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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058894
(43)【公開日】2024-04-30
(54)【発明の名称】照準器及びプラズマ照射ユニット
(51)【国際特許分類】
   H05H 1/26 20060101AFI20240422BHJP
   A61B 18/04 20060101ALI20240422BHJP
【FI】
H05H1/26
A61B18/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022166296
(22)【出願日】2022-10-17
(71)【出願人】
【識別番号】000004547
【氏名又は名称】日本特殊陶業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000497
【氏名又は名称】弁理士法人グランダム特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉山 有美
(72)【発明者】
【氏名】中埜 吉博
【テーマコード(参考)】
2G084
4C160
【Fターム(参考)】
2G084AA24
2G084CC03
2G084CC19
2G084CC20
2G084CC34
2G084DD15
2G084DD22
2G084GG02
2G084GG18
2G084HH02
2G084HH30
4C160KK70
(57)【要約】
【課題】プラズマの照射位置を把握し易い照準器及びプラズマ照射ユニットを提供する。
【解決手段】照準器30は、流動するガスを放出口22Bを介して放出するガス誘導路22と、互いに離間する一対の電極23A,23Bを有してガス誘導路22内でプラズマ放電を発生させる放電部23と、を備えるプラズマ照射器具20に配される。照準器30は、指向性を有する光を照射する光源31,32を備える。プラズマ照射ユニット10は、照準器30と、プラズマ照射器具20と、を具備する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流動するガスを放出口を介して放出するガス誘導路と、互いに離間する一対の電極を有して前記ガス誘導路内でプラズマ放電を発生させる放電部と、を備えるプラズマ照射器具に配される照準器であって、
指向性を有する光を照射する光源を備える、
照準器。
【請求項2】
前記プラズマ照射器具によるプラズマが照射される被照射体に向けて前記光源からの光を照射可能な配置で前記プラズマ照射器具に配される、
請求項1に記載の照準器。
【請求項3】
前記光源からの所定範囲内において、前記光源から照射される光が前記プラズマ照射器具から照射されるプラズマに近づくように配される、
請求項2に記載の照準器。
【請求項4】
前記光源から照射される光と、前記プラズマ照射器具から照射されるプラズマとが交わるように配される、
請求項3に記載の照準器。
【請求項5】
2つの前記光源を備え、
2つの前記光源からそれぞれ照射される光は、それぞれの前記光源からの所定範囲内において、互いに近づく、
請求項1又は請求項2に記載の照準器。
【請求項6】
3つの前記光源を備え、
3つの前記光源からそれぞれ照射される光は、それぞれの前記光源からの所定範囲内において、他の2つの前記光源に対して近づく、
請求項1又は請求項2に記載の照準器。
【請求項7】
前記光源から照射される光は、その中心軸に直交する平面に投影したとき、前記中心軸周りの少なくとも一部を連続的に囲む形状、又は前記中心軸周りの複数の位置に存在する形状である、
請求項1又は請求項2に記載の照準器。
【請求項8】
前記プラズマ照射器具に対して着脱可能である、
請求項1又は請求項2に記載の照準器。
【請求項9】
請求項1又は請求項2に記載の照準器と、前記プラズマ照射器具と、を具備するプラズマ照射ユニット。
【請求項10】
前記プラズマ照射器具は、把持可能な把持部を備え、
前記照準器は、前記放出口と前記把持部との間に配される、
請求項9に記載のプラズマ照射ユニット。
【請求項11】
照度が2000ルクス以上の環境で使用される、
請求項9に記載のプラズマ照射ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照準器及びプラズマ照射ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示されるプラズマ照射装置は、手で把持する形態のプラズマヘッドと、プラズマヘッド内に収容されるプラズマ生成用の電極(中心電極及び接地電極)と、を備えている。このプラズマ照射装置は、供給されるプラズマ発生用のRF電源を用いて、低温プラズマを発生させ、プラズマヘッドの先端から噴射する構成である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2014-519875号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されるようなプラズマ照射装置では、発生させたプラズマの照射位置を、精度良くコントロールする必要がある。そこで、プラズマの照射位置を把握し易い構成が求められている。
【0005】
本開示は、上記実情に鑑みてなされたものであり、プラズマの照射位置を把握し易い照準器及びプラズマ照射ユニットを提供することを一つの目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以下で示す〔1〕から〔11〕の特徴は、矛盾しない態様でどのように組み合わせてもよい。
【0007】
〔1〕本開示の照準器は、
流動するガスを放出口を介して放出するガス誘導路と、互いに離間する一対の電極を有して前記ガス誘導路内でプラズマ放電を発生させる放電部と、を備えるプラズマ照射器具に配される照準器であって、
指向性を有する光を照射する光源を備える。
【0008】
このような構成によって、照準器から照射する指向性を有する光を基準とすることで、プラズマの照射位置を把握し易くなる。そのため、照準器からの光を基準としてプラズマ照射器具を操作することで、プラズマの照射位置をコントロールし易くなる。
【0009】
〔2〕前記プラズマ照射器具によるプラズマが照射される被照射体に向けて前記光源からの光を照射可能な配置で前記プラズマ照射器具に配されることが好ましい。
【0010】
このような構成によって、光源からの光と照射されるプラズマとの位置が近くなるため、光源からの光を基準としてプラズマの照射位置をより一層把握し易くなる。
【0011】
〔3〕前記光源からの所定範囲内において、前記光源から照射される光が前記プラズマ照射器具から照射されるプラズマに近づくように配されることが好ましい。
【0012】
このような構成によって、光源からの所定範囲内において、光源からの光の位置とプラズマの位置とがより一層近くなるため、プラズマの照射位置をさらに把握し易くなる。
【0013】
〔4〕前記光源から照射される光と、前記プラズマ照射器具から照射されるプラズマとが交わるように配されることが好ましい。
【0014】
このような構成によって、光源から照射されて被照射体に表示される光の位置に、プラズマを照射させることができる。そのため、光源から照射されて被照射体に表示される光の位置を、プラズマの照射位置として把握することが可能になる。
【0015】
〔5〕2つの前記光源を備え、2つの前記光源からそれぞれ照射される光は、それぞれの前記光源からの所定範囲内において、互いに近づくことが好ましい。
【0016】
このような構成によって、2つの光源からそれぞれ照射される光の相対的な位置関係(2つの光源から照射されて被照射体に表示される光の位置の近づき具合)に基づいて、プラズマの照射位置を把握し易くなる。
【0017】
〔6〕3つの前記光源を備え、3つの前記光源からそれぞれ照射される光は、それぞれの前記光源からの所定範囲内において、他の2つの前記光源に対して近づくことが好ましい。
【0018】
このような構成によって、3つの光源からそれぞれ照射される光の相対的な位置関係(3つの光源から照射されて被照射体に表示される光の位置の近づき具合)に基づいてプラズマの照射位置を把握できるため、プラズマの照射位置をより一層把握し易くなる。
【0019】
〔7〕前記光源から照射される光は、その中心軸に直交する平面に投影したとき、前記中心軸周りの少なくとも一部を連続的に囲む形状、又は前記中心軸周りの複数の位置に存在する形状であることが好ましい。
【0020】
このような構成によって、被照射体に表示される光源からの光の内側領域(光の中心軸周りの少なくとも一部を連続的に囲む形状、又は光の中心軸周りの複数の位置に存在する形状があらわれる位置よりも内側の領域)にプラズマが照射されるイメージでプラズマ照射器具を操作することができる。
【0021】
〔8〕前記プラズマ照射器具に対して着脱可能であることが好ましい。
【0022】
このような構成によって、照準器をプラズマ照射器具から外すことで、プラズマ照射ユニットの状態よりも軽量化した状態でプラズマ照射器具を操作することができ、プラズマ照射器具の使い勝手が良くなる。
【0023】
〔9〕本開示のプラズマ照射ユニットは、前記照準器と、前記プラズマ照射器具と、を具備する。
【0024】
このような構成によって、照準器から照射する指向性を有する光を基準とすることで、プラズマの照射位置を把握し易くなる。そのため、照準器からの光を基準としてプラズマ照射器具を操作することで、プラズマの照射位置をコントロールし易くなる。
【0025】
〔10〕前記プラズマ照射器具は、把持可能な把持部を備え、前記照準器は、前記放出口と前記把持部との間に配される、ことが好ましい。
【0026】
このような構成によって、光源からの光が把持部と干渉しにくくなり、光源からの光を適切に被照射体に当て易くなる。
【0027】
〔11〕前記プラズマ照射ユニットは、照度が2000ルクス以上の環境で使用されることが好ましい。
【0028】
このような構成によって、照度が2000ルクス以上の環境では、プラズマが視認できなくなることが想定されるため、光源からの光を好適に利用してプラズマの照射位置をコントロールし易くなる。
【発明の効果】
【0029】
本開示の照準器及びプラズマ照射ユニットは、プラズマの照射位置をコントロールし易い。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1】第1実施形態のプラズマ照射装置の構成を概略的に示す図である。
図2】プラズマ照射ユニットの側面図である。
図3】分割状態のプラズマ照射ユニットの側面図である。
図4】プラズマ照射ユニットの側断面図である。
図5】(A)は、照準器をプラズマ照射器具に組み付ける前の状態を説明する図であり、(B)は、照準器をプラズマ照射器具に組み付けた状態を説明する図である。
図6】被照射体に対してプラズマ照射器具からプラズマを照射するとともに、光源から光を照射する状態を説明する説明図である。
図7】(A)は、図6に示す仮想平面S1にある被照射体にあらわれるプラズマの照射範囲と各光の照射範囲を説明する図であり、(B)は、仮想平面S2に被照射体がある場合の図であり、(C)は、仮想平面S3に被照射体がある場合の図である。
図8】第2実施形態のプラズマ照射装置において、被照射体に対してプラズマ照射器具からプラズマを照射するとともに、光源から光を照射する状態を説明する上方から見た説明図である。
図9】第2実施形態のプラズマ照射装置において、光源から光を照射する状態を説明する前方から見た説明図である。
図10】(A)は、図8に示す仮想平面S1にある被照射体にあらわれるプラズマの照射範囲と各光の照射範囲を説明する図であり、(B)は、仮想平面S2に被照射体がある場合の図であり、(C)は、仮想平面S3に被照射体がある場合の図である。
図11】第3実施形態のプラズマ照射装置において、被照射体にあらわれる光の照射形状を説明する図である。
図12】第4実施形態のプラズマ照射装置において、(A)は、照準器をプラズマ照射器具に組み付ける前の状態を説明する図であり、(B)は、照準器をプラズマ照射器具に組み付けた状態を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
<第1実施形態>
本第1実施形態において、前後の方向については、図1におけるX軸の正方向を前方と定義する。左右の方向については、図1におけるY軸の正方向を右方と定義する。左右方向と幅方向を同義で用いる。上下の方向については、図1におけるZ軸の正方向を上方と定義する。
【0032】
1.プラズマ照射装置100の構成
本開示の一例であるプラズマ照射装置100を図1に示す。図1のプラズマ照射装置100は、低侵襲の低エネルギーのプラズマを照射する。プラズマ照射装置100は、例えば施術対象の生体組織に対して止血などを行い得る手術用装置として構成される。プラズマ照射装置100は、プラズマ照射ユニット10と、ガス供給装置102と、電源装置104と、を備えている。
【0033】
図1図2に示すように、プラズマ照射ユニット10は、プラズマ照射器具20と、照準器30と、を有している。照準器30は、プラズマ照射器具20に配され、プラズマ照射時にプラズマ照射位置の照準を合わせるために用いられる機器である。
【0034】
ガス供給装置102は、ヘリウムガス等の不活性ガス(以下、単にガスともいう)を供給する装置である。ガス供給装置102は、例えば、プラズマ照射ユニット10とガス供給装置102との間に介在する可撓性の管路(図示省略)を介して後述するガス誘導路22に不活性ガスを供給する。ガス供給装置102は、例えばボンベ等から供給される高圧ガスを減圧するレギュレータと、流量制御を行う制御部とを含む。
【0035】
電源装置104は、後述する放電部23の放電電極23Aと接地電極23Bとの間に所望の電圧を印加するための装置である。接地電極23Bは、配線24Bを介してグラウンドに電気的に接続されている。放電電極23Aは、配線24Aを介して電源(例えば商用電源やバッテリ)の高電位側に電気的に接続されている。配線24A,24Bには、電圧を変換可能な電圧変換部25が設けられている。電源装置104は、接地電極23Bをグラウンド電位に保ちながら、放電電極23Aと接地電極23Bとの間に所定周波数の交流電圧を印加する。なお、電源装置104が発生させる高電圧の周波数は、一定値に固定された周波数であってもよく、変動してもよい。また、電源装置104が接地電極23Bと放電電極23Aとの間に印加する電圧は、周期的に変化する電圧であればよく、正弦波の交流電圧であってもよく、非正弦波(例えば、矩形波、三角波など)の交流電圧であってもよい。
【0036】
2.プラズマ照射器具20の構成
プラズマ照射器具20は、例えば、手術を行う術者によって把持されて使用される器具である。プラズマ照射器具20は、施術対象の生体組織等に対して非接触の状態で使用されることが想定されている。図4に示すように、プラズマ照射器具20は、ケース体21と、ガス誘導路22と、放電部23と、配線24A,24Bと、電圧変換部25と、スイッチ26と、を備えている。
【0037】
ケース体21は、円筒状に構成され、所定方向(X軸方向)に延びている。ケース体21内には、ガス誘導路22及び放電部23等が収容されている。ケース体21の上面側には、後述するスイッチ26が設けられている。
【0038】
ガス誘導路22は、ガスを導入する導入口22Aと、ガスを放出する放出口22Bと、導入口22Aと放出口22Bとの間に設けられる流路22Cと、を有する。ガス誘導路22は、プラズマ照射器具20の外部に設けられたガス供給装置102から供給される不活性ガスを導入口22Aから導入し、導入口22A側から導入されたガスを流路22C内の空間を通して放出口22Bに誘導する誘導路となっている。放出口22Bは、ケース体21の前端に設けられ、前方に向かって開放されている。ガス誘導路22は、流動するガスを放出口22Bを介して放出する。
【0039】
放電部23は、互いに離間する一対の電極(放電電極23A及び接地電極23B)と、誘電体層23Cと、を有する。放電電極23A及び接地電極23Bは、誘電体層23Cを介在させて互いに対向して配置されている。放電電極23Aは、流路22C内の空間に露出している。誘電体層23Cは、例えばアルミナなどのセラミック、ガラス材料や樹脂材料を好適に用いることができる。放電部23は、放電電極23Aと接地電極23Bとの電位差に基づく電界をガス誘導路22内で沿面放電を発生させて、プラズマ放電を発生させるように機能する。
【0040】
スイッチ26は、プラズマ照射器具20からプラズマPを照射する状態と、プラズマPの照射を停止する状態とを切り替える操作部である。例えば、スイッチ26は、押圧式スイッチであり、押圧状態でプラズマPを照射する状態となり、押圧解除状態でプラズマPの照射を停止する状態となる。なお、図4では、スイッチ26の周辺構成(スイッチ26の操作に基づいて放電部23の放電等を制御する回路等)を省略しているが、一般的な制御回路等を採用することができる。
【0041】
プラズマ照射器具20は、図3に示すように、第1構成部41と、第2構成部42と、に分割可能である。第1構成部41は、プラズマ照射器具20の基端側部分(ガスや電源が供給される側の部分)を構成している。第1構成部41の外郭は、ケース体21の後端側部分(第1ケース41A)によって構成されている。図4に示すように、第1ケース41A内には、ガス誘導路22の後端側部分、配線24A,24Bの後端側部分、及び電圧変換部25等が収容されている。第2構成部42は、プラズマ照射器具20の先端側部分(プラズマPを放射される側の部分)を構成している。第2構成部42の外郭は、ケース体21の先端側部分(第2ケース42A)によって構成されている。第2ケース42A内には、ガス誘導路22の先端側部分、放電部23、及び配線24A,24Bの先端側部分等が収容されている。第2ケース42Aの上面側には、スイッチ26が設けられている。
【0042】
図3に示すように、第1ケース41Aには、把持部41Bが設けられている。把持部41Bは、第1ケース41Aにおける円筒状の側面部分である。把持部41Bは、前後方向(X軸方向)に延びる中心軸を有する円筒部分である。
【0043】
第1構成部41と第2構成部42は、図3に示す、コネクタ43を介して接続される。コネクタ43は、第1構成部41と第2構成部42の間において、ガス誘導路22や配線24A,24Bを連結させる構成である。第1構成部41は、手術等においてリユース可能な構成である。第2構成部42は、手術等においてシングルユース可能な構成である。
【0044】
3.照準器30の構成
図1等に示すように、照準器30は、光源31,32と、本体部33と、を有している。光源31,32は、本体部33に組み付けられている。本体部33は、円環状である。本体部33は、前後方向(X軸方向)に一定の厚みがある。本体部33の外縁は、放射方向に向かって凸となるように湾曲している。本体部33の内部には、例えば、光源31,32の照射状態を制御する制御回路や、バッテリ等が収容されている。
【0045】
照準器30は、プラズマ照射器具20に対して着脱可能である。プラズマ照射器具20に対する照準器30の取付構造は、様々な構造を用いることができる。例えば、図5に示すように、ケース体21に溝部27を設けて、本体部33の内周側に凸部33Aを設ける。そして、図5(A)に示すように、ケース体21の先端側(前端側)から照準器30を近づけ、本体部33の内側にケース体21の先端を押し込む。これにより、図5(B)に示すように、溝部27と凸部33Aとが係止され、照準器30がプラズマ照射器具20に固定される。なお、溝部27は、ケース体21の軸周りの全体に設けてもよく、軸周りの一部のみに設けてもよい。凸部33Aも同様に、本体部33の内周の全体に設けてもよく、内周の一部のみに設けてもよい。
【0046】
図4に示すように、照準器30は、プラズマ照射器具20における、放出口22Bと把持部41Bとの間に配されている。より具体的には、照準器30は、放出口22Bとスイッチ26との間に配されている。すなわち、照準器30は、手術等においてシングルユース可能な第2構成部42に組み付けられている。照準器30は、第2構成部42における前後方向(X軸方向)の中心付近に組み付けられている。
【0047】
光源31,32は、本体部33の中心軸Cbを挟んだ両側に配されている。例えば、図1図6に示すようにプラズマ照射器具20に照準器30が組み付けられた状態で、光源31,32は、本体部33の前面において、本体部33の中心軸Cbを通り且つY軸に平行な直線上に配されている。すなわち、光源31,32は、互いに本体部33の中心軸Cbを中心とした180°回転対称な位置に配されている。
【0048】
光源31,32は、指向性を有する光(図6に示す光L1,L2)を照射する。指向性を有する光とは、空間中に照射されるとき、その強度が方向によって異なる光である。具体的には、光源31,32は、所定方向の一方側に向かって光を照射する。光源31,32は、例えば、レーザーダイオード等の半導体発光素子によって構成され、レーザ光を照射する。光源31,32から照射される光の色は、プラズマPの色と異なっていることが好ましい。例えば、プラズマ照射器具20から照射されるプラズマPが紫色、ピンク色、橙色である場合、光源31,32は、赤色、緑色、青色とすることが好ましい。
【0049】
図6に示すように、照準器30は、プラズマ照射器具20によるプラズマPが照射される被照射体X(例えば、施術対象の生体組織)に向けて光源31,32からの光を照射可能な配置になっている。すなわち、照準器30は、光源31,32からの光L1,L2が、プラズマPの中心軸Cp(本体部33の中心軸Cb、X軸)に直交する仮想面(例えば後述する図5に示す仮想平面S1,S2,S3等)を通るように配されている。プラズマPは、その中心軸CpがX軸(ケース体21の中心軸)に沿うように、放出口22Bから放出される。
【0050】
具体的には、図6に示すように、照準器30は、光源31,32からの所定範囲内において、光源31,32から照射される光がプラズマ照射器具20から照射されるプラズマPに近づくように配されている。ここで、光源31,32からの所定範囲とは、光源31,32と被照射体Xの間の範囲(より具体的には、X軸方向において、プラズマPと光L1,L2が交わる位置Mと光源31,32との間の範囲W)である。図6では、光L1は、光源31からX軸の正方向且つZ軸の負方向(前斜め下方)に向かって照射され、光L2は、光源32からX軸の正方向且つZ軸の正方向(前斜め上方)に向かって照射される。
【0051】
より具体的には、照準器30は、光源31,32から照射される光と、プラズマ照射器具20から照射されるプラズマPとが交わるように配されている。図6では、プラズマPと光L1,L2とが、位置Mで交わっている。例えば、プラズマ照射器具20から照射されるプラズマPは、位置Mで最適な強度となるように設定されている。
【0052】
光源31,32からそれぞれ照射される光L1,L2は、それぞれの光源31,32からの所定範囲(上述した範囲W)内において、互いに近づく。図6では、光L1,L2は、X軸の正方向に向かいつつ、互いに上下方向で近づいている。光L1,L2のX軸に対する傾き度合いは、同程度になっている。
【0053】
4.照準器30の使用方法
図6図7を用いて、プラズマ照射ユニット10で被照射体Xにプラズマを照射する方法について説明する。被照射体Xの照射面が、図6に示す仮想平面S1の位置(位置Mよりも前方の位置)にある場合、仮想平面S1(被照射体Xの照射面)にあらわれるプラズマPの照射範囲(照射形状)と光L1,L2の照射範囲(照射形状)は、図7(A)に示す位置関係となる。図7(A)に示す光L1,L2の照射範囲の位置関係を視認することで、光L1,L2の照射範囲の間の位置(中点)がプラズマPの照射範囲であることを把握できる。
【0054】
被照射体Xの照射面が、図6に示す仮想平面S2の位置(位置Mに重なる位置)にある場合、仮想平面S2(被照射体Xの照射面)にあらわれるプラズマPの照射範囲(照射形状)と光L1,L2の照射範囲(照射形状)は、図7(B)に示す位置関係となる。図7(B)のように、光L1,L2が重なって1つの光の照射領域が視認されることで、プラズマPが最適な強度で被照射体Xに照射されることを把握できる。このように、被照射体Xの照射面が位置Mとなる状態で、被照射体Xの照射面にあらわれる光L1,L2の照射範囲(照射形状)は、特定の形状(例えば円形)となる。
【0055】
被照射体Xの照射面が、図6に示す仮想平面S3の位置(位置Mよりも後方の位置)にある場合、仮想平面S3(被照射体Xの照射面)にあらわれるプラズマPの照射範囲(照射形状)と光L1,L2の照射範囲(照射形状)は、図7(C)に示す位置関係となる。図7(C)に示す光L1,L2の照射範囲の位置関係を視認することで、光L1,L2の照射範囲の間の位置(中点)がプラズマPの照射範囲であることを把握できる。
【0056】
被照射体Xの照射面が、図6に示す仮想平面S1の位置にある場合、プラズマ照射ユニット10を被照射体Xに近づけると、被照射体Xの照射面にあらわれる光L1,L2が上下方向で近づくことになる。そのため、プラズマPを最適な強度で照射するためには、プラズマ照射ユニット10を被照射体Xに近づける必要があることが分かる。
【0057】
被照射体Xの照射面が、図6に示す仮想平面S3の位置にある場合、プラズマ照射ユニット10を被照射体Xから遠ざけると、被照射体Xの照射面にあらわれる光L1,L2が上下方向で近づくことになる。そのため、プラズマPを最適な強度で照射するためには、プラズマ照射ユニット10を被照射体Xから遠ざける必要があることが分かる。
【0058】
また、図7に示すいずれのパターンとも異なる照射状態(プラズマPの照射範囲と光L1,L2の照射範囲の位置関係)となった場合であっても、光L1,L2の照射範囲の間の位置(中点)がプラズマPの照射範囲であることを把握できる。
【0059】
5.プラズマ照射ユニット10の使用環境
プラズマ照射ユニット10は、照度が2000ルクス以上の環境で使用されることが好ましい。例えば、一般的な手術室の明るさは、1000ルクス程度であり、手術視野は、20000ルクス程度以上100000ルクス程度以下である。照度が2000ルクス以上の環境では、プラズマPが視認できなくなることが想定されるため、光源31,32からの光を好適に利用してプラズマPの照射位置をコントロールし易くなる。
【0060】
6.第1実施形態の効果
第1実施形態の照準器30は、プラズマ照射器具20に配され、指向性を有する光L1,L2を照射する光源31,32を備えている。このような構成によって、照準器30から照射する指向性を有する光L1,L2を基準とすることで、プラズマPの照射位置を把握し易くなる。そのため、照準器30からの光を基準としてプラズマ照射器具20を操作することで、プラズマPの照射位置をコントロールし易くなる。
【0061】
更に、照準器30は、プラズマ照射器具20によるプラズマPが照射される被照射体Xに向けて光源31,32からの光L1,L2を照射可能な配置でプラズマ照射器具20に配されている。このような構成によって、光源31,32からの光L1,L2と照射されるプラズマPとの位置が近くなるため、光源31,32からの光L1,L2を基準としてプラズマPの照射位置をより一層把握し易くなる。
【0062】
更に、照準器30は、光源31,32からの所定範囲内において、光源31,32から照射される光L1,L2がプラズマ照射器具20から照射されるプラズマPに近づくように配されている。このような構成によって、光源31,32からの所定範囲内において、光源31,32からの光L1,L2の位置とプラズマPの位置とがより一層近くなるため、プラズマPの照射位置をさらに把握し易くなる。
【0063】
更に、照準器30は、光源31,32から照射される光L1,L2と、プラズマ照射器具20から照射されるプラズマPとが交わるように配されている。このような構成によって、光源31,32から照射されて被照射体Xに表示される光L1,L2の位置に、プラズマPを照射させることができる。そのため、光源31,32から照射されて被照射体Xに表示される光L1,L2の位置を、プラズマPの照射位置として把握することが可能になる。
【0064】
更に、照準器30は、2つの光源31,32を備え、2つの光源31,32からそれぞれ照射される光L1,L2は、それぞれの光源31,32からの所定範囲内において、互いに近づく。このような構成によって、2つの光源31,32からそれぞれ照射される光L1,L2の相対的な位置関係(2つの光源31,32から照射されて被照射体Xに表示される光L1,L2の位置の近づき具合)に基づいて、プラズマPの照射位置を把握し易くなる。
【0065】
更に、照準器30は、プラズマ照射器具20に対して着脱可能である。このような構成によって、照準器30をプラズマ照射器具20から外すことで、プラズマ照射ユニット10の状態よりも軽量化した状態でプラズマ照射器具20を操作することができ、プラズマ照射器具20の使い勝手が良くなる。また、照準器をプラズマ照射器具20に標準的に設ける構成に比べて、電気的な配線数が少なく、プラズマ照射器具20の小型化を図れる。
【0066】
プラズマ照射器具20は、把持可能な把持部41Bを備えている。照準器30は、放出口22Bと把持部41Bとの間に配されている。このような構成によって、光源31,32からの光L1,L2が把持部41Bと干渉しにくくなり、光源31,32からの光L1,L2を適切に被照射体Xに当て易くなる。
【0067】
更に、プラズマ照射ユニット10は、照度が2000ルクス以上の環境で使用される。このような構成によって、照度が2000ルクス以上の環境では、プラズマPが視認できなくなることが想定されるため、光源31,32からの光L1,L2を好適に利用してプラズマPの照射位置をコントロールし易くなる。
【0068】
<第2実施形態>
第2実施形態のプラズマ照射装置は、照準器が光源を3つ備える点が第1実施形態と異なっている。そのため、第1実施形態のプラズマ照射装置と同様の構成については、同じ符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0069】
1.照準器230の構成
第2実施形態の照準器230は、図8図9に示すように、光源231,232,233と、本体部33と、を有している。光源231,232,233は、図8図9に示すようにプラズマ照射器具20に照準器230が組み付けられた状態で、本体部33の前面において本体部33の中心軸Cb周りの同一円周上に等間隔で配されている。光源231,232,233は、第1実施形態の光源31,32と同様の構成となっている。
【0070】
図8に示すように、照準器230は、プラズマ照射器具20によるプラズマPが照射される被照射体X(例えば、施術対象の生体組織)に向けて光源231,232,233からの光を照射可能な配置になっている。すなわち、照準器230は、光源231,232,233からの光L21,L22,L23が、プラズマPの中心軸Cp(本体部33の中心軸Cb、X軸)に直交する仮想面(例えば後述する図8に示す仮想平面S1,S2,S3等)を通るように配されている。
【0071】
具体的には、図8に示すように、照準器230は、光源231,232,233からの所定範囲内において、光源231,232,233から照射される光がプラズマ照射器具20から照射されるプラズマPに近づくように配されている。ここで、光源231,232,233からの所定範囲とは、光源231,232,233と被照射体Xの間の範囲(より具体的には、X軸方向において、プラズマPと光L21,L22,L23が交わる位置Mと光源231,232,233との間の範囲W)である。図8では、光L21は、光源231からX軸の正方向且つZ軸の負方向(前斜め下方)に向かって照射され、光L22は、光源232からX軸の正方向且つY軸の正方向且つZ軸の正方向(右斜め上方)に向かって照射され、光源233からX軸の正方向且つY軸の負方向且つZ軸の正方向(左斜め上方)に向かって照射される。
【0072】
より具体的には、照準器230は、光源231,232,233から照射される光と、プラズマ照射器具20から照射されるプラズマPとが交わるように配されている。図8では、プラズマPと光L21,L22,L23とが、位置Mで交わっている。例えば、プラズマ照射器具20から照射されるプラズマPは、位置Mで最適な強度となるように設定されている。
【0073】
光源231,232,233からそれぞれ照射される光L21,L22,L23は、それぞれの光源231,232,233からの所定範囲(上述した範囲W)内において、X軸の正方向に向かいつつ、それぞれ他の光源に対して近づいている。光L21,L22,L23のX軸に対する傾き度合いは、同程度になっている。
【0074】
2.照準器230の使用方法
図8図10を用いて、プラズマ照射ユニット10で被照射体Xにプラズマを照射する方法について説明する。被照射体Xの照射面が、図8に示す仮想平面S1の位置(位置Mよりも前方の位置)にある場合、仮想平面S1(被照射体Xの照射面)にあらわれるプラズマPの照射範囲(照射形状)と光L21,L22,L23の照射範囲(照射形状)は、図10(A)に示す位置関係となる。図10(A)に示す光L21,L22,L23の照射範囲の位置関係を視認することで、光L21,L22,L23の照射範囲で囲まれた位置がプラズマPの照射範囲であることを把握できる。
【0075】
被照射体Xの照射面が、図8に示す仮想平面S2の位置(位置Mに重なる位置)にある場合、仮想平面S2(被照射体Xの照射面)にあらわれるプラズマPの照射範囲(照射形状)と光L21,L22,L23の照射範囲(照射形状)は、図10(B)に示す位置関係となる。図10(B)のように、光L21,L22,L23が重なって1つの光の照射領域が視認されることで、プラズマPが最適な強度で被照射体Xに照射されることを把握できる。
【0076】
被照射体Xの照射面が、図8に示す仮想平面S3の位置(位置Mよりも後方の位置)にある場合、仮想平面S3(被照射体Xの照射面)にあらわれるプラズマPの照射範囲(照射形状)と光L21,L22,L23の照射範囲(照射形状)は、図10(C)に示す位置関係となる。図10(C)に示す光L21,L22,L23の照射範囲の位置関係を視認することで、光L21,L22,L23の照射範囲で囲まれた位置がプラズマPの照射範囲であることを把握できる。
【0077】
被照射体Xの照射面が、図8に示す仮想平面S1の位置にある場合、プラズマ照射ユニット10を被照射体Xに近づけると、被照射体Xの照射面にあらわれる光L21,L22,L23がそれぞれ他の光源に対して近づくことになる。そのため、プラズマPを最適な強度で照射するためには、プラズマ照射ユニット10を被照射体Xに近づける必要があることが分かる。
【0078】
被照射体Xの照射面が、図8に示す仮想平面S3の位置にある場合、プラズマ照射ユニット10を被照射体Xから遠ざけると、被照射体Xの照射面にあらわれる光L21,L22,L23がそれぞれ他の光源に対して近づくことになる。そのため、プラズマPを最適な強度で照射するためには、プラズマ照射ユニット10を被照射体Xから遠ざける必要があることが分かる。
【0079】
また、図10に示すいずれのパターンとも異なる照射状態(プラズマPの照射範囲と光L21,L22,L23の照射範囲の位置関係)となった場合であっても、光L21,L22,L23の照射範囲で囲まれた位置がプラズマPの照射範囲であることを把握できる。
【0080】
このように、3つの光源231,232,233からそれぞれ照射される光L21,L22,L23の相対的な位置関係(3つの光源231,232,233から照射されて被照射体に表示される光L21,L22,L23の位置の近づき具合)に基づいてプラズマPの照射位置を把握できるため、プラズマPの照射位置をより一層把握し易くなる。
【0081】
<第3実施形態>
第3実施形態のプラズマ照射装置は、照準器の光源から照射される光の形状が第1,2実施形態と異なっている。そのため、第1,2実施形態のプラズマ照射装置と同様の構成については、同じ符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0082】
第1実施形態の照準器30の光源31,32からの光L1,L2は、図11(A)(B)に示すように、その中心軸に直交する平面に投影したとき(例えば、被照射体Xに照射したとき)、中心軸周りの少なくとも一部を連続的に囲む形状の光L31,L41としてもよい。例えば、光L31は、図11(A)に示すように、その中心軸に直交する平面に投影したとき、プラズマPの照射範囲を囲むようなサイズの円環状となる構成である。また、光L41は、図11(B)に示すように、その中心軸に直交する平面に投影したとき、プラズマPの照射範囲を囲むようなサイズで、一部が欠けた円環状(ランドルト環形状)となる構成である。
【0083】
また、第1実施形態の照準器30の光源31,32からの光L1,L2は、図11(C)(D)に示すように、その中心軸に直交する平面に投影したとき(例えば、被照射体Xに照射したとき)、中心軸周りの複数の位置に存在する形状の光L51,L61としてもよい。例えば、光L51は、図11(C)に示すように、その中心軸に直交する平面に投影したとき、プラズマPの照射範囲を囲む円周上に、複数の光の点が並ぶ形状となる構成である。また、光L61は、図11(D)に示すように、その中心軸に直交する平面に投影したとき、プラズマPの照射範囲を囲むように、中心軸周りに等角で4つのL字形状の光が配される形状となる構成である。
【0084】
このような構成によって、被照射体Xに表示される光源31,32からの光L41,L51の内側領域(光L41の中心軸周りの少なくとも一部を連続的に囲む形状、又は光L51の中心軸周りの複数の位置に存在する形状があらわれる位置よりも内側の領域)にプラズマPが照射されるイメージでプラズマ照射器具20を操作することができる。
【0085】
また、第1実施形態の照準器30の光源31,32からの光L1,L2は、被照射体Xの照射面が位置Mとなる状態(図6参照)で、互いに組み合わされて、図11(A)~(D)に示すような特定の形状となってもよい。例えば、光L1が上に凸となる円弧状であり、光L2が下に凸となる円弧状であってもよい。また、光L1,L2によって、十字形状や星形の特定の形状となってもよい。
【0086】
以上、第1実施形態の光源31,32からの光L1,L2の形状について説明したが、第2実施形態の光源231,232,233からの光L21,L22,L23の形状についても同様の構成とすることができる。
【0087】
<第4実施形態>
第4実施形態のプラズマ照射装置は、プラズマ照射器具に対する照準器の着脱構造が第1~第3実施形態と異なっている。そのため、第1~第3実施形態のプラズマ照射装置と同様の構成については、同じ符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0088】
第4実施形態の照準器430は、光源(図示省略)と、本体部433と、を有している。プラズマ照射器具20に対する照準器430の取付構造を、図12に示す。図12に示すように、本体部33の内周側には、溝部433Aが設けられている。溝部433A内には、ばね部材433Bが、本体部33の径方向に弾性変形可能に配されている。ばね部材433Bの一端が溝部433Aの底に固定され、ばね部材433Bの他端には溝部433Aから突出する突出片433Cが固定されている。
【0089】
図12(A)に示すように、ケース体21の先端側(前端側)から照準器430を近づけ、本体部433の内側にケース体21の先端を押し込む。このとき、ばね部材433Bが収縮変形するように、突出片433Cがケース体21によって溝部433A内に入り込む。そして、図12(B)に示すように、突出片433Cが、ばね部材433Bによって付勢された状態で、溝部27内に嵌まり係止される。これにより、照準器430がプラズマ照射器具20に固定される。なお、突出片433C及びばね部材433Bによる係止構造は、本体部433の内周の複数の位置に設けてもよい。
【0090】
<他の実施形態>
本開示は、上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではない。例えば、上述又は後述の実施形態の特徴は、矛盾しない範囲であらゆる組み合わせが可能である。また、上述又は後述の実施形態のいずれの特徴も、必須のものとして明示されていなければ省略することもできる。更に、上述した実施形態は、次のように変更されてもよい。
【0091】
上記第1,第2実施形態では、光源がそれぞれ2つ、3つ設けられる構成を例示したが、光源が1つ、又は4つ以上設けられる構成としてもよい。
【0092】
上記実施形態では、所定範囲内において、光源から照射される光と、プラズマ照射器具20から照射されるプラズマPとが交わるように配されていたが、交わらずに近づく構成であったり、平行となる構成であってもよい。
【0093】
上記実施形態では、プラズマ照射器具20が、第1構成部41と第2構成部42に分割可能であったが、分割しない構成であってもよい。
【0094】
上記第1実施形態では、光源31,32が、本体部33の中心軸Cbを挟んだ両側に配されていたが、その他の位置に配置されてもよい。例えば、光源31,32が、本体部33の中心軸Cbを中心に90°回転した位置関係で配されてもよい。上記第2実施形態も同様に、光源231,232,233が、本体部33の中心軸Cb周りの同一円周上に異なる間隔で配されてもよい。
【0095】
上記実施形態で、光源としてレーザを用いる構成を例示したが、LED等、指向性を有するその他の光源を用いてもよい。
【0096】
上記第1,第4実施形態で例示したプラズマ照射器具に対する照準器の取り付け構造は、これらに限定されない。
【符号の説明】
【0097】
10…プラズマ照射ユニット
20…プラズマ照射器具
22…ガス誘導路
22B…放出口
23…放電部
23A…放電電極
23B…接地電極
30…照準器
31,32…光源
41B…把持部
100…プラズマ照射装置
230…照準器
231,232,233…光源
430…照準器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12