(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059073
(43)【公開日】2024-04-30
(54)【発明の名称】プローブシステムのための傾斜較正
(51)【国際特許分類】
H01L 21/66 20060101AFI20240422BHJP
G01R 31/26 20200101ALI20240422BHJP
G01R 31/28 20060101ALI20240422BHJP
【FI】
H01L21/66 B
H01L21/66 E
G01R31/26 J
G01R31/28 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023132586
(22)【出願日】2023-08-16
(31)【優先権主張番号】18/047,155
(32)【優先日】2022-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】523043898
【氏名又は名称】ザ・ボーイング・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100163522
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 晋平
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・ディ・ブルーアー
(72)【発明者】
【氏名】チア-ミン・チャン
(72)【発明者】
【氏名】セヴァグ・テルテリャーン
(72)【発明者】
【氏名】シャーベル・アビジャウジ
(72)【発明者】
【氏名】ディエゴ・エドゥアルド・カラスコ
【テーマコード(参考)】
2G003
2G132
4M106
【Fターム(参考)】
2G003AG03
2G003AG04
2G003AG12
2G003AG13
2G132AF02
2G132AF06
2G132AF07
2G132AL03
4M106AA01
4M106AA02
4M106AA08
4M106AC02
4M106AD01
4M106AD23
4M106CA10
4M106DD03
4M106DH22
4M106DJ19
(57)【要約】
【課題】被試験デバイスを試験する際に使用されるプロービングデバイスの傾斜較正に対処する。
【解決手段】プロービングシステムは、被試験デバイス、プローブデバイス及びダイボンダを含む。被試験デバイスはテストパターンを含む。プローブデバイスは傾斜角センサを含む。センサはプローブデバイスから突出するスパイクを含む。ボンダは、被試験デバイスを取り付け、被試験デバイスに向けてプローブデバイスを取り付け、スパイクのサブセットをパターンに接触させるように共にプローブデバイス及び被試験デバイスを圧縮し、センサとパターンとの間の接続の数を測定し、接続の数に基づいて被試験デバイスとプローブデバイスとの間の第1及び第2のオフセット角を決定し、被試験デバイスとプローブデバイスとの間の平行度を変更するために、第1及び第2のオフセット角に応じて1以上の回転軸おいてスフェリカルポジショナを調整するように動作可能である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の表面(142)上に複数のテストパターン(146)を含む被試験デバイス(140)と、
複数の傾斜角センサ(172)を含むプローブデバイス(160)であって、複数の前記傾斜角センサ(172)は、前記プローブデバイス(160)の第2の表面(162)から突出する複数のスパイク(168)を含むプローブデバイスと、
複数の回転軸(130)において調整可能なスフェリカルポジショナ(103)を有するダイボンダ(102)と、
を備え、
前記ダイボンダ(102)は、
前記第1の表面(142)を外側に向けて前記被試験デバイス(140)を取り付け、
前記プローブデバイス(160)の前記第2の表面(162)を前記被試験デバイス(140)の前記第1の表面(142)に向けて前記プローブデバイス(160)を取り付け、
複数の前記スパイク(168)のサブセットを複数の前記テストパターン(146)に接触させる第1の力(136a)で前記プローブデバイス(160)及び前記被試験デバイス(140)を共に圧縮し、
複数の前記傾斜角センサ(172)と複数の前記テストパターン(146)との間に形成された電気的接続の数を測定し、
前記電気的接続の数に基づいて、前記被試験デバイス(140)の前記第1の表面(142)と前記プローブデバイス(160)の前記第2の表面(162)との間の第1のオフセット角(130c)及び第2のオフセット角(130d)を決定し、
前記被試験デバイス(140)から前記プローブデバイス(160)を分離し、
前記被試験デバイス(140)の前記第1の表面(142)と前記プローブデバイス(160)の前記第2の表面(162)との間の平行度を変更するために、前記第1のオフセット角(130c)及び前記第2のオフセット角(130d)に応じて複数の前記回転軸(130)のうちの1以上において前記スフェリカルポジショナ(103)を調整する
ように動作可能である、プロービングシステム(100)。
【請求項2】
前記ダイボンダ(102)は、前記スフェリカルポジショナ(103)が調整された後に第2の力(136b)で前記プローブデバイス(160)及び前記被試験デバイス(140)を共に圧縮するようにさらに動作可能であり、
前記第2の力(136b)は、前記第1の力(136a)よりも大きい、請求項1に記載のプロービングシステム。
【請求項3】
複数の前記傾斜角センサ(172)及び複数の前記テストパターン(146)を介して複数の全傾斜コンダクタンス(198)を測定するように動作可能な計測器(136)をさらに備え、
複数の前記傾斜角センサ(172)の各々は、2組の複数の前記スパイク(168)を含み、
複数の前記テストパターン(146)の各々は、複数のパターントレース(192)を含み、
複数の前記パターントレース(192)の各々は、前記2組の各々における複数の前記スパイク(168)のうちの少なくとも1つのスパイク(168)に電気的に接続されている間、前記2組の間のそれぞれの傾斜コンダクタンス(196)に寄与する、請求項1に記載のプロービングシステム。
【請求項4】
前記ダイボンダ(102)は、プロセッサ(122)を含み、
前記プロセッサは、
前記計測器(136)から複数の前記全傾斜コンダクタンス(198)を受信し、
複数の前記全傾斜コンダクタンス(198)に基づいて、前記第1のオフセット角(130c)及び前記第2のオフセット角(130d)を計算し、
前記第1のオフセット角(130c)及び前記第2のオフセット角(130d)に応じて前記スフェリカルポジショナ(103)の前記調整を制御する
ように動作可能である、請求項3に記載のプロービングシステム。
【請求項5】
前記第1のオフセット角(130c)は、第1の方向(134c)に向けられた複数の前記傾斜角センサ(172)の第1のグループ(184)を用いて決定され、
前記第2のオフセット角(130d)は、第2の方向(134b)に向けられた複数の前記傾斜角センサ(172)の第2のグループ(188)を用いて決定され、
前記第1の方向(134c)は、前記第2の方向(134b)に直交する、請求項1に記載のプロービングシステム。
【請求項6】
前記被試験デバイス(140)の前記第1の表面(142)上に配置された複数のテストパッド(150)と、
前記プローブデバイス(160)の前記第2の表面(162)から突出する複数のプローブ先端(176)であって、複数の前記プローブ先端(176)のうちの少なくとも2つのプローブ先端(176)は、複数の前記テストパッド(150)のうちの各それぞれのテストパッド(150)に接触する複数のプローブ先端と、
少なくとも2つの前記プローブ先端(176)の各々及び前記それぞれのテストパッド(150)を介してタッチダウンコンダクタンス(254)を測定するように動作可能な計測器(136)と、をさらに備える、請求項1に記載のプロービングシステム。
【請求項7】
複数の前記テストパターン(146)間の高さ変動を考慮するために、複数の前記スパイク(168)と前記プローブデバイス(160)の前記第2の表面と(162)の間に配置された複数の弾性ピラー(282)をさらに備える、請求項1に記載のプロービングシステム。
【請求項8】
前記被試験デバイス(140)の前記第1の表面(142)上に配置された複数の抵抗器ネットワーク(240)と、
前記プローブデバイス(160)の前記第2の表面(162)から突出する複数の位置センサ(232、234)と、
複数の前記位置センサ(232、234)及び複数の前記抵抗器ネットワーク(240)を介して複数の位置抵抗(242)を測定するように動作可能な計測器(136)と
をさらに備え、
複数の前記位置抵抗(242)は、前記被試験デバイス(140)と前記プローブデバイス(160)との間の第1の水平位置合わせ(244)及び第2の水平位置合わせ(246)を決定し、
前記第1の水平位置合わせ(244)及び前記第2の水平位置合わせ(246)は、直交する方向である、請求項1に記載のプロービングシステム。
【請求項9】
複数の前記テストパターン(146)の第1のグループ(184)は、前記被試験デバイス(140)の周辺(182)に配置され、
複数の前記テストパターン(146)の第2のグループ(188)は、前記被試験デバイス(140)の中央領域(186)に配置される、請求項1に記載のプロービングシステム。
【請求項10】
プロービングのための傾斜較正を支援する方法(300)であって、
-被試験デバイス(140)の第1の表面(142)を外側に向けてダイボンダ(102)に前記被試験デバイス(140)を取り付けるステップ(302)であって、
前記被試験デバイス(140)は、前記第1の表面(142)上に複数のテストパターン(146)を有し、
前記ダイボンダ(102)は、複数の回転軸(130)において調整可能なスフェリカルポジショナ(103)を有する、ステップと、
-プローブデバイス(160)の第2の表面(162)を前記被試験デバイス(140)の前記第1の表面(142)に向けて前記ダイボンダ(102)に前記プローブデバイス(160)を取り付けるステップ(304)であって、
前記プローブデバイス(160)は、複数の傾斜角センサ(172)を有し、
複数の前記傾斜角センサ(172)は、前記第2の表面(162)から突出する複数のスパイク(168)を有する、ステップと、
-複数の前記スパイク(168)のサブセットを複数の前記テストパターン(146)に接触させる第1の力(136a)で前記プローブデバイス(160)及び前記被試験デバイス(140)を共に圧縮するステップ(310)と、
-複数の前記傾斜角センサ(172)と複数の前記テストパターン(146)との間に形成された電気的接続の数を測定するステップ(312)と、
-前記電気的接続の数に基づいて、前記被試験デバイス(140)の前記第1の表面(142)と前記プローブデバイス(160)の前記第2の表面(162)との間の第1のオフセット角(130c)及び第2のオフセット角(130d)を決定するステップ(314)と、
-前記被試験デバイス(140)から前記プローブデバイス(160)を分離するステップ(316)と、
-前記被試験デバイス(140)の前記第1の表面(142)と前記プローブデバイス(160)の前記第2の表面(162)との間の平行度を変更するために、前記第1のオフセット角(130c)及び前記第2のオフセット角(130d)に応じて複数の前記回転軸(130)のうちの1以上において前記スフェリカルポジショナ(103)を調整するステップ(318)と、
を含む、方法。
【請求項11】
前記スフェリカルポジショナ(103)が調整された後に第2の力(136b)で前記プローブデバイス(160)及び前記被試験デバイス(140)を共に圧縮するステップ(320)であって、前記第2の力(136b)は、前記第1の力(136a)よりも大きいステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記電気的接続の数を測定する前記ステップ(312)は、
複数の前記傾斜角センサ(172)及び複数の前記テストパターン(146)を介して複数の全傾斜コンダクタンス(198)を測定するステップ(330)を含み、
複数の前記傾斜角センサ(172)の各々は、2組の複数の前記スパイク(168)を含み、
複数の前記テストパターン(146)の各々は、複数のパターントレース(192)を含み、
複数の前記パターントレース(192)の各々は、前記2組の各々における複数の前記スパイク(168)のうちの少なくとも1つのスパイク(168)に電気的に接続されている間、前記2組の間のそれぞれの傾斜コンダクタンス(196)に寄与する、請求項10に記載の方法。
【請求項13】
プロセッサ(122)で複数の前記全傾斜コンダクタンス(198)を受信するステップ(340)と、
複数の前記全傾斜コンダクタンス(198)に基づいて、前記第1のオフセット角(130c)及び前記第2のオフセット角(130d)を計算するステップ(342)と、
前記第1のオフセット角(130c)及び前記第2のオフセット角(130d)に応じて前記プロセッサ(122)を用いて前記スフェリカルポジショナ(103)の前記調整を制御するステップ(346)と
をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1のオフセット角(130c)及び前記第2のオフセット角(130d)を決定する前記ステップ(314)は、
第1の方向(134c)に向けられた複数の前記傾斜角センサ(172)の第1のグループ(184)を用いて前記第1のオフセット角(130c)を決定するステップ(342)と、
第2の方向(134b)に向けられた複数の前記傾斜角センサ(172)の第2のグループ(188)を用いて前記第2のオフセット角(130d)を決定するステップ(344)と
を含み、
前記第1の方向(134c)は、前記第2の方向(134b)に直交する、請求項10に記載の方法。
【請求項15】
複数のプローブ先端(176)のうちの少なくとも2つのプローブ先端(176)の各々及び複数のテストパッド(150)のうちのそれぞれのテストパッド(150)を介してタッチダウンコンダクタンス(254)を測定するステップ(364)をさらに含み、
複数の前記テストパッド(150)は、前記被試験デバイス(140)の前記第1の表面(142)上に配置され、
複数の前記プローブ先端(176)は、前記プローブデバイス(160)の前記第2の表面(162)から延伸し、
複数の前記プローブ先端(176)のうちの少なくとも2つのプローブ先端(176)は、複数の前記テストパッド(150)のうちの各それぞれのテストパッド(150)に接触する、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
複数の位置センサ(232、234)及び複数の抵抗器ネットワーク(240)を介して複数の位置抵抗(242)を測定するステップ(384)と、
複数の前記位置抵抗(242)に基づいて、前記被試験デバイス(140)と前記プローブデバイス(160)との間の第1の水平位置合わせ(244)及び第2の水平位置合わせ(246)を決定するステップ(386)と
をさらに含み、
複数の前記抵抗器ネットワーク(240)は、前記被試験デバイス(140)上に配置され、
複数の前記位置センサ(232、234)は、前記プローブデバイス(160)上に配置され、
前記第1の水平位置合わせ(244)及び前記第2の水平位置合わせ(246)は、直交する方向である、請求項10に記載の方法。
【請求項17】
-複数の傾斜角センサ(172)を含むプローブデバイス(160)であって、
複数の前記傾斜角センサ(172)は、前記プローブデバイス(160)の第2の表面(162)から突出する複数のスパイク(168)を有し、
複数の前記傾斜角センサ(172)の各々は、2組の複数の前記スパイク(168)を含む、
プローブデバイスと、
-第1の表面(142)上に配置可能な複数のテストパターン(146)を含む被試験デバイス(140)であって、
複数の前記テストパターン(146)の各々は、複数のパターントレース(192)を含み、
複数の前記パターントレース(192)の各々は、前記2組の各々における複数の前記スパイク(168)のうちの少なくとも1つのスパイク(168)に電気的に接続されている間、前記2組の間のそれぞれの傾斜コンダクタンス(196)に寄与する、
被試験デバイスと、
-共に圧縮された状態で複数の前記傾斜角センサ(172)と複数の前記テストパターン(146)との間に形成された電気的接続の数を測定するように動作可能な計測器(136)と、
-前記電気的接続の数に基づいて、前記被試験デバイス(140)の前記第1の表面(142)と前記プローブデバイス(160)の前記第2の表面(162)との間の第1のオフセット角(130c)及び第2のオフセット角(130d)を決定するように動作可能なプロセッサ(122)と
を備える、較正キット(400)。
【請求項18】
前記第1のオフセット角(130c)及び前記第2のオフセット角(130d)は、60マイクロラジアン未満に補正可能である、請求項17に記載の較正キット。
【請求項19】
複数の前記スパイク(168)のピッチは、2マイクロメートル未満である、請求項17に記載の較正キット。
【請求項20】
複数の前記パターントレース(192)は、金(148a)、アルミニウム(148b)、インジウム(148c)、銅(148d)、白金(148e)、パラジウム(148f)、またはそれらの合金(148g)から形成され、
複数の前記スパイク(168)は、(i)単一の金属、(ii)合金、ならびに(iii)ベリリウム(170a)、金(170b)、チタン(170c)、パラジウム(170d)、バナジウム(170e)、銅(170f)、マンガン(170g)、ニッケル(170h)、コバルト(170i)、鉄(170j)、ロジウム(170k)、クロム(170l)、モリブデン(170m)、ルテニウム(170n)、白金(170o)、タンタル(170p)、タングステン(170q)、レニウム(170r)、イリジウム(170s)、酸化アルミニウム(170t)、及び炭化ケイ素(170u)から選択される層状の組み合わせのうちの1つから形成される、請求項17に記載の較正キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、領域アレイプロービングに関し、特に、プローブシステムの傾斜較正に関する。
【背景技術】
【0002】
現在のコンピューティングシステムは、プロセッサ、特定用途向け集積回路アクセラレータ、メモリデバイス、高速入出力デバイス、ネットワーク処理デバイス、及び電力送達/電力管理デバイスを含む様々な異なる要素の高密度集積を伴う。デバイスが適切に動作しているかどうかを決定するために、個々のデバイスをプロービングする間に問題が発生する。プロービングシステムが傾斜変位に対応することができない場合、デバイスの一部のみが接触される。傾斜角誤差に寄与する多くの要因は圧力依存性であり、負荷下では過渡的であり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、当業者は、被試験デバイスの均一なプロービングを提供するための傾斜較正の分野における研究開発努力を継続している。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書では、プロービングシステムが提供される。プロービングシステムは、被試験デバイスと、プローブデバイスと、ダイボンダとを含む。被試験デバイスは、第1の表面上に複数のテストパターンを含む。プローブデバイスは、複数の傾斜角センサを含む。複数の傾斜角センサは、プローブデバイスの第2の表面から突出する複数のスパイクを含む。ダイボンダは、複数の回転軸において調整可能なスフェリカルポジショナを有する。ダイボンダは、第1の表面を外側に向けて被試験デバイスを取り付け、プローブデバイスの第2の表面を被試験デバイスの第1の表面に向けてプローブデバイスを取り付け、複数のスパイクのサブセットを複数のテストパターンに接触させる第1の力でプローブデバイス及び被試験デバイスを共に圧縮し、複数の傾斜角センサと複数のテストパターンとの間に形成された電気的接続の数を測定し、電気的接続の数に基づいて、被試験デバイスの第1の表面とプローブデバイスの第2の表面との間の第1のオフセット角及び第2のオフセット角を決定し、被試験デバイスからプローブデバイスを分離し、被試験デバイスの第1の表面とプローブデバイスの第2の表面との間の平行度を変更するために、第1のオフセット角及び第2のオフセット角に応じて複数の回転軸のうちの1以上においてスフェリカルポジショナを調整するように動作可能である。
【0005】
プロービングシステムの1以上の実施形態では、ダイボンダは、スフェリカルポジショナが調整された後に第2の力でプローブデバイス及び被試験デバイスを共に圧縮するようにさらに動作可能である。第2の力は、第1の力よりも大きい。
【0006】
1以上の実施形態では、プロービングシステムは、複数の傾斜角センサ及び複数のテストパターンを介して複数の全傾斜コンダクタンスを測定するように動作可能な計測器を含む。複数の傾斜角センサの各々は、2組の複数のスパイクを含む。複数のテストパターンの各々は、複数のパターントレースを含む。複数のパターントレースの各々は、2組の各々における複数のスパイクのうちの少なくとも1つのスパイクに電気的に接続されている間、2組の間のそれぞれの傾斜コンダクタンスに寄与する。
【0007】
プロービングシステムの1以上の実施形態では、ダイボンダは、計測器から複数の全傾斜コンダクタンスを受信し、複数の全傾斜コンダクタンスに基づいて、第1のオフセット角及び第2のオフセット角を計算し、第1のオフセット角及び第2のオフセット角に応じてスフェリカルポジショナの調整を制御するように動作可能なプロセッサを含む。
【0008】
プロービングシステムの1以上の実施形態では、第1のオフセット角は、第1の方向に向けられた複数の傾斜角センサの第1のグループを用いて決定される。第2のオフセット角は、第2の方向に向けられた複数の傾斜角センサの第2のグループを用いて決定される。第1の方向は、第2の方向に直交する。
【0009】
1以上の実施形態では、プロービングシステムは、被試験デバイスの第1の表面上に配置された複数のテストパッドと、プローブデバイスの第2の表面から突出する複数のプローブ先端とを含む。複数のプローブ先端のうちの少なくとも2つのプローブ先端は、複数のテストパッドのうちの各それぞれのテストパッドに接触する。プロービングシステムは、少なくとも2つのプローブ先端の各々及びそれぞれのテストパッドを介してタッチダウンコンダクタンスを測定するように動作可能な計測器をさらに含む。
【0010】
1以上の実施形態では、プロービングシステムは、複数のテストパターン間の高さ変動を考慮するために、複数のスパイクとプローブデバイスの第2の表面との間に配置された複数の弾性ピラーを含む。
【0011】
1以上の実施形態では、プロービングシステムは、被試験デバイスの第1の表面上に配置された複数の抵抗器ネットワークと、プローブデバイスの第2の表面から突出する複数の位置センサと、複数の位置センサ及び複数の抵抗器ネットワークを介して複数の位置抵抗を測定するように動作可能な計測器とを含む。複数の位置抵抗は、被試験デバイスとプローブデバイスとの間の第1の水平位置合わせ及び第2の水平位置合わせを決定する。第1の水平位置合わせ及び第2の水平位置合わせは、直交する方向である。
【0012】
プロービングシステムの1以上の実施形態では、複数のテストパターンの第1のグループは、被試験デバイスの周辺に配置される。複数のテストパターンの第2のグループは、被試験デバイスの中央領域に配置される。
【0013】
本明細書では、プロービングのための傾斜較正を支援する方法が提供される。方法は、被試験デバイスの第1の表面を外側に向けてダイボンダに被試験デバイスを取り付けるステップを含む。被試験デバイスは、第1の表面上に複数のテストパターンを有する。ダイボンダは、複数の回転軸において調整可能なスフェリカルポジショナを有する。方法は、プローブデバイスの第2の表面を被試験デバイスの第1の表面に向けてダイボンダにプローブデバイスを取り付けるステップをさらに含む。プローブデバイスは、複数の傾斜角センサを有する。複数の傾斜角センサは、第2の表面から突出する複数のスパイクを有する。方法は、複数のスパイクのサブセットを複数のテストパターンに接触させる第1の力でプローブデバイス及び被試験デバイスを共に圧縮するステップと、複数の傾斜角センサと複数のテストパターンとの間に形成された電気的接続の数を測定するステップと、電気的接続の数に基づいて、被試験デバイスの第1の表面とプローブデバイスの第2の表面との間の第1のオフセット角及び第2のオフセット角を決定するステップと、被試験デバイスからプローブデバイスを分離するステップと、被試験デバイスの第1の表面とプローブデバイスの第2の表面との間の平行度を変更するために、第1のオフセット角及び第2のオフセット角に応じて複数の回転軸のうちの1以上においてスフェリカルポジショナを調整するステップとを含む。
【0014】
1以上の実施形態では、方法は、スフェリカルポジショナが調整された後に第2の力でプローブデバイス及び被試験デバイスを共に圧縮するステップであって、第2の力は、第1の力よりも大きいステップをさらに含む。
【0015】
方法の1以上の実施形態では、電気的接続の数を測定するステップは、複数の傾斜角センサ及び複数のテストパターンを介して複数の全傾斜コンダクタンスを測定するステップを含む。複数の傾斜角センサの各々は、2組の複数のスパイクを含む。複数のテストパターンの各々は、複数のパターントレースを含む。複数のパターントレースの各々は、2組の各々における複数のスパイクのうちの少なくとも1つのスパイクに電気的に接続されている間、2組の間のそれぞれの傾斜コンダクタンスに寄与する。
【0016】
1以上の実施形態では、方法は、プロセッサで複数の全傾斜コンダクタンスを受信するステップと、複数の全傾斜コンダクタンスに基づいて、第1のオフセット角及び第2のオフセット角を計算するステップと、第1のオフセット角及び第2のオフセット角に応じてプロセッサを用いてスフェリカルポジショナの調整を制御するステップとをさらに含む。
【0017】
方法の1以上の実施形態では、第1のオフセット角及び第2のオフセット角を決定するステップは、第1の方向に向けられた複数の傾斜角センサの第1のグループを用いて第1のオフセット角を決定するステップと、第2の方向に向けられた複数の傾斜角センサの第2のグループを用いて第2のオフセット角を決定するステップとを含む。第1の方向は、第2の方向に直交する。
【0018】
1以上の実施形態では、方法は、複数のプローブ先端のうちの少なくとも2つのプローブ先端の各々及び複数のテストパッドのうちのそれぞれのテストパッドを介してタッチダウンコンダクタンスを測定するステップをさらに含む。複数のテストパッドは、被試験デバイスの第1の表面上に配置される。複数のプローブ先端は、プローブデバイスの第2の表面から延伸する。複数のプローブ先端のうちの少なくとも2つのプローブ先端は、複数のテストパッドのうちの各それぞれのテストパッドに接触する。
【0019】
1以上の実施形態では、方法は、複数の位置センサ及び複数の抵抗器ネットワークを介して複数の位置抵抗を測定するステップと、複数の位置抵抗に基づいて、被試験デバイスとプローブデバイスとの間の第1の水平位置合わせ及び第2の水平位置合わせを決定するステップとをさらに含む。複数の抵抗器ネットワークは、被試験デバイス上に配置される。複数の位置センサは、プローブデバイス上に配置される。第1の水平位置合わせ及び第2の水平位置合わせは、直交する方向である。
【0020】
本明細書では、較正キットが提供される。較正キットは、プローブデバイスと、被試験デバイスと、計測器と、プロセッサとを含む。プローブデバイスは、複数の傾斜角センサを含む。複数の傾斜角センサは、プローブデバイスの第2の表面から突出する複数のスパイクを有する。複数の傾斜角センサの各々は、2組の複数のスパイクを含む。被試験デバイスは、第1の表面上に配置可能な複数のテストパターンを含む。複数のテストパターンの各々は、複数のパターントレースを含む。複数のパターントレースの各々は、2組の各々における複数のスパイクのうちの少なくとも1つのスパイクに電気的に接続されている間、2組の間のそれぞれの傾斜コンダクタンスに寄与する。計測器は、共に圧縮された状態で複数の傾斜角センサと複数のテストパターンとの間に形成された電気的接続の数を測定するように動作可能である。プロセッサは、電気的接続の数に基づいて、被試験デバイスの第1の表面とプローブデバイスの第2の表面との間の第1のオフセット角及び第2のオフセット角を決定するように動作可能である。
【0021】
較正キットの1以上の実施形態では、第1のオフセット角及び第2のオフセット角は、60マイクロラジアン未満に補正可能である。
【0022】
較正キットの1以上の実施形態では、複数のスパイクのピッチは、2マイクロメートル未満である。
【0023】
較正キットの1以上の実施形態では、複数のパターントレースは、金、アルミニウム、インジウム、銅、白金、パラジウム、またはそれらの合金から形成される。複数のスパイクは、(i)単一の金属、(ii)合金、ならびに(iii)ベリリウム、金、チタン、パラジウム、バナジウム、銅、マンガン、ニッケル、コバルト、鉄、ロジウム、クロム、モリブデン、ルテニウム、白金、タンタル、タングステン、レニウム、イリジウム、酸化アルミニウム、及び炭化ケイ素から選択される層状の組み合わせのうちの1つから形成される。
【0024】
本開示の上記の形態及び利点、ならびに他の形態及び利点は、添付の図面に関連して解釈されると、本開示を実施するための最良の形態の以下の詳細な説明から容易に明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】1以上の例示的な実施形態による、プロービングシステムの概略図である。
【
図2】1以上の例示的な実施形態による、様々な基板の概略平面図である。
【
図3】1以上の例示的な実施形態による、較正キットの概略図である。
【
図4】1以上の例示的な実施形態による、デバイスレイアウトの概略平面図である。
【
図5】1以上の例示的な実施形態による、角度センサレイアウトの概略平面図である。
【
図6】1以上の例示的な実施形態による、スパイクの製作方法のフロー図である。
【
図7】1以上の例示的な実施形態による、スパイクの構造の概略斜視図である。
【
図8】1以上の例示的な実施形態による、位置センサレイアウトの概略平面図である。
【
図9】1以上の例示的な実施形態による、タッチダウンセンサの概略斜視図である。
【
図10】1以上の例示的な実施形態による、傾斜角センサ状態の概略図である。
【
図11】1以上の例示的な実施形態による、弾性ピラーの画像である。
【
図12】1以上の例示的な実施形態による、プロービングシステムの較正を支援する方法のフロー図である。
【
図13】1以上の例示的な実施形態による、タッチダウン状態を決定する方法のフロー図である。
【
図14】1以上の例示的な実施形態による、X-Y位置合わせのための例示的な方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本開示の実施形態は、一般に、被試験デバイスを試験する際に使用されるプロービングデバイスの傾斜較正に対処するシステム、方法、及び/またはキットを含む。本明細書に開示される設計は、ファインピッチ領域アレイの高収率プロービングを確実にするために、負荷条件下で局所タッチダウン接触及び全体傾斜角測定を行うin-situ傾斜角センサ及び制御方法を提供する。傾斜角センサは、低力タッチダウン中に局所接触検知及び全体傾斜角測定を行うファインピッチ領域アレイプローバ用のコンパクトな1組の統合センサと、非平行配向を補正するためにプローバプラットフォーム(精密ハードウェア)によって利用されるフィードバック信号とを有する。傾斜角センサは、プローブデバイス全体にわたる1組の分散されたタッチダウン検知ユニットとして配置され、各々が1組の冗長センサ(例えば、被試験デバイス上の短いトレースであるプローブデバイス側のスパイクとコンタクタリンクを架橋する)を有する。傾斜センサは、プローブデバイス及び被試験デバイスの周囲及び中央領域に位置決めすることができる。傾斜角センサの配置及び数は、傾斜角測定の精度を決定する。傾斜角センサは、被試験デバイス上のプローブデバイスのタッチダウン中の特定の箇所の物理的接触状態に関する情報を提供する。まとめて取得された情報は、全体傾斜角の測定値を提供する。全体傾斜角は、傾斜角センサによって提供される情報を使用してプローバプラットフォームによって補正することが可能である。
【0027】
図1を参照すると、1以上の例示的な実施形態による、プロービングシステム100の例示的な実装形態の概略図が示されている。プロービングシステム100は、一般に、ダイボンダ102と、コンピュータ120とを含む。ダイボンダ102は、スフェリカルポジショナ103と、上部チャック104と、下部チャック106と、ロードセル108とを含む。コンピュータ120は、1以上のプロセッサ122(1つを図示)と、1以上のメモリデバイス124(1つを図示)と、1以上の計測器126(1つを図示)とを含む。
【0028】
ダイボンダ102は、精密ダイボンダを実現する。様々な実施形態において、ダイボンダ102は、基板間熱圧縮プレスを実現する。例えば、ダイボンダ102は、ニューハンプシャー州チェスターのSetna、LLCから入手可能なFC300精密ダイボンダであってもよい。ダイボンダ102は、プローブデバイス160を被試験デバイス140上に位置合わせして押圧するように動作可能である。位置合わせは、複数の方向(例えば、第1の方向134c(例えば、X)及び第2の方向134b(例えば、Y))に下部チャック106に対して上部チャック104を移動させることによって行うことができる。多方向移動は、部分的に、スフェリカルポジショナ103によって行われる。上部チャック104は、垂直方向134a(例えば、-Z)に下部チャック106に対して移動可能である。
【0029】
上部チャック104が垂直方向134aに沿って下方に移動すると、第1の力136aまたは第2の力136bの一方が下部チャック106に保持された被試験デバイス140に抗して、上部チャック104に保持されたプローブデバイス160が押圧される。第1の力136aまたは第2の力136bは、プローブデバイス160上に形成されたスパイクを被試験デバイス140上の複数のテストパターンに圧縮する。いくつかの実施形態では、被試験デバイス140は上部チャック104によって保持されてもよく、プローブデバイス160は下部チャック106によって保持されてもよい。ロードセル108は、被試験デバイス140とプローブデバイス160との間に加えられている第1の力136a及び第2の力136bを測定する。
【0030】
スフェリカルポジショナ103は、多次元ジョイントを実現する。スフェリカルポジショナ103は、下部チャック106に対して上部チャック104を傾斜させる(または回転させる)130ことができる。傾斜130は、プローブデバイス160及び被試験デバイス140の対向面を位置合わせする(例えば、平行にする)ために、ピッチ方向(または軸)130a及びロール方向(または軸)130bの移動を含むことができる。スフェリカルポジショナ103はまた、ヨー方向(または軸)132における下部チャック106に対する上部チャック104の回転を提供する。いくつかの実施形態では、下部チャック106は、ヨー方向132に上部チャック104に対して回転可能であってもよい。
【0031】
上部チャック104及び下部チャック106は各々、真空チャックを実現する。上部チャック104及び下部チャック106は、プロービングプロセス中にプローブデバイス160及び被試験デバイス140を保持するように動作可能である。
【0032】
ロードセル108は、圧力センサを実現する。ロードセル108は、ダイボンダ102の使用中にプローブデバイス160によって被試験デバイス140上に加えられる力136a~136bを検出するように動作可能である。
【0033】
コンピュータ120は、プローブデバイス160及びロードセル108に結合される。コンピュータ120は、1以上のデータ処理コンピュータを実現する。複数のコンピュータ120を有する実施形態では、個々のコンピュータ120は、データ、メモリ空間、及び処理リソースを共有するために互いに結合される。コンピュータ120は、ダイボンダ102の構成データを記憶し、プローブデバイス160、ロードセル108、及び計測器126から受信した情報を分析するために使用されるソフトウェアを実行するように動作可能であり得る。
【0034】
プロセッサ122は、コンピュータ120内の1以上のプロセッサを実現する。プロセッサ122は、メモリデバイス124及び計測器126と通信し、コマンド及びデータを交換する。プロセッサ122は、プローブデバイス160、ロードセル108、及び計測器126によって生成されたデータを分析するために使用されるソフトウェアツールを実行するように動作可能である。
【0035】
メモリデバイス124は、1以上の非一時的コンピュータ可読記憶デバイス(例えば、ランダムアクセスメモリ、読出専用メモリ、磁気ハードドライブ、ソリッドステートドライブなど)を実現する。メモリデバイス124は、プロセッサ122によって実行されるソフトウェアプログラム(またはツール)を記憶する。
【0036】
計測器126は、1以上のコンダクタンス、抵抗、電圧、及び/または電流計測器を実現する。計測器126は、プローブデバイス160の様々なスパイクが被試験デバイス140上のテストパターンと電気的に接触することに応じて、コンダクタンス/抵抗の変化を検出及び報告するように動作可能である。計測器126はまた、プロービング動作中に被試験デバイス140上のテストパッドにおける電圧及び/または電流を測定するように動作可能である。
【0037】
プロービングシステム100は、被試験デバイス140とプローブデバイス160との間の多次元傾斜を測定するための技法を実装する。ファインピッチ領域アレイ(例えば、2.5マイクロメートル(μm)未満のピッチアレイ)のプロービングは、被試験デバイス140の上向きの第1の表面(または第1の側)とプローブデバイス160の下向きの第2の表面(または第2の側)との間の平行度に敏感である。プロービングシステム100は、ウエハ、タイル、及び/またはダイレベル基板を含む大領域基板にわたる高解像度傾斜測定値(例えば、±60マイクロラジアン未満)を提供する。ファインピッチ金属ナイフエッジ状構造(例えば、スパイク)のアレイが、プローブデバイス160の第2の表面上に複数の傾斜角センサとして配置される。整合アレイの導電性トレースが、被試験デバイス140の第1の表面上に複数のテストパターンとして配置される。傾斜角センサのスパイクは、プローブデバイス160及び被試験デバイス140が一緒にされるときにテストパターンに電気的に接触するために使用される。スパイクは、先端高さの変動が少ない広い領域にわたってスパイクアレイをシリコンまたは他の基板上に形成することを可能にするフォトリソグラフィプロセスにおいて円錐対称の先端として製作することができる。導電性トレースは、金属ストライプとして製作することができる。テストパターン及び傾斜角センサは、プローブデバイス160及び被試験デバイス140の周辺に位置決めされる。テストパターン及び傾斜角センサのいくつかはまた、プローブデバイス160及び被試験デバイス140の内部領域内に位置決めされてもよい。被試験デバイス140とプローブデバイス160との間の適切な傾斜位置合わせの知識は、二次元半及び三次元の集積マイクロ電子システムを製作するために後に使用される高密度界面をプロービングしながら信頼性を提供する。再配線層は、その後のコンピュータ120への読出のために、個々のアレイスパイクプローブをプローブデバイス160の縁部にルーティングすることができる。
【0038】
図2を参照すると、1以上の例示的な実施形態による、様々な基板の例示的な実装形態の概略平面図が示されている。基板(例えば、被試験デバイス140及び/またはプローブデバイス160)は、半導体181で形成されてもよい。半導体181は、一般的に、シリコン、ゲルマニウム、ヒ化ガリウム、ヒ化アルミニウムガリウム、炭化ケイ素、窒化ガリウム、リン化インジウムなどを含む。基板は、半導体ダイ183、半導体タイル185、または半導体ウエハ187の形態であってもよい。
【0039】
図3を参照すると、1以上の例示的な実施形態による、較正キット400の例示的な配置の概略図が示されている。較正キット400は、一般に、被試験デバイス140と、プローブデバイス160とを含む。被試験デバイス140は、一般に、ダイボンダ102(
図1)内のプローブデバイス160の下方に位置決めされる。被試験デバイス140は、プローブデバイス160の第2の表面162に面する第1の表面142を有する。被試験デバイス140は、第1の表面142の反対側の第3の表面144を含む。同様に、プローブデバイス160は、第2の表面162の反対側の第4の表面164を含む。
【0040】
複数のテストパターン146及び複数のテストパッド150が、被試験デバイス140の第1の表面142上に製作される。テストパターン146は、様々なテストパターン材料148の1以上の層として製作することができる。テストパターン材料148a~148gは、限定はしないが、金148a、アルミニウム148b、インジウム148c、銅148d、白金148e、パラジウム148f、及びそれらの合金148gを含んでもよい。テストパッド150は、テストパターン材料148と同様の材料で製作することができる。
【0041】
複数の傾斜角センサ172及び複数の接触プローブ174が、プローブデバイス160の第2の表面162上に製作される。傾斜角センサ172は、複数の支持パッド166と、複数のスパイク168とを含む。支持パッド166は、プローブデバイス160の第2の表面162上に製作される。1以上のスパイク168が、傾斜角センサ172の支持パッド166上に製作される。スパイク168は、スパイク材料170の1以上の層として製作される。スパイク材料170a~170uは、限定はしないが、単一の金属、合金、または層状の組み合わせを含んでもよい。材料は、一般に、ベリリウム170a、金170b、チタン170c、パラジウム170d、バナジウム170e、銅170f、マンガン170g、ニッケル170h、コバルト170i、鉄170j、ロジウム170k、クロム170l、モリブデン170m、ルテニウム170n、白金170o、タンタル170p、タングステン170q、レニウム170r、イリジウム170s、酸化アルミニウム170t、及び炭化ケイ素170uから選択される。
【0042】
接触プローブ174は、複数の支持パッド166と、複数のプローブ先端176とを含む。支持パッド166は、プローブデバイス160の第2の表面162上に製作される。1以上のプローブ先端176は、接触プローブ174の各支持パッド166上に製作される。様々な実施形態において、プローブ先端176は、傾斜角センサ172で使用されるスパイク168の高さに一致するようにスパイク168と同じように形成することができる。特定の用途の設計基準を満たすために、他の先端設計が接触プローブ174に実装されてもよい。
【0043】
プローブデバイス160を被試験デバイス140に押圧する第1の力136aは、傾斜角測定中に使用される低力のタッチダウン力(例えば、15~50マイクロニュートン(μN)/スパイク)である。第2の力136bは、被試験デバイス140を電気的に試験している間に使用される標準的なプロービング力(例えば、約85μN/スパイク)である。
【0044】
図4を参照すると、1以上の例示的な実施形態による、例示的なデバイスレイアウト180の概略平面図が示されている。デバイスレイアウト180は、被試験デバイス140及びプローブデバイス160を示している。デバイスレイアウト180は、一般に、周辺182及び中央領域186を含む複数の領域を画定する。傾斜角センサ172の第1のグループ184及びテストパターン146の対応する共位置合わせされたグループは、被試験デバイス140及びプローブデバイス160の周辺182に配置される。様々な実施形態において、傾斜角センサ172の第2のグループ188及びテストパターン146の対応する共位置合わせされたグループは、被試験デバイス140及びプローブデバイス160の中央領域186に配置される。マルチプレクサ189(または再配線層を含む他の適切なルーティング回路)が、様々な傾斜角センサ172を計測器126(
図1)に接続するのを助けるためにプローブデバイス160に含まれてもよい。
【0045】
被試験デバイス140上へのプローブデバイス160の最初のタッチダウン中、一部~すべての傾斜角センサ172は、共位置合わせされたテストパターン146と物理的かつ電気的に接触し、それによって計測器126によって検知され得る閉回路を形成する。傾斜角センサ172のサブセットが共位置合わせされたテストパターン146に接触しない場合、プローブデバイス160は被試験デバイス140から上昇させることができ、スフェリカルポジショナ103は平坦化を改善するように調整され、プローブデバイス160は被試験デバイス140上に再度下降される。
【0046】
図5を参照すると、1以上の例示的な実施形態による、角度センサレイアウト190の例示的な実装形態の概略平面図が示されている。角度センサレイアウト190は、テストパターン146及び傾斜角センサ172を示している。テストパターン146は、一般に、被試験デバイス140の第1の表面142上に複数のパターントレース192を含む。様々な実施形態において、傾斜角センサ172は、被試験デバイス140に対するプローブデバイス160の傾斜角を依然として検知しながら、比較的低い位置合わせ精度を有し得る。いくつかの実施形態では、傾斜角センサ172は、被試験デバイス140のアレイと同様のピッチを有するが、公差は緩和されてもよい。パターントレース192は、導電性材料で形成される。傾斜角センサ172は、パターントレース192に直交して交差して位置合わせされた2組の導電性トレース194を含む。複数のスパイク168が導電性トレース194上に配置され、パターントレース192と位置合わせされる。所与のパターントレース192が少なくとも2つのスパイク168、すなわち2つの導電性トレース194の各々における1つのスパイク168と物理的かつ電気的に接触している間、閉回路が形成される。閉回路は、傾斜コンダクタンス196を有する。様々な実施形態において、1以上の閉回路を検知し、したがって非ゼロ傾斜コンダクタンス196を確立することにより、プロセッサ122(
図1)によって傾斜角を決定することができる。他の実施形態では、各パターントレース192は、小さい抵抗を含むことができる。スパイク168により導電性トレース194と接触している個々のパターントレース192を介して形成された傾斜コンダクタンス196の合計は、全傾斜コンダクタンス198を確立する。パターントレース192を通じた接点の数は、全傾斜コンダクタンス198の値を決定する。計測器126(
図1)は、スパイク168を通る導電性トレース194とパターントレース192との間の全傾斜コンダクタンス198の値を測定することができる。全傾斜コンダクタンス198の値から、プロセッサ122(
図1)は、各テストパターン146のいくつのパターントレース192が対応する傾斜角センサ172と接触しているかを決定することができる。
【0047】
図6を参照すると、1以上の例示的な実施形態による、スパイク168の製作のための例示的な方法200の概略平面図が示されている。方法200は、図示のように、ステップ202~212を含む。ステップのシーケンスは、代表例として示されている。特定の用途の基準を満たすために、他のステップ順序が実装されてもよい。方法(またはプロセス)200は、標準的な半導体製作技法を使用して実施することができる。スパイク168の形状及び寸法は、スパイク168のベース直径を画定するために使用されるリソグラフィパターニングによって制御される。堆積された金属は、スパイク168を製作するために使用される。
【0048】
ステップ202において、プローブデバイス160の第2の表面162を洗浄し、金属堆積のために準備することができる。パッド166のための金属は、ステップ204において堆積及びパターニングされる。ステップ206において、マスクがパッド166上に堆積される。マスクは、逆像または二層レジストプロセスであってもよく、それにより画像の場合、リエントラント側壁が生じる。様々な実施形態において、パッド166のための堆積及びパターニングはスキップされ、マスクはプローブデバイス160上に直接堆積されてもよい。ステップ208において、ギャップがマスク内に撮像される。
【0049】
ステップ210において、スパイク材料170は、スパイク168を形成するためにマスク上及びギャップ内に堆積される。スパイク材料170は、蒸発によって堆積されてもよい。堆積は、ギャップ内にナイフエッジ微細構造の形成をもたらす。オーバーコート材料が、任意選択で、フォトレジストコーティング、フォトレジストパターニング、及びオーバーコート材料の蒸発を使用してスパイク168の上に形成されてもよい。マスク上に残っているスパイク材料170及びマスク自体は、ステップ212において除去されてスパイク168が露出し、プローブデバイス160の第2の表面162から突出したままになる。
【0050】
図7を参照すると、1以上の例示的な実施形態による、スパイク168の例示的な構造の概略斜視図が示されている。スパイク168は、一般に、円錐形状220を有する。スパイク168は、任意選択でオーバーコート層224によって覆われた内層222を備える。内層222は、スパイク材料170の中から選択することができる。オーバーコート層224もまた、スパイク材料170の中から選択されてもよい。様々な実施形態において、オーバーコート層224は、傾斜調整及びデバイス試験中の圧縮に起因してスパイク168とテストパターン146との間に冶金的結合が形成されるのを防止するために含まれる。
【0051】
スパイク168のテーパ角は、製作に使用される金属によって制御される。テーパ角の例には、金(78°)、チタン(68°)、及び白金(78°)が挙げられる。他のテーパ角を達成するために、他の金属を使用してもよい。スパイク168は、約5ナノメートル(nm)以上の狭い先端半径、及び0.3マイクロメートル(μm)以上の小さいベース直径(例えば、≧0.8μm)で構成することができる。特定の用途の設計基準を満たすために、他の先端半径及び/またはピッチが実装されてもよい。
【0052】
図8を参照すると、1以上の例示的な実施形態による、位置センサレイアウト230の例示的な実装形態の概略平面図が示されている。位置センサレイアウト230は、第1軸位置センサ232及び第2軸位置センサ234を示している。第1軸(例えば、x軸)位置センサ232は、第2軸(例えば、y軸)位置センサ234に直交するように向けられている。様々な実施形態において、各位置センサ232及び234は、2つのサブセンサ236に分割され、長軸は互いに平行に位置合わせされてその範囲を2倍延伸する。位置センサ232及び234は、位置デバイス160上の2つの位置トレース238と、被試験デバイス140上の対応する抵抗器ネットワーク240とを含む。スパイク168は、位置トレース238上に形成される。様々な実施形態において、位置センサ232及び234は、電子バーニア(Vernier)センサを実装することができる。
【0053】
プローブデバイス160が被試験デバイス140と接触している間、スパイク168は、抵抗器ネットワーク240と物理的かつ電気的に接触することができる。位置トレース238にわたって計測器126(
図1)によって測定される位置抵抗242は、スパイク168が抵抗器ネットワーク240に接触する場所に基づいて変化する。第1軸位置センサ232の位置抵抗242は、第1の水平位置合わせ244を示すことができる。第2軸位置センサ234の位置抵抗242は、第2の水平位置合わせ246を示すことができる。被試験デバイス140に対してプローブデバイス160を移動させることによって抵抗値を最適化することにより、各軸において数μm(例えば、約6μm~約9μm)の範囲にわたって約0.1μmの解像度で正確に位置合わせすることが可能になる。
【0054】
図9を参照すると、1以上の例示的な実施形態による、タッチダウンセンサ250の例示的な実装形態の概略斜視図が示されている。図には、2つのタッチダウンセンサ250が示されている。各タッチダウンセンサ250は、一般に、パッド252と、少なくとも2つのスパイク168とを含む。少なくとも2つのスパイク168は、約1.5μm~約2.0μmのピッチで互いに分離されてもよい。
【0055】
プローブデバイス160が被試験デバイス140と接触している間、計測器126(
図1)は、少なくとも2つのスパイク168及び対応するパッド252を介してタッチダウンコンダクタンス254を測定することができる。測定されたゼロのコンダクタンスは、少なくとも2つのスパイク168の一方または両方が対応するパッド252と電気的に接触していないことを示す。したがって、被試験デバイス140に対するプローブデバイス160の傾斜及び/または位置合わせは、被試験デバイス140の最初の試験の前に変更することができる。少なくとも2つのスパイク168及び対応するパッド252を通る正の(例えば、>ゼロ)タッチダウンコンダクタンス254は、一般に、パッド252との明確な電気的接触を示す。したがって、少なくとも2つのスパイク168の主スパイク(例えば、いずれかのスパイク168)は、被試験デバイス140の試験に使用することが可能である。
【0056】
図10を参照すると、1以上の例示的な実施形態による、例示的な傾斜角センサ状態260の概略図が示されている。傾斜角センサ状態260は、第1のタッチダウン後の第1の状態262と、第2のタッチダウン後の第2の状態264と、第3のタッチダウン後の第3の状態266とを含む。傾斜角誤差を補正するために使用されるスフェリカルポジショナ103(
図1)の角度(ファイ及びシータ)の例示的な調整、及びミリメートル(mm)平方当たりに加えられる力(ニュートン(N)単位)を、以下の表Iに示す。
【0057】
【0058】
第1の状態262は、プローブデバイス160が被試験デバイス140(
図1)に適切に平行でない最初の条件を伴う最初のタッチダウン(例えば、約15μN~約50μN/スパイクの低力タッチダウン)を示している。低力タッチダウンは、一般に、被試験デバイス140に結合することなく傾斜角センサ接触状態の電気的測定を可能にする。傾斜角制御は、非平行接触配向が不均一な圧力分布をもたらすので、プローブデバイス160と被試験デバイス140との間のプロービング(弾性)及び結合(塑性)レジーム相互作用を定義するのを支援する。第1の状態262に示されるように、傾斜角センサ172の一部(円記号)は、対応するテストパターン146との閉接点を示す。他の傾斜角センサ172(プラス記号)は、開接点を示す。矢印は、被試験デバイス140とプローブデバイス160との間の全体傾斜角268を示す。
【0059】
全体傾斜角268は、ダイボンダ102に対する適切な調整を決定し、被試験デバイス140とプローブデバイス160との間の平行化を改善するために使用される。第2の状態264では、円記号は、各傾斜角センサ172が対応するテストパターン146に接触したことを示し、したがって全体傾斜角268は示されていない。
【0060】
第3の状態266における最後のタッチダウンは、プロービング力レベルで実施された。第3の状態266は、被試験デバイス140上に製作された複数(例えば、5つ)のデイジーチェーンテストアレイ(例えば、アレイごとに10,000個の要素チェーン)について、完全に接触した傾斜角センサ172及び100%の接触収率を示した。
【0061】
ダイボンダ102の平行度は、一般に、約±60マイクロラジアンにおける仕様である。このようなレベルの傾斜誤差は、(チップセットに典型的な)4mmの距離にわたる±0.24μmの高さ変動及び/または(レチクルサイズに典型的な)20mmの距離にわたる±1.2μmの高さ変動に対応する。しかし、裏面の不完全性(例えば、粒子及びダイシングによるマイクロクラック)が、プロービング中に圧力依存性の高さ変動を引き起こし、傾斜角誤差をもたらす可能性がある。プロービング中のプローブデバイス160上のスパイク168と被試験デバイス140との間の平行度を改善するために、フィードバック制御(例えば、手動または自動)がオンチップ傾斜角センサ測定値を使用することによって実施され、低力タッチダウン中の傾斜誤差を補正する。
【0062】
スフェリカルポジショナ103(
図1)は、ユニットコンタクタ状態を監視することによって導出された傾斜条件に基づいて、チャックに対する上側アームのファイ(南北)及びシータ(東西)の球面角を調整するために使用される。低力タッチダウンは、傾斜角センサ状態を検知するために使用され、その後のタッチダウンのために、誤差が排除されるかまたは許容可能な小さい限界内になるまで調整がスフェリカルポジショナ103に続いて適用される。傾斜誤差が無効にされた後(100%の報告された閉状態によって検知された後)、被試験デバイス140をプロービングするために適切なレベルの力が加えられる。
【0063】
図11を参照すると、1以上の例示的な実施形態による、例示的な弾性ピラー282の画像280が示されている。画像280は、スパイク168(図示せず)と支持パッド166との間に配置された弾性ピラー282の走査型電子顕微鏡写真を示している。プローブデバイス160の各スパイク168に対して、1つの弾性ピラー282を形成することができる。各弾性ピラー282は、ばね状クッション層として作用するように、ポリイミド(ヤング率3GPa)などのエラストマ層を使用して製作することができる。様々な実施形態において、エラストマ層は、ポリイミド、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、及び/またはポリ塩化ビニル(PVC)であってもよい。各弾性ピラー282は、約2μmの高さであってもよい。
【0064】
弾性レジームにおける動作を確実にするために、有限要素解析モデリングを使用して、ポリマー層の厚さ及び弾性率の選択に関するガイダンスを提供した。エラストマ性能を測定するために傾斜角センサ172を利用する実験テストの結論は、スパイクプロービングのための典型的な印加力(<85μN/プローブ)の下で、約40マイクロラジアン未満の角度補正が利用可能であったことであった。ポリイミド材料の比較的高い弾性率及び適度に薄い厚さ(2μm)(利用可能な材料の制限)のために、より大きい角度補正は好ましくなかった。モデリングは、約100マイクロラジアンの受動的傾斜補正が、より大きいポリイミド厚さ、またはより低い弾性率のポリマー層(例えば、PDMS:ヤング率300メガパスカル(MPa))の使用で可能であり得ることを示した。弾性ピラー282を用いることは、傾斜誤差を補正するために正確な傾斜角を決定することなく高収率プローブ接触が達成され得るので、プローブデバイス160の周辺に載置される傾斜角センサ172がより少なくてもよいことを意味する。
【0065】
プロービングは、シリコン基板上に直接、比較的均一で薄い接点(例えば、160nm)を有するテストアレイを用いて実施されたが、鋳造由来のチップセットは、より大きいパッド間高さ変動を有し得る。局所的なトポグラフィ不均一性に対処するために、スパイク168をエラストマピラー上に形成し、個々のスパイク対テストパターンプローブ接点の独立した懸架を可能にすることができる。
【0066】
図12を参照すると、1以上の例示的な実施形態による、プロービングシステム100の較正を支援する例示的な方法300のフロー図が示されている。方法300は、図示のように、ステップ302~346を含む。ステップのシーケンスは、代表例として示されている。特定の用途の基準を満たすために、他のステップ順序が実装されてもよい。方法(またはプロセス)300は、被試験デバイス140及びプローブデバイス160を有するプロービングシステム100により実現される。
【0067】
ステップ302において、被試験デバイス140は、被試験デバイス140の第1の表面142を外側に向けて下部チャック106に取り付けられる。ステップ304において、プローブデバイス160は、第2の表面162を被試験デバイス140の第1の表面142に向けて上部チャック104に取り付けられる。ステップ306において、スフェリカルポジショナは、コース平行化に合わせて調整され得る。ステップ308において、プローブデバイス160は、x軸及びy軸において被試験デバイス140に位置合わせされる。
【0068】
ステップ310において、プローブデバイス160及び被試験デバイス140は、傾斜角センサ172のスパイク168の少なくともサブセットをテストパターン146に接触させる第1の力136aと共に押圧される。ステップ312において、傾斜角センサ172とテストパターン146との間に形成された電気的接続の数が測定される。電気的接続の数を決定するステップは、一般に、ステップ330において、傾斜角センサ172及びテストパターン146を介して全傾斜コンダクタンス198を測定するステップを含む。各傾斜角センサ172は、2組のスパイク168を含む。各テストパターン146は、パターントレース192を含む。各接触パターントレース192は、対応する全傾斜コンダクタンス198に対してそれぞれの傾斜コンダクタンス196に寄与する。全傾斜コンダクタンス198は、ステップ332において、計測器126からプロセッサ122に報告される。
【0069】
ステップ314において、プロセッサ122は、全傾斜コンダクタンス198(例えば、電気的接続の数)に基づいて、被試験デバイス140の第1の表面142とプローブデバイス160の第2の表面162との間の第1のオフセット角130c及び第2のオフセット角130dを決定する。第1のオフセット角130c及び第2のオフセット角130dを決定するステップは、一般に、ステップ340において、プロセッサ122で全傾斜コンダクタンス198を受信するステップを含む。ステップ342において、プロセッサ122は、第1の方向134cに向けられた傾斜角センサ172の第1のグループ184を用いて第1のオフセット角130cを決定する。ステップ344において、プロセッサ122は、第2の方向134bに向けられた傾斜角センサ172の第2のグループ188を用いて第2のオフセット角130dを決定する。
【0070】
プローブデバイス160は、ステップ316において、被試験デバイス140から分離される。スフェリカルポジショナ103は、ステップ318において、被試験デバイス140の第1の表面142とプローブデバイス160の第2の表面162との間の平行度を変更するために、第1のオフセット角130c及び第2のオフセット角130dに応じて1以上の回転軸において調整される。回転軸を調整するステップは、ステップ346において、第1のオフセット角130c及び第2のオフセット角130dに応じてプロセッサ122を用いてスフェリカルポジショナの調整を制御するステップを含んでもよい。
【0071】
スフェリカルポジショナ103が調整された後、プローブデバイス160及び被試験デバイス140は、ステップ320において、第2の力136bで圧縮される。その後の平行化が許容可能である場合、被試験デバイス140は、ステップ322において、コンピュータ120によって電気的に試験されてもよい。
【0072】
図13を参照すると、1以上の例示的な実施形態による、タッチダウン状態を決定する例示的な方法360のフロー図が示されている。方法は、一般に、図示のように、ステップ362~370を含む。ステップのシーケンスは、代表例として示されている。特定の用途の基準を満たすために、他のステップ順序が実装されてもよい。
【0073】
ステップ362において、プローブデバイス160及び被試験デバイス140は、力(例えば、第1の力136a)で共に圧縮される。ステップ364において、少なくとも2つのプローブ先端176の各々及びそれぞれのテストパッド150を介してタッチダウンコンダクタンスが測定される。ステップ366において、タッチダウンコンダクタンスがゼロよりも大きいかどうかを決定するために、チェックが実施される。大きくない場合、ステップ368において、圧縮が増大され、タッチダウンコンダクタンスが再び測定される。タッチダウンコンダクタンスがゼロよりも大きくなると、ステップ370において、被試験デバイス140の試験が開始されてもよい。
【0074】
図14を参照すると、1以上の例示的な実施形態による、X-Y位置合わせのための例示的な方法380のフロー図が示されている。方法は、一般に、図示のように、ステップ382~392を含む。ステップのシーケンスは、代表例として示されている。特定の用途の基準を満たすために、他のステップ順序が実装されてもよい。
【0075】
ステップ382において、プローブデバイス160及び被試験デバイス140は、力(例えば、第1の力136a)で圧縮される。位置抵抗242は、ステップ384において、位置センサ232及び234ならびに対応する抵抗器ネットワーク240を介して測定される。被試験デバイス140とプローブデバイス160との間の第1の水平位置合わせ244及び第2の水平位置合わせ246は、ステップ386において、位置抵抗242に基づいて決定される。
【0076】
ステップ388において、プローブデバイス160が被試験デバイス140から分離される。プローブデバイス160の相対的なX-Y位置は、ステップ390において、第1の水平位置合わせ及び第2の水平位置合わせに基づいて調整される。ステップ392において、プローブデバイス160及び被試験デバイス140は、別の力(例えば、第2の力136b)で圧縮される。測定するステップ、決定するステップ、及び調整するステップは、プローブデバイス160がさらなる処理のために被試験デバイス140に十分に位置合わせされるまで繰り返されてもよい。
【0077】
スパイク168の製作は、傾斜角測定、X-Y位置合わせ、及びタッチダウン測定に有用であり、一般に標準的な方法よりも優れている。製作プロセスは、ファインピッチアレイ(例えば、10μm未満)の利点を提供する。製作プロセスは、スパイク高さが高い忠実度の複製を可能にする自己制限プロセスで作製されるため、先端高さの変動が低い(例えば、<10nmまで)アレイを可能にする。鋭い先端(例えば、約10nmの寸法)は、チタンが堆積されるにつれてフォトレジスト開口部が閉じられるため、製作プロセスに不可欠である。製作プロセスは、高硬度(例えば、>116ギガパスカル(GPa))を有する様々な異なる金属を製作する能力を提供する。製作プロセスはまた、スパイク構造(例えば、金、白金、及びパラジウムなどのより柔らかい金属で積層されたチタン及びタングステン)を積層することによって硬度を操作し、かつ/またはオーバーコートをスパイクに適用してインデンテーション後のその放出を改善し、冶金的結合が形成されるのを防止する能力を提供する(例えば、天然酸化物は、窪んだ材料層またはバンプへの冶金的結合を防止するのに役立つ)。
【0078】
プロービングシステム100は、微細な傾斜及び位置測定能力を提供する高硬度のファインピッチアレイ、円錐形状の針状微細構造(スパイク)を含む方法及びプローブデバイスを提供する。プロービングシステム100は、ファインピッチ(≦10μmピッチ)アレイプロービング用の傾斜角センサを含む。様々な実施形態は、スパイクのプローブアレイと被試験デバイスとの間のタッチダウン動作中の局所接触状態及び全体傾斜角の測定値を提供する。104接触/mm2を超える密度でのファインピッチプロービングは、プローブヘッドと被試験デバイスの表面との間の高度の平行度を伴い、高収率の接触を確実にする。しかし、ファインピッチ寸法は、使用可能なプローブ送達機構(カンチレバー、ばねなど)を制約し、プロービングプロセスにおける傾斜誤差に寄与する固有のプラットフォーム不整合(例えば、平行度公差)及びプロセス関連要因(例えば、粒子及びマイクロクラックを含む裏面凹凸、ならびにクランプ歪み)を克服するためにプローブヘッド領域(例えば、チップまたはレチクルサイズ)にわたって十分な変位をもたらす。このような制約が与えられると、プロービングシステム100は、低力タッチダウン中に局所接触検知及び全体傾斜角測定を行うファインピッチ領域アレイプローバ用のコンパクトな1組の統合センサと、非平行配向を補正するためにプローバプラットフォーム(精密ハードウェア)によって使用されるフィードバック信号とを提供する。
【0079】
傾斜角センサは、プローブヘッド全体に1組の分散されたタッチダウン検知ユニットを含み、各々が1組の冗長センサ(例えば、被試験デバイス上の接触線によって短くされたプローブヘッド側のスパイクとコンタクタリンクを架橋する)を有する。検知ユニットは、プローブアレイの周囲ならびに中心に均一に位置決めされることが多い。検知ユニットの配置及び数は、傾斜角測定の精度を決定する。検知ユニットは、被試験デバイス上のプローブアレイのタッチダウン時の特定の箇所の物理的接触状態に関する情報を提供し、全体傾斜角の測定値をまとめて提供する。傾斜角は、傾斜角センサによって提供される情報を使用してプローバプラットフォームによって補正される。したがって、プローバプラットフォームは、精密な傾斜角制御、ならびにプローブデバイス及び被試験デバイス(ダイまたはウエハ)を保持するためのステーションを含む複数の機能を果たし、プローブタッチダウン中に制御された力レベル、ならびにプローブ及び被試験デバイスのファインピッチレイアウトの正確な位置決め及び位置合わせを提供する。
【0080】
様々な実施形態は、ファインピッチ領域アレイプロービングをサポートする改善された傾斜角センサを提供する。傾斜角センサは、局所接触測定を実施して全体傾斜条件を決定する。傾斜角の排除は、スパイクのプローブアレイと被試験デバイスとの間の信頼性の高いプローブアレイタッチダウンを達成するのに役立つ。本明細書で開示される技法の利点には、限定はしないが、ファインピッチ領域アレイプロービングにおける傾斜角誤差の検知及び排除、ファインピッチ(≦2μm)接触プローブ及びコンパクトなフットプリントが可能なスパイクベースのプローブを利用する小型フォームファクタ角度センサ、修正なしでのファインピッチ被試験デバイスの範囲への適用、事前位置合わせ及びプロービング手順中の接触パッドの損傷を回避する低力センサ動作、傾斜誤差の補正を最適化する複数のタッチダウンを可能にすること、加えられた力の下で傾斜角誤差を検知及び補正する能力、プローブタッチダウン動作下でのリアルタイム局所接触及び全体傾斜角測定、ならびにマルチチップボンディング中のボンディング品質を確保するための係合局所圧力及び均一性の即時の事前検査が挙げられ得る。
【0081】
本開示は、多くの異なる形態での実施形態が可能である。本開示の代表的な実施形態が図面に示されており、これらの実施形態は、本開示の広範な態様の限定ではなく、開示された原理の例示として提供されることを理解して、本明細書で詳細に説明される。その限りにおいて、例えば、要約、背景、概要、及び詳細な説明のセクションに記載されているが、特許請求の範囲に明示的に記載されていない要素及び限定は、単独でまたは集合的に、暗示、推論、またはその他によって特許請求の範囲に組み込まれるべきではない。
【0082】
本詳細な説明の目的のために、特に断らない限り、単数形は複数形を含み、逆もまた同様である。「及び」及び「または」という語は、接続的及び離接的の両方であるものとする。「いずれか」及び「すべて」という語は、両方とも「あらゆるすべて」を意味するものとし、「含む」、「含有する」、「備える」、「有する」などの語は、それぞれ「含むが、これらに限定されない」を意味するものとする。さらに、「約」、「ほぼ」、「実質的に」、「およそ」、及び「一般に」などの近似の語は、本明細書では、「~で、~近く、またはほぼ~で」または「~の0~5%以内」または「許容可能な製造公差内」、またはそれらの他の論理的な組み合わせの意味で使用され得る。図面を参照すると、同様の参照番号は、同様の構成要素を指す。
【0083】
詳細な説明及び図面または図は、本開示を支持及び説明するものであるが、本開示の範囲は、特許請求の範囲によってのみ定義される。特許請求される開示を実行するためのいくつかの最良の形態及び他の実施形態が詳細に説明されてきたが、添付の特許請求の範囲に定義される開示を実践するための様々な代替の設計及び実施形態が存在する。さらに、図面に示す実施形態または本明細書で言及された様々な実施形態の特性は、必ずしも互いに独立した実施形態として理解される必要はない。むしろ、実施形態の例の1つに記載された特性の各々は、他の実施形態からの1以上の他の所望の特性と組み合わせることができ、その結果、文言にまたは図面を参照することによって説明されていない他の実施形態をもたらすことができる。したがって、そのような他の実施形態は、添付の特許請求の範囲の範囲内に入る。
【符号の説明】
【0084】
100 プロービングシステム、102 ダイボンダ、103 スフェリカルポジショナ、104 上部チャック、106 下部チャック、108 ロードセル、120 コンピュータ、122 プロセッサ、124 メモリデバイス、126 計測器、130 傾斜、130a ピッチ方向、130b ロール方向、130c 第1のオフセット角、130d 第2のオフセット角、132 ヨー方向、134a 垂直方向、134b 第2の方向、134c 第1の方向、136a 第1の力、136b 第2の力、140 被試験デバイス、142 第1の表面、144 第3の表面、146 テストパターン、148 テストパターン材料、148a テストパターン材料、金、148b テストパターン材料、アルミニウム、148c テストパターン材料、インジウム、148d テストパターン材料、銅、148e テストパターン材料、白金、148f テストパターン材料、パラジウム、148g テストパターン材料、合金、150 テストパッド、160 プローブデバイス、位置デバイス、162 第2の表面、164 第4の表面、166 支持パッド、168 スパイク、170 スパイク材料、170a スパイク材料,ベリリウム、170b スパイク材料,金、170c スパイク材料,チタン、170d スパイク材料,パラジウム、170e スパイク材料,バナジウム、170f スパイク材料,銅、170g スパイク材料,マンガン、170h スパイク材料,ニッケル、170i スパイク材料,コバルト、170j スパイク材料,鉄、170k スパイク材料,ロジウム、170l スパイク材料,クロム、170m スパイク材料,モリブデン、170n スパイク材料,ルテニウム、170o スパイク材料,白金、170p スパイク材料,タンタル、170q スパイク材料,タングステン、170r スパイク材料,レニウム、170s スパイク材料,イリジウム、170t スパイク材料,酸化アルミニウム、170u スパイク材料,炭化ケイ素、172 傾斜角センサ、174 接触プローブ、176 プローブ先端、180 デバイスレイアウト、181 半導体、182 周辺、183 半導体ダイ、184 第1のグループ、185 半導体タイル、186 中央領域、187 半導体ウエハ、188 第2のグループ、189 マルチプレクサ、190 角度センサレイアウト、192 接触パターントレース、194 導電性トレース、196 非ゼロ傾斜コンダクタンス、198 全傾斜コンダクタンス、200 方法、220 円錐形状、222 内層、224 オーバーコート層、230 位置センサレイアウト、232 第1軸位置センサ、234 第2軸位置センサ、236 サブセンサ、238 位置トレース、240 抵抗器ネットワーク、242 位置抵抗、244 第1の水平位置合わせ、246 第2の水平位置合わせ、250 タッチダウンセンサ、252 パッド、254 タッチダウンコンダクタンス、260 傾斜角センサ状態、262 第1の状態、264 第2の状態、266 第3の状態、268 全体傾斜角、280 画像、282 弾性ピラー、300 方法、360 方法、380 方法、400 較正キット
【外国語明細書】