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特開2024-58943電動工具用給電システム、電動工具システム、及び電動工具用給電装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058943
(43)【公開日】2024-04-30
(54)【発明の名称】電動工具用給電システム、電動工具システム、及び電動工具用給電装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/02 20160101AFI20240422BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240422BHJP
   B25F 5/00 20060101ALI20240422BHJP
【FI】
H02J7/02 F
H02J7/00 X
B25F5/00 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022166372
(22)【出願日】2022-10-17
(71)【出願人】
【識別番号】322003732
【氏名又は名称】パナソニック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002527
【氏名又は名称】弁理士法人北斗特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】湯浅 秀和
(72)【発明者】
【氏名】林 直人
(72)【発明者】
【氏名】村上 弘明
(72)【発明者】
【氏名】北村 孝太
(72)【発明者】
【氏名】辻本 直生
(72)【発明者】
【氏名】岡田 昌彰
【テーマコード(参考)】
3C064
5G503
【Fターム(参考)】
3C064AA01
3C064AA05
3C064AB02
3C064AC02
3C064AC03
3C064BA12
3C064BA15
3C064BB14
3C064BB81
3C064CA53
3C064CA80
3C064CB62
3C064CB71
3C064CB81
3C064DA05
3C064DA22
3C064DA23
3C064DA35
5G503AA01
5G503AA04
5G503BA04
5G503BB02
5G503BB03
5G503CA01
5G503CA11
5G503DA07
5G503EA01
5G503EA05
5G503EA07
5G503GD06
(57)【要約】
【課題】作業性の向上を図ることができる電動工具用給電システムを提供する。
【解決手段】電動工具用給電システム10は、手持ち可能な電動工具21に対して給電を行う。電動工具用給電システム10は、第1蓄電池111と、給電回路112と、第2蓄電池211と、給電機能付き工具保持部12と、を備える。給電回路112は、商用電源300からの交流電力を直流電力に変換して第1蓄電池111に供給する。第2蓄電池211は、電動工具21に内蔵されている、又は電動工具21に装着可能な電池パック22に内蔵されている。給電機能付き工具保持部12は、電池付き電動工具2を保持可能であり、電池付き電動工具2を保持しながら、第1蓄電池111の電力を第2蓄電池211に供給する。電池付き電動工具2は、第2蓄電池211が内蔵された電動工具21、又は第2蓄電池211が内蔵された電池パック22が装着されている電動工具21、である。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
手持ち可能な電動工具に対して給電を行う電動工具用給電システムであって、
第1蓄電池と、
商用電源からの交流電力を直流電力に変換して前記第1蓄電池に供給する給電回路と、
前記電動工具に内蔵された又は前記電動工具に装着可能な電池パックに内蔵された第2蓄電池と、
前記第2蓄電池が内蔵された前記電動工具、又は前記第2蓄電池が内蔵された前記電池パックが装着されている前記電動工具、である電池付き電動工具を保持可能であり、前記電池付き電動工具を保持しながら、前記第1蓄電池の電力を前記第2蓄電池に供給する給電機能付き工具保持部と、を備える、
電動工具用給電システム。
【請求項2】
前記給電機能付き工具保持部を複数備える、
請求項1に記載の電動工具用給電システム。
【請求項3】
前記第1蓄電池、前記給電回路、並びに前記第1蓄電池及び前記給電回路を収納する第1筐体、を含む蓄電部、を備え、
前記給電機能付き工具保持部は、前記電池付き電動工具を保持可能な第2筐体を含み
前記第1筐体及び複数の前記第2筐体のうち少なくとも1つは、持ち運び可能である、
請求項1又は2に記載の電動工具用給電システム。
【請求項4】
前記第1筐体に設けられ、前記第1蓄電池と電気的に接続された給電端子と、
前記第2筐体に設けられ、前記給電端子と接続ケーブルを介して電気的に接続され得る入力端子と、
前記第2筐体に設けられ、前記入力端子と電気的に接続された出力端子と、
前記電動工具又は前記電池パックに設けられ、前記第2蓄電池と電気的に接続された受電端子と、を更に備え、
前記出力端子と前記受電端子とは、物理的な結合によって電気的に接続され得る、
請求項3に記載の電動工具用給電システム。
【請求項5】
前記給電機能付き工具保持部は、前記出力端子と前記受電端子とが物理的に結合した状態で、前記第1蓄電池の電力の前記第2蓄電池への供給である給電、を行う給電部を備え、
前記電池付き電動工具は、前記出力端子と前記受電端子とが物理的に分離した状態で、前記第2蓄電池の電力に基づく動作を行う、
請求項4に記載の電動工具用給電システム。
【請求項6】
前記給電の可否、及び前記給電に基づく前記第2蓄電池の充電状態、の少なくとも一方に関する報知を行う報知部を更に備える、
請求項5に記載の電動工具用給電システム。
【請求項7】
前記第1蓄電池は、前記第2蓄電池と比べて容量がより大きい、
請求項1に記載の電動工具用給電システム。
【請求項8】
前記第2蓄電池は、前記第1蓄電池と比べて充電速度がより速い、
請求項1に記載の電動工具用給電システム。
【請求項9】
前記第2蓄電池は、全固体電池である、
請求項8に記載の電動工具用給電システム。
【請求項10】
請求項1に記載の電動工具用給電システムと、
前記第2蓄電池が内蔵された前記電動工具、又は前記第2蓄電池が内蔵された前記電池パックが装着されている前記電動工具、である電池付き電動工具と、を備える、
電動工具システム。
【請求項11】
前記電池付き電動工具は、前記第2蓄電池が内蔵された前記電動工具である、
請求項10に記載の電動工具システム。
【請求項12】
前記電池付き電動工具は、前記第2蓄電池が内蔵された前記電池パックが装着されている前記電動工具である、
請求項10に記載の電動工具システム。
【請求項13】
手持ち可能な電動工具に対して給電を行う電動工具用給電装置であって、
第1蓄電池と、
商用電源からの交流電力を直流電力に変換して前記第1蓄電池に供給する給電回路と、
第2蓄電池が内蔵された前記電動工具、又は前記第2蓄電池が内蔵された電池パックが装着されている前記電動工具、である電池付き電動工具を保持可能であり、前記電池付き電動工具を保持しながら、前記第1蓄電池の電力を前記第2蓄電池に供給する給電機能付き工具保持部と、を備える、
電動工具用給電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電動工具用給電システム、電動工具システム、及び電動工具用給電装置に関し、より詳細には、手持ち可能な電動工具に対して給電を行う電動工具用給電システム、電動工具システム、及び電動工具用給電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、従来使用の充電池と形状的に同様な電源中継器本体によって、携行可能な大容量の蓄電池からの電力を電動工具に供給する、電動工具用電源供給アダプタ装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-145276号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の電動工具用電源供給アダプタ装置では、大容量の蓄電池が電動工具に常時(手持ちでの作業時も充電時も)接続されているため、作業性が低下する場合があった。
【0005】
本開示の目的は、作業性の向上を図ることができる電動工具用給電システム、電動工具システム、及び電動工具用給電装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る電動工具用給電システムは、手持ち可能な電動工具に対して給電を行う。前記電動工具用給電システムは、第1蓄電池と、給電回路と、第2蓄電池と、給電機能付き工具保持部と、を備える。前記給電回路は、商用電源からの交流電力を直流電力に変換して前記第1蓄電池に供給する。前記第2蓄電池は、前記電動工具に内蔵されている、又は前記電動工具に装着可能な電池パックに内蔵されている。前記給電機能付き工具保持部は、電池付き電動工具を保持可能であり、前記電池付き電動工具を保持しながら、前記第1蓄電池の電力を前記第2蓄電池に供給する。前記電池付き電動工具は、前記第2蓄電池が内蔵された前記電動工具、又は前記第2蓄電池が内蔵された前記電池パックが装着されている前記電動工具、である。
【0007】
本開示の一態様に係る電動工具システムは、前記電動工具用給電システムと、電池付き電動工具と、を備える。前記電池付き電動工具は、前記第2蓄電池が内蔵された前記電動工具、又は前記第2蓄電池が内蔵された前記電池パックが装着されている前記電動工具、である。
【0008】
本開示の一態様に係る電動工具用給電装置は、手持ち可能な電動工具に対して給電を行う。前記電動工具用給電装置は、第1蓄電池と、給電回路と、給電機能付き工具保持部と、を備える。前記給電回路は、商用電源からの交流電力を直流電力に変換して前記第1蓄電池に供給する。前記給電機能付き工具保持部は、電池付き電動工具を保持可能であり、前記電池付き電動工具を保持しながら、前記第1蓄電池の電力を第2蓄電池に供給する。前記電池付き電動工具は、前記第2蓄電池が内蔵された前記電動工具、又は前記第2蓄電池が内蔵された電池パックが装着されている前記電動工具、である。
【発明の効果】
【0009】
本開示の電動工具用給電システム、電動工具システム、及び電動工具用給電装置は、作業性の向上を図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本開示の実施形態に係る電動工具用給電システムを備える電動工具システムのブロック図である。
図2図2は、同上の電動工具用給電システムを構成する電動工具用給電装置の概観図である。
図3図3Aは、同上の電動工具用給電システムを構成する第1蓄電池への給電手順を説明するための図であり、図3Bは、同上の電動工具用給電システムを構成する第2蓄電池への給電手順を説明するための図である。
図4図4は、同上の電動工具用給電システムを構成する給電機能付き工具保持部による第1報知処理を説明するフローチャートである。
図5図5は、同上の電動工具用給電システムを構成する電池付き電動工具による第2報知処理を説明するフローチャートである。
図6図6は、同上の電動工具用給電システムの変形例を示すブロック図である。
図7図7Aは、同上の変形例を構成する電動工具用給電装置の概観図であり、図7Bは、同上の変形例を構成する第2蓄電池への給電手順を説明するための図である。
図8図8は、同上の変形例を構成する給電機能付き工具保持部による報知処理を説明するフローチャートである。
図9図9は、同上の報知処理を構成する第2ランプ点灯制御処理を説明するフローチャートである。
図10図10は、同上の変形例を構成する電池付き電動工具による指示処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(1)要部
最初に、本開示の要部(実施形態及び変形例に共通の事項)について、主として図1及び図2、並びに図6及び図7Aを用いて説明する。
【0012】
(1-1)電動工具用給電システム
本開示の実施形態(図1図5参照)又は変形例(図6図10参照)に係る電動工具用給電システム10(以下では、「本開示の電動工具用給電システム10」と記す)は、電動工具21に対して給電を行う。本開示でいう電動工具21とは、手持ち可能な工具であって、交流電力を変換して得られる直流電力で動作する。電動工具21は、具体的には、例えば、電動ドライバ等の回転工具であるが、切断工具などでもよく、その種類は問わない。
【0013】
電動工具用給電システム10は、図1又は図6に示すように、第1蓄電池111と、給電回路112と、第2蓄電池211と、給電機能付き工具保持部12と、を備える。
【0014】
(1-1-1)第1蓄電池
第1蓄電池111は、給電回路112が交流電力を変換して得られる直流電力(以下、単に「電力」と記す)を蓄電する。
【0015】
(1-1-2)給電回路
給電回路112は、商用電源300からの交流電力を直流電力に変換して第1蓄電池111に供給(給電)する。
【0016】
(1-1-3)第2蓄電池
第2蓄電池211は、第1蓄電池111から給電機能付き工具保持部12を介して給電される電力を蓄電する。第2蓄電池211は、本実施形態では、電動工具21に装着可能な電池パック22に内蔵されているが、例えば、変形例で説明するように、電動工具21に内蔵されていてもよい。
【0017】
(1-1-4)給電機能付き工具保持部
給電機能付き工具保持部12は、電池付き電動工具2を保持可能であり、電池付き電動工具2を保持しながら、第1蓄電池111の電力を第2蓄電池211に供給する。
【0018】
(1-1-5)電池付き電動工具
電池付き電動工具2は、本実施形態では、図1に示すような、第2蓄電池211が内蔵された電池パック22が装着されている電動工具21であるが、図6に示す変形例で説明するような、第2蓄電池211が内蔵された電動工具21でもよい。
【0019】
このように、本開示の電動工具用給電システム10では、給電回路112が第1蓄電池111を予め充電し、給電機能付き工具保持部12が、第2蓄電池211を含む又は第2蓄電池211を含む電池パック22が装着された電池付き電動工具2を保持しながら、第1蓄電池111の電力を第2蓄電池211に給電する。
【0020】
こうして、電池付き電動工具2を保持しながら、第1蓄電池111の電力を第2蓄電池211に給電(第1蓄電池111の電力で第2蓄電池211を充電)することで、電池付き電動工具2の電池交換又は充電のための電池パック22の着脱が不要となり、作業性の向上を図ることができる。
【0021】
(1-2)複数の給電機能付き工具保持部
本開示の電動工具用給電システム10は、図1又は図6に示すように、給電機能付き工具保持部12を複数備える。これによって、複数の電池付き電動工具2を同時に充電できるので、作業性の向上を図ることができる。
【0022】
(1-3)蓄電部
本開示の電動工具用給電システム10は、図1又は図6に示すように、蓄電部11を備える。蓄電部11は、第1蓄電池111、給電回路112、並びに図2又は図7Aに示すような第1筐体110を含む。
【0023】
(1-4)第1筐体及び第2筐体
第1筐体110は、第1蓄電池111及び給電回路112を収納する。なお、図2及び図7A等では、給電回路112は省略されている。
【0024】
給電機能付き工具保持部12は、図2又は図7Aに示すような第2筐体120を含む。第2筐体120は、給電部121及び処理部122(いずれも後述)を収納し、かつ電池付き電動工具2を保持可能である。そして、第1筐体110(蓄電部11)及び複数の第2筐体120(複数の給電機能付き工具保持部12)のうち少なくとも1つは、持ち運び可能である。例えば、蓄電部11及び複数の給電機能付き工具保持部12の全てが持ち運び可能(可搬式)でもよいし、複数の給電機能付き工具保持部12のみが可搬式で、蓄電部11は、持ち運び困難(固定式)でもよい。
【0025】
このように、本開示の電動工具用給電システム10では、蓄電部11と給電機能付き工具保持部12とを別体とし、その少なくとも一方を持ち運び可能としたことで、多様な環境(各種の製品を流れ作業で製造する各種の製造ラインなど)において作業性の向上を図ることができる。
【0026】
(1-5)給電端子、入力端子、出力端子、及び受電端子
電動工具用給電システム10を構成する電動工具用給電装置1(図1参照:後述)は、図2又は図7Aに示すように、給電端子110aと、入力端子120aと、出力端子120bと、受電端子201と、を更に備える。
【0027】
給電端子110aは、蓄電部11を構成する第1筐体110に設けられ、第1筐体110に収納された第1蓄電池111と電気的に接続されている。
【0028】
入力端子120aは、給電機能付き工具保持部12を構成する第2筐体120に設けられ、上記給電端子110aと接続ケーブル200を介して電気的に接続され得る。
【0029】
出力端子120bは、第2筐体120に設けられ、上記入力端子120aと電気的に接続されている。
【0030】
受電端子201は、電動工具21又は電池パック22に設けられ、電動工具21又は電池パック22に内蔵された第2蓄電池211と電気的に接続されている。
【0031】
上記出力端子120bと上記受電端子201とは、物理的な結合によって電気的に接続され得る。
【0032】
このように、蓄電部11と給電機能付き工具保持部12との接続を、接続ケーブル200を介した接続としたことで、蓄電部11に対する給電機能付き工具保持部12の位置の自由度が高まる。また、給電機能付き工具保持部12と、電池付き電動工具2との接続を、物理的な結合による接続とし、物理的な結合が解除されている期間、電池付き電動工具2は第2蓄電池211の電力で動作することで、電池付き電動工具2の任意の位置への移動が可能となる。その結果、作業性のより一層の向上を図ることができる。
【0033】
(1-6)給電部
給電機能付き工具保持部12は、図1及び図2、又は図6及び図7Aに示すように、給電部121を備える。
【0034】
給電部121は、出力端子120bと受電端子201とが物理的に結合した状態で給電を行う。ここでいう給電とは、第1蓄電池111の電力の第2蓄電池211への供給である。
【0035】
(1-7)電池付き電動工具の第2蓄電池の電力に基づく動作
電池付き電動工具2は、出力端子120bと受電端子201とが物理的に分離した状態で、作業者の手により把持され、第2蓄電池211の電力に基づく動作を行う。動作は、例えば、電動工具21が回転工具の場合、工具本体21Aに装着された先端工具23の回転駆動である。
【0036】
このように、本開示の電動工具用給電システム10によれば、作業者が、作業の合間に、電池付き電動工具2を給電機能付き工具保持部12にセットするだけで、第2蓄電池211が第1蓄電池111からの電力で充電され、電池交換又は電池パック22の着脱なしで一連の作業を行えるので、作業性の向上を図ることができる。
【0037】
(1-8)報知部
給電機能付き工具保持部12は、図2又は図7Aに示すように、報知部(実施形態では第1報知部12A及び第2報知部12B、変形例では報知部12C:以下“報知部(12A,12B,12C)”のように記す)を更に備える。
【0038】
報知部(12A,12B,12C)は、給電部121による給電の可否、及び当該給電に基づく第2蓄電池211の充電状態(例えば、充電中、充電完了など)、の少なくとも一方に関する報知を行う。
【0039】
報知は、例えば、第1蓄電池111が給電不能な状態(工具未接続の状態、又は未通電の状態)から給電可能な状態(工具接続済みかつ通電済みの状態)に変化したことに応じた第1ランプL1の点灯(給電可能を示す報知)である。または、報知は、第2蓄電池211の電圧又は電圧変化に基づく第2ランプの点灯態様の変化(例えば、充電中を示す点滅、充電完了を示す連続点灯など)などであってもよい。
【0040】
こうして、第1蓄電池111から第2蓄電池211への給電の可否、及び当該給電に基づく第2蓄電池211の充電状態、の少なくとも一方を作業者に提示することで、電池付き電動工具2への充電の適切な開始タイミング及び終了タイミングの認識が容易となり、作業性の向上を図ることができる。
【0041】
(1-9)第1蓄電池の特徴
第1蓄電池111は、第2蓄電池211と比べて容量がより大きい。
【0042】
このように、第1蓄電池111が大容量であることで、第1蓄電池111の充電を一度行えば、第1蓄電池111から複数の第2蓄電池211への同時充電、及び第1蓄電池111から一の第2蓄電池211への繰り返し充電、の少なくとも一方が可能となる結果、作業性の一層の向上が図られる。
【0043】
(1-10)第2蓄電池の特徴
第2蓄電池211は、第1蓄電池111と比べて充電速度がより速い。
【0044】
このように、第2蓄電池211が高速充電可能であることで、作業の合間に第2蓄電池211の充電を行いながら、一連の作業を進めることができる結果、作業性の一層の向上が図られる。
【0045】
なお、第2蓄電池211は、第1蓄電池111と比べて、寿命がより長いことが好適である。
【0046】
第2蓄電池211の長寿命性によって、第2蓄電池211の交換の頻度が低下する結果、図6に示す変形例で説明するような、第2蓄電池211を内蔵した(従って、電池パック22が不要な)電動工具21の提供が可能となる。
【0047】
また、第2蓄電池211は、第1蓄電池111と比べて、エネルギー密度がより高いことが好適である。
【0048】
第2蓄電池211の高エネルギー密度性によって、第2蓄電池211の容積及び重量の少なくとも一方の減少が可能となり、電池付き電動工具2の小型化及び軽量化の少なくとも一方が図られ、ひいては作業性のより一層の向上が図られる。
【0049】
(1-10-1)全固体電池
本開示における第2蓄電池211は、全固体電池である。第2蓄電池211は、例えば、薄板状の全固体電池を複数、積層したものでもよい。
【0050】
第2蓄電池211が高速充電可能な全固体電池であることで、作業性のより一層の向上が図られる。また、全固体電池の長寿命性によって、全固体電池である第2蓄電池211を内蔵した電動工具21の提供が可能となる。さらに、全固体電池の高エネルギー密度性によって、電池付き電動工具2の小型化及び軽量化の少なくとも一方が図られ、ひいては作業性のより一層の向上、が図られる。
【0051】
(1-11)電動工具システム
本開示の実施形態又は変形例に係る電動工具システム100(以下、「本開示の電動工具システム100」と記す)は、図1又は図6に示すように、前述のような電動工具用給電システム10と、電池付き電動工具2と、を備える。
【0052】
電池付き電動工具2は、第2蓄電池211が内蔵された電動工具21、又は第2蓄電池211が内蔵された電池パック22が装着されている電動工具21、である。
【0053】
本開示の電動工具システム100によれば、給電回路112が第1蓄電池111を予め充電し、給電機能付き工具保持部12が、第2蓄電池211を内蔵した又は第2蓄電池211が内蔵された電池パック22が装着された電池付き電動工具2を保持しながら、第1蓄電池111の電力を第2蓄電池211に給電することで、電池付き電動工具2の電池交換又は充電のための電池パック22の着脱が不要となり、作業性の向上を図ることができる。
【0054】
(1-12)実施形態及び変形例における電池付き電動工具の相違点
(1-12-1)実施形態における電池付き電動工具
実施形態における電池付き電動工具2は、図1に示すような、第2蓄電池211が内蔵された電池パック22が装着されている電動工具21である。
【0055】
実施形態では、給電機能付き工具保持部12が、第2蓄電池211が内蔵された電池パック22が装着されている電池付き電動工具2を保持しながら、第2蓄電池211に給電することで、充電のための電池パック22の着脱が不要となり、作業性の向上を図ることができる。
【0056】
(1-12-2)変形例における電池付き電動工具
変形例における電池付き電動工具2は、図6に示すような、第2蓄電池211が内蔵された電動工具21である。
【0057】
変形例では、給電機能付き工具保持部12が、第2蓄電池211が内蔵された電池付き電動工具2を保持しながら、第2蓄電池211に給電することで、電池付き電動工具2の電池交換が不要となり、作業性の向上を図ることができる。
【0058】
(1-13)電動工具用給電装置
本開示の実施形態又は変形例に係る電動工具用給電装置1(以下、「本開示の電動工具用給電装置1」と記す)は、手持ち可能な電動工具21に対して給電を行う。
【0059】
本開示の電動工具用給電装置1は、図1又は図6に示すように、第1蓄電池111と、給電回路112と、給電機能付き工具保持部12と、を備える。
【0060】
給電回路112は、商用電源300からの交流電力を直流電力に変換して第1蓄電池111に供給する。給電機能付き工具保持部12は、電池付き電動工具2を保持可能であり、電池付き電動工具2を保持しながら、第1蓄電池111の電力を第2蓄電池211に供給する。電池付き電動工具2は、第2蓄電池211が内蔵された電動工具21、又は第2蓄電池211が内蔵された電池パック22が装着されている電動工具21、である。
【0061】
このように、本開示の電動工具用給電装置1では、給電回路112が第1蓄電池111を予め充電し、給電機能付き工具保持部12が、第2蓄電池211を内蔵した又は第2蓄電池211が内蔵された電池パック22が装着された電池付き電動工具2を保持しながら、第1蓄電池111の電力を第2蓄電池211に給電することで、電池付き電動工具2の電池交換又は充電のための電池パック22の着脱が不要となり、作業性の向上を図ることができる。
【0062】
(2)詳細
次に、本開示の実施形態に係る電動工具システム100等について図1図5により説明する。なお、既出事項についての説明は、省略又は簡略化する。
【0063】
(2-1)電動工具システムの詳細
本実施形態の電動工具システム100は、図1に示すように、電動工具用給電装置1と、1つ以上(ここでは、複数)の電池付き電動工具2と、を備える。電動工具用給電装置1は、蓄電部11と、1つ以上(ここでは、複数)の給電機能付き工具保持部12と、を備える。蓄電部11は、第1蓄電池111と、給電回路112と、を備える。
【0064】
1つ以上の給電機能付き工具保持部12の各々(以下、単に「給電機能付き工具保持部12」と記す)は、給電部121と、処理部122と、を備える。処理部122は、工具検出部122aと、電流検出部122bと、第1報知部12Aと、を備える。
【0065】
1つ以上の電池付き電動工具2の各々(以下、単に「電池付き電動工具2」と記す)は、電動工具21と、電池パック22と、を備える。電池パック22は、第2蓄電池211と、処理部212と、を備える。処理部212は、電圧検出部212aと、第2報知部12Bと、を備える。
【0066】
(2-1-1)蓄電部の詳細:第1蓄電池及び給電回路、並びに筐体及び給電端子
蓄電部11は、電動工具21が動作するための電力(直流電力)を蓄電する。蓄電部11を構成する給電回路112は、例えば、図2に示すような電源ケーブル301を介して、商用電源300に接続される。給電回路112は、前述したように、商用電源300からの交流電力を直流電力に変換して第1蓄電池111に供給する。なお、蓄電部11は、例えば、第1蓄電池111の充電状態を報知するための表示ランプ(図示しない)を有していてもよい。その場合、給電回路112には、当該表示ランプの点灯制御などを行う処理回路(図示しない)が含まれる。
【0067】
第1蓄電池111は、例えば、リチウムイオン電池である。リチウムイオン電池は、例えば、リン酸鉄系リチウムイオン電池が好適であるが、それ以外のリチウムイオン電池(例えば、三元系リチウムイオン電池など)でもよい。または、第1蓄電池111は、リチウムイオン電池に限らず、例えば、ニッケル水素電池、鉛蓄電池などでもよいし、基本的には、第2蓄電池よりも大容量であれば、その種類は問わない。従って、第1蓄電池111は、第2蓄電池211と同じ種類のもの(例えば、並列接続された複数の全固体電池からなる全固体電池群など)でも構わない。
【0068】
なお、蓄電部11が固定式である場合、可搬式の場合と比べて重さやサイズの制約が少ないことから、第1蓄電池111には、上記のような電池と比べてエネルギー密度が低いキャパシタ(例えば、電気二重層、あるいは大容量の電解コンデンサなど)を使用してもよい。
【0069】
第1蓄電池111及び給電回路112は、例えば、図3Aに示すような第1筐体110に収納される。第1筐体110には、1つ以上(ここでは、複数)の給電端子110aが設けられる。
【0070】
給電端子110aは、第1蓄電池111の電力を、給電機能付き工具保持部12の給電部121を介して、電池付き電動工具2の第2蓄電池211に供給(給電)するための端子である。蓄電部11の第1筐体110に設けられた1つ以上の給電端子110aの各々(以下、単に「給電端子110a」と記す)は、第1筐体110内の第1蓄電池111の二次側と電気的に接続されている。
【0071】
(2-1-2)給電機能付き工具保持部の詳細:給電部及び処理部
給電機能付き工具保持部12は、前述したように、電池付き電動工具2を保持可能であり、電池付き電動工具2を保持しながら、第1蓄電池111の電力を第2蓄電池211に供給する。
【0072】
給電機能付き工具保持部12は、第2筐体120を有する。第2筐体120は、電池付き電動工具2を保持可能な形状を有する。第2筐体120には、蓄電部11の給電端子110aと接続ケーブル200を介して電気的に接続される入力端子120aと、電池付き電動工具2の受電端子201(後述)と物理的に結合されかつ電気的に接続される出力端子120bと、が設けられる。入力端子120aと出力端子120bとは、第2筐体120内に収納された給電部121を介して電気的に接続される。
【0073】
本実施形態における第2筐体120は、図2に示すように、工具本体保持部120A及び電池パック保持部120Bで構成される。工具本体保持部120Aは、一方の端部側に、電動工具21の工具本体21A(図3B参照)に装着された先端工具23が挿入される挿入孔120cが形成され、かつ、他方の端部側に上記入力端子120aが設けられている。電池パック保持部120Bは、工具本体保持部120Aの、入力端子120aが設けられている側の端部に取り付けられており、かつ、入力端子120aと対向する位置に上記出力端子120bが設けられている。
【0074】
給電機能付き工具保持部12を構成する給電部121は、前述した給電を行う。すなわち、給電部121は、第1蓄電池111に蓄電されている電力を、第2蓄電池211に供給する。給電部121は、例えば、入力端子120aと出力端子120bとを電気的に接続する接続線(例えば、図2参照)、及び当該接続線を開閉するスイッチ(図示しない)を含む。
【0075】
給電部121は、入力端子120aが、蓄電部11の給電端子110aと接続ケーブル200を介して電気的に接続され、かつ、出力端子120bが、電池付き電動工具2の受電端子201と物理的に結合し(図3B参照)かつ電気的に接続された状態で、給電を行う。具体的には、給電部121が上記スイッチを介して上記接続線を閉じる(入力端子120aと出力端子120bとの間を電気的に接続する)ことにより、給電が開始される。
【0076】
なお、一連の作業中、給電機能付き工具保持部12の入力端子120aは、蓄電部11の給電端子110aと、接続ケーブル200で常時接続されている。一方、給電機能付き工具保持部12の出力端子120bは、一連の作業における一の作業と次の作業との合間(すなわち、作業の合間)に、電池付き電動工具2の受電端子201と物理的に結合されかつ電気的に接続される。
【0077】
給電機能付き工具保持部12を構成する処理部122は、各種の処理を行う。各種の処理とは、例えば、工具検出部122aの処理、電流検出部122bの処理、第1報知部12Aの処理などである。また、処理部122は、図4のフローチャートで説明する各種の判断などの処理も行う。
【0078】
処理部122を構成する工具検出部122aは、電池付き電動工具2の検出を行う。すなわち、工具検出部122aは、給電機能付き工具保持部12の入力端子120aと、電池付き電動工具2の受電端子201との物理的な結合を、入力端子120a及び受電端子201のいずれか一方に設けられた接触センサ(図示しない)を介して検出(例えば、物理的に結合されているか否かを判断)する。
【0079】
電流検出部122bは、第1蓄電池111から第2蓄電池211への電流の検出を行う。すなわち、電流検出部122bは、給電機能付き工具保持部12の入力端子120aと、電池付き電動工具2の受電端子201との電気的な接続を検出(例えば、電気的に接続されているか否かを判断)する。
【0080】
第1報知部12Aは、工具検出部122a及び電流検出部122bの検出結果に基づく報知を行う。第1報知部12Aは、例えば、給電機能付き工具保持部12の入力端子120aと、電池付き電動工具2の受電端子201とが、物理的に結合され、かつ電気的に接続されている場合に、給電可能である旨を報知する。第1報知部12Aの報知は、第1ランプL1の動作(例えば、点灯及び消灯)を通じて行われる。
【0081】
第1ランプL1は、本実施形態では、工具本体保持部120Aの、電池パック保持部120Bが取り付けられている側の面(電池付き電動工具2と対応する面)に設けられている。
【0082】
(2-1-3)電池付き電動工具の詳細:電動工具及び電池パック
本実施形態における電池付き電動工具2は、図1等に示したように、電池パック22が装着された電動工具21である。
【0083】
(2-1-3a)電動工具
電動工具21は、例えば、図3Bに示すような回転工具である。電動工具21は、工具本体21A及び把持部21Bで構成される。工具本体21Aには、例えば、ドライバ等の先端工具23が装着され、把持部21Bは、作業者の手で把持される。把持部21Bは、一端側が工具本体21Aに取り付けられており、他端側に電池パック22が装着される。工具本体21Aに装着された先端工具23は、把持部21Bに装着された電池パック22内の第2蓄電池211の電力で回転駆動される。
【0084】
(2-1-3b)電池パック:第2蓄電池及び処理部
電池パック22は、第2蓄電池211を内蔵した、電動工具21に対して着脱可能な部材である。電池パック22には、受電端子201が設けられている。
【0085】
受電端子201は、蓄電部11の第1蓄電池111から、給電機能付き工具保持部12の給電部121を介して電力の供給を受ける端子であり、第2蓄電池211の一次側と電気的に接続されている。受電端子201は、給電機能付き工具保持部12の出力端子120bと物理的に結合可能な形状を有する。
【0086】
また、電池パック22には、第2ランプL2が設けられている。本実施形態における第2ランプL2は、電池パック22の後端側(先端工具23が装着される側とは反対側)に設けられるが、作業者による視認が容易な位置であれば、電池パック22のどこに設けられてもよい。なお、第2ランプL2は、電池パック22に限らず、電動工具21(例えば、工具本体21Aなど)に設けられてもよい。
【0087】
本実施形態における第2蓄電池211は、全固体電池である。ただし、第2蓄電池211は、第1蓄電池111と比べて、より高速に充電を行える蓄電池であれば、全固体電池でなくてもよい。また、第2蓄電池211は、第1蓄電池111と比べて、より長寿命であることが好ましい。ただし、本実施形態における電池付き電動工具2は、電池パック22ごと交換可能であるため、必ずしも長寿命でなくてもよい。
【0088】
電池パック22(変形例では、電池付き電動工具2)を構成する処理部212は、各種の処理を行う。各種の処理とは、例えば、電圧検出部212aの処理、第2報知部12Bの処理などである。また、処理部212は、図5のフローチャートで説明する各種の判断などの処理も行う。
【0089】
処理部212を構成する電圧検出部212aは、第2蓄電池211の電圧を検出する。電圧検出部212aは、例えば、第2蓄電池211の二次側に設けられた電圧センサ(図示しない)を介して、第2蓄電池211の電圧を検出する。
【0090】
第2報知部12Bは、電圧検出部212aの検出結果を基に、第2蓄電池211の状態について判断し、判断結果に応じた報知を行う。第2蓄電池211の状態についての判断は、例えば、充電中か否かの判断、充電が完了したか否かの判断、放電(つまり、第2蓄電池211の電力に基づく電動工具21の動作)が開始されたか否かの判断、などである。
【0091】
詳しくは、第2報知部12Bは、例えば、電圧検出部212aの検出結果が、閾値以下であり、かつ上昇している場合に、充電中と判断する。また、第2報知部12Bは、例えば、検出結果が閾値を上回った場合に充電完了と判断し、さらに、検出結果が閾値を下回った場合に放電開始と判断する。
【0092】
判断結果に応じた報知は、本実施形態では、第2ランプを通じて行われる。第2ランプを通じた報知は、例えば、第2ランプの点灯態様の違いによる報知でもよい。点灯態様の違いによる報知は、例えば、充電中であるとの判断結果に応じた点滅、充電完了との判断結果に応じた連続点灯、及び放電開始との判断結果に応じた消灯などであってもよい。または、第2ランプを通じた報知は、例えば、第2ランプの発色の違いによる報知(充電中に対応する黄色発光、充電完了に対応する青色発光、放電開始に対応する無発光又は白色発行など)でもよい。
【0093】
(2-2)処理部の動作
次に、給電機能付き工具保持部12の処理部122による第1報知処理、及び電池パック22の処理部212による第2報知処理について、図4及び図5のフローチャートを用いて説明する。なお、既出事項の説明は省略又は簡略化する。
【0094】
(2-2-1)第1報知処理
給電機能付き工具保持部12の処理部122は、図4のフローチャートに従う処理(第1報知処理)を実行する。なお、図4の処理は、電動工具システム100(給電機能付き工具保持部12)の起動に応じて開始され、動作停止に応じて終了される。
【0095】
最初に、処理部122を構成する工具検出部122aが、電池付き電動工具2の検出を行う(ステップS11)。
【0096】
次に、処理部122は、電池付き電動工具2が検出されたか否か(すなわち、給電機能付き工具保持部12の出力端子120bが、電池付き電動工具2の受電端子201と物理的に結合されているか否か)を判断する(ステップS12)。電池付き電動工具2が検出されていない(出力端子120bが受電端子201と物理的に結合されていない)と判断された場合、処理はステップS17に進む。
【0097】
ステップS11で電池付き電動工具2が検出された(出力端子120bが受電端子201と物理的に結合された又は結合されている)と判断された場合、給電部121は、第1蓄電池111の電力の第2蓄電池211への給電(上記スイッチを介して上記接続線を閉じることによる、入力端子120aと出力端子120bとの間の電気的な接続)を行う(ステップS13)。
【0098】
次に、電流検出部122bは、上記接続線を流れる電流を検出する(ステップS14)。
【0099】
次に、処理部122は、ステップS14の検出結果を基に、上記接続線を電流が流れている給電状態(又は、第1蓄電池111からの給電が可能)か否かを判断する(ステップS15)。給電状態でない(給電が不可能)と判断された場合、処理はステップS17に進む。
【0100】
ステップS15で給電状態(給電可能)と判断された場合、第1報知部12Aは、第1ランプL1を点灯(又は、点灯状態を維持)させる(ステップS16)。これによって、作業者は、第1蓄電池111からの給電が可能であることを視認できる。その後、処理はステップS11に戻る。
【0101】
ステップS12で電池付き電動工具2が検出されていないと判断された場合、又はステップS15で給電状態でない(給電不能)と判断された場合、第1報知部12Aは、第1ランプL1を消灯(又は、消灯状態を維持)させる(ステップS17)。その後、処理はステップS11に戻る。
【0102】
(2-2-2)第2報知処理
電池パック22の処理部212は、図5のフローチャートに従う処理(第2報知処理)を実行する。なお、図5の処理は、電動工具システム100(電池付き電動工具2)の起動に応じて開始され、動作停止に応じて終了される。
【0103】
最初に、処理部212を構成する電圧検出部212aが、第2蓄電池211の電圧を検知する(ステップS21)。
【0104】
次に、処理部212は、ステップS21の検出結果を基に、第2蓄電池211が充電中か否かを判断する(ステップS22)。第2蓄電池211が充電中でないと判断された場合、処理はステップS24に進む。
【0105】
ステップS22で第2蓄電池211が充電中と判断された場合、第2報知部12Bは、第2ランプL2を点滅させる(ステップS23)。これによって、作業者は、第2蓄電池211が充電中であることを視認できる。その後、処理はステップS21に戻る。
【0106】
ステップS22で第2蓄電池211が充電中でないと判断された場合、処理部212は、ステップS21の検出結果を基に、第2蓄電池211の充電が完了した(又は、既に完了している)か否かを判断する(ステップS24)。第2蓄電池211の充電が未だ完了していないと判断された場合、処理はステップS26に進む。
【0107】
ステップS24で第2蓄電池211の充電が完了したと判断された場合、第2報知部12Bは、第2ランプL2を連続点灯させる(ステップS25)。これによって、作業者は、第2蓄電池211の充電が完了したことを視認できる。その後、処理はステップS21に戻る。
【0108】
ステップS24で第2蓄電池211の充電が未だ完了していないと判断された場合、処理部212は、第2蓄電池211からの放電が開始された(又は、放電中)か否かを判断する(ステップS26)。第2蓄電池211からの放電が未だ開始されていない(放電中でない)と判断された場合、処理はステップS21に戻る。
【0109】
ステップS26で第2蓄電池211からの放電が開始された(放電中)と判断された場合、第2報知部12Bは、第2ランプL2を消灯(消灯状態を維持)させる(ステップS27)。これによって、作業者は、第2蓄電池211が放電中であることを視認できる。その後、処理はステップS21に戻る。
【0110】
(2-3)動作例
次に、電動工具システム100の動作例について、図3A及び図3Bを用いて説明する。ただし、以下に記載の事項は、例示に過ぎず、種々の変更が可能である。
【0111】
本例において、作業者は、電池付き電動工具2(例えば、電動ドライバ)を用いて、一連の作業(ねじ締め作業等)を行う。
【0112】
一連の作業の開始まで(例えば、前日の一連の作業の終了後)に、作業者は、図3Aに示すように、蓄電部11を電源ケーブル301で商用電源300に接続し、第1蓄電池111を充電しておく。
【0113】
一連の作業の開始にあたって、作業者は、蓄電部11を商用電源300から切り離し、作業場所に設置する。そして、図3Bに示したように、給電機能付き工具保持部12の入力端子120aを蓄電部11の給電端子110aに接続ケーブル200で接続し、電池付き電動工具2を給電機能付き工具保持部12にセットする。これによって、工具本体21Aに装着された先端工具23が、第2筐体120を構成する工具本体保持部120Aの挿入孔120cに挿入される。また、電池付き電動工具2の電池パック22に設けられた受電端子201が、給電機能付き工具保持部12の出力端子120bと物理的に結合され、それによって、給電機能付き工具保持部12の給電部121と、電池パック22内の第2蓄電池211とが電気的に接続される。これに応じて、第1ランプL1が点灯する。
【0114】
その後、第1蓄電池111の電力の第2蓄電池211への給電が開始され、第2ランプL1は点滅状態となる。第2蓄電池211の充電が完了すると、第2ランプL1は連続点灯状態となる。これに応じて、作業者は、電池付き電動工具2を給電機能付き工具保持部12から取り外し、ねじ締め等の作業を開始する。これによって、第2蓄電池211からの放電が開始され、第2ランプL1は消灯状態となる。
【0115】
一の作業が終了すると、作業者は、電池付き電動工具2を給電機能付き工具保持部12にセットし、それによって、第2蓄電池211が再び充電される。
【0116】
以降、作業者は、一の作業が終了する度(作業の合間)に、電池付き電動工具2を給電機能付き工具保持部12にセットする。これによって、放電した第2蓄電池211が充電される結果、電池パック22を交換することなく、一連の作業を継続できる。
【0117】
(3)変形例
次に、上述した電動工具システム100等の変形例について図6図10により説明する。なお、以下では、本変形例における電動工具システム100等の、上記実施形態における電動工具システム100等に対する相違点のみ説明し、共通する事項の説明は省略又は簡略化する。
【0118】
(3-1)変形例の構成
この変形例における電動工具システム100は、図6に示すように、電動工具用給電装置1と、1つ以上(ここでは、複数)の電池付き電動工具2と、を備える。電動工具用給電装置1は、蓄電部11と、1つ以上(ここでは、複数)の給電機能付き工具保持部12と、を備える。蓄電部11は、第1蓄電池111と、給電回路112と、を備える。
【0119】
1つ以上の給電機能付き工具保持部12の各々(以下、単に「給電機能付き工具保持部12」と記す)は、給電部121と、処理部122と、を備える。処理部122は、工具検出部122aと、電流検出部122bと、報知部12Cと、を備える。
【0120】
1つ以上の電池付き電動工具2の各々(以下、単に「電池付き電動工具2」と記す)は、第2蓄電池211と、処理部212と、を備える。処理部212は、電圧検出部212aと、通知部212bと、を備える。
【0121】
すなわち、図6に示す本変形例の電動工具システム100は、図1に示した上記実施形態の電動工具システム100において、電池付き電動工具2が、第2蓄電池211及び処理部212を内蔵しており、電池パック22の装着を必要としない点(図7A等を参照)が異なる。
【0122】
また、本変形例の電池付き電動工具2に電池パック22が装着されないことに伴い、本変形例の給電機能付き工具保持部12を構成する第2筐体120は、電池パック保持部120Bを有さず、工具本体保持部120Aのみを有する点が、上記実施形態の給電機能付き工具保持部12を構成する第2筐体120とは異なる。
【0123】
加えて、本変形例の電動工具システム100では、給電機能付き工具保持部12(処理部122)が、第1報知部12Aに代えて報知部12Cを備え、かつ、電池付き電動工具2が、第2報知部12Bに代えて通知部212bを備える点(図6参照)、が上記実施形態の電動工具システム100(図1参照)と異なる。
【0124】
通知部212bは、電圧検出部212aの検出結果を基に、第2蓄電池211の状態について判断し、判断結果に応じた通知を、給電機能付き工具保持部12(報知部12C)に対して行う。
【0125】
通知は、本変形例では、例えば、給電機能付き工具保持部12を構成する給電部121と、電池付き電動工具2を構成する第2蓄電池211との間の電路(上記接続線の一部)、を介した有線通信により行われる。ただし、給電機能付き工具保持部12及び電池付き電動工具2の各々が無線通信モジュールを有している場合、通知は、無線通信により行われてもよい。
【0126】
報知部12Cは、第1報知部12Aと同様、工具検出部122a及び電流検出部122bの検出結果に基づく報知を、第1ランプL1を通じて行うのに加えて、通知部212bからの通知に基づく報知を、第2ランプL2を通じて更に行う。
【0127】
本変形例における第1ランプL1は、上記実施形態における第1ランプL1(図2等参照)と同様、給電機能付き工具保持部12の第2筐体120を構成する工具本体保持部120A、に設けられる(図7A等参照)。一方、本変形例における第2ランプL2(図2等参照)は、工具本体保持部120Aに、第1ランプL1と並べて設けられる(図7A等参照)点が、本実施形態における第2ランプL2とは異なる。
【0128】
本変形例における入力端子120a及び出力端子120b並びに給電部121は、上記実施形態における入力端子120a及び出力端子120b並びに給電部121(図2等を参照)とは異なり、給電機能付き工具保持部12の第2筐体120を構成する工具本体保持部120A、に設けられる(図7A等参照)。
【0129】
本変形例における受電端子201は、上記実施形態における受電端子201(図3B参照)とは異なり、工具本体21Aに設けられる(図7B等参照)。
【0130】
(3-2)変形例における処理部の動作
(3-2-1)報知処理
本変形例における給電機能付き工具保持部12の処理部122は、図8のフローチャートに従う処理(報知処理)を実行する。図8のフローチャートは、図4のフローチャートにおいて、ステップS13及びステップS14の間にステップS13Aが追加され、かつ、ステップS17に代えてステップS17aを備える。
【0131】
ステップS13Aでは、電池付き電動工具2(通知部212b)からの通知に基づく第2ランプL2の点灯制御(第2ランプ点灯制御処理)が行われる。なお、第2ランプ点灯制御処理については、図9を用いて説明する。ステップS17aでは、第1ランプL1に加えて第2ランプL2も消灯される。
【0132】
上記ステップS13Aの第2ランプ点灯制御処理は、図9のフローチャートに従って実行される。
【0133】
最初に、処理部122が、電池付き電動工具2(通知部212b)からの点滅指示の通知の有無を判断する(ステップS131)。点滅指示の通知がないと判断された場合、処理はステップS133に進む。
【0134】
ステップS131で点滅指示の通知があったと判断された場合、報知部12Cは、第2ランプL2を点滅させる(ステップS132)。その後、処理は上位のフローチャート(図8参照)にリターンする。
【0135】
ステップS131で点滅指示の通知がないと判断した場合、処理部122は、電池付き電動工具2(通知部212b)からの連続点灯指示の通知の有無を判断する(ステップS133)。連続点灯指示の通知がないと判断された場合、処理は上位のフローチャート(図8参照)にリターンする。
【0136】
連続点灯指示の通知があったと判断された場合、報知部12Cは、第2ランプL2を連続点灯させる(ステップS134)。その後、処理は上位のフローチャート(図8参照)にリターンする。
【0137】
(3-2-2)通知処理
本変形例における電池付き電動工具2の処理部212は、図10のフローチャートに従う処理(通知処理)を実行する。図10のフローチャートは、図5のフローチャートにおいて、ステップS23及びステップS25に代えてステップS23a及びステップS25aを備え、かつ、ステップS26及びステップS27を省略したものである。
【0138】
なお、ステップS26及びステップS27の省略に伴って、ステップS24で第2蓄電池211の充電は未だ完了していないと判断された場合の処理は、ステップS131に戻る処理となる。
【0139】
ステップS23aでは、給電機能付き工具保持部12(報知部12C)に対して、点滅指示を通知する。その後、処理はステップS131に戻る。
【0140】
ステップS25aでは、給電機能付き工具保持部12(報知部12C)に対して、連続点灯指示を通知する。その後、処理はステップS131に戻る。
【0141】
(4)その他の変形例
(4-1)蓄電部と給電機能付き工具保持部との一体化
上述した実施形態及び変形例では、電動工具用給電装置1を構成する蓄電部11と給電機能付き工具保持部12とは、図2及び図7Aに示したように、互いに別体であり、接続ケーブル200を介して電気的に接続されたが、蓄電部11と給電機能付き工具保持部12とは、一体であって、接続ケーブル200を介すことなく直接、電気的に接続されてもよい。
【0142】
すなわち、蓄電部11を構成する第1蓄電池111等の要素群、及び給電機能付き工具保持部12を構成する給電部121等の要素群が、一の筐体(図示しない)に収納されていてもよい。または、蓄電部11と給電機能付き工具保持部12とが、物理的に結合(一体化)され、かつ電気的に接続されていてもよい。この場合、蓄電部11と給電機能付き工具保持部12との一体物は、持ち運び可能であることが好ましいが、据え置き型でもよい。
【0143】
(4-2)給電不能である旨の報知等
上記実施形態及び上記変形例における第1報知部12Aによる報知(図4及び図8の各々のステップS16、における第1ランプ点灯処理)は、第1蓄電池111からの給電が可能である旨(給電可能)の報知に限らず、第1蓄電池111からの給電が不可能である旨(給電不能)の報知でもよい。変形例における通知部212bによる通知は、給電可能の通知に限らず、給電不能の通知でもよい。
【0144】
(5)まとめ
本開示の第1の態様に係る電動工具用給電システム(10)は、手持ち可能な電動工具(21)に対して給電を行う。電動工具用給電システム(10)は、第1蓄電池(111)と、給電回路(112)と、第2蓄電池(211)と、給電機能付き工具保持部(12)と、を備える。給電回路(112)は、商用電源(300)からの交流電力を直流電力に変換して第1蓄電池(111)に供給する。第2蓄電池(211)は、電動工具(21)に内蔵されている、又は電動工具(21)に装着可能な電池パック(22)に内蔵されている。給電機能付き工具保持部(12)は、電池付き電動工具(2)を保持可能であり、電池付き電動工具(2)を保持しながら、第1蓄電池(111)の電力を第2蓄電池(211)に供給する。電池付き電動工具(2)は、第2蓄電池(211)が内蔵された電動工具(21)、又は第2蓄電池(211)が内蔵された電池パック(22)が装着されている電動工具(21)、である。
【0145】
この態様によれば、給電回路(112)が第1蓄電池(111)を予め充電し、給電機能付き工具保持部(12)が、第2蓄電池(211)を内蔵した又は第2蓄電池(211)が内蔵された電池パック(22)が装着された電池付き電動工具(2)を保持しながら、第1蓄電池(111)の電力を第2蓄電池(211)に給電することで、電池付き電動工具(2)の電池交換又は充電のための電池パック(22)の着脱が不要となり、作業性の向上を図ることができる。
【0146】
第2の態様に係る電動工具用給電システム(10)は、第1の態様において、給電機能付き工具保持部(12)を複数備える。
【0147】
この態様によれば、複数の電池付き電動工具(2)を同時に充電できるので、作業性の向上を図ることができる。
【0148】
第3の態様に係る電動工具用給電システム(10)は、第1又は第2の態様において、蓄電部(11)を備える。蓄電部(11)は、第1蓄電池(111)、給電回路(112)並びに第1筐体(110)を含む。第1筐体(110)は、第1蓄電池(111)及び給電回路(112)を収納する。給電機能付き工具保持部(12)は、第2筐体(120)を含む。第2筐体(120)は、電池付き電動工具(2)を保持可能である。第1筐体(110)及び複数の第2筐体(120)のうち少なくとも1つは、持ち運び可能である。
【0149】
この態様によれば、蓄電部(11)と給電機能付き工具保持部(12)とを別体とし、その少なくとも一方を持ち運び可能としたことで、多様な環境において、作業性の向上を図ることができる。
【0150】
第4の態様に係る電動工具用給電システム(10)は、第3の態様において、給電端子(110a)と、入力端子(120a)と、出力端子(120b)と、受電端子(201)と、を更に備える。給電端子(110a)は、第1筐体(110)に設けられ、第1蓄電池(111)と電気的に接続されている。入力端子(120a)は、第2筐体(120)に設けられ、給電端子(110a)と接続ケーブル(200)を介して電気的に接続され得る。出力端子(120b)は、第2筐体(120)に設けられ、入力端子(120a)と電気的に接続されている。受電端子(201)は、電動工具(21)又は電池パック(22)に設けられ、第2蓄電池(211)と電気的に接続されている。出力端子(120b)と受電端子(201)とは、物理的な結合によって電気的に接続され得る。
【0151】
この態様によれば、蓄電部(11)と給電機能付き工具保持部(12)との接続を、接続ケーブル(200)を介した接続としたことで、蓄電部(11)に対する給電機能付き工具保持部(12)の位置の自由度が高まる。また、給電機能付き工具保持部(12)と、電池付き電動工具(2)との接続を、物理的な結合による接続とし、物理的な結合が解除されている期間、電池付き電動工具(2)は第2蓄電池(211)の電力で動作することで、電池付き電動工具(2)の任意の位置への移動が可能となる。その結果、作業性のより一層の向上を図ることができる。
【0152】
第5の態様に係る電動工具用給電システム(10)では、第4の態様において、給電機能付き工具保持部(12)は、給電部(121)を備える。給電部(121)は、出力端子(120b)と受電端子(201)とが物理的に結合した状態で給電を行う。給電は、第1蓄電池(111)の電力の、第2蓄電池(211)への供給である。電池付き電動工具(2)は、出力端子(120b)と受電端子(201)とが物理的に分離した状態で、第2蓄電池(211)の電力に基づく動作を行う。
【0153】
この態様によれば、作業の合間に、電池付き電動工具(2)を給電機能付き工具保持部(12)にセットするだけで、第2蓄電池(211)が第1蓄電池(111)からの電力で充電され、電池交換又は電池パック(22)の着脱なしで一連の作業を行えるので、作業性の向上を図ることができる。
【0154】
第6の態様に係る電動工具用給電システム(10)では、第5の態様において、報知部(12A,12B,12C)を更に備える。報知部(12A,12B,12C)は、給電の可否、及び給電に基づく第2蓄電池(211)の充電状態、の少なくとも一方に関する報知を行う。
【0155】
この態様によれば、第1蓄電池(111)から第2蓄電池(211)への給電の可否、及び当該給電に基づく第2蓄電池(211)の充電状態、の少なくとも一方を作業者に提示することで、電池付き電動工具(2)への充電の適切な開始タイミング及び終了タイミングの認識が容易となり、作業性の向上を図ることができる。
【0156】
第7の態様に係る電動工具用給電システム(10)では、第1~第6のいずれかの態様において、第1蓄電池(111)は、第2蓄電池(211)と比べて容量がより大きい。
【0157】
この態様によれば、第1蓄電池(111)が大容量であることで、第1蓄電池(111)の充電を一度行えば、第1蓄電池(111)から複数の第2蓄電池(211)への同時充電、及び第1蓄電池(111)から一の第2蓄電池(211)への繰り返し充電、の少なくとも一方が可能となる結果、作業性の一層の向上が図られる。
【0158】
第8の態様に係る電動工具用給電システム(10)では、第1~第7のいずれかの態様において、第2蓄電池(211)は、第1蓄電池(111)と比べて充電速度がより速い。
【0159】
この態様によれば、第2蓄電池(211)が高速充電可能であることで、作業の合間に第2蓄電池(211)の充電を行いながら、一連の作業を進めることができる結果、作業性の一層の向上が図られる。
【0160】
第9の態様に係る電動工具用給電システム(10)では、第8の態様において、第2蓄電池(211)は、全固体電池である。
【0161】
この態様によれば、第2蓄電池(211)が高速充電可能な全固体電池であることで、作業性のより一層の向上が図られる。また、全固体電池の長寿命性によって、第2蓄電池の交換の頻度が低下する結果、第2蓄電池を内蔵(電池パック22を省略)した電動工具の提供が可能となる。さらに、全固体電池の高エネルギー密度性によって、第2蓄電池の容積及び重量の少なくとも一方の減少が図られる結果、作業性のより一層の向上が図られる。
【0162】
第10の態様に係る電動工具システム(100)は、第1~第9のいずれかの態様の電動工具用給電システム(10)と、電池付き電動工具(2)と、を備える。電池付き電動工具(2)は、第2蓄電池(211)が内蔵された電動工具(21)、又は第2蓄電池(211)が内蔵された電池パック(22)が装着されている電動工具(21)、である。
【0163】
この態様によれば、給電回路(112)が第1蓄電池(111)を予め充電し、給電機能付き工具保持部(12)が、第2蓄電池(211)を内蔵した又は第2蓄電池(211)が内蔵された電池パック(22)が装着された電池付き電動工具(2)を保持しながら、第1蓄電池(111)の電力を第2蓄電池(211)に給電することで、電池付き電動工具(2)の電池交換又は充電のための電池パック(22)の着脱が不要となり、作業性の向上を図ることができる。
【0164】
第11の態様に係る電動工具システム(100)では、第10の態様において、電池付き電動工具(2)は、第2蓄電池(211)が内蔵された電動工具(21)である。
【0165】
この態様によれば、給電機能付き工具保持部(12)が、第2蓄電池(211)が内蔵された電池付き電動工具(2)を保持しながら、第2蓄電池(211)に給電することで、電池付き電動工具2の電池交換が不要となり、作業性の向上を図ることができる。
【0166】
第12の態様に係る電動工具システム(100)では、第10の態様において、電池付き電動工具(2)は、第2蓄電池(211)が内蔵された電池パック(22)が装着されている電動工具(21)である。
【0167】
この態様によれば、給電機能付き工具保持部(12)が、第2蓄電池(211)が内蔵された電池パック(22)が装着されている電池付き電動工具(2)を保持しながら、第2蓄電池(211)に給電することで、充電のための電池パック(22)の着脱が不要となり、作業性の向上を図ることができる。
【0168】
第13の態様に係る電動工具用給電装置(1)は、手持ち可能な電動工具(21)に対して給電を行う。電動工具用給電装置(1)は、第1蓄電池(111)と、給電回路(112)と、給電機能付き工具保持部(12)と、を備える。給電回路(112)は、商用電源(300)からの交流電力を直流電力に変換して第1蓄電池(111)に供給する。給電機能付き工具保持部(12)は、電池付き電動工具(2)を保持可能であり、電池付き電動工具(2)を保持しながら、第1蓄電池(111)の電力を第2蓄電池(211)に供給する。電池付き電動工具(2)は、第2蓄電池(211)が内蔵された電動工具(21)、又は第2蓄電池(211)が内蔵された電池パック(22)が装着されている電動工具(21)、である。
【0169】
この態様によれば、給電回路(112)が第1蓄電池(111)を予め充電し、給電機能付き工具保持部(12)が、第2蓄電池(211)を内蔵した又は第2蓄電池(211)が内蔵された電池パック(22)が装着された電池付き電動工具(2)を保持しながら、第1蓄電池(111)の電力を第2蓄電池(211)に給電することで、電池付き電動工具(2)の電池交換又は充電のための電池パック(22)の着脱が不要となり、作業性の向上を図ることができる。
【符号の説明】
【0170】
100 電動工具システム
1 電動工具用給電装置
10 電動工具用給電システム
11 蓄電部
111 第1蓄電池
112 給電回路
12 給電機能付き工具保持部
121 給電部
12A 第1報知部(報知部)
12B 第2報知部(報知部)
12C 報知部
2 電池付き電動工具
21 電動工具
22 電池パック
211 第2蓄電池
110 第1筐体
110a 給電端子
120 第2筐体
120a 入力端子
120b 出力端子
201 受電端子
200 接続ケーブル
300 商用電源
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10