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  • 特開-電動機の端子箱の取付構造 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058851
(43)【公開日】2024-04-30
(54)【発明の名称】電動機の端子箱の取付構造
(51)【国際特許分類】
   H02K 5/22 20060101AFI20240422BHJP
【FI】
H02K5/22
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022166218
(22)【出願日】2022-10-17
(71)【出願人】
【識別番号】513296958
【氏名又は名称】東芝産業機器システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】川村 涼太
【テーマコード(参考)】
5H605
【Fターム(参考)】
5H605AA07
5H605BB05
5H605CC06
5H605DD12
5H605EC12
5H605EC14
(57)【要約】
【課題】電動機に対する端子箱の取付けの向きの変更の自由度を、より一層高める。
【解決手段】本実施形態に係る電動機の端子箱の取付構造は、電動機のフレームの外面部に設けられ該フレームの外側方向に延びる軸を中心とした円形状をなす中間座と、前記中間座に対して前記軸回りの回転方向の位置調整可能に取付けられる取付台と、前記取付台を前記中間座に対して任意の回転位置で固定するための固定部材と、前記フレーム内から前記中間座及び取付台の軸中心又はその近傍を通して内部配線を引出すための挿通孔とを備え、端子箱は、前記取付台に取付けられ、前記挿通孔を通して内部配線が導入されるように構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動機のフレームに対し、該フレームから引出された内部配線が接続される端子を有すると共に該端子に接続される外部配線を引込む引込み口を有する端子箱を取付けるための取付構造であって、
前記フレームの外面部に設けられ該フレームの外側方向に延びる軸を中心とした円形状をなす中間座と、
前記中間座に対して前記軸回りの回転方向の位置調整可能に取付けられる取付台と、
前記取付台を前記中間座に対して任意の回転位置で固定するための固定部材と、
前記フレーム内から前記中間座及び取付台の軸中心又はその近傍を通して前記内部配線を引出すための挿通孔とを備え、
前記端子箱は、前記取付台に取付けられ、前記挿通孔を通して内部配線が導入されるように構成されている電動機の端子箱の取付構造。
【請求項2】
前記中間座には、径大な台座部から軸方向に突出する雄ねじ部が設けられると共に、前記雄ねじ部の中心部を貫通するように前記挿通孔が設けられ、
前記取付台には、前記雄ねじ部に嵌挿される取付穴が設けられ、
前記固定部材は、前記雄ねじ部に螺合可能なナット状をなし、
前記中間座の雄ねじ部に対し、前記取付台の取付穴を嵌挿させ、該雄ねじ部に前記固定部材を締付けることにより、該取付台の取付穴の周囲部分を、前記台座部と固定部材との間で挟んで固定するように構成されている請求項1記載の電動機の端子箱の取付構造。
【請求項3】
前記取付台には、前記フレームに対する前記端子箱の取付状態のままで、前記固定部材を外部から操作する工具を差込むための調整用開口部が設けられている請求項1又は2記載の電動機の端子箱の取付構造。
【請求項4】
前記取付台には、通常時に前記調整用開口部を密閉状態に塞ぐ閉塞板が着脱可能に設けられている請求項3記載の電動機の端子箱の取付構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、電動機のフレームに対し端子箱を取付けるための電動機の端子箱の取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば三相誘導電動機等の電動機においては、そのフレームの外面部に、電動機側の口出し線と電源側ケーブルとを接続するための端子箱を備えるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。この端子箱は、例えば胴体部とカバーとからなる四角形の箱状をなし、その内部に接続用の端子を有して構成されている。このとき、端子箱の一側面に口出し穴が設けられ、その口出し穴から電源側ケーブルが引出されるようになっている。
【0003】
ところで、この種の電動機にあっては、例えば据付作業時において、電動機に対する端子箱の向き、つまり口出し穴の向きを変更したい場合が発生し得る。そこで、特許文献1においては、端子箱を構成する胴体部に対するカバーの取付け方向を、90度間隔で4方向に変更可能な構成が開示されている。これにより、端子箱のカバーの口出し穴の向く方向、ひいては電源側ケーブルの引出し方向を、端子箱の側面の4面のうちいずれかに自在に変更することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-23240号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1の構成では、端子箱の取付角度を、90度ピッチで4方向にしか変えることができない。そのため、電動機に対する端子箱の口出し穴の向きの変更の自由度は小さく、十分であるとは言えなかった。
そこで、電動機に対する端子箱の取付けの向きの変更の自由度を、より一層高めることができる電動機の端子箱の取付構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本実施形態に係る電動機の端子箱の取付構造は、電動機のフレームに対し、該フレームから引出された内部配線が接続される端子を有すると共に該端子に接続される外部配線を引込む引込み口を有する端子箱を取付けるための構造であって、前記フレームの外面部に設けられ該フレームの外側方向に延びる軸を中心とした円形状をなす中間座と、前記中間座に対して前記軸回りの回転方向の位置調整可能に取付けられる取付台と、前記取付台を前記中間座に対して任意の回転位置で固定するための固定部材と、前記フレーム内から前記中間座及び取付台の軸中心又はその近傍を通して前記内部配線を引出すための挿通孔とを備え、前記端子箱は、前記取付台に取付けられ、前記挿通孔を通して内部配線が導入されるように構成されている。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一実施形態を示すもので、電動機のフレームに対する端子箱の取付構造の構成例を概略的に示す縦断面図
図2】要部の拡大縦断面図
図3図1の矢印X方向から見た要部の上面図
図4】電動機の外観を概略的に示す正面図
図5】電動機の外観を概略的に示す右側面図
図6】端子箱の取付向きの変更例を示す右側面図
図7】端子箱の取付向きの異なる変更例を示す右側面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、一実施形態について、図面を参照しながら説明する。まず、図4図5図7は、例えば三相誘導電動機からなる電動機1の外観構成を示しており、電動機1は、その外殻を構成するブラケット2及びフレーム3を備えている。前記ブラケット2には、軸受4が設けられ、この軸受4に、回転軸5が回転自在に支持されている。前記フレーム3は、金属から円筒状に構成され、内部に図示しないモータ本体部が収容されている。フレーム3の外周部には、複数本の放熱フィン6が軸方向に延び設けられている。前記フレーム3の底部には、固定用の脚部7が設けられている。
【0009】
そして、図4等に示すように、前記フレーム3のうち図で右側面部に、取付座8が例えば一体に設けられ、この取付座8部分に、詳しくは後述するように、端子箱11が取付けられるようになっている。この端子箱11は、全体としてほぼ四角形の箱状をなしており、電動機1の内部配線9(図1参照)と、電源ケーブル等の外部配線(図示せず)とを接続するために設けられる。尚、本実施形態では、端子箱11のフレーム3に対する取付けの向きが変更可能とされるのであるが、図1図4図5に示す端子箱11の取付向き、つまり後述の引込み口16を有する面を真下に向けた状態を、便宜上、基準状態と称して説明する。
【0010】
この端子箱11は、図1等に示すように、全体としてほぼ四角形の箱状をなすケース12と、そのケース12に開閉可能に装着されるカバー13とを備えている。端子箱11の内部、すなわちケース12の内面には、例えばU、V、W、アースの4個の接続用の端子14を有した端子台15が設けられている。詳しく図示はしないが、前記各端子14の上部には、前記各内部配線9の先端が接続され、各端子14の下部に、各外部配線の先端が接続されるようになっている。
【0011】
図1等に示すように、前記ケース12とカバー13とは、四角い箱を側方(図4で正面)から見て斜め方向に切断して2分割した如き形状とされている。ケース12の背面部の中央部分には、前記内部配線9を通すための背面開口部12aが形成されている。また、ケース12のうち図1の基準状態で底壁部には、外部配線を導出するための引込み口16が設けられている。前記カバー13は、前記ケース12に対し、外周縁部のフランジ部同士を重ね合わせた状態で、複数箇所でねじ17により連結されることにより、着脱可能に取付けられている。このとき、ケース12とカバー13との間には、パッキン18が設けられ、防水、防塵等が図られている。
【0012】
さて、前記フレーム3に端子箱11を取付けるための、本実施形態における端子箱11の取付構造について、図1図7を参照して詳述する。まず、図1図2に示すように、前記フレーム3に設けられた取付座8は、外形が四角形状をなし、その中央部に前記内部配線9(図1参照)をフレーム3内から導出するための円形の導出穴8aを有している。取付座8の外面つまり図1図2で右側方を向く面は、鉛直方向に延びる平坦面とされており、前記導出穴8aは、軸方向を水平方向つまり真横方向として形成されている。
【0013】
図2に示すように、前記取付座8の導出穴8aの内周面には、雌ねじ部8bが設けられており、この取付座8に中間座19が取付けられている。この中間座19は、前記導出穴8aと同軸つまりフレーム3の外側方向に延びる軸Aを中心とした円筒状をなし、後述する取付台21を受ける径大な台座部19aを有している。この台座部19aの基端側即ち図で左側に前記雌ねじ部8bに螺合する取付ねじ部19bが設けられている。これにて、中間座19は、取付座8に対し、取付ねじ部19bを雌ねじ部8bにねじ込むことにより、固定的に取付けられる。
【0014】
この中間座19には、台座部19aの先端側即ち図で右側から突出するようにして、台座部19aよりも径小な棒状の雄ねじ部20が軸A方向に延びて一体に設けられている。また、この雄ねじ部20の長さ寸法は、後述する取付台21の壁部の厚み寸法と、固定部材であるナット23の厚み寸法とを加算した寸法よりもやや大きく構成されている。さらに、中間座19には、前記雄ねじ部20の内部を含む全体に渡って、軸A方向に延びる挿通孔19cが、貫通状態に設けられている。電動機1の内部配線9は、導出穴8a及び挿通孔19cを通り、更に前記背面開口部12aを通して、端子箱11内に導入されるように構成されている。
【0015】
一方、前記端子箱11側には、前記ケース12の背面側に位置して、取付台21が設けられる。この取付台21は、正面側(図1で右側)が開放した図で左右方向に薄型のほぼ矩形箱状をなし、ケース12の背面よりもやや小さく、前記背面開口部12aの外側を囲む大きさを有する。取付台21は、その先端側の周縁部がパッキン22を介して前記ケース12の背面に気密状に接した状態で、ケース12に対し着脱可能に連結されている。前記パッキン22には、内部配線9を通すための穴22aが設けられている。そして、前記取付台21の背面部の中央部には、前記雄ねじ部20が相対的に挿入可能な取付穴21aが設けられている。
【0016】
図1等に示すように、前記端子箱11を取付けるにあたっては、取付台21の取付穴21aを、前記中間座19の雄ねじ部20に対し嵌挿した状態で、該雄ねじ部20に螺合可能な固定部材としてのナット23を、取付台21の内側から締付ける。これにて、該取付台21の取付穴21aの周囲部分を、前記台座部19aとナット23との間で挟むようにして、取付台21が固定される。その後、取付台21にケース12が連結される。このとき、取付台21ひいては端子箱11は、雄ねじ部20に対し取付穴21aを差込んで固定する際の角度を調整することによって、前記フレーム3の中間座19に対して、軸Aを中心とした回転方向の取付け位置つまり向きの変更が可能に構成されている。
【0017】
そして、本実施形態では、取付台21のうち四辺の周壁部のうち一つの周壁部、即ち、図1等の基準状態で上壁部には、調整用開口部24が設けられている。図3にも示すように、この調整用開口部24は、前後方向に長い矩形状をなし、例えばスパナやレンチ等の工具を、作業者が外部から差込んで、前記ナット23を回転させて螺進退させるための作業を行うことが十分に可能な大きさに設けられている。これにて、前記フレーム3に対する前記端子箱11の取付状態のままで、外部からナット23を操作することが可能とされている。
【0018】
さらに、取付台21には、通常時に前記調整用開口部24を密閉状態に塞ぐ閉塞板25が着脱可能に設けられている。この閉塞板25は、調整用開口部24よりもひと回り大きい前後方向に長い矩形板状をなし、例えばその長手方向両端部において、2個のねじ26を取付台21に設けられたねじ穴部(図示せず)にねじ込むことにより、該取付台21に対して着脱可能に取付けられるようになっている。このとき、取付台21の上面の調整用開口部24の周囲部と閉塞板25の下面との間には、それらの間をシールするためのパッキン27が設けられている。
【0019】
次に、上記構成の作用について述べる。上記構成の電動機1においては、フレーム3の右側面部に設けられた取付座8に端子箱11が取付けられる。この場合、例えば中間座19に対して、取付台21を先に取付け、その後、取付台21に、端子箱11のケース12を連結固定することができる。その際、端子箱11のカバー13が取外された状態で、図1に示すように、内部配線9は、導出穴8a、挿通孔19cを通してフレーム3外に引出され、ケース12の背面開口部12a等を通されて端子14に接続される。また、端子箱11内には引込み口16から外部配線が引き込まれ、外部配線の先端が内部の端子14に接続される。その後カバー13がケース12に接続されて閉塞状態とされる。
【0020】
このとき、本実施形態では、端子箱11の取付台21は、取付座8に設けられた中間座19に対し、フレーム3の外側方向に延びる軸Aを中心とした回転方向の位置調整が360度の範囲で可能とされている。従って、雄ねじ部20に嵌挿した取付台21の回転方向向きを所望の向きに決めた仮固定状態で、ナット23を締付けることにより任意の回転位置で固定することができる。これにより、フレーム3に対する取付台21ひいては端子箱11の取付けの向きを自在に選ぶことができる。
【0021】
ここで、例えば電動機1の設置場所の周囲環境等によって、端子箱11に接続された外部配線を導出したい方向が異なってくる場合がある。従って、端子箱11の引込み口16の開口する方向を外部配線の導出したい方向に合わせた向きで端子箱11を取付けることができる。図1図4図5の基準状態では、引込み口16が真下向きに位置されており、外部配線を端子箱11から下方に延ばして配置するに適した向きとされている。また、電動機1の据付け後に、フレーム3に対する端子箱11の取付け向きを変更したくなる場合も考えられる。
【0022】
そのような場合、作業者が次のように調整用開口部24からの作業を行うことにより、端子箱11の取付け状態のまま更にはカバー13の閉塞状態のままで、端子箱11の取付けの向きを自在に変更させることが可能となる。即ち、作業者は、ねじ26を外して閉塞板25を取外して、調整用開口部24を開口させる。次いで、調整用開口部24から工具を挿入し、ナット23を緩める方向に回転させる。これにより、取付台21の固定が解かれ、雄ねじ部20に対する取付台21即ち端子箱11の回転変位が可能になる。そこで、作業者は、雄ねじ部20に対して軸Aを中心に取付台21を所望の向きに回転させ、その向きを保持しながら工具によりナット23を締付けて固定させる。
【0023】
上記のように、取付け向きの変更作業が終了すると、工具を取出し、再び閉塞板25を取付けて調整用開口部24を閉塞させる。尚、上記端子箱11の取付け向き変更の際には、内部配線9は角度変更分だけ捻られるようになるが、内部配線9は、回転中心つまり軸Aに沿うように挿通孔19cを通って配置されているので、端子箱11の位置変更による内部配線9に対するダメージ等の不具合が抑えられることは勿論である。
【0024】
図6及び図7は、端子箱11の取付向きを、図5の基準状態から変更させた様子を夫々示している。図6の例では、端子箱11を、基準状態から時計回り方向に若干量例えば角度45°程度だけ回転させ、外部配線の導出方向つまり引込み口16の向きを図で左下方向にした様子を例示している。図7の例では、端子箱11を、基準状態から反時計回り方向に90°よりやや大きく回転させ、外部配線の導出方向つまり引込み口16の向きを図で右やや斜め上方向にした様子を例示している。このように、作業者による簡単な作業で、端子箱11の取付けの向きの変更を容易に行うことができる。
【0025】
このように本実施形態の端子箱11の取付構造によれば、次のような効果を得ることができる。即ち、本実施形態においては、フレーム3側に設けられた中間座19に対し、端子箱11の取付台21を、フレーム3の外側方向に延びる軸Aを中心に回転方向の角度360°での位置調整が可能とされ、任意の回転位置で固定することが可能に構成されている。従って、従来のような端子箱の取付角度を、90度ピッチで4方向にしか変えることができなかったものと異なり、電動機1に対する端子箱11の取付けの向きの変更の自由度を、より一層高めることができるという優れた効果を奏する。
【0026】
特に本実施形態では、中間座19の雄ねじ部20に、取付台21の取付穴21aを任意の回転位置で嵌挿させた上で、雄ねじ部20に固定部材としてのナット23を螺合させて締付けることにより、取付穴21aの周囲部分を、台座部19aと固定部材23との間で挟んで固定する構成とした。この場合、固定部材ナット23の締め付けを緩めれば、取付台21を、雄ねじ部20に対して、任意の角度に回転させることができ、その後所望の回転位置で固定することができる。これにより、比較的簡単な構成で、かつ作業者による簡単な作業で、端子箱11の取付けの向きの変更を行うことが可能となる。
【0027】
更に本実施形態では、取付台21に、フレーム3に対する端子箱11の取付状態のままで、ナット23を外部から操作する工具を差込むための調整用開口部24を設ける構成とした。これにより、電動機1の据付け後にも、フレーム3に端子箱11を取付けた状態のままで、つまり端子箱11を一旦取外すといったことなく、調整用開口部24を通して外部から工具を差込んで、ナット23を操作することができる。従って、端子箱11の取付け向きの変更の作業を極めて容易に行うことができるようになる。通常時においては、調整用開口部24は閉塞板25により密閉状態に塞がれているので、取付台21内ひいては端子箱11内への防塵や防水等を図ることができる。
【0028】
尚、上記実施形態では、取付台21に調整用開口部24を設けて電動機1の据付後にも外部よりナット23の操作が可能となるように構成したが、調整用開口部24及び閉塞板25は必要に応じて設けるようにすれば良い。この場合、少なくとも、据付時の取付台21の中間座19に対する固定を任意の向きで行うことにより、電動機1に対する端子箱11の取付けの向きを、角度360°の範囲内で自在に設定することができる。
【0029】
また上記実施形態では、中間座19に雄ねじ部20を設けて、固定部材としてのナット23で締付ける構成としたが、これに限定されるものではなく、取付台を任意の回転位置で回転位置変更可能に固定できるものであれば、各種の具体的構成を採用することができる。固定部材としても、ナットを用いるものに限らず、止め輪やクリップ等の各種の固定用金具等を採用することもできる。
【0030】
以上、本発明に係る実施形態を説明したが、これらの実施形態は、あくまでも例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の省略、置き換え、変更などを行うことができる。本実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明およびその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0031】
図面中、1は電動機、3はフレーム、8は取付座、8aは導出穴、8bは雌ねじ部、9は内部配線、11は端子箱、12はケース、13はカバー、14は端子、15は端子台、16は引込み口、19は中間座、19aは台座部、19bは取付ねじ部、19cは挿通孔、20は雄ねじ部、21は取付台、21aは取付穴、22はパッキン、23はナット(固定部材)、24は調整用開口部、25は閉塞板、26はねじ、27はパッキンを示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7