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特開2024-58979情報処理方法、情報処理装置及びコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024058979
(43)【公開日】2024-04-30
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理装置及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/20 20230101AFI20240422BHJP
   G06Q 50/04 20120101ALI20240422BHJP
   B29C 48/92 20190101ALI20240422BHJP
   B29C 45/76 20060101ALI20240422BHJP
【FI】
G06Q10/20
G06Q50/04
B29C48/92
B29C45/76
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022166436
(22)【出願日】2022-10-17
(71)【出願人】
【識別番号】000004215
【氏名又は名称】株式会社日本製鋼所
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 潤
(72)【発明者】
【氏名】沖本 翼
(72)【発明者】
【氏名】風呂川 幹央
【テーマコード(参考)】
4F206
4F207
5L010
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
4F206AM22
4F206AM23
4F206JA07
4F206JL02
4F206JL09
4F206JP13
4F206JP14
4F206JP15
4F207AM20
4F207AM22
4F207AM23
4F207KA01
5L010AA01
5L049AA01
5L049CC03
5L050CC03
(57)【要約】
【課題】成形機を構成する部材の破損により成形機が稼働不能となる前に、当該部材の残存寿命又は異常度を推定し、事前に部材の予備品を確保することができる情報処理方法を提供する。
【解決手段】成形機を構成する部材が破損する前に部材の予備品を予め確保する保守管理サービスの利用の有無を示す利用登録情報を、成形機のユーザの識別子に対応付けて記憶部に記憶し、成形機を構成する部材の状態に関連する物理量データを取得し、取得した物理量データに基づいて、部材の残存寿命又は異常度を推定し、推定された部材の残存寿命又は異常度に基づいて、遅くとも部材に応じた所定期間前に、部材の予備品確保の要否を判定し、部材の予備品確保を要すると判定された場合、記憶部が記憶する利用登録情報に応じて、交換を要する部材の予備品確保に係る処理を実行する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
成形機を構成する部材が破損する前に該部材の予備品を予め確保する保守管理サービスの利用の有無を示す利用登録情報を、前記成形機のユーザの識別子に対応付けて記憶部に記憶し、
前記成形機を構成する前記部材の状態に関連する物理量データを取得し、
取得した前記物理量データに基づいて、前記部材の残存寿命又は異常度を推定し、
推定された前記部材の残存寿命又は異常度に基づいて、遅くとも前記部材の予備品確保に必要な所定期間前に、前記部材の予備品確保の要否を判定し、
前記部材の予備品確保を要すると判定された場合、前記記憶部が記憶する前記利用登録情報に応じて、交換を要する前記部材の予備品確保に係る処理を実行する
情報処理方法。
【請求項2】
複数のユーザと、前記複数のユーザが使用する異なる複数の前記成形機を構成する前記部材それぞれの仕様情報とを対応付けて記憶するデータベースから、交換を要する前記部材の仕様情報を読み出し、
読み出した仕様情報に基づいて、交換を要する前記部材の予備品確保に係る処理を実行する
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
メンテナンスの実施をユーザに通知し、
ユーザから前記成形機のメンテナンス実施結果を示す報告書データを取得し、
取得した前記報告書データを前記記憶部に記憶する
請求項1又は請求項2に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記記憶部が前記報告書データを記憶している場合、交換を要する前記部材の予備品確保に係る処理を実行する
請求項3に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記報告書データは、前記成形機又は前記部材を撮像して得られる画像データを含み、
前記物理量データ及び前記報告書データに含まれる前記画像データに基づいて、前記部材の残存寿命又は異常度を推定する
請求項3に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記部材の代替品がユーザに提供されたことを示す情報を前記記憶部に記憶する
請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項7】
成形機を構成する部材の状態に関連する物理量データを取得する取得部と、
前記成形機を構成する前記部材が破損する前に該部材の予備品を予め確保する保守管理サービスの利用の有無を示す利用登録情報を、前記成形機のユーザの識別子に対応付けて記憶する記憶部と、
処理部と
を備え、
前記処理部は、
取得した前記物理量データに基づいて、前記部材の残存寿命又は異常度を推定し、
推定された前記部材の残存寿命又は異常度に基づいて、遅くとも前記部材の予備品確保に必要な所定期間前に、前記部材の予備品確保の要否を判定し、
前記部材の予備品確保を要すると判定された場合、前記記憶部が記憶する前記利用登録情報に応じて、交換を要する前記部材の予備品確保に係る処理を実行する
情報処理装置。
【請求項8】
成形機を構成する部材が破損する前に該部材の予備品を予め確保する保守管理サービスの利用の有無を示す利用登録情報を、前記成形機のユーザの識別子に対応付けて記憶部に記憶し、
前記成形機を構成する前記部材の状態に関連する物理量データを取得し、
取得した前記物理量データに基づいて、前記部材の残存寿命又は異常度を推定し、
推定された前記部材の残存寿命又は異常度に基づいて、遅くとも前記部材の予備品確保に必要な所定期間前に、前記部材の予備品確保の要否を判定し、
前記部材の予備品確保を要すると判定された場合、前記記憶部が記憶する前記利用登録情報に応じて、交換を要する前記部材の予備品確保に係る処理を実行する
処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法、情報処理装置及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、射出成形機等における回転部材の残存寿命を予測する寿命予測装置が開示されている。特許文献1の寿命予測装置は、駆動モータによって回転する回転部材の回転数を積算し、積算された回転数と回転部材を回転させるのに要したトルクから回転部材の疲れ寿命を演算する。
【0003】
特許文献2には、射出成形機に設けられたボールねじの振動を検出する振動センサを備え、振動センサにて検出された振動強度を解析することによってボールねじの異常を検知する異常検知装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6-91683号公報
【特許文献2】特開2021-74917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
射出成形機、押出機等の成形機を構成する部材の中には、代品の確保に相当の時間を要するものがある。部材の残存寿命を予測できたとしても、部材交換に必要な作業を進めないと、部材が破損する前に新しい部材を準備することができず、成形機が稼働不能になるおそれがある。
【0006】
本開示の目的は、成形機を構成する部材の破損により成形機が稼働不能となる前に、当該部材の残存寿命又は異常度を推定し、事前に部材の予備品を確保することができる情報処理方法、情報処理装置及びコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一側面に係る情報処理方法は、成形機を構成する部材が破損する前に該部材の予備品を予め確保する保守管理サービスの利用の有無を示す利用登録情報を、前記成形機のユーザの識別子に対応付けて記憶部に記憶し、前記成形機を構成する前記部材の状態に関連する物理量データを取得し、取得した前記物理量データに基づいて、前記部材の残存寿命又は異常度を推定し、推定された前記部材の残存寿命又は異常度に基づいて、遅くとも前記部材の予備品確保に必要な所定期間前に、前記部材の予備品確保の要否を判定し、前記部材の予備品確保を要すると判定された場合、前記記憶部が記憶する前記利用登録情報に応じて、交換を要する前記部材の予備品確保に係る処理を実行する。
【0008】
本開示の一側面に係る情報処理装置は、成形機を構成する部材の状態に関連する物理量データを取得する取得部と、前記成形機を構成する前記部材が破損する前に該部材の予備品を予め確保する保守管理サービスの利用の有無を示す利用登録情報を、前記成形機のユーザの識別子に対応付けて記憶する記憶部と、処理部とを備え、前記処理部は、取得した前記物理量データに基づいて、前記部材の残存寿命又は異常度を推定し、推定された前記部材の残存寿命又は異常度に基づいて、遅くとも前記部材の予備品確保に必要な所定期間前に、前記部材の予備品確保の要否を判定し、前記部材の予備品確保を要すると判定された場合、前記記憶部が記憶する前記利用登録情報に応じて、交換を要する前記部材の予備品確保に係る処理を実行する。
【0009】
本開示の一側面に係るコンピュータプログラムは、成形機を構成する部材が破損する前に該部材の予備品を予め確保する保守管理サービスの利用の有無を示す利用登録情報を、前記成形機のユーザの識別子に対応付けて記憶部に記憶し、前記成形機を構成する前記部材の状態に関連する物理量データを取得し、取得した前記物理量データに基づいて、前記部材の残存寿命又は異常度を推定し、推定された前記部材の残存寿命又は異常度に基づいて、遅くとも前記部材の予備品確保に必要な所定期間前に、前記部材の予備品確保の要否を判定し、前記部材の予備品確保を要すると判定された場合、前記記憶部が記憶する前記利用登録情報に応じて、交換を要する前記部材の予備品確保に係る処理を実行する処理を実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、成形機を構成する部材の破損により成形機が稼働不能となる前に、当該部材の残存寿命又は異常度を推定し、事前に部材の予備品を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本実施形態1に係る成形機システムの構成例を示すブロック図である。
図2】本実施形態1に係る成形機の構成例を示す模式図である。
図3】本実施形態1に係るデータ収集装置の構成例を示すブロック図である。
図4】実施形態1に係る情報処理装置の構成例を示すブロック図である。
図5】収集データDBのレコードレイアウトの一例を示す概念図である。
図6】ユーザDBのレコードレイアウトの一例を示す概念図である。
図7】ユーザ機器DBのレコードレイアウトの一例を示す概念図である。
図8】報告書DBのレコードレイアウトの一例を示す概念図である。
図9】部材の残存寿命又は異常度の予測を行う推定処理部を示すブロック図である。
図10】情報処理装置の処理手順を示すフローチャートである。
図11】情報処理装置の処理手順を示すフローチャートである。
図12】情報処理装置の処理手順を示すフローチャートである。
図13】本実施形態1に係る保守管理の費用対効果を示すグラフである。
図14】実施形態2に係る推定処理部を示すブロック図である。
図15】実施形態3に係るユーザ機器DBのレコードレイアウトの一例を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の実施形態に係る情報処理方法、情報処理装置及びコンピュータプログラムを、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、以下に記載する実施形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0013】
(実施形態1)
図1は本実施形態1に係る成形機システムの構成例を示すブロック図である。成形機システムは、成形機1と、複数のセンサ2と、データ収集装置3と、ルータ4と、情報処理装置5と、端末装置6a,6b,6cとを備える。成形機1には、射出成形機及び押出機が含まれる。以下、成形機1は、一例として押出機であるものとして説明する。
【0014】
図1には1台の成形機1及びデータ収集装置3が図示されているが、情報処理装置5には、図示しない複数のデータ収集装置3がネットワークを介して接続されている。データ収集装置3には一又は複数の成形機1が接続されている。情報処理装置5は、複数の成形機1それぞれの情報を収集し、各成形機1を構成する一又は複数の部材の残存寿命又は異常度を推定することができる。複数の成形機1及びデータ収集装置3は、成形機1を保有する複数のユーザそれぞれの工場に設置されているものとする。ユーザは、成形機1を保有する法人等の組織の社員又は従業員である。以下、当該社員又は従業員を単にユーザと呼ぶ。
【0015】
端末装置6a,6b,6cは、コンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等の表示部を有する通信端末である。端末装置6aは、ユーザが使用する端末である。端末装置6bは、当該ユーザの成形機1に関わる営業担当者、保守管理担当者等のサービス提供担当者が使用する端末である。端末装置6cは、成形機1を構成する部材を製造する工場の担当者が使用する端末である。
以下、当該サービス提供担当者を単に営業担当者と呼ぶ。また、ユーザに対して、成形機1を構成する部材の保守管理サービスを提供し、部材の製造販売を行う営業担当者側の業者を保守管理業者と呼ぶ。
【0016】
<背景事情>
本実施形態1に係る成形機システムは、成形機1の部材の保守管理を最適化するものである。成形機1を構成する部材には、量産される汎用品と、ユーザ及び成形機1毎に異なる特注品とが含まれる。特注品の中には、発注から製造までに時間を要する部材と、そうで無い部材とがある。本実施形態1は、特徴品であって、製造に時間を要する部材の保守管理に特に効果的である。例えば、押出機の減速機14がその一例である。減速機14は、ユーザ及び成形機1によって仕様が異なり、減速機14の製造には数ヶ月の時間を要することがあり、減速機14の破損による成形機1の稼働停止は大きなリスクである。
【0017】
このため、ユーザは、通常、例えば数年間隔の一定周期で減速機14をオーバーホールする等の保守管理を行っている。数年間隔のオーバーホールは、稼働停止リスクを最小限にするものであるが、成形機1の運転状況、使用環境によっては、必ずしも最適なオーバーホール周期では無い。かといって、オーバーホール周期を長く設定した結果、減速機14が破損すると、成形機1の稼働停止により大きな損害が発生する。
保守管理業者が、減速機14の予備品を準備しておくことも考えられるが、ユーザ毎に異なる特徴品を予め準備しておくことは、保守管理業者のリスクである。予備品を準備してから実際に部材が交換されるまでの期間が長いと、部材の保管、状態管理のコストが嵩む。また、部材が交換されることなく、成形機1が使用されなくなった場合、又は他業者の製品が採用された場合、予備品を破棄することになる。
【0018】
本実施形態1に係る成形機システムは、成形機1の部材の残存寿命又は異常度を推定してユーザ及び営業担当者に提示することにより、部材交換時期の予測を容易にするものである。また、成形機システムは、減速機14等の部材の破損前に、保守管理業者が最適なタイミングで予備品(新しい部材)の確保を開始することを可能にするものである。
【0019】
本実施形態1に係る成形機システムを利用する場合、保守管理業者は、成形機1の部材が破損する前に特注品の製造を開始することになるため、一定のリスクを負うことになる。そこで、本実施形態1では、次のようなサービス形態を想定する。
保守管理業者は、成形機1を構成する部材の残存寿命又は異常度を推定し、成形機1及び当該部材の状態をユーザに通知するサービスを提供する。また、保守管理業者は、成形機1を構成する部材の交換時期を予測して、事前に予備品を製造し、部材の破損前又は破損時に直ちに、当該部材の予備品を提供する。これらのサービスによって、ユーザは、最適な時期に成形機1の部品を交換することができると共に、成形機1の稼働停止リスクを回避することができる。
【0020】
上記サービスに対して、ユーザは、定期的、例えば毎月一定額の保証費用を保守管理業者に支払う。ユーザは、部材を交換する際、交換費用を保守管理業者に支払う。交換費用は、成形機1の運転状況、使用環境、部材の故障頻度等により変動する。保守管理業者が負うリスクが、これら種々の要因によって変化するためである。
【0021】
<成形機1>
図2は本実施形態1に係る成形機1の構成例を示す模式図である。成形機1は、樹脂原料が投入されるホッパ10aを有するシリンダ10と、2本のスクリュ11と、シリンダ10の出口部分に設けられたダイス12(図1参照)とを備える。2本のスクリュ11は、相互に噛み合わされた状態で略平行に配され、シリンダ10の孔内に回転可能に挿入されており、ホッパ10aに投入された樹脂原料を押出方向(図1及び図2中右方向)へ搬送し、溶融及び混練する。溶融した樹脂原料は、貫通孔を有するダイス12から排出される。
スクリュ11は、複数種類のスクリュピースを組み合わせ、一体化することによって一本のスクリュ11として構成されている。例えば、樹脂原料を順方向へ輸送するフライトスクリュ形状の順フライトピース、樹脂原料を逆方向へ輸送する逆フライトピース、樹脂原料を混練するニーディングピース等を、樹脂原料の特性に応じた順序及び位置に配して組み合わせることにより、スクリュ11が構成される。
【0022】
また、成形機1は、スクリュ11を回転させるための駆動力を出力するモータ13と、モータ13の駆動力を減速伝達する減速機14と、制御装置15とを備える。スクリュ11は減速機14の出力軸に接続されている。スクリュ11は、減速機14によって減速伝達されたモータ13の駆動力によって回転する。
【0023】
<センサ2>
センサ2は、成形機1を構成する部材の状態に関連する物理量を検出し、検出して得た物理量データを直接又は間接的にデータ収集装置3へ出力する。物理量データは、検出された物理量を示す時系列のセンサ値のデータである。センサ2には、成形機1の運転制御に必要なものとして当該成形機1に設けられているものと、部材の寿命を推定するために設けられたものとが含まれる。複数のセンサ2の一部は、データ収集装置3に接続されており、データ収集装置3は当該センサ2から物理量データを取得する。複数のセンサ2の一部は、制御装置15に接続されており、データ収集装置3は制御装置15を介して当該センサ2から物理量データを取得する。
【0024】
物理量には、温度、位置、速度、加速度、電流、電圧、圧力、時間、画像データ、トルク、力、歪、消費電力、重さ等がある。これらの物理量は、温度計、位置センサ、速度センサ、加速度センサ、電流計、電圧計、圧力計、タイマ、カメラ、トルクセンサ、電力計、重量計等を用いて測定することができる。
【0025】
複数のセンサ2は、例えば、減速機14に係る物理量を検出する第1センサ21と、スクリュ11に係る物理量を検出する第2センサ22と、モータ13に係る物理量を検出する第3センサ23と、ダイス12に係る物理量を検出する第4センサ24とを含む。
第1センサ21は、例えば減速機14の振動を検出する振動検出器等である。第2センサ22は、スクリュ11の軸トルクを検出するトルク検出器、スクリュ11の回転数を検出する回転計、スクリュ先端圧力を検出する圧力計、スクリュ11の温度を検出温度計、スクリュ11の回転中心の変位を検出する変位センサ等である。第3センサ23は、モータ電流を検出する電流計、モータ回転数を検出する回転計等である。第4センサ24は、ダイス12に働くダイヘッド圧力を検出する圧力計である。
【0026】
<制御装置15>
制御装置15は、成形機1の運転制御を行うコンピュータであり、データ収集装置3との間で情報を送受信する図示しない送受信部、及び表示部を備える。
具体的には、制御装置15は、成形機1の運転状態を示す運転データをデータ収集装置3へ送信する。運転データは、例えば、モータ電流、スクリュ11の回転数、スクリュ11の先端圧力、ダイヘッド圧力、フィーダ供給量(樹脂原料の供給量)、押出量、シリンダ温度、樹脂圧等である。
制御装置15は、データ収集装置3から送信される各種グラフデータ、成形機1を構成する部材の残存寿命又は異常度を示す推定結果データを受信する。制御装置15は、受信したグラフデータ及び推定結果データの内容を表示する。また、制御装置15は、受信した推定結果データが示す残存寿命又は異常度に応じて警告を出力する。
【0027】
<データ収集装置3>
図3は本実施形態1に係るデータ収集装置3の構成例を示すブロック図である。データ収集装置3は、コンピュータであり、制御部31、記憶部32、通信部33及びデータ入力部34を備え、記憶部32、通信部33及びデータ入力部34は制御部31に接続されている。データ収集装置3は、例えばPLC(Programmable Logic Controller)である。
【0028】
制御部31は、CPU(Central Processing Unit)、マルチコアCPU、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の演算処理回路、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等の内部記憶装置、I/O端子等を有する。制御部31は、後述の記憶部32が記憶する制御プログラムを実行することにより、物理量データを収集し、情報処理装置5へ送信する処理を実行する。なお、データ収集装置3の各機能部は、ソフトウェア的に実現してもよいし、一部又は全部をハードウェア的に実現してもよい。
【0029】
記憶部32は、ハードディスク、EEPROM(Electrically Erasable Programmable
ROM)、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリである。記憶部32は、物理量データの収集処理をコンピュータに実施させるための制御プログラムを記憶している。
【0030】
通信部33は、イーサネット(登録商標)等の所定の通信プロトコルに従って情報を送受信する通信回路である。通信部33は、LAN等の第1通信ネットワークを介して制御装置15に接続されており、制御部31は通信部33を介して制御装置15との間で各種情報を送受信することができる。制御部31は、通信部33を介して物理量データを取得する。
第1ネットワークにはルータ4が接続されており、通信部33はルータ4を介して第2通信ネットワークであるクラウド上の情報処理装置5に接続されている。制御部31は、通信部33及びルータ4を介して情報処理装置5との間で各種情報を送受信することができる。
【0031】
データ入力部34は、センサ2から出力された信号が入力する入力インタフェースである。データ入力部34にはセンサ2が接続されており、制御部31は、データ入力部34を介して物理量データを取得する。
【0032】
<情報処理装置5>
図4は実施形態1に係る情報処理装置5の構成例を示すブロック図である。情報処理装置5は、コンピュータであり、処理部51、記憶部52、通信部53を備える。記憶部52、通信部53は、処理部51に接続されている。
【0033】
処理部51は、プロセッサであり、CPU、マルチコアCPU、GPU(Graphics Processing Unit)、GPGPU(General-purpose computing on graphics processing units)、TPU(Tensor Processing Unit)、ASIC、FPGA、NPU(Neural Processing Unit)等の演算処理回路、ROM、RAM等の内部記憶装置、I/O端子等を有する。処理部51は、後述の記憶部52が記憶するコンピュータプログラムPを実行することにより、本実施形態1に係る情報処理装置5として機能する。
【0034】
実施形態1に係る情報処理装置5は、成形機1の状態に関する情報をユーザ及び営業担当者に提供する機器状態提供ウェブサーバとして機能する。また、情報処理装置5は、成形機1を構成する部材に関する情報をユーザ及び営業担当者に提供する部材情報提供ウェブサーバとして機能する。部材情報提供ウェブサーバは、部材の発注を受け付ける等の処理を実行する。なお、情報処理装置5の各機能部は、ソフトウェア的に実現してもよいし、一部又は全部をハードウェア的に実現してもよい。
【0035】
通信部53は、イーサネット(登録商標)等の所定の通信プロトコルに従って情報を送受信する通信回路である。通信部53は、第2通信ネットワークを介してデータ収集装置3、及び端末装置6a,6b,6cに接続されており、処理部51は通信部53を介してデータ収集装置3、及び端末装置6a,6b,6cとの間で各種情報を送受信することができる。
【0036】
記憶部52は、ハードディスク、EEPROM、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリである。記憶部52は、成形機1を構成する部材の寿命を推定する処理をコンピュータに実施させるためのコンピュータプログラムPと、予測学習モデル54と、収集データDB(データベース)52a、ユーザDB(データベース)52b、ユーザ機器DB(データベース)52c、報告書DB(データベース)52dとを記憶している。
【0037】
コンピュータプログラムP等は、記録媒体50にコンピュータ読み取り可能に記録されている態様でもよい。記憶部52は、図示しない読出装置によって記録媒体50から読み出されたコンピュータプログラムP等を記憶する。記録媒体50はフラッシュメモリ等の半導体メモリである。また、記録媒体50はCD(Compact Disc)-ROM、DVD(Digital Versatile Disc)-ROM、BD(Blu-ray(登録商標)Disc)等の光ディスクでもよい。更に、記録媒体50は、フレキシブルディスク、ハードディスク等の磁気ディスク、磁気光ディスク等であってもよい。更にまた、図示しない通信網に接続されている図示しない外部サーバからコンピュータプログラムP等をダウンロードし、記憶部52に記憶させてもよい。
【0038】
予測学習モデル54は、物理量データから生成される画像データが入力された場合、成形機1を構成する部材の残存寿命又は異常度を示すデータを出力する画像認識学習モデルである。予測学習モデル54は、例えばCNN(Convolutional Neural Network)を有する。処理部51は、既成の学習済みモデルの転移学習又はファインチューニングを行うことによって、特定の成形機1及び部材の残存寿命又は異常度の推定に特化した学習モデルを生成することができる。
【0039】
図5は、収集データDB52aのレコードレイアウトの一例を示す概念図である。収集データDB52aは、ハードディスク、DBMS(DataBase Management System)を備え、成形機1から収集した各種物理量データを記憶する。例えば、収集データDB52aは、「No.」(レコード番号)列、「機器ID」列、「運転日時」列、「運転データ」列、「振動データ」列、「軸トルクデータ」列を有する。
【0040】
「機器ID」列は、成形機1の機器識別子を格納する。「運転日時」列は、レコードとして記憶される各種データが得られた年、月、日時等を示す情報を格納する。「運転データ」列は、成形機1の運転状態を示す時系列の物理量、例えばモータ電流、スクリュ11の回転数、スクリュ11の先端圧力、ダイヘッド圧力、フィーダ供給量(樹脂原料の供給量)、押出量、シリンダ温度、樹脂圧等を格納する。「振動データ」列は、時系列の物理量データである振動データを格納する。「軸トルクデータ」列は、時系列の物理量データであるスクリュ11のトルクデータを格納する。
【0041】
図6は、ユーザDB52bのレコードレイアウトの一例を示す概念図である。ユーザDB52bは、ハードディスク、DBMSを備え、ユーザの基本的な情報等を記憶する。例えば、ユーザDB52bは、「ユーザID」列、「ユーザ基本情報」列、「サービス利用登録」列、「利用登録日」列、「部材購入履歴」列を有する。
【0042】
「ユーザID」列は、成形機1のユーザの識別子を格納する。「ユーザ基本情報」列は、ユーザの基本情報、例えば、ユーザである企業の従業員数や保全計画などの企業情報を利用するか否かを示す情報を格納する。「サービス利用登録」列は、本実施形態1に係る保守管理サービスの利用の有無を示す情報を利用登録情報を格納する。
「利用登録日」列は、本実施形態1に保守管理サービスの利用登録日を格納する。「部材購入履歴」列は、ユーザによる部材の購入履歴を格納する。購入履歴は、例えば、購入した部材の種類、購入日、購入個数等を記憶する。
【0043】
図7は、ユーザ機器DB52cのレコードレイアウトの一例を示す概念図である。ユーザ機器DB52cは、ハードディスク、DBMSを備え、ユーザが使用する成形機1を構成する部材の情報を記憶する。例えば、ユーザ機器DB52cは、「ユーザID」列、「機器ID」列、「部材ID」列、「部材の仕様情報」列、「残存寿命又は異常度」列を有する。
【0044】
「ユーザID」列は、成形機1のユーザの識別子を格納する。「機器ID」列は、成形機1の機器識別子を格納する。「部材ID」列は成形機1を構成する部材であって、残存寿命又は異常度の予測対象である部材の部材識別子を格納する。
【0045】
「部材の仕様情報」列は、部材IDに対応する部材の製品仕様を示す仕様情報を記憶する。例えば、押出機を構成するスクリュ11、減速機14の仕様情報を記憶する。成形機1を構成する部材は、必ずしも量産品では無く、ユーザ毎に製造される特別仕様のものである。仕様情報は、部材を製造する等して予備品を確保するために必要な情報を含む。
【0046】
「残存寿命又は異常度」列は、部材IDに対応する部材の残存寿命又は異常度を格納する。残存寿命又は異常度は、予測学習モデル54によって予測されたものである。
【0047】
図8は、報告書DB52dのレコードレイアウトの一例を示す概念図である。報告書DB52dは、ハードディスク、DBMSを備え、ユーザが使用する成形機1を構成する部材の情報を記憶する。例えば、報告書DB52dは、「報告書ID」列、「機器ID」列、「部材ID」列、「報告日時」列、「報告書データ」列等を有する。
【0048】
「報告書ID」列は、ユーザから提出されたメンテナンス実施結果の報告書データを識別する識別子を格納する。「機器ID」列及び「部材ID」列は、報告書の対象である成形機1及び部材を識別する機器識別子及び部材識別子を格納する。
【0049】
「報告日時」列は、ユーザから提出された報告書データを受信した年月日を格納する。「報告書データ」列はユーザから提出された報告書データを格納する。報告書データは、成形機1又は部材のメンテナンスを行ったメンテナンス結果に関するデータを含む。報告書データには、成形機1又は部材を撮像して得た画像データが含まれる。
【0050】
図9は、部材の残存寿命又は異常度の予測を行う推定処理部Mを示すブロック図である。推定処理部Mは、予測学習モデル54と、周波数解析部55と、画像生成部56とを備える。推定処理部Mの各機能部は、処理部51の処理によってソフトウェア的に実現してもよいし、一部又は全部をハードウェア的に実現してもよい。
【0051】
周波数解析部55は、時系列の物理量データを周波数成分の物理量データにフーリエ変換する演算処理部である。周波数解析部55は、短時間フーリエ変換(STFT: Short-Time Fourier Transform)にて物理量データのフーリエ変換を行うとよい。画像生成部56は、フーリエ変換された物理量データを画像で表した画像データに変換する演算処理部である。例えば、画像の横軸を周波数、縦軸を周波数成分の大きさとした画像平面に物理量データを表すとよい。以下、物理量データをフーリエ変換することによって得られる画像をフーリエ変換画像と呼ぶ。
なお、周波数解析の方法はSTFTに限定されるものでは無く、ウェーブレット変換(Wavelet Transformation)、ストックウェル変換(Stockwell Transform)、ウィグナー分布(Wigner distribution function)、経験的モード分解(Empirical Mode Decomposition)、ヒルベルト・ファン変換(Hilbert-Huang Transform)等を用いてもよい。
【0052】
予測学習モデル54は、畳み込みニューラルネットワーク(CNN:Convolutional neural network)であり、フーリエ変換画像の画像データが入力される入力層54aと、中間層54bと、部材の残存寿命又は異常度を示す残存寿命データ又は異常度データを出力する出力層54cとを備える。
【0053】
入力層54aは、フーリエ変換画像を構成する各画素の画素値が入力される複数のノードを有する。中間層54bは、入力層54aに入力されたフーリエ変換画像の各画素の画素値を畳み込む畳み込み層と、畳み込み層で畳み込んだ画素値をマッピングするプーリング層とが交互に連結された構成を有する。中間層54bは、フーリエ変換画像の画像情報を圧縮しながら当該フーリエ変換画像の特徴量を抽出し、抽出したフーリエ変換画像、つまり物理量データの特徴量を出力層54cに出力する。
【0054】
出力層54cは、物理量データ測定時点における部材の残存寿命又は異常度を示す残存寿命データ又は異常度データを出力するノードを有する。
予測学習モデル54は、遅くとも成形機1の部材の予備品確保に必要な所定期間以上の残存寿命を示す残存寿命データを出力するように学習されている。また、予測学習モデル54は、少なくとも当該所定期間前に生ずる異常度を出力するように学習されている。
【0055】
予測学習モデル54の生成方法は以下の通りである。まず、調整前の予測学習モデル54を用意する。例えば、一般的な画像データを訓練データとして用いて事前学習された画像認識モデルを用意するとよい。
【0056】
次いで、準備した予測学習モデル54を、既知の訓練データを用いて学習させ、ファインチューニングを行う。例えば、実験機である成形機1に残存寿命又は異常度が既知の部材を搭載して運転させる。実験機の運転により得られた画像データに、既知の残存寿命又は異常度を示すラベルデータを付与することによって、既知の訓練データを作成する。
【0057】
訓練データを作成する際に付与する残存寿命には、成形機1の部材の予備品確保に必要な所定期間以上の残存寿命が含まれる。異常度を出力する予測学習モデル54を生成する場合、訓練データを作成する際に付与する異常度には、少なくとも当該所定期間前に生ずる異常度が含まれる。つまり、成形機1の部材の予備品確保に必要な所定期間以上の残存寿命を有する部材を備えた成形機1を運転させて得られた画像データを用いて、訓練データを作成する。
【0058】
そして、用意した予測学習モデル54を上記既知の訓練データを用いて機械学習させる。より具体的には処理部51は、訓練データを用いた誤差逆伝播法、誤差勾配降下法等によって、予測学習モデル54の重み係数を最適化することにより、予測学習モデル54を機械学習させる。そして、処理部51は、学習済みの予測学習モデル54を情報処理装置5の記憶部52に記憶させる。
【0059】
なお、処理部51は、実際の成形機1の稼働中に得られた画像データに基づく新規の訓練データを作成し、適宜のタイミングで、作成した新規の訓練データを用いて予測学習モデル54を再学習させてもよい。処理部51は、稼働中に成形機1から取得した物理量データに補正ラベルを教師データとして付与することによって、新規の訓練データを作成し、予測学習モデル54を再学習させる。
【0060】
なお、ここでは、情報処理装置5が再学習を行う例を説明したが、他のコンピュータ又はサーバが、予測学習モデル54の再学習を行い、再学習された予測学習モデル54の各種パラメータを情報処理装置5へ送信するように構成してもよい。
【0061】
なお、予測学習モデル54の一例としてCNNを例示したが、多層パーセプトロン(Multilayer perceptron:MLP)、畳み込みニューラルネットワーク(Convolutional Neural Network:CNN)、グラフニューラルネットワーク(Graph Neural Network:GNN)、グラフ畳み込みニューラルネットワーク(Graph Convolutional Network:GCN)、RNN(Recurrent Neural Network)、LSTM(Long Short Term Memory)、その他のニューラルネットワークモデルで構成してもよい。また、決定木、ランダムフォレスト、SVM(Support Vector Machine)などのアルゴリズムを用いて予測学習モデル54を構成してもよい。
【0062】
<部材の予備品確保に係る処理>
図10図11及び図12は、情報処理装置5の処理手順を示すフローチャートである。情報処理装置5の処理部51は、本実施形態1に係る保守管理サービスの登録処理を実行する(ステップS11)。
【0063】
ユーザは、端末装置6aを用いて、本実施形態1に係る保守管理サービスの利用登録を行うことができる。また、ユーザは、営業担当者に保守管理サービスの利用申込みを行い、営業担当者は、端末装置6bを用いて、本実施形態1に係る保守管理サービスの利用登録を行うことができる。端末装置6a,6bは、ユーザ又は営業担当者の操作を受け付け、保守管理サービスの利用を開始するために必要な各種登録情報を送信する。処理部51は、端末装置6a,6bを介して保守管理サービスの登録情報を受信した場合、ユーザ識別子に対応付けて、保守管理サービスを利用することを示す利用登録情報を対応付けてユーザDBに格納する。
【0064】
以下、特定の一のユーザを想定した処理内容を説明する。情報処理装置5の処理部51は、本実施形態1に保守管理サービスの利用登録があるか否かを判定する(ステップS12)。利用登録が無いと判定した場合(ステップS12:NO)、処理部51は、処理を終える。
【0065】
一方、成形機1のデータ収集装置3は、成形機1を構成する複数の部材の状態に関連する物理量データを収集し(ステップS13)、収集した物理量データを、情報処理装置5へ送信する(ステップS14)。なお、成形機1及びデータ収集装置3は複数あり、複数のデータ収集装置3は、複数の成形機1から収集した物理量データを情報処理装置5へ送信する。
【0066】
ステップS12において利用登録があると判定した場合(ステップS12:YES)、処理部51は、データ収集装置3から送信された物理量データを受信する(ステップS15)。処理部51は受信した物理量データを、収集データDB52aに記憶する(ステップS16)。なお、ステップS15の処理を実行する処理部51は、物理量データを取得する取得部として機能する。
【0067】
営業担当者の端末装置6bは、営業担当者による操作に従って、ユーザの成形機1の運転状況に係るデータを情報処理装置5に要求する(ステップS17)。情報処理装置5の処理部51は、端末装置6bからの要求に応じて、振動データ、軸トルクデータ等の物理量、運転データ等を端末装置6bへ送信する(ステップS18)。端末装置6bは、情報処理装置5から送信されたデータを受信し、受信した運転状況に係るデータを表示する。営業担当者は、情報処理装置5が提供するサイトにアクセスして、成形機1及び部材の状態に関連する物理量データ等を閲覧し、成形機1及び部材の状態を確認することができる。
【0068】
次いで、情報処理装置5の処理部51は、成形機1のメンテナンス時期であるか否かを判定する(ステップS19)。メンテナンス時期の設定方法は特に限定されるものでは無い。メンテナンス時期は、例えば成形機1の使用開始日から、所定期間毎に到来するものとして設定する。成形機1の運転状況、成形機1の使用環境及び使用場所、トータル運転時間によって、メンテナンス時期を変動させてもよい。
【0069】
成形機1のメンテナンス時期で無いと判定した場合(ステップS19:NO)、処理部51は、後述のステップS27以降の処理を実行する。メンテナンス時期であると判定した場合(ステップS19:YES)、処理部51は、成形機1のメンテナンスの実施を要求するメンテ要求データを、当該成形機1のユーザの端末装置6aへ送信する(ステップS20)。
【0070】
端末装置6bは、情報処理装置5から送信されたメンテ要求データを受信する(ステップS21)。メンテ要求データを受信した端末装置6bは、成形機1のメンテナンス時期を通知すると共に、メンテナンスの実施を促す情報を表示し、メンテナンス情報の入力を受け付ける(ステップS22)。
【0071】
成形機1のユーザは、成形機1のメンテナンスを実施し、少なくとも成形機1又は部材の一方を撮像する。ユーザは、メンテナンス実施結果と、成形機1又は部材を撮像して得た画像データを、メンテナンス情報として、端末装置6bに入力する。
【0072】
端末装置6bは、入力されたメンテナンス情報が入力された報告書データを情報処理装置5へ送信する(ステップS23)。
【0073】
情報処理装置5は、端末装置6bから送信された報告書データを受信し(ステップS24)、処理部51は、受信した報告書データを報告書DB52dに格納する(ステップS25)。
【0074】
営業担当者の端末装置6bは、営業担当者による操作に従って、ユーザの報告書データを情報処理装置5に要求する(ステップS26)。情報処理装置5の処理部51は、端末装置6bからの要求に応じて、報告書データを報告書DB52dから読み出して端末装置6bへ送信する(ステップS27)。端末装置6bは、情報処理装置5から送信された報告書データを受信し、受信した報告書データを表示する。営業担当者は、報告書を閲覧し、成形機1のメンテナンス状況を確認することができる。
【0075】
次いで、処理部51は、収集データDB52aに蓄積された物理量データに基づいて、成形機1を構成する部材の残存寿命又は異常度を推定する(ステップS28)。具体的には、処理部51は、物理量データを周波数解析して画像データに変換し、物理量データを表した画像データを予測学習モデル54に入力することによって、部材の残存寿命データ又は異常度データを出力させる。なお、処理部51は、複数の成形機1を構成する複数の部材それぞれの残存寿命又は異常度を算出する。1台の成形機1を構成する複数の部材の状態に関連する物理量データが得られている場合、処理部51は、当該複数の部材それぞれの残存寿命又は異常度を算出する。
【0076】
次いで、処理部51は、残存寿命が所定時間N未満であるか否かを判定する(ステップS29)。所定時間Nは、少なくとも当該部材を製造して予備品を確保するために必要な時間よりも長い時間が好ましい。所定時間Nは部材の種類によって異なる。
なお、処理部51は、異常度が、上記所定時間Nに対応する所定値未満であるか否かを判定するように構成してもよい。
【0077】
残存寿命が所定時間N以上であると判定した場合(ステップS29:NO)、処理部51は、処理をステップS15へ戻す。残存寿命が所定時間N未満であると判定した場合(ステップS29:YES)、処理部51は、ある部材の残存寿命が所定時間N未満であることを示す通知データを、当該部材を備えた成形機1のユーザの端末装置6aと、営業担当の端末装置6bへ送信する(ステップS30)。
【0078】
ユーザの端末装置6aは、情報処理装置5から送信された通知データを受信する(ステップS31)。通知データを受信した端末装置6aは、特定の部材の残存寿命が所定時間N未満であることを表示する。ユーザは、通知された部材を交換するために必要な行動を起こすことができる。例えば、ユーザは、情報処理装置5が提供するサイトにアクセスして、部材に関連する情報を閲覧し、部材を交換するために必要な費用の見積データを要求する等の行動を起こすことができる。
【0079】
営業担当者の端末装置6bは、情報処理装置5から送信された通知データを受信する(ステップS32)。通知データを受信した端末装置6bは、特定の部材の残存寿命が所定時間N未満であることを表示する。営業担当者は、通知された部材の保守に必要な行動を起こすことができる。例えば、営業担当者は、情報処理装置5が提供するサイトにアクセスして、部材に関連する情報を閲覧し、部材の交換についてユーザに説明する等の行動を起こすことができる。
【0080】
一方、ユーザの端末装置6aは、ユーザによる操作に従って、部材の残存寿命に係る推定結果を情報処理装置5に要求する(ステップS33)。情報処理装置5は、端末装置6aからの要求に応じて、部材の残存寿命の推定結果を端末装置6aへ送信する(ステップS34)。端末装置6aは、情報処理装置5から送信された推定結果を受信し、受信した推定結果を表示する。ユーザは、部材の残存寿命又は異常度の推定結果を閲覧することができる。
【0081】
同様にして、営業担当者の端末装置6bは、営業担当者による操作に従って、部材の残存寿命に係る推定結果を情報処理装置5に要求する(ステップS35)。情報処理装置5は、端末装置6bからの要求に応じて、部材の残存寿命の推定結果を端末装置6bへ送信する(ステップS34)。端末装置6bは、情報処理装置5から送信された推定結果を受信し、受信した推定結果を表示する。営業担当者は、部材の残存寿命又は異常度の推定結果を閲覧することができる。
【0082】
情報処理装置5の処理部51は、保守管理サービスの利用登録後、規定日数が経過しているか否かを判定する(ステップS36)。保守管理サービスの利用登録日から規定日数経過後、ユーザは部品の予備品を事前に確保するサービスを受けることができる。利用登録直後等、規定日数が経過していない場合、部材の予備品確保に係るサービスを受けることができない。
【0083】
規定日数を経過していると判定した場合(ステップS36:YES)、処理部51は、報告書DB52dを参照し、定期的にメンテナンスが実施されているか否かを判定する(ステップS37)。
【0084】
定期的に成形機1のメンテナンスが実施されていると判定した場合(ステップS37:YES)、処理部51は、収集DBを参照し、異常な操作等の有無を判定する(ステップS38)。
【0085】
異常な操作が無かったと判定した場合(ステップS38:YES)、処理部51は、残存寿命が所定時間N未満の部材の予備品の確保を要求する予備品確保通知データを、工場の端末装置6cへ送信する(ステップS39)。予備品確保通知データを、工場の端末装置6cへ送信する処理は、交換を要する部材の予備品確保に係る処理の一つである。
ステップS36~ステップS38において、規定日数を経過していないと判定した場合(ステップS36:NO)、定期的に成形機1のメンテナンスが実施されていないと判定した場合(ステップS37:NO)、又は異常な操作があったと判定した場合(ステップS38:NO)、処理部51は、部材の予備品確保に係る処理を実行しない。
【0086】
なお、ステップS36~ステップS38は、部材の予備品を予め確保するサービスを受けることができる条件の一例であり、これらの処理の一部を実行し、サービス提供条件の有無を判定してもよい。
【0087】
工場の端末装置6cは、予備品確保通知データを受信する(ステップS40)。予備品確保通知データを受信した端末装置6cは、予備品の確保に係る処理を実行する(ステップS41)。端末装置6cは、部材の在庫がある場合、当該在庫の部材を、通知のあった成形機1の部材を交換するための予備品として確保する。部材の在庫データベースがある場合、端末装置6は、在庫データベースのレコードを変更することによって、在庫の部品を予備品とする。部材の在庫が無い場合、部材の製造を要求する処理を実行する。
【0088】
なお、予備品確保通知データを工場の端末装置6cへ送信する例を説明したが、処理部51は、予備品確保通知データを営業担当者の端末装置6bへ送信するように構成してもよい。営業担当者は、工場に部材の予備品の確保を依頼する。
【0089】
図13は、本実施形態1に係る保守管理の費用対効果を示すグラフである。図13に示すグラフの横軸は、成形機1の使用を開始してからの経過年数を示し、縦軸は成形機1の保全費用及び生産停止による損失の合計金額を示している。以下、この合計金額を保全等費用と呼ぶ。
【0090】
図13中、グラフAは、オーバーホール等の保守を行わない場合の保全等費用を示している。グラフBは、定期的に、オーバーホールを行う場合の保全等費用を示している。グラフCは、本実施形態1に係る保全を実施した場合の保全等費用を示している。
【0091】
オーバーホールを行わない場合、成形機1を構成する部材の破損を避けることはできない。図13の例では、定期的な保全等費用が発生していないが、部材破損により、結局のところ最も大きな損失が発生している。押出機の減速機14のように、製造に時間を要する部材の場合、その間、成形機1が稼働停止となり、大きな損失が発生する。
【0092】
定期的にオーバーホールを行う場合、成形機1の稼働停止による大きな損失は発生しないが、定期的なオーバーホール費用が嵩み、この場合の保全等費用は、本実施形態に係る保全等費用よりも多額になっている。過剰な保守管理により保全等費用が嵩んでいると言える。
【0093】
本実施形態1に係る保守管理方法等によれば、毎月等、継続的に保全費用が発生するが、部品の交換時期を予測して予備品を準備することができるため、オーバーホールによる保守が不要であり、成形機1の稼働停止リスクも避けることができる。
【0094】
以上の通り、本実施形態1に係る情報処理方法等によれば、成形機1を構成する部材の破損により稼働不能となる前に、当該部材の残存寿命又は異常度を推定し、事前に部材の予備品を準備することができる。従って、定期的なオーバーホールによる保守管理に比べ、成形機1の保全等費用を抑えることができる。言い換えると、成形機1の稼働停止による損失、不適切なタイミングで部材の予備品を生産することによるコストを回避しつつ、効率的に成形機1の状態を良好に保つことができる。
【0095】
また、仕様情報を営業担当者及び工場の端末装置6b,6cへ送信することによって、ユーザの成形機1を構成する特注品の部材の製造を速やかに開始させることができる。
【0096】
更に、ユーザによる成形機1のメンテナンスを促し、メンテナンス状況を管理することによって、成形機1をより良好な状態に保ち、稼働停止リスクを抑えることができる。
【0097】
更にまた、適切にメンテナンスを実施している場合に、部材の予備品を確保するように構成することによって、成形機1のメンテナンスをより効果的に促すことができる。
(実施形態2)
実施形態2に係る情報処理装置5は、報告書データに含まれる画像データも利用して、部材の残存寿命又は異常度を算出する点が実施形態1と異なる。情報処理装置5のその他の構成は、実施形態1に係る情報処理装置5と同様であるため、同様の箇所には同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0098】
図14は、実施形態2に係る推定処理部Mを示すブロック図である。推定処理部Mは、実施形態1同様、予測学習モデル54と、周波数解析部55と、画像生成部56とを備える。
【0099】
予測学習モデル54は、畳み込みニューラルネットワークであり、フーリエ変換画像の画像データと、残存寿命予測対象の部材に係る報告書データに含まれる画像データとが入力される入力層54aと、中間層54bと、部材の残存寿命又は異常度を示す残存寿命データ又は異常度データを出力する出力層54cとを備える。以下、報告書データに含まれる画像データを、報告画像データと呼ぶ。
【0100】
入力層54aは、フーリエ変換画像を構成する各画素の画素値と、報告画像データを構成する各画素の画素値とが入力される複数のノードを有する。中間層54bは、入力層54aに入力されたフーリエ変換画像及び報告画像データの画像の各画素の画素値を畳み込む畳み込み層と、畳み込み層で畳み込んだ画素値をマッピングするプーリング層とが交互に連結された構成を有する。中間層54bは、フーリエ変換画像及び報告画像データの画像情報を圧縮しながら当該フーリエ変換画像の特徴量を抽出し、出力層54cに出力する。
【0101】
出力層54cは、物理量データ測定時点における部材の残存寿命又は異常度を示す残存寿命データ又は異常度データを出力するノードを有する。
【0102】
情報処理装置5の処理部51は、ステップS28の処理において、収集データDB52aに蓄積された物理量データと、報告書DB52dに格納された報告書データに含まれる画像データとに基づいて、成形機1を構成する部材の残存寿命又は異常度を推定する。具体的には、処理部51は、物理量データを周波数解析して画像データに変換する。また、処理部51は、報告書DB52dから、残存寿命の予測対象の部材に係る報告書データを読み出し、読み出された報告書データに含まれる画像データを抽出する。処理部51は、物理量データを表した画像データと、報告書データから抽出した画像データとを予測学習モデル54に入力することによって、部材の残存寿命データ又は異常度データを出力させる。
【0103】
以上の通り、本実施形態2に係る情報処理方法等によれば、成形機1を構成する部材の残存寿命及び異常度をより高い精度で推定することができ、より適切なタイミングで部材の予備品を準備することができる。
【0104】
(実施形態3)
実施形態3に係る情報処理装置5は、成形機1を構成する部材の確保に間に合わなかった際に行われる、ユーザへの代替品の提供状況を管理することができる点が実施形態1又は2と異なる。情報処理装置5のその他の構成は、実施形態1又は2に係る情報処理装置5と同様であるため、同様の箇所には同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0105】
図15は、実施形態3に係るユーザ機器DB52cのレコードレイアウトの一例を示す概念図である。実施形態3に係るユーザ機器DB52cは、「ユーザID」列、「機器ID」列、「部材ID」列、「部材の仕様情報」列、「残存寿命又は異常度」列に加え、「代替品提供状況」列を有する。「代替品提供状況」列は、成形機1を構成する部材の確保に間に合わなかった際に行われる、ユーザへの代替品の提供状況を示す情報を格納する。例えば、「代替品提供状況」列には、代替品の仕様に関する情報、代替品提供日、代替品の使用可能期間(代替品の耐用時間)等の情報を格納する。
【0106】
代替品の提供を行った営業担当者は端末装置6bに、成形機1及び部材を特定する情報、代替品の提供状況に関する情報を入力する。成形機1及び部材を特定する情報は、例えば、特定の成形機1及び部材を示す機器識別子及び部材識別子である。
【0107】
端末装置6bは、機器識別子、部材識別子及び代替品の提供状況を示す情報を、情報処理装置5へ送信する。情報処理装置5は、部材識別子及び代替品の提供状況を示す情報を受信し、ユーザ機器DB52cに格納する。
【0108】
情報処理装置5は、営業担当者が操作する端末装置6bから代替品の提供状況に関する情報の要求があった場合、ユーザ機器DB52cから代替品の提供状況に関する情報を読み出して、営業担当者の端末装置6bへ送信する。
また、情報処理装置5は、代替品の使用可能期間が近づいてきた場合、担当営業者の端末装置6bへ、代替品の使用可能期限が近づいている旨を通知するように構成してもよい。
【0109】
以上の通り、本実施形態2に係る情報処理方法等によれば、成形機1を構成する部材の確保に間に合わなかった際に行われる、ユーザへの代替品の提供状況を管理することができる。
【0110】
本開示の課題を解決するための手段を付記する。
(付記1)
成形機を構成する部材が破損する前に該部材の予備品を予め確保する保守管理サービスの利用の有無を示す利用登録情報を、前記成形機のユーザの識別子に対応付けて記憶部に記憶し、
前記成形機を構成する前記部材の状態に関連する物理量データを取得し、
取得した前記物理量データに基づいて、前記部材の残存寿命又は異常度を推定し、
推定された前記部材の残存寿命又は異常度に基づいて、遅くとも前記部材の予備品確保に必要な所定期間前に、前記部材の予備品確保の要否を判定し、
前記部材の予備品確保を要すると判定された場合、前記記憶部が記憶する前記利用登録情報に応じて、交換を要する前記部材の予備品確保に係る処理を実行する
情報処理方法。
(付記2)
複数のユーザと、前記複数のユーザが使用する異なる複数の前記成形機を構成する前記部材それぞれの仕様情報とを対応付けて記憶するデータベースから、交換を要する前記部材の仕様情報を読み出し、
読み出した仕様情報に基づいて、交換を要する前記部材の予備品確保に係る処理を実行する
付記1に記載の情報処理方法。
(付記3)
メンテナンスの実施をユーザに通知し、
ユーザから前記成形機のメンテナンス実施結果を示す報告書データを取得し、
取得した前記報告書データを前記記憶部に記憶する
付記1又は付記2に記載の情報処理方法。
(付記4)
前記記憶部が前記報告書データを記憶している場合、交換を要する前記部材の予備品確保に係る処理を実行する
付記3に記載の情報処理方法。
(付記5)
前記報告書データは、前記成形機又は前記部材を撮像して得られる画像データを含み、
前記物理量データ及び前記報告書データに含まれる前記画像データに基づいて、前記部材の残存寿命又は異常度を推定する
付記3又は付記4に記載の情報処理方法。
(付記6)
前記部材の代替品がユーザに提供されたことを示す情報を前記記憶部に記憶する
付記1から付記5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
(付記7)
成形機を構成する部材の状態に関連する物理量データを取得する取得部と、
前記成形機を構成する前記部材が破損する前に該部材の予備品を予め確保する保守管理サービスの利用の有無を示す利用登録情報を、前記成形機のユーザの識別子に対応付けて記憶する記憶部と、
処理部と
を備え、
前記処理部は、
取得した前記物理量データに基づいて、前記部材の残存寿命又は異常度を推定し、
推定された前記部材の残存寿命又は異常度に基づいて、遅くとも前記部材の予備品確保に必要な所定期間前に、前記部材の予備品確保の要否を判定し、
前記部材の予備品確保を要すると判定された場合、前記記憶部が記憶する前記利用登録情報に応じて、交換を要する前記部材の予備品確保に係る処理を実行する
情報処理装置。
(付記8)
成形機を構成する部材が破損する前に該部材の予備品を予め確保する保守管理サービスの利用の有無を示す利用登録情報を、前記成形機のユーザの識別子に対応付けて記憶部に記憶し、
前記成形機を構成する前記部材の状態に関連する物理量データを取得し、
取得した前記物理量データに基づいて、前記部材の残存寿命又は異常度を推定し、
推定された前記部材の残存寿命又は異常度に基づいて、遅くとも前記部材の予備品確保に必要な所定期間前に、前記部材の予備品確保の要否を判定し、
前記部材の予備品確保を要すると判定された場合、前記記憶部が記憶する前記利用登録情報に応じて、交換を要する前記部材の予備品確保に係る処理を実行する
処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム。
【符号の説明】
【0111】
1 :成形機
2 :センサ
3 :データ収集装置
4 :ルータ
5 :情報処理装置
6a :ユーザの端末装置
6b :営業担当者の端末装置
6c :工場の端末装置
10 :シリンダ
10a :ホッパ
11 :スクリュ
12 :ダイス
13 :モータ
14 :減速機
15 :制御装置
21 :第1センサ
22 :第2センサ
23 :第3センサ
24 :第4センサ
31 :制御部
32 :記憶部
33 :通信部
34 :データ入力部
50 :記録媒体
51 :処理部
52 :記憶部
53 :通信部
54 :予測学習モデル
74a :入力層
74b :中間層
74c :出力層
55 :周波数解析部
56 :画像生成部
52a :収集データ
52b :ユーザDB
52c :ユーザ機器DB
52d :報告書DB
P :コンピュータプログラム
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