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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059037
(43)【公開日】2024-04-30
(54)【発明の名称】玩具セット
(51)【国際特許分類】
   A63H 33/42 20060101AFI20240422BHJP
【FI】
A63H33/42 B
【審査請求】有
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022166534
(22)【出願日】2022-10-17
(71)【出願人】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(72)【発明者】
【氏名】佐伯 麻有
(72)【発明者】
【氏名】庫本 有基子
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150BA17
2C150BB01
2C150CA20
2C150CA22
2C150EH06
2C150EH09
2C150EH16
(57)【要約】
【課題】所定のパーツに他のパーツをコーティングする際の操作を模擬して遊ぶことに適した玩具セットを提供する。
【解決手段】玩具セット10は、取付パーツ21~24と、取付パーツに着脱可能な被取付パーツ25~28と、被取付パーツ25~28を取付パーツ21~24に取り付け可能な取付姿勢に支持する支持部35が形成された台座体11と、を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取付パーツと、
前記取付パーツに着脱可能な被取付パーツと、
前記被取付パーツを前記取付パーツに取り付け可能な取付姿勢に支持する支持部が形成された台座体と、を有する玩具セット。
【請求項2】
請求項1に記載の玩具セットにおいて、
前記被取付パーツは対応する前記取付パーツの表面の少なくとも一部を覆う被覆凹部を構成し、前記取付パーツに設けられた第1の取付部に取付可能な第2の取付部を前記被覆凹部の内面に設けた、玩具セット。
【請求項3】
請求項2に記載の玩具セットにおいて、
前記第1の取付部は嵌合穴であり、前記第2の取付部は前記嵌合穴に嵌合する嵌合突起である、玩具セット。
【請求項4】
請求項3に記載の玩具セットにおいて、
前記嵌合突起の断面形状は略円形であり、前記嵌合穴は前記嵌合突起と点接触で保持可能な多角形である、玩具セット。
【請求項5】
請求項3に記載の玩具セットにおいて、
前記嵌合穴の開口端部に底部に向け小径となった内側傾斜面を設け、前記嵌合突起の先端部に基部に向けて大径となった外側傾斜面を設けた、玩具セット。
【請求項6】
請求項3に記載の玩具セットにおいて、
前記取付パーツの少なくとも一部に当接することで前記嵌合穴への前記嵌合突起の挿入距離を所定の距離に規制する規制部を前記被取付パーツに設けた、玩具セット。
【請求項7】
請求項2に記載の玩具セットにおいて、
前記支持部は、被取付パーツを前記取付パーツに取り付けるときに、前記被取付パーツの前記被覆凹部の外面を支持する凹面部を有する、玩具セット。
【請求項8】
請求項7に記載の玩具セットにおいて、
前記取付パーツおよび前記被取付パーツは、大きさの異なる複数の組合せを含んで構成され、
前記凹面部は、大型の被取付パーツを支持する第1の凹面部と、前記第1の凹面部に連なって設けられ、前記大型の被取付パーツよりも小さいサイズの小型の被取付パーツを支持する第2の凹面部とを有する、玩具セット。
【請求項9】
請求項8に記載の玩具セットにおいて、
前記取付パーツに玩具使用者により把持される把持棒を設け、前記台座体に前記把持棒が挿入して保持される複数の保持穴を設けた、玩具セット。
【請求項10】
請求項9に記載の玩具セットにおいて、
前記台座体は、前記凹面部が開口する支持領域と、前記保持穴が開口する保持領域とを有し、
前記保持領域を前記支持領域よりも高い位置に形成した、玩具セット。
【請求項11】
請求項10に記載の玩具セットにおいて、
複数の保持領域を相互に高さを相違させて前記台座体に設けた、玩具セット。
【請求項12】
請求項1に記載の玩具セットにおいて、
前記取付パーツはフルーツを模した形状のパーツであり、前記被取付パーツはフルーツの表面にコーティングされる飴またはチョコレートからなるソースを模した形状のパーツである、玩具セット。
【請求項13】
請求項1に記載の玩具セットにおいて、
前記被取付パーツの外面に絵模様を施した、玩具セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品等を作る工程を模擬して遊ぶための玩具セットに関する。
【背景技術】
【0002】
食品を模擬した玩具としては、特許文献1に記載のようなディッシャーを用いてアイスクリームを容器等に写す操作を模擬して遊ぶことができるアイスクリーム玩具が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平2―58500号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、祭りの際の屋台や露店においては、チョコレートバナナや飴リンゴ等のように、フルーツ等の食品の少なくとも一部に、粘着性や流動性を有するソース類をコーティングした複合食品が販売され、子供達にも人気を博している。近年においては、屋台や露店のみならず、常設の専門店も開店されるようになっており、これらの複合食品が広く販売されるようになっている。
【0005】
しかしながら、チョコレートバナナ等のように、フルーツの外面の少なくとも一部にチョコレートや飴等の液状ないし粘着性の付加食品であるソースをコーティングする操作を模擬する場合に、その模擬操作に適した玩具セットを構成することが望まれる。
【0006】
本発明の目的は、所定のパーツに他のパーツをコーティングする際の操作を模擬して遊ぶことに適した玩具セットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の玩具セットは、取付パーツと、前記取付パーツに着脱可能な被取付パーツと、前記被取付パーツを前記取付パーツに取り付け可能な取付姿勢に支持する支持部が形成された台座体と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
この玩具セットは、被取付パーツを台座体の支持部に支持した状態で取付パーツを被取付パーツに装着することができ、取付パーツに被取付パーツをコーティングする操作を模擬した遊びに適している。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】一実施の形態である玩具ユニットを示す斜視図である。
図2】リンゴを模擬した取付パーツと飴を模擬した被取付パーツとを示す斜視図であり、(A)は取付パーツと被取付パーツとが分離した状態を示し、(B)は取付パーツに被取付パーツが装着された状態を示す。
図3】バナナを模擬した取付パーツとチョコレートを模擬した被取付パーツとを示す斜視図であり、(A)は取付パーツと被取付パーツが分離した状態を示し、(B)は取付パーツに被取付パーツが装着された状態を示す。
図4】イチゴを模擬した取付パーツと飴を模擬した被取付パーツとを示す斜視図であり、(A)は取付パーツと被取付パーツとが分離した状態を示し、(B)は取付パーツに被取付パーツが装着された状態を示す。
図5】ぶどうを模擬した取付パーツと飴を模擬した被取付パーツとを示す斜視図であり、(A)は取付パーツと被取付パーツとが分離した状態を示し、(B)は取付パーツに被取付パーツが装着された状態を示す。
図6図1に示された台座体を示す斜視図である。
図7図6におけるA-A線に沿う拡大断面図である。
図8】台座体に支持された状態の図2に示された被取付パーツに向けて、取付パーツを接近させている状態を示す断面図である。
図9】台座体に支持された状態の図3に示された被取付パーツに向けて、取付パーツを接近させている状態を示す断面図である。
図10図8に示した被取付パーツの内面を示す斜視図である。
図11】(A)は図10に示した被取付パーツに向けて取付パーツを接近させている状態を示す断面図であり、(B)は取付パーツの第1の取付部に被取付パーツの第2の取付部を取り付けた状態を示す断面図である。
図12】第2の取付部としての嵌合突起に第1の取付部としての嵌合穴が嵌合した状態における嵌合突起と嵌合穴を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1に示す玩具セット10は、台座体11と、4つの取付パーツ21~24と、それぞれに対応して装着された被取付パーツ25~28とを示している。図1においては、被取付パーツ25~28が装着された状態でそれぞれの取付パーツ21~24が台座体11に支持されている。取付パーツ21~24および被取付パーツ25~28は、それぞれ樹脂材料により成形されている。
【0011】
取付パーツ21~24および被取付パーツ25~28は、それぞれ、食べ物または食べ物の一部を模した形象物である。具体的には、取付パーツ21は、図2に示されるように、リンゴを模擬、つまり模した模型部材であり、取付パーツ21に対応して装着される被取付パーツ25は、粘液状の水飴を模擬した模型部材である。また、図2(B)に示すように、取付パーツ21に被取付パーツ25が装着された状態は、粘液状を有する飴をリンゴにーティングした状態のりんご飴を模擬しており、被取付パーツ25は取付パーツ21の少なくとも一部を覆う被覆凹部を構成している。リンゴを模擬した取付パーツ21には、リンゴのへたに相当する部分を上向きとして、下側には玩具使用者により把持される把持棒31が下方に延在して設けられている。
【0012】
被取付パーツ25は取付パーツ21に着脱可能となっており、被取付パーツ25の内側に取付パーツ21を挿入すると、被取付パーツ25は取付パーツ21に装着される。一方、被取付パーツ25と取付パーツ21の一方を他方から引き離すことにより、容易に被取付パーツ25と取付パーツ21とを分離することができる。
【0013】
取付パーツ22は、図3に示されるように、バナナを模擬した模型部材であり、取付パーツ22に装着される被取付パーツ26はチョコレートを模擬した模型部材である。図3(B)に示されるように、取付パーツ22に被取付パーツ26が装着された状態は、流動性を有するチョコレートをバナナの外面にコーティングしてバナナが固まった状態のチョコレートバナナを模擬しており、被取付パーツ26は取付パーツ22の少なくとも一部を覆う被覆凹部を構成している。被取付パーツ26の外面には、図3に示されるように、キャラクターなどの顔が絵模様として描かれていてもよい。バナナを模擬した取付パーツ22はほぼ真っ直ぐな上端部に対して下端部が湾曲しており、湾曲部には玩具使用者により把持される把持棒32が下方に延在して設けられている。バナナを模擬した取付パーツ22はリンゴを模擬した取付パーツ21よりも被取付パーツ26が装着される部分のサイズが小型である。被取付パーツ26も被取付パーツ25と同様に取付パーツ22に対して着脱可能となっている。
【0014】
被取付パーツ25の外面にも、被取付パーツ26と同様に、絵模様が施されているが、図2に示されるように、絵模様は図示省略されている。
【0015】
取付パーツ23は、図4に示されるように、イチゴを模擬した模型部材であり、2つのイチゴが隣接して配置されている。取付パーツ23の先端部、つまり2つのイチゴのうちの先端側のイチゴに装着される被取付パーツ27は、被取付パーツ26と同様に粘液状の水飴を模擬した模型部材である。図4(B)に示すように、取付パーツ23に被取付パーツ27が装着された状態は、粘液状を有する飴を先端側のイチゴにコーティングした状態のイチゴ飴を模しており、被取付パーツ27は取付パーツ23の少なくとも一部を覆う被覆凹部を構成している。被取付パーツ27の外面にも、絵模様が施されるようになっているが、絵模様は図示省略されている。連結された2つのイチゴを模擬した取付パーツ23には、先端側のイチゴを上向きとして、後端側のイチゴには下方に延在して把持棒33が設けられている。
【0016】
取付パーツ24は、図5に示されるように、ブドウを模擬した模型部材であり、2つのブドウが延在されている。取付パーツ24の先端部、つまり2つのブドウのうちの先端部側のブドウに装着される被取付パーツ28は、被取付パーツ26、27と同様に粘液状の水飴を模擬した模型部材である。図5(B)に示すように、取付パーツ24に被取付パーツ28が装着された状態は、粘液状を有する飴を先端側のブドウにコーティングした状態のブドウ飴を模しており、被取付パーツ28は取付パーツ24の少なくとも一部を覆う被覆凹部を構成している。被取付パーツ28の外面にも、絵模様が施されるようになっているが、絵模様は図示省略されている。連結された2つのブドウを模した取付パーツ24には、上述した取付パーツ21、22および23と同様に先端側のブドウを上向きとして、後端側のブドウに把持棒34が下方に延在して設けられている。
【0017】
3つの取付パーツ22、23、24の幅方向つまり横方向のサイズは、相互にほぼ同一であり、取付パーツ21よりも小さく設定されている。被取付パーツ26、27、28の横方向のサイズは相互にほぼ同一である。被取付パーツ25の横方向のサイズは他の被取付パーツ26、27,28よりも大型であり、玩具セット10は、大型の被取付パーツ25とこれよりも小さいサイズの3つの小型の被取付パーツ26~28とを含んでいる。
【0018】
フルーツを模擬した取付パーツとしては、上述したものに限られることなく、輪切りにしたバナナとイチゴとを串刺ししたフルーツの表面に飴をコーティングした食品を模擬したり、ミカンの房を複数個串刺ししたフルーツの表面に飴をコーティングした食品を模擬したりすることもできる。
【0019】
台座体11は、図6に示されるように、左右の側壁12、13、前壁14および後壁15を有し、全体的にほぼ直方体形状に樹脂材料により成形されている。前壁14の高さは後壁15よりも低く設定されており、側壁12、13の上辺は前壁14側から後壁15側に向けて上向きに傾斜している。台座体11には水平の台板が設けられており、台板は前側から後側に向けて支持領域16と、2つの保持領域17、18とを有している。前側の保持領域17は支持領域16よりも高く設定され、後側の保持領域18は前側の保持領域17よりも高く設定されている。このように、台座体11の台板には、支持領域16よりも高い位置に形成された複数の保持領域17、18が設けられ、2つの保持領域17、18は相互に高さが相違し、支持領域16に近い方が低く、遠い方が高く設定されている。
【0020】
最も低い位置の支持領域16が設けられた部分は、台座体11の前側と定義され、また、台座体11についての前後左右および上下は、台座体11が図1および図6に示されるように、それぞれの支持領域16と保持領域17、18が上側を向いて水平面となった使用状態を基準として定義される。また、それぞれの取付パーツ21~24の上下方向および左右方向は、図1に示されるように、台座体11に保持された状態を基準として定義される。
【0021】
支持領域16と保持領域17との境界部には、仕切り壁19が左右方向に延びて設けられ、保持領域17とこれよりも後側の高い保持領域18との境界部には、仕切り壁20が左右方向に延びて設けられている。それぞれの仕切り壁19、20の上辺は、波形となっている。なお、前壁14と後壁15の上辺を、仕切り壁19、20の上辺に対応させて波形に形成してもよい。
【0022】
2つの保持穴41、42が保持領域17に設けられており、両方の保持穴41、42は台座体11の左右方向にずれている。同様に、2つの保持穴43,44が保持領域18に設けられており、両方の保持穴43、44は台座体11の左右方向にずれている。それぞれの保持穴41~44には、玩具使用者により把持されるようにそれぞれの取付パーツ21~24に設けられた把持棒31~34が挿入される。図1においては、把持棒31が保持穴41に挿入され、把持棒32が保持穴42に挿入され、把持棒33が保持穴43に挿入され、把持棒34が保持穴44に挿入された状態を示す。このように、台座体11は取付パーツ21~24を支持するための台座部材を構成している。
【0023】
被取付パーツ25~28が装着された状態における被取付パーツ25~28を含めた取付パーツ21~24の高さは、ほぼ同一の高さとなるように設定され、それぞれの保持穴41~44の深さは同一である。したがって、図1に示されるように、保持穴43、44に挿入された後側の取付パーツ23、24の高さは、保持穴41、42に挿入された前側の取付パーツ21、22の高さよりも高くなるので、図1に示されるように、全ての保持穴41~44に取付パーツ21~24を配置した状態においては、後側の被取付パーツ27、28を台座体11の正面側から確実に目視観察することができる。4つの取付パーツ21~24の把持棒31~34をどの位置の保持穴41~44に挿入するかは、玩具使用者により任意に設定される。どの取付パーツの把持棒がいずれの保持穴に挿入されても、全ての保持穴に取付パーツが挿入されると、4つの取付パーツの上下高さは、図1に示されるように、全ての被取付パーツ25~28を台座体11の正面側から容易に目視観察することができる。
【0024】
台座体11の支持領域16には、図6および図7に示されるように、被取付パーツを支持するための支持部35が設けられており、支持部35に支持される全ての被取付パーツは取付パーツに取り付け可能な取付姿勢に支持される。支持部35は、支持領域16に開口して被取付パーツ25~28のいずれをもそれぞれの外面で支持する凹面部36を有している。凹面部36は、大型の被取付パーツ25を支持する第1の凹面部37と、小型の被取付パーツ26~28の何れをも支持する第2の凹面部38とを有している。第1の凹面部37は支持領域16に開口し、第2の凹面部38は第1の凹面部37の底部に開口して第1の凹面部37に連なっている。
【0025】
図8は第1の凹面部37に被取付パーツ25が支持された状態の台座体11を示す。被取付パーツ25は、他の被取付パーツ26~28に比して横方向の寸法が大きく設定されており、取付パーツ25に形成された頂部突起45は、テーパ形状の側壁部45aと側壁部45aの端部に設けられた端壁部45bとを備えている。頂部突起45のサイズは凹面部38で構成される空間内に配置可能な大きさに設定されている。
【0026】
被取付パーツ25を凹面部37に配置すると、被取付パーツ25の外面は一部のみが凹面部37に接触し、頂部突起45は凹面部38内に配置される。被取付パーツ25と凹面部37との間には部分的に僅かな隙間が設けられており、被取付パーツ25の外面全体が凹面部37に密着しないようになっている。これにより、被取付パーツ25は下端部を中心に揺動可能となって凹面部37に支持される。この状態のもとで、対応する取付パーツ21を被取付パーツ25の内部に挿入すると、被取付パーツ25は取付パーツ21に組み合わせられる。上述のように、被取付パーツ25は凹面部37に揺動可能に支持されているので、取付パーツ21の先端を下側として把持棒31を支持して取付パーツ21を被覆凹部である被取付パーツ25の内側に挿入するときに、取付パーツ21が傾いていてもその傾きに被取付パーツ25が追従するので、容易に取付パーツ21を被取付パーツ25に挿入することができる。被取付パーツ25を大きい角度で傾けると、頂部突起45が凹面部38に接触して傾き角度が規制される。なお、被取付パーツ25に頂部突起45を設けることなく、被取付パーツ25を全体的に略半球面形状としてもよい。すなわち、頂部突起45に関しての構成は、略半球形状として形成された被取付パーツ25にも適用可能である。
【0027】
図9は第2の凹面部38に被取付パーツ26が支持された状態の台座体11を示す。被取付パーツ26は、外面の一部のみが凹面部38に接触し、被取付パーツ26と凹面部38との間には部分的に僅かな隙間が存在しており、被取付パーツ26の外面全体が凹面部38に密着しないようになっている。これにより、被取付パーツ26は下端部を中心に揺動可能となって凹面部38に支持される。
【0028】
3つの被取付パーツ26~28は、サイズがほぼ同一となっており、凹面部38には、被取付パーツ26のみならず、他の被取付パーツ27、28を揺動可能に支持することができる。
【0029】
図10は被取付パーツ25の内面を示す斜視図である。図11(A)は図10に示した被取付パーツ25に向けて取付パーツ21を接近させている状態を示す断面図であり、図11(B)は取付パーツ21の第1の取付部としての嵌合穴に、被取付パーツ25の第2の取付部としての嵌合突起を嵌合させた状態を示す断面図である。
【0030】
図10は被覆凹部を構成する被取付パーツ25の頂部突起45の内面が示されており、樹脂成形により被取付パーツ25は一体に成形されている。これに対して、取付パーツ21は2つのパーツ半体21aを突き合わせることにより組み立てられている。図11においては取付パーツ21を構成する2つのパーツ半体21aの一方が示されており、このパーツ半体21aには突き当て面46とこれに対して僅かにずれた段差面47とが形成されている。図11に示すパーツ半体21aの突き当て面46と段差面47とに図示しない他のパーツ半体を組み合わせることにより、取付パーツ21が形成される。2つのパーツ半体を組み合わせるために、それぞれのパーツ半体21aにはねじ部材が取り付けられるスリーブ50が設けられている。
【0031】
取付パーツ21を構成するパーツ半体21aには、ホルダー部48が設けられており、連結部材49がホルダー部48に装着されている。連結部材49はホルダー部48に挿入される基部51と基部51に一体となった筒部52とを備えており、基部51は2つのパーツ半体21aのホルダー部48に保持される。
【0032】
取付パーツ21に取り付けられた筒部52には、第1の取付部としての嵌合穴53が設けられている。一方、被取付パーツ25の頂部突起45の内面には、嵌合穴53に取付可能な第2の取付部としての嵌合突起54が設けられており、嵌合突起54は図11(B)に示されるように、嵌合穴53に嵌合する。嵌合突起54には肉盗みと軽量化のために底付き穴55が設けられ、底付き穴55は嵌合突起54の先端面に開口している。嵌合穴53の開口端部に嵌合穴53の底部に向けて小径となるように傾斜した内側傾斜面56が設けられ、嵌合突起54の先端部には基部つまり頂部突起45の端壁部45bに向けて大径となるように傾斜した外側傾斜面57が設けられている。これにより、嵌合突起54が嵌合穴53内に挿入されるときに、嵌合突起54が嵌合穴53に対して真っ直ぐとなっておらず、傾斜していても、容易に嵌合穴53の中に嵌合突起54が入り込むので、被取付パーツ25を容易に取付パーツ21に取り付けることができる。
【0033】
内側傾斜面56と外側傾斜面57はそれぞれ断面が円弧状となったいわゆるR面により形成されているが、真っ直ぐな傾斜面つまりテーパ面としてもよい。また、第1の取付部を嵌合突起とし、第2の取付部を嵌合穴としてもよい。ただし、第1の取付部を嵌合穴とし、第2の取付部を嵌合突起とした場合の方が、取付パーツ21の外観への影響が少ないために望ましい。
【0034】
図10に示すように、嵌合突起54の基部側つまり頂部突起45には径方向外方に突出するストッパつまり規制部58が4つ設けられている。規制部58は、嵌合突起54を嵌合穴53に挿入するときに、取付パーツ21の少なくとも一部に当接し、嵌合突起54の嵌合穴53への挿入距離を所定の距離に規制する。図11(B)は、嵌合穴53が形成された筒部52の先端面に規制部58が当接した状態を示しており、このときには、取付パーツ21の外面に被取付パーツ25の内面の全体が接触することなく、取付パーツ21の内面の少なくとも一部は、被取付パーツ25から離間した状態となる。これにより、取付パーツ21に取り付けられた状態の被取付パーツ25を容易に取付パーツ21から取り外すことができる。図11(B)において符号59は隙間を示す。
【0035】
図12は嵌合穴53に嵌合突起54が嵌合した状態における嵌合突起54と嵌合穴53とを示す断面図である。
【0036】
筒部52に形成された嵌合穴53は断面が略六角形となっており、嵌合突起54の外周面の断面形状は略円形である。したがって、嵌合穴53内に挿入された嵌合突起54は嵌合穴53の内面全体に接触することなく、点接触で嵌合穴53に保持可能になり、嵌合突起54と嵌合穴53との間には図12に示されるように隙間が形成される。これにより、被取付パーツ25の取付パーツ21に対する着脱を容易に行うことができる。
【0037】
図12においては、取付パーツ21を構成するパーツ半体21aとこれに組み合わせられるパーツ半体21bとの2つのパーツ半体の一部が示されており、パーツ半体21aの突き当て面46は他のパーツ半体21bの段差面47に突き当てられる。取付パーツ21には連結部材49の筒部52が貫通する貫通穴60が形成されている。図11に示した連結部材49の構造は、他の取付パーツ22~24においても同様である。さらに、嵌合突起54および規制部58の構造は、他の被取付パーツ26~28においても同様である。図10および図12に示されるように被取付パーツ25には複数の通気孔61が設けられており、他の被取付パーツ26~28についても通気孔が設けられている。
【0038】
図11は取付パーツ21に設けられた第1の取付部としての嵌合穴53と、被取付パーツ25に設けられた第2の取付部としての嵌合突起54とを示すが、他の取付パーツ22~24にも同様に嵌合穴53が設けられ、他の被取付パーツ26~28にも同様に嵌合突起54が設けられている。それぞれの取付パーツに設けられる嵌合穴53の断面形状としては、略六角形に限られることはなく、略円形とすることも可能である。ただし、六角形などの多角形とすれば、嵌合突起54は嵌合穴53に点接触するので、取付パーツに対する被取付パーツの着脱を容易に行うことができる。
【0039】
上述の玩具セット10においては、例えば、図6に示されるように、台座体11に取付パーツ21~24が取り付けられていない状態のもとで、リンゴにコーティングされる飴を模擬した被取付パーツ25を台座体11に設けられた支持部35に配置する。被取付パーツ25は、図8に示されるように、頂部突起45を下向きとして支持部35を構成する第1の凹面部37に支持される。この状態のもとで、リンゴを模した取付パーツ21を、先端部を下側に向けて被覆凹部を構成する被取付パーツ25に挿入すると、被取付パーツ25は取付パーツ21に取り付けられる。これにより、玩具セット使用者は、リンゴに飴をコーティングする操作を模擬する遊びを行うことができる。被取付パーツ25が取り付けられた取付パーツ21は、台座体11に設けられた複数の保持穴41~44のいずれかに立て掛けた状態で保持することができる。これにより、玩具使用者はリンゴ飴を模擬した遊びを楽しむことができる。
【0040】
一方、バナナにコーティングされるチョコレートを模擬した被取付パーツ26を台座体11に設けられた支持部35に配置する。被取付パーツ26は、図9に示されるように、支持部35を構成する第2の凹面部38に支持される。この状態のもとで、バナナを模した取付パーツ22を、先端部を下側に向けて被覆凹部を構成する被取付パーツ26に挿入すると、被取付パーツ26は取付パーツ22に取り付けられる。取付パーツ22に被取付パーツ26を取り付ける取付部の構成に関しては、取付パーツ21に被取付パーツ25を取り付ける取付部の構成として上述した構成と同様である。これにより、玩具セット使用者は、バナナにチョコレートをコーティングする操作を模擬する遊びを行うことができる。被取付パーツ26が取り付けられた取付パーツ22は、台座体11に設けられた複数の保持穴41~44のいずれかに立て掛けた状態で保持することができる。これにより、玩具使用者はチョコレートバナナを模擬した遊びを楽しむことができる。
【0041】
同様にして、イチゴにコーティングされる飴を模擬した被取付パーツ27に取付パーツ23を取り付けると、イチゴに飴をコーティングする操作を模擬して遊ぶことができる。また、ブドウにコーティングされる飴を模擬した被取付パーツ28に取付パーツ24を取り付けるとブドウに飴をコーティングする操作を模擬して遊ぶことができる。それぞれの取付パーツに対応する被取付パーツを取り付ける際には、内側傾斜面56と外側傾斜面57との接触により、取付操作を容易に行うことができる。
【0042】
それぞれ対応する被取付パーツ25~28が取り付けられた4種類の取付パーツ21~24を台座体11に立てた状態に配置すると、図1のようになる。台座体11に複数種類の取付パーツを立て掛けられるようにすると、祭りの際の屋台や露店を想起させ、遊びの楽しさをより高めることができる。また、この玩具セット10は単体として遊ぶこともできるとともに、ヨーヨー吊りセットと組み合わせて使用することもでき、その場合には祭りの際の屋台や露店をより強く想起させることができる。
【0043】
上述した玩具セット10は、大型の被取付パーツ25とこれよりも小型の被取付パーツ26~28を有しており、取付パーツと被取付パーツは大きさの異なる複数の組合せを含んでいるが、全ての被取付パーツの大きさを同一に設定してもよい。全ての被取付パーツの大きさを同一にした場合には、被取付パーツを支持するための凹面部のサイズを一種類とすることができる。また、取付パーツの数も4種類に限られることなく、1種類を含めて何種類としてもよい。ただし、玩具セット10のように、取付パーツと被取付パーツとに大きさの異なる複数の組合せを含ませると、遊ぶの楽しさを高めることができる。
【0044】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、上述した取付パーツ21~24は、いずれもリンゴやバナナ等のフルーツを模擬した模型部材であり、被取付パーツ25~28はチョコレートや飴からなるソースを模擬した模型部材である。しかし、これらに限られず、ソースを付けた串カツや、チーズをつけたパンなどの食品のように、フルーツ以外の食品とその表面にコーティングされる付加食品とからなる食品を模擬した模型部材にも適用することができる。さらに、2つの部材を組み合わせるようにした複合部材であれば、取付パーツとしてはフルーツ等の食品に限られず、被取付パーツとしてはソース等のコーティング部材に限られない。
【符号の説明】
【0045】
10 玩具セット
11 台座体
12、13 側壁
14 前壁
15 後壁
16 支持領域
17、18 保持領域
21~24 取付パーツ
25~28 被取付パーツ
31~34 把持棒
35 支持部
37 第1の凹面部
38 第2の凹面部
41~44 保持穴
45 頂部突起
45a 側壁部
45b 端壁部
48 ホルダー部
49 連結部材
51 基部
52 筒部
53 嵌合穴
54 嵌合突起
56 内側傾斜面
57 外側傾斜面
58 規制部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12