IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ニチレキ株式会社の特許一覧

特開2024-58948常温保管される小塊状アスファルト混合材料の製造方法、および製造装置
<>
  • 特開-常温保管される小塊状アスファルト混合材料の製造方法、および製造装置 図1
  • 特開-常温保管される小塊状アスファルト混合材料の製造方法、および製造装置 図2A
  • 特開-常温保管される小塊状アスファルト混合材料の製造方法、および製造装置 図2B
  • 特開-常温保管される小塊状アスファルト混合材料の製造方法、および製造装置 図3A
  • 特開-常温保管される小塊状アスファルト混合材料の製造方法、および製造装置 図3B
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058948
(43)【公開日】2024-04-30
(54)【発明の名称】常温保管される小塊状アスファルト混合材料の製造方法、および製造装置
(51)【国際特許分類】
   E01C 19/02 20060101AFI20240422BHJP
   C10C 3/14 20060101ALI20240422BHJP
   C10C 3/10 20060101ALI20240422BHJP
【FI】
E01C19/02
C10C3/14
C10C3/10
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022166380
(22)【出願日】2022-10-17
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-08-22
(71)【出願人】
【識別番号】000233653
【氏名又は名称】ニチレキ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147072
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 裕通
(74)【代理人】
【識別番号】100097696
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 嘉昭
(72)【発明者】
【氏名】岡村 修
【テーマコード(参考)】
2D052
4H058
【Fターム(参考)】
2D052AA03
2D052BA23
4H058DA14
4H058DA23
4H058EA32
4H058EA33
4H058EA35
4H058EA45
4H058FA03
4H058GA17
4H058HA25
(57)【要約】
【課題】比較的小径で粒径が均一であり、保管時の塊化が防止される、常温保管される小塊状アスファルト混合材料の製造方法を提供する。
【解決手段】溶融したアスファルトと骨材との混合物である高温のアスファルト混合物(9)を細分化して小塊状のアスファルト小塊体(9b)にする小塊化工程と、アスファルト小塊体(9b)を界面活性剤が入れられた水槽(4)で洗浄し冷却する洗浄・冷却工程と、洗浄・冷却工程後のアスファルト小塊体(9c)を水切りして石粉と共に混合して石粉でコーティングし、石粉でコーティングされたアスファルト小塊体である小塊状アスファルト混合材料(9e)を得る石粉コーティング工程と、により小塊状アスファルト混合材料を製造する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒状あるいは小塊状で常温保管され施工時に加熱されるようになっている、常温保管される小塊状アスファルト混合材料の製造方法であって、
前記製造方法は、溶融したアスファルトと骨材との混合物である高温のアスファルト混合物を細分化して小塊状のアスファルト小塊体にする小塊化工程と、
前記アスファルト小塊体を界面活性剤が入れられた水槽で洗浄し冷却する洗浄・冷却工程と、
前記洗浄・冷却工程後の前記アスファルト小塊体を水切りする水切り工程と、
水切りされた前記アスファルト小塊体を石粉と共に混合して石粉でコーティングし、石粉でコーティングされたアスファルト小塊体である小塊状アスファルト混合材料を得る石粉コーティング工程と、を備えた、常温保管される小塊状アスファルト混合材料の製造方法。
【請求項2】
前記界面活性剤はポリオキシエチレンアルキルエーテルが主成分である、請求項1に記載の常温保管される小塊状アスファルト混合材料の製造方法。
【請求項3】
前記アスファルトは、ゴムを含有し伸縮性を備えた改質アスファルトである、請求項1または2に記載の常温保管される小塊状アスファルト混合材料の製造方法。
【請求項4】
粒状あるいは小塊状で常温保管され施工時に加熱されるようになっている、常温保管されるアスファルト混合材料の製造装置であって、
前記製造装置は、溶融したアスファルトと骨材とからなる高温のアスファルト混合物を細分化して小塊状のアスファルトであるアスファルト小塊体にする小塊化装置と、
前記小塊化装置の下方に設けられ前記アスファルト小塊体が落下するようになっている水槽と、
前記水槽から前記アスファルト小塊体を搬出し水切りする水切り手段と、
前記水切り手段によって水切りされた前記アスファルト小塊体に石粉を投入してコーティングして小塊状アスファルト混合材料を得る石粉コーティング装置と、を備え、
前記水槽には界面活性剤が入れられている、常温保管される小塊状アスファルト混合材料の製造装置。
【請求項5】
前記界面活性剤はポリオキシエチレンアルキルエーテルが主成分である、請求項4に記載の常温保管される小塊状アスファルト混合材料の製造装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粒状あるいは小塊状で常温保管され、舗装路面の補修等の施工時に加熱されて舗装されるようになっている小塊状アスファルト混合材料の、製造方法および製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
穴が空いたり、一部が剥がれたり、等の劣化した舗装路面を補修するとき、小塊状で常温保管されるアスファルト混合材料を利用することができる。小塊状で常温保管されるアスファルト混合材料は、例えば特許文献1において提案されているように、溶融したアスファルトと骨材との混合物である高温のアスファルト混合物を細分化し、これを水槽において冷却し、乾燥させて得られる。そして必要に応じて、特許文献2において提案されているように、小塊状アスファルト混合物にタンカル等の粉末がコーティングされる。このような常温保管される小塊状アスファルト混合材料は、舗装路面の補修時に加熱する。そうすると骨材の周りに付着しているアスファルトが溶融する。舗装路面に形成された穴や剥がれが生じている箇所に舗装する。
【0003】
アスファルトとして、ゴムや合成樹脂等を含有させたいわゆる改質アスファルトを使用するようにすると、伸縮性が付与された小塊状アスファルト混合材料が得られる。このような小塊状アスファルト混合材料は、舗装材の伸縮性が要求されるような場所、例えば橋梁等における舗装において有用である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4817085号公報
【特許文献2】特開平6-41906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
粒状で常温保管される小塊状アスファルト混合材料は、少量から利用することができ優れている。しかしながら、解決すべき課題も見受けられる。具体的には2点の問題がある。1点目の問題は、製造される小塊状アスファルト混合材料は粒径が均一でなく大きな塊状のものが含まれてしまう点である。2点目の問題は、保管時において小塊状アスファルト混合材料同士がくっついて塊化してしまう問題である。タンカル等の粉末がコーティングされていると、小塊状アスファルト混合材料同士の結合はある程度防止できる。しかしながら保管環境が比較的高温になる場合、小塊状アスファルト混合材料同士がくっついて大きな塊になってしまう。塊化したアスファルト混合材料は利用しづらい。
【0006】
本発明は、比較的小径で粒径が均一であり、保管時の塊化が防止される、常温保管される小塊状アスファルト混合材料の製造方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、粒状あるいは小塊状で常温保管され施工時に加熱されるようになっている、常温保管される小塊状アスファルト混合材料についての製造方法を対象としている。本発明の製造方法は、溶融したアスファルトと骨材との混合物である高温のアスファルト混合物を細分化して小塊状のアスファルト小塊体にする小塊化工程と、アスファルト小塊体を界面活性剤が入れられた水槽で洗浄し冷却する洗浄・冷却工程と、洗浄・冷却工程後のアスファルト小塊体を水切りして石粉と共に混合して石粉でコーティングし、石粉でコーティングされたアスファルト小塊体である小塊状アスファルト混合材料を得る石粉コーティング工程と、を備えるようにする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、アスファルト小塊体を界面活性剤が入れられた水槽で洗浄し冷却する洗浄・冷却工程を備えているので、アスファルト小塊体の表面の油分が適切に除去される。表面の油分が適切に除去されるので、製造時にお互いに結合して粒径の大きな塊が形成されることが防止される。つまり比較的小径で粒径が均一になる。そして、このように表面の油分が除去されたアスファルト小塊体から石粉コーティング工程により石粉でコーティングして小塊状アスファルト混合材料を得るようにしている。したがって、小塊状アスファルト混合材料を比較的高温の環境において保管しても、小塊状アスファルト混合材料同士の結合が防止され、塊化が防止される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施の形態に係る小塊状アスファルト混合材料の製造装置を示す正面図である。
図2A】本実施の形態に係る製造方法により製造した小塊状アスファルト混合材料の写真である。
図2B】比較例に係る製造方法により製造した小塊状アスファルト混合材料の写真である。
図3A】本実施の形態に係る製造方法により製造した小塊状アスファルト混合材料の、高温環境保管テスト実施後の写真である。
図3B】比較例に係る製造方法により製造した小塊状アスファルト混合材料の、高温環境保管テスト実施後の写真である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本実施の形態を説明する。本実施の形態に係る小塊状アスファルト混合材料の製造装置1は、図1に示されているように、小塊化装置3と、水槽4と、石粉コーティング装置5と、袋詰め装置7と、を備えている。
【0011】
<小塊化装置>
小塊化装置3は、溶融したアスファルトと骨材との混合物であるアスファルト混合物9が入れられるホッパ10と、このホッパ10の下方に設けられている網体11と、から構成されている。ホッパ10は静止するようになっていてもよいが、効率良くアスファルト混合物9が網体11に落下するように所定の振動手段を設けて振動するように構成することができる。網体11は、最終的に得たい小塊状アスファルト混合材料の粒径に合わせて、所定の大きさの目が形成されている。このような網体11は、図に示されていない振動手段によって振動が与えられるようになっている。網体11によって、後で説明するようにアスファルト混合物9aが細分化され、小塊状のアスファルト小塊体9b、9b、…が得られるようになっている。なお、図には示されていないが、網体11の近傍にガスバーナ等を設けて網体11の上のアスファルト混合物9aを加熱するようにしてもよい。
【0012】
<水槽>
水槽4は、網体11の下方に設けられ、アスファルト小塊体9b、9b、…を洗浄・冷却するようになっている。水槽4に入れられている水13には界面活性剤が入れられている。界面活性剤として、本実施の形態においてはポリオキシエチレンアルキルエーテルが主成分の界面活性剤が採用されている。ポリオキシエチレンアルキルエーテルを主成分とする界面活性剤は、界面活性剤と水とが分離する温度つまり曇点が比較的高く、高温下においても安定した洗浄力が得られる。水槽4は、図1には示されていないが、供給口と排出口とを設け、チラー等の冷却装置と接続してもよい。このようにすると水槽4内の水13をチラーによって冷却しながら循環させることができる。
【0013】
水槽4には、後で説明するように水槽4内で洗浄・冷却されたアスファルト小塊体9c、9c、…を水槽4外に搬出するベルトコンベヤ、すなわち第1の搬出手段15が設けられている。第1の搬出手段15によって搬出されるアスファルト小塊体9c、9c、…は水切りされるので、第1の搬出手段15は水切り手段ということもできる。
【0014】
<石粉コーティング装置>
石粉コーティング装置5は、第1の搬出手段15の下流に設けられ、水切りされたアスファルト小塊体9d、9d、…が投入されるようになっている。石粉コーティング装置5には、タンカル等の石粉を供給する石粉供給部17と、回転するスクリュからなる攪拌手段18と、を備えている。後で説明するようにアスファルト小塊体9d、9d、…は石粉によってコーティングされることになる。
【0015】
<袋詰め装置>
石粉コーティング装置5には、第2の搬出手段20が設けられ、石粉でコーティングされたアスファルト小塊体、つまり小塊状アスファルト混合材料9e、9e、…を袋詰め装置7に搬出するようになっている。袋詰め装置7はホッパ21を備え、小塊状アスファルト混合材料9e、9e、…を袋23に袋詰めするようになっている。
【0016】
<小塊状アスファルト混合材料の製造方法>
本実施の形態に係る小塊状アスファルト混合材料の製造装置1を使用して実施する、本実施の形態に係る小塊状アスファルト混合材料の製造方法を説明する。最初に小塊化工程を実施する。すなわち、小塊化装置3のホッパ10に溶融したアスファルトと骨材との混合物であるアスファルト混合物9を投入する。アスファルトは一般的なアスファルトを使用することもできるが、本実施の形態においてアスファルトとしてゴムを含有し伸縮性を備えた改質アスファルトを使用している。したがって、最終的に製造される小塊状アスファルト混合材料は、橋梁等の舗装路面を補修する伸縮性舗装材として使用することができる。ホッパ10から少量ずつアスファルト混合物9が排出され網体11の上に落ちる。網体11を振動させるとアスファルト混合物9aが細分化される。すなわちアスファルト小塊体9b、9b、…になる。
【0017】
次に洗浄・冷却工程を実施する。すなわち、小塊化工程によって細分化されたアスファルト小塊体9b、9b、…が落下して水槽4内に落下する。界面活性剤が入れられた水13によってアスファルト小塊体9c、9c、…を洗浄・冷却する。界面活性剤によって洗浄するのでアスファルト小塊体9c、9c、…の表面の油脂が除去される。これによってアスファルト小塊体9c、9c、…同士の結合が阻害される。つまり、アスファルト小塊体9c、9c、…は小径の状態で維持される。次いで水切り工程を実施する。具体的には、洗浄・冷却されたアスファルト小塊体9c、9c、…を第1の搬出手段15によって水槽4の外部に搬出する。これによってアスファルト小塊体9c、9c、…を水切りすることになる。
【0018】
次いで石粉コーティング工程を実施する。すなわち、水切りされたアスファルト小塊体9d、9d、…を石粉コーティング装置5に投入し、石粉供給部17から石粉を供給し、攪拌手段18によって攪拌する。そうするとアスファルト小塊体9d、9d、…の表面に石粉がコーティングされる。石粉でコーティングされたアスファルト小塊体、つまり小塊状アスファルト混合材料9e、9e、…を第2の搬出手段20によって搬出し、袋詰め工程を実施する。袋詰め装置7に小塊状アスファルト混合材料9e、9e、…を投入し袋23に入れる。
【0019】
<実験1>
本実施の形態に係る小塊状アスファルト混合材料の製造方法では、洗浄・冷却工程において界面活性剤が入れられた水13でアスファルト小塊体9c、9c、…を洗浄・冷却する。界面活性剤の有無が、最終的に得られる小塊状アスファルト混合材料9e、9e、…の粒径に与える影響を調べるため、小塊状アスファルト混合材料の製造装置1を使用して実験を行った。
実験1A:水槽4に、界面活性剤として常磐化学工業株式会社の製品「バンライズD-20S」を使用して、水13に所定量投入し混合した。上で説明した本実施の本実施の形態に係る小塊状アスファルト混合材料の製造方法を実施して、小塊状アスファルト混合材料を得た。以下、これを実施例に係る小塊状アスファルト混合材料とする。実施例に係る小塊状アスファルト混合材料の写真を図2Aに示す。
実験1B:水槽4において水13に界面活性剤を入れないようにした。つまり単なる水を入れた。この状態で、小塊状アスファルト混合材料の製造装置1を使用して小塊状アスファルト混合材料を得た。以下、これを比較例に係る小塊状アスファルト混合材料とする。比較例に係る小塊状アスファルト混合材料の写真を図2Bに示す。
考察:実施例に係る小塊状アスファルト混合材料は比較的小径で粒径が一定であった。一方、比較例に係る小塊状アスファルト混合材料は粒径が大きいものもあるし、粒径が不均一になっていた。アスファルト小塊体9c、9c、…を界面活性剤が入れられた水13で洗浄・冷却するようにすると、単なる水で洗浄・冷却する場合に比して、小径で粒径が均一な小塊状アスファルト混合材料が得られることが確認できた。
【0020】
<実験2>
洗浄・冷却工程における界面活性剤の有無が、得られる小塊状アスファルト混合材料の高温環境下の保管における塊化に対してどのような影響を与えるか、を調べる実験を行った。
実験2:実験1で得られた実施例に係る小塊状アスファルト混合材料と、比較例に係る小塊状アスファルト混合材料とを、それぞれ別々の防水の袋に袋詰めして密封した。これらを60℃の水温の恒温槽に沈めて、10kPaの圧力を掛けて放置した。この圧力は、20kg入りの小塊状アスファルト混合材料の袋を10段に重ねたときの最下部の袋内の小塊状アスファルト混合材料が受ける圧力に相当する。
実験結果:実施例に係る小塊状アスファルト混合材料は、24時間経過後も小塊状アスファルト混合材料同士が結合することなく、粒径が一定に維持された。24時間経過後の実施例に係る小塊状アスファルト混合材料を図3Aの写真に示す。一方、比較例に係る小塊状アスファルト混合材料は、6時間経過後に小塊状アスファルト混合材料同士が結合し、塊化した。塊化した比較例に係る小塊状アスファルト混合材料を図3Bの写真に示す。
考察:洗浄・冷却工程において界面活性剤が入れられた水13によって洗浄・冷却するようにすると、得られる小塊状アスファルト混合材料は、比較的高温環境下であっても保管時の塊化が防止されることが確認できた。
【符号の説明】
【0021】
1 小塊状アスファルト混合材料の製造装置
3 小塊化装置
4 水槽
5 石粉コーティング装置
7 袋詰め装置
9、9a アスファルト混合物
9b、9c、9d アスファルト小塊体
9e 小塊状アスファルト混合材料
10 ホッパ
11 網体
13 水
15 第1の搬出手段
17 石粉供給部
18 攪拌手段
20 第2の搬出手段
21 ホッパ
23 袋
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
【手続補正書】
【提出日】2023-06-23
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒状あるいは小塊状で常温保管され施工時に加熱されるようになっている、常温保管される小塊状アスファルト混合材料の製造方法であって、
前記製造方法は、溶融したアスファルトと骨材との混合物である高温のアスファルト混合物を細分化して小塊状のアスファルト小塊体にする小塊化工程と、
高温の前記アスファルト小塊体を、ポリオキシエチレンアルキルエーテルを主成分とする界面活性剤が入れられた水槽に落下させて該水槽中で洗浄し冷却する洗浄・冷却工程と、
前記洗浄・冷却工程後の前記アスファルト小塊体を水切りする水切り工程と、
水切りされた前記アスファルト小塊体を石粉と共に混合して石粉でコーティングし、石粉でコーティングされたアスファルト小塊体である小塊状アスファルト混合材料を得る石粉コーティング工程と、を備えた、常温保管される小塊状アスファルト混合材料の製造方法。
【請求項2】
前記アスファルトは、ゴムを含有し伸縮性を備えた改質アスファルトである、請求項1に記載の常温保管される小塊状アスファルト混合材料の製造方法。
【請求項3】
粒状あるいは小塊状で常温保管され施工時に加熱されるようになっている、常温保管されるアスファルト混合材料の製造装置であって、
前記製造装置は、溶融したアスファルトと骨材とからなる高温のアスファルト混合物を細分化して小塊状のアスファルトであるアスファルト小塊体にする小塊化装置と、
前記小塊化装置の下方に設けられ高温の前記アスファルト小塊体が落下して洗浄・冷却されるようになっている水槽と、
前記水槽から前記アスファルト小塊体を搬出し水切りする水切り手段と、
前記水切り手段によって水切りされた前記アスファルト小塊体に石粉を投入してコーティングして小塊状アスファルト混合材料を得る石粉コーティング装置と、を備え、
前記水槽にはポリオキシエチレンアルキルエーテルを主成分とする界面活性剤が入れられている、常温保管される小塊状アスファルト混合材料の製造装置。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本発明は、粒状あるいは小塊状で常温保管され施工時に加熱されるようになっている、常温保管される小塊状アスファルト混合材料についての製造方法を対象としている。本発明の製造方法は、溶融したアスファルトと骨材との混合物である高温のアスファルト混合物を細分化して小塊状のアスファルト小塊体にする小塊化工程と、高温のアスファルト小塊体をポリオキシエチレンアルキルエーテルを主成分とする界面活性剤が入れられた水槽に落下させて該水槽中で洗浄し冷却する洗浄・冷却工程と、洗浄・冷却工程後のアスファルト小塊体を水切りして石粉と共に混合して石粉でコーティングし、石粉でコーティングされたアスファルト小塊体である小塊状アスファルト混合材料を得る石粉コーティング工程と、を備えるようにする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明によると、高温のアスファルト小塊体をポリオキシエチレンアルキルエーテルを主成分とする界面活性剤が入れられた水槽で洗浄し冷却する洗浄・冷却工程を備えているので、アスファルト小塊体の表面の油分が適切に除去される。表面の油分が適切に除去されるので、製造時にお互いに結合して粒径の大きな塊が形成されることが防止される。つまり比較的小径で粒径が均一になる。そして、このように表面の油分が除去されたアスファルト小塊体から石粉コーティング工程により石粉でコーティングして小塊状アスファルト混合材料を得るようにしている。したがって、小塊状アスファルト混合材料を比較的高温の環境において保管しても、小塊状アスファルト混合材料同士の結合が防止され、塊化が防止される。