(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058915
(43)【公開日】2024-04-30
(54)【発明の名称】固形製剤及び固形製剤の内服確認方法
(51)【国際特許分類】
A61K 9/20 20060101AFI20240422BHJP
A61J 7/00 20060101ALI20240422BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20240422BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20240422BHJP
【FI】
A61K9/20
A61J7/00 Z
A61K47/02
A61K47/36
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022166323
(22)【出願日】2022-10-17
(71)【出願人】
【識別番号】518212241
【氏名又は名称】公立大学法人公立諏訪東京理科大学
(74)【代理人】
【識別番号】100127661
【弁理士】
【氏名又は名称】宮坂 一彦
(72)【発明者】
【氏名】橋元 伸晃
【テーマコード(参考)】
4C047
4C076
【Fターム(参考)】
4C047NN20
4C076AA36
4C076BB01
4C076DD25
4C076EE30
4C076FF01
4C076FF70
(57)【要約】 (修正有)
【課題】要内服者が薬を飲んだことを確認できる固形製剤及びその内服方法を提供すること。
【解決手段】固形製剤1は、有効成分と、有効成分の固有音響インピーダンスとは異なる固有音響インピーダンスを有する気体でなる気泡12又は水若しくはヒトの消化管から分泌する分泌液と反応して該気体を生じる発泡材料とを含む。固形製剤の内服確認方法は、超音波出力部と超音波センサとを備えた超音波ユニット110,120を要内服者Pの咽頭80又は腹部に配置しプローブを内服者の咽頭80又は胃90に向けて設定する超音波ユニット設定ステップと、要内服者Pが固形製剤1を内服したときに、超音波ユニット110,120が気体を検出する気体検出ステップと、気体の検出により固形製剤1が咽頭80又は胃90を通過又は到達したことを検知し、要内服者Pが固形製剤1を内服したものと判定する内服判定ステップとを含む。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効成分と、
前記有効成分の固有音響インピーダンスとは異なる固有音響インピーダンスを有する気体でなる気泡、又は、水若しくはヒトの消化管から分泌する分泌液と反応して前記気体を生じる発泡材料と、
を含む固形製剤。
【請求項2】
請求項1に記載の固形製剤において、
前記気体は、超音波画像装置によってヒトの体外から検出される気体である、ことを特徴とする固形製剤。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の固形製剤において、
前記気体が空気、又は、窒素及び二酸化炭素のうち少なくとも片方を含む気体の中から選択されることを特徴とする固形製剤。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載の固形製剤において、
前記発泡材料が炭酸水素ナトリウムであることを特徴とする固形製剤。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載の固形製剤において、
前記気泡又は前記発泡材料は、カプセル材に包まれており、
前記カプセル材は、水又は/及び前記分泌液に溶解する材料である、
ことを特徴とする固形製剤。
【請求項6】
請求項5に記載の固形製剤において、
前記カプセル材は水溶性多糖類を含んでなることを特徴とする固形製剤。
【請求項7】
請求項1~6のいずれかに記載の固形製剤において、
前記分泌液は胃酸であることを特徴とする固形製剤。
【請求項8】
要内服者が固形製剤を内服したかどうかを確認する固形製剤の内服確認方法であって、
検出用の超音波を出力する超音波出力部と被検出物に反射した前記超音波の反射信号をセンシングする超音波センサとを備えた第1超音波ユニットを前記要内服者の咽頭外側に配置し、前記超音波出力部及び前記超音波センサでなる前記第1超音波ユニットのプローブを前記要内服者の咽頭に向けて設定する第1超音波ユニット設定ステップと、
前記要内服者が請求項1~7のいずれかに記載された固形製剤を内服したときに、前記第1超音波ユニットが前記気体を検出する第1気体検出ステップと、
前記気体の検出により前記固形製剤が前記咽頭を通過したことを検知し、前記要内服者が前記固形製剤を内服したものと判定する第1内服判定ステップと、
を含む固形製剤の内服確認方法。
【請求項9】
要内服者が固形製剤を内服したかどうかを確認する固形製剤の内服確認方法であって、
検出用の超音波を出力する超音波出力部と被検出物に反射した前記超音波の反射信号をセンシングする超音波センサとを備えた第2超音波ユニットを前記要内服者の腹部外側に配置し、前記超音波出力部及び前記超音波センサでなる前記第2超音波ユニットのプローブを前記要内服者の胃に向けて設定する第2超音波ユニット設定ステップと、
前記要内服者が請求項1~7のいずれかに記載された固形製剤を内服したときに、前記第2超音波ユニットが前記気体を検出する第2気体検出ステップと、
前記気体の検出により前記固形製剤が前記胃に到達したことを検知し、前記要内服者が前記固形製剤を内服したものと判定する第2内服判定ステップと、
を含む固形製剤の内服確認方法。
【請求項10】
請求項9に記載の固形製剤の内服確認方法において、
前記第2超音波ユニットの前記超音波センサに入力する前記超音波の反射信号で、前記固形製剤の前記胃への到達を検知し、更に前記胃での前記固形製剤の崩壊を検知することを特徴とする固形製剤の内服確認方法。
【請求項11】
請求項8~10のいずれかに記載の固形製剤の内服確認方法において、
前記第1超音波ユニット又は前記第2超音波ユニットでセンシングされた前記超音波の反射信号は、無線通信手段で、前記第1超音波ユニット又は前記第2超音波ユニットの外部に設けられた判定処理装置に伝送されることを特徴とする固形製剤の内服確認方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固形製剤及び固形製剤の内服確認方法に関する。
【背景技術】
【0002】
認知症患者は年々増加し、その治療は大きな社会問題になっている。認知症患者の治療のために投薬が行われるが、認知症患者は薬を飲んだのかどうか認知できないことがあり、飲み忘れをすることがある(例えば非特許文献1参照)。さらに医師は、その状態を把握しきれないため不確かな情報の下で諸判断をすることとなり、結果として誤った治療方針・投薬方針を採ってしまうことがある。
【0003】
ところで近時では、経口投与される錠剤(広義には「固形製剤」)に発泡剤を含ませ、錠剤が所期の消化管に到達したところでガスを発生するようにし、ガスの圧力で錠剤を破裂し、腹壁に向けた充填内容物の迅速な放出クイックレリースを高めるという技術が提案されている(例えば特許文献1の[0013]段落参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】株式会社学研ホールディングズ社ホームページ、” 認知症の方の服薬管理にはどんなトラブルがある?徹底解説します!”、[online]、[2022年10月12日検索]、インターネット(URL:https://www.mcsg.co.jp/kentatsu/dementia/3568)
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された固形製剤は、消化管内での薬の送達、放出及び吸収を効果的に行うことを目的としており、上記したような認知症患者の薬の飲み忘れの問題に対して新たな解決策を提案するものではない。
【0007】
本発明は上記した事情に鑑みてなされたものであり、要内服者が薬を飲んだことを確認できる固形製剤を提供することを目的とする。また、要内服者が当該固形製剤を内服したかどうかを確認できる内服確認方法を提供することを目的とする。さらに、要内服者が薬を飲んだことを家族や看護師・医師等に伝えることができ、認知症患者を始めとする要内服者の薬の飲み忘れを防止する手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様によれば、薬の飲み忘れ防止に資する固形製剤が提供される。かかる固形製剤は、有効成分と、有効成分の固有音響インピーダンスとは異なる固有音響インピーダンスを有する気体でなる気泡、又は、水若しくはヒトの消化管から分泌する分泌液と反応して気体を生じる発泡材料と、を含むものである。
ここで「有効成分の固有音響インピーダンス」というのは、有効成分に固有の音響インピーダンスをいい、「気体の固有音響インピーダンス」というのは、当該気体に固有の音響インピーダンスのことをいうものとする。
【0009】
また、本発明の別の一態様によれば、薬の飲み忘れ防止に資する方法であって、要内服者が固形製剤を内服したかどうかを確認する固形製剤の内服確認方法が提供される。
かかる固形製剤の内服確認方法は、検出用の超音波を出力する超音波出力部と被検出物に反射した超音波の反射信号をセンシングする超音波センサとを備えた第1超音波ユニットを要内服者の咽頭外側に配置し、超音波出力部及び超音波センサでなる第1超音波ユニットのプローブを要内服者の咽頭に向けて設定する第1超音波ユニット設定ステップと、要内服者が上記した固形製剤(本発明の一態様参照)を内服したときに、第1超音波ユニットが気体を検出する第1気体検出ステップと、気体の検出により固形製剤が咽頭を通過したことを検知し、要内服者が固形製剤を内服したものと判定する第1内服判定ステップと、を含んでいる。
【0010】
また、本発明の更に別の一態様によれば、薬の飲み忘れ防止に資する方法であって、要内服者が固形製剤を内服したかどうかを確認する更に別の固形製剤の内服確認方法が提供される。
かかる固形製剤の内服確認方法は、検出用の超音波を出力する超音波出力部と被検出物に反射した超音波の反射信号をセンシングする超音波センサとを備えた第2超音波ユニットを要内服者の腹部外側に配置し、超音波出力部及び超音波センサでなる第2超音波ユニットのプローブを要内服者の胃に向けて設定する第2超音波ユニット設定ステップと、要内服者が上記した固形製剤(本発明の一態様参照)を内服したときに、第2超音波ユニットが気体を検出する第2気体検出ステップと、気体の検出により固形製剤が胃に到達したことを検知し、要内服者が固形製剤を内服したものと判定する第2内服判定ステップと、を含んでいる。
【0011】
本発明の固形製剤によれば、要内服者が薬を飲んだことを検出することができる。また、本発明の固形製剤の内服確認方法によれば、要内服者が当該固形製剤を内服したかどうかを確認することができる。その結果、要内服者が薬を飲んだことを家族や看護師・医師等に伝えることができ、認知症患者を始めとする要内服者の薬の飲み忘れを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態1に係る固形製剤1を説明するために示す模式的な断面図である。
【
図2】実施形態1に係る固形製剤の内服確認システム100を示すシステム構成図である。
【
図3】実施形態1に係る固形製剤の内服確認方法(第1態様)を示すフローチャートである。
【
図4】実施形態1に係る固形製剤の内服確認方法(第2態様)を示すフローチャートである。
【
図5】実施形態1に係る固形製剤の内服確認方法の理解を促進するために示す模式図で、咽頭80及び胃90における超音波画像の移り変わりを表した図である。
【
図6】実施形態2に係る固形製剤2及び固形製剤4を説明するために示す模式的な断面図である。
【
図7】実施形態3に係る固形製剤3を説明するために示す模式的な断面図である。
【
図8】変形例に係る固形製剤2’,4’を説明するために示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明者は、気体の固有音響インピーダンスの値が、固形製剤の固有音響インピーダンスの値やヒトの臓器・体液等の固有音響インピーダンスの値と大きく異なることに着目し、固形製剤を内服したときに、超音波画像の技術で、当該固形製剤に内包する気体/当該固形製剤に起因する気体を見いだせるよう固形製剤を構成した。また、当該気体を消化管の所定部位(咽頭、胃等)において超音波センサで捉えることにより、固形製剤が所定の消化管の部位に到達したことを検知し、これにより固形製剤を内服したことを確認するという方法を案出した。
以下、本発明の詳細について図を参照しながら説明する。なお、各図に共通する符号については、当該符号について既に説明した内容を他の図の説明においても援用できることから、他の図における説明を省略する。
【0014】
[実施形態1]
1.実施形態1に係る固形製剤1
図1は、実施形態1に係る固形製剤1を説明するために示す模式的な断面図である。
図1に示すように、実施形態1に係る固形製剤1は有効成分10と気泡12とを含んでいる。
有効成分10は内服薬として本来的な機能を果たす部分である。
気泡12は、有効成分10の固有音響インピーダンスとは異なる固有音響インピーダンスを有する気体でなっている。換言すると、固形製剤1の気泡12を構成する気体は、超音波画像装置によってヒトの体外から検出される気体である(詳細は後述)。ヒトが内服したとしても障害を生じない気体であれば如何なる気体であっても本発明「気体」としての適用可能性がある。例えば、空気、又は、窒素及び二酸化炭素のうち少なくとも片方を含む気体の中から選択されるものであってもよい。気体がこのような物質であれば要内服者へのインパクトも無く、最終的には体外に排出されることから侵襲性も無いため、要内服者のQOL(Quality Of Life)を低下させることもない。
【0015】
気泡12の在り方についての態様は、本発明の作用・効果を奏するのであれば如何なる態様であってもよい。実施形態1の例では、小さな単位で独立している気泡12の粒が、有効成分10の中に数多く混ざるようにして練り込まれている(
図1参照)。
【0016】
かかる気泡12は、直に有効成分10に練り込まれていてもよいし、何等かの形で気泡12がカプセル化されて有効成分10に散在していてもよい。
図1の例では、気泡12はカプセル材16に包まれて有効成分10内に散在している。
【0017】
カプセル材16は、水又は/及び前記分泌液に溶解する材料でなっている。例えば、カプセル材16として水溶性多糖類を含む材料を用いてもよい。こうすることにより、当該固形製剤を内服したとしてもカプセル材16は消化されるため要内服者へのインパクトを抑えられる。また、カプセル材16を溶解する「分泌液」としては例えば唾液や胃酸などを挙げることができる。カプセル材16として、例えば寒天、アガロース、でんぷんなどを主成分とする材料を用いることができる。
【0018】
2.実施形態1に係る固形製剤1を用いた固形製剤の内服確認システム100
次に、固形製剤1を用いた固形製剤の内服確認システム100の概要について説明する。なお、ここで説明する内服確認システム100に対しては、固形製剤1に限らず、後述する実施形態2,3及び変形例に係る固形製剤2,3,4,2’,4’についても適用可能である。
【0019】
図2は、実施形態1に係る固形製剤の内服確認システム100を示すシステム構成図である。
図2に示すように、固形製剤の内服確認システム100は、第1超音波ユニット110と、第2超音波ユニット120と、無線通信手段130を介した通信によって第1超音波ユニット110又は/及び第2超音波ユニット120に接続される判定処理装置200と、ネットワークNWを介して判定処理装置200に接続されるサーバー装置300とを備える。第1超音波ユニット110、第2超音波ユニット120及び判定処理装置200により超音波画像装置400を構成している。
なお、図においては第1超音波ユニット110及び第2超音波ユニット120の両方のユニットを設けた例を示したが、内服確認システム100としては、第1超音波ユニット110及び第2超音波ユニット120のいずれか1つだけ設ける構成としてもよい。
【0020】
第1超音波ユニット110は、超音波出力部及び超音波センサ(図示省略。以下同様)を有している。同様に、第2超音波ユニット120は、超音波出力部及び超音波センサを有している。
超音波出力部は、超音波体内の状態を検出するための(検出用の)超音波を出力する。超音波センサは、被検出部に反射した超音波の反射信号をセンシングする。第1超音波ユニット110や第2超音波ユニット120は、いわゆる医療用のエコー検査装置の「プローブ」に相当する部分を有している。
【0021】
また、第1超音波ユニット110及び第2超音波ユニット120は、無線通信手段130の一部を構成する通信I/F(図示省略)を有しており、近距離無線通信等によって超音波センサの反射信号等を送信(伝送)したり、判定処理装置200からのコマンドを受信したりすることが可能になっている。
【0022】
判定処理装置200は、第1超音波ユニット110又は及び第2超音波ユニット120による超音波の反射信号を解析し、固形製剤1の気泡12を起源とする「気体」を検出して、固形製剤1を内服したかどうかを判定する装置である。
判定処理装置200は、無線通信手段130の一部を構成する通信I/F(図示省略)を有しており、無線通信手段130による無線通信を通じて第1超音波ユニット110や第2超音波ユニット120から伝送されてきた超音波の反射信号を受信し、当該反射信号に基づき画像化を行い、当該画像に基づいて例えば気泡12を起源とする「気体」の特徴抽出等による画像処理で当該「気体」の存在を検出し、当該気体の検出により固形製剤1が消化管Dの所定の部位(咽頭80、胃90など)に到達したことを検知し、この検知により要内服者Pが固形製剤1を内服したものと判定する。内服判定結果・日時等の記録に係るデータは、判定処理装置200の内部に保持することもできるし、ネットワークNWを介してサーバー装置300の記憶部(図示を省略。以下同様)に格納することもできる。
【0023】
判定処理装置200は、当該判定処理装置200を具現化する構成要素として、プロセッサ、メモリ、通信I/Fなどの一般的な情報処理端末に実装されているハードウェアと、上記メモリに保持され、上記一連の判定処理をプロセッサ上で実行するためのプログラムとを含んでいる(各構成要件の符号による図示を省略。以下同様)。例えば、判定処理装置200は「スマートフォン」と呼ばれる情報処理端末とこれにインストールされたプログラムとで実現することができる。
【0024】
サーバー装置300は、ネットワークNWを介して判定処理装置200に接続されている。サーバー装置300は、判定処理装置200から伝送されてきた内服判定結果・日時等の記録に係るデータを保持することが可能である。また、外部の端末からの参照を受けて内服判定結果・日時等の記録を閲覧させることも可能である。例えば、家族や看護師・医師等が、自らが操作する端末装置(PC、スマートフォン等)からサーバー装置300にアクセスし、サーバー装置300に保持された内服判定結果・日時等に係るデータを閲覧することで要内服者Pが実際に固形製剤1を内服したかどうかを確認することができる。
【0025】
3.実施形態1に係る固形製剤の内服確認方法
次に、
図3~
図5を参照しながら、要内服者Pが固形製剤1を内服したかどうかを確認する固形製剤1の内服確認方法について説明を行う。
【0026】
図3は、実施形態1に係る固形製剤の内服確認方法(第1態様)を示すフローチャートである。
図4は、実施形態1に係る固形製剤の内服確認方法(第2態様)を示すフローチャートである。
【0027】
図5は、実施形態1に係る固形製剤の内服確認方法の理解を促進するために示す模式図で、咽頭80及び胃90における超音波画像の移り変わりを表した図である。
図5の左側に描かれたイラストは、要内服者Pにおける咽頭80、第1超音波ユニット110、胃90、第2超音波ユニット120等の位置関係を示している。
図5の左側から右側にかけてT0~T5と示した位置は時系列順の時刻を示している。具体的には、固形製剤1を経口摂取した時刻をT0とし、その直後の時刻をT1とし、固形製剤1が咽頭80を通過している時刻をT2とし、固形製剤1が胃90に到達しつつある時刻をT3とし、固形製剤1が胃内腔91で崩壊し内包していた気泡12が拡がり始める時刻をT4とし、気泡12を包むカプセル材16が胃酸で溶解し内部の気泡12が細かく分かれて更に分散する時刻をT5としている。画面Imp1~Imp5は咽頭80付近における各時刻(T1~T5)の超音波画像を示している。画面Ims1~Ims5は胃90付近における各時刻(T1~T5)の超音波画像を示している。
図5において符号81は咽頭内腔を示し、符号82は咽頭壁(組織)を示し、符号91は胃内腔を示し、符号92は胃壁を示している。
【0028】
(1)第1態様の固形製剤の内服確認方法
図3に示すように、第1態様の固形製剤の内服確認方法は、第1超音波ユニット設定ステップS10、第1気体検出ステップS20及び第1内服判定ステップS30を含んでいる。
【0029】
(1-1)第1超音波ユニット設定ステップS10は、第1超音波ユニット110を咽頭80付近に取り付けるステップである。具体的には、第1超音波ユニット設定ステップS10は、検出用の超音波を出力する超音波出力部と被検出物に反射した超音波の反射信号をセンシングする超音波センサとを備えた第1超音波ユニット110を要内服者Pの咽頭80外側に配置し、超音波出力部及び超音波センサでなる第1超音波ユニット110のプローブを要内服者Pの咽頭80の内部に向けて設定するステップである(
図2も併せて参照。以下同様)。ここでの「プローブ(図示を省略)」というのは、具体的には超音波を発する部分及び反射した超音波を受け取る部分である。
【0030】
(1-2)第1気体検出ステップS20は、要内服者Pが実施形態1に係る固形製剤1を内服したときに、第1超音波ユニット110が、咽頭80付近で、有効成分10の固有音響インピーダンスとは異なる固有音響インピーダンスを有する気体を検出するステップである。
【0031】
具体的には、この第1気体検出ステップS20では、咽頭80付近において超音波出力部で検出用の超音波を出力しつつ超音波センサで被検出部に反射した超音波の反射信号をセンシングし、判定処理装置200で、第1超音波ユニット110から伝送されてきた超音波の反射信号を受信し、当該反射信号に基づき画像化を行い(
図5のImp1~Imp5参照)、当該画像に基づいて例えば気泡12を起源とする「気体」の特徴抽出等による画像処理で咽頭内腔81における当該「気体」の存在を検出する。
【0032】
例えば、
図5の画面Imp2においては、画面枠FR1の中で気泡12の形で存在する気体を所定の画像処理によって検出する。気体の固有音響インピーダンスの値は、有効成分や消化管を始めとする各種臓器や体液等の固有音響インピーダンスの値に比べ大きく異なっているため、本発明の超音波画像装置400による検査によれば「気体」を高いS/N比でもって検出することができる。このため、例えば咽頭80付近を超音波画像装置400で常時モニタリングをしたとすると、固形製剤1を特段内服しない時間においては、「気体」は不出現(検出されず)であり、固形製剤1を内服したときに初めて「気体」が出現(検出される)することとなる。このように、特定の箇所でいわば超音波画像による定点観測を行って、「気体」の不出現~「気体」の出現の状態変化を検出することにより、固形製剤1の消化管内の通過/到達を検知することができる。
【0033】
(1-3)第1内服判定ステップS30は、当該「気体」の検出により固形製剤1が咽頭80を通過したことを検知し、要内服者Pが固形製剤1を内服したものと判定するステップである。
具体的には、上記した第1気体検出ステップS20が咽頭80で当該「気体」の検出をしたことを受け、固形製剤1が咽頭80を通過したことを検知し、この検知により要内服者Pが固形製剤1を内服したものと判定するというステップである。
この後、内服判定結果・日時等の記録に係るデータを判定処理装置200の内部に格納する工程を実行してもよいし、ネットワークNWを介してサーバー装置300の記憶部に格納する工程を実行してもよい。
【0034】
(2)第2態様の固形製剤の内服確認方法
図4に示すように、第2態様の固形製剤の内服確認方法は、第2超音波ユニット設定ステップS50、第2気体検出ステップS60及び第2内服判定ステップS70を含んでいる。
【0035】
(2-1)第2超音波ユニット設定ステップS50は、第2超音波ユニット120を胃90付近に取り付けるステップである。具体的には、第2超音波ユニット設定ステップS50は、第2超音波ユニット120を要内服者Pの腹部外側に配置し、第2超音波ユニットのプローブを前記要内服者の胃90に向けて設定する。なお、第1超音波ユニット110と同様、第2超音波ユニット120は超音波出力部と超音波センサとを備えており、第2超音波ユニット120のプローブは超音波出力部及び超音波センサでなっている。
【0036】
なお、第1超音波ユニット110又は第2超音波ユニット120でセンシングされた超音波の反射信号は、無線通信手段130で、第1超音波ユニット110又は第2超音波ユニット120の外部に設けられた判定処理装置200に伝送される。
【0037】
(2-2)第2気体検出ステップS60は、要内服者Pが実施形態1に係る固形製剤1を内服したときに、胃90付近で、第2超音波ユニット120が有効成分10の固有音響インピーダンスとは異なる固有音響インピーダンスを有する気体を検出するステップである。
【0038】
具体的には、この第2気体検出ステップS60では、胃90付近において超音波出力部で検出用の超音波を出力しつつ超音波センサで被検出部に反射した超音波の反射信号をセンシングし、判定処理装置200で、第2超音波ユニット120から伝送されてきた超音波の反射信号を受信し、当該反射信号に基づき画像化を行い、当該画像に基づいて例えば気泡12を起源とする「気体」の特徴抽出等による画像処理で胃内腔91における当該「気体」の存在を検出する。
例えば、
図5の画面Ims3においては画面枠FR1の中で気泡12の形で存在する気体を所定の画像処理によって検出する。
【0039】
(2-3)第2内服判定ステップS70は、当該「気体」の検出により固形製剤1が胃90に到達したことを検知し、要内服者Pが固形製剤1を内服したものと判定するステップである。
具体的には、具体的には、上記した第2気体検出ステップS60が胃90で当該「気体」の検出をしたことを受け、固形製剤1が胃90に到達したことを検知し(胃への到達検知工程S72。
図5の画面Ims3も併せて参照)、この検知により要内服者Pが固形製剤1を内服したものと判定するというステップである。
その後、内服判定結果・日時等の記録に係るデータを判定処理装置200の内部に格納する工程を実行してもよいし、ネットワークNWを介してサーバー装置300の記憶部に格納する工程を実行してもよい。
【0040】
なお、第2超音波ユニット120の超音波センサに入力する超音波の反射信号で、固形製剤1の胃90への”到達”を検知し(
図5の画面Ims3)、更に胃90での固形製剤1の”崩壊”を検知するようにして(固形製剤の崩壊検知工程S74。
図5の画面Ims4及びIms5)、かかる「固形製剤の崩壊検知工程S74」を終了したことをもって固形製剤1を内服したものと判定するようにしてもよい。
【0041】
なお、ここで説明する内服確認方法に対しては、固形製剤1に限らず、後述する実施形態2,3及び変形例に係る固形製剤2,3,4,2’,4’についても適用可能である。
【0042】
4.固形製剤1,固形製剤の内服確認システム100,固形製剤の内服確認方法の効果
(1)実施形態1に係る固形製剤1は、薬としての本来的な機能を果たす有効成分10に加えて、有効成分10の固有音響インピーダンスとは異なる固有音響インピーダンスを有する気体でなる気泡12を含んでいる。
消化管Dの所定の部位(咽頭80、胃90など)に対し体外から超音波センサを当てがい、超音波画像装置400でセンシングできるようにしたうえで要内服者Pがこのような固形製剤1を内服すると、体外からは超音波センサを介し超音波画像装置400で、有効成分10の固有音響インピーダンスとは異なる固有音響インピーダンスを有する気体でなる「気泡12」を検出することができ、これにより固形製剤1が消化管Dの所定の部位を通過又は到達したことを検知できる。かかる検知により、要内服者が薬を飲んだことを確認することができる。
【0043】
参考までに、超音波による検査は、プローブの超音波出力部から体内に向けて超音波を出力し、互いに音響インピーダンスが異なる物質同士の界面で反射した当該超音波の反射信号を超音波センサが捉えて、超音波センサがセンシングした信号を所定の信号処理・画像処理を行うことにより体内の様子を画像化して検査を行うものとなっている。
音響インピーダンスというのは、物質の密度に物質内の音の伝搬速度を乗じたものである。音の伝搬速度(音速)で比較しただけでも、ほぼ水分からなる臓器・体液等の音速が1500[m/s]付近であるのに対し、気体(例えば20℃の空気)の音速は344[m/s]程度であり既に1桁も異なっている。これに物質の密度を乗じた音響インピーダンスで比較をすると、気体の音響インピーダンスは、臓器・体液等の音響インピーダンスに対し概ね4桁も異なった値となっている。
つまり、消化管内では、気体と気体に隣接する物質との間の互いの音響インピーダンスの差は際立っており、こうした状況下で検査を行えば、気体周囲の界面で超音波が強く反射することとなり、高いS/N比で気体を検出することができる。したがって、本発明の固形製剤1によれば、高い信頼性をもって確実に気泡12を構成する気体を検出することができる。
【0044】
(2)実施形態1の気体は、超音波画像装置400によってヒトの体外から検出される気体となっている。超音波画像装置400でヒトの体外から検出するための気体を予め固形製剤1に含ませておくことにより、固形製剤1が消化管D内で崩壊する前の段階においても(例えば胃90で崩壊するよう設定された固形製剤1の場合、胃90に到達する前の口腔内や咽頭80内を通過する段階。例えば
図5の画面Imp2参照)気体の検出を行うことができ、固形製剤1の内服を早い段階で確認することができる。
【0045】
(3)実施形態1の気泡12はカプセル材16に包まれており、カプセル材16は水又は/及びヒトの消化管から分泌する分泌液に溶解する材料でなっている。
カプセル材16が水に溶解する材料の場合には、要内服者Pが固形製剤1を水で含んで内服すると、消化管D内でカプセルが水に溶解して壊れ、カプセル材16の内部に封入されていた気体(又は後述する発泡材料14)を当該消化管D内に拡散させることができる。
また、カプセル材16が上記分泌液に溶解する材料の場合には、所定の分泌液が分泌する消化管(例えば胃酸を分泌する胃90)で初めてカプセルが溶解し、カプセル材16の内部に封入されていた気体(又は後述する発泡材料14)を当該消化管内に拡散させることができる。
カプセル材16の材質や厚みの大きさを適宜調整することにより、カプセル材16が溶解して内部の気体又は発泡材料14が消化管D内に拡散し始めるまでの時間や、拡散させる消化管Dの場所を適宜コントロールすることができる。
【0046】
(4)カプセル材16が胃酸に溶解するように設定されていれば、胃90においてカプセルが壊れ、カプセル材16の内部に収容されていた気体(又は後述する発泡材料)を胃において拡散させることができる。なお、実施形態1ではカプセル材16が胃酸に溶解する例を用いて説明をしたが、例えば唾液に溶解する材料としてもよい。
【0047】
(5)実施形態1に係る第1態様の固形製剤の内服確認方法によれば、第1超音波ユニット110を設定したうえで(第1超音波ユニット設定ステップS10)、上記固形製剤1を内服したときには、消化管D内で音響インピーダンスが特に異なっている「気体」を咽頭80付近で超音波を用いて検出することができ(第1気体検出ステップS20)、固形製剤1の内服を確認することができる(第1内服判定ステップS30)。
【0048】
(6)実施形態1に係る第2態様の固形製剤の内服確認方法によれば、第2超音波ユニット120を設定したうえで(第2超音波ユニット設定ステップS50)、上記固形製剤1を内服したときには、消化管D内で音響インピーダンスが特に異なっている「気体」を胃90付近で超音波を用いて検出することができ(第2気体検出ステップS60)、固形製剤1の内服を確認することができる(第2内服判定ステップS70)。
【0049】
(7)なお、要内服者Pが飲食の際に空気を飲み込む場合がある。この場合、飲食と共に飲み込んだ空気が超音波画像装置400によって「気体」の候補として誤検出される可能性がある。このような誤検出をスクリーニングするために、固形製剤1に内包する気泡12の密集度や配列パターンなどをパターン登録しておき、例えば
図5の画面Imp2で示す画面枠FR1の中の「気体」のパターンとの間でパターマッチングを行ったり、AI(Artificial Intelligence)を駆使した「気体」の検出を行うなどすることにより、上記した誤検出を防止することができる。
【0050】
また、実施形態1に係る固形製剤の内服確認方法で述べたように、第2超音波ユニット120の超音波センサに入力する超音波の反射信号で固形製剤1の胃90への到達を検知し(胃への到達検知工程S72)、更に胃90での固形製剤1の「崩壊」を検知する(固形製剤の崩壊検知工程S74)を実行するようしてもよい。
このように、「気体」と思われる映像が固形製剤1に内包されて密集した状態から、固形製剤1が崩壊して「気体」が拡散していく状態までの、一連の状態遷移を検出することで、超音波画像装置で検出された「気体」と思われる陰影が当該固形製剤に内包された気泡12によるものであるとの確からしさを一層高めることができる。これにより、固形製剤が内服されたことを高い信頼性で確認することができる。
【0051】
(8)第1超音波ユニット110又は第2超音波ユニット120でセンシングされた超音波の反射信号は、無線通信手段130で、第1超音波ユニット110又は第2超音波ユニット120の外部に設けられた判定処理装置200に伝送されるものとなっている。こうすることで判定処理装置200で固形製剤1が内服されたかどうかを判定することができることになり、判定処理装置200を通じて要内服者P以外の者(例えば家族や看護師・医師等)でも内服状況を把握することができ、認知症患者を始めとする要内服者の薬(固形製剤)の飲み忘れの防止に寄与することができる。
【0052】
[実施形態2]
図6は、実施形態2に係る固形製剤2及び固形製剤4を説明するために示す模式的な断面図である。実施形態2に係る固形製剤2は、基本的には実施形態1に係る固形製剤1と同様の構成を有するが、気泡12の在り方において実施形態1に係る固形製剤1とは異なる。
【0053】
図6に示すように、実施形態2に係る固形製剤2においては、独立している多数の気泡12の粒がコーティング材19に練り込まれ、気泡12を含むコーティング材19が、有効成分10の周囲を包むようにしてコーティングしている。
【0054】
このような構成とすることにより、有効成分10の部分については既存の薬剤をそのまま活用しながらも、全体としては気泡12を含む固形製剤2を構成することができる。かかる実施形態2に係る固形製剤2は、気泡12の在り方以外の構成においては、実施形態1に係る固形製剤1と基本的に同様の構成を有する。そのため、固形製剤2は固形製剤1が有する効果のうち該当する効果を同様に有する。
【0055】
[実施形態3]
図7は、実施形態3に係る固形製剤3を説明するために示す模式的な断面図である。
実施形態3に係る固形製剤3は、基本的には実施形態1に係る固形製剤1と同様の構成を有するが、有効成分10に混錬された材料において実施形態1に係る固形製剤1とは異なる。
【0056】
図7に示すように、実施形態3に係る固形製剤3においては、水若しくはヒトの消化管から分泌する分泌液と反応して「有効成分10の固有音響インピーダンスとは異なる固有音響インピーダンスを有する気体」を生じる発泡材料14が、有効成分10の中に混錬されている。
【0057】
要内服者Pがこのような固形製剤3を水と共に内服すると、消化管の中では発泡材料が水又は分泌液と反応して、有効成分10の固有音響インピーダンスとは異なる固有音響インピーダンスを有する「新たな気体」が生成される。そうすると、体外からは超音波センサを介し超音波画像装置400で当該気体を検出することができ、これにより固形製剤3が消化管の所定の部位を通過/到達/拡散したことを検知できる。かかる検知により、要内服者が薬を飲んだことを確認することができる。
【0058】
また、発泡材料14は、炭酸水素ナトリウムであってもよい。発泡材料14として炭酸水素ナトリウムを用いることにより、内服したときに胃酸と反応して気体を発生しやすい固形製剤3となる。
【0059】
また、発泡材料14は、実施形態1と同様にカプセル材16に包まれており、カプセル材16は水又は/及び消化管が分泌する分泌液に溶解する材料で構成されていてもよい。このようなカプセル材16で発泡材料14を包むことにより、カプセル材16が溶解して「新たな気体」を発生させるまでの時間や、「新たな気体」を発生させる消化管Dの場所を適宜コントロールすることができる。
【0060】
実施形態3に係る固形製剤3は、有効成分10に混錬された材料以外の構成においては、実施形態1に係る固形製剤1と基本的に同様の構成を有する。そのため、固形製剤3は固形製剤1が有する効果のうち該当する効果を同様に有する。
【0061】
以上、本発明を上記の実施形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。その趣旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能である。
【0062】
(1)実施形態2を説明するために示す
図6では、固形製剤2が気泡12を内包する場合を例に示した。しかしながら本発明はこれに限定されるものではない。実施形態2の
図6の構成において、気泡12に替えて発泡材料14を固形製剤に内包させてもよい(固形製剤4とする。
図6参照)。かかる固形製剤4の説明として、気泡12を発泡材料14に置き換えながら
図6及び実施形態2の説明を援用することができる。
【0063】
(2)各実施形態においては、そのまま内服できる形の固形製剤を提供することを想定して説明を行った(固形製剤1,2,3)。しかしながら本発明においてはこれに限定されるものではない。例えば、
図8(a)に示すように、気泡12又は発泡材料14をカプセル材16で包んだ粒が数多く含まれたコーティング材19からなる中間材9を提供することによっても、本発明の課題を解決することができる。
こうすることで、有効成分10の部分については既存の薬剤をそのまま活用しながらも、エンドユーザーの下で既存のオリジナルの錠剤20(有効成分10)を中間材9で包み込むようにして固形製剤2’,4’を完成させ、かかる固形製剤2’,4’を内服することにより、実施形態2と同様の効果を享受することができる。
なお、
図8は、変形例に係る固形製剤2’,4’を説明するために示す図である。
図8(a)は変形例に係る固形製剤を作製するための固形剤の中間材9を説明する図であり、
図8(b)は変形例に係る固形製剤2’,4’の模式的な断面図である。
【0064】
(3)各実施形態において、判定処理装置200は第1超音波ユニット110及び第2超音波ユニット120の外部の装置として別途存在することを前提に説明を行った。しかしながら本発明はこれに限定されるものではない。判定処理装置200の機能は、第1超音波ユニット110及び第2超音波ユニット120が兼ね備えていてもよい。また、判定処理装置200の画像化・画像処理・気体の検知・内服の判定の少なくとも一部の機能についてサーバー装置300が実行するよう情報処理の役割分担がなされていてもよい。
【符号の説明】
【0065】
1,2,2’,3,4,4’…固形製剤、9…中間材、10…有効成分、12…気泡、14…発泡材料、16…カプセル材、19…コーティング材、20…オリジナルの錠剤、80…咽頭、81…咽頭内腔、82…咽頭壁、90…胃、91…胃内腔、92…胃壁、100…固形製剤の内服確認システム、110…第1超音波ユニット、120…第2超音波ユニット、130…無線通信手段、200…判定処理装置、300…サーバー装置、400…超音波画像装置、D…消化管、NW…ネットワーク、P…要内服者