(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058842
(43)【公開日】2024-04-30
(54)【発明の名称】管理装置及び管理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/22 20240101AFI20240422BHJP
【FI】
G06Q50/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022166203
(22)【出願日】2022-10-17
(71)【出願人】
【識別番号】000191009
【氏名又は名称】新東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】古川 暁史
(72)【発明者】
【氏名】白木 正孝
(72)【発明者】
【氏名】長坂 政彦
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA13
(57)【要約】
【課題】被介護者の居場所の履歴を管理することが可能な管理装置を実現する。
【解決手段】管理装置(1)は、プロセッサ(11)を備えている。プロセッサ(11)は、被介護者(Ua)に装着される、排泄センサを含むセンサ端末(4)と、複数の中継端末(3)の何れかを介して通信する通信処理と、被介護者(Ua)の居場所を、前記通信処理においてセンサ端末(4)との通信を媒介した中継端末(3)に基づいて特定する特定処理と、を実行する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被介護者に装着される、排泄センサを含むセンサ端末と、複数の中継端末の何れかを介して通信する通信処理と、
前記被介護者の居場所を、前記通信処理において前記センサ端末との通信を媒介した中継端末に基づいて特定する特定処理と、を実行する少なくとも1つのプロセッサを備えている、
ことを特徴とする管理装置。
【請求項2】
前記特定処理において、前記プロセッサは、前記センサ端末が前記被介護者の排泄を検知した時点における前記被介護者の居場所を、当該時点において実行中の前記通信処理において前記センサ端末との通信を媒介した中継端末に基づいて特定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の管理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記特定処理にて特定した前記被介護者の居場所の履歴を示す履歴情報を生成する生成処理を更に実行する、
請求項1又は2に記載の管理装置。
【請求項4】
前記生成処理において、前記プロセッサは、前記履歴情報を、前記センサ端末に対応する前記被介護者の識別情報と関連付けて記録する、
請求項3に記載の管理装置。
【請求項5】
前記通信処理において、前記プロセッサは、前記センサ端末との通信を、前記複数の中継端末のうち、予め定められた中継端末が媒介した場合、通知端末にアラートを送信する、
請求項1又は2に記載の管理装置。
【請求項6】
前記センサ端末は、加速度センサを含み、
当該加速度センサに基づいて前記センサ端末が前記被介護者の転倒を検知した場合、通知端末にアラートを通知する、
請求項1又は2に記載の管理装置。
【請求項7】
少なくとも1つのプロセッサが、被介護者に装着される、排泄センサを含むセンサ端末と、複数の中継端末の何れかを介して通信する通信処理と、
前記プロセッサが、前記被介護者の居場所を、前記通信処理において前記センサ端末との通信を媒介した中継端末に基づいて特定する特定処理と、を含んでいる、
ことを特徴とする管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療/介護施設等において被介護者を管理する管理装置及び管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
介護サービス又は医療サービスにおいては、被介護者の排泄管理が重要な業務のひとつとなっている。被介護者の排泄を、その種類を含めて自動的に検知することができれば、排泄管理における介護者の負担を大幅に軽減することができる。
【0003】
被介護者の排泄を検知する技術としては、例えば、特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1に記載の技術では、匂いセンサの出力信号と湿度センサの出力信号とに基づいて、被介護者の排泄物の種類及びオムツ漏れを判断し、介護者に排泄処置の緊急度を通知している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
被介護者の排泄を介護者に通知するシステムにおいては、被介護者の居場所を管理することが重要になる。例えば、被介護者の排泄が何処で行われたかを介護者に通知することができれば、介護者は、より迅速に排泄処理に向かうことができるからである。
【0006】
被介護者の居場所を管理する方法としては、被介護者に装着するセンサ端末にGPS(Global Positioning System)等の測位装置を搭載する方法などが考えられる。しかしながら、この場合、センサ端末のコストの増加が避けられない。また、測位装置を搭載していないセンサ端末を既に導入している施設にとっては、センサ端末をリプレースする必要があるため、導入障壁が極めて高い。
【0007】
本発明の一態様は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、センサ端末に測位装置が搭載されていない場合であっても、被介護者の居場所を管理することが可能な管理装置又は管理方法を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係る管理装置は、通信処理と特定処理とを実行するプロセッサを備えている。また、本発明の一態様に係る管理方法は、通知処理と特定処理とを含んでいる。ここで、通信処理は、プロセッサが、被介護者に装着される、排泄センサを含むセンサ端末と、複数の中継端末の何れかを介して通信する処理である。特定処理は、前記被介護者の居場所を、前記通信処理において前記センサ端末との通信を媒介した中継端末に基づいて特定する処理である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、センサ端末に測位装置が搭載されていない場合であっても、被介護者の居場所を管理することが可能な管理装置又は管理方法を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態に係る管理システムの構成を示す模式図である。
【
図2】
図1に示す管理システムに含まれる管理装置の構成を示すブロック図である。
【
図3】管理システムにおいて実施する管理方法の流れを示すフロー図である。
【
図4】
図3に示す管理方法において通知端末に表示される排泄通知画面の一例を示す図である。
【
図5】
図3に示す管理方法において通知端末に表示される転倒通知画面の一例を示す図である。
【
図6】
図3に示す管理方法の変形例を示すフロー図である。
【
図7】
図3に示す管理方法において通知端末に表示される外出通知画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(管理システムの構成)
管理システムSの構成について、
図1を参照して説明する。
図1は、管理システムSの構成を示すブロック図である。
【0012】
管理システムSは、介護サービス又は医療サービスの提供を目的とする施設において、被介護者Uaの管理を行うためのシステムである。
【0013】
管理システムSは、
図1に示すように、管理装置1と、少なくとも1つの通知端末2と、複数の中継端末3と、少なくとも1つのセンサ端末4と、を含んでいる。通知端末2及び中継端末3は、ネットワーク5を介し管理装置1と通信可能に構成されている。センサ端末4は、WiFi(登録商標)やBluetooth(登録商標)などの近距離無線通により、中継端末3と通信可能に構成されている。センサ端末4は、複数の中継端末3からセンサ端末4の近傍に存在する中継端末3を選択すると共に、選択した中継端末3を用いて管理装置1と通信を行う。
【0014】
センサ端末4は、被介護者Uaに装着される。一例として、センサ端末4は、被介護者Uaの下着(おむつやパンツなど)の内部に装着される。センサ端末4には、排泄センサ及び加速度センサが内蔵されている。排泄センサが被介護者Uaの排泄を検知した場合、センサ端末4は、その旨を示す信号(以下、「排泄検知信号」とも記載する)を、選択した中継端末3を介して管理装置1に送信する。また、加速度センサが被介護者Uaの転倒を検知した場合、センサ端末4は、その旨を示す信号(以下、「転倒検知信号」とも記載する)を、選択した中継端末3を介して管理装置1に送信する。また、センサ端末4は、定期的に(例えば1分毎に)、被介護者Uaの居場所を示す履歴情報の生成を指示する信号(以下、「生成指示信号」とも記載する)を、選択した中継端末3を介して管理装置1に送信してもよい。ここで、センサ端末4が選択する中継端末3は、上述したように、センサ端末4の近傍に存在する中継端末3、例えば、最も電波強度が強い中継端末3である。
【0015】
中継端末3は、管理システムSを使用する施設内において、予め定められた複数の場所の各々に配置される。一例として、中継端末3は、被介護者Uaの利用頻度が高く、長時間滞在する食堂、デイルーム、浴室の各々に配置される。なお、中継端末3の配置場所は、任意に変更することが可能であり、かつ、新たに配置場所を増やすことも可能である。中継端末3は、センサ端末4と管理装置1との通信を媒介する。例えば、中継端末3は、排泄検知信号をセンサ端末4から受信すると、その排泄検知信号を管理装置1に送信する。また、中継端末3は、転倒検知信号をセンサ端末4から受信すると、その転倒検知信号を管理装置1に送信する。本実施形態においては、据え置き型の無線中継器を中継端末3として利用するが、スマートフォンやタブレットなどの持ち運び可能なデバイスを中継端末3として利用してもよい。
【0016】
管理装置1は、管理システムSを使用する施設外に配置される。一例として、管理装置1は、データセンターに配置される。管理装置1は、排泄検知信号を中継端末3から受信すると、排泄センサが被介護者Uaの排泄を検知した旨を介護者Ubに通知するためのアラート(以下、「排泄アラート」とも記載する)を各通知端末2に送信する。また、管理装置1は、転倒検知信号を中継端末3から受信すると、排泄センサが被介護者Uaの転倒を検知した旨を介護者Ubに通知するためのアラート(以下、「転倒アラート」とも記載する)を各通知端末2に送信する。
【0017】
通知端末2は、介護者Ubに携帯される。通知端末2には、タッチパネル式のディスプレイが内蔵されている。通知端末2は、排泄アラートを管理装置1から受信すると、被介護者Uaの排泄を検知したことを示す画面(以下、「排泄通知画面」とも記載する)をディスプレイに表示する。また、通知端末2は、転倒アラートを管理装置1から受信すると、被介護者Uaの転倒を検知したことを示す画面(以下、「転倒通知画面」とも記載する)をディスプレイに表示する。本実施形態においては、スマートフォンを通知端末2として使用する。なお、通知端末2は、介護者Ubに携帯されなくてもよい。この場合、施設内において介護者Ubの拠点であるステーション等に配置されデスクトップPC(Personal Computer)やタブレットPCを通知端末2として用いてもよい。
【0018】
本実施形態に係る管理システムSの特徴は、被介護者Uaの排泄及び転倒を介護者Ubに通知する上述した機能に加えて、被介護者Uaの居場所の履歴を示す履歴情報を生成、保存、閲覧する機能を有している点にある。後者の機能を実現するための管理方法については、参照する図面を代えて後述する。
【0019】
(管理装置の構成)
管理装置1の構成について、
図2を参照して説明する。
図2は、管理装置1の構成を示すブロック図である。
【0020】
管理装置1は、
図2に示すように、プロセッサ11と、一次メモリ12と、二次メモリ13と、通信インタフェース14と、バス15と、を備えている。プロセッサ11、一次メモリ12、二次メモリ13、及び通信インタフェース14は、バス15を介して相互に接続されている。管理装置1として利用可能なデバイスは、例えば、クラウドサーバを構成するワークステーションを挙げることができる。
【0021】
二次メモリ13には、通知プログラムPが格納されている。プロセッサ11は、二次メモリ13に格納されている通知プログラムPを一次メモリ12上に展開する。そして、プロセッサ11は、一次メモリ12上に展開された通知プログラムPに含まれる命令に従って、後述する管理方法M1、M2に含まれる各処理を実行する。プロセッサ11として利用可能なデバイスとしては、例えば、CPU(Central Processing Unit)を挙げることができる。また、一次メモリ12として利用可能なデバイスとしては、例えば、半導体RAM(Random Access Memory)を挙げることができる。また、二次メモリ13として利用可能なデバイスとしては、例えば、HDD(Hard Disk Drive)を挙げることが。
【0022】
通信インタフェース14は、ネットワーク5を介して通知端末2及び中継端末3と通信を行うためのインタフェースである。通信インタフェース14として利用可能なデバイスとしては、例えば、イーサネット(登録商標)インタフェースが挙げられる。また、利用可能なネットワークとしては、PAN(Personal Area Network)、LAN(Local Area Network)、CAN(Campus Area Network)、MAN(Metropolitan Area Network)、WAN(Wide Area Network)、GAN(Global Area Network)、又は、これらのネットワークを含むインターネットワークが挙げられる。インターネットワークは、イントラネットであってもよいし、エクストラネットであってもよいし、インターネットであってもよい。
【0023】
なお、プロセッサ11に管理方法M1、M2を実行させるための通知プログラムPは、コンピュータ読み取り可能な一時的でない有形の記録媒体に記録され得る。この記録媒体は、二次メモリ13であってもよいし、その他の記録媒体であってもよい。例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブル論理回路などが、その他の記録媒体として利用可能である。
【0024】
また、本実施形態においては、単一のプロセッサ(プロセッサ11)を用いて管理方法M1、M2を実行する構成を採用しているが、本発明は、これに限定されない。すなわち、複数のプロセッサを用いて管理方法M1、M2を実行する構成を採用してもよい。この場合、管理方法M1、M2を実行する複数のプロセッサは、単一のコンピュータに設けられ、バスを介して相互に通信可能に構成されていてもよいし、複数のコンピュータに分散して設けられ、ネットワークを介して相互に通信可能に構成されていてもよい。例えば、クラウドサーバを構成する複数のコンピュータの各々が備えるプロセッサが連携して管理方法M1、M2を実行する態様や、管理装置1のプロセッサ11と通知端末2のプロセッサとが連携して管理方法M1、M2を実行する態様なども、考えられる。
【0025】
(管理方法の流れ)
管理システムSが実施する管理方法M1について、
図3を参照して説明する。
図3は、
管理方法M1の流れを示すフロー図である。
【0026】
管理方法M1は、
図3に示すように、選択処理M11と、通信処理M12と、特定処理M13と、生成処理M14と、送信処理M15と、通知処理M16と、を含んでいる。これらの処理は、センサ端末4が被介護者Uaの排泄又は転倒を検知する度に実施される。管理システムSは、これらの処理を繰り返すことによって、センサ端末4が排泄又は転倒を検知した時点における被介護者Uaの居場所の履歴を示す履歴情報を生成する。
【0027】
選択処理M11は、センサ端末4が中継端末3を選択する処理である。選択処理M11において、センサ端末4は、センサ端末4の近傍に存在する中継端末3、例えば、最も電波強度が強い中継端末3を選択する。
【0028】
通信処理M12は、センサ端末4と管理装置1とが通信する処理である。通信処理M12において、センサ端末4と管理装置1とは、選択処理M11によって選択された中継端末3を介して通信する。本実施形態において、通信処理M12における通信は、上述した排泄検知信号の送受信、又は、上述した転倒検知信号の送受信の何れかである。
【0029】
特定処理M13は、管理装置1が被介護者Uaの居場所を特定する処理である。特定処理M13において、管理装置1は、通信処理M12において通信を媒介した中継端末3に基づいて、被介護者Uaの居場所を特定する。例えば、通信処理M12における通信を媒介した中継端末3が食堂に配置された中継端末である場合、管理装置1は、被介護者Uaの居場所が食堂であると特定する。或いは、通信処理M12における通信を媒介した中継端末3がデイルームに配置された中継端末である場合、管理装置1は、被介護者Uaの居場所がデイルームであると特定する。通信処理M12が、上述した排泄検知信号の送受信である場合、被介護者Uaの排泄が検知された時点における被介護者Uaの居場所が特定されることになる。また、通信処理M12が、上述した転倒検知信号の送受信である場合、被介護者Uaの転倒が検知された時点における被介護者Uaの転倒時の居場所が特定されることになる。
【0030】
生成処理M14は、管理装置1が履歴情報を生成する(更新する)処理である。生成処理M14において、管理装置1は、古い履歴情報に、特定処理M13において特定された被介護者Uaの居場所を示す情報を、通信処理M12が行われた時刻(被介護者Uaの排泄又は転倒が検知された時刻と一致)を示す情報と関連付けて追加することによって、新たな履歴情報を生成する。通信処理M12が、上述した排泄検知信号の送受信である場合、被介護者Uaの排泄時の居場所が履歴情報に追加されることになる。また、通信処理M12が、上述した転倒検知信号の送受信である場合、被介護者Uaの転倒時の居場所が履歴情報に追加されることになる。
【0031】
なお、履歴情報には、特定処理M13において特定された被介護者Uaの居場所と、センサ端末4に対応する被介護者Uaの識別情報とが関連付けて記録されることが好ましい。これにより、居場所の履歴を被介護者Ua毎に管理することが可能になる。
【0032】
送信処理M15は、管理装置1がアラートを各通知端末2に送信する処理である。通信処理M12が、上述した排泄検知信号の送受信である場合、管理装置1は、上述した排泄アラートを各通知端末2に送信する。この排泄アラートには、特定処理M13において特定された被介護者Uaの居場所と、通信処理M12が行われた時刻(被介護者Uaの排泄が検知された時刻と一致)が含まれている。通信処理M12が、上述した転倒検知信号の送受信である場合、管理装置1は、上述した転倒アラートを各通知端末に送信する。この転倒アラートには、特定処理M13において特定された被介護者Uaの居場所と、通信処理M12が行われた時刻(被介護者Uaの転倒が検知された時刻と一致)が含まれている。
【0033】
通知処理M16は、アラートを受信した各通知端末2が通知画面をディスプレイに表示する処理である。受信したアラートが排泄アラートである場合、各通知端末2は、上述した排泄通知画面をディスプレイに表示する。この排泄通知画面には、特定処理M13において特定された被介護者Uaの居場所と、通信処理M12が行われた時刻(被介護者Uaの排泄が検知された時刻と一致)が含まれている。受信したアラートが転倒アラートである場合、各通知端末2は、上述した転倒通知画面をディスプレイに表示する。この転倒通知画面には、特定処理M13において特定された被介護者Uaの居場所と、通信処理M12が行われた時刻(被介護者Uaの転倒が検知された時刻と一致)が含まれている。
【0034】
以上のように生成された履歴情報は、管理装置1に保存される。介護者Ubは、この履歴情報を、例えば、通知端末2を用いて閲覧することが可能である。この場合、通知端末2は、閲覧要求を管理装置1に送信する。管理装置1は、閲覧要求を通知端末2から受信し、履歴情報を通知端末2に送信する。通知端末2は、履歴情報を管理装置1から受信し、履歴情報をディスプレイに表示する。また、以上のように生成された履歴情報は、排泄と居場所との相関関係、及び、転倒と居場所の相関関係を分析するために、管理装置1が利用してもよい。
【0035】
(排泄通知画面の具体例)
排泄通知画面の具体例について、
図4を参照して説明する。
図4は、排泄通知画面の一具体例を示す図である。
【0036】
図4に示すように、排泄通知画面には、通信処理M12が行われた時刻(被介護者Uaの排泄が検知された時刻と一致)と、特定処理M13において特定された被介護者Uaの居場所とが、被介護者Uaの排泄を検知した旨を示すメッセージと共に表示される。また、排泄通知画面には、確認ボタンが表示される。この確認ボタンが介護者Ubによりタップされると、通知端末2は通知処理M16を終了する。
【0037】
(転倒通知画面の具体例)
転倒通知画面の具体例について、
図5を参照して説明する。
図5は、排泄通知画面の一具体例を示す図である。
【0038】
図5に示すように、転倒通知画面には、通信処理M12が行われた時刻(被介護者Uaの転倒が検知された時刻と一致)と、特定処理M13において特定された被介護者Uaの居場所とが、被介護者Uaの転倒を検知した旨を示すメッセージと共に表示される。また、転倒通知画面には、確認ボタンが表示される。この確認ボタンが介護者Ubによりタップされると、通知端末2は通知処理M16を終了する。
【0039】
(管理システムSの効果)
上述のように管理システムSは、管理方法M1を実施することにより、センサ端末4が排泄又は転倒を検知した時点における被介護者Uaの居場所の履歴を示す履歴情報を生成し、被介護者Uaの排泄又は転倒を居場所の情報と共に介護者Ubに通知する。これにより、介護者Ubは、履歴情報に基づいた業務の効率化や排泄と居場所または転倒と居場所の相関関係の分析により必要な策を講ずることができる。また、介護者Ubは、被介護者Uaの排泄時又は転倒時にすぐに駆け付けることができ、かつ、必要なケアを講ずることができる。
【0040】
(付加機能)
本実施形態に係る管理システムSは、さらに、被介護者Uaが施設外に出ようとした場合に、その旨を介護者Ubに通知するための機能を有していてもよいし、排泄又は転倒が検知されない場合においても、被介護者Uaの居場所の履歴を示す履歴情報を生成する機能を有していてもよい。
【0041】
管理システムSが上述する機能を発揮するために実施する管理方法(以下、「管理方法M2」と記載する)について、
図6を参照して説明する。
図6は、管理方法M2の流れを示すフロー図である。
【0042】
管理方法M2は、
図6に示すように、選択処理M21と、通信処理M22と、特定処理M23と、生成処理M14と、送信処理M25と、通知処理M26と、を含んでいる。これらの処理は、定期的に(例えば、1分毎に)実施される。これらの処理を繰り返すことによって、被介護者Uaの居場所の履歴を示す履歴情報生成する。
【0043】
選択処理M21は、センサ端末4が中継端末3を選択する処理である。選択処理M21において、センサ端末4は、センサ端末4の近傍に存在する中継端末3、例えば、最も電波強度が強い中継端末3を選択する。
【0044】
通信処理M22は、センサ端末4と管理装置1とが通信する処理である。通信処理M22において、センサ端末4と管理装置1とは、選択処理M21によって選択された中継端末3を介して通信する。本実施形態において、通信処理M22における通信は、上述した生成指示信号の送受信である。
【0045】
特定処理M23は、管理装置1が被介護者Uaの居場所を特定する処理である。特定処理M23において、管理装置1は、通信処理M22において通信を媒介した中継端末3に基づいて、被介護者Uaの居場所を特定する。例えば、通信処理M22における通信を媒介した中継端末3が食堂に配置された中継端末である場合、管理装置1は、センサ端末4が生成指示信号を送信した時点における被介護者Uaの居場所が食堂であると特定する。
【0046】
生成処理M24は、管理装置1が履歴情報を生成する(更新する)処理である。生成処理M24において、管理装置1は、古い履歴情報に、特定処理M23において特定された被介護者Uaの居場所を示す情報を、通信処理M22が行われた時刻(センサ端末4が生成指示信号を送信した時刻と一致)を示す情報と関連付けて追加することによって、新たな履歴情報を生成する。
【0047】
なお、履歴情報には、特定処理M23において特定された被介護者Uaの居場所と、センサ端末4に対応する被介護者Uaの識別情報とが関連付けて記録されることが好ましい。これにより、居場所の履歴を被介護者Ua毎に管理することが可能になる。
【0048】
また、生成処理M24は、特定処理M23において特定される被介護者Uaの居場所が前回生成した履歴情報と異なる場合にのみ実施されてもよい。
【0049】
送信処理M25及び通知処理M26は、通信処理M22において通信を媒介した中継端末3が予め定められた特定の中継端末である場合に実施される。本実施形態においては、特定の中継端末3として、施設の出入口に配置された中継端末3を用いる。つまり、送信処理M25及び通知処理M26は、被介護者Uaが施設の出入口の近傍にいる場合に実施される。
【0050】
送信処理M25は、管理装置1が被介護者Uaの外出を検知した旨を介護者Ubに通知するためのアラート(以下、「外出アラート」とも記載する)を各通知端末2に送信する処理である。外出アラートには、特定処理M13において特定された被介護者Uaの居場所と、通信処理M22が行われた時刻(被介護者Uaの外出が検知された時刻と一致)が含まれている。
【0051】
通知処理M26は、外出アラートを受信した各通知端末2が被介護者Uaの外出を検知した旨を介護者Ubに通知するための通知画面(以下、「外出通知画面」とも記載する)をディスプレイに表示する処理である。外出通知画面には、特定処理M13において特定された被介護者Uaの居場所と、通信処理M22が行われた時刻(被介護者Uaの外出が検知された時刻と一致)が含まれている。
【0052】
以上のように生成された履歴情報は、管理装置1に保存される。介護者Ubは、この履歴情報を、例えば、通知端末2を用いて閲覧することが可能である。この場合、通知端末2は、閲覧要求を管理装置1に送信する。管理装置1は、閲覧要求を通知端末2から受信し、履歴情報を通知端末2に送信する。通知端末2は、履歴情報を管理装置1から受信し、履歴情報をディスプレイに表示する。
【0053】
(外出通知画面の具体例)
外出通知画面の具体例について、
図7を参照して説明する。
図7は、外出通知画面の一具体例を示す図である。
【0054】
図7に示すように、外出通知画面には、通信処理M22が行われた時刻(被介護者Uaの外出が検知された時刻と一致)と、特定処理M23において特定された被介護者Uaの居場所とが、被介護者Uaの外出を検知した旨を示すメッセージと共に表示される。また、外出通知画面には、確認ボタンが表示される。この確認ボタンが介護者Ubによりタップされると、通知端末2は通知処理M26を終了する。
【0055】
(付加機能の効果)
被介護者Uaが施設外に出ようとした場合に、その旨を介護者Ubに通知するための機能により、介護者Ubは被介護者Uaの居場所が示されている通知に基づいて被介護者Uaのもとに駆け付けることができる。これにより、介護者Ubが意図しない被介護者Uaの外出を未然に防ぐことができる。また、排泄又は転倒が検知されない場合においても、被介護者Uaの居場所の履歴を示す履歴情報を生成する機能により、履歴情報に基づいて被介護者Uaの排泄時又は転倒時以外の行動パターンを把握することができる。
【0056】
(まとめ)
本実施形態の態様1に係る管理装置は、被介護者に装着されるセンサ端末であって、排泄センサを含むセンサ端末と、複数の中継端末の何れかを介して通信する通信処理と、前記被介護者の居場所を、前記通信処理において前記センサ端末との通信を媒介した中継端末に基づいて特定する特定処理と、を実行する少なくとも1つのプロセッサを備えている。
【0057】
上記の構成により、GPS等測位装置が搭載されていない排泄を検知する用途に供するセンサ端末と管理装置との通信において、通信を媒介する中継端末に基づいて被介護者の居場所を特定することができる。
【0058】
本実施形態の態様2に係る管理装置は、上記態様1において、前記特定処理において、前記プロセッサは、前記センサ端末が前記被介護者の排泄を検知した時点における前記被介護者の居場所を、当該時点において実行中の前記通信処理において前記センサ端末との通信を媒介した中継端末に基づいて特定する。
【0059】
上記の構成により、排泄ケアを必要とする被介護者の居場所を特定することができる。そのため、介護者は効率的に排泄ケアを実施することができる。
【0060】
本実施形態の態様3に係る管理装置は、上記態様1又は2において、前記プロセッサは、前記特定処理にて特定した前記被介護者の居場所の履歴を示す履歴情報を生成する生成処理を更に実行する。
【0061】
上記の構成により、被介護者の居場所の履歴を示す履歴情報を生成することができる。これにより、生成した履歴情報に基づいて、被介護者の居場所に対応する行動パターンを把握することができる。
【0062】
本実施形態の態様4に係る管理装置は、上記態様1~3の何れか1つにおいて、前記生成処理において、前記プロセッサは、前記履歴情報を、前記センサ端末に対応する前記被介護者の識別情報と関連付けて記録する。
【0063】
上記の構成により、被介護者毎に居場所の履歴を示す履歴情報を記録することができる。これにより、履歴情報の記録に基づいて、被介護者の居場所に対応する行動パターンを把握することができる。
【0064】
本実施形態の態様5に係る管理装置は、上記態様1~4の何れか1つにおいて、前記通信処理において、前記プロセッサは、前記センサ端末との通信を、前記複数の中継端末のうち、予め定められた中継端末が媒介した場合、通知端末にアラートを送信する。
【0065】
上記の構成により、予め定められた中継端末が配置されている場所に被介護者が居ることを介護者に通知することができる。これにより、危険箇所への立ち入りを未然に防ぐなど、その他の用途に供することができる。
【0066】
本実施形態の態様6に係る管理装置は、上記態様1~5の何れか1つにおいて、前記センサ端末は、加速度センサを含み、当該加速度センサに基づいて前記センサ端末が前記被介護者の転倒を検知した場合、通知端末にアラートを通知する。
【0067】
上記の構成により、被介護者の転倒及び転倒した被介護者の居場所を介護者に通知することができる。これにより、介護者は、被介護者の元にすぐに駆け付け、必要な措置を講ずることができる。
【0068】
本実施形態の態様7に係る管理方法は、少なくとも1つのプロセッサが、被介護者に装着される、排泄センサを含むセンサ端末と、複数の中継端末の何れかを介して通信する通信処理と、前記プロセッサが、前記被介護者の居場所を、前記通信処理において前記センサ端末との通信を媒介した中継端末に基づいて特定する特定処理と、を含んでいる。
【0069】
上記の構成により、態様1と同様の効果を奏する。
【0070】
(付記事項)
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0071】
1 管理装置
2 通知端末
3 中継端末
4 センサ端末
5 ネットワーク
11 プロセッサ
12 一次メモリ
13 二次メモリ
14 通信インタフェース
15 バス