(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058954
(43)【公開日】2024-04-30
(54)【発明の名称】出品情報チェックシステム及び出品情報チェックプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0207 20230101AFI20240422BHJP
【FI】
G06Q30/02 320
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022166391
(22)【出願日】2022-10-17
(71)【出願人】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天グループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソドコムカム ダナイパット
(72)【発明者】
【氏名】チャウ ウィンイン
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB07
5L049BB07
(57)【要約】
【課題】サービスの管理者が不適正な商品情報が表示された商品ページを容易に特定する。
【解決手段】出品情報チェックシステムであって、画像情報と文章情報を含む複数の商品情報のうち、割引を伴わない通常販売用商品情報を取得する通常販売用商品情報取得部と、割引を伴う割引販売用商品情報を取得する割引販売用商品情報取得部と、画像類似度を算出し、複数の通常販売用商品情報の中から、類似する画像情報を含む通常販売用商品情報を抽出する画像類似度算出部と、抽出された通常販売用商品情報に含まれる文章情報と割引販売用商品情報に含まれる文章情報と、の文章類似度をそれぞれ算出する文章類似度算出部と、画像類似度算出部に抽出された通常販売用商品情報の中に、画像類似度と文章類似度とに基づいて、所与の条件を満たすと判定される通常販売用商品情報が存在する場合に、1の割引販売用商品情報に関する情報を少なくとも出力する出力部と、を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の画像を表す画像情報と、該商品の名称を含む文章情報と、を含む複数の商品情報のうち、割引を伴わない通常販売用商品情報を複数取得する通常販売用商品情報取得部と、
複数の前記商品情報のうち、割引を伴う1の割引販売用商品情報を取得する割引販売用商品情報取得部と、
前記1の割引販売用商品情報に含まれる前記画像情報と複数の前記通常販売用商品情報に含まれる前記画像情報の類似度である画像類似度をそれぞれ算出し、前記通常販売用商品情報取得部が取得した複数の前記通常販売用商品情報の中から、前記1の割引販売用商品情報に含まれる前記画像情報と類似する前記画像情報を含む1または複数の前記通常販売用商品情報を抽出する画像類似度算出部と、
前記画像類似度算出部に抽出された1または複数の前記通常販売用商品情報に含まれる前記文章情報と、前記1の割引販売用商品情報に含まれる前記文章情報と、の文章類似度をそれぞれ算出する文章類似度算出部と、
前記画像類似度算出部に抽出された1または複数の前記通常販売用商品情報の中に、前記画像類似度と、前記文章類似度と、に基づいて、所与の条件を満たすと判定される前記通常販売用商品情報が存在する場合に、前記1の割引販売用商品情報に関する情報を少なくとも出力する出力部と、
を含む出品情報チェックシステム。
【請求項2】
前記商品情報は、商品の出品者を表す出品者情報と関連付けられ、
前記割引販売用商品情報取得部は、所与の前記出品者情報と関連付けられた前記1の割引販売用商品情報を取得し、
前記通常販売用商品情報取得部は、前記所与の出品者情報に基づいて、前記通常販売用商品情報を複数取得する、
請求項1に記載の出品情報チェックシステム。
【請求項3】
前記画像類似度算出部は、前記1の割引販売用商品情報に含まれる前記画像情報の特徴ベクトルと、前記通常販売用商品情報に含まれる前記画像情報の特徴ベクトルと、で表される距離が所定の閾値よりも小さい場合に、前記1の割引販売用商品情報に含まれる前記画像情報と前記通常販売用商品情報に含まれる前記画像情報が類似すると判定する、請求項1または2に記載の出品情報チェックシステム。
【請求項4】
前記画像類似度が高いほど大きく、かつ、前記文章類似度が高いほど大きい値で表されるスコアを算出するスコア算出部をさらに含み、
前記出力部は、前記スコアが所定の値より大きい場合に、前記所与の条件を満たすと判定する、
請求項1または2に記載の出品情報チェックシステム。
【請求項5】
前記商品情報は、さらに前記商品の価格情報を含み、
前記画像類似度算出部は、前記1の割引販売用商品情報に含まれる価格情報と同一または差が所定の額以下である価格情報を含む前記通常販売用商品情報のみを抽出する、
請求項2に記載の出品情報チェックシステム。
【請求項6】
前記通常販売用商品情報取得部は、
複数の前記商品情報を記憶する商品情報記憶部と、該商品情報記憶部に記憶された前記商品情報に基づいて、該商品情報と関連付けられた前記出品者情報と、該商品情報に含まれる前記画像情報、前記文章情報及び前記価格情報と、を含む商品ページを生成する商品ページ生成部と、を含む電子商取引システムにアクセスし、
前記商品情報記憶部から前記通常販売用商品情報を複数取得する、
請求項5に記載の出品情報チェックシステム。
【請求項7】
前記出力部は、さらに、
前記1の割引販売用商品情報に関する前記商品ページに対する割引販売用リクエストと、前記所与の条件を満たすと判定された前記通常販売用商品情報に関する前記商品ページに対する通常販売用リクエストと、を前記商品ページ生成部に送信し、
前記割引販売用リクエストに基づいて生成された前記商品ページと、前記通常販売用リクエストに基づいて生成された前記商品ページと、を取得し、
取得した2以上の前記商品ページを統合した画像で表される情報を出力する、
請求項6に記載の出品情報チェックシステム。
【請求項8】
前記割引販売用商品情報取得部は、割引を伴う複数の割引販売用商品情報を取得し、
前記出力部は、前記割引販売用商品情報ごとに、前記複数の割引販売用商品情報に関する情報と、前記所与の条件を満たすと判定された前記通常販売用商品情報と、の組み合わせを出力する、
請求項1または2に記載の出品情報チェックシステム。
【請求項9】
前記文章情報は、さらに商品の量を表す情報を含む、請求項1または2に記載の出品情報チェックシステム。
【請求項10】
商品の画像を表す画像情報と、該商品の名称を含む文章情報と、を含む複数の商品情報のうち、割引を伴わない通常販売用商品情報を複数取得する通常販売用商品情報取得手段と、
複数の前記商品情報のうち、割引を伴う1の割引販売用商品情報を取得する割引販売用商品情報取得手段と、
前記1の割引販売用商品情報に含まれる前記画像情報と複数の前記通常販売用商品情報に含まれる前記画像情報の類似度である画像類似度をそれぞれ算出し、前記通常販売用商品情報取得手段が取得した複数の前記通常販売用商品情報の中から、前記1の割引販売用商品情報に含まれる前記画像情報と類似する前記画像情報を含む1または複数の前記通常販売用商品情報を抽出する画像類似度算出手段と、
前記画像類似度算出手段に抽出された1または複数の前記通常販売用商品情報に含まれる前記文章情報と、前記1の割引販売用商品情報に含まれる前記文章情報と、の文章類似度をそれぞれ算出する文章類似度算出手段と、
前記画像類似度算出手段に抽出された1または複数の前記通常販売用商品情報の中に、前記画像類似度と、前記文章類似度と、に基づいて、所与の条件を満たすと判定される前記通常販売用商品情報が存在する場合に、前記1の割引販売用商品情報に関する情報を少なくとも出力する出力手段、
としてコンピュータを機能させる出品情報チェックプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、出品情報チェックシステム及び出品情報チェックプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネット等を利用したオンラインショッピングが普及しており、利用者はインターネット上のショッピングモールに出店している店舗が販売している商品の購入等のサービスを利用することができる。当該サービスが提供される商品ページには、商品の出品者、商品名、商品画像、商品説明文、価格等の商品に関する商品情報が表示される。当該商品情報は、例えば出品者や販売者によって、サービスのプラットフォームへ提供される。
【0003】
サービスの管理者は、ウェブ上の商品ページに表示された商品情報が規約や法律に照らして適正であるか確認することが好ましい。例えば、下記特許文献1は、登録された取引価格と、取引に用いられる商品ページに記載されたコンテンツの内容と、に生じる矛盾を警告する警告装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、顧客を誘引するために、出品者は所定のセール期間にのみ該セール期間以外の非セール期間よりも安い価格で商品を出品する場合がある。また、サービスの管理者が所定のセール期間を指定し、該指定された期間に複数の出品者が同時に非セール期間よりも安い価格で商品を出品する場合もある。
【0006】
しかしながら、出品者によっては、セール期間中に非セール期間よりも安い価格であると宣伝しながら非セール期間と同等の価格で出品し、顧客を誘引することがある。上記のように、サービスの管理者は、商品ページに表示された商品情報が適正であるか確認することが好ましいが、出品された商品の数が膨大である場合、どの商品ページに表示された商品情報が不適正であるか特定することが困難である。
【0007】
本開示の目的は、サービスの管理者が不適正な商品情報が表示された商品ページを容易に特定するための出品情報チェックシステム及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示に係る出品情報チェックシステムは、商品の画像を表す画像情報と、該商品の名称を含む文章情報と、を含む複数の商品情報のうち、割引を伴わない通常販売用商品情報を複数取得する通常販売用商品情報取得部と、複数の前記商品情報のうち、割引を伴う1の割引販売用商品情報を取得する割引販売用商品情報取得部と、前記1の割引販売用商品情報に含まれる前記画像情報と複数の前記通常販売用商品情報に含まれる前記画像情報の類似度である画像類似度をそれぞれ算出し、前記通常販売用商品情報取得部が取得した複数の前記通常販売用商品情報の中から、前記1の割引販売用商品情報に含まれる前記画像情報と類似する前記画像情報を含む1または複数の前記通常販売用商品情報を抽出する画像類似度算出部と、前記画像類似度算出部に抽出された1または複数の前記通常販売用商品情報に含まれる前記文章情報と、前記1の割引販売用商品情報に含まれる前記文章情報と、の文章類似度をそれぞれ算出する文章類似度算出部と、前記画像類似度算出部に抽出された1または複数の前記通常販売用商品情報の中に、前記画像類似度と、前記文章類似度と、に基づいて、所与の条件を満たすと判定される前記通常販売用商品情報が存在する場合に、前記1の割引販売用商品情報に関する情報を少なくとも出力する出力部と、を含む。
【0009】
本開示の一態様では、前記商品情報は、商品の出品者を表す出品者情報と関連付けられ、前記割引販売用商品情報取得部は、所与の前記出品者情報と関連付けられた前記1の割引販売用商品情報を取得し、前記通常販売用商品情報取得部は、前記所与の出品者情報に基づいて、前記通常販売用商品情報を複数取得する。
【0010】
本開示の一態様では、前記画像類似度算出部は、前記1の割引販売用商品情報に含まれる前記画像情報の特徴ベクトルと、前記通常販売用商品情報に含まれる前記画像情報の特徴ベクトルと、で表される距離が所定の閾値よりも小さい場合に、前記1の割引販売用商品情報に含まれる前記画像情報と前記通常販売用商品情報に含まれる前記画像情報が類似すると判定する。
【0011】
本開示の一態様では、前記画像類似度が高いほど大きく、かつ、前記文章類似度が高いほど大きい値で表されるスコアを算出するスコア算出部をさらに含み、前記出力部は、前記スコアが所定の値より大きい場合に、前記所与の条件を満たすと判定する。
【0012】
本開示の一態様では、前記商品情報は、さらに前記商品の価格情報を含み、前記画像類似度算出部は、前記1の割引販売用商品情報に含まれる価格情報と同一または差が所定の額以下である価格情報を含む前記通常販売用商品情報のみを抽出する。
【0013】
本開示の一態様では、前記通常販売用商品情報取得部は、複数の前記商品情報を記憶する商品情報記憶部と、該商品情報記憶部に記憶された前記商品情報に基づいて、該商品情報と関連付けられた前記出品者情報と、該商品情報に含まれる前記画像情報、前記文章情報及び前記価格情報と、を含む商品ページを生成する商品ページ生成部と、を含む電子商取引システムにアクセスし、前記商品情報記憶部から前記通常販売用商品情報を複数取得する。
【0014】
本開示の一態様では、前記出力部は、さらに、前記1の割引販売用商品情報に関する前記商品ページに対する割引販売用リクエストと、前記所与の条件を満たすと判定された前記通常販売用商品情報に関する前記商品ページに対する通常販売用リクエストと、を前記商品ページ生成部に送信し、前記割引販売用リクエストに基づいて生成された前記商品ページと、前記通常販売用リクエストに基づいて生成された前記商品ページと、を取得し、取得した2以上の前記商品ページを統合した画像で表される情報を出力する。
【0015】
本開示の一態様では、前記割引販売用商品情報取得部は、割引を伴う複数の割引販売用商品情報を取得し、前記出力部は、前記割引販売用商品情報ごとに、前記複数の割引販売用商品情報に関する情報と、前記所与の条件を満たすと判定された前記通常販売用商品情報と、の組み合わせを出力する。
【0016】
本開示の一態様では、前記文章情報は、さらに商品の量を表す情報を含む。
【0017】
本開示に係る出品情報チェックプログラムは、商品の画像を表す画像情報と、該商品の名称を含む文章情報と、を含む複数の商品情報のうち、割引を伴わない通常販売用商品情報を複数取得する通常販売用商品情報取得手段と、複数の前記商品情報のうち、割引を伴う1の割引販売用商品情報を取得する割引販売用商品情報取得手段と、前記1の割引販売用商品情報に含まれる前記画像情報と複数の前記通常販売用商品情報に含まれる前記画像情報の類似度である画像類似度をそれぞれ算出し、前記通常販売用商品情報取得手段が取得した複数の前記通常販売用商品情報の中から、前記1の割引販売用商品情報に含まれる前記画像情報と類似する前記画像情報を含む1または複数の前記通常販売用商品情報を抽出する画像類似度算出手段と、前記画像類似度算出手段に抽出された1または複数の前記通常販売用商品情報に含まれる前記文章情報と、前記1の割引販売用商品情報に含まれる前記文章情報と、の文章類似度をそれぞれ算出する文章類似度算出手段と、前記画像類似度算出手段に抽出された1または複数の前記通常販売用商品情報の中に、前記画像類似度と、前記文章類似度と、に基づいて、所与の条件を満たすと判定される前記通常販売用商品情報が存在する場合に、前記1の割引販売用商品情報に関する情報を少なくとも出力する出力手段、としてコンピュータを機能させる。
【発明の効果】
【0018】
本開示によれば、サービスの管理者が不適正な商品情報が表示された商品ページを容易に特定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】電子商取引システム全体のハードウェアの概要構成の一例を示す図である。
【
図2】電子商取引システム及び出品情報チェックシステムの機能ブロックを示す図である。
【
図3】商品情報記憶部に記憶された商品情報の一例を示す図である。
【
図4】商品情報記憶部に記憶された商品情報の一例を示す図である。
【
図5】生成された商品ページをブラウザで表示した一例を示す図である。
【
図6】文章類似度の算出について説明するための図である。
【
図7】出力部が出力した画像情報の一例を示す図である。
【
図8】出品情報チェックシステムにおいて実行される処理の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、電子商取引システム100全体のハードウェアの概要構成の一例を示す図である。
図1に示すように、電子商取引システム100は、管理サーバ101と、店舗PC102と、顧客PC103と、を含んで構成される。そして、管理サーバ101と店舗PC102及び顧客PC103とは、インターネットを介して、相互にデータの送受信が可能である。なお、
図1には1台の店舗PC102と、1台の顧客PC103がインターネットに接続された状態が記載されているが、通常、店舗PC102及び顧客PC103は複数である。
【0021】
管理サーバ101は、商品の購入が可能な電子商店街に関する各種処理を実行するサーバ装置である。管理サーバ101は、情報処理装置であって、店舗PC102や顧客PC103からのリクエストに応じて、例えば商品に関する商品ページの送信や、商品の検索や購入等に関する処理を行う。
【0022】
店舗PC102は、電子商店街に出店している店舗の従業員等により利用される端末装置である。店舗PC102は、従業員等の操作に基づいて管理サーバ101等のサーバ装置にアクセスする。これにより、店舗PC102は、サーバ装置から商品ページを受信して表示する。従業員は、店舗PC102を利用することにより、例えば販売する商品情報の電子商店街への登録や、商品の注文内容の確認を行う。
【0023】
顧客PC103は、電子商店街から商品を購入するユーザの端末装置である。顧客PC103は、ユーザからの操作に基づいて管理サーバ101にアクセスすることにより、管理サーバ101から商品ページを受信して表示する。顧客PC103には、ブラウザや電子メールクライアント等のソフトウェアが組み込まれている。顧客PC103としては、例えば、パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)、スマートフォン等の携帯情報端末、携帯電話機等が用いられる。
【0024】
図2は、電子商取引システム100及び出品情報チェックシステム200の機能ブロックを示す図である。
図2に示す電子商取引システム100の機能は、電子商取引システム100全体の機能のうち管理サーバ101によって実現される機能のみを示している。また、以下において出品情報チェックシステム200の各機能が
図1に示す管理サーバ101により実現される場合について説明するが、出品情報チェックシステム200の各機能は、管理サーバ101とLAN回線や社内ネットワーク等で接続された情報処理装置(図示なし)にって実現されてもよい。
【0025】
図2に示すように、電子商取引システム100は、商品情報記憶部202と、商品ページ生成部204と、ユーザ通信部206と、を有する。
【0026】
商品情報記憶部202は、複数の商品情報を記憶する。具体的には、例えば、商品情報記憶部202は、所与の出品者を表す出品者情報と関連付けられた、商品の画像を表す画像情報と該商品の名称を表す文章情報を含む複数の商品情報を記憶する。なお、文章情報は、さらに商品の量を表す情報を含んでいてもよい。画像情報は、商品ページに表示される商品の画像を表す画像データである。文章情報は、商品ページに表示される商品の説明文であって、テキスト(文字列)で表される。文章情報は、商品の名称及び量だけでなく産地や商品の状態を示す文章などが含まれていてもよい。
【0027】
図3は、商品情報記憶部202に記憶された商品情報の一例を示す図である。
図3に示すテーブルは、「B商店オンライン店」という出品者情報と関連付けられており、複数の商品情報を含む。
図3に示す各商品情報は、個々の商品情報を識別するシリアルNO.を含む。シリアルNO.が「1」である商品情報の画像情報は「crab1.bpm」であり、文章情報は「身入り抜群のA級品!A国産ボイルズワイガニ姿・約500g×1尾 冷凍ズワイ蟹」である。シリアルNO.が「2」である商品情報の画像情報は「crab2.bpm」であり、文章情報は「スーパーSALE/A国産ボイルズワイガニ姿・約500g×1尾 冷凍ズワイ蟹」である。
図3のテーブルは、シリアルNO.が「3」以降である商品情報も含む。
【0028】
商品情報記憶部202は、さらに商品の価格情報を含む商品情報を記憶する。具体的には、価格情報は、当該商品情報が表す商品の価格を表す情報であって、1個の商品情報に複数含まれていてもよい。例えば、
図4は、商品の価格情報を含む商品情報の一例を示す図であって、各商品情報は、第1価格情報と第2価格情報を含む。第1価格情報は、実際の取引価格を表す情報であり、第2価格情報は、割引販売を実施する場合における割引前の価格を表す情報である。なお、価格情報は、
図4に示すように、販売価格を表す数値情報だけでなく、通常販売時や割引販売時であることなどを示すテキスト情報をあわせて含んでいてもよい。
【0029】
図4に示すテーブルは、
図3に示すテーブルと対応したテーブルであって、「B商店オンライン店」という出品者情報と関連付けられており、少なくともシリアルNO.が「1」乃至「3」である商品情報を含む。シリアルNO.が「1」である商品情報の第1価格情報は「2,500円」であり、第2価格情報は「Null」である。シリアルNO.が「2」である商品情報の第1価格情報は「スーパーSALE・半額 2,500円」であり、第2価格情報は「当店通常 5,000円」である。シリアルNO.が「3」である商品情報の第1価格情報は「3,000円」であり、第2価格情報は「Null」である。
【0030】
なお、
図4に示す価格情報を含む商品情報と、
図3に示す画像情報及び文章情報を含む商品情報は、一つのテーブルとして商品情報記憶部202に記憶されていてもよい。
【0031】
商品ページ生成部204は、商品情報記憶部202に記憶された商品情報に基づいて、該商品情報と関連付けられた出品者情報と、該商品情報に含まれる画像情報、文章情報及び価格情報と、を含む商品ページを生成する。具体的には、例えば、まず、商品ページ生成部204は、シリアルNO.が「1」である商品情報に関する商品ページに対するリクエストを取得する。当該リクエストを取得した商品ページ生成部204は、HTML(Hypertext Markup Language)言語により、「B商店オンライン店」、「身入り抜群のA級品!A国産ボイルズワイガニ姿・約500g×1尾 冷凍ズワイ蟹」及び「2,500円」という文字列が所定の位置に記述されたテキストファイルと、「crab1.bmp」という画像ファイルを含む商品ページを生成する。
【0032】
商品ページ生成部204は所定のひな型に従って商品ページを生成する。
図5は生成された商品ページをブラウザで表示した一例を示す図である。上部に「crab1.bmp」という画像ファイルが表す画像が表示される。中部に文章情報である「身入り抜群のA級品!A国産ボイルズワイガニ姿・約500g×1尾 冷凍ズワイ蟹」というテキストが表示される。下部に、下部に第1価格情報である「2,500円」というテキストと、出品者情報である「B商店オンライン店」というテキストが表示される。顧客PC103は、
図5のような商品ページを表示する。
【0033】
ユーザ通信部206は、店舗PC102及び顧客PC103と通信を行う。具体的には、例えば、ユーザ通信部206は、顧客PC103や出力部224から、商品情報に関する商品ページに対するリクエストを受信し、商品ページ生成部204に送信する。また、ユーザ通信部206は、商品ページ生成部204が生成した商品ページを、当該リクエストの送信元である顧客PC103や出力部224に対して送信する。
【0034】
出品情報チェックシステム200は、通常販売用商品情報取得部208と、割引販売用商品情報取得部210と、出品者情報記憶部211と、特徴量算出部212と、通常販売用特徴量記憶部214と、画像類似度算出部216と、フィルタ218と、文章類似度算出部220と、スコア算出部222と、出力部224と、を含む。
【0035】
通常販売用商品情報取得部208は、商品の画像を表す画像情報と、該商品の名称を含む文章情報と、を含む複数の商品情報のうち、割引を伴わない通常販売用商品情報を複数取得する。具体的には、例えば、通常販売用商品情報取得部208は、電子商取引システム100にアクセスし、商品の画像を表す画像情報と該商品の名称及び量を表す文章情報を含む複数の商品情報のうち、割引を伴わない通常販売用商品情報を複数無作為に取得する。
【0036】
割引販売用商品情報取得部210は、複数の商品情報のうち、割引を伴う1の割引販売用商品情報を取得する。具体的には、例えば、割引販売用商品情報取得部210は、電子商取引システム100にアクセスし、商品の画像を表す画像情報と該商品の名称及び量を表す文章情報を含み、割引を伴う1の割引販売用商品情報を無作為に取得する。
【0037】
なお、割引販売用商品情報取得部210は、所与の出品者情報と関連付けられた1の割引販売用商品情報を取得してもよい。具体的には、例えば、割引販売用商品情報取得部210は、「B商店オンライン店」という出品者情報と関連付けられた商品情報の中から、第2価格情報を含む商品情報を取得してもよい。例えば、
図4に示すようにシリアルNo.が「2」である商品情報は第2価格情報を含むため、割引販売用商品情報取得部210は、シリアルNo.が「2」である商品情報を取得する。
【0038】
この場合、通常販売用商品情報取得部208は、所与の出品者情報に基づいて、通常販売用商品情報を複数取得してもよい。具体的には、通常販売用商品情報取得部208は、「B商店オンライン店」という出品者情報と関連付けられた商品情報の中から、第2価格情報を含まない商品情報を取得してもよい。例えば、
図4に示すテーブルは、「B商店オンライン店」という出品者情報と関連付けられており、
図4に示すテーブルのシリアルNo.が「1」及び「3」である商品情報は第2価格情報を含まない。この場合、通常販売用商品情報取得部208は、シリアルNo.が「1」及び「3」である商品情報を取得してもよい。
【0039】
また、割引販売用商品情報取得部210が取得する割引販売用商品情報に関連付けられた出品者情報と、通常販売用商品情報取得部208が取得する通常販売用商品情報に関連付けられた出品者情報と、は同一でなくてもよい。例えば、割引販売用商品情報に関連付けられた出品者情報と、通常販売用商品情報に関連付けられた出品者情報と、が所与の関連性を有していればよい。所与の関連性は、例えば、当該2つの出品者情報が表す出品者が有する資本関係や、サービスの管理者が予め指定した関連性等である。所与の関連性を有する複数の出品者情報は、予め出品者情報記憶部211に記憶される。
【0040】
出品者情報記憶部211は、所与の関連性を有する複数の出品者情報を記憶する。具体的には、例えば、出品者情報記憶部211は、サービスの管理者が予め指定した出品者情報の一覧を含むテーブルを1または複数記憶する。例えば、「B商店オンライン店」という出品者情報を用いて出品を行う出品者が、異なる「b商店オンライン店」という出品者情報を用いて他の商品販売を行っている場合、商品情報記憶部202は、「B商店オンライン店」という出品者情報と、「b商店オンライン店」という出品者情報と、を異なる出品者情報として記憶している。この場合、出品者情報記憶部211は、「B商店オンライン店」という出品者情報と、「b商店オンライン店」という出品者情報と、が所与の関連性を有する1群の出品者情報として1つのテーブルに記憶する。
【0041】
これにより、通常販売用商品情報取得部208は、出品者情報記憶部211に記憶された所与の関連性を有する複数の出品者情報に基づいて、通常販売用商品情報を取得することができる。例えば、割引販売用商品情報取得部210が、「B商店オンライン店」という出品者情報と関連付けられた商品情報の中から割引販売用商品情報を取得した場合、通常販売用商品情報取得部208は、出品者情報記憶部211に記憶された1つのテーブルに基づいて、「b商店オンライン店」という出品者情報と関連付けられた商品情報の中から通常販売用商品情報を取得することができる。これにより、出品者が「B商店オンライン店」と「b商店オンライン店」という異なる出品者情報を用いた場合であっても、サービスの管理者は、不適正な商品情報が表示された商品ページを特定することができる。
【0042】
特徴量算出部212は、通常販売用商品情報取得部208及び割引販売用商品情報取得部210が取得した商品情報に含まれる各画像情報の特徴量を算出する。具体的には、例えば、特徴量算出部212は、シリアルNo.が「1」である商品情報に含まれる「crab1.bpm」という画像データの特徴ベクトルと、シリアルNo.が「2」である商品情報に含まれる「crab2.bpm」という画像データの特徴ベクトルと、シリアルNo.が「3」である商品情報に含まれる「crab3.bpm」という画像データの特徴ベクトルと、を算出する。特徴ベクトルの算出方法は、既知の方法が用いられてよい。
【0043】
通常販売用特徴量記憶部214は、通常販売用商品情報取得部208が取得した商品情報に含まれる各画像情報の特徴量を記憶する。具体的には、例えば、常販売用特徴量記憶部は、「crab1.bpm」という画像データの特徴ベクトルと、「crab3.bpm」という画像データの特徴ベクトルと、を記憶する。
【0044】
画像類似度算出部216は、1の割引販売用商品情報に含まれる画像情報と複数の通常販売用商品情報に含まれる画像情報の類似度である画像類似度をそれぞれ算出し、通常販売用商品情報取得部208が取得した複数の通常販売用商品情報の中から、1の割引販売用商品情報に含まれる画像情報と類似する画像情報を含む1または複数の通常販売用商品情報を抽出する。具体的には、例えば、画像類似度算出部216は、1の割引販売用商品情報に含まれる画像情報の特徴ベクトルと、通常販売用商品情報に含まれる画像情報の特徴ベクトルと、を算出する。そして、画像類似度算出部216は、割引販売用商品情報に基づいて算出した特徴ベクトルと、通常販売用商品情報に基づいて算出した特徴ベクトルと、で表される距離が所定の閾値よりも小さい場合に、1の割引販売用商品情報に含まれる画像情報と通常販売用商品情報に含まれる画像情報が類似すると判定する。
【0045】
上記例では、通常販売用特徴量記憶部214に記憶された「crab1.bpm」という画像データの特徴ベクトルと、「crab2.bpm」という画像データの特徴ベクトルと、で表される距離を画像類似度として算出する。また、画像類似度算出部216は、当該距離が所定の閾値よりも小さい場合に、割引販売用商品情報に含まれる画像情報と通常販売用商品情報に含まれる画像情報が類似すると判定する。例えば、「crab1.bpm」と「crab2.bpm」の特徴ベクトルの相違が閾値よりも小さく、「crab3.bpm」と「crab2.bpm」の特徴ベクトルの相違が閾値よりも大きい場合、画像類似度算出部216は、シリアルNo.が「1」である商品情報を抽出する。
【0046】
なお、特徴ベクトルを用いる方法は画像類似度を算出する方法の一例であって、画像類似度算出部216は、他の公知の方法を用いて画像類似度を算出してもよい。例えば、画像類似度算出部216は、画素毎に階調値の差分を算出し、画像全体の差分の総和の大きさを類似度と算出してもよい。特徴ベクトルを用いない場合には、特徴量算出部212及び通常販売用特徴量記憶部214は省略されてよい。
【0047】
また、画像類似度算出部216は、1の割引販売用商品情報に含まれる価格情報と同一または差が所定の額以下である価格情報を含む通常販売用商品情報のみを抽出してもよい。割引販売用商品情報に含まれる価格情報で表される価格との相違が大きい価格情報を含む通常販売用商品情報を抽出しないことにより、確認する必要性の高い商品情報のみを抽出することができる。
【0048】
フィルタ218は、画像類似度算出部216が抽出した複数の商品情報のうち、一部の商品情報を選択する。具体的には、例えば、フィルタ218は、画像類似度算出部216が抽出した複数の商品情報のうち、アウトレット商品に関する商品情報を除外し、アウトレット商品以外の商品に関する商品情報のみを選択する。
【0049】
文章類似度算出部220は、画像類似度算出部216に抽出された1または複数の通常販売用商品情報に含まれる文章情報と、1の割引販売用商品情報に含まれる文章情報と、の文章類似度をそれぞれ算出する。具体的には、例えば、文章類似度算出部220は、自然言語処理を行う機械学習モデルを用いて文章類似度を算出する。上記例では、文章類似度算出部220は、抽出されたシリアルNo.が「1」である商品情報に含まれる文章情報と、シリアルNo.が「2」である商品情報に含まれる文章情報と、の類似度を算出する。
【0050】
具体的には、
図6に示すテーブルを用いて文章類似度の算出について説明する。文章類似度算出部220は、公知の自然言語処理を行う機械学習モデルを用いて、「身入り抜群のA級品!A国産ボイルズワイガニ姿・約500g×1尾 冷凍ズワイ蟹」というテキストと、「スーパーSALE/A国産ボイルズワイガニ姿・約500g×1尾 冷凍ズワイ蟹」というテキストと、から「0.998」というテキストを用いた類似度を算出する。
【0051】
また、文章類似度算出部220は、公知の技術を用いて、テキストから数量及び大きさに関する情報(以下、属性と称する)を抽出する。例えば、文章類似度算出部220は、「身入り抜群のA級品!A国産ボイルズワイガニ姿・約500g×1尾 冷凍ズワイ蟹」というテキストから「1.0 Fish [CountingFishUnit] 500.0 Gram [WeightUnit]」という通常販売用属性を抽出する。同様に、文章類似度算出部220は、「スーパーSALE/A国産ボイルズワイガニ姿・約500g×1尾 冷凍ズワイ蟹」というテキストから「1.0 Fish [CountingFishUnit] 500.0 Gram [WeightUnit]」という割引販売用属性を抽出する。そして、文章類似度算出部220は、上記機械学習モデルを用いて、通常販売用属性と割引販売用属性から「1」という属性を用いた類似度を算出する。
【0052】
さらに、文章類似度算出部220は、テキストを用いた類似度「0.998」と属性を用いた類似度「1」を乗算することにより「0.998」という文章類似度を算出する。
【0053】
図6の2行目は、文章類似度の算出に関する他の一例である。文章類似度算出部220は、公知の自然言語処理を行う機械学習モデルを用いて、「国産 寒天 乾燥 糸寒天 カット 20g×2袋 送料無料 アルギン酸 スーパーフード」というテキストと、「国産 寒天 乾燥 糸寒天 カット 20g×1袋 送料無料 アルギン酸」というテキストと、から「0.992」というテキストを用いた類似度を算出する。
【0054】
また、文章類似度算出部220は、「国産 寒天 乾燥 糸寒天 カット 20g×2袋 送料無料 アルギン酸 スーパーフード」というテキストから「2.0 Bag [CountingBagUnit] 20.0 Gram [WeightUnit]」という通常販売用属性を抽出する。同様に、文章類似度算出部220は、「国産 寒天 乾燥 糸寒天 カット 20g×1袋 送料無料 アルギン酸」というテキストから「1.0 Bag [CountingBagUnit] 20.0 Gram [WeightUnit]」という割引販売用属性を抽出する。そして、文章類似度算出部220は、上記機械学習モデルを用いて、通常販売用属性と割引販売用属性から「0.033」という属性を用いた類似度を算出する。
【0055】
さらに、文章類似度算出部220は、テキストを用いた類似度「0.992」と属性を用いた類似度「0.033」を乗算することにより「0.033」という文章類似度を算出する。すなわち、
図6の2行目に示す例では、商品の量が異なるため、
図6の1行目に示す例と比べて小さい類似度が算出される。
【0056】
なお、文章類似度算出部220は、テキストを用いた類似度を文章類似度としてもよいし、属性を用いた類似度を文章類似度としてもよい。また、文章類似度算出部220は、他の公知の方法を用いて文章類似度を算出してもよい。
【0057】
スコア算出部222は、画像類似度が高いほど大きく、かつ、文章類似度が高いほど大きい値で表されるスコアを算出する。具体的には、例えば、スコア算出部222は、文章類似度と画像類似度を乗算した値をスコアとして算出する。スコアは、画像類似度が高いほど大きく、かつ、文章類似度が高いほど大きい値で表されれば、他の方法によって算出されてもよい。また、スコア算出部222は、スコアの値に応じて、例えば「A」から「E」の5段階で表されるランクを算出してもよい。
【0058】
出力部224は、画像類似度算出部216に抽出された1または複数の通常販売用商品情報の中に、画像類似度と、文章類似度と、に基づいて、所与の条件を満たすと判定される通常販売用商品情報が存在する場合に、1の割引販売用商品情報に関する情報を少なくとも出力する。具体的には、例えば、上記のように、割引販売用商品情報取得部210がシリアルNo.が「2」である商品情報を取得し、画像類似度算出部216が、シリアルNo.が「1」である商品情報を抽出したとする。また、スコア算出部222が、シリアルNo.が「1」である商品情報とシリアルNo.が「2」である商品情報の類似度を表すスコアが「0.998」であると算出したとする。このとき、出力部224は、スコアが所定の値より大きい(または、「A」から「Z」までのアルファベットの並びにおいて、所定の文字より「A」に近い)場合に、所与の条件を満たすと判定する。ここで、所定の値が「0.9」である場合、出力部224は、シリアルNo.が「1」である商品情報が所与の条件を満たすと判定する。
【0059】
さらに、出力部224は、所与の条件を満たす商品情報が存在する場合に、1の割引販売用商品情報に関する商品ページに対する割引販売用リクエストと、所与の条件を満たすと判定された通常販売用商品情報に関する商品ページに対する通常販売用リクエストと、を商品ページ生成部204に送信する。具体的には、上記例では、出力部224は、シリアルNo.が「2」である割引販売用商品情報に関する商品ページに対する割引販売用リクエストと、シリアルNo.が「1」である通常販売用商品情報に関する商品ページに対する通常販売用リクエストと、を商品ページ生成部204に送信する。そして、商品ページ生成部204は、割引販売用リクエストと通常販売用リクエストに基づいて、それぞれ商品ページを生成する。出力部224は、割引販売用リクエストに基づいて生成された商品ページと、通常販売用リクエストに基づいて生成された商品ページを取得し、取得した2以上の商品ページを統合した画像情報を出力する。出力された画像情報は、例えば、管理サーバ101が有する液晶ディスプレイなどの表示装置(図示なし)によって表示される。また、出力された画像情報は、管理サーバ101が有するプリンタによって紙面に印刷されてもよい。
【0060】
図7は、出力部224が出力した画像情報の一例を示す図である。
図7に示す画像情報は、通常販売用商品情報(シリアルNo.が「1」である商品情報)に関する商品ページと、割引販売用商品情報(シリアルNo.が「2」である商品情報)に関する商品ページと、が比較しやすいように並べて表わされた1枚の画像データである。出力された画像情報は、スコア算出部222が算出した類似度とランク(
図7右下部)を含んでいてもよい。また、出力部224は、割引販売用商品情報に関する商品ページのみを含む1枚の画像データを出力してもよい。さらに、割引販売用商品情報取得部210は、割引を伴う複数の割引販売用商品情報を取得してもよい。この場合、出力部224は、割引販売用商品情報ごとに、複数の割引販売用商品情報に関する情報と、所与の条件を満たすと判定された通常販売用商品情報と、の組み合わせを出力してもよい。
【0061】
図7に示すように、通常販売用商品情報が表す商品と割引販売用商品情報が表す商品は、いずれも500gの冷凍ズワイ蟹であって同一である。また、当該二つの商品の価格は、いずれも2,500円であって同一である。しかしながら、
図7には、割引販売用商品情報が表す商品の価格が通常の価格ではなく割引販売時の価格であることが表示されている。従って、B商店オンライン店が通常販売時には5,000円である商品を2,500円に割引して販売していると偽って販売しようとしており、管理者は、
図7に示す画像情報を確認することにより、このような不正な販売行為を容易に把握することができる。
【0062】
また、
図7左側はB商店オンライン店が通常販売時に2,500円で販売していることを表示しているが、
図7右側は通常販売時に5,000円で販売していることを表示している。すなわち、B商店オンライン店は、実際には販売実績のない5,000円という価格を比較対照価格として、割引後の価格が2,500円であると表示することであたかも値引きを行っているように見せかけている。当該行為は、当該表示によって販売価格が実際と異なって安いという印象を一般消費者に与える不正な二重価格表示に該当する行為である。本開示によれば、管理者は、当該不正な行為を容易に把握することができる。
【0063】
図8は、出品情報チェックシステム200において実行される処理の一例を示すフロー図である。また、
図8に示す処理は、出品情報チェックシステム200が出品情報チェックプログラムに従って動作することによって実行される。
【0064】
まず、通常販売用商品情報取得部208は、電子商取引システム100にアクセスし、商品情報記憶部202から通常販売用商品情報を取得する(S802)。例えば、通常販売用商品情報取得部208は、シリアルNo.が「1」及び「3」である商品情報を少なくとも取得する。なお、S802では、所与の出品者を表す出品者情報と関連付けられた商品情報のうち、割引を伴わない全ての通常販売用商品情報が取得されることが望ましい。
【0065】
次に、特徴量算出部212は、S802で取得された商品情報に含まれる各画像情報の特徴量を算出する(S804)。具体的には、例えば、特徴量算出部212は、シリアルNo.が「1」及び「3」である商品情報に含まれる画像データの特徴ベクトルを算出する。通常販売用特徴量記憶部214は、算出された特徴ベクトルを記憶する。なお、S802及びS804のステップは、本フローとは切り離して予め実行されていてもよい。
【0066】
次に、割引販売用商品情報取得部210は、所与の出品者を表す出品者情報と関連付けられた、割引を伴う割引販売用商品情報を取得する(S806)。具体的には、例えば、割引販売用商品情報取得部210は、「B商店オンライン店」という出品者情報と関連付けられた商品情報の中から、シリアルNo.が「2」である商品情報を取得する。
【0067】
次に、特徴量算出部212は、S806で取得された商品情報に含まれる各画像情報の特徴量を算出する(S808)。具体的には、例えば、特徴量算出部212は、シリアルNo.が「2」である商品情報に含まれる画像データの特徴ベクトルを算出する。
【0068】
次に、画像類似度算出部216は、画像類似度を算出し、通常販売用商品情報取得部208が取得した複数の通常販売用商品情報の中から、割引販売用商品情報に含まれる画像情報と類似する画像情報を含む通常販売用商品情報を抽出する(S810)。具体的には、例えば、画像類似度算出部216は、「crab1.bpm」と「crab2.bpm」の「1」という画像類似度と、「crab3.bpm」と「crab2.bpm」の「0.515」という画像類似度と、を算出する。そして、例えば閾値が「0.5」である場合、「crab1.bpm」と「crab2.bpm」の画像類似度が0.5以上であるため、画像類似度算出部216は、シリアルNo.が「1」である商品情報を抽出する。
【0069】
フィルタ218は、画像類似度算出部216が抽出した複数の商品情報のうち、一部の商品情報を選択する(S812)。具体的には、例えば、リアルNo.が「1」である商品情報が表す商品がアウトレット品でない場合、フィルタ218は、シリアルNo.が「1」である商品情報を選択する。
【0070】
次に、文章類似度算出部220は、文章類似度を算出する(S814)。具体的には、例えば、文章類似度算出部220は、テキストを用いた類似度「0.998」と属性を用いた類似度「1」を乗算することにより「0.998」という文章類似度を算出する。
【0071】
次に、スコア算出部222は、画像類似度が高いほど大きく、かつ、文章類似度が高いほど大きい値で表されるスコアを算出する(S814)。具体的には、例えば、スコア算出部222は、画像類似度「1」と文章類似度「0.998」を乗算して「0.998」というスコアを算出し、当該値と対応する「A」というランクを算出する。
【0072】
次に、出力部224は、所与の条件を満たすと判定される通常販売用商品情報が存在する場合に、1の割引販売用商品情報に関する情報を少なくとも出力する(S816)。具体的には、例えば、出力部224は、
図7に示す画像情報を出力する。
【0073】
以上のステップにより、管理者は
図7に示す画像情報を確認し、不正な販売行為を容易に把握することができる。通常、同一の出品者が出品する商品の数は膨大である。そのため、管理者が全ての商品に関する商品ページを確認し、それぞれ不適正な商品情報が表示されているかどうか確認することは困難である。本開示によれば、
図7に示すように、通常販売用商品情報に関する商品ページと、割引販売用商品情報に関する商品ページと、が比較しやすいように並べて表示されることにより、管理者は不正な販売行為を容易に把握することができる。
【符号の説明】
【0074】
100 電子商取引システム、101 管理サーバ、102 店舗PC、103 顧客PC、200 出品情報チェックシステム、202 商品情報記憶部、204 商品ページ生成部、206 ユーザ通信部、208 通常販売用商品情報取得部、210 割引販売用商品情報取得部、211 出品者情報記憶部、212 特徴量算出部、214 通常販売用特徴量記憶部、216 画像類似度算出部、218 フィルタ、220 文章類似度算出部、222 スコア算出部、224 出力部。
【手続補正書】
【提出日】2024-04-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品の画像を表す画像情報と、該商品の名称を含む文章情報と、を含む複数の商品情報のうち、割引を伴わない通常販売用商品情報を複数取得する通常販売用商品情報取得部と、
複数の前記商品情報のうち、割引を伴う1の割引販売用商品情報を取得する割引販売用商品情報取得部と、
前記1の割引販売用商品情報に含まれる前記画像情報と複数の前記通常販売用商品情報に含まれる前記画像情報の類似度である画像類似度をそれぞれ算出し、前記通常販売用商品情報取得部が取得した複数の前記通常販売用商品情報の中から、前記1の割引販売用商品情報に含まれる前記画像情報と類似する前記画像情報を含む1または複数の前記通常販売用商品情報を抽出する画像類似度算出部と、
前記画像類似度算出部に抽出された1または複数の前記通常販売用商品情報に含まれる前記文章情報と、前記1の割引販売用商品情報に含まれる前記文章情報と、の文章類似度をそれぞれ算出する文章類似度算出部と、
前記画像類似度算出部に抽出された1または複数の前記通常販売用商品情報の中に、前記画像類似度と、前記文章類似度と、に基づいて、所与の条件を満たすと判定される前記通常販売用商品情報が存在する場合に、前記1の割引販売用商品情報に関する情報を少なくとも出力する出力部と、
前記画像類似度が高いほど大きく、かつ、前記文章類似度が高いほど大きい値で表されるスコアを算出するスコア算出部と、
を含み、
前記出力部は、前記スコアが所定の値より大きい場合に、前記所与の条件を満たすと判定する、出品情報チェックシステム。
【請求項2】
前記商品情報は、商品の出品者を表す出品者情報と関連付けられ、
前記割引販売用商品情報取得部は、所与の前記出品者情報と関連付けられた前記1の割引販売用商品情報を取得し、
前記通常販売用商品情報取得部は、前記所与の出品者情報に基づいて、前記通常販売用商品情報を複数取得する、
請求項1に記載の出品情報チェックシステム。
【請求項3】
前記画像類似度算出部は、前記1の割引販売用商品情報に含まれる前記画像情報の特徴ベクトルと、前記通常販売用商品情報に含まれる前記画像情報の特徴ベクトルと、で表される距離が所定の閾値よりも小さい場合に、前記1の割引販売用商品情報に含まれる前記画像情報と前記通常販売用商品情報に含まれる前記画像情報が類似すると判定する、請求項1または2に記載の出品情報チェックシステム。
【請求項4】
前記商品情報は、さらに前記商品の価格情報を含み、
前記画像類似度算出部は、前記1の割引販売用商品情報に含まれる価格情報と同一または差が所定の額以下である価格情報を含む前記通常販売用商品情報のみを抽出する、
請求項2に記載の出品情報チェックシステム。
【請求項5】
前記通常販売用商品情報取得部は、
複数の前記商品情報を記憶する商品情報記憶部と、該商品情報記憶部に記憶された前記商品情報に基づいて、該商品情報と関連付けられた前記出品者情報と、該商品情報に含まれる前記画像情報、前記文章情報及び前記価格情報と、を含む商品ページを生成する商品ページ生成部と、を含む電子商取引システムにアクセスし、
前記商品情報記憶部から前記通常販売用商品情報を複数取得する、
請求項4に記載の出品情報チェックシステム。
【請求項6】
前記出力部は、さらに、
前記1の割引販売用商品情報に関する前記商品ページに対する割引販売用リクエストと、前記所与の条件を満たすと判定された前記通常販売用商品情報に関する前記商品ページに対する通常販売用リクエストと、を前記商品ページ生成部に送信し、
前記割引販売用リクエストに基づいて生成された前記商品ページと、前記通常販売用リクエストに基づいて生成された前記商品ページと、を取得し、
取得した2以上の前記商品ページを統合した画像で表される情報を出力する、
請求項5に記載の出品情報チェックシステム。
【請求項7】
前記割引販売用商品情報取得部は、割引を伴う複数の割引販売用商品情報を取得し、
前記出力部は、前記割引販売用商品情報ごとに、前記複数の割引販売用商品情報に関する情報と、前記所与の条件を満たすと判定された前記通常販売用商品情報と、の組み合わせを出力する、
請求項1または2に記載の出品情報チェックシステム。
【請求項8】
前記文章情報は、さらに商品の量を表す情報を含む、請求項1または2に記載の出品情報チェックシステム。
【請求項9】
商品の画像を表す画像情報と、該商品の名称を含む文章情報と、を含む複数の商品情報のうち、割引を伴わない通常販売用商品情報を複数取得する通常販売用商品情報取得手段と、
複数の前記商品情報のうち、割引を伴う1の割引販売用商品情報を取得する割引販売用商品情報取得手段と、
前記1の割引販売用商品情報に含まれる前記画像情報と複数の前記通常販売用商品情報に含まれる前記画像情報の類似度である画像類似度をそれぞれ算出し、前記通常販売用商品情報取得手段が取得した複数の前記通常販売用商品情報の中から、前記1の割引販売用商品情報に含まれる前記画像情報と類似する前記画像情報を含む1または複数の前記通常販売用商品情報を抽出する画像類似度算出手段と、
前記画像類似度算出手段に抽出された1または複数の前記通常販売用商品情報に含まれる前記文章情報と、前記1の割引販売用商品情報に含まれる前記文章情報と、の文章類似度をそれぞれ算出する文章類似度算出手段と、
前記画像類似度算出手段に抽出された1または複数の前記通常販売用商品情報の中に、前記画像類似度と、前記文章類似度と、に基づいて、所与の条件を満たすと判定される前記通常販売用商品情報が存在する場合に、前記1の割引販売用商品情報に関する情報を少なくとも出力する出力手段と、
前記画像類似度が高いほど大きく、かつ、前記文章類似度が高いほど大きい値で表されるスコアを算出するスコア算出手段、
としてコンピュータを機能させる出品情報チェックプログラムであって、
前記出力手段は、前記スコアが所定の値より大きい場合に、前記所与の条件を満たすと判定する、出品情報チェックプログラム。