(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059054
(43)【公開日】2024-04-30
(54)【発明の名称】組み合わせ装身具
(51)【国際特許分類】
A44C 25/00 20060101AFI20240422BHJP
【FI】
A44C25/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2022176763
(22)【出願日】2022-10-17
(71)【出願人】
【識別番号】504157323
【氏名又は名称】スターライト穴水有限会社
(72)【発明者】
【氏名】穴水 裕明
【テーマコード(参考)】
3B114
【Fターム(参考)】
3B114CC03
3B114CC10
(57)【要約】
【課題】 本発明の目的は、単体では文字と認識できない形状である字体を用いて、秘密性のあるメッセージを持ちながら、対になる部品同士を組み合わせることで隠されたメッセージを読み取ることができるような装身具を提供することである。
【解決手段】 単体では文字と認識できない形状の2通りの字体で、対応する文字同士を重ねると、共通部分を文字と認識できる形状となっている第1字体と第2字体を用意する。この2通りの字体の対応する文字同士の組み合わせで作った秘密性のある2通りの文字列を、1対の部品にそれぞれ貫通模様として入れる。この1対の部品を重ね合わせると貫通模様の共通部分を文字列として読み取ることができる。また、1対の部品の一方に第1字体からなる文字列を貫通模様として入れ、他方には第2字体からなる文字列を装飾部分として持たせる。この1対の部品を重ね合わせると装飾部分を文字列として読み取ることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
単体では文字と認識できない形状の2通りの字体でありながら対応する文字同士を重ね合わせると共通部分を文字と認識できる形状である対になる2通りの字体を用意し、それぞれの字体の対応する文字同士の組み合わせで作ったメッセージを模様として、1対の部品にそれぞれ配したことを特徴とする装身具。
【請求項2】
請求項1における1対の部品の模様がそれぞれ部品を貫通して模様となる装身具。
【請求項3】
請求項1における1対の部品のうち、一方は模様が部品を貫通して模様となり、他方は模様と同形状の装飾部分を配した装身具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1対の部品に可読性の低い2通りの字体を入れ、それらを組み合わせることで隠されたメッセージを浮き上がらせる装身具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
装身具の部品に任意のメッセージを入れることは、登録実用新案第3036603号や登録実用新案第3170013号など、従来行われている。また、特別な技術を用いずとも、装身具部品の表面に刻印をするなどの方法で広く行われている。
【0003】
また、登録実用新案第3033947号のようにメッセージの入った装身具に秘密性を持たせる技術も知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】登録実用新案第3036603号
【特許文献2】登録実用新案第3170013号
【特許文献3】登録実用新案第3033947号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、可読性のある字体を用いてメッセージを装身具に入れた場合、一見したのみでその内容を認識できるため、秘密性のあるメッセージを入れることには不向きであった。また、登録実用新案第3033947号の方法では、メッセージを隠すことは可能であるが、メッセージを入れた部分をデザインとして楽しむことはできなかった。
【0006】
本発明の目的は、単体では文字と認識できない形状である字体を用いて、秘密性のあるメッセージを持ちながら、対になる部品同士を組み合わせることで隠されたメッセージを読み取ることができるような装身具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明では、まず第1の発明として、単体では文字と認識できない形状の、第1字体と第2字体の2通りの字体を用意する。第1字体と第2字体は、対応する文字同士を重ねると、共通部分を文字と認識できる形状となっている。
【0008】
第2の発明として、第1字体で作った文字列の形状を第1部品に貫通模様として入れる。また、その第1字体で作った文字列の各文字に対応する第2字体の文字を使って作った文字列の形状を、第2部品に貫通模様として入れる。前述の通り、第1字体と第2字体はそれぞれ単体では文字と認識できないため、これらの貫通模様は文字列と認識できず秘密性のあるデザインとなる。そして、第1部品と第2部品を重ね合わせると、貫通模様の共通部分を文字列と認識できる。
【0009】
第3の発明として、第1字体で作った文字列の形状を第1部品に貫通模様として入れ、一方、その第1字体で作った文字列の各文字に対応する第2字体の文字を使って作った文字列の形状を、第2部品に装飾部分を配する。この2つの部品を重ね合わせると、第1部品の貫通模様と第2部品の装飾部分の共通部分を文字と認識できる。
【発明の効果】
【0010】
単体では文字と認識できない形状である字体を用いることで、秘密性のあるメッセージを1対の装身具部品に入れることができた。
【0011】
また、その1対の部品それぞれのメッセージを貫通部分にすることで、それらを重ね合わせて構成した共通の貫通部分で、隠されたメッセージを透かし模様として浮き上がらせることができた。
【0012】
さらに、1対の部品それぞれのメッセージのうち一方を貫通部分とし他方を装飾部分とすることで、それらを重ね合わせて構成した部分で、隠されたメッセージを装飾部分が構成する模様として見せることができた。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】 第1字体と第2字体の2通りの字体の例を示す図
【
図2】 第1字体と第2字体の2通りの字体の例における共通部分を示す図
【
図3】 第1字体で作った貫通模様を持つ第1部品と、第2字体で作った貫通部分を持つ第2部品の、1対の部品を示す図
【
図4】
図3における第1部品と第2部品を重ね合わせた共通部分を示す図
【
図5】 第1字体で作った貫通模様を持つ第1部品と、第2字体で作った装飾部分を持つ第2部品の、1対の部品を示す図
【
図6】
図5における第1部品と第2部品を重ね合わせた共通部分を示す図
【発明を実施するための形態】
【0014】
例えば、第1の発明に基づき、
図1上段の1を第1字体の「A」、(2)を第1字体の「B」、3を第1字体の「C」とし、
図1下段の1aを第2字体の「A」、2aを第2字体の「B」、3aを第2字体の「C」とする。これらはそれぞれ「A」「B」「C」を表す文字でありながら、このままではアルファベットの「A」「B」「C」とは認識できない。これらを
図2のように重ねると、1と1aの共通部分1bが「A」、2と2aの共通部分2bが「B」、3と3aの共通部分3bが「C」と認識できる。
【0015】
図3は、第2の発明に基づいて製作した1対の板状装身具部品の例である。第1部品6上の7は第1字体における「A」の形状の貫通部分、8は第1字体における「B」の形状の貫通部分、9は第1字体における「C」の形状の貫通部分である。また、第2部品6a上の7aは第2字体における「A」の形状の貫通部分、8aは第2字体における「B」の形状の貫通部分、9aは第2字体における「C」の形状の貫通部分である。第1部品6と第2部品6aを重ね合わせ、上面から見たものが
図4である。
図4の7bは7と7aの共通部分である。8bは8と8aの共通部分である。9bは9と9aの共通部分である。したがって、6と6aを重ねた状態において、7b、8b、9bは「A」「B」「C」の形状をした貫通部分を構成する。
【0016】
また、
図5は、第3の発明に基づいて製作した1対の板状装身具部品の例である。第2の発明と同様、第1部品6上の7は第1字体における「A」の形状の貫通部分、8は第1字体における「B」の形状の貫通部分、9は第1字体における「C」の形状の貫通部分である。一方、第2部品6c上の7cは第2字体における「A」の形状の装飾部分、8cは第2字体における「B」の形状の装飾部分、9cは第2字体における「C」の形状の装飾部分である。装飾部分には、第2部品6c上でありながらよく目立つ塗料などを用いる。第1部品6と第2部品6cを重ね合わせ、上面から見たものが
図6である。
図6の7dは7と7cの共通部分である。8dは8と8cの共通部分である。9dは9と9cの共通部分である。したがって、6と6bを重ねた状態において、7d、8d、9dは「A」「B」「C」の形状をした装飾部分による模様を構成する。
【産業上の利用可能性】
【0017】
この発明によって、秘密性のあるメッセージをデザインとして持ちながら、対になる部品を重ねることで隠されたメッセージを解読できる、ペア装身具を製作することができる。
【符号の説明】
【0018】
1 第1字体の「A」
2 第1字体の「B」
3 第1字体の「C」
1a 第2字体の「A」
2a 第2字体の「B」
3a 第2字体の「C」
1b 第1字体の「A」と第2字体の「A」の共通部分
2b 第1字体の「B」と第2字体の「B」の共通部分
3b 第1字体の「C」と第2字体の「C」の共通部分
4 連結環
4a 連結環
5 連結環接続部
6 第1部品
6a 第2部品
7 第1字体の「A」の形状の貫通部分
8 第1字体の「B」の形状の貫通部分
9 第1字体の「C」の形状の貫通部分
7a 第2字体の「A」の形状の貫通部分
8a 第2字体の「B」の形状の貫通部分
9a 第2字体の「C」の形状の貫通部分
7b 7と7aの共通部分
8b 8と8aの共通部分
9b 9と9aの共通部分
4c 連結環
5c 連結環接続部
6c 装飾部分を持つ第2部品
7c 第2字体の「A」の形状の装飾部分
8c 第2字体の「B」の形状の装飾部分
9c 第2字体の「C」の形状の装飾部分
7d 7と7cの共通部分
8d 8と8cの共通部分
9d 9と9cの共通部分