(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059070
(43)【公開日】2024-04-30
(54)【発明の名称】オーバーレイ計測装置及び方法と、このためのシステム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
H01L 21/02 20060101AFI20240422BHJP
H01L 21/66 20060101ALI20240422BHJP
G03F 9/00 20060101ALI20240422BHJP
【FI】
H01L21/02 Z
H01L21/66 P
G03F9/00 H
【審査請求】有
【請求項の数】26
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023104269
(22)【出願日】2023-06-26
(31)【優先権主張番号】10-2022-0133289
(32)【優先日】2022-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】523164931
【氏名又は名称】アウロス テクノロジー インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】ファン ソル-リ
(72)【発明者】
【氏名】リム ヒ-チュル
(72)【発明者】
【氏名】ジュン ドン-ウォン
(72)【発明者】
【氏名】イ ミン-ホ
(72)【発明者】
【氏名】ション ヒュン-キョ
【テーマコード(参考)】
2H197
4M106
【Fターム(参考)】
2H197EB23
2H197HA03
2H197JA23
4M106AA01
4M106BA04
4M106CA21
4M106CA50
4M106DH03
4M106DH37
4M106DH50
(57)【要約】 (修正有)
【課題】管理者が計測装置を遠隔で便利に制御することができ、また、計測装置を使用せずにレシピを生成することができるオーバーレイ計測装置及び方法並びにこのためのシステム及びプログラムを提供する。
【解決手段】使用者端末(例:コンピュータ、ノートパソコン)と、少なくとも1つの計測装置とを含むオーバーレイ計測システム100は、送受信部と、前記送受信部と電気的に連結されたプロセッサと、を含む。プロセッサは、前記送受信部を介して使用者端末から伝送されたデータを獲得し、前記データに含まれたレシピを分析し、前記レシピの分析を完了すると、前記レシピに基づくウエハの測定オプションに対する最適化過程を行うように設定する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オーバーレイ計測装置において、
送受信部と、
前記送受信部と電気的に連結されたプロセッサとを含み、
前記プロセッサは、
前記送受信部を介して使用者端末から伝送されたデータを獲得し、
前記データに含まれたレシピを分析し、
前記レシピの分析を完了すると、前記レシピに基づくウエハの測定オプションに対する最適化過程を行うように設定された、
オーバーレイ計測装置。
【請求項2】
前記データは、前記ウエハの測定オプションに対する最適化過程を実行するか否かを示す情報を含む、
請求項1に記載のオーバーレイ計測装置。
【請求項3】
前記データは、前記使用者端末に設置されたマネージャプログラムによって、ウエハの特性を測定するように入力されたレシピに関する情報と、前記オーバーレイ計測装置に関する固有情報とを含む、
請求項1に記載のオーバーレイ計測装置。
【請求項4】
前記固有情報は、
前記オーバーレイ計測装置に対するIP(Internet Protocol)アドレス、識別子(Identifier)、パスワード、及びサーバのIPを含む、
請求項3に記載のオーバーレイ計測装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記データに含まれたレシピファイル名の形式及びファイル拡張子のうち少なくとも1つを用いて、前記レシピファイルの真偽を判断する、
請求項1に記載のオーバーレイ計測装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記オーバーレイ計測装置内において、1つ以上のフィルタを1回測定して、各フィルタ別に複数のパラメータに対する統計値を計算し、
前記計算された統計値に加重値をそれぞれ付与し、前記加重値がそれぞれ付与された統計値の和が最小となるフィルタを選択する、フィルタ最適化過程を行うように設定され、
前記複数のパラメータは、ファイナルレジデュアル3シグマ(Final Residual 3 Sigma)、ティス3シグマ(TIS 3 Sigma)、レジストレーション3シグマ(Registration 3 Sigma)、TMU(Total Measurement Uncertainty)、及びMAM(Move and Measure)timeのうち少なくとも1つ、又はこれらを組み合わせた総重量を含む、
請求項1に記載のオーバーレイ計測装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記オーバーレイ計測装置内において、1つ以上の絞りを1回測定して、各絞り別に前記複数のパラメータに対する統計値を計算し、
前記計算された統計値に加重値をそれぞれ付与し、
前記加重値がそれぞれ付与された統計値の和が最小となる絞りを選択する、絞り最適化過程を行うように設定された、
請求項1に記載のオーバーレイ計測装置。
【請求項8】
前記プロセッサは、
前記オーバーレイ計測装置内の1つのサイトでフォーカススキャンを行って、フォーカス測定領域を決定し、
各サイトごとに、前記決定された測定領域内において、1つのステップずつフォーカスを移動して、前記複数のパラメータに対する統計値を計算し、
前記計算された統計値に加重値をそれぞれ付与し、
前記加重値がそれぞれ付与された統計値の和が最小となるフォーカスを選択する、フォーカス最適化過程を行うように設定された、
請求項1に記載のオーバーレイ計測装置。
【請求項9】
前記プロセッサは、
前記オーバーレイ計測装置内の絞りによる第1ピンホール位置で1回測定し、
前記第1ピンホール位置から一定距離移動した第2ピンホール位置で1回測定し、
前記第1ピンホール位置及び前記第2ピンホール位置で前記ティス3シグマを計算し、
絞りによるピンホール位置別に前記ティス3シグマをモデリングして、前記ティス3シグマが最小となるピンホールの位置を選択する、ピンホール最適化過程を行うように設定された、
請求項1に記載のオーバーレイ計測装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、
前記フィルタ最適化過程、前記絞り最適化過程、前記フォーカス最適化過程、及び前記ピンホール最適化過程のそれぞれから選択されたオプションに関する情報をメモリに貯蔵するように設定された、
請求項1に記載のオーバーレイ計測装置。
【請求項11】
オーバーレイ計測システムの動作を制御する命令語を含むプログラムを貯蔵する、コンピュータ読み取り可能な記録媒体において、
前記プログラムは、
使用者を介して入力されたレシピに関する情報と、オーバーレイ計測装置に関する固有情報とを含むデータを生成させる命令語;及び
前記生成したデータを、前記固有情報に該当するオーバーレイ計測装置に伝送して、前記オーバーレイ計測装置が前記レシピの分析を完了すると、前記レシピに基づくウエハの測定オプションに対する最適化過程を行わせる命令語を含む、
コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項12】
前記プログラムは、使用者端末に設置されており、
前記生成した複数のデータを少なくとも1つのオーバーレイ計測装置に伝送させる命令語を含む、
請求項11に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項13】
前記プログラムは、
前記オーバーレイ計測装置が、前記データに含まれたレシピファイル名の形式及びファイル拡張子のうち少なくとも1つを用いて、前記レシピファイルの真偽を判断させる命令語を含む、
請求項11に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項14】
前記プログラムは、
前記オーバーレイ計測装置が、前記オーバーレイ計測装置内において、1つ以上のフィルタを1回測定して、各フィルタ別に複数のパラメータに対する統計値を計算させる命令語;
前記オーバーレイ計測装置が、前記計算された統計値に加重値をそれぞれ付与させる命令語;及び
前記オーバーレイ計測装置が、前記加重値がそれぞれ付与された統計値の和が最小となるフィルタを選択する、フィルタ最適化過程を行わせる命令語を含み、
前記複数のパラメータは、ファイナルレジデュアル3シグマ、ティス3シグマ、レジストレーション3シグマ、TMU、及びMAM timeのうち少なくとも1つ、又はこれらを組み合わせた総重量を含む、
請求項11に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項15】
前記プログラムは、
前記オーバーレイ計測装置が、前記オーバーレイ計測装置内において、1つ以上の絞りを1回測定して、各絞り別に前記複数のパラメータに対する統計値を計算させる命令語;
前記オーバーレイ計測装置が、前記計算された統計値に加重値をそれぞれ付与させる命令語;及び
前記加重値がそれぞれ付与された統計値の和が最小となる絞りを選択する、絞り最適化過程を行わせる命令語を含む、
請求項11に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項16】
前記プログラムは、
前記オーバーレイ計測装置が、前記オーバーレイ計測装置内の1つのサイトでフォーカススキャンを行って、フォーカス測定領域を決定させる命令語;
前記オーバーレイ計測装置が、各サイトごとに、前記決定された測定領域内において、1つのステップずつフォーカスを移動して、前記複数のパラメータに対する統計値を計算させる命令語;及び
前記オーバーレイ計測装置が、前記計算された統計値に加重値をそれぞれ付与し、前記加重値がそれぞれ付与された統計値の和が最小となるフォーカスを選択する、フォーカス最適化過程を行わせる命令語を含む、
請求項11に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項17】
前記プログラムは、
前記オーバーレイ計測装置が、前記オーバーレイ計測装置内の絞りによる第1ピンホール位置で1回測定させる命令語;
前記オーバーレイ計測装置が、前記第1ピンホール位置から一定距離移動した第2ピンホール位置で1回測定させる命令語;
前記オーバーレイ計測装置が、前記第1ピンホール位置及び前記第2ピンホール位置で前記ティス3シグマを計算させる命令語;及び
前記オーバーレイ計測装置が、絞りによるピンホール位置別に前記ティス3シグマをモデリングして、前記ティス3シグマが最小となるピンホールの位置を選択する、ピンホール最適化過程を行わせる命令語を含む、
請求項11に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項18】
前記プログラムは、
前記オーバーレイ計測装置が、前記フィルタ最適化過程、前記絞り最適化過程、前記フォーカス最適化過程、及び前記ピンホール最適化過程のそれぞれから選択されたオプションに関する情報を貯蔵させる命令語を含む、
請求項11に記載のコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項19】
オーバーレイ計測システムにおいて、
マネージャプログラムによって入力されたレシピに関する情報と、オーバーレイ計測装置に関する固有情報とを含むデータを生成し、前記生成されたデータを、前記固有情報に該当するオーバーレイ計測装置に伝送する使用者端末と、
前記使用者端末から受信されるデータに含まれたレシピを分析し、前記レシピの分析を完了すると、前記レシピに基づくウエハの測定オプションに対する最適化過程を行う、前記オーバーレイ計測装置とを含む、
オーバーレイ計測システム。
【請求項20】
オーバーレイ計測装置の方法において、
使用者端末からデータを受信する過程;
前記データに含まれたレシピを分析する過程;及び
前記レシピの分析を完了すると、前記レシピに基づくウエハの測定オプションに対する最適化過程を行う、
方法。
【請求項21】
前記データを受信する過程は、
前記データに含まれたレシピファイル名の形式及びファイル拡張子のうち少なくとも1つを用いて、前記レシピファイルの真偽を判断する過程を含む、
請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記最適化過程は、
前記オーバーレイ計測装置内において、1つ以上のフィルタを1回測定して、各フィルタ別に複数のパラメータに対する統計値を計算する過程と、
前記計算された統計値に加重値をそれぞれ付与し、前記加重値がそれぞれ付与された統計値の和が最小となるフィルタを選択する、フィルタ最適化過程とをさらに含み、
前記複数のパラメータは、ファイナルレジデュアル3シグマ(Final Residual 3 Sigma)、ティス3シグマ(TIS 3 Sigma)、レジストレーション3シグマ(Registration 3 Sigma)、TMU(Total Measurement Uncertainty)、及びMAM(Move and Measure)timeのうち少なくとも1つ、又はこれらを組み合わせた総重量を含む、
請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記最適化過程は、
前記オーバーレイ計測装置内において、1つ以上の絞りを1回測定して、各絞り別に、前記複数のパラメータに対する統計値を計算する過程;
前記計算された統計値に加重値をそれぞれ付与する過程;及び
前記加重値がそれぞれ付与された統計値の和が最小となる絞りを選択する、絞り最適化過程をさらに含む、
請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記最適化過程は、
前記オーバーレイ計測装置内の1つのサイトでフォーカススキャンを行って、フォーカス測定領域を決定する過程;
各サイトごとに、前記決定された測定領域内において、1つのステップずつフォーカスを移動して、前記複数のパラメータに対する統計値を計算する過程;
前記計算された統計値に加重値をそれぞれ付与する過程;及び
前記加重値がそれぞれ付与された統計値の和が最小となるフォーカスを選択する、フォーカス最適化過程をさらに含む、
請求項20に記載の方法。
【請求項25】
前記最適化過程は、
前記オーバーレイ計測装置内の絞りによる第1ピンホール位置で1回測定する過程;
前記第1ピンホール位置から一定距離移動した第2ピンホール位置で1回測定する過程;
前記第1ピンホール位置及び前記第2ピンホール位置で前記ティス3シグマを計算する過程;及び
絞りによるピンホール位置別に前記ティス3シグマをモデリングして、前記ティス3シグマが最小となるピンホールの位置を選択する、ピンホール最適化過程をさらに含む、
請求項20に記載の方法。
【請求項26】
オーバーレイ計測システムの方法において、
使用者端末が、マネージャプログラムによって入力されたレシピに関する情報と、オーバーレイ計測装置に関する固有情報とを含むデータを生成し、前記生成されたデータを、前記固有情報に該当するオーバーレイ計測装置に伝送する過程と、
前記オーバーレイ計測装置が、前記使用者端末から受信されるデータに含まれたレシピを分析し、前記レシピの分析を完了すると、前記レシピに基づくウエハの測定オプションに対する最適化過程を行う過程とを含む、
方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーバーレイ計測装置及び方法と、このためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
通常、技術の発展に伴い、ウエハの特性を計測する半導体デバイスのサイズが小さくなり、計測装置の集積回路の密度は増えている。集積回路をウエハに形成するためには、特定の位置で所望の回路の構造及び要素が順次形成されるように複数の製造過程を経らなければならない。これらの製造過程は、ウエハ上にパターン化した層を順次生成させる。
【0003】
これらの繰り返した積層工程によって、集積回路内に電気的に活性化したパターンが生成される。このとき、各々の構造が生産工程で許容する誤差範囲内に整列されていないと、電気的に活性化したパターンの間に干渉が起こり、かかる現象により、製造された回路の性能及び信頼性に問題が生じ得る。これらの層間に整列誤差を測定及び検証するために管理者は、装置におけるウエハの特性を測定するレシピを入力するか設定した。
【0004】
ところが、従来より管理者は、計測装置でレシピを直接入力するため、時間と空間上の制約があった。
【0005】
また、従来より管理者は、直接フィルタ、絞り、フォーカス、ピンホールなどのオプションを選択、測定、及び値の確認を繰り返して行い、最適のオプションを決定していることから、管理者の熟練度、能力及び経験が大きな変数と作用し、これによって、最適化したオプションに基づいてウエハの特性を効率よく測定することができなかった。
【0006】
よって、レシピを測定しつつレシピのオプションを最適化する必要性が提起される。
【0007】
また、最適化に要する最小限の情報を計測装置に伝送することで、計測装置がオプションに対する最適化過程を行う必要性が提起される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
よって、本発明は、オーバーレイ計測装置及び方法と、このためのシステムを提供することである。
【0009】
また、本発明は、計測装置が測定オプションに対する最適化過程を行うように、管理者PCで駆動されて、レシピに関する情報を伝送するマネージャプログラムを提供することである。
【0010】
また、本発明は、管理者PCで受信されるデータに基づいて、ウエハの測定オプションに対する最適化過程を行う計測装置及び方法を提供することである。
【0011】
本発明の目的は、以上で言及した目的に限らず、言及していない本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解でき、本発明の実施形態によってより明らかに理解することができる。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示した手段及びその組み合わせによって実現できることが分かりやすい。
【課題を解決するための手段】
【0012】
かかる目的を達するために、本発明の一実施形態によるオーバーレイ計測装置は、送受信部と、前記送受信部と電気的に連結されたプロセッサとを含み、前記プロセッサは、前記送受信部を介して使用者端末から伝送されたデータを獲得し、前記データに含まれたレシピを分析し、前記レシピの分析を完了すると、前記レシピに基づくウエハの測定オプションに対する最適化過程を行うように設定することができる。
【0013】
また、本発明の一実施形態によるオーバーレイ計測システムの動作を制御する命令語を含むプログラムを貯蔵する、コンピュータ読み取り可能な記録媒体における前記プログラムは、マネージャプログラムによって入力されたレシピに関する情報と、オーバーレイ計測装置に関する固有情報とを含むデータを生成させる命令語;及び前記生成されたデータを、前記固有情報に該当するオーバーレイ計測装置に伝送して、前記オーバーレイ計測装置が前記レシピの分析を完了すると、前記レシピに基づくウエハの測定オプションに対する最適化過程を行わせる命令語を含むことができる。
【0014】
また、本発明の一実施形態によるオーバーレイ計測システムは、マネージャプログラムによって入力されたレシピに関する情報と、オーバーレイ計測装置に関する固有情報とを含むデータを生成し、前記生成されたデータを、前記固有情報に該当するオーバーレイ計測装置に伝送する使用者端末と、前記使用者端末から受信されるデータに含まれたレシピを分析し、前記レシピの分析を完了すると、前記レシピに基づくウエハの測定オプションに対する最適化過程を行う前記オーバーレイ計測装置とを含むことができる。
【0015】
また、本発明の一実施形態によるオーバーレイ計測装置の方法は、使用者端末からデータを受信する過程;前記データに含まれたレシピを分析する過程;及び前記レシピの分析を完了すると、前記レシピに基づくウエハの測定オプションに対する最適化過程を行う過程を含むことができる。
【0016】
また、本発明の一実施形態によるオーバーレイ計測システムの方法は、使用者端末が、マネージャプログラムによって入力されたレシピに関する情報と、オーバーレイ計測装置に関する固有情報とを含むデータを生成し、前記生成されたデータを、前記固有情報に該当するオーバーレイ計測装置に伝送する過程と、前記オーバーレイ計測装置が、前記使用者端末から受信されるデータに含まれたレシピを分析し、前記レシピの分析を完了すると、前記レシピに基づくウエハの測定オプションに対する最適化過程を行う過程と、を含むことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、使用者端末がマネージャプログラムによって入力されたレシピに関する情報と、計測装置に関する固有情報とを含むデータを生成し、前記生成されたデータを、前記固有情報に該当する計測装置に伝送することで、管理者は、計測装置を遠隔で便利に制御することができ、また、計測装置を使用せずにレシピを生成することができる。
【0018】
また、本発明は、計測装置が使用者端末から受信されるデータに含まれたレシピを分析し、前記レシピの分析を完了すると、前記レシピに基づくウエハの測定オプションに対する最適化過程を行うことで、最適化したオプションに基づいてウエハの特性を効率よく測定することができる。
【0019】
また、本発明は、使用者端末がウエハの測定オプションに対する最適化過程を実行するか否かを示す情報を含むデータを生成することで、計測装置がウエハの測定オプションに対する最適化過程を自動で行わせることができる。
【0020】
また、本発明は、使用者端末が計測装置の固有情報を含むデータを生成することで、使用者端末は、複数の計測装置のそれぞれに当該データを伝送することができる。
【0021】
また、本発明は、計測装置内の1つ以上のフィルタを1回測定して、各フィルタ別に複数のパラメータに対する統計値を計算し、前記計算された統計値に加重値をそれぞれ付与し、前記加重値がそれぞれ付与された統計値の和が最小となるフィルタを選択することで、フィルタ最適化過程を行うことができる。
【0022】
また、本発明は、計測装置内の1つ以上の絞りを1回測定して、各絞り別に前記複数のパラメータに対する統計値を計算し、前記計算された統計値に加重値をそれぞれ付与し、前記加重値がそれぞれ付与された統計値の和が最小となる絞りを選択することで、絞り最適化過程を行うことができる。
【0023】
また、本発明は、計測装置内の1つのサイトにおいて、フォーカススキャンを行って、フォーカス測定領域を決定し、各サイトごとに前記決定された測定領域内において、1つのステップだけフォーカスを移動して、前記複数のパラメータに対する統計値を計算し、前記計算された統計値に加重値をそれぞれ付与し、前記加重値がそれぞれ付与された統計値の和が最小となるフォーカスを選択することで、フォーカス最適化過程を行うことができる。
【0024】
また、本発明は、計測装置内の絞りによる第1ピンホール位置で1回測定し、前記第1ピンホール位置から一定距離移動した第2ピンホール位置で1回測定し、前記第1ピンホール位置及び前記第2ピンホール位置で前記ティス3シグマを計算し、絞りによるピンホール位置別に前記ティス3シグマをモデリングして、前記ティス3シグマが最小となるピンホールの位置を選択することで、ピンホール最適化過程を行うことができる。
【0025】
また、本発明は、フィルタ最適化過程、絞り最適化過程、フォーカス最適化過程、及びピンホール最適化過程のそれぞれから選択されたオプションに関する情報を貯蔵することで、使用者の経験を問わず、データに基づく一貫した自動最適化を提供することができる。
【0026】
上述した効果並びに本発明の具体的な効果は、以下の発明を実施するための形態を説明すると共に記述する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の一実施形態によるオーバーレイ計測システムを示した例示図である。
【
図2】本発明の一実施形態によるオーバーレイ計測装置の概念図である。
【
図3】本発明の一実施形態によるオーバーレイ計測システムのブロック図である。
【
図4】本発明の一実施形態による使用者端末が計測装置にデータを伝送する過程を示した手順図である。
【
図5】本発明の一実施形態によるマネージャプログラム上に、複数のパラメータに関する情報を入力した例示図である。
【
図6】本発明の一実施形態による計測装置が、レシピファイルに基づいて最適化を行う過程を示した手順図である。
【
図7】本発明の一実施形態による計測装置が、レシピファイルに基づいて最適化を行う状態を示した例示図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
前述した目的、特徴及び長所は、添付の図面を参照して詳細に後述され、これによって、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術思想を容易に実施することができる。本発明の説明にあたり、本発明に係る公知の技術に関する具体的な説明が、本発明の要旨を曖昧にすると判断される場合には、詳細な説明を省略する。以下では、添付の図面を参照して、本発明による好ましい実施形態を詳説することとする。図面における同じ参照符号は、同一又は類似の構成要素を示すために使われる。
【0029】
たとえ第1、第2などは、様々な構成要素を述べるために使われるものの、これらの構成要素は、これらの用語によって制限されないことは勿論である。これらの用語は、単に一構成要素を他構成要素と区別するために使うものであって、特に逆の記載がない限り、第1構成要素は、第2構成要素であってもよいことは勿論である。
【0030】
以下では、構成要素の「上部(又は下部)」又は構成要素の「上(又は下)」に任意の構成が配されるということは、任意の構成が、上記構成要素の上面(又は下面)に接して配されるだけでなく、上記構成要素と、上記構成要素上に(又は下に)配された任意の構成との間に他の構成が介在し得ることを意味する。
【0031】
また、ある構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」又は「接続」されると記載されている場合、上記構成要素は、互いに直接に連結されるか、又は接続されていてもよいものの、各構成要素の間に他の構成要素が「介在」するか、各構成要素が他の構成要素を介して「連結」、「結合」又は「接続」されていてもよいと理解しなければならない。
【0032】
全明細書において、特に逆の記載がない限り、各構成要素は、単数であってもよく、複数であってもよい。
【0033】
本明細書で使われる単数の表現は、文脈上明らかに他に意味しない限り、複数の表現を含む。本出願における「構成される」又は「含む」などの用語は、明細書上に記載の複数の構成要素、又は複数の段階を必ずしも全て含むものと解釈されてはならず、そのうち一部の構成要素又は一部の段階は、含まれていなくてもよく、又はさらなる構成要素又は段階を含むことができると解釈しなければならない。
【0034】
全明細書において、「A及び/又はB」とするとき、これは特に逆の記載がない限り、A、B又はA及びBを意味し、「C~D」とするとき、これは特に逆の記載がない限り、C以上かつD以下であることを意味する。
【0035】
以下では、本発明の幾つかの実施形態によるオーバーレイ計測装置及び方法と、このためのシステムを説明することとする。
【0036】
図1は、本発明の一実施形態によるオーバーレイ計測システムを示した例示図である。
【0037】
図1を参照すると、発明の一実施形態によるオーバーレイ計測システム100は、使用者端末110(例:コンピュータ、ノートパソコンなど)と、少なくとも1つの計測装置120とを含むことができる。
【0038】
一実施形態によれば、使用者端末110は、通信プロトコル(例:FTP(File Transfer Protocol))を介して、少なくとも1つの計測装置120とデータ又は信号を送受信することができる。例えば、使用者端末110は、1つの計測装置にデータ又は信号を送信することができるか、もしくは複数の計測装置にデータ又は信号を同時に送信することができる。
【0039】
一実施形態によれば、使用者端末110は、少なくとも1つの計測装置120に関する情報が使用者から入力されるマネージャプログラム(例:ARO(Auto Recipe Optimization)マネージャプログラム)を実行させることができる。前記マネージャプログラムは、ウエハの特性を測定する計測装置の動作に関するレシピ情報が使用者から入力されてもよい。例えば、前記マネージャプログラムは、ウエハの特性を測定する複数のパラメータに対する値が使用者から入力されてもよい。
【0040】
このように、マネージャプログラムは、使用者端末110に設置されている。そして、使用者端末110は、マネージャプログラムによって計測装置120と同期化を行って、信号又はデータをリアルタイムで交換することができる。
【0041】
これら使用者端末110に設置されたマネージャプログラム(例:AROマネージャプログラム)のUI(User Interface)は、計測装置に設置されたUIと類似であってもよい。そして、マネージャプログラムは、レシピに設定しようとするオプションがチェックして貯蔵されると、レシピファイルを生成することができる。レシピオプションは、レシピの生成時、初期値が基本的に設定されており、使用者が所望する場合、変更可能である。そして、使用者端末110で生成したファイルは、FTPを介してレシピを測定しようとする計測装置に伝送することができる。
【0042】
そして、計測装置にレシピファイルを送るためには、マネージャプログラムに当該装置のPC IP、識別子(Identifier)、パスワード(Password)、及びServer IP情報が入力されていなければならない。これら情報が正常に入力されると、使用者端末110は、レシピの生成時に使用するために、計測装置に貯蔵されているファイルのFTP経路を登録することができる。そして、当該情報は、計測装置では入力しないマネージャプログラムを使用するために必要なものである。
【0043】
装備に貯蔵されているファイルとは、それぞれ装備で使用するフィルタリスト、絞りリスト、フォーカス、及びピンホールに使用されるテンプレートリスト、そして各計測装置のバージョン情報などを貯蔵しているファイルであってもよい。
【0044】
マネージャプログラムは、レシピを複数本の計測装置に同時に伝送させることができるため、上記過程を繰り返して、複数の計測装置をさらに登録することができる。各計測装置は、最初一回の登録が必要である。また、必要な際に追加された計測装置の削除、修正も可能である。
【0045】
そして、レシピは、使用者がウエハの情報を予め知っていた状態で生成可能であるが、当該ツールでは、データファイルを用いてウエハ情報を再構成することができる。よって、ウエハ情報が分からなくても、当該ウエハを測定していたデータファイルをロードして、レシピを生成可能である。
【0046】
一実施形態によれば、使用者端末110は、入力されたレシピに関する情報と、計測装置120に関する固有情報(例:計測装置のIP(Internet Protocol)アドレス、計測装置の識別子(Identifier)、パスワード、及びサーバのIPアドレス)とを含むデータを生成することができる。例えば、使用者端末110は、計測装置別にレシピに関する情報と、計測装置に関する固有情報とを含むデータをそれぞれ生成することができる。
【0047】
一実施形態によれば、使用者端末110は、計測装置別にウエハの測定オプションに対する最適化過程を実行するか否かを示す情報を含めてデータを生成することができる。
【0048】
一実施形態によれば、使用者端末110は、前記生成されたデータを固有情報に該当する計測装置に伝送することができる。例えば、使用者端末110は、データ又は信号を1つの計測装置に送信することができるか、もしくはデータ又は信号を複数の計測装置のそれぞれに同時に送信することができる。
【0049】
上述したように、使用者端末110は、複数の計測装置の個々の固有情報を含む複数のデータを生成し、前記生成された複数のデータを当該計測装置に同時に伝送することができる。
【0050】
一実施形態によれば、計測装置120は、使用者端末110から受信されるデータに含まれたレシピを分析し、レシピの分析を完了すると、レシピに基づくウエハの測定オプションに対する最適化過程を行うことができる。
【0051】
例えば、使用者端末110に設置されたマネージャプログラムと、計測装置120に設置された計測ソフトウェア(例:オーバーレイアプリケーション)は、FTPを介してデータを送受信することができる。
【0052】
一実施形態によれば、計測装置120に設置された計測ソフトウェア(例:オーバーレイアプリケーション)は、使用者端末110に設置されたマネージャプログラムと互いに連動して動作され、使用者端末110から受信されたデータ(例:レシピ情報)に基づいて計測装置を動作させる命令語を含むことができる。
【0053】
一実施形態によれば、計測装置120は、計測ソフトウェアが実行されている状態で、スレッド(thread)を用いて使用者端末110からレシピファイルが受信される経路を継続して確認することができる。
【0054】
一実施形態によれば、計測装置120は、レシピファイルが受信されると、レシピファイル名の形式及びファイル拡張子のうち少なくとも1つを用いて、当該ファイルがレシピファイルであるかを確認することができる。
【0055】
例えば、名の形式は、0000@@0000であってもよく、拡張子は、xmlであってもよい。
【0056】
一実施形態によれば、計測装置120は、レシピファイルを1行1行ずつ(line by line)読み取って、レシピ情報を構成することができる。そして、最後の行まで読み取った後、レシピ情報構成を完了すると、当該レシピを貯蔵することができる。
【0057】
一実施形態によれば、計測装置120は、レシピ情報の構成が失敗する場合、レシピファイルが伝送される経路を介してレシピ構成の失敗を示すエラーメッセージを伝送し、失敗の理由をログファイルに記録して貯蔵する。
【0058】
一実施形態によれば、計測装置120は、レシピ情報の構成を完了して、受信されたデータにウエハの測定オプションに対する最適化過程の実行を示す情報が含まれていると、フィルタ最適化過程、絞り最適化過程、フォーカス最適化過程、ピンホール最適化過程、及び選択されたオプションを貯蔵する過程を手順に関係なく行うことができる。
【0059】
また、計測装置120は、上述したフィルタ最適化過程、絞り最適化過程、フォーカス最適化過程、ピンホール最適化過程、及び選択されたオプションを貯蔵する過程を順に行うこともできる。
【0060】
一実施形態によれば、計測装置120は、レシピの測定オプションを自動で最適化させることができ、これら機能をARO(Auto Recipe Optimization)機能と言える。このとき、代表的に最適化オプションでは、フィルタ(Filter)、絞り開口数(NA)、フォーカス(Focus)、ピンホール(Pinhole)があり、追って様々なオプションを追加することができる。
【0061】
よって、レシピは、ウエハ情報及び測定ターゲット位置情報さえあれば、AROを介して最適のオプションを自動貯蔵することができる。
【0062】
ARO機能を使用すると、プログラムで様々なオプションを自動で測定、選択して最適化するため、作業者の空数を減らすことができる。また、作業者個人の能力に大きく影響されている最適化速度を一定に短縮することができる。
【0063】
図2は、本発明の一実施形態によるオーバーレイ計測装置の概念図である。
【0064】
図2を参照すると、本発明の一実施形態によるオーバーレイ計測装置120は、ウエハ240に形成された相異する層にそれぞれ形成された第1オーバーレイマーク(OM1)と、第2オーバーレイマーク(OM2)との間の誤差を計測する装置である。
【0065】
例えば、第1オーバーレイマーク(OM1)は、以前層に形成されたオーバーレイマークであり、第2オーバーレイマーク(OM2)は、現在層に形成されたオーバーレイマークであってもよい。オーバーレイマークは、ダイ領域に半導体デバイスを形成するための層を形成するとともに、スクライブレーンに形成される。例えば、第1オーバーレイマーク(OM1)は、絶縁膜パターンと共に形成されて、第2オーバーレイマーク(OM2)は、絶縁膜パターン上に形成されるフォトレジストパターンと共に形成されていてもよい。
【0066】
かかる場合、第2オーバーレイマーク(OM2)は、外部に露出しているが、第1オーバーレイマーク(OM1)は、フォトレジスト層によって遮られた状態であり、フォトレジスト材料からなる第2オーバーレイマーク(OM2)とは、光学的性質が異なる酸化物からなる。また、第1オーバーレイマーク(OM1)と第2オーバーレイマーク(OM2)の焦点面は、同一であるか相異する。
【0067】
本発明の一実施形態によるオーバーレイ計測装置120は、光源210、第1ビームスプリッタ(beam splitter)212、第1ミラー213、第1スペクトラムフィルタ(color filter)214、第2スペクトラムフィルタ215、ビームコンバイナ(beam combiner)216、第2ミラー217、リレーレンズ218、偏光フィルタ221、絞り251、第2検出機233、焦点アクチュエータ234、ズームレンズ232、第1検出機231、第2ビームスプリッタ230、光学素子227、第3ビームスプリッタ224、ラムダ波長板222、対物レンズ220、レンズ焦点アクチュエータ225、絞り251、AF(Auto Focus)261、及びプロセッサ270を含むことができる。
【0068】
図2に示されたオーバーレイ計測装置120の構成は、一実施形態によるものであり、オーバーレイ計測装置120の構成要素が、
図2に示された実施形態に限定されるものではなく、必要に応じて、一部の構成要素を付加、変更又は削除することができる。例えば、オーバーレイ計測装置120は、プロセッサ270によってオーバーレイ計測装置120の各構成の動作を抑制する命令語、プログラム、ロジッグなどを貯蔵するメモリ(不図示)を含むことができる。
【0069】
一実施形態によれば、光源210としては、ハロゲンランプ、ゼノンランプ、スーパーコンティニウムレーザ(supercontinuum laser)、発光ダイオード、レーザ励起ランプ(laser induced lamp)などを用いることができる。
【0070】
一実施形態によれば、第1ビームスプリッタ212は、光源210から出たビームを2つのビームに分離させる役割を担う。第1ビームスプリッタ212は、光源210から出たビームの一部は透過させ、一部は反射させて、光源210から出たビームを2つのビームに分離させる。
【0071】
一実施形態によれば、第1ミラー213は、第1ビームスプリッタ212と第2スペクトラムフィルタ215との間に設置され、第1ビームスプリッタ212で反射したビームを第2スペクトラムフィルタ215に向けてビームの経路を変更させる。
【0072】
一実施形態によれば、第1スペクトラムフィルタ214は、第1ビームスプリッタ212で分離されたビームのうち、第1ビームスプリッタ212を透過したビームの中心波長及びバンド幅を現在層に形成された第2オーバーレイマーク(OM2)のイメージ獲得に好適に調節する役割を担う。スペクトラムフィルタは、フィルタホイール、線状並進デバイス、フリッパデバイスのうち1つを用いることができる。
【0073】
一実施形態によれば、第2スペクトラムフィルタ215は、第1ビームスプリッタ212から分離されたビームのうち、第1ビームスプリッタ212で反射したビームの中心波長及びバンド幅を以前層に形成された第1オーバーレイマーク(OM1)のイメージ獲得に好適に調節する役割を担う。本発明は、第1スペクトラムフィルタと第2スペクトラムフィルタを種々のフィルタに取り替えることができる。そして、スペクトラムフィルタは、フィルタホイール、線状並進デバイス、フリッパデバイスのうち少なくとも1つを含むことができる。
【0074】
一実施形態によれば、ビームコンバイナ(beam combiner)216は、第1スペクトラムフィルタ214と第2スペクトラムフィルタ215を通過した光を合わせる役割を担う。第1スペクトラムフィルタ214を通過した光は、ビームコンバイナ216を透過し、第2スペクトラムフィルタ215を通過したビームは、第2ミラー217によってビームコンバイナ216に向けてビームの経路が変更した後、ビームコンバイナ216で反射して、ビームコンバイナ216を透過したビームとさらに合わさった後、絞り251を通過する。
【0075】
一実施形態によれば、絞り251は、ビームコンバイナを透過したビームを第1オーバーレイマーク1の撮影に適した形態に変更する役割を担う。
【0076】
一実施形態によれば、第2検出機233は、第2ビームスプリッタ230で反射したビームを検出する。第2検出機233は、焦点アクチュエータ(focus actuator)234に設置されて、第2ビームスプリッタ230と第2検出機233との間の距離が調節される。第2検出機233は、第1オーバーレイマーク(OM1)のイメージを獲得する。
【0077】
一実施形態によれば、第1検出機231は、第2ビームスプリッタ230を通過したビームを検出する。第1検出機231は、第2オーバーレイマーク(OM2)のイメージを獲得することができる。
【0078】
または、使用者の設定によって、第2検出機は動作せず、第1検出機でのみ第1オーバーレイマーク(OM1)と第2オーバーレイマーク(OM2)のイメージ獲得を実施することができる。
【0079】
一実施形態によれば、ズームレンズ232は、第2ビームスプリッタ230と焦点アクチュエータ234との間に設置される。ズームレンズ232は、第2検出機233の位置変化値を焦点アクチュエータ234から受信し、これに基づいて、第2オーバーレイマーク(OM2)のイメージと、第1オーバーレイマーク(OM1)のイメージの倍率を一致させる役割を担う。第1オーバーレイマーク(OM1)と第2オーバーレイマーク(OM2)との高さ差によって、第2検出機233と第2ビームスプリッタ230との間の光経路距離は、第1検出機231と第2ビームスプリッタ230との間の光経路距離と異なるため、第1検出機231で獲得されたイメージと第2検出機233で獲得されたイメージの倍率が相異し得る。正確なオーバーレイ誤差を測定するためには、倍率を一致させなければならない。
【0080】
一実施形態によれば、第2ビームスプリッタ230は、対物レンズ220で収集したビームを2つのビームに分離する役割を担う。第2ビームスプリッタ230は、チューブビームスプリッタと、ダイクロイックフィルタ(dichroic filter)とを含むことができる。ダイクロイックフィルタは、特定の波長ビームを透過させるフィルタである。対物レンズ220で収集したビームは、ラムダ波長板222、第3ビームスプリッタ224及び光学素子227を経て、第2ビームスプリッタ230で2つのビームに分離される。すなわち、第1オーバーレイマーク(OM1)の検出に適したビームと、第2オーバーレイマーク(OM2)の検出に適したビームとに分離される。
【0081】
一実施形態によれば、前記光学素子227は、ホットミラー(hot mirror)及びコールドミラー(cold mirror)を含むことができる。
【0082】
一実施形態によれば、第3ビームスプリッタ224は、コンバイナ216を介して合わさったビームをさらに2つのビームに分離する役割を担う。ビームコンバイナ216を介して合わさったビームは、リレーレンズ218及び偏光フィルタ221を経て偏光した状態で、第3ビームスプリッタ224で2つのビームに分離される。
【0083】
一実施形態によれば、対物レンズ220は、コンバイナ216で合わさった後、第3ビームスプリッタ224で反射した後、ラムダ波長板222を経て円偏光になったビームをウエハ240の測定位置で集光させ、測定位置で反射したビームを収集する役割を担う。対物レンズ220は、レンズ焦点アクチュエータ(lens focus actuator)225に設置される。
【0084】
一実施形態によれば、レンズ焦点アクチュエータ225は、対物レンズ220とウエハ240との間の距離を調節して、焦点面が第1オーバーレイマーク(OM1)又は第2オーバーレイマーク(OM2)に位置するように調節することができる。レンズ焦点アクチュエータ225は、プロセッサ270の制御下で、対物レンズ240をウエハ方向に垂直移動させて、焦点距離を調節することができる。
【0085】
一実施形態によれば、光学素子は、ビームスプリッタを透過したビームの経路に対して45゜をなすように設置される。これは、オートフォーカスモジュールにビームを送るためのものであり、長波長ビームを反射させて、短波長ビームを透過させるか、又は短波長ビームを反射させて、長波長ビームを透過させることを特徴とする。光学素子は、ホットミラー又はコールドミラーのうち1つから構成可能である。
【0086】
一実施形態によれば、オートフォーカスモジュールは、フォーカスを調節するためのものであり、対物レンズとウエハとの間の距離による信号を生成する役割を担う。すなわち、検出機の焦点位置変化による信号を生成する役割を担う。オートフォーカスモジュールは、位相差方式のオートフォーカスセンサモジュールを用いることができる。例えば、オートフォーカスセンサモジュールで獲得した焦点が「標準焦点」と一致する場合は、センサで出力される信号値である位相差の値が0であってもよく、一致していない場合は、焦点の位置によって+又は -値であってもよい。「標準焦点」とは、センサの信号を基準に決定された第1又は第2検出機、オートフォーカスセンサの焦点である。「標準焦点」は、実際の整列イメージの獲得に適した「測定焦点」と一致することもあるが、第1オーバーレイマーク(OM1)と第2オーバーレイマーク(OM2)との高さ差が大きい場合には、ほとんど相異する。
【0087】
ウエハの測定領域で反射した反射光によって、焦点位置による信号をオートフォーカスセンサが獲得して、焦点位置を調節するように、アクチュエータでウエハの測定領域と対物レンズとの間の距離を調節するアクチュエータを調節することを特徴とする。
【0088】
図3は、本発明の一実施形態によるオーバーレイ計測システムのブロック図である。
【0089】
図3を参照すると、本発明の一実施形態によるオーバーレイ計測システム100は、使用者端末110及び計測装置120を含むことができる。
【0090】
一実施形態によれば、使用者端末110は、送受信部311、表示部312、メモリ313、及びプロセッサ314を含むことができる。
【0091】
例えば、送受信部311は、通信プロトコル(例:FTP)を介して計測装置120にデータ又は信号を送信することができる。
【0092】
例えば、表示部312は、プロセッサ314の制御下で、使用者から計測装置に対するレシピ設定値が入力されるマネージャプログラムを表示することができる。
【0093】
例えば、メモリ313は、使用者端末110の少なくとも1つの他の構成要素に係る命令又はデータを貯蔵することができる。メモリ313は、使用者から入力されるレシピに関する情報、計測装置120に関する固有情報を計測装置120に伝送するために必要な命令語、アルゴリズム、ソフトウェア、及びプログラム(例:AROマネージャプログラム)のうち少なくとも一部を貯蔵することができる。
【0094】
例えば、メモリ313は、使用者端末110に設置されたマネージャプログラムによって計測装置120が最適化過程を行う機能を実行できる命令語を貯蔵することができる。
【0095】
例えば、プロセッサ314は、少なくとも1つの計測装置120と送受信部311を介して互いに連動して、計測装置に対するレシピ情報を含むデータを少なくとも1つの計測装置120に伝送することができる。
【0096】
例えば、プロセッサ314は、少なくとも1つの計測装置120のレシピに対する設定値が入力されるマネージャプログラム(例:AROマネージャプログラム)を実行して、表示部312上に表示することができる。マネージャプログラムは、ウエハの特性を測定する計測装置の動作に関するレシピ情報が使用者から入力されるか、又は送受信部311を介して受信することができる。
【0097】
例えば、プロセッサ314は、入力されたレシピに関する情報と、計測装置120に関する固有情報(例:計測装置のIPアドレス、計測装置の識別子、パスワード、及びサーバのIP)とを含むデータを生成することができる。例えば、プロセッサ314は、計測装置別にレシピに関する情報と、計測装置に関する固有情報とを含むデータをそれぞれ生成することができる。
【0098】
例えば、プロセッサ314は、計測装置別にウエハの測定オプションに対する最適化過程を実行するか否かを示す情報を含むデータを生成することができる。
【0099】
例えば、プロセッサ314は、前記生成されたデータを固有情報に該当する計測装置に伝送することができる。例えば、使用者端末110は、データ又は信号を1つの計測装置に送信することができるか、もしくはデータ又は信号を複数の計測装置のそれぞれに同時に送信することができる。
【0100】
また、プロセッサ314は、ウエハ240の測定オプションに対する最適化過程を実行するか否かを示す情報を含むデータを生成することができる。
【0101】
上述したように、プロセッサ314は、複数の計測装置の個々の固有情報を含む複数のデータを生成し、前記生成した複数のデータを当該計測装置に同時に伝送することができる。
【0102】
一実施形態によれば、計測装置120は、送受信部321、表示部322、メモリ323、測定部324、及びプロセッサ270を含むことができる。
【0103】
例えば、送受信部321は、通信プロトコル(例:FTP)を介して使用者端末110からデータ又は信号を受信することができる。
【0104】
例えば、表示部322は、プロセッサ270の制御下で、使用者端末110から受信されたレシピに関する情報をマネージャソフトウェア(例:計測ソフトウェア)を介して表示することができる。
【0105】
例えば、メモリ323は、計測装置120の少なくとも1つの他の構成要素に係る命令又はデータを貯蔵することができる。メモリ323は、レシピに関する情報、計測装置120に関する固有情報を使用者端末110から受信するために必要な命令語、アルゴリズム、ソフトウェアのうち少なくとも一部を貯蔵することができる。
【0106】
例えば、メモリ323は、使用者端末110から受信されたレシピに対する設定値、計測装置120に既設定された設定値、及びプロセッサ270の動作に基づいて生成されるデータ(例;オプションに対して最適化したデータ)を貯蔵することができる。
【0107】
例えば、メモリ323は、計測装置120に設置されたソフトウェアを介して計測装置120が最適化過程を行う機能を実行できる命令語を貯蔵することができる。
【0108】
例えば、測定部324は、プロセッサ270の制御下で、計測装置120に設定されたレシピ情報によってウエハ240の特性を測定することができる。
【0109】
例えば、プロセッサ270は、使用者端末110と送受信部321を介して計測装置に関するレシピ情報を含むデータを使用者端末110から受信することができる。
【0110】
例えば、プロセッサ270は、計測装置120のレシピに対する設定値が入力されるソフトウェアを表示部322上に表示することができる。また、プロセッサ270は、使用者端末110から受信された計測装置に関するレシピ情報を計測ソフトウェアを介して表示することができる。
【0111】
一実施形態によれば、プロセッサ270は、使用者端末110から受信されるデータに含まれたレシピを分析することができる。例えば、レシピは、ウエハ240の特性を測定する複数のパラメータに対する値を含むことができる。
【0112】
また、レシピは、ファイナルレジデュアル3シグマ(Final Residual 3 Sigma)、ティス3シグマ(TIS 3 Sigma)、レジストレーション3シグマ(Registration 3 Sigma)計測精密度を示すTMU(Total Measurement Uncertainty)、及び測定間移動後の計測時間を示すMAM(Move and Measure)timeのうち少なくとも1つを含むか、又はこれらを組み合わせた総重量を含むことができる。
【0113】
また、データは、ウエハ240の測定オプションに対する最適化過程を実行するか否かを示す情報を含むことができる。
【0114】
一実施形態によれば、プロセッサ270は、前記使用者端末110から受信されたデータに含まれたレシピファイル名の形式及びファイル拡張子のうち少なくとも1つを用いて、レシピファイルの真偽を判断することができる。例えば、ファイル名の形式は、0000@@0000であってもよく、拡張子は、xmlであってもよい。
【0115】
一実施形態によれば、プロセッサ270は、レシピ分析を完了すると、レシピに基づくウエハの測定オプションに対する最適化過程を行うことができる。例えば、プロセッサ270は、レシピファイルを1行1行ずつ(line by line)読み取って、レシピ情報を構成することができる。そして、プロセッサ270は、最後の行まで読み取った後、レシピ情報の構成を完了すると、当該レシピをメモリ323に貯蔵することができる。
【0116】
一実施形態によれば、プロセッサ270は、計測装置120内の1以上のフィルタ(例:スペクトラムフィルタ)を1回測定して、各フィルタ別に複数のパラメータに対する統計値を計算することができる。または、プロセッサ270は、計測装置120内の1つ以上のフィルタ(例:スペクトラムフィルタ)を少なくとも1回測定することができる。このように、1回測定する理由は、最小測定回数だからである。そして、プロセッサ270は、前記計算された統計値に加重値をそれぞれ付与し、前記加重値がそれぞれ付与された統計値の和が最小となるフィルタを選択する、フィルタ最適化過程を行うことができる。
【0117】
例えば、プロセッサ270は、各フィルタ別にオーバーレイ測定値、つまりティス3シグマ(TIS 3 Sigma)及びレジストレーション3シグマ(Registration 3 Sigma)を測定し、前記測定されたティス3シグマ及びレジストレーション3シグマをモデリングして、ファイナルレジデュアル3シグマ(Final Residual 3 Sigma)を獲得することができる。
【0118】
また、プロセッサ270は、ファイナルレジデュアル3シグマ(Final Residual 3 Sigma)、ティス3シグマ(TIS 3 Sigma)、レジストレーション3シグマ(Registration 3 Sigma)、計測精密度を示すTMU(Total Measurement Uncertainty)、及び測定間移動後の計測時間を示すMAM(Move and Measure)timeのうち少なくとも1つを獲得するか、又はこれらを組み合わせた総重量を獲得することができる。
【0119】
そして、プロセッサ270は、各フィルタの少なくとも1つのパラメータの統計値に加重値をそれぞれ付与し、加重値が付与された結果値の和が最小となるフィルタを選択することができる。
【0120】
一実施形態によれば、プロセッサ270は、前記フィルタ最適化過程を行うと、計測装置120内の1つ以上の絞りを1回測定して、各絞り別に複数のパラメータに対する統計値を計算することができる。
【0121】
また、プロセッサ270は、前記フィルタ最適化過程を行うと、計測装置120内の1つ以上の絞りを1回測定して、各絞り別に複数のパラメータに対する統計値を計算することができる。そして、プロセッサ270は、前記計算された統計値に加重値をそれぞれ付与し、前記加重値がそれぞれ付与された統計値の和が最小となる絞り(Numerical Aperture,NA)を選択する、絞り最適化過程を行うことができる。絞りは、同じレンズを1つだけ使用するため、開口数が変更し得、これによって、光の量と模様を変更させることができる。
【0122】
例えば、プロセッサ270は、各絞り別にオーバーレイ測定値、つまりティス3シグマ及びレジストレーション3シグマを測定し、前記測定されたティス3シグマ及びレジストレーション3シグマをモデリングして、ファイナルレジデュアル3シグマを獲得することができる。
【0123】
また、プロセッサ270は、ファイナルレジデュアル3シグマ(Final Residual 3 Sigma)、ティス3シグマ(TIS 3 Sigma)、レジストレーション3シグマ(Registration 3 Sigma)、TMU、及びMAM timeのうち少なくとも1つを獲得するか、又はこれらを組み合わせた総重量を獲得することができる。
【0124】
そして、プロセッサ270は、各絞りの各パラメータの統計値に加重値をそれぞれ付与し、加重値が付与された結果値の和が最小となる絞りを選択することができる。
【0125】
一実施形態によれば、プロセッサ270は、絞り最適化過程を行うと、計測装置120内の1つのサイトでフォーカススキャンを行って、フォーカス測定領域を決定し、各サイトごとに前記決定された測定領域内において、1つのステップずつフォーカスを移動して、複数のパラメータに対する統計値を計算することができる。そして、プロセッサ270は、前記計算された統計値に加重値をそれぞれ付与し、前記加重値がそれぞれ付与された統計値の和が最小となるフォーカスを選択する、フォーカス最適化過程を行うことができる。
【0126】
例えば、プロセッサ270は、各フォーカス別にオーバーレイ測定値、つまりティス3シグマ及びレジストレーション3シグマを測定し、前記測定されたティス3シグマ及びレジストレーション3シグマをモデリングして、ファイナルレジデュアル3シグマを獲得することができる。
【0127】
そして、プロセッサ270は、各フォーカスの各パラメータの統計値に加重値をそれぞれ付与し、加重値が付与された結果値の和が最小となるフォーカスを選択することができる。
【0128】
一実施形態によれば、プロセッサ270は、前記フォーカス最適化過程を行うと、計測装置120内の絞りを第1ピンホール位置で1回測定し、前記第1ピンホール位置から一定距離(例:3μm)移動した第2ピンホール位置で1回測定することができる。そして、プロセッサ270は、前記第1ピンホール位置及び前記第2ピンホール位置でティス3シグマを計算し、絞りによるピンホール位置別に前記ティス3シグマをモデリングすることができる。そして、プロセッサ270は、前記ティス3シグマが最小となるピンホールの位置を選択する、ピンホール最適化過程を行うことができる。
【0129】
一実施形態によれば、プロセッサ270は、前記ピンホール最適化過程を行うと、前記フィルタ最適化過程、前記絞り最適化過程、前記フォーカス最適化過程、及び前記ピンホール最適化過程のそれぞれから選択されたオプションに関する情報(例:最適化結果値)をメモリ323に貯蔵することができる。
【0130】
図4は、本発明の一実施形態による使用者端末がデータを計測装置に伝送する過程を示した手順図である。
図5は、本発明の一実施形態によるマネージャプログラム上に複数のパラメータに関する情報を入力した例示図である。
【0131】
以下、
図3~
図5を参照して、本発明の一実施形態による使用者端末が、データを計測装置に伝送する過程を詳説すると、次のとおりである。
【0132】
一実施形態によれば、プロセッサ314は、マネージャプログラムを実行させることができる(S410)。プロセッサ314は、計測装置を遠隔で管理及び制御するマネージャプログラム(例:AROマネージャプログラム)を実行させた後、表示部312上に表示することができる。マネージャプログラムは、ウエハの特性について測定する計測装置の動作に関するレシピ情報が使用者から入力されるか、又は送受信部311を介して獲得することができる。
【0133】
一実施形態によれば、プロセッサ314は、ウエハの測定に対するレシピが入力されるかを識別することができる(S412)。前記マネージャプログラムは、ウエハの特性を測定する複数のパラメータに対する値が使用者から入力されてもよい。例えば、複数のパラメータは、ファイナルレジデュアル3シグマ(Final Residual 3 Sigma)、ティス3シグマ(TIS 3 Sigma)、及びレジストレーション3シグマ(Registration 3 Sigma)を含むことができる。また、複数のパラメータは、少なくとも1つ以上のパラメータの組み合わせからなる総重量(Total Weight)を含むことができる。
【0134】
また、前記マネージャプログラムは、ファイナルレジデュアル3シグマ(Final Residual 3 Sigma)、ティス3シグマ(TIS 3 Sigma)、レジストレーション3シグマ(Registration 3 Sigma)、計測精密度を示すTMU(Total Measurement Uncertainty)、及び測定間移動後の計測時間を示すMAM(Move and Measure)timeのうち少なくとも1つを入力するか、又はこれらを組み合わせた総重量を入力することができる。
【0135】
一実施形態によれば、プロセッサ314は、入力されたレシピを実行されたマネージャプログラム上に表示することができる(S414)。プロセッサ314は、複数のパラメータのそれぞれに対して使用者から入力された値(例:割合)をリアルタイムでマネージャプログラム上に表示することができる。
【0136】
図5を参照すると、マネージャプログラム(例:AROマネージャプログラム)510は、使用者から複数のパラメータに対する値が入力されてもよいポップアップ520を表示することができる。例えば、前記ポップアップ520は、ファイナルレジデュアル3シグマ(Final Residual 3 Sigma)521の割合、ティス3シグマ(TIS 3 Sigma)521の割合、及びレジストレーション3シグマ(Registration 3 Sigma)521の割合が入力されてもよい。また、前記ポップアップ520は、少なくとも1つ以上のパラメータに対する割合が入力されてもよい。
【0137】
例えば、これらファイナルレジデュアル3シグマ521の割合、ティス3シグマ521の割合、及びレジストレーション3シグマ521の割合がいずれも入力されると、総重量(Total Weight)値を表示することができる。そして、使用者が重量値適用ボタン530をクリックすると、プロセッサ314は、入力されたパラメータに関する情報、計測装置の固有情報を含むデータを生成することができる。
【0138】
一実施形態によれば、プロセッサ314は、レシピ入力が終了するかを識別することができる(S416)。プロセッサ314は、ファイナルレジデュアル3シグマ、ティス3シグマ、及びレジストレーション3シグマのそれぞれに対するの割合がいずれも入力されるかを識別することができる。
【0139】
また、プロセッサ314は、入力された複数のパラメータに対するレシピが適用される、少なくとも1つの計測装置に関する固有情報が入力されるかを識別することができる。例えば、固有情報は、計測装置のIPアドレス、計測装置の識別子、パスワード、及びサーバのIPアドレスを含むことができる。
【0140】
また、プロセッサ314は、計測装置別にウエハの測定オプションに対する最適化過程を実行するか否かを示す情報が入力されるかを識別することができる。
【0141】
一実施形態によれば、プロセッサ314は、入力されたレシピに関する情報と、既に指定された少なくとも1つの計測装置に関する情報とを含むデータを生成することができる。プロセッサ314は、計測装置別にレシピに関する情報と、計測装置に関する固有情報とを含むデータをそれぞれ生成することができる。
【0142】
また、プロセッサ314は、計測装置別にウエハの測定オプションに対する最適化過程を実行するか否かを示す情報を含むデータを生成することができる。
【0143】
一実施形態によれば、プロセッサ314は、前記生成されたデータを少なくとも1つの計測装置に伝送することができる(S420)。プロセッサ314は、前記生成されたデータを固有情報に該当する計測装置へ送受信部311を介して伝送することができる。例えば、プロセッサ314は、データ又は信号を1つの計測装置に送信することができるか、又はデータ又は信号を複数の計測装置のそれぞれに同時に送信することができる。
【0144】
上述したように、プロセッサ314は、複数の計測装置の個々の固有情報を含む複数のデータをそれぞれ生成し、それぞれ生成された複数のデータを当該計測装置へ送受信部311を介して同時に伝送することもできる。
【0145】
図6は、本発明の一実施形態による計測装置が、レシピファイルに基づいて最適化を行う過程を示した手順図である。
図7は、本発明の一実施形態による計測装置が、レシピファイルに基づいて最適化を行う状態を示した例示図である。
【0146】
以下、
図3、6及び7を参照して、本発明の一実施形態による計測装置が、レシピファイルに基づいて最適化を行う過程を詳説すると、次のとおりである。
【0147】
一実施形態によれば、計測装置120(例:プロセッサ270)は、使用者端末110からデータが受信されるかを識別することができる(S610)。計測装置120(例:プロセッサ270)は、計測ソフトウェアが実行されている状態で、スレッド(thread)を用いて使用者端末110からレシピファイルが受信される経路を継続して確認することで、使用者端末110からデータが受信されるかを識別することができる。
【0148】
例えば、前記データは、マネージャプログラムによって使用者が入力したレシピに関する情報と、計測装置に関する固有情報とを含むことができる。また、前記データは、ウエハの測定オプションに対する最適化過程を実行するか否かを示す情報を含むことができる。
【0149】
一実施形態によれば、計測装置120(例:プロセッサ270)は、受信されたデータが計測装置のレシピファイルに該当するかを識別することができる(S612)。計測装置120(例:プロセッサ270)は、レシピファイルが送受信部321を介して受信されると、レシピファイル名の形式及びファイル拡張子のうち少なくとも1つを用いて、レシピファイルが当該計測装置に関するレシピファイルであることを確認することができる。例えば、名の形式は、0000@@0000であってもよく、拡張子は、xmlであってもよい。本発明は、特定の名の形式又は特定の拡張子に限らない。
【0150】
一実施形態によれば、計測装置120(例:プロセッサ270)は、レシピファイルが計測装置に該当すると、レシピファイルを分析することができる(S614,S616)。計測装置120(例:プロセッサ270)は、受信されたレシピファイルを1行1行ずつ(line by line)読み取って、レシピ情報を構成することができる。
【0151】
例えば、計測装置120(例:プロセッサ270)は、使用者端末110から受信されるデータに含まれたレシピを分析することができる。例えば、計測装置120(例:プロセッサ270)は、ウエハ240の特性を測定する複数のパラメータに対する値を分析することができる。例えば、複数のパラメータは、ファイナルレジデュアル3シグマの割合、ティス3シグマの割合、レジストレーション3シグマの割合、TMUの割合、MAM Timeの割合、及び総重量の割合を含むことができる。
【0152】
一実施形態によれば、計測装置120(例:プロセッサ270)は、レシピファイルの分析を完了するかを識別することができる(S618)。計測装置120(例:プロセッサ270)は、最後の行まで読み取って、レシピ情報の構成を完了すると、当該レシピをメモリ323に貯蔵することができる。
【0153】
一実施形態によれば、計測装置120(例:プロセッサ270)は、最適化オプションが選択されたかを識別することができる(S620)。計測装置120(例:プロセッサ270)は、上記過程(S610)で受信されたデータに最適化オプションを示す情報が含まれているかを識別することができる。これら最適化オプションに関する情報は、使用者端末110のマネージャアプリケーションを介して使用者によって入力されてもよい。
【0154】
一実施形態によれば、計測装置120(例:プロセッサ270)は、レシピに対する最適化過程を行うことができる(S622)。計測装置120(例:プロセッサ270)は、計測装置120内の1つ以上のフィルタ(例:スペクトラムフィルタ)を1回測定して、各フィルタ別に複数のパラメータに対する統計値を計算することができる。そして、プロセッサ270は、前記計算された統計値に加重値をそれぞれ付与し、前記加重値がそれぞれ付与された統計値の和が最小となるフィルタを選択する、フィルタ最適化過程を行うことができる。
【0155】
そして、計測装置120(例:プロセッサ270)は、各フィルタ別にオーバーレイ測定値、つまりティス3シグマ及びレジストレーション3シグマを測定し、前記測定されたティス3シグマ及びレジストレーション3シグマをモデリングして、ファイナルレジデュアル3シグマを獲得することができる。
【0156】
そして、計測装置120(例:プロセッサ270)は、各フィルタの各パラメータの統計値に加重値をそれぞれ付与し、加重値が付与された結果値の和が最小となるフィルタを選択することができる。
【0157】
図7を参照すると、計測装置120(例:プロセッサ270)は、スペクトラムフィルタ(1~n)のそれぞれについて、複数のパラメータに対する統計値を計算し、計算された統計値に加重値をそれぞれ付与し、前記加重値がそれぞれ付与された統計値の和が最小となるフィルタを選択する、フィルタ最適化過程710を行うことができる。
【0158】
一実施形態によれば、計測装置120(例:プロセッサ270)は、フィルタ最適化過程を行うと、計測装置120内の1以上の絞りを1回測定して、各絞り別に複数のパラメータに対する統計値を計算することができる。そして、計測装置120(例:プロセッサ270)は、前記計算された統計値に加重値をそれぞれ付与し、加重値がそれぞれ付与された統計値の和が最小となる絞りを選択する、絞り最適化過程を行うことができる。絞りは、同じレンズを1つのみ使用するため、開口数が変更し得、これによって、光の量と模様を変更させることができる。
【0159】
そして、計測装置120(例:プロセッサ270)は、各絞り別にオーバーレイ測定値、つまりティス3シグマ及びレジストレーション3シグマを測定し、前記測定されたティス3シグマ及びレジストレーション3シグマをモデリングして、ファイナルレジデュアル3シグマを獲得することができる。
【0160】
そして、計測装置120(例:プロセッサ270)は、各絞りの各パラメータの統計値に加重値をそれぞれ付与し、加重値が付与された結果値の和が最小となる絞りを選択することができる。
【0161】
図7を参照すると、計測装置120(例:プロセッサ270)は、絞り(1~n)のそれぞれについて、複数のパラメータに対する統計値を計算し、計算された統計値に加重値をそれぞれ付与し、前記加重値がそれぞれ付与された統計値の和が最小となる絞りを選択する、絞り最適化過程720を行うことができる。
【0162】
一実施形態によれば、計測装置120(例:プロセッサ270)は、絞り最適化過程を行うと、計測装置120内の1つのサイトでフォーカススキャンを行って、フォーカス測定領域を決定し、各サイトごとに、前記決定された測定領域内において、1つのステップずつフォーカスを移動して、複数のパラメータに対する統計値を計算することができる。そして、計測装置120(例:プロセッサ270)は、前記計算された統計値に加重値をそれぞれ付与し、加重値がそれぞれ付与された統計値の和が最小となるフォーカスを選択する、フォーカス最適化過程を行うことができる。
【0163】
例えば、計測装置120(例:プロセッサ270)は、各フォーカス別にオーバーレイ測定値、つまりティス3シグマ及びレジストレーション3シグマを測定し、前記測定されたティス3シグマ及びレジストレーション3シグマをモデリングして、ファイナルレジデュアル3シグマを獲得することができる。
【0164】
そして、計測装置120(例:プロセッサ270)は、各フォーカスの各パラメータの統計値に加重値をそれぞれ付与し、加重値が付与された結果値の和が最小となるフォーカスを選択することができる。
【0165】
図7を参照すると、計測装置120(例:プロセッサ270)は、各フォーカス別にティス3シグマ及びレジストレーション3シグマを測定し、前記測定されたティス3シグマ及びレジストレーション3シグマをモデリングして、ファイナルレジデュアル3シグマを獲得する、フォーカス最適化過程730を行うことができる。
【0166】
一実施形態によれば、計測装置120(例:プロセッサ270)は、フォーカス最適化過程を行うと、計測装置120内の絞りによる第1ピンホール位置で1回測定し、前記第1ピンホール位置から一定距離(例:3μm)移動した第2ピンホール位置で1回測定することができる。そして、計測装置120(例:プロセッサ270)は、前記第1ピンホール位置及び前記第2ピンホール位置でティス3シグマを計算し、絞りによるピンホール位置別に前記ティス3シグマをモデリングすることができる。そして、計測装置120(例:プロセッサ270)は、前記ティス3シグマが最小となるピンホールの位置を選択する、ピンホール最適化過程を行うことができる。
【0167】
図7を参照すると、計測装置120(例:プロセッサ270)は、第1ピンホール位置及び第2ピンホール位置でティス3シグマを計算し、絞りによるピンホール位置別に前記ティス3シグマをモデリングして、前記ティス3シグマが最小となるピンホールの位置を選択する、ピンホール最適化過程740を行うことができる。
【0168】
一実施形態によれば、計測装置120(例:プロセッサ270)は、選択されたオプションに関する情報を貯蔵することができる(S624)。計測装置120(例:プロセッサ270)は、ピンホール最適化過程を行うと、前記フィルタ最適化過程、前記絞り最適化過程、前記フォーカス最適化過程、及び前記ピンホール最適化過程のそれぞれから選択されたオプションに関する情報(例:最適化結果値)をメモリ323に貯蔵することができる。
【0169】
図7を参照すると、計測装置120(例:プロセッサ270)は、上述したフィルタ最適化過程、絞り最適化過程、フォーカス最適化過程、及びピンホール最適化過程のそれぞれから選択されたオプションに関する情報(例:最適化結果値)をメモリ323に貯蔵することができる。そして、計測装置120(例:プロセッサ270)は、測定部324を制御して、ウエハ240に対する特性を選択されたオプションに基づいて測定することができる。
【0170】
以上で上述した各々の手順図における各ステップは、図示の順序に関係なく動作することができるか、又は同時に行うことができる。また、本発明の少なくとも1つの構成要素と、上記少なくとも1つの構成要素で行われる少なくとも1つの動作は、ハードウェア及び/又はソフトウェアで具現可能である。
【0171】
以上のように、本発明について例示の図面を参照して説明したが、本発明は、本明細書で開示の実施形態と図面によって限定されるものではなく、本発明の技術思想範囲内における通常の技術者にとって様々な変形を行えることは自明である。さらに、本発明の実施形態を前述しながら、本発明の構成による作用効果を明示的に記載して説明しなかったとしても、当該構成によって予測可能な効果も認めるべきであることは当然である。
【符号の説明】
【0172】
100 オーバーレイ計測システム
110 使用者端末
120 オーバーレイ計測装置
270 プロセッサ
321 送受信部
322 表示部
323 メモリ
324 測定部