の認証を実行する。具体的には、認証部131は、取得されたデバイスIDと同じデバイスIDが記憶部12の登録情報120に含まれるか否かを判定する。取得されたデバイスIDと同じデバイスIDが登録情報120に含まれる場合、認証が成功する。取得されたデバイスIDと同じデバイスIDが登録情報120に含まれない場合、認証が失敗する。
【0038】
(ステップS7)
認証部131は、第1の認証の結果を示す認証結果を通信部11に出力する。通信部11は、認証結果をTX20に送信する。
【0039】
(ステップS8)
TX20の通信部21は、給電制御サーバ10から送信された認証結果を受信する。取得部230は、通信部21を介して認証結果を取得する。認証結果が認証の失敗を示す場合、
図6および
図7に示す処理が終了する。認証結果が認証の成功を示す場合、TX20は、第2の電力をRX30に送信する。具体的には、給電部233は、バッテリー34に第2の電力を蓄積させるために必要な電波をRX30に送信する。受電部332は、その電波を受信し、バッテリー34に第2の電力を蓄積させる。第2の電力は、第1の電力よりも大きく、RX30が第2の認証に必要な電力である。例えば、第2の電力は、RX30が第2の認証に必要な情報をTX20に送信するために必要な電力以上の電力である。第2の認証は、第1の認証が成功した場合に実行される認証であり、RX30の各種動作に必要な電力をTX20から受信するために必要な認証である。
【0040】
(ステップS9)
TX20の通信制御部232は、パスワードを要求するためのパスワード要求を生成し、パスワード要求を通信部21に出力する。通信部21は、パスワード要求をRX30に送信する。
【0041】
(ステップS10)
RX30の通信部31は、TX20から送信されたパスワード要求を受信する。取得部330は、通信部31を介してパスワード要求を取得する。通信制御部331は、記憶部32に記憶されているパスワードおよびデバイスIDを含むパスワード応答を生成し、パスワード応答を通信部31に出力する。通信部31は、パスワード応答をTX20に送信する。
【0042】
(ステップS11)
TX20の通信部21は、RX30から送信されたパスワード応答を受信する。取得部230は、通信部21を介してパスワード応答を取得する。通信制御部232は、給電制御サーバ10に第2の認証を要求するための認証要求を生成し、認証要求を通信部21に出力する。認証要求は、取得部230によって取得されたパスワード応答に含まれるパスワードおよびデバイスIDを含む。通信部21は、認証要求を給電制御サーバ10に送信する。
【0043】
(ステップS12)
給電制御サーバ10の通信部11は、TX20から送信された認証要求を受信する。取得部130は、認証要求に含まれるパスワードおよびデバイスIDを、通信部11を介して取得する。認証部131は、第2の認証を実行する。具体的には、認証部131は、取得されたパスワードと同じパスワードが記憶部12の登録情報120に含まれ、かつ取得されたデバイスIDと同じデバイスIDが記憶部12の登録情報120に含まれるか否かを判定する。取得されたパスワードと同じパスワードが記憶部12の登録情報120に含まれ、かつ取得されたデバイスIDと同じデバイスIDが登録情報120に含まれる場合、認証が成功する。取得されたパスワードと同じパスワードが記憶部12の登録情報120に含まれない場合、または取得されたデバイスIDと同じデバイスIDが登録情報120に含まれない場合、認証が失敗する。
【0044】
(ステップS13)
認証部131は、第2の認証の結果を示す認証結果を通信部11に出力する。通信部11は、認証結果をTX20に送信する。
【0045】
(ステップS14)
TX20の通信部21は、給電制御サーバ10から送信された認証結果を受信する。取得部230は、通信部21を介して認証結果を取得する。認証結果が認証の失敗を示す場合、
図6および
図7に示す処理が終了する。認証結果が認証の成功を示す場合、TX20は、第3の電力をRX30に送信する。具体的には、給電部233は、バッテリー34に第3の電力を蓄積させるために必要な電波をRX30に送信する。受電部332は、その電波を受信し、バッテリー34に第3の電力を蓄積させる。第3の電力は、第1の電力よりも大きく、RX30の通常の動作に必要な電力である。第3の電力は、第2の電力と同じであるか、または第2の電力と異なる。第3の電力は、第2の電力よりも大きくてもよいし、または第2の電力よりも小さくてもよい。
【0046】
RX30は、デバイスIDに代えて簡易的なパスワードを含むビーコン信号を送信し、TX20は簡易的なパスワードを含む認証要求を給電制御サーバ10に送信してもよい。給電制御サーバ10は、簡易的なパスワードを使用することにより第1の認証を実行してもよい。例えば、RX30の製品出荷時に簡易的なパスワードがRX30の記憶部32に記憶されてもよい。RX30の情報が給電制御サーバ10に登録されるときに、簡易的なパスワードが給電制御サーバ10の記憶部12の登録情報120に登録されてもよい。
【0047】
RX30は、デバイスIDおよびパスワードに代えて、RX30の電子署名およびRX30の公開鍵を含む情報をTX20に送信し、TX20はその情報を含む認証要求を給電制御サーバ10に送信してもよい。給電制御サーバ10は、RX30の公開鍵を使用してRX30の電子署名を検証することにより第2の認証を実行してもよい。
【0048】
RX30が起動するために必要な電力がRX30ごとに異なる場合がある。例えば、あるRX30は第1の電力で起動できるが、他のRX30は第1の電力では起動できない場合がある。そのため、TX20は、第1の電力と第2の電力との間で徐々に電力を増加させながら、繰り返し電力を送信してもよい。RX30が起動するために必要な電力がRX30ごとに異なる場合であっても、TX20は、RX30が確実に起動するために必要な電力をRX30に送信することができる。
【0049】
RX30は、電力がない(バッテリー34の残量が0である)ことを示す情報を含むビーコン信号を送信してもよい。電力がないことを示す情報を含むビーコン信号が受信され、かつ給電制御サーバ10による第1の認証が成功した場合、TX20は、そのビーコン信号を送信したRX30に優先的に第2の電力を送信してもよい。TX20は、指向性アンテナを使用することにより、特定のRX30のみに電力を送信することができる。
【0050】
上記のように、給電部233(送電部)は、第1の電力と、第1の電力よりも大きい第2の電力と、第2の電力よりも大きい第3の電力とをRX30(受電装置)に送信する。給電部233が第1の電力をRX30に送信した後、認証部131(第1の認証部)はRX30を認証する。認証部131がRX30を認証した後、給電部233は第2の電力をRX30に送信する。給電部233が第2の電力をRX30に送信した後、認証部131(第2の認証部)はRX30を認証する。認証部131がRX30を認証した後、給電部233は第3の電力をRX30に送信する。
【0051】
給電部233が第1の電力をRX30に送信することにより、RX30は起動し、第1の認証に必要な情報をTX20に送信することができる。給電部233が第2の電力をRX30に送信することにより、RX30は第2の認証に必要な情報をTX20に送信することができる。給電部233が第3の電力をRX30に送信することにより、RX30は各種動作を実行することができる。したがって、給電システム1は、動作に必要な電力を有していないRX30に対する給電を開始することができる。
【0052】
給電部233が第1の電力をRX30に送信する前、バッテリー34の残量は0であり、RX30は起動していない。あるいは、RX30はバッテリー34を有しておらず、RX30は起動していない。給電部233が第1の電力をRX30に送信した後、RX30は起動する。RX30が起動した後、認証部131はRX30を認証する。RX30の電力がなく、RX30が起動していない場合であっても、給電システム1は、RX30に対する給電を開始することができる。
【0053】
1つの給電エリアに存在する全てのRX30がバッテリー34を有していない場合がある。TX20が所定の電力(例えば、第3の電力)を常に送信する場合には、RX30は起動し、動作することができる。しかしながら、TX20が無駄な電力を送信するため、送電効率が悪い。TX20が所定の電力よりも小さい電力(例えば、第2の電力)を常に送信する場合には、RX30の動作が限られる。上記の給電システム1は、送電効率が良く、かつRX30の動作に必要な電力を確実に送信することができる。
【0054】
認証が実行されずに給電が開始されるシステムでは、受電装置が認証を受けずに電力を受信できる。給電サービスを受けるために必要な認証が実行されないため、給電サービスに参加していない受電装置が電力を受信できる。しかしながら、そのような状態は好ましくない。上記の給電システム1では、給電制御サーバ10が認証したRX30のみが第3の電力を受信するため、給電サービスに参加していない受電装置は、動作に必要な電力を受信できない。
【0055】
認証が実行された後、認証された受電装置のみに対する給電が開始されるシステムでは、電力がない受電装置は認証されず、電力を受信することができない。そのため、そのような受電装置は、認証を受ける前に、有線通信を使用するUSBなどを使用することにより電力を予め受信する必要がある。上記の給電システム1では、RX30は、TX20から送信される電力以外の電力を予め受信する必要はない。また、RX30がバッテリー34を有していない場合でも給電システム1は、RX30に対する給電を開始することができる。
【0056】
上記のように、認証部131は、TX20を介してRX30から受信されたデバイスID(第1の情報)を使用することによりRX30を認証する。また、認証部131は、TX20を介してRX30から受信されたデバイスIDおよびパスワード(第2の情報)を使用することによりRX30を認証する。
【0057】
給電部233が第1の電力をRX30に送信した後、RX30は、デバイスIDを含むビーコン信号を送信する。TX20は、ビーコン信号を受信することによりデバイスIDを取得し、取得されたデバイスIDを給電制御サーバ10に送信する。給電部233が第2の電力をRX30に送信した後、RX30は、デバイスIDおよびパスワードを送信する。TX20は、デバイスIDおよびパスワードを受信し、受信されたデバイスIDおよびパスワードを給電制御サーバ10に送信する。
【0058】
RX30は、第1の電力を使用することにより、第1の認証に必要な情報をTX20に送信することができる。RX30は、第2の電力を使用することにより、第2の認証に必要な情報をTX20に送信することができる。
【0059】
(第1の実施形態の変形例)
本発明の第1の実施形態の変形例を説明する。第1の実施形態の変形例において、
図4に示すTX20に代えて、
図8に示すTX20aが使用される。
【0060】
図8は、TX20aの構成を示す。TX20aは、例えば、通信部21と、記憶部22と、制御部23aとを備える。
図4に示す構成と同じ構成の説明を省略する。
【0061】
TX20aは、
図4に示す制御部23に代えて制御部23aを備える。制御部23aは、例えば、取得部230と、検出部231と、通信制御部232と、給電部233と、認証部234とを備える。
【0062】
取得部230、検出部231、通信制御部232、および給電部233の説明を省略する。認証部234は、第1の認証を実行する。第1の実施形態の変形例において、給電制御サーバ10に代わってTX20aが第1の認証を実行する。
【0063】
図9を用いて、給電システム1が実行する処理の流れを説明する。
図9は、給電システム1が実行する処理の流れを示す。
図6または
図7に示す処理と同じ処理の説明を省略する。
【0064】
RX30の情報が給電制御サーバ10の記憶部32の登録情報120に登録された後、給電制御サーバ10の通信部11はRX30のデバイスIDをTX20に送信する。TX20の通信部21は、デバイスIDを給電制御サーバ10から受信する。取得部230は、通信部21を介してデバイスIDを取得する。記憶部22は、デバイスIDを記憶する。
【0065】
TX20が、RX30から送信されたビーコン信号を受信し、RX30を検出するまでに実行される処理(ステップS1からステップS4)は、
図6に示す処理と同じである。
【0066】
(ステップS20)
認証部234は、第1の認証を実行する。具体的には、認証部234は、ビーコン信号に含まれるデバイスIDと同じデバイスIDが記憶部22に記憶されているか否かを判定する。ビーコン信号に含まれるデバイスIDと同じデバイスIDが記憶部22に記憶されている場合、認証が成功する。ビーコン信号に含まれるデバイスIDと同じデバイスIDが記憶部22に記憶されていない場合、認証が失敗する。
【0067】
認証が失敗した場合、
図9に示す処理が終了する。認証が成功した場合、前述したように、TX20は第2の電力をRX30に送信する(ステップS8)。ステップS8からステップS14において実行される処理は、
図6または
図7に示す処理と同じである。
【0068】
上記のように、認証部234(第1の認証部)は、RX30(受電装置)から受信されたデバイスID(第1の情報)を使用することによりRX30を認証する。認証部131(第2の認証部)は、TX20を介してRX30から受信されたデバイスIDおよびパスワード(第2の情報)を使用することによりRX30を認証する。給電部233が第1の電力をRX30に送信した後、RX30は、デバイスIDを含むビーコン信号を送信する。TX20は、ビーコン信号を受信することによりデバイスIDを取得する。給電部233が第2の電力をRX30に送信した後、RX30は、デバイスIDおよびパスワードを送信する。TX20は、デバイスIDおよびパスワードを受信し、受信されたデバイスIDおよびパスワードを給電制御サーバ10に送信する。
【0069】
RX30は、第1の電力を使用することにより、第1の認証に必要な情報をTX20に送信することができる。RX30は、第2の電力を使用することにより、第2の認証に必要な情報をTX20に送信することができる。
【0070】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態を説明する。第2の実施形態において、TX20はRX30から送信されるビーコン信号を監視する。給電エリアに存在するはずのRX30からビーコン信号が受信されない場合、そのRX30は起動していない可能性がある。そのため、TX20はそのRX30を起動させるために第1の電力を送信する。
【0071】
図10を用いて、給電システム1が実行する処理の流れを説明する。
図10は、給電システム1が実行する処理の流れを示す。
図6に示す処理は、
図10に示す処理に変更される。
図10に示す処理が実行された後、
図7に示す処理が実行される。
図6に示す処理と同じ処理の説明を省略する。
【0072】
(ステップS30)
RX30が起動している場合、RX30は所定時間の間隔でビーコン信号を送信する。TX20の検出部231は、ビーコン信号を所定時間監視し、ビーコン信号が受信されたか否かを判定する。
図10では起動していない1つのRX30が示されているが、図示されていないRX30は起動しており、ビーコン信号を送信する場合がある。所定時間内に通信部21がビーコン信号を受信した場合、取得部230は、通信部21を介してビーコン信号を取得する。取得部230は、取得したビーコン信号を検出部231に出力する。検出部231は、ビーコン信号に含まれるデバイスIDを抽出する。
【0073】
(ステップS31)
所定時間が経過した後、通信制御部232は、RX30の状態確認を要求するための状態確認要求を生成し、状態確認要求を通信部21に出力する。状態確認要求は、所定時間内に受信された全てのデバイスIDを含む。
【0074】
起動しているRX30は所定時間の間隔でビーコン信号を送信するため、検出部231がビーコン信号を監視する所定時間内に通信部21はビーコン信号をRX30から受信する。一方、起動していないRX30はビーコン信号を送信しないため、検出部231がビーコン信号を監視する所定時間内に通信部21はビーコン信号をRX30から受信しない。所定時間内に受信されたビーコン信号に含まれるデバイスIDは、起動しているRX30のデバイスIDである。状態確認要求は、起動しているRX30のデバイスIDを含む。
【0075】
(ステップS32)
給電制御サーバ10の通信部11は、TX20から送信された状態確認要求を受信する。取得部130は、状態確認要求に含まれるデバイスIDを、通信部11を介して取得する。給電制御部132は、TX20から受信したデバイスIDと、記憶部12の登録情報120に含まれるデバイスIDとを照合する。登録情報120に含まれるデバイスIDのうち、TX20から受信したデバイスIDと一致しないデバイスIDがある場合、そのデバイスIDを含むビーコン信号は所定時間内に受信されていない。つまり、そのデバイスIDを持つRX30は起動しておらず、そのRX30のバッテリー34の残量が0である可能性がある。そのため、給電制御部132は、バッテリー34の残量が0であるRX30が存在すると判定する。登録情報120に含まれる全てのデバイスIDがTX20から受信したデバイスIDと一致する場合、給電制御部132は、バッテリー34の残量が0であるRX30が存在しないと判定する。
【0076】
(ステップS33)
給電制御部132は、RX30の状態を確認した結果を示す状態確認結果を通信部11に出力する。状態確認結果は、バッテリー34の残量が0であるRX30が存在するか否かを示す。通信部11は、認証結果をTX20に送信する。
【0077】
(ステップS34)
TX20の通信部21は、給電制御サーバ10から送信された状態確認結果を受信する。取得部230は、通信部21を介して状態確認結果を取得する。取得部230は、取得した状態確認結果を検出部231に出力する。バッテリー34の残量が0であるRX30が存在しないことを状態確認結果が示す場合、検出部231は、バッテリー34の残量が0であるRX30が存在しないと判定し、
図10に示す処理が終了する。バッテリー34の残量が0であるRX30が存在することを状態確認結果が示す場合、検出部231は、バッテリー34の残量が0であるRX30が存在すると判定する。
【0078】
バッテリー34の残量が0であるRX30が存在する場合、前述したように、TX20は第1の電力をRX30に送信する(ステップS1)。ステップS1からステップS8において実行される処理は、
図6に示す処理と同じである。
【0079】
図9に示す動作において、
図10に示すステップS30からステップS34における処理が実行されてもよい。つまり、TX20aが第1の認証を実行する場合であっても、
図10に示すステップS30からステップS34における処理が実行されてもよい。
【0080】
上記のように、RX30は、RX30を識別するデバイスID(識別情報)を含むビーコン信号を所定時間の間隔で送信する。TX20は、所定時間内に受信されたビーコン信号に含まれるデバイスIDを給電制御サーバ10に送信する。給電制御サーバ10は、記憶部12に記憶されているデバイスIDのうち、TX20から受信されなかったデバイスIDがある場合、起動していないRX30が存在していることを示す状態情報(状態確認結果)をTX20に送信する。状態情報が給電制御サーバ10から受信された場合、給電部233は第1の電力をRX30に送信する。
【0081】
起動していないRX30が存在している場合にTX20は、そのRX30を起動させるために第1の電力を送信する。全てのRX30が起動している場合には、TX20は第1の電力を送信する必要はない。そのため、無駄な給電が減る。
【0082】
(第2の実施形態の変形例)
本発明の第2の実施形態の変形例を説明する。第2の実施形態の変形例において、TX20は、給電エリアに存在するRX30のデバイスIDを給電制御サーバ10から受信する。TX20は、RX30から受信されたビーコン信号に含まれるデバイスIDと、給電制御サーバ10から受信されたデバイスIDとを使用することにより、バッテリー34の残量が0であるRX30が存在するか否かを判定する。
【0083】
図11を用いて、給電システム1が実行する処理の流れを説明する。
図11は、給電システム1が実行する処理の流れを示す。
図6に示す処理は、
図11に示す処理に変更される。
図11に示す処理が実行された後、
図7に示す処理が実行される。
図6に示す処理と同じ処理の説明を省略する。
【0084】
(ステップS40)
TX20の通信制御部232は、給電制御サーバ10にデバイスIDを要求するためのデバイスID要求を生成し、デバイスID要求を通信部21に出力する。通信部21は、デバイスID要求を給電制御サーバ10に送信する。
【0085】
(ステップS41)
給電制御サーバ10の通信部11は、TX20から送信されたデバイスID要求を受信する。取得部130は、通信部11を介してデバイスID要求を取得する。取得部130は、記憶部12の登録情報120に含まれる全てのデバイスIDを記憶部12から取得し、デバイスIDを通信部11に出力する。通信部11は、デバイスIDをTX20に送信する。
【0086】
(ステップS42)
TX20の通信部21は、給電制御サーバ10から送信されたデバイスIDを受信する。取得部230は、通信部21を介してデバイスIDを取得する。取得部230は、取得したデバイスIDを検出部231に出力する。RX30が起動している場合、RX30は所定時間の間隔でビーコン信号を送信する。検出部231は、ビーコン信号を所定時間監視し、ビーコン信号が受信されたか否かを判定する。
図11では起動していない1つのRX30が示されているが、図示されていないRX30は起動しており、ビーコン信号を送信する場合がある。所定時間内に通信部21がビーコン信号を受信した場合、取得部230は、通信部21を介してビーコン信号を取得する。取得部230は、取得したビーコン信号を検出部231に出力する。検出部231は、ビーコン信号に含まれるデバイスIDを確認する。
【0087】
(ステップS43)
所定時間が経過した後、検出部231は、給電制御サーバ10から受信したデバイスIDと、ビーコン信号に含まれるデバイスIDとを照合する。給電制御サーバ10から受信したデバイスIDのうち、ビーコン信号に含まれるデバイスIDと一致しないデバイスIDがある場合、そのデバイスIDを含むビーコン信号は所定時間内に受信されていない。つまり、そのデバイスIDを持つRX30は起動しておらず、そのRX30のバッテリー34の残量が0である可能性がある。そのため、検出部231は、バッテリー34の残量が0であるRX30が存在すると判定する。給電制御サーバ10から受信した全てのデバイスIDがビーコン信号に含まれるデバイスIDと一致する場合、検出部231は、バッテリー34の残量が0であるRX30が存在しないと判定する。
【0088】
バッテリー34の残量が0であるRX30が存在する場合、前述したように、TX20は第1の電力をRX30に送信する(ステップS1)。ステップS1からステップS8において実行される処理は、
図6に示す処理と同じである。
【0089】
図9に示す動作において、
図11に示すステップS40からステップS43における処理が実行されてもよい。つまり、TX20aが第1の認証を実行する場合であっても、
図11に示すステップS40からステップS43における処理が実行されてもよい。
【0090】
上記のように、RX30は、RX30を識別するデバイスID(識別情報)を含むビーコン信号を所定時間の間隔で送信する。給電制御サーバ10は、デバイスIDを記憶する記憶部12を有し、記憶部12に記憶されているデバイスIDをTX20に送信する。給電制御サーバ10から受信されたデバイスIDを含むビーコン信号が所定時間内に受信されない場合、給電部233は第1の電力をRX30に送信する。
【0091】
起動していないRX30が存在している場合にTX20は、そのRX30を起動させるために第1の電力を送信する。全てのRX30が起動している場合には、TX20は第1の電力を送信する必要はない。そのため、無駄な給電が減る。
【0092】
以上、図面を参照して本発明の実施形態について詳述してきたが、具体的な構成は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【符号の説明】
【0093】
1 給電システム、10 給電制御サーバ、11,21,31 通信部、12,22,32 記憶部、13,23,23a,33 制御部、20,20a TX、30 RX、34 バッテリー、130,230,330 取得部、131,234 認証部、132 給電制御部、231 検出部、232,331 通信制御部、233 給電部、332 受電部