(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059050
(43)【公開日】2024-04-30
(54)【発明の名称】ウォーキングスピードコントロールシステム、プログラム
(51)【国際特許分類】
G05D 1/43 20240101AFI20240422BHJP
B25J 5/00 20060101ALI20240422BHJP
B25J 13/00 20060101ALI20240422BHJP
【FI】
G05D1/02 P
B25J5/00 A
B25J13/00 Z
G05D1/02 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022176626
(22)【出願日】2022-11-02
(31)【優先権主張番号】P 2022166242
(32)【優先日】2022-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】591280485
【氏名又は名称】ソフトバンクグループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】孫 正義
【テーマコード(参考)】
3C707
5H301
【Fターム(参考)】
3C707CS08
3C707JS02
3C707KS11
3C707KS36
3C707KS39
3C707KT03
3C707LT08
3C707LU01
3C707LV02
3C707WA16
3C707WL07
5H301AA01
5H301AA10
5H301BB14
5H301CC03
5H301CC06
5H301DD01
5H301DD06
5H301DD07
5H301DD15
5H301FF11
5H301GG07
5H301GG08
5H301GG09
5H301GG10
5H301GG16
5H301GG17
5H301HH01
5H301JJ01
5H301KK02
5H301KK03
5H301KK08
5H301KK19
5H301LL02
(57)【要約】
【課題】少なくとも予め作業遂行情報がプログラムされたロボットを含む作業環境において、作業環境の領域での全体の移動をシンクロさせ、全体の移動の混乱を抑制する。
【解決手段】スピーカ70から、所定の音楽を流すことで、異なる制御プログラムで動作するロボットや、新規参入のロボットに対して、シンクロさせるプログラミングをせず、参入したロボットが独自でテンポ及びリズムを受信し、シンクロすることができる。ピッキングスタッフが人型ロボット1のみの状況から、ピッキングスタッフに人間ワーカー52が加わり、当該人間ワーカー52と人型ロボット1とが混在する状況にあった場合に、スピーカ70から流れる所定の音楽によって、人間ワーカー52が音楽に合わせて同調し、これに人型ロボット1と同調することで、フロア50全体として、調和の取れた移動となり、ランダムに移動する場合よりも、干渉が回避される。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも複数のロボットが、所定の領域内を移動して作業を遂行するときの、前記複数のロボットの移動速度を制御するスピードコントロールシステムであって、
前記複数のロボットが各々、音楽情報を集音する集音デバイスを備え、前記集音デバイスで集音した音楽情報のテンポ及びリズムに同期する第1移動速度で移動させる同期制御部と、
前記所定の領域内で、前記作業を遂行する人間ワーカーを検知した場合に、前記音楽情報に同調して移動する前記人間ワーカーの第2移動速度を演算し、前記同期制御部で前記複数のロボットの間で同期させるための第1移動速度を、当該演算した前記第2移動速度に基づいて調整する調整部と、
を有するスピードコントロールシステム。
【請求項2】
前記音楽情報は、基礎となる楽曲に設定された通常のテンポよりも速いテンポで出力させる、請求項1記載のスピードコントロールシステム。
【請求項3】
前記同期制御部が、
前記複数のロボットが同期して移動するときの前記第1移動速度の周期が、前記第2移動速度の周期の1/整数となるように調整する、請求項1記載のスピードコントロールシステム。
【請求項4】
コンピュータを、
請求項1~請求項3の何れか1項記載のスピードコントロールシステムの前記同期制御部、前記調整部として機能させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ウォーキングスピードコントロールシステム、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、倉庫のピッキング、工場での製造(部品組み立て)、パッキング作業等(以下、ピッキング作業等という)において、各作業員は異なるスピードで作業を行なっている。
【0003】
倉庫のピッキング作業等は、国、地域を含む作業拠点、作業拠点に設けられた企業、倉庫等の施設、施設のフロア毎、及び、作業時間帯(日時)毎(以下、総称して作業環境という)でも、作業者の平均ウォーキングスピードは異なる。
【0004】
これは、特定のフロアの平均ワーカーの身長や作業時間帯による多忙さが異なることが一因であり、ピッキング作業にかかる平均時間が異なるからである。
【0005】
このような作業環境の中に、自動制御されるロボットが導入される場合がある、ロボットは、作業者(人間ワーカー)と混在し、それぞれの役割を果たすために、移動することになる。
【0006】
例えば、特許文献1には、工場の生産ラインにおいて、作業を自動で行うための人型ロボットの姿勢制御について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、同一の作業環境の領域に、人間ワーカーとロボットがミックスされると、人間ワーカーを含み、全体の移動に混乱が生じる。また、人間ワーカーはおらず、ロボットのみ作業環境においても、移動スピートが異なる複数種類のロボットがミックスされた場合にも、全体の移動に混乱が生じる。
【0009】
本開示は上記事情に鑑みなされたものであり、少なくとも予め作業遂行情報がプログラムされたロボットを含む作業環境において、作業環境の領域での全体の移動をシンクロさせ、全体の移動の混乱を抑制することができるウォーキングスピードコントロールシステム、プログラムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示によるウォーキングスピードコントロールシステムは、少なくとも複数のロボットが、所定の領域内を移動して作業を遂行するときの、前記複数のロボットの移動速度を制御するスピードコントロールシステムであって、前記複数のロボットが各々、音楽情報を集音する集音デバイスを備え、前記集音デバイスで集音した音楽情報のテンポ及びリズムに同期する第1移動速度で移動させる同期制御部と、前記所定の領域内で、前記作業を遂行する人間ワーカーを検知した場合に、前記音楽情報に同調して移動する前記人間ワーカーの第2移動速度を演算し、前記同期制御部で前記複数のロボットの間で同期させるための第1移動速度を、当該演算した前記第2移動速度に基づいて調整する調整部と、を有している。
【0011】
本開示によれば、通常は、所定の領域(フロア等)内で流れる音楽情報に対して複数のロボットが同調しているが、人間ワーカーの参入時、複数のロボットは、音楽に同調する人間ワーカーの移動速度に合わせて移動する。
【0012】
これにより、少なくとも予め作業遂行情報がプログラムされたロボットを含む作業環境において、作業環境の領域での全体の移動をシンクロさせ、全体の移動の混乱を抑制することができる。
【0013】
本開示において、前記音楽情報は、基礎となる楽曲に設定された通常のテンポよりも速いテンポで出力させることを特徴としている。
【0014】
作業効率の向上のために、音楽情報を、例えば1.2倍等にテンポアップする。人間ワーカー同士のテンポ及びリズムが合えば、全体的に人間ワーカーの移動速度を増速して、効率の向上を図ることができる。
【0015】
本開示において、前記同期制御部が、前記複数のロボットが同期して移動するときの前記第1移動速度の周期が、前記第2移動速度の周期の1/整数となるように調整する。
【0016】
ロボット同士の間では高速移動が可能であり、人間ワーカーと共存したときも、テンポの周期が一致していれば、例えば、ロボットの移動速度(作業速度):人間の移動速度(作業速度)=10:1でも干渉が少ない。
【0017】
また、所定の領域内が、ロボットのみである場合は、増速度合いを人間ワーカーとの混在のときよりも、さらに増速することができる。この場合、異なるプログラミングで制御される複数種類のロボットが存在していても、同じテンポ及びリズムに合わせて移動させることで、ロボット間の干渉も回避することができる。
【0018】
本開示によるプログラムは、コンピュータを、上記のウォーキングスピードコントロールシステムの前記同期制御部、前記調整部として機能させることを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】第1の実施の形態に係るピッキング作業が行われる倉庫のフロアの平面図である。
【
図2】第1の実施の形態に係る人型ロボットの正面図である。
【
図3】人型ロボットの機能構成の一例を概略的に示す図である。
【
図4】第1の実施の形態に係るウォーキングスピードコントロールシステムで実行される、人型ロボット側作業遂行制御ルーチンを示すフローチャートである。
【
図5】第1の実施の形態に係るウォーキングスピードコントロールシステムで実行される、管理制御装置側制御ルーチンを示すフローチャートである。
【
図6】第1の実施の形態に係るウォーキングスピードコントロールシステムで実行される、管理制御装置側制御ルーチンの変形例を示すフローチャートである。
【
図7】第2の実施の形態に係るピッキング作業が行われる倉庫のフロアの平面図である。
【
図8】(A)は第2の実施の形態に係る管理制御装置で実行される制御ルーチンを示すフローチャート、(B)は第2の実施の形態に係る人型ロボットで実行される作業遂行制御ルーチンを示すフローチャートである。
【
図9】第1の実施の形態及び第2の実施の形態における人型ロボットの情報処理装置として機能するコンピュータハードウェアの一例を概略的に示す図である。
【
図10】第2の実施の形態に係る実施例であり、複数のアプリケーション行動をシンクロナイズドさせるときのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0021】
(第1の実施の形態)
【0022】
図1は、第1の実施の形態に係るピッキング作業が行われる倉庫のフロア50の平面図である。
【0023】
ピッキング作業とは、必要な品物を集める(ピックアップする)仕事のことである。ピッキングスタッフ(人間ワーカー52、人型ロボット1を含む)は、倉庫内の品物を出荷するために欠かせない役割を持つため、あらゆるジャンルの倉庫に配置される。
【0024】
例えば、予め指示されたリストや注文書を基に、指定の品物を集め、まとめたものを検品担当者や梱包担当者へと受け流していくのが主な仕事であり、倉庫規模が大きいほど、保管されている品物の種類や数も膨大で、そのため、多数のピッキングスタッフがフロア50内を移動することになる。
【0025】
図1に示されるフロア50には、複数の棚54が設置され、各棚54の間、フロア50と棚54との間は、それぞれピッキングスタッフの移動通路56となっている。
【0026】
図1では、フロア50で作業するピッキングスタッフは、人間ワーカー52と人型ロボット1とが混在している状況を図示している。言い換えれば、ピッキングスタッフが人間ワーカー52のみの状況、及びピッキングスタッフが人型ロボット1のみの状況もあり得る。以下では、作業当初は、ピッキングスタッフが人型ロボット1のみの状況であったが、作業途中で、ピッキングスタッフが人間ワーカー52と人型ロボット1とが混在した状況となったものとして説明する。
【0027】
ピッキングスタッフの作業(フロア50内の移動)は、フロア50を管理する管理制御装置58によって管理されている。管理制御装置58は、本発明の制御部として機能する。
【0028】
図1に示される如く、管理制御装置58は、マイクロコンピュータ60を備えている。マイクロコンピュータ60は、CPU(Central Processing Unit)60A、RAM(Random Access Memory)60B、ROM(Read Only Memory)60C、入出力部(I/O)60D、及びこれらを接続するデータバスやコントロールバス等のバス60Eで構成されている。I/O60Dには、記録媒体62が接続されている。
【0029】
また、I/O60Dには、人間ワーカー52が所持する携帯端末64との間で作業情報を送受信する対人間ワーカー用送受信部66、人型ロボット1の制御系との間で作業情報を含む動作制御情報を送受信する対ロボット用送受信部68とが接続されている。
【0030】
さらに、I/O60Dには、スピーカ70が接続されている(詳細後述)。
【0031】
人間ワーカー52は、フロア50を管理する管理制御装置58から、リストや注文書の情報を、携帯端末64で受信し、受信した情報に従って、移動通路56を移動し、目的の品物をピックアップする。
【0032】
また、人型ロボット1は、リストや注文書の情報を、人型ロボット1に搭載された制御系で受信し、受信した情報に従って、移動通路56を移動し、目的の品物をピックアップする。
【0033】
(人型ロボット1)
図2に示される如く、人型ロボット1は、上半身部2、脚部3、および上半身部2を脚部3に対して回動可能に連結する連結部4を備え、フロア50でピッキング作業を行うようにプログラミングされている。
【0034】
上半身部2は2本の腕部5,6を有する。腕部5,6は上半身部2の左右に回動自在に取り付けられている。また、腕部5,6の先端には物体を把持するための把持部(不図示)が取り付けられている。なお、腕部は2本に限定されるものではなく、1本あるいは3本以上であってもよい。
【0035】
脚部3は2つの車輪7,8がその下部に取り付けられており、人型ロボット1が配置される床の上を移動可能とされている。
【0036】
連結部4は、上半身部2と脚部3を回動可能に連結する。このため、上半身部2は、脚部3に対して前傾および後傾が可能となっている。
【0037】
また、連結部4は、
図2に示すように上半身部2と脚部3との距離を変更可能な機能を有する。このため、生産ラインにおける作業台の高さに合うように、脚部3に対する上半身部2の上下方向の位置を矢印Aに示すように調整することができる。
【0038】
また、本実施形態に係る人型ロボット1は、人型ロボット1内に実装された制御システム10によりその駆動が制御される。
【0039】
(人型ロボット1の概略構成)
図3は、人型ロボット1の制御システムの一例の概略図である。制御システム10は、人型ロボット1に搭載されるセンサ12と、情報処理装置14とを備えている。
【0040】
センサ12は、本発明の検知部として機能し、人間ワーカー52を検出する。また、センサ12は、人型ロボット1の周辺にある、人型ロボット1が作業する物体と腕部5,6との距離および角度を少なくとも表す情報を逐次取得する。センサ12としては、最高性能のカメラ、ソリッドステートLiDAR、マルチカラーレーザ同軸変位計、又はその他様々なセンサ群が採用され得る。また他には、センサ12としては、振動計、サーモカメラ、硬度計、レーダー、LiDAR、高画素・望遠・超広角・360度・高性能カメラ、ビジョン認識、微細音、超音波、振動、赤外線、紫外線、電磁波、温度、湿度、スポットAI天気予報、高精度マルチチャネルGPS、低高度衛星情報、又はロングテールインシデントAI data等が挙げられる。
【0041】
なお、センサ12は、上記の情報のほかに、画像、距離、振動、熱、匂い、色、音、超音波、紫外線、又は赤外線等を検知する。他にセンサ12が検知する情報としては、人型ロボット1の重心移動、人型ロボット1が設置される床の材質の検知、外気温度の検知、外気湿度の検知、床の上下横斜め傾き角度の検知、水分量の検知等が挙げられる。
【0042】
センサ12は、これらの検知を例えばナノ秒毎に実施する。
【0043】
情報処理装置14は、情報取得部140と、制御部142と、情報蓄積部144とを備えている。情報取得部140は、本発明の演算部、及び設定部として機能する。
【0044】
情報取得部140は、センサ12によって検知された物体の情報を取得する。
【0045】
制御部142は、情報取得部140が取得した情報とAI(Artificial intelligence)とを用いて、連結部4の回動動作、上下方向の移動動作および腕部5,6の動作等を制御する。
【0046】
例えば、制御部142は、以下の各処理を実行する。
【0047】
(1)床にある物体を拾い上げることが可能なように連結部4を駆動して、上半身部2を前傾または後傾させる。
(2)物体をつかむことが可能なように腕部5,6および把持部を駆動する。
(3)生産ラインの作業台の高さに合うように、上半身部2を脚部3に対して上下に駆動する。
(4)人型ロボット1の転倒を防ぐために、バランスを取る。
(5)人型ロボット1がカート等を押し進めることができるように、車輪7,8の駆動を制御する。
【0048】
ここで、人型ロボット1は、同一の作業環境にいる人間ワーカー52の歩行速度の平均を、LiDARやカメラ等のセンサ群で自動計測する。この計測した歩行速度と同等の速度で、人型ロボット1を移動させる。
【0049】
これにより、作業環境に存在する人間ワーカー52及び人型ロボット1を含む全体の移動速度がシンクロナイズドできる。
【0050】
第1の実施の形態に係るフロア50には、スピーカ70が設置されている。スピーカ70は、管理制御装置58によって制御され、人間ワーカー52も、人型ロボット1も、同時に聞くことの可能なテンポ及びリズム(例えば、「くるみ割り人形」のようなマーチングオーダーソング)を流すようにしている。
【0051】
このリズム感のある音楽をフロア50に流すことで、全体が同じテンポ及びリズムでシンクロする。
【0052】
スピーカ70から発せられる音楽(テンポ及びリズム)によるシンクロナイズド制御が実現すれば、さらに、例えば、人間ワーカー52の歩行速度Aに対して、1.2倍(A×1.2)で音楽を流せば、全体が、1.2倍でリズム良くかつテンポ良く、かつ事故(例えば、接触や衝突等)が少なく、移動の流れがシンクロできる。
【0053】
つまり、そのフロアに異なった人間ワーカー52が様々な移動速度で移動する混乱したフロア50ではなく、全体が統一され、パーフェクトなシンクロでマーチングオーダーソングを聞かせながら、例えば、10倍速で作業するフロアが実現でき、安全で、且つ、そのサブスクリプション代に対して、10倍のコストダウン又は10倍のコスト削減というメリットが得られる。
【0054】
以下に第1の実施の形態の作用を、
図4~
図6のフローチャートに従い説明する。
【0055】
図4は、第1の実施の形態に係るウォーキングスピードコントロールシステムで実行される、人型ロボット側作業遂行制御ルーチンを示すフローチャートである。
【0056】
ステップ96では、スピーカ70からフロア50に流れる音楽を取り込み、次いで、ステップ98へ移行して、人型ロボット1同士の間で通信し、移動速度(第1移動速度)を設定し、ステップ100へ移行する。
【0057】
ステップ100では、作業指令を受信し、次いで、ステップ102へ移行して目的地への移動を開始する。
【0058】
次のステップ104では、移動中に人間ワーカー52を検出したか否かを判断し、肯定判定されると、ステップ106へ移行して、人間ワーカー52の歩行速度を演算すると共に、検出した複数の人間ワーカー52の平均歩行速度(第2移動速度)を演算し、ステップ108へ移行する。
【0059】
ステップ108では、平均歩行速度に同期した速度で移動するように、人型ロボット1を制御し、ステップ110へ移行する。また、ステップ104で否定判定された場合は、ステップ110へ移行する。
【0060】
ここで、同期の定義は、大きく分けて、以下の2種類に分類される。
【0061】
(同期1) リズムが同一、かつ、テンポが同一
例えば、第1移動速度の周期(テンポ)=第2移動速度の周期(テンポ)となる場合が想定される。
(同期2) リズムが同一、かつ、テンポが不同一
例えば、移動速度の周期(テンポ)が、第2移動速度の周期(テンポ)の1/整数となる場合が想定される。
【0062】
ステップ110では、目的地に到達したか否かを判断し、否定判定された場合は、ステップ104へ戻り、上記工程を繰り返す。また、ステップ110で肯定判定された場合は、このルーチンは終了する。
【0063】
図5は、第1の実施の形態に係るウォーキングスピードコントロールシステムで実行される、管理制御装置側制御ルーチンを示すフローチャートである。
【0064】
ステップ112では、作業が開始されたか否かを判断し、肯定判定されるまで、このステップ112を繰り返す。
【0065】
ステップ112で肯定判定されると、ステップ114へ移行して、予め記憶されたテンポ及びリズム(音楽)情報を読み出し(例えば、「くるみ割り人形」等の楽曲)、ステップ116へ移行する。ステップ116では、読み出したテンポ及びリズム(音楽)の出力を開始する。すなわち、スピーカ70からテンポ及びリズム(音楽)を発声させる。このときの、テンポは通常速度(1倍速)である。
【0066】
次のステップ118では、作業が終了したか否かを判断し、肯定判定されるまで、このステップ118を繰り返す。ステップ118で肯定判定されると、ステップ120へ移行して、テンポ及びリズム(音楽)の出力を停止し、このルーチンは終了する。
【0067】
人間ワーカー52はこのテンポ及びリズム(音楽)に合わせて歩行するようになり、一定のテンポ及びリズムでの移動となる。一方、人型ロボット1は、この人間ワーカー52の移動に同期して移動するため、全体として、調和の取れた移動となり、ランダムに移動する場合よりも、干渉(接触、衝突)が回避される。
【0068】
図6は、第1の実施の形態に係るウォーキングスピードコントロールシステムで実行される、管理制御装置側制御ルーチンの変形例を示すフローチャートである。
【0069】
ステップ122では、作業が開始されたか否かを判断し、肯定判定されるまで、このステップ122を繰り返す。
【0070】
ステップ122で肯定判定されると、ステップ124へ移行して、予め記憶されたテンポ及びリズム(音楽)情報を読み出し(例えば、「くるみ割り人形」等の楽曲)、ステップ126へ移行する。ステップ126では、テンポ及びリズム(音楽)の出力時のテンポを、通常速度よりも速い速度(例えば、倍速n=1.2倍速)とし、ステップ128へ移行する。
【0071】
ステップ128では、読み出したテンポ及びリズム(音楽)及びテンポで出力を開始する。すなわち、スピーカ70から通常速度よりも速い速度(例えば、倍速n=1.2倍速)でテンポ及びリズム(音楽)を発声させる。
【0072】
次のステップ130では、作業が終了したか否かを判断し、肯定判定されるまで、このステップ130を繰り返す。ステップ130で肯定判定されると、ステップ132へ移行して、テンポ及びリズム(音楽)の出力を停止し、このルーチンは終了する。
【0073】
人間ワーカー52はこのテンポ及びリズム(音楽)に合わせて歩行するようになり、一定のテンポ及びリズムでの移動となる。このとき、テンポが通常速度よりも速い(n=1.2)ため、その分、効率が向上することになる。一方、人型ロボット1は、この人間ワーカー52の移動に同期して移動するため、全体として、調和の取れた移動となり、ランダムに移動する場合よりも、干渉(接触、衝突)が回避される。
【0074】
(第2の実施の形態)
【0075】
図7は、第2の実施の形態に係るピッキング作業が行われる倉庫のフロア50の平面図である。なお、第1の実施の形態と同一構成部分は、同一の符号を付して、構成の説明を省略する。
【0076】
図7に示される如く、第2の実施の形態において、フロア50で作業するピッキングスタッフは、人型ロボット1であり、第1の実施の形態で説明した人間ワーカー52(
図1参照)は存在しない。
【0077】
言い換えれば、当該フロア50の作業環境の移動通路56は、ロボット専用レーンということができる。ロボット専用レーンである移動通路56では、流れのスピードは、そのロボット専用レーンの範疇であれば、管理制御装置58によって、全てのピッキングスタッフを一括制御できるため、より速くすることができる。
【0078】
すなわち、管理制御装置58では、全ての人型ロボット1の時間軸上の移動軌跡を把握する。そして、人型ロボット1の全体移動スピードを、人間ワーカーの移動速度のn倍速(n>1)で、人型ロボット1をパーフェクトにシンクロさせる。
【0079】
n値は、例えば、人間ワーカーの移動速度の10倍以上~20倍、或いはそれ以上で走らせることも可能であり、相互の接触や衝突以外の不具合(例えば、ピッキングした物品の搬送時のバランス等)を考慮すればよい。
【0080】
なお、人型ロボット1をシンクロさせるためには、あえて、フロア50にスピーカ70から、所定のテンポ及びリズム(音楽)を流さなくても、制御プログラムによって実現可能である。しかし、フロア50に、スピーカ70から、所定のテンポ及びリズムの音楽を流すことで、異なる制御プログラムで動作するロボットや、新たに参入したロボットに対して、管理制御装置58との間でシンクロさせるプログラミングをせず、参入したロボットが独自で、テンポ及びリズムを聞き取り(受信し)、シンクロすることができる。
【0081】
さらには、ピッキングスタッフが人型ロボット1のみの状況から、ピッキングスタッフに人間ワーカー52(
図1参照)が加わり、当該人間ワーカー52と人型ロボット1とが混在する状況にあった場合に、スピーカ70から流れる所定のテンポ及びリズムの音楽によって、人間ワーカー52が音楽に合わせて同調し、これに人型ロボット1と同調することで、フロア50全体として、調和の取れた移動となり、ランダムに移動する場合よりも、干渉(接触、衝突)が回避される。
【0082】
図8のフローチャートに従い、第2の実施の形態の作用を説明する。
【0083】
図8(A)は、第2の実施の形態に係る管理制御装置58で実行される作業指令制御ルーチンを示すフローチャートである。
【0084】
ステップ134では、フロア50内の人型ロボット1の種類の確認し、次いでステップ135では、各ロボットへ作業指令を出力し、ステップ136へ移行する。ステップ136では、各人型ロボット1の移動パターンを演算し、ステップ138へ移行する。
【0085】
ステップ138では、予め記憶されたテンポ及びリズム(音楽)情報を読み出し(例えば、「くるみ割り人形」等の楽曲)、ステップ139へ移行する。
【0086】
ステップ139では、人間ワーカー52を検出したか否かを判断し、否定判定された場合は、ステップ140へ移行して、出力するテンポ及びリズム(音楽)を演奏するテンポとして、演算した移動パターンに最適な倍速値nを設定し、ステップ144へ移行する。例えば、ロボットのみであれば、n=10~20倍速であっても問題ない。
【0087】
また、ステップ139で肯定判定された場合は、ステップ141へ移行して、出力するテンポ及びリズム(音楽)を演奏するテンポとして、人間ワーカー52に移動に最適な倍速値nを設定し、ステップ144へ移行する。例えば、人間ワーカー52を主体とした場合は、n=1~1.2倍速が好ましい(
図5、
図6に準ずる)。
【0088】
ステップ144では、倍速値nに基づくテンポで、テンポ及びリズム(音楽)をスピーカ70から出力し、ステップ145へ移行する。
【0089】
ステップ145では、作業が終了したか否かを判断し、否定判定された場合は、ステップ139へ戻り、上記工程を繰り返す。また、ステップ145で肯定判定された場合は、このルーチンは終了する。
【0090】
図8(B)は、第2の実施の形態に係る人型ロボット1で実行される作業遂行制御ルーチンを示すフローチャートである。
【0091】
ステップ146で作業指令を受信すると、ステップ148へ移行して、テンポ及びリズム(音楽)を受信(例えば、マイク等の集音デバイスで集音)し、次いで、ステップ150へ移行して、受信した音楽に基づくテンポ(倍速値n)で移動して、ピッキング作業を実行する。
【0092】
次のステップ151Aでは、人間ワーカー52を検出したか否かを判断し、肯定判定された場合は、ステップ151Bへ移行して、間ワーカー52の歩行速度を演算すると共に、検出した複数の人間ワーカー52の平均歩行速度(第2移動速度)を演算し、ステップ151Cへ移行する。
【0093】
ステップ151Cでは、平均歩行速度に同期した速度で移動するように、人型ロボット1を制御し、ステップ152へ移行する。また、ステップ151Aで否定判定された場合は、ステップ152へ移行する。
【0094】
ここで、同期の定義は、大きく分けて、以下の2種類に分類される。
【0095】
(同期1) リズムが同一、かつ、テンポが同一
例えば、第1移動速度の周期(テンポ)=第2移動速度の周期(テンポ)となる場合が想定される。
(同期2) リズムが同一、かつ、テンポが不同一
例えば、移動速度の周期(テンポ)が、第2移動速度の周期(テンポ)の1/整数となる場合が想定される。
【0096】
ステップ152では、作業が終了したか否かを判断し、否定判定された場合は、ステップ150へ戻り、肯定判定された場合は、ステップ154へ移行する。
【0097】
ステップ154では、作業を継続するか否かを判断し、否定判定された場合は、ステップ146へ戻り、上記工程を繰り返す。また、ステップ154で肯定判定された場合は、このルーチンは終了する。
【0098】
(人型ロボット1の情報処理装置14の実施態様)
【0099】
図9は、情報処理装置14として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、第1の実施形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、本実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、および/又はコンピュータ1200に、本実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつか又は全てに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0100】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、およびグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ、およびICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブは、DVD-ROMドライブおよびDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブおよびソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230およびキーボードのような入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0101】
CPU1212は、ROM1230およびRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0102】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVDドライブは、プログラム又はデータをDVD-ROM等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/又はプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
【0103】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、および/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0104】
プログラムは、DVD-ROM又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0105】
例えば、通信がコンピュータ1200および外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0106】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ(DVD-ROM)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0107】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0108】
上で説明したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0109】
本実施形態におけるフローチャートおよびブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表してよい。特定の段階および「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、およびプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、および他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0110】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0111】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0112】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0113】
なお、本実施の形態(第1の実施の形態及び第2の実施の形態)では、人型ロボット1の情報管理装置14が、本発明の演算部及び設定部として機能するようにしたが、管理制御装置58が当該機能を担ってもよい。
【0114】
(本開示の概要)
・第1の実施の形態「人間ワーカーと人型ロボットとが混在した作業環境」
【0115】
スマートロボットの一例である人型ロボットが、同一の作業環境にいる人間ワーカーの歩行速度の平均を、LiDARやカメラ等のセンサ群で自動計測し、この計測した歩行速度と同等の速度で、人型ロボットを移動させる。
【0116】
これにより、作業環境に存在する人間ワーカー及び人型ロボットを含む全体の移動速度がシンクロナイズドでできる。
【0117】
よりパーフェクトな移動速度は、作業者(人間ワーカー)も参加した人型ロボットも全く同じか、それに近いスピードで移動すれば、より安全で効率のよい、シンクロナイズドされた全体フロアの移動オペレーションができる。
【0118】
パーフェクトな移動速度を実現するために、作業者(人間ワーカー)も、人型ロボットも、同時に聞くことの可能なテンポ及びリズム(例えば、「くるみ割り人形」のようなマーチングオーダーソング)を作業環境下で流すことで、全体が同じテンポ及びリズムでシンクロ可能となる。
【0119】
テンポ及びリズムのシンクロが実現すれば、さらに、例えば、歩行速度Aに対して1.2倍(A×1.2)で音楽を流せば、全体が、1.2倍でテンポ良くかつリズム良く、かつ事故(例えば、接触や衝突等)が少なく、移動の流れがシンクロできる。
【0120】
つまり、そのフロアに異なった人々が様々なスピードで移動する混乱したフロアではなく、全体が統一され、パーフェクトなシンクロでマーチングオーダーソングを聞かせながら、例えば、10倍速で作業するフロアが実現でき、安全で、且つ、そのサブスクリプション代に対して、10倍のコストダウン又は10倍のコスト削減というメリットが得られる。
【0121】
・第2の実施の形態「人型ロボットのみの作業環境」
一方、作業環境の中に、ロボット専用レーンができれば、流れのスピードは、そのロボット専用レーンの範疇であれば、より速くすることができる。
【0122】
最も作業環境(例えば、フロア全体)を安全、かつスピード効率をよくするのは、当該フロアで働くことができるようにするには、そのフロアで働く作業者(人間ワーカー)をゼロにして、全体移動スピードをn倍速で、全ロボットをパーフェクトにシンクロしてしまえば、最も効率よく移動の流れが可能になる。例えば、作業者(人間ワーカー)の移動速度の10倍以上~20倍、或いはそれ以上で走らせることも可能である。
【0123】
営業の時も、早く統一ロボフロアにしようと営業のメリットトークとして使える。
【0124】
なお、
図10は、第2の実施の形態に係る実施例であり、複数のアプリケーション行動をシンクロナイズドさせるときのフロー図である。
【0125】
例えば、20倍速を全フロアのシンクロのテンポ及びリズムとした場合を考える。
【0126】
この場合、走る動作及び腕の動作は20倍速にでき、指の動作は100倍速にできる。また、目及び頭に関しては、100万倍とすることができる。
【0127】
前記フロアをパーフェクトシンクロの音楽(「くるみ割り人形」を20倍速のテンポ及びリズム)で出力すると、衝突、事故が全くない全体無人倉庫オペレーションが行える、Total Logisutics osと、そのアプリケーションが可能となる。
【0128】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0129】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0130】
1 人型ロボット、2 上半身部、3 脚部、4 連結部、5,6 腕部、7,8 車輪、10 制御システム、12 センサ、14 情報処理装置、50 フロア、52 人間ワーカー、 54 棚、56 移動通路、58 管理制御装置、60 マイクロコンピュータ、 60A CPU、60B RAM、60C ROM、60D 入出力部(I/O)、60E バス、62 記録媒体、64 携帯端末、66 対人間ワーカー用送受信部、68 対ロボット用送受信部、70 スピーカ、1200 コンピュータ、1210 ホストコントローラ、1212 CPU、1214 RAM、1216 グラフィックコントローラ、1218 ディスプレイデバイス、1220 入出力コントローラ、1222 通信インタフェース、1224 記憶装置、1230 ROM、1240 入出力チップ
【手続補正書】
【提出日】2024-01-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ウォーキングスピードコントロールシステム、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、倉庫のピッキング、工場での製造(部品組み立て)、パッキング作業等(以下、ピッキング作業等という)において、各作業員は異なるスピードで作業を行なっている。
【0003】
倉庫のピッキング作業等は、国、地域を含む作業拠点、作業拠点に設けられた企業、倉庫等の施設、施設のフロア毎、及び、作業時間帯(日時)毎(以下、総称して作業環境という)でも、作業者の平均ウォーキングスピードは異なる。
【0004】
これは、特定のフロアの平均ワーカーの身長や作業時間帯による多忙さが異なることが一因であり、ピッキング作業にかかる平均時間が異なるからである。
【0005】
このような作業環境の中に、自動制御されるロボットが導入される場合がある、ロボットは、作業者(人間ワーカー)と混在し、それぞれの役割を果たすために、移動することになる。
【0006】
例えば、特許文献1には、工場の生産ラインにおいて、作業を自動で行うための人型ロボットの姿勢制御について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、同一の作業環境の領域に、人間ワーカーとロボットがミックスされると、人間ワーカーを含み、全体の移動に混乱が生じる。また、人間ワーカーはおらず、ロボットのみ作業環境においても、移動スピートが異なる複数種類のロボットがミックスされた場合にも、全体の移動に混乱が生じる。
【0009】
本開示は上記事情に鑑みなされたものであり、少なくとも予め作業遂行情報がプログラムされたロボットを含む作業環境において、作業環境の領域での全体の移動をシンクロさせ、全体の移動の混乱を抑制することができるウォーキングスピードコントロールシステム、プログラムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示によるウォーキングスピードコントロールシステムは、少なくとも複数のロボットが、所定の領域内を移動して作業を遂行するときの、前記複数のロボットの移動速度を制御するスピードコントロールシステムであって、前記複数のロボットが各々、音楽情報を集音する集音デバイスを備え、前記集音デバイスで集音した音楽情報のテンポ及びリズムに同期する第1移動速度で移動させる同期制御部と、前記所定の領域内で、前記作業を遂行する人間ワーカーを検知した場合に、前記音楽情報に同調して移動する前記人間ワーカーの第2移動速度を演算し、前記同期制御部で前記複数のロボットの間で同期させるための第1移動速度を、当該演算した前記第2移動速度に基づいて調整する調整部と、を有している。
【0011】
本開示によれば、通常は、所定の領域(フロア等)内で流れる音楽情報に対して複数のロボットが同調しているが、人間ワーカーの参入時、複数のロボットは、音楽に同調する人間ワーカーの移動速度に合わせて移動する。
【0012】
これにより、少なくとも予め作業遂行情報がプログラムされたロボットを含む作業環境において、作業環境の領域での全体の移動をシンクロさせ、全体の移動の混乱を抑制することができる。
【0013】
本開示において、前記音楽情報は、基礎となる楽曲に設定された通常のテンポよりも速いテンポで出力させることを特徴としている。
【0014】
作業効率の向上のために、音楽情報を、例えば1.2倍等にテンポアップする。人間ワーカー同士のテンポ及びリズムが合えば、全体的に人間ワーカーの移動速度を増速して、効率の向上を図ることができる。
【0015】
本開示において、前記同期制御部が、前記複数のロボットが同期して移動するときの前記第1移動速度の周期が、前記第2移動速度の周期の1/整数となるように調整する。
【0016】
ロボット同士の間では高速移動が可能であり、人間ワーカーと共存したときも、テンポの周期が一致していれば、例えば、ロボットの移動速度(作業速度):人間の移動速度(作業速度)=10:1でも干渉が少ない。
【0017】
また、所定の領域内が、ロボットのみである場合は、増速度合いを人間ワーカーとの混在のときよりも、さらに増速することができる。この場合、異なるプログラミングで制御される複数種類のロボットが存在していても、同じテンポ及びリズムに合わせて移動させることで、ロボット間の干渉も回避することができる。
【0018】
本開示によるプログラムは、コンピュータを、上記のウォーキングスピードコントロールシステムの前記同期制御部、前記調整部として機能させることを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】第1の実施の形態に係るピッキング作業が行われる倉庫のフロアの平面図である。
【
図2】第1の実施の形態に係る人型ロボットの正面図である。
【
図3】人型ロボットの機能構成の一例を概略的に示す図である。
【
図4】第1の実施の形態に係るウォーキングスピードコントロールシステムで実行される、人型ロボット側作業遂行制御ルーチンを示すフローチャートである。
【
図5】第1の実施の形態に係るウォーキングスピードコントロールシステムで実行される、管理制御装置側制御ルーチンを示すフローチャートである。
【
図6】第1の実施の形態に係るウォーキングスピードコントロールシステムで実行される、管理制御装置側制御ルーチンの変形例を示すフローチャートである。
【
図7】第2の実施の形態に係るピッキング作業が行われる倉庫のフロアの平面図である。
【
図8】(A)は第2の実施の形態に係る管理制御装置で実行される制御ルーチンを示すフローチャート、(B)は第2の実施の形態に係る人型ロボットで実行される作業遂行制御ルーチンを示すフローチャートである。
【
図9】第1の実施の形態及び第2の実施の形態における人型ロボットの情報処理装置として機能するコンピュータハードウェアの一例を概略的に示す図である。
【
図10】第2の実施の形態に係る実施例であり、複数のアプリケーション行動をシンクロナイズドさせるときのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0021】
(第1の実施の形態)
【0022】
図1は、第1の実施の形態に係るピッキング作業が行われる倉庫のフロア50の平面図である。
【0023】
ピッキング作業とは、必要な品物を集める(ピックアップする)仕事のことである。ピッキングスタッフ(人間ワーカー52、人型ロボット1を含む)は、倉庫内の品物を出荷するために欠かせない役割を持つため、あらゆるジャンルの倉庫に配置される。
【0024】
例えば、予め指示されたリストや注文書を基に、指定の品物を集め、まとめたものを検品担当者や梱包担当者へと受け流していくのが主な仕事であり、倉庫規模が大きいほど、保管されている品物の種類や数も膨大で、そのため、多数のピッキングスタッフがフロア50内を移動することになる。
【0025】
図1に示されるフロア50には、複数の棚54が設置され、各棚54の間、フロア50と棚54との間は、それぞれピッキングスタッフの移動通路56となっている。
【0026】
図1では、フロア50で作業するピッキングスタッフは、人間ワーカー52と人型ロボット1とが混在している状況を図示している。言い換えれば、ピッキングスタッフが人間ワーカー52のみの状況、及びピッキングスタッフが人型ロボット1のみの状況もあり得る。以下では、作業当初は、ピッキングスタッフが人型ロボット1のみの状況であったが、作業途中で、ピッキングスタッフが人間ワーカー52と人型ロボット1とが混在した状況となったものとして説明する。
【0027】
ピッキングスタッフの作業(フロア50内の移動)は、フロア50を管理する管理制御装置58によって管理されている。管理制御装置58は、本発明の制御部として機能する。
【0028】
図1に示される如く、管理制御装置58は、マイクロコンピュータ60を備えている。マイクロコンピュータ60は、CPU(Central Processing Unit)60A、RAM(Random Access Memory)60B、ROM(Read Only Memory)60C、入出力部(I/O)
60D、及びこれらを接続するデータバスやコントロールバス等のバス60Eで構成されている。I/O60Dには、記録媒体62が接続されている。
【0029】
また、I/O60Dには、人間ワーカー52が所持する携帯端末64との間で作業情報を送受信する対人間ワーカー用送受信部66、人型ロボット1の制御系との間で作業情報を含む動作制御情報を送受信する対ロボット用送受信部68とが接続されている。
【0030】
さらに、I/O60Dには、スピーカ70が接続されている(詳細後述)。
【0031】
人間ワーカー52は、フロア50を管理する管理制御装置58から、リストや注文書の情報を、携帯端末64で受信し、受信した情報に従って、移動通路56を移動し、目的の品物をピックアップする。
【0032】
また、人型ロボット1は、リストや注文書の情報を、人型ロボット1に搭載された制御系で受信し、受信した情報に従って、移動通路56を移動し、目的の品物をピックアップする。
【0033】
(人型ロボット1)
図2に示される如く、人型ロボット1は、上半身部2、脚部3、および上半身部2を脚部3に対して回動可能に連結する連結部4を備え、フロア50でピッキング作業を行うようにプログラミングされている。
【0034】
上半身部2は2本の腕部5,6を有する。腕部5,6は上半身部2の左右に回動自在に取り付けられている。また、腕部5,6の先端には物体を把持するための把持部(不図示)が取り付けられている。なお、腕部は2本に限定されるものではなく、1本あるいは3本以上であってもよい。
【0035】
脚部3は2つの車輪7,8がその下部に取り付けられており、人型ロボット1が配置される床の上を移動可能とされている。
【0036】
連結部4は、上半身部2と脚部3を回動可能に連結する。このため、上半身部2は、脚部3に対して前傾および後傾が可能となっている。
【0037】
また、連結部4は、
図2に示すように上半身部2と脚部3との距離を変更可能な機能を有する。このため、生産ラインにおける作業台の高さに合うように、脚部3に対する上半身部2の上下方向の位置を矢印Aに示すように調整することができる。
【0038】
また、本実施形態に係る人型ロボット1は、人型ロボット1内に実装された制御システム10によりその駆動が制御される。
【0039】
(人型ロボット1の概略構成)
図3は、人型ロボット1の制御システムの一例の概略図である。制御システム10は、人型ロボット1に搭載されるセンサ12と、情報処理装置14とを備えている。
【0040】
センサ12は、本発明の検知部として機能し、人間ワーカー52を検出する。また、センサ12は、人型ロボット1の周辺にある、人型ロボット1が作業する物体と腕部5,6との距離および角度を少なくとも表す情報を逐次取得する。センサ12としては、最高性能のカメラ、ソリッドステートLiDAR、マルチカラーレーザ同軸変位計、又はその他様々なセンサ群が採用され得る。また他には、センサ12としては、振動計、サーモカメラ、硬度計、レーダー、LiDAR、高画素・望遠・超広角・360度・高性能カメラ、ビジョン認識、微細音、超音波、振動、赤外線、紫外線、電磁波、温度、湿度、スポットAI天気予報、高精度マルチチャネルGPS、低高度衛星情報、又はロングテールインシデントAI data等が挙げられる。
【0041】
なお、センサ12は、上記の情報のほかに、画像、距離、振動、熱、匂い、色、音、超音波、紫外線、又は赤外線等を検知する。他にセンサ12が検知する情報としては、人型ロボット1の重心移動、人型ロボット1が設置される床の材質の検知、外気温度の検知、外気湿度の検知、床の上下横斜め傾き角度の検知、水分量の検知等が挙げられる。
【0042】
センサ12は、これらの検知を例えばナノ秒毎に実施する。
【0043】
情報処理装置14は、情報取得部140と、制御部142と、情報蓄積部144とを備
えている。情報取得部140は、本発明の演算部、及び設定部として機能する。
【0044】
情報取得部140は、センサ12によって検知された物体の情報を取得する。
【0045】
制御部142は、情報取得部140が取得した情報とAI(Artificial intelligence)とを用いて、連結部4の回動動作、上下方向の移動動作および腕部5,6の動作等を制御する。
【0046】
例えば、制御部142は、以下の各処理を実行する。
【0047】
(1)床にある物体を拾い上げることが可能なように連結部4を駆動して、上半身部2を前傾または後傾させる。
(2)物体をつかむことが可能なように腕部5,6および把持部を駆動する。
(3)生産ラインの作業台の高さに合うように、上半身部2を脚部3に対して上下に駆動する。
(4)人型ロボット1の転倒を防ぐために、バランスを取る。
(5)人型ロボット1がカート等を押し進めることができるように、車輪7,8の駆動を制御する。
【0048】
ここで、人型ロボット1は、同一の作業環境にいる人間ワーカー52の歩行速度の平均を、LiDARやカメラ等のセンサ群で自動計測する。この計測した歩行速度と同等の速度で、人型ロボット1を移動させる。
【0049】
これにより、作業環境に存在する人間ワーカー52及び人型ロボット1を含む全体の移動速度がシンクロナイズドできる。
【0050】
第1の実施の形態に係るフロア50には、スピーカ70が設置されている。スピーカ70は、管理制御装置58によって制御され、人間ワーカー52も、人型ロボット1も、同時に聞くことの可能なテンポ及びリズム(例えば、「くるみ割り人形」のようなマーチングオーダーソング)を流すようにしている。
【0051】
このリズム感のある音楽をフロア50に流すことで、全体が同じテンポ及びリズムでシンクロする。
【0052】
スピーカ70から発せられる音楽(テンポ及びリズム)によるシンクロナイズド制御が実現すれば、さらに、例えば、人間ワーカー52の歩行速度Aに対して、1.2倍(A×1.2)で音楽を流せば、全体が、1.2倍でリズム良くかつテンポ良く、かつ事故(例えば、接触や衝突等)が少なく、移動の流れがシンクロできる。
【0053】
つまり、そのフロアに異なった人間ワーカー52が様々な移動速度で移動する混乱したフロア50ではなく、全体が統一され、パーフェクトなシンクロでマーチングオーダーソングを聞かせながら、例えば、10倍速で作業するフロアが実現でき、安全で、且つ、そのサブスクリプション代に対して、10倍のコストダウン又は10倍のコスト削減というメリットが得られる。
【0054】
以下に第1の実施の形態の作用を、
図4~
図6のフローチャートに従い説明する。
【0055】
図4は、第1の実施の形態に係るウォーキングスピードコントロールシステムで実行される、人型ロボット側作業遂行制御ルーチンを示すフローチャートである。
【0056】
ステップ96では、スピーカ70からフロア50に流れる音楽を取り込み、次いで、ステップ98へ移行して、人型ロボット1同士の間で通信し、移動速度(第1移動速度)を設定し、ステップ100へ移行する。
【0057】
ステップ100では、作業指令を受信し、次いで、ステップ102へ移行して目的地への移動を開始する。
【0058】
次のステップ104では、移動中に人間ワーカー52を検出したか否かを判断し、肯定判定されると、ステップ106へ移行して、人間ワーカー52の歩行速度を演算すると共に、検出した複数の人間ワーカー52の平均歩行速度(第2移動速度)を演算し、ステップ108へ移行する。
【0059】
ステップ108では、平均歩行速度に同期した速度で移動するように、人型ロボット1を制御し、ステップ110へ移行する。また、ステップ104で否定判定された場合は、ステップ110へ移行する。
【0060】
ここで、同期の定義は、大きく分けて、以下の2種類に分類される。
【0061】
(同期1) リズムが同一、かつ、テンポが同一
例えば、第1移動速度の周期(テンポ)=第2移動速度の周期(テンポ)となる場合が想定される。
(同期2) リズムが同一、かつ、テンポが不同一
例えば、移動速度の周期(テンポ)が、第2移動速度の周期(テンポ)の1/整数となる場合が想定される。
【0062】
ステップ110では、目的地に到達したか否かを判断し、否定判定された場合は、ステップ104へ戻り、上記工程を繰り返す。また、ステップ110で肯定判定された場合は、このルーチンは終了する。
【0063】
図5は、第1の実施の形態に係るウォーキングスピードコントロールシステムで実行される、管理制御装置側制御ルーチンを示すフローチャートである。
【0064】
ステップ112では、作業が開始されたか否かを判断し、肯定判定されるまで、このステップ112を繰り返す。
【0065】
ステップ112で肯定判定されると、ステップ114へ移行して、予め記憶されたテンポ及びリズム(音楽)情報を読み出し(例えば、「くるみ割り人形」等の楽曲)、ステップ116へ移行する。ステップ116では、読み出したテンポ及びリズム(音楽)の出力を開始する。すなわち、スピーカ70からテンポ及びリズム(音楽)を発声させる。このときの、テンポは通常速度(1倍速)である。
【0066】
次のステップ118では、作業が終了したか否かを判断し、肯定判定されるまで、このステップ118を繰り返す。ステップ118で肯定判定されると、ステップ120へ移行して、テンポ及びリズム(音楽)の出力を停止し、このルーチンは終了する。
【0067】
人間ワーカー52はこのテンポ及びリズム(音楽)に合わせて歩行するようになり、一定のテンポ及びリズムでの移動となる。一方、人型ロボット1は、この人間ワーカー52の移動に同期して移動するため、全体として、調和の取れた移動となり、ランダムに移動する場合よりも、干渉(接触、衝突)が回避される。
【0068】
図6は、第1の実施の形態に係るウォーキングスピードコントロールシステムで実行される、管理制御装置側制御ルーチンの変形例を示すフローチャートである。
【0069】
ステップ122では、作業が開始されたか否かを判断し、肯定判定されるまで、このステップ122を繰り返す。
【0070】
ステップ122で肯定判定されると、ステップ124へ移行して、予め記憶されたテンポ及びリズム(音楽)情報を読み出し(例えば、「くるみ割り人形」等の楽曲)、ステップ126へ移行する。ステップ126では、テンポ及びリズム(音楽)の出力時のテンポを、通常速度よりも速い速度(例えば、倍速n=1.2倍速)とし、ステップ128へ移行する。
【0071】
ステップ128では、読み出したテンポ及びリズム(音楽)及びテンポで出力を開始する。すなわち、スピーカ70から通常速度よりも速い速度(例えば、倍速n=1.2倍速)でテンポ及びリズム(音楽)を発声させる。
【0072】
次のステップ130では、作業が終了したか否かを判断し、肯定判定されるまで、このステップ130を繰り返す。ステップ130で肯定判定されると、ステップ132へ移行して、テンポ及びリズム(音楽)の出力を停止し、このルーチンは終了する。
【0073】
人間ワーカー52はこのテンポ及びリズム(音楽)に合わせて歩行するようになり、一定のテンポ及びリズムでの移動となる。このとき、テンポが通常速度よりも速い(n=1.2)ため、その分、効率が向上することになる。一方、人型ロボット1は、この人間ワーカー52の移動に同期して移動するため、全体として、調和の取れた移動となり、ランダムに移動する場合よりも、干渉(接触、衝突)が回避される。
【0074】
(第2の実施の形態)
【0075】
図7は、第2の実施の形態に係るピッキング作業が行われる倉庫のフロア50の平面図である。なお、第1の実施の形態と同一構成部分は、同一の符号を付して、構成の説明を省略する。
【0076】
図7に示される如く、第2の実施の形態において、フロア50で作業するピッキングスタッフは、人型ロボット1であり、第1の実施の形態で説明した人間ワーカー52(
図1参照)は存在しない。
【0077】
言い換えれば、当該フロア50の作業環境の移動通路56は、ロボット専用レーンということができる。ロボット専用レーンである移動通路56では、流れのスピードは、そのロボット専用レーンの範疇であれば、管理制御装置58によって、全てのピッキングスタッフを一括制御できるため、より速くすることができる。
【0078】
すなわち、管理制御装置58では、全ての人型ロボット1の時間軸上の移動軌跡を把握する。そして、人型ロボット1の全体移動スピードを、人間ワーカーの移動速度のn倍速(n>1)で、人型ロボット1をパーフェクトにシンクロさせる。
【0079】
n値は、例えば、人間ワーカーの移動速度の10倍以上~20倍、或いはそれ以上で走らせることも可能であり、相互の接触や衝突以外の不具合(例えば、ピッキングした物品の搬送時のバランス等)を考慮すればよい。
【0080】
なお、人型ロボット1をシンクロさせるためには、あえて、フロア50にスピーカ70
から、所定のテンポ及びリズム(音楽)を流さなくても、制御プログラムによって実現可能である。しかし、フロア50に、スピーカ70から、所定のテンポ及びリズムの音楽を流すことで、異なる制御プログラムで動作するロボットや、新たに参入したロボットに対して、管理制御装置58との間でシンクロさせるプログラミングをせず、参入したロボットが独自で、テンポ及びリズムを聞き取り(受信し)、シンクロすることができる。
【0081】
さらには、ピッキングスタッフが人型ロボット1のみの状況から、ピッキングスタッフに人間ワーカー52(
図1参照)が加わり、当該人間ワーカー52と人型ロボット1とが混在する状況にあった場合に、スピーカ70から流れる所定のテンポ及びリズムの音楽によって、人間ワーカー52が音楽に合わせて同調し、これに人型ロボット1と同調することで、フロア50全体として、調和の取れた移動となり、ランダムに移動する場合よりも、干渉(接触、衝突)が回避される。
【0082】
図8のフローチャートに従い、第2の実施の形態の作用を説明する。
【0083】
図8(A)は、第2の実施の形態に係る管理制御装置58で実行される作業指令制御ルーチンを示すフローチャートである。
【0084】
ステップ134では、フロア50内の人型ロボット1の種類の確認し、次いでステップ135では、各ロボットへ作業指令を出力し、ステップ136へ移行する。ステップ136では、各人型ロボット1の移動パターンを演算し、ステップ138へ移行する。
【0085】
ステップ138では、予め記憶されたテンポ及びリズム(音楽)情報を読み出し(例えば、「くるみ割り人形」等の楽曲)、ステップ139へ移行する。
【0086】
ステップ139では、人間ワーカー52を検出したか否かを判断し、否定判定された場合は、ステップ140へ移行して、出力するテンポ及びリズム(音楽)を演奏するテンポとして、演算した移動パターンに最適な倍速値nを設定し、ステップ144へ移行する。例えば、ロボットのみであれば、n=10~20倍速であっても問題ない。
【0087】
また、ステップ139で肯定判定された場合は、ステップ141へ移行して、出力するテンポ及びリズム(音楽)を演奏するテンポとして、人間ワーカー52に移動に最適な倍速値nを設定し、ステップ144へ移行する。例えば、人間ワーカー52を主体とした場合は、n=1~1.2倍速が好ましい(
図5、
図6に準ずる)。
【0088】
ステップ144では、倍速値nに基づくテンポで、テンポ及びリズム(音楽)をスピーカ70から出力し、ステップ145へ移行する。
【0089】
ステップ145では、作業が終了したか否かを判断し、否定判定された場合は、ステップ139へ戻り、上記工程を繰り返す。また、ステップ145で肯定判定された場合は、このルーチンは終了する。
【0090】
図8(B)は、第2の実施の形態に係る人型ロボット1で実行される作業遂行制御ルーチンを示すフローチャートである。
【0091】
ステップ146で作業指令を受信すると、ステップ148へ移行して、テンポ及びリズム(音楽)を受信(例えば、マイク等の集音デバイスで集音)し、次いで、ステップ150へ移行して、受信した音楽に基づくテンポ(倍速値n)で移動して、ピッキング作業を実行する。
【0092】
次のステップ151Aでは、人間ワーカー52を検出したか否かを判断し、肯定判定された場合は、ステップ151Bへ移行して、間ワーカー52の歩行速度を演算すると共に、検出した複数の人間ワーカー52の平均歩行速度(第2移動速度)を演算し、ステップ151Cへ移行する。
【0093】
ステップ151Cでは、平均歩行速度に同期した速度で移動するように、人型ロボット1を制御し、ステップ152へ移行する。また、ステップ151Aで否定判定された場合は、ステップ152へ移行する。
【0094】
ここで、同期の定義は、大きく分けて、以下の2種類に分類される。
【0095】
(同期1) リズムが同一、かつ、テンポが同一
例えば、第1移動速度の周期(テンポ)=第2移動速度の周期(テンポ)となる場合が想定される。
(同期2) リズムが同一、かつ、テンポが不同一
例えば、移動速度の周期(テンポ)が、第2移動速度の周期(テンポ)の1/整数となる場合が想定される。
【0096】
ステップ152では、作業が終了したか否かを判断し、否定判定された場合は、ステップ150へ戻り、肯定判定された場合は、ステップ154へ移行する。
【0097】
ステップ154では、作業を継続するか否かを判断し、否定判定された場合は、ステップ146へ戻り、上記工程を繰り返す。また、ステップ154で肯定判定された場合は、このルーチンは終了する。
【0098】
(人型ロボット1の情報処理装置14の実施態様)
【0099】
図9は、情報処理装置14として機能するコンピュータ1200のハードウェア構成の一例を概略的に示す。コンピュータ1200にインストールされたプログラムは、コンピュータ1200を、第1の実施形態に係る装置の1又は複数の「部」として機能させ、又はコンピュータ1200に、本実施形態に係る装置に関連付けられるオペレーション又は当該1又は複数の「部」を実行させることができ、および/又はコンピュータ1200に、本実施形態に係るプロセス又は当該プロセスの段階を実行させることができる。そのようなプログラムは、コンピュータ1200に、本明細書に記載のフローチャートおよびブロック図のブロックのうちのいくつか又は全てに関連付けられた特定のオペレーションを実行させるべく、CPU1212によって実行されてよい。
【0100】
本実施形態によるコンピュータ1200は、CPU1212、RAM1214、およびグラフィックコントローラ1216を含み、それらはホストコントローラ1210によって相互に接続されている。コンピュータ1200はまた、通信インタフェース1222、記憶装置1224、DVDドライブ、およびICカードドライブのような入出力ユニットを含み、それらは入出力コントローラ1220を介してホストコントローラ1210に接続されている。DVDドライブは、DVD-ROMドライブおよびDVD-RAMドライブ等であってよい。記憶装置1224は、ハードディスクドライブおよびソリッドステートドライブ等であってよい。コンピュータ1200はまた、ROM1230およびキーボードのような入出力ユニットを含み、それらは入出力チップ1240を介して入出力コントローラ1220に接続されている。
【0101】
CPU1212は、ROM1230およびRAM1214内に格納されたプログラムに従い動作し、それにより各ユニットを制御する。グラフィックコントローラ1216は、
RAM1214内に提供されるフレームバッファ等又はそれ自体の中に、CPU1212によって生成されるイメージデータを取得し、イメージデータがディスプレイデバイス1218上に表示されるようにする。
【0102】
通信インタフェース1222は、ネットワークを介して他の電子デバイスと通信する。記憶装置1224は、コンピュータ1200内のCPU1212によって使用されるプログラムおよびデータを格納する。DVDドライブは、プログラム又はデータをDVD-ROM等から読み取り、記憶装置1224に提供する。ICカードドライブは、プログラムおよびデータをICカードから読み取り、および/又はプログラムおよびデータをICカードに書き込む。
【0103】
ROM1230はその中に、アクティブ化時にコンピュータ1200によって実行されるブートプログラム等、および/又はコンピュータ1200のハードウェアに依存するプログラムを格納する。入出力チップ1240はまた、様々な入出力ユニットをUSBポート、パラレルポート、シリアルポート、キーボードポート、マウスポート等を介して、入出力コントローラ1220に接続してよい。
【0104】
プログラムは、DVD-ROM又はICカードのようなコンピュータ可読記憶媒体によって提供される。プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体から読み取られ、コンピュータ可読記憶媒体の例でもある記憶装置1224、RAM1214、又はROM1230にインストールされ、CPU1212によって実行される。これらのプログラム内に記述される情報処理は、コンピュータ1200に読み取られ、プログラムと、上記様々なタイプのハードウェアリソースとの間の連携をもたらす。装置又は方法が、コンピュータ1200の使用に従い情報のオペレーション又は処理を実現することによって構成されてよい。
【0105】
例えば、通信がコンピュータ1200および外部デバイス間で実行される場合、CPU1212は、RAM1214にロードされた通信プログラムを実行し、通信プログラムに記述された処理に基づいて、通信インタフェース1222に対し、通信処理を命令してよい。通信インタフェース1222は、CPU1212の制御の下、RAM1214、記憶装置1224、DVD-ROM、又はICカードのような記録媒体内に提供される送信バッファ領域に格納された送信データを読み取り、読み取られた送信データをネットワークに送信し、又はネットワークから受信した受信データを記録媒体上に提供される受信バッファ領域等に書き込む。
【0106】
また、CPU1212は、記憶装置1224、DVDドライブ(DVD-ROM)、ICカード等のような外部記録媒体に格納されたファイル又はデータベースの全部又は必要な部分がRAM1214に読み取られるようにし、RAM1214上のデータに対し様々なタイプの処理を実行してよい。CPU1212は次に、処理されたデータを外部記録媒体にライトバックしてよい。
【0107】
様々なタイプのプログラム、データ、テーブル、およびデータベースのような様々なタイプの情報が記録媒体に格納され、情報処理を受けてよい。CPU1212は、RAM1214から読み取られたデータに対し、本開示の随所に記載され、プログラムの命令シーケンスによって指定される様々なタイプのオペレーション、情報処理、条件判断、条件分岐、無条件分岐、情報の検索/置換等を含む、様々なタイプの処理を実行してよく、結果をRAM1214に対しライトバックする。また、CPU1212は、記録媒体内のファイル、データベース等における情報を検索してよい。例えば、各々が第2の属性の属性値に関連付けられた第1の属性の属性値を有する複数のエントリが記録媒体内に格納される場合、CPU1212は、当該複数のエントリの中から、第1の属性の属性値が指定されている条件に一致するエントリを検索し、当該エントリ内に格納された第2の属性の属性
値を読み取り、それにより予め定められた条件を満たす第1の属性に関連付けられた第2の属性の属性値を取得してよい。
【0108】
上で説明したプログラム又はソフトウエアモジュールは、コンピュータ1200上又はコンピュータ1200近傍のコンピュータ可読記憶媒体に格納されてよい。また、専用通信ネットワーク又はインターネットに接続されたサーバシステム内に提供されるハードディスク又はRAMのような記録媒体が、コンピュータ可読記憶媒体として使用可能であり、それによりプログラムを、ネットワークを介してコンピュータ1200に提供する。
【0109】
本実施形態におけるフローチャートおよびブロック図におけるブロックは、オペレーションが実行されるプロセスの段階又はオペレーションを実行する役割を持つ装置の「部」を表してよい。特定の段階および「部」が、専用回路、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプログラマブル回路、および/又はコンピュータ可読記憶媒体上に格納されるコンピュータ可読命令と共に供給されるプロセッサによって実装されてよい。専用回路は、デジタルおよび/又はアナログハードウェア回路を含んでよく、集積回路(IC)および/又はディスクリート回路を含んでよい。プログラマブル回路は、例えば、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、およびプログラマブルロジックアレイ(PLA)等のような、論理積、論理和、排他的論理和、否定論理積、否定論理和、および他の論理演算、フリップフロップ、レジスタ、並びにメモリエレメントを含む、再構成可能なハードウェア回路を含んでよい。
【0110】
コンピュータ可読記憶媒体は、適切なデバイスによって実行される命令を格納可能な任意の有形なデバイスを含んでよく、その結果、そこに格納される命令を有するコンピュータ可読記憶媒体は、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を作成すべく実行され得る命令を含む、製品を備えることになる。コンピュータ可読記憶媒体の例としては、電子記憶媒体、磁気記憶媒体、光記憶媒体、電磁記憶媒体、半導体記憶媒体等が含まれてよい。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例としては、フロッピー(登録商標)ディスク、ディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、電気的消去可能プログラマブルリードオンリメモリ(EEPROM)、静的ランダムアクセスメモリ(SRAM)、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)、ブルーレイ(登録商標)ディスク、メモリスティック、集積回路カード等が含まれてよい。
【0111】
コンピュータ可読命令は、アセンブラ命令、命令セットアーキテクチャ(ISA)命令、マシン命令、マシン依存命令、マイクロコード、ファームウェア命令、状態設定データ、又はSmalltalk(登録商標)、JAVA(登録商標)、C++等のようなオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語又は同様のプログラミング言語のような従来の手続型プログラミング言語を含む、1又は複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されたソースコード又はオブジェクトコードのいずれかを含んでよい。
【0112】
コンピュータ可読命令は、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路が、フローチャート又はブロック図で指定されたオペレーションを実行するための手段を生成するために当該コンピュータ可読命令を実行すべく、ローカルに又はローカルエリアネットワーク(LAN)、インターネット等のようなワイドエリアネットワーク(WAN)を介して、汎用コンピュータ、特殊目的のコンピュータ、若しくは他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ、又はプログラマブル回路に提供されてよい。プロセッサの例としては、
コンピュータプロセッサ、処理ユニット、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ等を含む。
【0113】
なお、本実施の形態(第1の実施の形態及び第2の実施の形態)では、人型ロボット1の情報管理装置14が、本発明の演算部及び設定部として機能するようにしたが、管理制御装置58が当該機能を担ってもよい。
【0114】
(本開示の概要)
・第1の実施の形態「人間ワーカーと人型ロボットとが混在した作業環境」
【0115】
スマートロボットの一例である人型ロボットが、同一の作業環境にいる人間ワーカーの歩行速度の平均を、LiDARやカメラ等のセンサ群で自動計測し、この計測した歩行速度と同等の速度で、人型ロボットを移動させる。
【0116】
これにより、作業環境に存在する人間ワーカー及び人型ロボットを含む全体の移動速度がシンクロナイズドでできる。
【0117】
よりパーフェクトな移動速度は、作業者(人間ワーカー)も参加した人型ロボットも全く同じか、それに近いスピードで移動すれば、より安全で効率のよい、シンクロナイズドされた全体フロアの移動オペレーションができる。
【0118】
パーフェクトな移動速度を実現するために、作業者(人間ワーカー)も、人型ロボットも、同時に聞くことの可能なテンポ及びリズム(例えば、「くるみ割り人形」のようなマーチングオーダーソング)を作業環境下で流すことで、全体が同じテンポ及びリズムでシンクロ可能となる。
【0119】
テンポ及びリズムのシンクロが実現すれば、さらに、例えば、歩行速度Aに対して1.2倍(A×1.2)で音楽を流せば、全体が、1.2倍でテンポ良くかつリズム良く、かつ事故(例えば、接触や衝突等)が少なく、移動の流れがシンクロできる。
【0120】
つまり、そのフロアに異なった人々が様々なスピードで移動する混乱したフロアではなく、全体が統一され、パーフェクトなシンクロでマーチングオーダーソングを聞かせながら、例えば、10倍速で作業するフロアが実現でき、安全で、且つ、そのサブスクリプション代に対して、10倍のコストダウン又は10倍のコスト削減というメリットが得られる。
【0121】
・第2の実施の形態「人型ロボットのみの作業環境」
一方、作業環境の中に、ロボット専用レーンができれば、流れのスピードは、そのロボット専用レーンの範疇であれば、より速くすることができる。
【0122】
最も作業環境(例えば、フロア全体)を安全、かつスピード効率をよくするのは、当該フロアで働くことができるようにするには、そのフロアで働く作業者(人間ワーカー)をゼロにして、全体移動スピードをn倍速で、全ロボットをパーフェクトにシンクロしてしまえば、最も効率よく移動の流れが可能になる。例えば、作業者(人間ワーカー)の移動速度の10倍以上~20倍、或いはそれ以上で走らせることも可能である。
【0123】
なお、
図10は、第2の実施の形態に係る実施例であり、複数のアプリケーション行動をシンクロナイズドさせるときのフロー図である。
【0124】
例えば、20倍速を全フロアのシンクロのテンポ及びリズムとした場合を考える。
【0125】
この場合、走る動作及び腕の動作は20倍速にでき、指の動作は100倍速にできる。また、目及び頭に関しては、100万倍とすることができる。
【0126】
前記フロアをパーフェクトシンクロの音楽(「くるみ割り人形」を20倍速のテンポ及びリズム)で出力すると、衝突、事故が全くない全体無人倉庫オペレーションが行える、Total Logisutics osと、そのアプリケーションが可能となる。
【0127】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0128】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0129】
1 人型ロボット、2 上半身部、3 脚部、4 連結部、5,6 腕部、7,8 車輪、10 制御システム、12 センサ、14 情報処理装置、50 フロア、52 人間ワーカー、 54 棚、56 移動通路、58 管理制御装置、60 マイクロコンピュータ、 60A CPU、60B RAM、60C ROM、60D 入出力部(I/O)、60E バス、62 記録媒体、64 携帯端末、66 対人間ワーカー用送受信部、68 対ロボット用送受信部、70 スピーカ、1200 コンピュータ、1210
ホストコントローラ、1212 CPU、1214 RAM、1216 グラフィックコントローラ、1218 ディスプレイデバイス、1220 入出力コントローラ、1222 通信インタフェース、1224 記憶装置、1230 ROM、1240 入出力チップ