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  • 特開-部品の製造方法、部品及び装置 図1A
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059032
(43)【公開日】2024-04-30
(54)【発明の名称】部品の製造方法、部品及び装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/14 20060101AFI20240422BHJP
   B29C 45/27 20060101ALI20240422BHJP
【FI】
B29C45/14
B29C45/27
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022166514
(22)【出願日】2022-10-17
(71)【出願人】
【識別番号】000225740
【氏名又は名称】南部化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100186716
【弁理士】
【氏名又は名称】真能 清志
(72)【発明者】
【氏名】佐野 翔紀
(72)【発明者】
【氏名】坂本 恵利香
【テーマコード(参考)】
4F202
4F206
【Fターム(参考)】
4F202AD05
4F202AD08
4F202AD24
4F202AG03
4F202AM32
4F202AR07
4F202CA11
4F202CB01
4F202CB12
4F202CB13
4F202CK06
4F206AD05
4F206AD08
4F206AD24
4F206AG03
4F206AM32
4F206AR076
4F206JA07
4F206JB12
4F206JB13
4F206JF05
4F206JF23
4F206JL02
(57)【要約】
【課題】フィルム部材をインサート材とするインサート成形により、フィルム部材を金型内で確実に位置決めしつつデッドスペースを抑制して機能面を確保し易い部品の製造方法、部品及びこれを用いた装置を提供する。
【解決手段】本開示の部品100の製造方法は、溶融樹脂をインサート成形金型30内に導くピンゲート15の先端部15aがインサート成形金型30の内面からキャビティ26側に突出するように配置するステップと、インサート材としてのフィルム部材110を準備するステップと、フィルム部材110に位置決め穴115を形成するステップと、ピンゲート15の先端部15aが位置決め穴115を貫通するようにフィルム部材110をインサート成形金型30内に配置するステップと、ピンゲート15を通じてインサート成形金型30内に溶融樹脂を供給するステップとを含むことを特徴とする。
【選択図】図3C
【特許請求の範囲】
【請求項1】
溶融樹脂をインサート成形金型内に導くピンゲートの先端部がインサート成形金型の内面からキャビティ側に突出するように配置するステップと、
インサート材としてのフィルム部材を準備するステップと、
前記フィルム部材に位置決め穴を形成するステップと、
前記ピンゲートの先端部が前記位置決め穴を貫通するように前記フィルム部材をインサート成形金型内に配置するステップと、
前記ピンゲートを通じてインサート成形金型内に溶融樹脂を供給するステップと
を含む、部品の製造方法。
【請求項2】
前記ピンゲートの先端部は、インサート成形金型のパーティングラインを越えて突出している、請求項1に記載の部品の製造方法。
【請求項3】
インサート材としてのフィルム部材のインサート成形により形成された部品であって、
前記フィルム部材と、
前記フィルム部材に沿って設けられた樹脂部と
を備え、
前記フィルム部材には穴が設けられており、
前記樹脂部の前記フィルム部材が配置されている側の面における前記穴に対応する面方向位置にはゲート痕が形成されている、部品。
【請求項4】
前記ゲート痕は、前記樹脂部の前記フィルム部材が配置されている側の面に形成された凹部の底部に形成されている、請求項3に記載の部品。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の部品と、
回路要素を搭載した回路基板と
を備える装置であって、
前記フィルム部材は、導電部を有するフレキシブルプリント基板として構成されており、
前記回路基板における前記回路要素が露出した領域を前記フィルム部材で覆った、装置。
【請求項6】
前記部品は、前記回路基板と電気的に接続するコネクタを有する、請求項5に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、フィルム部材をインサート材とするインサート成形による部品の製造方法、部品及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、フィルム部材をインサート材として樹脂部品をインサート成形することにより、部品の小型化・省スペース化に加えて、樹脂部品の機能性を高めたり、製造コストを削減する試みがなされている。フィルム部材をインサート材として樹脂部品をインサート成形する場合、溶融樹脂をフィルム部材に直交する方向から金型内に射出すると(ダイレクトゲート方式)、溶融樹脂を金型内に供給するゲート位置にゲート痕が形成されたりフィルム部材が熱の影響を受けるため当該領域を意匠面や回路等の機能面として使用しづらくなっていた。また、ゲートをフィルム部材の外縁部に配置し、フィルム部材に沿って溶融樹脂を金型内に供給すると(サイドゲート方式)、樹脂流路を十分に確保できず成形性に問題が生じる可能性があるほか、インサートしたフィルム部材が樹脂の流れによって金型内で動いてしまい所望の樹脂部品を得られない場合があった。
【0003】
このような問題に対して、例えば特許文献1では、インサート成形に用いる加飾シートにおいて、金型に固定するための位置決めリブを設けた、インサート成形用シート等が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-112881号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の構成では、位置決めリブがフィルム部材から突出しているために成形された樹脂部品の形状が制限されるほか、位置決めリブとは別に溶融樹脂を金型内に供給するゲートを配置する必要がある。そのため、位置決めリブ位置及びゲート位置を樹脂部品の機能面として機能させづらくデッドスペースが増加するため、これらの点で改善の余地があった。
【0006】
本開示は、このような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、フィルム部材をインサート材とするインサート成形により、フィルム部材を金型内で確実に位置決めしつつデッドスペースを抑制して機能面を確保し易い部品の製造方法、部品及びこれを用いた装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の部品の製造方法は、
[1]
溶融樹脂をインサート成形金型内に導くピンゲートの先端部がインサート成形金型の内面からキャビティ側に突出するように配置するステップと、
インサート材としてのフィルム部材を準備するステップと、
前記フィルム部材に位置決め穴を形成するステップと、
前記ピンゲートの先端部が前記位置決め穴を貫通するように前記フィルム部材をインサート成形金型内に配置するステップと、
前記ピンゲートを通じてインサート成形金型内に溶融樹脂を供給するステップと
を含むことを特徴とする。
【0008】
また、本開示の部品の製造方法は、
[2]
上記[1]の構成において、前記ピンゲートの先端部は、インサート成形金型のパーティングラインを越えて突出していることが好ましい。
【0009】
また、本開示の部品は、
[3]
インサート材としてのフィルム部材のインサート成形により形成された部品であって、
前記フィルム部材と、
前記フィルム部材に沿って設けられた樹脂部と
を備え、
前記フィルム部材には穴が設けられており、
前記樹脂部の前記フィルム部材が配置されている側の面における前記穴に対応する面方向位置にはゲート痕が形成されていることを特徴とする。
【0010】
また、本開示の部品は、
[4]
上記[3]の構成において、前記ゲート痕は、前記樹脂部の前記フィルム部材が配置されている側の面に形成された凹部の底部に形成されていることが好ましい。
【0011】
また、本開示の装置は、
[5]
上記[3]又は[4]に記載の部品と、
回路要素を搭載した回路基板と
を備える装置であって、
前記フィルム部材は、導電部を有するフレキシブルプリント基板として構成されており、
前記回路基板における前記回路要素が露出した領域を前記フィルム部材で覆ったことを特徴とする。
【0012】
また、本開示の装置は、
[6]
上記[5]の構成において、前記部品は、前記回路基板と電気的に接続するコネクタを有することが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、フィルム部材をインサート材とするインサート成形により、フィルム部材を金型内で確実に位置決めしつつデッドスペースを抑制して機能面を確保し易い部品の製造方法、部品及びこれを用いた装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1A】本開示の第1実施形態である部品の製造方法に用いるインサート成形金型及び当該製造方法により製造された部品の構成を示す斜視図である。
図1B】本開示の第1実施形態である部品の製造方法に用いるインサート成形金型の平面断面図である。
図1C】本開示の第1実施形態である部品の製造方法に用いるインサート成形金型の側面断面図である。
図1D】本開示の第1実施形態である部品の製造方法に用いるインサート成形金型を型開きして、部品、並びにスプール、ランナー及びピンゲート内で硬化した樹脂を取り出した状態を示す図である。
図2】本開示の第1実施形態である部品の製造方法の実施手順を示すフローチャートである。
図3A】本開示の第1実施形態である部品の製造方法に用いるインサート成形金型におけるピンゲートの領域において、ピンゲートの先端部がインサート成形金型の内面からキャビティ側に突出するように配置された状態を示す拡大断面図である。
図3B】本開示の第1実施形態である部品の製造方法に用いるインサート成形金型におけるピンゲートの領域において、ピンゲートの先端部が位置決め穴を貫通するようにフィルム部材をインサート成形金型内に配置した状態を示す拡大断面図である。
図3C】本開示の第1実施形態である部品の製造方法に用いるインサート成形金型におけるピンゲートの領域において、ピンゲートを通じてインサート成形金型内に溶融樹脂を供給して部品を製造している状態を示す拡大断面図である。
図4】本開示の第2実施形態である部品を用いた装置の構成を示す断面図である。
図5】本開示の第3実施形態である部品を用いた装置の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本開示をより具体的に例示説明する。
【0016】
本開示の第1実施形態である部品の製造方法は、例えばフレキシブルプリント基板(Flexible Printed Circuit:FPC)等のフィルム部材110をインサート材とするインサート成形により部品100を形成する。図1Aから図1Dに示す、本実施形態に係る部品の製造方法に使用するインサート成形金型30は、固定側取付板50にストリッパープレート40を介して固定された固定側型板10と、固定側型板10に対して移動可能に構成され、スペーサーブロック60を介して可動側取付板70に固定された可動側型板20とを備えている。図1Aから図1Dに示す例では、可動側型板20の背面にエジェクタープレート62(図1B参照)を備えており、エジェクタープレート62を固定側型板10の方向に移動させることによってエジェクタープレート62に取り付けたエジェクターピンで部品100を可動側型板20からリリースすることができる(図1D参照)。また、図1Dに示すように、ストリッパープレート40に対して固定側型板10を遠ざけることによってスプール41、ランナー43及びピンゲート15内で硬化した樹脂を取り出すことができる。固定側取付板50及び可動側取付板70は、それぞれ射出成形機本体80に固定されている。
【0017】
本実施形態において、固定側型板10は、図1Aから図1Cに示すように、部品100に開口部111a,111bを形成するために可動側型板20側に突出する凸部11a,11bと、スプール41及びランナー43(図1B及び図1C参照)経由で供給された溶融樹脂をインサート成形金型30のキャビティ26内に導く筒状のピンゲート15とを備えている。本実施形態では、凸部11a,11bの突出高さを後述するキャビティ26の深さと一致させており、図1Cに示す型締めされた状態において凸部11a,11bがキャビティ26の底部に当接するように構成されている。なお、固定側型板10側に、後述する可動側型板20の凸部22を受け入れる凹部を設けるようにしてもよい。
【0018】
ピンゲート15は、先端部15aが縮径された筒状部材であり、図3Cにおいて基端部15bから先端部15aに向かう方向に溶融樹脂を導いてインサート成形金型30のキャビティ26内に供給する。ピンゲート15は、基端部15bから先端部15aに向かって所定の割合で溶融樹脂の流路を縮径することによって、射出速度を所定の速度まで高めてキャビティ26内に射出する。本実施形態では、ピンゲート15は図3Cに示すように固定側型板10側に固定されており、インサート材であるフィルム部材110をインサート成形金型30内に配置した状態において、ピンゲート15の先端部15aが、図3Cに示すように固定側型板10と可動側型板20との合わせ面を構成するパーティングラインPLを越えて突出するように配置されている。また、ピンゲート15の先端部15aは、ピンゲート15が配置された面方向位置において片面がパーティングラインPL上に位置するように配置されたフィルム部材110の位置決め穴115を貫通してフィルム部材110から僅かに突出するように配置されている。
【0019】
ピンゲート15の先端部15aの位置が、パーティングラインPLから突出するように構成することによって、ピンゲート15の先端部15aをフィルム部材110に設けた位置決め穴115内に進入させて、片面がパーティングラインPL上に位置するように配置されたフィルム部材110をピンゲート15に対して面方向に位置決めすることができる。また、ピンゲート15を通じて供給された溶融樹脂をインサート成形金型30内における可動側型板20側に設けたキャビティ26内に射出する。本実施形態では、フィルム部材110に関してピンゲート15とは反対側のキャビティ26内に溶融樹脂を射出して成形する。
【0020】
なお、本実施形態では、ピンゲート15の先端部15aは、片面がパーティングラインPL上に位置するように配置されたフィルム部材110の位置決め穴115を貫通してフィルム部材110から僅かに突出するように配置されているが、この態様には限定されない。ピンゲート15の先端部15aは、フィルム部材110の位置決め穴115に入り込んでフィルム部材110をピンゲート15に対して面方向に位置決めできればよく、必ずしもフィルム部材110から突出していなくてもよい。
【0021】
本実施形態において、可動側型板20は、部品100に中央開口112を形成するために固定側型板10側に突出する凸部22と、ピンゲート15から射出された溶融樹脂により部品100の樹脂部120を形成するキャビティ26とを備えている。本実施形態では、凸部22の突出高さをキャビティ26の深さと一致させており、図1Cに示す型締めされた状態において凸部22が固定側型板10に当接するように構成されている。なお、可動側型板20側に、固定側型板10の凸部11a,11bを受け入れる凹部を設けるようにしてもよい。
【0022】
図1Aにおいて、右側に描かれた固定側型板10と、左側に描かれた可動側型板20は、パーティングラインPLを形成する合わせ面が図の手前側を向くように方向づけられた状態で描かれている。本実施形態では、図1Aから図1Cに示すように、可動側型板20にのみ樹脂部120を形作るキャビティ26を設けてフィルム部材110の厚み方向片側にのみ樹脂部120が配置されるように構成したが、この態様には限定されない。固定側型板10側にもキャビティを設けて樹脂部120がフィルム部材110の厚み方向両側に配置されるように構成してもよい。
【0023】
本実施形態では、図1A及び図1Cに示すように、固定側型板10から可動側型板20側に突出する凸部11a,11bと、可動側型板20から固定側型板10側に突出する凸部22とをバランスよく配置している。固定側型板10に凸部が多く配置されていると、型開きの際に部品100が固定側型板10側に食い付いてリリースしづらくなる傾向がある。本実施形態では、固定側型板10と可動側型板20に凸部をバランスよく配置することによって型開きの際に部品100が固定側型板10側に残ってしまうことを抑制している。
【0024】
図1Aにおいて、右側に描かれた固定側型板10と左側に描かれた可動側型板20との間には、本実施形態にかかる部品の製造方法により製造される部品100が描かれている。
【0025】
部品100は、インサート材としてのフィルム部材110のインサート成形により形成されている。本実施形態において、部品100は、フィルム部材110と、フィルム部材110の一方の面に沿って設けられた樹脂部120とを備えている(図1A及び図3C参照)。本実施形態では、部品100は、図1Aに示すように矩形形状かつ薄板状に形成された合成樹脂製の樹脂部120の一部領域(長手方向略中央部)にフィルム部材110が樹脂部120に沿って配置されている。なお、図1Aにおいて、部品100は、固定側型板10側が手前になるように描かれている。
【0026】
図1Aの例では、部品100には、略中央部に位置し樹脂部120及びフィルム部材110を貫く中央開口112と、中央開口112の長手方向(図1Aの上下方向)両側に形成された開口部111a,111bとが設けられている。本実施形態では、フィルム部材110は、導電部を備えたフレキシブルプリント基板(Flexible Printed Circuit:FPC)として構成されており、図1Aにおける中央開口112の左縁部から部品100の略中央位置に向かって右方向に延びるコネクタ113が設けられている。フィルム部材110は、このコネクタ113を通じて外部から給電されて作動する。
【0027】
本実施形態では、コネクタ113が配置された中央開口112は、可動側型板20側に設けられた凸部22によって形成されるように構成している。このような構成によって、中央開口112を形成するための凸部22が固定側型板10側に形成されているコネクタ113に引っ掛かってダメージを与えることがないようにしている。
【0028】
フィルム部材110は、図1A及び図3Cに示すように、中央開口112の面方向外側2か所に位置決め穴115を備えている。位置決め穴115は、図1Aに示すように中央開口112の対角線上にある2つの頂点近傍に離れて配置されている。上述のように部品100の製造時においてピンゲート15がこの位置決め穴115内を貫通することによって、インサート成形金型30内においてフィルム部材110が溶融樹脂の流れによって移動しないように位置決めする役割を果たしている。
【0029】
本実施形態では、図3Cに示すように、樹脂部120における位置決め穴115に対応する面方向位置には、フィルム部材110が配置されている側の面に凹部125が形成されている。そして当該凹部125の底部125aにはゲート痕が形成されている。これは、上述のように、部品100の製造時においてピンゲート15の先端部15aが位置決め穴115を貫通して僅かに突出した位置から溶融樹脂を射出するため、フィルム部材110からピンゲート15が突出した分だけ樹脂部120に凹部125が形成されることになる。また、ピンゲート15が位置決め穴115を貫通した状態で溶融樹脂が射出されるため、凹部125の底部125aにはゲート痕が形成されることになる。
【0030】
なお、本実施形態では、フィルム部材110を電子部品であるフレキシブルプリント基板(Flexible Printed Circuit:FPC)として構成する場合について説明したが、この態様には限定されない。フィルム部材110は、導電部を有していない構成であってもよい。
【0031】
次に、本実施形態に係る部品100の製造方法について、図2から図3C等を用いて説明する。
【0032】
本実施形態に係る部品100の製造方法は、例えば、図1Aから図1Cに示す固定側型板10と可動側型板20とを備えるインサート成形金型30を用いて実施することができる。部品100を製造するに際しては、まず溶融樹脂をインサート成形金型30内に導くピンゲート15の先端部15aがインサート成形金型30の内面からキャビティ側に突出するように配置する(図2のステップS101)。本実施形態では、固定側型板10側の金型の内面が割型の合わせ面を構成するパーティングラインPLと一致するように構成されており(図3A参照)、ピンゲート15の先端部15aが金型の内面及びパーティングラインPLからキャビティ側に突出している。
【0033】
このようなピンゲート15の配置は、あらかじめ固定側型板10に対してピンゲート15の先端部15aの配置が定まるように構成してもよいし、後述するようにフィルム部材110の厚み等によって先端部15aの位置を調整するようにしてもよい。
【0034】
ステップS101を実行した後、インサート材としてのフィルム部材110を準備する(図2のステップS102)。本実施形態において、フィルム部材110は、ポリイミドや液晶ポリマーなどのフィルム状基材上に電解若しくは無電解メッキによる金属層又は延伸箔を導電部として積層し、エッチングや印刷加工などによってパターン形成したフレキシブルプリント基板(Flexible Printed Circuit:FPC)である。なお、先述のようにフィルム部材110は、電子部品に限定されるものではない。
【0035】
ステップS102を実行した後、フィルム部材110に位置決め穴115を形成する(図2のステップS103)。位置決め穴115の形成は、ドリルによる加工のほか、レーザー加工やトムソンカット、プレスカット等により形成することもできる。また、位置決め穴115を形成したフィルム部材110に対して、さらに高圧賦形等により樹脂部120や装着部材等の形状に対応する立体形状を付与してもよい。
【0036】
ステップS103を実行した後、ピンゲート15の先端部15aが位置決め穴115を貫通するようにフィルム部材110をインサート成形金型30内に配置する(図2のステップS104)。図3Bに示すように、ピンゲート15の先端部15aが位置決め穴115を貫通するように配置することによって、通常の射出成形においてゲートを配置することにより生じるデッドスペースと、インサート材を位置決めする位置決め手段(本実施形態ではピンゲート15の先端部15a及び位置決め穴115)を配置することにより生じるデッドスペースを集約することができる。したがって、デッドスペースを抑制して機能面を確保し易い部品100の製造方法を提供することができる。
【0037】
従来は、溶融樹脂をキャビティ26内に射出するゲートとインサート材を位置決めする位置決め手段とを別に設けていたため、それぞれがデッドスペースを生じさせていた。すなわち、フィルム部材110においてゲートからの溶融樹脂が直接射出される部位は、溶融樹脂の熱によって変色や不正変形等を生じる可能性があり、当該部位を意匠面や回路等の機能面として用いることが難しかった。同様に、金型側にフィルム部材110を位置決めする位置決めピンを配置すると、位置決めピンに対応するフィルム部材110上の部位を意匠面や回路等の機能面として用いることが難しかった。本実施形態では、ピンゲート15に溶融樹脂を供給するゲートとしての機能とフィルム部材110を位置決めする機能を集約しているため、デッドスペースを効果的に減少させることができる。
【0038】
なお、本実施形態では、ピンゲート15の先端部15aがフィルム部材110を越えて僅かにキャビティ26側に突出している。このような構成によって、ピンゲート15の先端部15aから射出された溶融樹脂の流れがフィルム部材110によって乱されることなく、溶融樹脂をキャビティ26内に拡散させることができる。なお、ピンゲート15の配置は、あらかじめ固定側型板10に対してピンゲート15の先端部15aの配置が定まるように構成してもよいし、フィルム部材110の厚みに応じて先端部15aの位置を調整するようにしてもよい。また、ピンゲート15の先端部15aは、図3Cに示すようにフィルム部材110を越えて僅かにキャビティ26側に突出する態様のほか、位置決め穴115内に進入しつつフィルム部材110からキャビティ26側に突出しない構成としてもよい。
【0039】
ステップS104を実行した後、固定側型板10と可動側型板20の合わせ面(パーティングラインPL)を合わせて型閉じする(図2のステップS105)。このインサート成形金型30の型閉じの際に、必要に応じてフィルム部材110の縁部を金型のパーティングラインPLで挟み込んだり、金型内フィルムクランプ機構で固定することによって射出成形時の樹脂圧によってフィルム部材110が動きにくいように構成してもよい。
【0040】
ステップS105を実行した後、ピンゲート15を通じてインサート成形金型30のキャビティ26内に溶融樹脂を供給する(図2のステップS106)。ステップS106において、ピンゲート15を通じてキャビティ26内に供給された溶融樹脂は、キャビティ26内を面方向(図3Cにおける上下方向及び紙面に垂直な方向)に拡散してキャビティ26内に行き渡る。本実施形態では、サイドゲート方式とは異なり、部品100の面方向略中央位置から溶融樹脂を金型内に射出するピンゲート方式を採用しているため溶融樹脂の流路が確保し易くなっており、溶融樹脂をキャビティ26の隅部まで容易に行き渡らせることができる。また、フィルム部材110に対してストレスがかかり難くすることができるので、フィルム部材110が曲がったり回路断線などの不具合の発生を抑制することができる。
【0041】
ステップS106を実行した後、金型内に充填された樹脂の冷却が完了したら、固定側型板10に対して可動側型板20を移動させて型開きし、エジェクタープレート62を固定側型板10の方向に移動させることによって部品100を可動側型板20からリリースする(図1D参照)。これによって、部品100の製造が完了する。また、図1Dに示すように、ストリッパープレート40に対して固定側型板10を遠ざけることによってスプール41、ランナー43及びピンゲート15内で硬化した樹脂を取り出して廃棄することができる。
【0042】
次に、第2実施形態に係る部品100を用いた装置200への応用例を示す。図4は、本実施形態に係る部品100をサブリジッド基板141上にマウントし、装置200の応用例である。なお、「リジッド」の用語は、フィルム部材110などの薄板状部材よりも曲げ剛性が高く変形しづらいという意味で用いている。
【0043】
本実施形態の説明において、第1実施形態と機能が共通する部位には、同一の符号を付して説明する。
【0044】
図4に示す装置200は、複数のIC(Integrated Circuit)140a,140bを搭載し主要な信号処理や演算処理等を実行するメインリジッド基板140と、部品100と、部品100をマウントしたサブリジッド基板141と、メインリジッド基板140及びサブリジッド基板141を支持し内部に収容するハウジング150とを備えている。図4は、平面視で略矩形形状を有するカード型の装置200の断面を示しており、図の左右方向が装置200の短手方向、図の上下方向が装置200の厚み方向となっている。
【0045】
図4の例では、サブリジッド基板141の上面にフレキシブルプリント基板としてのフィルム部材110を備えた部品100がマウントされている。フィルム部材110は、サブリジッド基板141の上面に沿って短手方向(図4の左右方向)及び長手方向(図4の紙面に垂直方向)に延在する水平部110bと、サブリジッド基板141の短手方向両端部近傍からサブリジッド基板141に直交する方向に屈曲し立設された立設部110aとを備えている。図4において立設部110aの外側には、フィルム部材110に沿って樹脂部120が形成されている。この樹脂部120の形成は、図2と同様に、立設部110a又は水平部110bに対応する位置に第1実施形態と同様の位置決め穴を設けたのち(図2のステップS103)、パーティングラインPLよりもキャビティ26側に突出したピンゲート15の先端部15aをフィルム部材110の位置決め穴に貫通させ突出させた状態(図2のステップS104)で溶融樹脂を金型内に供給する(図2のステップS106)ことによって行うことができる。なお、ステップS103によりフィルム部材110に位置決め穴を設けたのち、図4に示すように立設部110aが水平部110bに対して屈曲するように高圧賦形等によってフィルム部材110に立体形状を付与するようにしてもよい。
【0046】
本実施形態においても、部品100の略中央位置に中央開口112が形成されており、中央開口112内にコネクタ113が配置されている。このコネクタ113経由でフレキシブルプリント基板であるフィルム部材110に対して外部から給電可能とされている。コネクタ113は、例えばメインリジッド基板140及び/又はサブリジッド基板141に対して電気接続することができる。本実施形態では、コネクタ113経由で給電可能とされているため、フィルム部材110をメインリジッド基板140及び/又はサブリジッド基板141に対して半田付けする必要が無く、装置200の製造時間や製造コストを削減することができる。なお、外部回路からコネクタ113への給電は、コネクタ113を外部回路にマウントした雌型コネクタに挿入してもよいし、コネクタ113を外部回路上の接点と導通させた状態で接着等により固定してもよい。
【0047】
図4において、水平部110b及び立設部110a上の網目状に張り巡らされた導電部の一部が破損すると、コネクタ113を介して装置200の異常が通知されるように構成されている。立設部110a及び樹脂部120の上端部は、メインリジッド基板140に対して接着又は溶着等の手段により固定されていてもよい。部品100は、サブリジッド基板141に固定される態様のほか、装置200のハウジング150に固定されていてもよい。
【0048】
また、メインリジッド基板140及びサブリジッド基板141は、装置200のハウジング150にねじ締結や接着等の手段により固定されていることが好ましい。
【0049】
本実施形態では、図4に示すように、複数のIC140a,140b等を含むメインリジッド基板140上の主要回路における露出した領域をデッドスペースが少ないフレキシブルプリント基板としてのフィルム部材110で覆うように構成したので、主要回路のセキュリティを向上させることができる。
【0050】
次に、第3実施形態に係る部品100を用いた装置210への応用例を示す。図5は、本実施形態に係る部品100における樹脂部120を、図4のサブリジッド基板141に代えてフィルム部材110の水平部110bの全領域に亘って延在させて装置210に導電部を構成した応用例である。
【0051】
なお、本実施形態の説明においても、第1実施形態と機能が共通する部位には、同一の符号を付して説明する。
【0052】
図5に示す装置210は、複数のIC(Integrated Circuit)140a,140bを搭載し主要な演算処理又は信号処理等を実行するメインリジッド基板140と、部品100と、メインリジッド基板140及び部品100を支持し内部に収容するハウジング150とを備えている。図5は、平面視で略矩形形状を有するカード型の装置210の断面を示しており、図の左右方向が装置210の短手方向、図の上下方向が装置210の厚み方向となっている。
【0053】
図5の例では、メインリジッド基板140の下方にフレキシブルプリント基板としてのフィルム部材110を備えた部品100が配置されている。部品100を構成するフィルム部材110及び樹脂部120は、ともに短手方向(図5の左右方向)及び長手方向(図5の紙面に垂直方向)に延在する水平部110b,120bと、水平部110b,120bの短手方向両端部から水平部110b,120bに直交する方向に屈曲し立設された立設部110a,120aとを備えている。図5においてフィルム部材110の立設部110aの外側に樹脂部120の立設部120aが形成されている。この樹脂部120の形成は、図2と同様に、立設部110a又は水平部110bに対応する位置に第1実施形態と同様の位置決め穴を設けたのち(図2のステップS103)、パーティングラインPLからキャビティ26側に突出したピンゲート15の先端部15aをフィルム部材110の位置決め穴に貫通させ突出させた状態(図2のステップS104)で溶融樹脂を金型内に供給する(図2のステップS106)ことによって行うことができる。なお、ステップS103によりフィルム部材110に位置決め穴を設けたのち、図5に示すように立設部110aが水平部110bに対して屈曲するように高圧賦形等によってフィルム部材110に立体形状を付与するようにしてもよい。
【0054】
本実施形態においても、部品100の略中央位置に中央開口112が形成されており、中央開口112内にコネクタ113が配置されている。このコネクタ113経由でフレキシブルプリント基板であるフィルム部材110に対して外部から給電可能とされている。
【0055】
図5において、フィルム部材110の水平部110b及び立設部110aは、図4内における水平部110b及び立設部110aと同等の役割を果たしている。すなわち、水平部110b及び立設部110a上の網目状に張り巡らされた導電部の一部が破損すると、コネクタ113を介して装置200の異常が通知されるように構成されている。なお、立設部110a,120aの上端部は、メインリジッド基板140に対して接着又は溶着等の手段により固定されていてもよい。
【0056】
メインリジッド基板140及び部品100は、装置210のハウジング150にねじ締結や接着等の手段により固定されていることが好ましい。
【0057】
本実施形態では、図4のサブリジッド基板141に代えて樹脂部120をフィルム部材110の全領域にわたって設けたので、リジッド基板を用いないことによる装置210の軽量化が可能となる。また、第2実施形態と同様に、複数のIC140a,140b等を含むメインリジッド基板140上の主要回路における露出した領域をデッドスペースが少ないフレキシブルプリント基板としてのフィルム部材110で覆うように構成したので、主要回路のセキュリティを向上させることができる。
【0058】
なお、セキュリティ向上の観点から、第2及び第3実施形態において中央開口112は小さいことが望ましく、中央開口112は設けない構成であってもよい。第2、第3実施形態においては、接点取り回し及び樹脂使用量の削減を目的として開口部を設けている。開口部の有無および大きさについては、製品の機能確保と樹脂使用量節約によるコストダウン、軽量化目的の双方を勘案して設定することが好ましい。
【0059】
以上述べたように、第1から第3実施形態にかかる部品100の製造方法は、溶融樹脂をインサート成形金型30内に導くピンゲート15の先端部15aがインサート成形金型30の内面からキャビティ26側に突出するように配置するステップと、インサート材としてのフィルム部材110を準備するステップと、フィルム部材110に位置決め穴115を形成するステップと、ピンゲート15の先端部15aが位置決め穴115を貫通するようにフィルム部材110をインサート成形金型30内に配置するステップと、ピンゲート15を通じてインサート成形金型30内に溶融樹脂を供給するステップとを含むように構成した。このような構成の採用によって、フィルム部材110と樹脂部120とをインサート成形金型30内で一体形成することができるので、部品100を小型化できるほか、部品点数を削減し、部品100の製造時間や製造コストを削減することができる。また、使用材料のロスを低減して環境への負荷を低減することもできる。そして、通常の射出成形においてゲートを配置することにより生じるデッドスペースと、インサート材を位置決めする位置決め手段(本実施形態ではピンゲート15の先端部15a及び位置決め穴115)を配置することにより生じるデッドスペースを集約することができる。したがって、デッドスペースを抑制して機能面を確保し易い部品100の製造方法を提供することができる。そして、上記位置決め手段により、樹脂を充填する際にフィルム部材110が流れることを抑制することができるので、部品100の不良率を抑制することができる。
【0060】
また、第1から第3実施形態では、ピンゲート15の先端部15aは、インサート成形金型30のパーティングラインPLを越えて突出するように構成した。このような構成の採用によって、フィルム部材110をパーティングラインPLに沿わせて配置することでピンゲート15を位置決め穴115内に進入させて容易に位置決めすることができる。
【0061】
また、第1から第3実施形態にかかる部品100は、インサート材としてのフィルム部材110のインサート成形により形成された部品100であって、フィルム部材110と、フィルム部材110に沿って設けられた樹脂部120とを備え、フィルム部材110には穴(位置決め穴115)が設けられており、樹脂部120のフィルム部材110が配置されている側の面における穴に対応する面方向位置にはゲート痕が形成されるように構成した。このような構成の採用によって、フィルム部材110と樹脂部120とをインサート成形金型30内で一体形成することができるので、部品100を小型化できるほか、部品点数を削減し、部品100の製造時間や製造コストを削減することができる。また、使用材料のロスを低減して環境への負荷を低減することもできる。そして、部品100の製造時において、位置決め穴115を貫通したピンゲート15から溶融樹脂をキャビティ26内に射出して樹脂部120を形成することができるので、通常の射出成形においてゲートを配置することにより生じるデッドスペースと、インサート材を位置決めする位置決め手段(本実施形態ではピンゲート15の先端部15a及び位置決め穴115)を配置することにより生じるデッドスペースを集約することができる。したがって、デッドスペースを抑制して機能面を確保し易い部品100を提供することができる。
【0062】
また、第1から第3実施形態では、ゲート痕は、樹脂部120のフィルム部材110が配置されている側の面に形成された凹部125の底部125aに形成されるように構成した。このような構成の採用によって、部品100の製造時において、ピンゲート15がフィルム部材110を越えてキャビティ26側に突出させて樹脂部120を形成することができるので、フィルム部材110をピンゲート15により確実に位置決めできるとともに、ピンゲート15の先端部15aから射出された溶融樹脂の流れをスムーズにキャビティ26の周縁部まで行き渡らせることができる。
【0063】
また、第2又は第3実施形態にかかる装置200,210では、部品100と、回路要素(IC140a,140b)を搭載した回路基板(メインリジッド基板140)と
を備える装置200,210であって、フィルム部材110は、導電部を有するフレキシブルプリント基板として構成されており、回路基板における回路要素が露出した領域をフィルム部材110で覆うように構成した。このような構成の採用によって、機能面のデッドスペースが少なく導電部を有するフィルム部材110で回路要素が露出した領域を覆うように構成したので、回路要素の保安機能を向上させることができる。
【0064】
また、第2又は第3実施形態にかかる装置200,210では、部品100は、回路基板と電気的に接続するコネクタ113を有するように構成した。このような構成の採用によって、部品100と、メインリジッド基板140やサブリジッド基板141などの回路基板とを半田付けにより接合する必要がない。したがって、装置200,210の製造工数及び製造コストを抑制することができる。なお、第3実施形態では、サブリジッド基板141の機能を部品100のフィルム部材110が担うことができるので、リジッド基板の数量を削減して装置300の重量を減少させることができる。
【0065】
本開示を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成部に含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。本発明の範囲にはこれらも包含されるものと理解されたい。
【0066】
例えば、第1から第3実施形態では、部品100が略矩形形状を備えるものとして記載したが、この態様には限定されない。部品100は、略円形、略楕円形、多角形等様々な形状とすることができる。また、フィルム部材110と樹脂部120の面積割合や相対位置についても部品100の機能、装着方法等に応じて任意に定めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
フィルム部材110をインサート材とするインサート成形により、デッドスペースを抑制して機能面を確保し易い部品100の製造方法、部品100及びこれを用いた装置200,210を提供する。
【符号の説明】
【0068】
10 固定側型板
11a,11b 凸部
15 ピンゲート
15a 先端部
15b 基端部
20 可動側型板
22 凸部
26 キャビティ
30 インサート成形金型
40 ストリッパープレート
41 スプール
43 ランナー
50 固定側取付板
60 スペーサーブロック
62 エジェクタープレート
70 可動側取付板
80 射出成形機本体
100 部品
110 フィルム部材
110a 立設部
110b 水平部
111a,111b 開口部
112 中央開口
113 コネクタ
115 位置決め穴(穴)
120 樹脂部
120a 立設部
120b 水平部
125 凹部
125a 底部
140 メインリジッド基板(回路基板)
140a,140b IC(回路要素)
141 サブリジッド基板
200,210 装置
PL パーティングライン
図1A
図1B
図1C
図1D
図2
図3A
図3B
図3C
図4
図5