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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059000
(43)【公開日】2024-04-30
(54)【発明の名称】乗物用シート
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/70 20060101AFI20240422BHJP
   A47C 7/28 20060101ALI20240422BHJP
【FI】
B60N2/70
A47C7/28 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022166461
(22)【出願日】2022-10-17
(71)【出願人】
【識別番号】000004640
【氏名又は名称】日本発條株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 利春
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087DB09
(57)【要約】
【課題】中支持部材によるクッション材の左右方向における支持バランスを良好にする。
【解決手段】車両用シートでは、シートクッション12のクッションパッドを左Sバネ20、右Sバネ22及び板バネ24が支持している。ここで、板バネ24が左右方向を幅方向にされる板状にされている。このため、板バネ24によるクッションパッド12Aの左右方向における支持バランスを良好にできる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クッション材が設けられるシートクッションと、
前記シートクッションの左側において前後方向に配置されると共に、波形状にされ、前記クッション材を支持する左支持部材と、
前記シートクッションの右側において前後方向に配置されると共に、波形状にされ、前記クッション材を支持する右支持部材と、
前記シートクッションの左右方向中央側において前後方向に配置されると共に、左右方向を幅方向にされる板状にされ、前記クッション材を支持する中支持部材と、
を備える乗物用シート。
【請求項2】
前記中支持部材が左右方向において対称な形状にされる請求項1記載の乗物用シート。
【請求項3】
前記左支持部材、前記右支持部材及び前記中支持部材が左右方向において対称な配置にされる請求項1又は請求項2記載の乗物用シート。
【請求項4】
前記中支持部材に長手方向における曲部が設けられる請求項1又は請求項2記載の乗物用シート。
【請求項5】
前記中支持部材に上側又は下側への突出部が設けられる請求項1又は請求項2記載の乗物用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シートクッションのクッション材を支持部材が支持する乗物用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載の自動車用シートでは、シートクッションのクッションパッドを4本の波形状のSばねが支持しており、4本のSばねは、それぞれ前後方向に配置されると共に、左右方向に略等間隔で配置されている。
【0003】
ここで、この自動車用シートにおいて、仮にクッションパッドの左右方向中央側を1本のSばねが支持する場合には、当該Sばねによるクッションパッドの左右方向における支持バランスが低下する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-1496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事実を考慮し、中支持部材によるクッション材の左右方向における支持バランスを良好にできる乗物用シートを得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1態様の乗物用シートは、クッション材が設けられるシートクッションと、前記シートクッションの左側において前後方向に配置されると共に、波形状にされ、前記クッション材を支持する左支持部材と、前記シートクッションの右側において前後方向に配置されると共に、波形状にされ、前記クッション材を支持する右支持部材と、前記シートクッションの左右方向中央側において前後方向に配置されると共に、左右方向を幅方向にされる板状にされ、前記クッション材を支持する中支持部材と、を備える。
【0007】
本発明の第1態様の乗物用シートでは、シートクッションにクッション材が設けられる。さらに、左支持部材、右支持部材及び中支持部材がそれぞれシートクッションの左側、右側及び左右方向中央側において前後方向に配置されており、左支持部材、右支持部材及び中支持部材がクッション材を支持する。また、左支持部材及び右支持部材が波形状にされる。
【0008】
ここで、中支持部材が左右方向を幅方向にされる板状にされる。このため、中支持部材によるクッション材の左右方向における支持バランスを良好にできる。
【0009】
本発明の第2態様の乗物用シートは、本発明の第1態様の乗物用シートにおいて、前記中支持部材が左右方向において対称な形状にされる。
【0010】
本発明の第2態様の乗物用シートでは、中支持部材が左右方向において対称な形状にされる。このため、中支持部材によるクッション材の左右方向における支持バランスを効果的に良好にできる。
【0011】
本発明の第3態様の乗物用シートは、本発明の第1態様又は第2態様の乗物用シートにおいて、前記左支持部材、前記右支持部材及び前記中支持部材が左右方向において対称な配置にされる。
【0012】
本発明の第3態様の乗物用シートでは、左支持部材、右支持部材及び中支持部材が左右方向において対称な配置にされる。このため、左支持部材、右支持部材及び中支持部材によるクッション材の左右方向における支持バランスを良好にできる。
【0013】
本発明の第4態様の乗物用シートは、本発明の第1態様~第3態様の何れか1つの乗物用シートにおいて、前記中支持部材に長手方向における曲部が設けられる。
【0014】
本発明の第4態様の乗物用シートでは、中支持部材に長手方向における曲部が設けられる。このため、中支持部材が曲部において長手方向に弾性伸張できる。
【0015】
本発明の第5態様の乗物用シートは、本発明の第1態様~第4態様の何れか1つの乗物用シートにおいて、前記中支持部材に上側又は下側への突出部が設けられる。
【0016】
本発明の第5態様の乗物用シートでは、中支持部材に上側又は下側への突出部が設けられる。このため、中支持部材が突出部において長手方向に弾性伸張できる。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、本発明の乗物用シートでは、中支持部材によるクッション材の左右方向における支持バランスを良好にできる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施形態に係る車両用シートを示す前方かつ右方から見た斜視図である。
図2図1の車両用シートのクッションフレーム等を示す前方かつ左方から見た斜視図である。
図3】(A)は、図1の車両用シートの支持構造を示す上方から見た平面図であり、(B)は、図1の車両用シートの板バネを示す左方から見た側面図である。
図4】(A)は、図1の車両用シートの第1変形例の板バネを示す左方から見た側面図であり、(B)は、図1の車両用シートの第2変形例の板バネを示す左方から見た側面図であり、(C)は、図1の車両用シートの第3変形例の板バネを示す左方から見た側面図である。
図5】(A)は、図1の車両用シートの第4変形例の板バネを示す左方から見た側面図であり、(B)は、図1の車両用シートの第5変形例の板バネを示す左方から見た側面図であり、(C)は、図1の車両用シートの第6変形例の板バネを示す左方から見た側面図である。
図6図1の車両用シートの第7変形例の支持構造を示す上方から見た平面図である。
図7】(A)は、図1の車両用シートの第8変形例の支持構造を示す上方から見た平面図であり、(B)は、図1の車両用シートの第9変形例の支持構造を示す上方から見た平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1には、本発明の実施形態に係る乗物用シートとしての車両用シート10が前方かつ右方から見た斜視図にて示されている。なお、図面では、車両用シート10の前方を矢印FRにて示し、車両用シート10の左方を矢印LHにて示し、車両用シート10の上方を矢印UPにて示している。
【0020】
本実施形態に係る車両用シート10は、車両(特に自動車)の車室に設けられており、車両用シート10の前方、左方及び上方は、それぞれ車両の前方、左方及び上方に向けられている。
【0021】
図1に示されるように、車両用シート10の下部には、シートクッション12が設けられると共に、シートクッション12の後端部の上側には、シートバック14が設けられている。車両用シート10に着座者が着座した際には、シートクッション12が着座者の臀部及び太腿部を下側から支持し、シートバック14が着座者の背部を後側から支持する。
【0022】
シートクッション12内には、クッション材としてのクッションパッド12Aが設けられており、クッションパッド12Aは、発泡ウレタン製にされて、弾性を有している。シートクッション12の外周には、シート状のクッションカバー12Bが設けられており、クッションカバー12Bは、可撓性を有して、クッションパッド12Aの上側、前側、後側、左側及び右側を被覆している。
【0023】
シートクッション12の下端部には、係止部材としての金属製で平面視矩形枠状のクッションフレーム16(図2参照)が設けられている。クッションフレーム16の前部、左部及び右部は、板状にされると共に、クッションフレーム16の後部は、円筒状にされており、クッションフレーム16は、クッションパッド12Aの外周部を下側から支持している。
【0024】
クッションフレーム16の内側には、支持構造18(図2図3の(A)及び(B)参照)が設けられている。
【0025】
支持構造18の左部及び右部には、それぞれ左支持部材としての左Sバネ20及び右支持部材としての右Sバネ22が設けられており、左Sバネ20及び右Sバネ22は、それぞれシートクッション12の左部及び右部に配置されている。左Sバネ20及び右Sバネ22は、金属製のワイヤにされており、左Sバネ20及び右Sバネ22は、弾性を有している。左Sバネ20及び右Sバネ22は、前端部がクッションフレーム16の前部に係止されると共に、後端部がクッションフレーム16の後部に係止されており、左Sバネ20及び右Sバネ22は、前後方向に配置されている。左Sバネ20及び右Sバネ22の前部(前端部を除く)は、前方へ向かうに従い上方へ向かう方向に傾斜されると共に、板バネ24の後部(後端部を除く)は、後方へ向かうに従い上方へ向かう方向に傾斜されており、左Sバネ20及び右Sバネ22の中間部(前部と後部との間の部分)は、上下方向に垂直に配置されている。左Sバネ20及び右Sバネ22の中間部には、左側へのU字状の凸部と右側へのU字状の凸部とが前後方向において交互に形成されており、凸部の突出先端は、直線状に延在されている。左Sバネ20及び右Sバネ22の中間部は、左右方向への波形状にされており、左Sバネ20及び右Sバネ22は、クッションパッド12Aを下側から支持している。また、左Sバネ20(凸部を含む)及び右Sバネ22(凸部を含む)は、シートクッション12の左右方向中央位置に対し左右方向において対称な配置にされている。
【0026】
支持構造18の左右方向中央部には、中支持部材としての板バネ24が設けられており、板バネ24は、シートクッション12の左右方向中央部に配置されている。板バネ24は、金属製で長尺矩形板状にされており、板バネ24は、弾性を有している。板バネ24は、前端部がクッションフレーム16の前部に係止されると共に、後端部がクッションフレーム16の後部に係止されており、板バネ24は、前後方向に配置されている。板バネ24の幅方向は、左右方向にされており、板バネ24は、クッションパッド12Aを下側から支持している。また、板バネ24は、シートクッション12の左右方向中央位置に対し左右方向において対称な形状にされている。
【0027】
板バネ24の前側部分及び後側部分には、曲部としての屈曲部24Aが形成されており、板バネ24の屈曲部24A位置は、長手方向(前後方向)において屈曲されている。板バネ24の前部(前端部と前側の屈曲部24Aとの間の部分)は、前方へ向かうに従い上方へ向かう方向に傾斜されると共に、板バネ24の後部(後端部と後側の屈曲部24Aとの間の部分)は、後方へ向かうに従い上方へ向かう方向に傾斜されており、板バネ24の中間部(前側と後側の屈曲部24A間の部分)は、前後方向に沿って配置されている。
【0028】
板バネ24の前部には、突出部としての断面U字状の前突出部24Bが所定数(本実施形態では2個)形成されており、前突出部24Bは、下側に突出されると共に、突出先端が平板状にされている。板バネ24の後部には、突出部としての断面U字状の後突出部24Cが所定数(本実施形態では1個)形成されており、後突出部24Cは、下側に突出されると共に、突出先端が平板状にされている。
【0029】
左Sバネ20の後端部近傍、右Sバネ22の後端部近傍及び板バネ24の後端部近傍には、樹脂製で長尺矩形板状の連結板26(図2参照)がインサート成型により固定されており、左Sバネ20、右Sバネ22及び板バネ24は、連結板26によって左右方向において連結されている。
【0030】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0031】
以上の構成の車両用シート10では、シートクッション12のクッションパッド12Aを下側からクッションフレーム16内側の左Sバネ20、右Sバネ22及び板バネ24が支持している。
【0032】
車両用シート10に着座者が着座した際には、シートクッション12において、左Sバネ20、右Sバネ22及び板バネ24がクッションパッド12A及びクッションカバー12Bを介して着座者を下側から支持する。また、図3(B)に示されるように、左Sバネ20、右Sバネ22及び板バネ24が着座者の荷重により下側に弾性変位される(板バネ24の破線を参照)と共に、着座者のヒップポイントHPの前後方向位置が板バネ24の中間部の後側部分の前後方向位置にされる。
【0033】
ここで、板バネ24が左右方向を幅方向にされる板状にされている。このため、板バネ24に代えてSバネが配置される場合とは異なり、板バネ24によるクッションパッド12Aの左右方向における支持バランスを良好にでき、板バネ24による着座者の左右方向における支持バランスを良好にできる。これにより、着座者が左右方向にぐらつくことを抑制でき、着座者のシートクッション12への座り心地を良好にできる。しかも、Sバネを4本設ける必要性を低下できるため、シートクッション12を軽量化できる。
【0034】
さらに、板バネ24が左右方向において対称な形状にされている。このため、板バネ24によるクッションパッド12Aの左右方向における支持バランスを効果的に良好にでき、板バネ24による着座者の左右方向における支持バランスを効果的に良好にできる。
【0035】
しかも、左Sバネ20(凸部を含む)、右Sバネ22(凸部を含む)及び板バネ24が左右方向において対称な配置にされている。このため、左Sバネ20、右Sバネ22及び板バネ24によるクッションパッド12Aの左右方向における支持バランスを良好にでき、左Sバネ20、右Sバネ22及び板バネ24による着座者の左右方向における支持バランスを良好にできる。これにより、着座者が左右方向にぐらつくことを一層抑制でき、着座者のシートクッション12への座り心地を一層良好にできる。
【0036】
また、板バネ24に長手方向における屈曲部24Aが設けられている。このため、板バネ24が、屈曲部24Aにおいて長手方向に弾性伸張できて、下側に弾性変位でき、シートクッション12の下側への弾性を高くできる。これにより、着座者が下側に変位でき、着座者に作用される前斜め下側への荷重をクッションフレーム16の前部が受けることができて、着座者のサブマリン現象の発生を抑制できる。
【0037】
さらに、板バネ24に前突出部24B及び後突出部24Cが設けられている。このため、板バネ24が、前突出部24B及び後突出部24Cにおいて長手方向に弾性伸張できて、下側に一層弾性変位でき、シートクッション12の下側への弾性を一層高くできる。
【0038】
しかも、板バネ24の前部に前突出部24Bが設けられると共に、板バネ24の後部に後突出部24Cが設けられている。このため、着座者の荷重により板バネ24が下側に弾性変位される際に、板バネ24の中間部の上下方向への傾動が抑制される(図3(B)の破線を参照)。これにより、着座者の姿勢が前後方向に変化することを抑制できる。
【0039】
(第1変形例)
【0040】
図4(A)には、本実施形態の第1変形例に係る乗物用シートとしての車両用シート30における板バネ24が左方から見た側面図にて示されている。
【0041】
図4(A)に示されるように、本変形例に係る車両用シート30では、板バネ24の前部に前突出部24Bが形成されないと共に、板バネ24の後部に後突出部24Cが形成されている。
【0042】
ここで、本変形例では、着座者の荷重により板バネ24が下側に弾性変位される際に、板バネ24の後部が後突出部24Cにおいて長手方向に弾性伸張されて、板バネ24の中間部が後側を前側に対し下側に傾動される(図4(A)の破線を参照)。これにより、着座者に作用される前斜め下側への荷重をクッションフレーム16の前部が良好に受けることができて、着座者のサブマリン現象の発生を良好に抑制できる。
【0043】
(第2変形例)
【0044】
図4(B)には、本実施形態の第2変形例に係る乗物用シートとしての車両用シート40における板バネ24が左方から見た側面図にて示されている。
【0045】
図4(B)に示されるように、本変形例に係る車両用シート40では、板バネ24の前部に前突出部24Bが形成されると共に、板バネ24の後部に後突出部24Cが形成されていない。
【0046】
ここで、本変形例では、着座者の荷重により板バネ24が下側に弾性変位される際に、板バネ24の前部が前突出部24Bにおいて長手方向に弾性伸張されて、板バネ24の中間部が前側を後側に対し下側に傾動される(図4(B)の破線を参照)。これにより、着座者に作用される前斜め下側への荷重をクッションフレーム16の前部が良好に受けることができて、着座者のサブマリン現象の発生を良好に抑制できる。
【0047】
(第3変形例)
【0048】
図4(C)には、本実施形態の第2変形例に係る乗物用シートとしての車両用シート50における板バネ24が左方から見た側面図にて示されている。
【0049】
図4(C)に示されるように、本変形例に係る車両用シート50では、板バネ24の前部に前突出部24Bが形成されないと共に、板バネ24の後部に後突出部24Cが形成されていない。板バネ24の中間部の後側部分には、突出部としての断面U字状の中突出部24Dが所定数(本実施形態では1個)形成されており、中突出部24Dは、下側に突出されると共に、突出先端が平板状にされている。
【0050】
ここで、本変形例では、着座者の荷重により板バネ24が下側に弾性変位される際に、板バネ24の中間部が中突出部24Dにおいて長手方向に弾性伸張されて、板バネ24の中間部が前後方向中間側を前側及び後側に対し下側に傾動される(図4(C)の破線を参照)。これにより、着座者の前後方向への移動を良好に抑制でき、着座者の姿勢が前後方向に変化することを良好に抑制できる。
【0051】
(第4変形例)
【0052】
図5(A)には、本実施形態の第4変形例に係る乗物用シートとしての車両用シート60における板バネ24が左方から見た側面図にて示されている。
【0053】
図5(A)に示されるように、本変形例に係る車両用シート60では、板バネ24前部の前突出部24Bが上側に突出されると共に、板バネ24後部の後突出部24Cが上側に突出されている。クッションパッド12Aの下面には、前突出部24Bの上側及び後突出部24Cの上側において、収容凹部(図示省略)が形成されており、収容凹部には、前突出部24B又は後突出部24Cが収容されている。
【0054】
ここで、本変形例では、前突出部24B及び後突出部24Cが上側に突出されている。このため、板バネ24の下側(前突出部24Bの下側及び後突出部24Cの下側)におけるスペースを大きくできる。
【0055】
(第5変形例)
【0056】
図5(B)には、本実施形態の第5変形例に係る乗物用シートとしての車両用シート70における板バネ24が左方から見た側面図にて示されている。
【0057】
図5(B)に示されるように、本変形例に係る車両用シート70では、板バネ24における前突出部24B及び後突出部24Cの少なくとも1つ(図5(B)では後突出部24C)が上側に突出されている。クッションパッド12Aの下面には、当該前突出部24B及び後突出部24Cの少なくとも1つの上側において、収容凹部(図示省略)が形成されており、収容凹部には、当該前突出部24B及び後突出部24Cの少なくとも1つが収容されている。
【0058】
ここで、本変形例では、前突出部24B及び後突出部24Cの少なくとも1つが上側に突出されている。このため、板バネ24の下側(当該前突出部24B及び後突出部24Cの少なくとも1つ)におけるスペースを大きくでき、前突出部24B及び後突出部24Cを板バネ24の下側における構成に対応させて設けることができる。
【0059】
(第6変形例)
【0060】
図5(C)には、本実施形態の第6変形例に係る乗物用シートとしての車両用シート80における板バネ24が左方から見た側面図にて示されている。
【0061】
図5(C)に示されるように、本変形例に係る車両用シート80では、板バネ24に前突出部24B及び後突出部24Cが形成されていない。
【0062】
ここで、本変形例では、板バネ24に前突出部24B及び後突出部24Cが形成されないことで、板バネ24の下側への弾性変位を抑制できて、シートクッション12の下側への弾性を低くできる。
【0063】
なお、本変形例において、板バネ24に屈曲部24Aが形成されずに、板バネ24が前端部及び後端部を除き側面視直線状に延在されてもよい。これにより、板バネ24の下側への弾性変位を一層抑制できて、シートクッション12の下側への弾性を一層低くできる。また、この場合、板バネ24に突出部が設けられてもよい。
【0064】
(第7変形例)
【0065】
図6には、本実施形態の第7変形例に係る乗物用シートとしての車両用シート90における支持構造18が上方から見た平面図にて示されている。
【0066】
図6に示されるように、本変形例に係る車両用シート90の支持構造18では、左Sバネ20及び右Sバネ22がそれぞれ2本設けられている。2本の左Sバネ20(凸部を含む)は、左右方向において対称な配置にされており、2本の右Sバネ22(凸部を含む)は、左右方向において対称な配置にされている。さらに、2本の左Sバネ20(凸部を含む)、2本の右Sバネ22(凸部を含む)及び板バネ24は、シートクッション12の左右方向中央位置に対し左右方向において対称な配置にされている。
【0067】
ここで、本変形例では、2本の左Sバネ20(凸部を含む)、2本の右Sバネ22(凸部を含む)及び板バネ24が左右方向において対称な配置にされている。このため、2本の左Sバネ20、2本の右Sバネ22及び板バネ24によるクッションパッド12Aの左右方向における支持バランスを良好にでき、2本の左Sバネ20、2本の右Sバネ22及び板バネ24による着座者の左右方向における支持バランスを良好にできる。
【0068】
なお、本変形例において、左Sバネ20及び右Sバネ22がそれぞれ3本以上設けられてもよい。この場合、3本以上の左Sバネ20(凸部を含む)が左右方向において対称な配置にされてもよく、3本以上の右Sバネ22(凸部を含む)が左右方向において対称な配置にされてもよい。また、3本以上の左Sバネ20(凸部を含む)、3本以上の右Sバネ22(凸部を含む)及び板バネ24が左右方向において対称な配置にされてもよい。
【0069】
(第8変形例)
【0070】
図7(A)には、本実施形態の第8変形例に係る乗物用シートとしての車両用シート100における支持構造18が上方から見た平面図にて示されている。
【0071】
図7(A)に示されるように、本変形例に係る車両用シート100の支持構造18では、板バネ24の前部、中間部及び後部の少なくとも1つと右Sバネ22及び左Sバネ20とが、連動部としての樹脂製で長尺矩形板状の連動板102によって左右方向において連結されており、連動板102は、板バネ24、右Sバネ22及び左Sバネ20にインサート成型により固定されている。
【0072】
ここで、本変形例では、左Sバネ20、右Sバネ22及び板バネ24が連動板102によって左右方向において連結されている。このため、左Sバネ20、右Sバネ22及び板バネ24が連動板102によって連動して下側に弾性変位できると共に、シートクッション12の下側への弾性を低くできる。
【0073】
(第9変形例)
【0074】
図7(B)には、本実施形態の第8変形例に係る乗物用シートとしての車両用シート110における支持構造18が上方から見た平面図にて示されている。
【0075】
図7(B)に示されるように、本変形例に係る車両用シート110の支持構造18では、板バネ24の前部、中間部及び後部の少なくとも1つと右Sバネ22及び左Sバネ20とが、連動部としての金属製で長尺矩形環状の連動ワイヤ112によって左右方向において連結されており、連動ワイヤ112は、板バネ24、右Sバネ22及び左Sバネ20に例えばカシメ又は溶接により固定されている。
【0076】
ここで、本変形例では、左Sバネ20、右Sバネ22及び板バネ24が連動ワイヤ112によって左右方向において連結されている。このため、左Sバネ20、右Sバネ22及び板バネ24が連動ワイヤ112によって連動して下側に弾性変位できると共に、シートクッション12の下側への弾性を低くできる。
【0077】
なお、本変形例において、連動ワイヤ112が直線状のワイヤにされてもよい。
【0078】
さらに、上記第7変形例~第9変形例において、第1変形例~第6変形例の板バネ24が設けられてもよい。
【0079】
また、本実施形態(第1変形例~第9変形例を含む)では、板バネ24が左右方向において対称な形状にされる。しかしながら、板バネ24が左右方向において対称な形状にされなくてもよい。
【0080】
さらに、本実施形態(第1変形例~第9変形例を含む)では、板バネ24の曲部が屈曲部24Aにされる。しかしながら、板バネ24の曲部が湾曲部にされてもよい。
【0081】
また、本実施形態(第1変形例~第9変形例を含む)では、板バネ24の突出部(前突出部24B、後突出部24C及び中突出部24D)が断面U字状にされると共に突出先端を平板状にされる。しかしながら、板バネ24の突出部が断面U字状にされなくてもよく(例えば断面V字状にされてよく)、板バネ24の突出部の突出先端が平板状にされなくてもよく(例えば湾曲板状にされてよく)。
【0082】
さらに、本実施形態(第1変形例~第9変形例を含む)では、左Sバネ20(凸部を含む)及び右Sバネ22(凸部を含む)が左右方向において対称な配置にされる。しかしながら、左Sバネ20(凸部を含む)及び右Sバネ22(凸部を含む)が左右方向において対称な配置にされなくてもよい。
【0083】
また、本実施形態(第1変形例~第9変形例を含む)では、左Sバネ20及び右Sバネ22の凸部の突出先端が直線状に延在される。しかしながら、左Sバネ20及び右Sバネ22の少なくとも一方の凸部の突出先端が直線状に延在されなくてもよい(例えば湾曲されてもよい)。
【0084】
さらに、本実施形態(第1変形例~第9変形例を含む)では、左Sバネ20及び右Sバネ22の凸部がU字状にされる。しかしながら、左Sバネ20及び右Sバネ22の少なくとも一方の凸部がU字状にされなくてもよい(例えばV字状にされてもよい)。
【0085】
また、本実施形態(第1変形例~第9変形例を含む)では、乗物用シートが車両に使用される。しかしながら、乗物用シートが車両以外(例えば船舶)に使用されてもよい。
【符号の説明】
【0086】
10 車両用シート(乗物用シート)
12 シートクッション
12A クッションパッド(クッション材)
20 左Sバネ(左支持部材)
22 右Sバネ(右支持部材)
24 板バネ(板支持部材)
24A 屈曲部(曲部)
24B 前突出部(突出部)
24C 後突出部(突出部)
24D 中突出部(突出部)
30 車両用シート(乗物用シート)
40 車両用シート(乗物用シート)
50 車両用シート(乗物用シート)
60 車両用シート(乗物用シート)
70 車両用シート(乗物用シート)
80 車両用シート(乗物用シート)
90 車両用シート(乗物用シート)
100 車両用シート(乗物用シート)
110 車両用シート(乗物用シート)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7