(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058905
(43)【公開日】2024-04-30
(54)【発明の名称】ベビーカー
(51)【国際特許分類】
B62B 7/08 20060101AFI20240422BHJP
【FI】
B62B7/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022166310
(22)【出願日】2022-10-17
(71)【出願人】
【識別番号】000112288
【氏名又は名称】ピジョン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 舞
【テーマコード(参考)】
3D051
【Fターム(参考)】
3D051AA02
3D051AA08
3D051AA23
3D051BB04
3D051CA05
3D051CA06
3D051CJ10
3D051DD04
(57)【要約】
【課題】折り畳まれた状態で持ち運び易いベビーカーを提供する。
【解決手段】折り畳み可能なベビーカー1であって、乳幼児を乗せるシート10を備え、シート10は、乳幼児の座面となる座面部11と、乳幼児がもたれかかる背もたれ部12と、を有し、背もたれ部12の背面側には、折り畳まれたベビーカー1を持ち上げるための持ち手14が設けられる。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前輪と後輪とが近づくように折り畳み可能なベビーカーであって、
乳幼児を乗せるシートを備え、
前記シートは、乳幼児の座面となる座面部と、乳幼児がもたれかかる背もたれ部と、を有し、
前記背もたれ部の背面側には、折り畳まれた前記ベビーカーを持ち上げるための持ち手が設けられる
ことを特徴とするベビーカー。
【請求項2】
前記シートを支持するフレームと、
前記フレームに取り付けられる車輪と、
前記フレームに接続されて前記ベビーカーを押すためのハンドルと、をさらに備え、
折り畳まれた前記ベビーカーは、側面視において、前記座面部の前方端と前記ハンドルの上端とを結ぶ仮想線が形成され、前記持ち手を持って持ち上げられると、持ち上げる者の身体の側部に前記仮想線が沿う
ことを特徴とする請求項1に記載のベビーカー。
【請求項3】
前記背もたれ部の背面側には、前記座面部に対する前記背もたれ部の角度を調節するためのリクライニングテープが設けられ、
前記持ち手は、前記背もたれ部と前記リクライニングテープとの間に設けられる
ことを特徴とする請求項1または2に記載のベビーカー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベビーカーに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、着座する乳幼児の膝裏が当たる座面の前方端部付近に持ち手を設け、当該持ち手によって折り畳まれたベビーカーを持ち運び可能なベビーカーが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示のベビーカーでは、座面の前方端部付近に設けられた持ち手を持って折り畳まれたベビーカーを持ち上げると、ベビーカーの車輪が持つ人の脚に近い状態となるため歩く時に車輪が脚に当たり易く、ベビーカーを持ち運び難い。
【0005】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、折り畳まれた状態で持ち運び易いベビーカーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある態様によれば、前輪と後輪とが近づくように折り畳み可能なベビーカーであって、乳幼児を乗せるシートを備え、前記シートは、乳幼児の座面となる座面部と、乳幼児がもたれかかる背もたれ部と、を有し、前記背もたれ部の背面側には、折り畳まれた前記ベビーカーを持ち上げるための持ち手が設けられることを特徴とするベビーカー。
【発明の効果】
【0007】
上記の態様では、折り畳まれた状態で持ち運び易いベビーカーを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態に係るベビーカーの斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る折り畳まれたベビーカーのシートを背面側から見た図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る折り畳まれたベビーカーの持ち手に片手をかけて持ち上げた状態の図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る折り畳まれたベビーカーの前方に片手をかけて持ち上げた状態の図である。
【
図5】本発明の実施形態の変形例に係るベビーカーの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して本実施形態について説明する。
【0010】
ベビーカーには、折り畳まれると、前輪と後輪が近づくタイプと、前輪と後輪が離れるタイプとがあるが、本実施形態に係るベビーカー1は、折り畳まれると前輪と後輪が近づくタイプである。
【0011】
まず、
図1及び
図2を参照して、本発明の実施形態に係るベビーカー1の構成について説明する。以下では、ベビーカー1を説明する方向について、着座する乳幼児から見て前方を表または正面とし、同様に着座する乳幼児から見て右手を右とする。
【0012】
図1に示すように、ベビーカー1は、乳幼児を乗せるシート10と、シート10を支持するフレーム20と、フレーム20を支持する車輪30と、フレーム20に接続されてベビーカー1を押すためのハンドル40と、ひじ掛け50と、乳幼児の前方の安全性を高めるためのフロントガード60と、幌70と、乳幼児の足乗せとなるステップ80と、荷物を収容するためのカゴ90と、を備える。
【0013】
シート10は、乳幼児の座面となる座面部11と、乳幼児がもたれかかる背もたれ部12と、を有する。
図2に示すように、背もたれ部12の背面には、折り畳まれた状態のベビーカー1を持ち上げるための持ち手14が設けられる。
【0014】
図1及び
図2に示すように、フレーム20は、シート10を支持する座面フレーム21及び背面フレーム22と、前輪31が取り付けられる前輪フレーム23と、後輪32が取り付けられる後輪フレーム24と、ハンドル40の位置を前後に切り替えるための対面切替部材25と、座面フレーム21と背面フレーム22の回動軸である軸部26と、座面フレーム21と後輪フレーム24の間に回転自在に取り付けられるブラケット27と、を有する。
【0015】
ベビーカー1は、
図1に示す展開状態において、ハンドル40に設けられる開閉操作部(図示省略)が操作されると、座面フレーム21、背面フレーム22、前輪フレーム23、後輪フレーム24、及びブラケット27が回動して折畳状態(
図3に示す状態)へ遷移する。
【0016】
図2に示すように、背もたれ部12の背面側には、背もたれ部12のリクライニング角度を調節するためのリクライニングテープ13と、ベビーカー1を持ち上げるための持ち手14と、が設けられる。リクライニングテープ13は、孔13aから出ている紐15の長さを留め具16で調節することにより、背もたれ部12のリクライニング角度を調節する。なお、
図2から
図5において、リクライニングテープ13は、他の構成との見分けがし易いように灰色に着色している。
【0017】
図2において破線で示す持ち手14は、ベルト状の生地であり、指4本を使って掴むことができるように設けられる(
図3参照)。持ち手14は、背もたれ部12とリクライニングテープ13との間に設けられ、背面から見るとリクライニングテープ13に隠れる。このため、持ち手14によってベビーカー1の背面側のデザインが損なわれることがない。リクライニングテープ13は、持ち手14と重なる部分については、持ち手14との間に手を通せるように背もたれ部12の背面に設けられる(
図3参照)。
【0018】
持ち手14は、背もたれ部12の背面の中心線L(
図2参照)に直交するように設けられることで、持ち上げる者はベビーカー1をバランスよく持ち上げることができる。
【0019】
なお、持ち手14は、ベビーカー1をバランスよく持ち上げられるように背もたれ部12に設けられればよく、リクライニングテープ13の上方または下方に設けられてもよい。また、持ち手14は、ベルト状の生地に代えて、背もたれ部12に形成された指を挿入可能なスリットであってもよい。
【0020】
次に、
図2及び
図3を参照して、持ち手14について詳しく説明する。以下では、折り畳まれたベビーカー1が持ち上げられた時の方向について、持ち上げる者から見て身体に近い側を内側とする。
【0021】
図3に示すように、ベビーカー1は、持ち手14を持って持ち上げられると、ハンドル40の上端40aと座面部11の前方端11aとを結ぶ仮想線Aが持ち上げる者の身体の側部に沿って持ち上げられる。具体的には、ベビーカー1は、ハンドル40の上部が持ち上げる者の脇に挟まれ、座面部11の前方端11aが身体の側部に支持されることで、安定して持ち上げられる。
【0022】
この時、後輪32に対して内側となる前輪31が持ち上げる者の脚から離れた位置となる。このため、持ち上げる者は、持ち手14を持ってベビーカー1を持ち歩くと、前輪31及び後輪32がともに脚に干渉し難く歩き難くならない。また、車輪30の汚れが足元に移る可能性が低い。
【0023】
ここで、持ち手14が設けられる最適な位置について説明する。
図2に示すように、ベビーカー1がバランスよく持ち上げられるためには、背もたれ部12の背面の中心線Lに直交するように持ち手14を設けることが望ましい。さらに、持ち手14が設けられる上下方向の位置としては、背もたれ部12の背面の中間付近の高さに持ち手14を設けることが望ましい。
【0024】
持ち手14が設けられる上下方向の位置として、例えば、持ち手14が背もたれ部12の過度に下部の位置に設けられると、ベビーカー1を持ち上げる時にハンドル40が脇につかえてベビーカー1を持ち上げられない可能性がある。また、持ち手14が背もたれ部12の過度に上部の位置に設けられると、腕を曲げた状態を維持してベビーカー1を持ち上げる必要が生じる。つまり、持ち手14を持ってベビーカー1を持ち上げるにあたり、車輪30が接地しないようにするためには、腕を曲げた状態を維持する必要があり、この状態を維持してベビーカー1を持ち歩くのは困難である。
【0025】
このため、
図3に示すように、持ち上げる者は、腕が伸びた状態でベビーカー1を持ち歩くことができれば、腕を曲げた状態を維持する必要がないため楽に持ち歩くことができる。
【0026】
そこで、持ち上げる者が腕を伸ばした状態で楽にベビーカー1を持ち上げることができる持ち手14の位置が、背もたれ部12の背面の上下方向における中間付近となる。背もたれ部12の上下方向における中間付近の高さにはリクライニングテープ13が設けられているため、本実施形態では、持ち手14はリクライニングテープ13と同じ高さに設けられる。
【0027】
次に、
図4を参照して、折り畳まれたベビーカー1を前方側から持ち上げた場合(
図3とは逆向きにベビーカー1を持ち上げた場合)について説明する。
【0028】
特許文献1に開示のベビーカーのように、座面部の前方端付近に設けられた持ち手を持ち手としてベビーカーを片手で持ち上げられる場合がある。
【0029】
このように折り畳まれたベビーカー1が前方側から持ち上げられると、
図4に示すように、前輪31に対して内側となる後輪32が持ち上げる者の脚に近い位置となる。このため、持ち上げる者は、ベビーカー1を前方側から持ち上げて歩くと後輪32が脚に干渉し易く歩き難い。また、後輪32が汚れていれば、足元や靴が汚れる可能性がある。
【0030】
これに対し、上述したように、ベビーカー1は、持ち手14を持って持ち上げられると、
図3に示すように、後輪32に対して内側となる前輪31が持ち上げる者の脚から離れた位置となる。ここで、
図3を参照しながら、持ち手14を持ってベビーカー1が持ち上げられると、車輪30(前輪31)が脚から離れた位置になる理由について説明する。
【0031】
図3に示すように、折り畳まれたベビーカー1を側面から見ると、ベビーカー1の外縁は、ハンドル40の上端40a、座面部11の前方端11a、前輪31の外周、及び後輪32の外周を各頂点とする四角形である。この四角形は、一点破線で示す、仮想線A、仮想線B、仮想線C、及び仮想線Dからなる。仮想線Aは、ハンドル40の上端40aと座面部11の前方端11aとを結ぶ線であり、仮想線Bは、座面部11の前方端11aと前輪31の外周とを結ぶ線であり、仮想線Cは、前輪31の外周と後輪32の外周とを結ぶ線であり、仮想線Dは、後輪32の外周とハンドル40の上端40aとを結ぶ線である。
【0032】
仮想線Aと仮想線Bの成す角度αは鈍角であり、角度αの外角である角度β(180度-角度α)は鋭角である。
【0033】
このような仮想線に基づいて、持ち手14を持って持ち上げられたベビーカー1を見ると、ハンドル40の上端40aと座面部11の前方端11aとを結ぶ仮想線Aが持ち上げる者の身体の側部に沿う。そして、座面部11の前方端11aと前輪31とを結ぶ仮想線Bは角度βによって身体の側部から外側へ向かう。このため、仮想線Bの端部である前輪31は、角度βの分だけ身体の側部から離れ、持ち上げる者の脚から離れた位置となる。
【0034】
一方、座面部11の前方端11a付近を持ってベビーカー1が持ち上げられる場合には、
図4に示すように、ハンドル40の上端40aと後輪32の外周とを結ぶ仮想線Dが持ち上げる者の身体の側部に沿う。これにより、仮想線Dの端部である後輪32が持ち上げる者の脚の近くに位置する。
【0035】
ここで、前輪31及び後輪32は、キャスター構造であり、前輪フレーム23、後輪フレーム24に対する回転軸がベビーカー1の進行方向に対して後ろ側に偏芯している。また、ベビーカー1が折り畳まれた状態では、各車輪30は前後輪の接触により回転軸で回転することが規制される。このため、ベビーカー1が折り畳まれた状態では、前輪31の中心部31aは前輪フレーム23よりも後ろ側となり、後輪32の中心部32aは後輪フレーム24よりも後ろ側となる。
【0036】
これにより、
図3では、前輪31が前輪フレーム23よりも持ち上げる者の身体から離れる方向に位置し、
図4では、後輪32が後輪フレーム24よりも持ち上げる者の脚の近くに位置する。
【0037】
このように、折り畳まれたベビーカー1は、座面部11の前方端11a付近を持って持ち上げられると車輪30が脚に近くなり、背もたれ部12の背面側に設けられた持ち手14を持って持ち上げられると車輪30が脚から離れた位置となる。
【0038】
次に、ベビーカー1の変形例として、側面から見た形状が異なるベビーカーについて
図5を参照して説明する。上記実施形態では、ベビーカー1が持ち手14を持って持ち上げられた時に、身体の側部に沿う仮想線が、ハンドル40の上端40aと座面部11の前方端11aとを結ぶ仮想線Aである場合について説明した。しかし、身体の側部に沿う仮想線は、ハンドル40の上端40aと座面部11の前方端11aとを結ぶ線に限られない。
【0039】
図5(A)に示すベビーカー2は、持ち手14を持って持ち上げられた時に、フロントガード60が身体の側部に支持される形状である。つまり、折畳状態のベビーカー2の側面視においては、座面部11の前方端11aではなくフロントガード60がベビーカー2の外縁の頂部を構成する。ベビーカー2が持ち手14を持って持ち上げられた時には、身体の側部に沿う仮想線は、ハンドル40の上端40aとフロントガード60とを結ぶ線A’となる。この場合、仮想線Bは、フロントガード60と前輪31とを結ぶ線B’となる。
【0040】
また、
図5(B)に示すベビーカー3は、持ち手14を持って持ち上げられた時に、座面フレーム21の前方端21aが身体の側部に支持される形状である。つまり、折畳状態のベビーカー3の側面視においては、座面部11の前方端11aではなく座面フレーム21の前方端21aがベビーカー3の外縁の頂部を構成する。ベビーカー3が持ち手14を持って持ち上げられた時には、身体の側部に沿う仮想線は、ハンドル40の上端40aと座面フレーム21の前方端21aとを結ぶ線A’’となる。この場合、仮想線Bは、座面フレーム21の前方端21aと前輪31とを結ぶ線B’’となる。
【0041】
また、
図5(C)に示すベビーカー4は、持ち手14を持って持ち上げられた時に、湾曲した前輪フレーム29に取り付けられるステップ80が身体の側部に支持される形状である。つまり、折畳状態のベビーカー4の側面視においては、座面部11の前方端11aではなくステップ80がベビーカー4の外縁の頂部を構成する。ベビーカー4が持ち手14を持って持ち上げられた時には、身体の側部に沿う仮想線は、ハンドル40の上端40aとステップ80とを結ぶ線A’’’である。この場合、仮想線Bは、ステップ80と前輪31とを結ぶ線B’’’となる。
【0042】
図5(A),(B),及び(C)のいずれのベビーカー2、3、4であっても、仮想線A’、仮想線A’’、仮想線A’’’が身体の側面に沿い、仮想線B’、仮想線B’’、仮想線B’’’が身体の側部から外側に向かう。このため、車輪30(前輪31)が持ち上げる者の脚から離れた位置になる。
【0043】
また、折り畳まれたベビーカー1を側面から見た形状は、四角形に限られず、略五角形、略六角形、略七角形等でもよい。いずれの多角形状であっても、背もたれ部12に設けられた持ち手14を持ってベビーカー1を持ち上げると、身体の側部に沿う仮想線と身体の側部から外側に向かう仮想線とは所定の角度を成すため、ベビーカー1の車輪30が脚から離れた位置になる。
【0044】
ここまで、持ち手14が背もたれ部12の背面に設けられることを説明したが、持ち手14はベビーカー1に対して着脱可能であってもよい。
【0045】
例えば、持ち手14の両端に連結部としての面ファスナーやクリップ等を設け、持ち手14が背もたれ部12の背面側を跨ぐように連結部をハンドル40の両側部にそれぞれ連結し、ベビーカー1の背面側を横断する持ち手14とすることができる。この場合、持ち手14に設けられる連結部またはハンドル40に滑り止め加工を施すことや、被連結部となるハンドル40の複数の所定位置を窪ませることで位置ずれを防ぐことができる。また、着脱式の持ち手14は、ハンドル40の両側部に連結することに限らず、背もたれ部12を構成するフレーム(不図示)の両側部に固定するものであってもよい。その場合、当該持ち手14がリクライニングの妨げにならない。
【0046】
このように持ち手14をベビーカー1に対して着脱自在とすることで、ベビーカー1に対する上下方向の取付位置を変えることができ、使用者の身長に合わせて持ち手14を最適な位置に取り付けることができる。
【0047】
以下、本発明の実施形態の構成、作用、及び効果を説明する。
【0048】
ベビーカー1は、乳幼児を乗せるシート10を備え、シート10は、乳幼児の座面となる座面部11と、乳幼児がもたれかかる背もたれ部12と、を有し、背もたれ部12の背面側には、折り畳まれたベビーカー1を持ち上げるための持ち手14が設けられる。
【0049】
この構成によれば、背もたれ部12の背面側に設けられた持ち手14を持って折り畳まれたベビーカー1を持ち上げることで、ベビーカー1の前面側が持ち上げる者に向いた状態で持ち上げられる。また、背もたれ部12の背面側は、一定の面積を有し、持ち手14を設けるにあたり、設置スペースを十分にとることができる。さらに、背もたれ部12の背面側の所定の高さに持ち手14を設けると、持ち上げる者は、腕を伸ばした状態でベビーカー1を持ち上げることができるため、ベビーカー1を持ち運び易い。
【0050】
ベビーカー1は、シート10を支持するフレーム20と、フレーム20に取り付けられる車輪30と、フレーム20に接続されてベビーカー1を押すためのハンドル40と、をさらに備え、折り畳まれたベビーカー1は、側面視において、座面部11の前方端11aとハンドル40の上端40aとを結ぶ仮想線Aが形成され、持ち手14を持って持ち上げられると、持ち上げる者の身体の側部に仮想線Aが沿う。
【0051】
この構成によれば、側面視において座面部11の前方端11aとハンドル40の上端40aとを結ぶ仮想線Aが持ち上げる者の身体の側部に沿うことで、仮想線Aの延長線上ない車輪30は、持ち上げる者の脚から離れた位置となる。このため、持ち手14を持って持ち上げられると、車輪30が持ち上げる者の脚に干渉し難く、ベビーカー1を持ち運び易い。また、車輪30が持ち上げる者の脚から離れた位置となるため、車輪30が汚れていても足元に汚れが移り難い。
【0052】
ベビーカー1の背もたれ部12の背面側には、座面部11に対する背もたれ部12の角度を調節するためのリクライニングテープ13が設けられ、持ち手14は、背もたれ部12とリクライニングテープ13との間に設けられる。
【0053】
この構成によれば、持ち手14がリクライニングテープ13に隠れて見た目がすっきりする。
【0054】
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【0055】
ベビーカー1の構成、ベビーカー1の各部品の形状等は、上記実施形態には限定されない。例えば、ハンドル40は、本実施形態のような左右一体型ではなく、左右が独立したハンドルであってもよい。また、車輪30は4ヶ所に設けられるものではなく3ヶ所に設けられるものでもよい。
【0056】
また、ベビーカー1は、対面背面切替式のいわゆるA型ベビーカーに限られずに、ハンドル40が対面背面に切り替えを行えない、いわゆるB型ベビーカーであってもよい。
【符号の説明】
【0057】
1 ベビーカー
10 シート
11 座面部
11a 前方端
12 背もたれ部
13 リクライニングテープ
14 持ち手
20 フレーム
30 車輪
40 ハンドル
40a 上端
50 ひじ掛け
60 フロントガード
70 幌
80 ステップ
90 カゴ