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特開2024-59091パネル基板、及びそのパネル基板を含むマイクロLED表示装置の製造方法
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  • 特開-パネル基板、及びそのパネル基板を含むマイクロLED表示装置の製造方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059091
(43)【公開日】2024-04-30
(54)【発明の名称】パネル基板、及びそのパネル基板を含むマイクロLED表示装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20240422BHJP
   G09F 9/33 20060101ALI20240422BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20240422BHJP
【FI】
G09F9/30 317
G09F9/33
G09F9/30 348A
G09F9/30 349C
G09F9/30 338
H01L33/00 L
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023173959
(22)【出願日】2023-10-06
(31)【優先権主張番号】10-2022-0133354
(32)【優先日】2022-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】501426046
【氏名又は名称】エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100106183
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 弘司
(74)【代理人】
【識別番号】100114915
【弁理士】
【氏名又は名称】三村 治彦
(74)【代理人】
【識別番号】100125139
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100209808
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 高志
(72)【発明者】
【氏名】金 炳 厚
(72)【発明者】
【氏名】尹 湘 淳
(72)【発明者】
【氏名】金 周 赫
(72)【発明者】
【氏名】孫 孝 卿
(72)【発明者】
【氏名】孫 エー-ラム
(72)【発明者】
【氏名】李 修 ▲ミン▼
(72)【発明者】
【氏名】張 銀 洙
【テーマコード(参考)】
5C094
5F142
【Fターム(参考)】
5C094AA42
5C094BA03
5C094BA23
5C094CA19
5C094DA13
5C094DB01
5C094ED12
5C094ED15
5C094FB15
5C094GB01
5C094JA08
5F142AA54
5F142AA86
5F142BA02
5F142BA32
5F142CA11
5F142CB23
5F142CD02
5F142CG01
5F142DB24
5F142FA32
5F142GA02
(57)【要約】
【課題】マイクロLEDがパネル基板上に過転写または未転写される不良の発生を防止する。
【解決手段】本明細書の一実施形態によるパネル基板は、複数のサブピクセル領域を含むベース基板;複数のサブピクセル領域にそれぞれ配置される薄膜トランジスタ;薄膜トランジスタ上に配置された層間絶縁膜;層間絶縁膜上に位置して、光の透過及び反射を遮断する第1光機能性層;第1光機能性層上に位置して、粘着性を有する第1パターン部と、第1パターン部よりも粘着性のない第2パターン部とを含む第2光機能性層;および第2光機能性層の第1パターン部と対応する位置に配置された複数のマイクロLED;を含むことを特徴とする。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のサブピクセル領域を含むベース基板と、
前記複数のサブピクセル領域にそれぞれ配置される複数の薄膜トランジスタと、
前記薄膜トランジスタ上に配置された層間絶縁膜と、
前記層間絶縁膜上に位置して、光の透過及び反射を遮断する第1光機能性層と、
前記第1光機能性層上に配置される第2光機能性層であって、前記第2光機能性層は、複数の第1パターン及び複数の第2パターンを有し、前記複数の第1パターンは第1粘着性を有し、前記複数の第2パターンは前記第1粘着性よりも粘着性の低い第2粘着性を有する、前記第2光機能性層と、
前記第2光機能性層の前記複数の第1パターンと対応する位置に配置された複数のマイクロLEDとを含む、
パネル基板。
【請求項2】
前記第2光機能性層の前記複数の第1パターンは、第1厚さを有し、前記複数の第2パターンは、前記第1厚さよりも薄い第2厚さを有しており、前記第2光機能性層は段差を有する、
請求項1に記載のパネル基板。
【請求項3】
前記複数の第1パターン及び前記複数の第2パターンは、交互に配置された、
請求項1に記載のパネル基板。
【請求項4】
前記第1光機能性層は、カーボンブラック、黒色チタン酸化物又は黒色酸化鉄を含む第1材料と、前記第1材料に添加される多孔性ゼオライトとを含む、
請求項1に記載のパネル基板。
【請求項5】
前記第2光機能性層は、光が照射されると粘着性が除去される接着合成物を含む、
請求項1に記載のパネル基板。
【請求項6】
前記接着合成物は、粘着剤、合成物、光酸発生剤、およびクエンチャー(quencher)を含む、
請求項5に記載のパネル基板。
【請求項7】
前記クエンチャーは、前記光酸発生剤から発生する酸を中性化する塩基性物質を含む、
請求項6に記載のパネル基板。
【請求項8】
複数のサブピクセル領域を含むベース基板と、
複数の第1パターン及び複数の第2パターンを含む第1光機能性層であって、前記複数の第1パターンは第1粘着性を有し、前記複数の第2パターンは前記第1粘着性よりも粘着性の低い第2粘着性を有し、前記複数の第1パターン及び前記複数の第2パターンは横方向に交互に接して配置された、前記第1光機能性層と、
第1光学機能性層の複数の第1パターンのそれぞれに配置された複数のマイクロ発光ダイオードとを含む、
表示装置。
【請求項9】
前記第1光機能性層の前記複数の第1パターンは第1厚さを有し、前記第1光機能性層の前記複数の第2パターンは前記第1厚さよりも薄い第2厚さを有し、前記複数の第2パターンと接する前記複数の第1パターンは段差を形成する、
請求項8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第1光機能性層は、光が照射されると粘着性が除去される接着合成物を含む、
請求項8に記載の表示装置。
【請求項11】
前記接着合成物は、粘着剤、合成物、光酸発生剤、およびクエンチャー(quencher)を含む、
請求項10に記載の表示装置。
【請求項12】
前記クエンチャーは、前記光酸発生剤から発生する酸を中性化する塩基性物質を含む、
請求項11に記載の表示装置。
【請求項13】
前記第1光機能性層及び前記ベース基板の間の第2光機能性層をさらに含み、前記第2光機能性層は、カーボンブラック、黒色酸化チタンまたは黒色酸化鉄を含む第1材料と、前記第1材料に添加される多孔質ゼオライトとを含む、
請求項8に記載の表示装置。
【請求項14】
前記複数のマイクロ発光ダイオードは、前記第1光機能性層の前記第2パターン上には配置されない、
請求項8に記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、マイクロLEDに関し、より詳細は、パネル基板、及びそのパネル基板を含むマイクロLED表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表示装置は、TV、携帯電話、ノートパソコン、およびタブレットPC等といった様々な電子機器に適用される。このため、表示装置の薄形化、軽量化及び低消費電力化などを開発するため研究が続いている。
【0003】
表示装置のうち、発光型表示装置は、発光素子又は光源を表示装置に内装し、内装した自体発光素子又は光源から発生する光を用いて情報を表示する。自体発光素子を含む表示装置は、光源を内装する表示装置よりも薄く構成することができ、柔軟であることから、折り畳むか曲げるか巻き取られる表示装置を構成することができるという長所がある。
【0004】
自体発光素子が内装された表示装置は、例えば、発光層として有機物を含む有機発光表示装置(OLED;Organic Light Emitting Device)、或いは発光層として無機物を含むマイクロLED表示装置(Micro LED;Micro Light Emitting diode display)などを含む。ここで、有機発光表示装置は、別途光源が不要であるものの、水分と酸素に弱い有機物の材料的特性から外部環境によって不良画素が発生しやすい問題がある。これに対して、マイクロLED表示装置は、水分と酸素に強い無機物を発光層として用いることによって、外部環境に影響されず、高い信頼性を有し、有機発光表示装置に比べて寿命が長いという長所がある。
【0005】
また、マイクロLED表示装置は、外部環境に強いため、密封材のような保護構造物を必要とせず、種々の素材を基板として用いることができ、有機発光表示装置よりもさらに薄い構造を有し、かつフレキシブルな表示装置を構成することができる。これによって、複数本のマイクロLED表示装置を配列して、大面積の表示装置に構成するのに有機発光表示装置よりもさらに有利であるという長所がある。
【0006】
一方、マイクロLEDをパネル基板に移動させる転写技術において、目標位置に転写する転写正確度は、表示装置の不良に影響する。すなわち、マイクロLEDをパネル基板の目標位置に未転写するか、目標位置を外れた位置に過転写すると、これは表示装置の不良に繋がり得る。これによって、マイクロLEDの転写に際して、高い転写正確度に対する要求が高まりつつある。また、大面積の表示装置を構成するために、複数のマイクロLEDの転写に際して、転写速度は、製品の生産性に影響することから、転写速度を向上させる方法に対する研究が継続している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本明細書の一実施形態によって解決しようとする課題は、光の透過及び反射を遮断して水分の吸着を防止する第1機能性層と、光の回折特性を最小化する第2機能性層と、からなる多重層構造の光機能性層を含むパネル基板を提供することである。
【0008】
また、本明細書の一実施形態によって解決しようとする課題は、多重層構造の光機能性層を含むパネル基板を導入し、局所的な露光工程を通じて領域別に相異する接着性を付与することにより、マイクロLEDを目標位置に正確に転写することを目的とする。
【0009】
これによって、マイクロLEDがパネル基板上に過転写または未転写される不良の発生を防止することを目的とする。
【0010】
また、本明細書の一実施形態によって解決しようとする課題は、相異する機能を有する多重層構造の光機能性層を含むパネル基板を含むマイクロLED表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
本明細書の一実施形態によって解決しようとする課題は、以上で言及した目的に制限されず、言及していない本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解することができ、本明細書の実施形態によってより明らかに理解することができる。また、本明細書の目的及び長所は、特許請求の範囲に示した手段及びその組み合わせによって実現できることが理解されよう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本明細書の一実施形態によるパネル基板は、複数のサブピクセル領域を含むベース基板;複数のサブピクセル領域にそれぞれ配置される薄膜トランジスタ;薄膜トランジスタ上に配置された層間絶縁膜;層間絶縁膜上に位置して、光の透過及び反射を遮断する第1光機能性層;第1光機能性層上に位置して、粘着性を有する第1パターン部と、第1パターン部よりも粘着性のない第2パターン部とを含む第2光機能性層;および第2光機能性層の第1パターン部と対応する位置に配置された複数のマイクロLED;を含むことを特徴とする。
【0013】
本明細書の一実施形態によるマイクロLED表示装置の製造方法は、成長基板上に複数のマイクロLEDを形成するステップ;成長基板上の複数のマイクロLEDをドナー基板に転写するステップ;パネル基板を準備するステップ;パネル基板上に光の透過及び反射を遮断する第1光機能性層と、光によって粘着性が除去される第2光機能性層とを形成するステップ;パネル基板の第2光機能性層上に露光及び現象工程を行って粘着性を有する第1パターン部と、第1パターン部よりも粘着性のない第2パターン部とを形成するステップ;複数のマイクロLEDが配置されたドナー基板をパネル基板上に位置させるステップ;およびドナー基板上の複数のマイクロLEDをパネル基板の第1パターン部と対応する位置に転写するステップ;を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本明細書の一実施形態によれば、パネル基板上に相異する機能を有する多重層の光機能性層を形成して、局所的な露光工程を通じて領域別に相異する接着性を付与することにより、2次転写工程において、パネル基板上にマイクロLEDを目標位置に正確に転写することができる効果がある。
【0015】
これによって、マイクロLEDがパネル基板上の目標位置でない所に過転写されるか、目標位置に転写されない不良が発生することを防止することができるという利点がある。
【0016】
また、1つのドナー基板を用いて、少なくとも2回以上の2次転写工程を行うることにより、転写工程の速度を向上させることができるという利点がある。
【0017】
また、パネル基板上に光の透過及び反射を遮断して水分の吸着を防止する第1光機能性層と、光の回折特性を最小化する第2光機能性層とを含み、多重層構造の光機能性層を導入することで、製品歩留まり及び生産性を向上させることができる。
【0018】
本明細書の効果は、以上で言及した効果に制限されず、言及していないさらに他の効果は、下記の記載から当業者にとって明確に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本明細書の一実施形態による表示装置の断面図である。
図2図1に図示のマイクロLEDのうち一部の構成を拡大して示した断面図である。
図3】本明細書の一実施形態によるマイクロLED表示装置の製造方法を説明するために示した図面である。
図4】本明細書の一実施形態によるマイクロLED表示装置の製造方法を説明するために示した図面である。
図5】本明細書の一実施形態によるマイクロLED表示装置の製造方法を説明するために示した図面である。
図6】本明細書の一実施形態によるマイクロLED表示装置の製造方法を説明するために示した図面である。
図7】本明細書の一実施形態によるマイクロLED表示装置の製造方法を説明するために示した図面である。
図8】本明細書の一実施形態によるマイクロLED表示装置の製造方法を説明するために示した図面である。
図9】本明細書の一実施形態によるマイクロLED表示装置の製造方法を説明するために示した図面である。
図10】本明細書の一実施形態によるマイクロLED表示装置の製造方法を説明するために示した図面である。
図11】本明細書の一実施形態によるマイクロLED表示装置の製造方法を説明するために示した図面である。
図12】本明細書の一実施形態によるマイクロLED表示装置の製造方法を説明するために示した図面である。
図13】本明細書の一実施形態によるマイクロLED表示装置の製造方法を説明するために示した図面である。
図14】本明細書の一実施形態によるマイクロLED表示装置の製造方法を説明するために示した図面である。
図15】本明細書の一実施形態によるマイクロLED表示装置の製造方法を説明するために示した図面である。
図16】本明細書の一実施形態によるマイクロLED表示装置の製造方法を説明するために示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本明細書の利点及び特徴、そしてそれらを達する方法は、添付の図面と共に詳細に後述する実施形態を参照すれば明確になる。しかし、本明細書は、以下で開示の実施形態に限定されるものではなく、相異する様々な形態に構成されるものである。但し、本実施形態は、本明細書の開示を完全にして、本明細書の属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範囲を完全に知らせるために提供されるものである。
【0021】
本明細書の実施形態を説明するために図面に開示の形状、大きさ、割合、角度、本数などは、例示的なものであり、本明細書は、図示の事項に限定されるものではない。全明細書における同じ参照符号は、同じ構成要素を称する。また、本明細書を説明するにあたり、関連する公知の技術に関する具体的な説明が、本明細書の要旨を曖昧にすると判断される場合には、それの詳説を省略する。本明細書上に言及されている「含む」、「有する」、「なる」等が使われる場合、「~のみ」が使われていない限り、他の部分を加えることができる。構成要素を単数で示した場合、特に明示的な記載事項がない限り、複数を含む場合を含む。
【0022】
構成要素を解釈するにあたり、明示的記載が別途ないとしても、誤差範囲を含み得ると解釈される。
【0023】
位置関係に関する説明の場合、例えば、「~上に」、「~上部に」、「~下部に」、「~側に」等と、両部分の位置関係を説明する場合、「直ちに」又は「直接」が使われていない限り、両部分の間に一以上の他部分が位置していてもよい。
【0024】
時間関係に関する説明の場合、例えば、「~後に」、「~に引き続き」、「~次に」、「~前に」等と、時間の先後関係を説明する場合、「直ちに」又は「直接」が使われていない限り、連続的でない場合も含むことができる。
【0025】
第1、第2などは、様々な構成要素を述べるために使われるものの、これら構成要素は、これらの用語によって制限されない。これらの用語は、単に一構成要素を他構成要素と区別するために使うものである。よって、以下で言及する第1構成要素は、本明細書の技術的思想内における第2構成要素であってもよい。
【0026】
本明細書の複数の実施形態の特徴は、それぞれ部分的に或いは全体的に相互結合又は組み合わせが可能であり、技術的に様々な連動及び駆動が可能であり、各実施形態が相互独立に実施することもでき、関連する関係で共に実施することもできる。
【0027】
以下では、本発明の各実施形態による表示装置について添付の図面を参照して説明する。
【0028】
図1は、本明細書の一実施形態による表示装置の断面図である。そして、図2は、図1に図示のマイクロLEDのうち一部の構成を拡大して示した断面図である。
【0029】
図1及び図2を参照すると、パネル基板(SUB)のベース基板200上に複数のマイクロLED131a,131b,131c,131d,132a,132b,132c,132dが配置されている。ベース基板200上には第1光機能性層210が配置され、第1光機能性層210上には、第1パターン部226と第2パターン部225aとを含む第2光機能性層220が配置されていてもよい。複数のマイクロLED131a,131b,131c,131d,132a,132b,132c,132dは、第2光機能性層220の第1パターン部226と対応する位置に配置されていてもよい。
【0030】
第1光機能性層210は、ベース基板200と、複数のマイクロLED131a,131b,131c,131d,132a,132b,132c,132dとの間に位置して、光の透過及び反射を遮断する役割を果たす。第1光機能性層210は、光を吸収する材料を含むことができる。一例では、第1光機能性層210は、カーボンブラック(carbon black)、黒色チタン酸化物(black titanium oxide)又は黒色酸化鉄(black iron oxide)を含むことができる。また、第1光機能性層210は、前記光を吸収する材料に多孔性ゼオライト(micro porous zeolite)を添加して構成することができる。多孔性ゼオライトは、複数の気孔を含んでいる。これによって、界面から浸透する水分を複数の気孔に吸着させることにより、表示装置の内部に水分が浸透することを防止または減少させることができる。
【0031】
第2光機能性層220は、第1パターン部226と第2パターン部225aとを含む。第1パターン部226は、第1厚みを有し、第2パターン部225aは、第1パターン部26よりも相対的に薄い第2厚みを有することができる。これによって、第2光機能性層220は、段差状を有することができる。第1パターン部226及び第2パターン部225aは、パネル基板(SUB)上に相互交互に配置された形状を有することができる。これにより、隣接する2つの第1パターン部226の間に第2パターン部225aを配置することができる。
【0032】
第2光機能性層220の第1パターン部226は、粘着性を有しており、この粘着性によって複数のマイクロLED131a,131b,131c,131d,132a,132b,132c,132dをパネル基板(SUB)のベース基板上に固定することができる。第2パターン部225aは、第1パターン部226よりも粘着性がなくて、複数のマイクロLED131a,131b,131c,131d,132a,132b,132c,132dが付着しない。これによって、マイクロLEDは、粘着性を有している第1パターン部226上にだけ転写されることによって、目標位置に正確に転写することができる。
【0033】
第2光機能性層220は、光によって粘着性が除去される接着合成物を含んで構成することができる。すなわち、第2の光機能層220は、光が照射されたときにもはや接着力を有さない接着性複合材料を含むことができる。ここで、接着合成物は、粘着剤(tackifier)、合成物、光酸発生剤(PAG;Photo Acid Generator)、およびクエンチャー(Quencher)を含むことができる。ここで、クエンチャーは、光酸発生剤から発生する酸を中性化する材料を含むことができ、一例では、塩基性物質を含むことができる。例えば、クエンチャーは、アミン(Amin)系とピリジン(Pyridine)系物質を含むことができる。クエンチャーをアミン系物質から形成する場合、トリ-N-オクチルアミン(Tri(n-octyl)amine)又はヒドロキシルアミン(Hydroxylamine)を含むことができる。クエンチャーをピリジン系物質から形成する場合は、2-ベンジルピリジン(2-Benzyl pyridine)、4,4’-ジフェニル2(4,4’-Diphenyl2)、2’ジピリジル(2’dipyridyl)、4-ジメチルアミノピリジン(4-methyl amino pyridine)、1,3-ジ(4-ピリジル)プロパン)(1,3-di(4-pyridyl)propane)などの物質を含むことができる。
【0034】
また、粘着剤は、発泡剤、酸化防止剤、デンドリマー(dendrimer)、感光性樹脂を含むことができる。ここで、感光性樹脂は、ノボラック樹脂(novolac resin)を含むことができる。合成物は、アルカリ現象性バインダ、シリコン(Si)系バインダ、光開始剤(photoinitiator)、ソルベントを含むことができる。光開始剤は、UV樹脂に少量添加されて、紫外線ランプから出るUVを受けると、重合反応を開始する物質である。ソルベントは、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(Propylene glycol monomethyl ether acetate、PCMEA)を含むことができる。
【0035】
以下では、図1の複数のマイクロLED131a,131b,131c,131d,132a,132b,132c,132dのうち、1つのマイクロLED132aが配置された領域を拡大して示した部分を、図2を参照して説明する。対応する部分をサブピクセル領域と呼ぶことができる。対応する部分が複数存在するため、サブピクセル領域も複数存在する。図2を参照すると、パネル基板(SUB)のベース基板200上にマイクロLED132aを駆動させる薄膜トランジスタ(TFT)が配置される。パネル基板SUBは複数の薄膜トランジスタTFTを含み、各薄膜トランジスタTFTは複数のサブ画素領域のうちサブ画素領域に対応して配置される。パネル基板(SUB)のベース基板200は、ガラス又はプラスチックを含む透明な物質を含むことができる。薄膜トランジスタ(TFT)は、基板200上に形成された半導体層(ACT)と、半導体層(ACT)上に位置したゲート電極(GE)と、半導体層(ACT)とゲート電極(GE)との間に位置するゲート絶縁層(GI)と、を含むことができる。ベース基板200と半導体層(ACT)との間にはバッファ膜をさらに含むことができる。
【0036】
半導体層(ACT)は、ゲート電極(GE)と重畳してチャンネルを構成するチャンネル領域(CA)と、チャンネル領域(CA)を介して両側に位置したソース領域(SA)と、ドレイン領域(DA)と、を含むことができる。ゲート電極(GE)上には層間絶縁膜201が配置される。層間絶縁膜201は、ゲート絶縁層(GI)を貫通して、半導体層(ACT)のドレイン領域(DA)と電気的に連結されるドレイン電極202を含むことができる。また、ソース領域(SA)と電気的に連結されるソース電極を含むことができる。
【0037】
層間絶縁膜201上には、連結電極203及び配線ライン204が配置されていてもよい。連結電極203及び配線ライン204は、同じ平面上に配置されていてもよい。一例では、配線ライン204は、共通電圧ラインを含むことができる。連結電極203及び配線ライン204を覆う保護層205は、層間絶縁膜201上に配置される。保護層205は、連結電極203及び配線ライン204の上部面を選択的に露出させることができる。
【0038】
保護層205上には光機能性層210,220が配置されていてもよい。光機能性層210,220は、保護層205を貫通して、連結電極203及び配線ライン204の上部面を選択的に露出させることができる。光機能性層210,220は、第1光機能性層210及び第2光機能性層220を含むことができる。第2光機能性層220は、第1パターン部226及び第2パターン部225aを含むことができる。ここで、第2パターン部225aを除いて第1パターン部226のみ粘着性を有することができる。
【0039】
第2光機能性層220の第1パターン部226と重畳して、マイクロLED132aが配置されていてもよい。第1パターン部226は、粘着性を有することによって、マイクロLED132aは、第1パターン部226に接着し得る。
【0040】
マイクロLED132aは、発光素子構造物12、第1電極125及び第2電極127を含むことができる。発光素子構造物120は、第1半導体層105と、第1半導体層105の一側上に配置された活性層110と、第2半導体層115と、を含むことができる。第1電極125は、活性層110が位置しない第1半導体層105上に配置され、第2電極127は、第2半導体層115上に配置される。一方、本明細書の実施形態では、説明の便宜のため、水平型(lateral type)マイクロLEDを例に挙げて説明したが、これに限定されるのではない。一例では、マイクロLEDは、垂直型(vertical type)又はフリップチップ型(flip chip type)であってもよい。
【0041】
第1半導体層105は、活性層110に電子を供給するための層であって、第1導電型不純物を含む窒化物半導体を含むことができる。例えば、第1導電型不純物は、N型不純物を含むことができる。第1半導体層105の一側上に配置された活性層110は、多重量子井戸(MQW;Multi Quantum Well)構造を含むことができる。第2半導体層115は、活性層110に正孔を注入するための層である。第2半導体層115は、第2導電型不純物を含む窒化物半導体を含むことができる。例えば、第2導電型不純物は、P型不純物を含むことができる。
【0042】
マイクロLED132aは、第1平坦化層250で覆われていてもよい。第1平坦化膜250は、回路素子によって段差を有する上部表面を偏平にするのに十分な厚みを有することができる。第1平坦化層250は、第1コンタクトホール252及び第2コンタクトホール254を含むことができる。第1コンタクトホール252及び第2コンタクトホール254は、第1光機能性層210、第2光機能性層220の第2パターン部225a及び保護層205を貫通して、配線ライン204及び連結電極203表面の一部を露出させることができる。また、第1平坦化層250は、マイクロLED132aの第1電極125及び第2電極127上部面の一部を露出させるように第3コンタクトホール253a及び第4コンタクトホール(253b)を含み得る。
【0043】
第1コンタクトホール252及び第2コンタクトホール254の露出面には、それぞれ第1配線電極255及び第2配線電極260が位置し、配線ライン204又は薄膜トランジスタ(TFT)の半導体層(ACT)のドレイン領域(DA)とそれぞれ電気的に接続することができる。また、第1配線電極255及び第2配線電極260は、それぞれ第1電極125及び第2電極127の露出面に配置される。これにより、第1配線電極255は、第1電極125と電気的に連結することができる。第2配線電極260は、第2電極127と電気的に連結することができる。第1配線電極255及び第2配線電極260は、同じ物質から構成することができる。一例では、第1配線電極255又は第2配線電極260は、インジウム-スズ-酸化物(ITO:Indium-Tin-Oxide)又はインジウム-亜鉛-酸化物(IZO:Indium-Zinc-Oxide)といった透明な金属酸化物を含むことができる。
【0044】
第1平坦化層250上にバンクホールが備えられたバンク265が配置される。バンク265は、発光領域を定義する境界領域であって、各々のサブ画素を区分する役割を果たす。一例では、第1配線電極255及び第2配線電極260がそれぞれ形成された第1コンタクトホール252及び第2コンタクトホール254は、バンク265を構成する物質で満たすことができる。また、図面には示していないものの、バンク265上にはブラックマトリックスが配置されていてもよい。そして、バンク265を含む基板200上に密封材270が配置されていてもよい。
【0045】
本明細書の実施形態では、パネル基板上に相異する機能を有する光機能性層を形成し、領域別に相異する粘着性を有する第1パターン部及び第2パターン部を形成することにより、2次転写工程において、パネル基板上にマイクロLEDを、粘着性を有する第1パターン部位置に正確に転写することができる。これによって、マイクロLEDがパネル基板上に目標位置でない所に過転写されるか、目標位置に転写されない不良が発生することを防止または削減することができる。
【0046】
図3図16は、本明細書の一実施形態によるマイクロLEDの表示装置の製造方法を説明するために示した図面である。
【0047】
図3を参照すると、成長基板100の上面に複数のマイクロLED130を形成する。成長基板100は、サファイア基板、シリコン(Si)、シリコンカーバイド(SiC)又はガリウム砒素(GaAs)等の物質を含んで形成することができるものの、これに限定されるものではない。成長基板100上に形成されたマイクロLED130は、発光素子構造物120と、第1電極125と、第2電極127と、を含むことができる。発光素子構造物120は、第1半導体層105と、第1半導体層105の一側上に配置された活性層110と、第2半導体層115と、を含むことができる。第1電極125は、活性層110が位置しない第1半導体層105上に配置され、第2電極127は、第2半導体層115上に配置される。
【0048】
図4を参照すると、複数のマイクロLED130をドナー基板140上に移す1次転写工程を行う。
【0049】
このために先ず、複数のマイクロLED130が配置された成長基板100をドナー基板140の上部に位置させる。複数のマイクロLED130は、成長基板100の上面に配置されている。成長基板100は、複数のマイクロLED130がドナー基板140の上面と対向する方向に位置するように整列することができる。引き続き、成長基板100の背面における上面方向にレーザを照射して、複数のマイクロLED130を成長基板100から分離して、ドナー基板140上に転写する。
【0050】
ドナー基板140上に転写された複数のマイクロLED130は、1次転写用マイクロLED131a,131b,131c,131dと、2次転写用マイクロLED132a,132b,132c,132dとを含むことができる。1次転写用マイクロLED131a,131b,131c,131d及び2次転写用マイクロLED132a,132b,132c,132dは、1つのドナー基板140上に相互離隔して配置されていてもよい。
【0051】
図5を参照すると、パネル基板(SUB)を準備する。パネル基板(SUB)上には、その後に配置される複数のマイクロLEDを駆動させるため回路素子が配置されていてもよい。一例では、回路素子は、薄膜トランジスタ(TFT)と、連結電極203と、配線ライン204等と、を含むことができる。回路素子は、複数のマイクロLEDとそれぞれ連結されるように複数本が配置されていてもよい。
【0052】
複数本の回路素子のうち1つの回路素子である「A」部分を拡大して示した部分を参照すると、パネル基板(SUB)のベース基板200は、ガラス又はプラスチックを含む透明な物質を含むことができる。薄膜トランジスタ(TFT)は、ベース基板200上に形成された半導体層(ACT)と、半導体層(ACT)上に位置したゲート電極(GE)と、半導体層(ACT)とゲート電極(GE)との間に位置するゲート絶縁層(GI)と、を含むことができる。基板200と半導体層(ACT)との間にはバッファ膜をさらに含むことができる。
【0053】
半導体層(ACT)は、チャンネル領域(CA)と、チャンネル領域(CA)の両側に位置したソース領域(SA)と、ドレイン領域(DA)と、を含むことができる。ゲート電極(GE)上には層間絶縁膜201が配置される。層間絶縁膜201は、ドレイン電極202を含むことができる。また、層間絶縁膜201は、ソース領域(SA)と電気的に連結されるソース電極を含むことができる。層間絶縁膜201上には連結電極203及び配線ライン204が配置されていてもよい。連結電極203及び配線ライン204は、同じ平面上に配置されていてもよい。一例では、配線ライン204は、共通電圧ラインを含むことができる。
【0054】
図6を参照すると、パネル基板(SUB)上に光機能性層210,220を形成する。光機能性層210,220は、第1光機能性層210及び第2光機能性層220が順次積層した多重層構造を含むことができる。
【0055】
第1光機能性層210は、光の透過及び反射を遮断する役割を果たす。第1光機能性層210は、光を吸収し得る材料を含んで形成することができる。一例では、第1光機能性層210は、カーボンブラック(carbon black)、黒色チタン酸化物(black titanium oxide)又は黒色酸化鉄(black iron oxide)を含む第1材料から構成することができる。また、第1光機能性層210は、第1材料に多孔性ゼオライト(micro porous zeolite)を添加して形成することができる。多孔性ゼオライトは、界面から浸透する水分を吸着して、表示装置の内部に水分が浸透することを防止するまたは削減ことができる。
【0056】
第1光機能性層210上に形成された第2光機能性層220は、光によって粘着性が変化する接着合成物を含んで形成することができる。一例では、第2機能性層220は、粘着剤(tackifier)、合成物、光酸発生剤(PAG;Photo Acid Generator)、およびクエンチャー(Quencher)を含む接着合成物を含むことができる。粘着剤は、発泡剤、酸化防止剤、デンドリマー(dendrimer)、感光性樹脂を含むことができる。ここで、感光性樹脂は、化学増幅型レジストであるノボラック樹脂(novolac resin)を含むことができる。合成物は、アルカリ現象性バインダ、シリコン(Si)系バインダ、光開始剤(photoinitiator)、ソルベントを含むことができる。光開始剤は、露光工程の際、紫外線(UV)ランプから出るUV光を受けると、重合反応を開始する物質である。ソルベントは、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(Propylene glycol monomethyl ether acetate,PGMEA)を含むことができる。
【0057】
図7を参照すると、光機能性層210,220上に露光工程のため露光マスク(M)を配置する。露光マスク(M)は、UV光を選択的に照射する開口部222と、UV光を遮断する遮光部224とを含むことができる。そして、露光マスク(M)の開口部222を介して光機能性層210,220にUV光が照射し得る。ここで、第1光機能性層210は、光の透過及び反射を遮断する材料を含んで構成されることによって、第1光機能性層210の下部に位置した薄膜トランジスタ(TFT)のような回路素子が光によって影響されることを防止または削減することができる。これによって、露光工程による光源は、第2光機能性層220上に照射し得る。
【0058】
図8を参照すると、図7の露光マスク(M)の遮光部224と対応する第2光機能性層220の第1パターン部226は、UV光に露出しないことから、粘着力が維持し得る。これに対して、露光マスク(M)の開口部222を介してUV光が照射した第2光機能性層220の予備第2パターン部225は、UV光が照射しながら粘着力が除去される。ここで、第2光機能性220を構成する材料に含まれた光酸発生剤(PAG)は、光の回折特性を最小化して、光の乱反射を防止または削減することができる。言い換えれば、光の回折特性を最小化して、第1パターン部226まで光が到逹することを防止または削減することで、粘着力が除去される範囲を予備第1パターン部225に限定することができる。
【0059】
図9を参照すると、露光工程が行われた第2光機能性層220に対して現象工程を行って、第1パターン部226及び第2パターン部225aを形成する。
【0060】
露光工程を通じてUV光が照射されると、第2光機能性層220内に含まれた光酸発生剤(PAG)から酸(+H)が発生して、露光した部分である第2光機能性層220の予備第2パターン部225と、露光していない部分である第1パターン部226の現像液に対する溶解も相違するようにする。すなわち、露光した部分である予備第2パターン部225は、現像液による溶解が充分に行われる。また、第1パターン部226は、現像液による溶解が行われない。
【0061】
現象工程によって、予備第2パターン部225が溶解されることによって、隣接した第1パターン部226の間に第2パターン部225aが配置されていてもよい。ここで、第1パターン部226は、現像液による溶解が行われないことから、第1厚みを有することができる。これに対して、第2パターン部225aは、第1パターン部226から所定の厚み(d)だけ低くなることにより、第1パターン部226よりも相対的に薄い第2厚みを有することになる。これによって、第1パターン部226は、突出した形状を有する。
【0062】
一方、第2光機能性層220内にクエンチャー(Quencher)が含有されているか否かによって、第2光機能性層220の第2パターン部225aの線幅が影響を受けることができる。以下では、図10及び図11を参照して説明することとする。図10は、第2光機能性層220内にクエンチャーが含まれていない場合であり、図11は、第2光機能性層220内にクエンチャーが含まれている場合を示す。
【0063】
図10を参照すると、第2光機能性層220の露光領域(EX1)に光が印加されると、第2光機能性層220内に含まれた光酸発生剤(PAG)から酸(+H)が発生する(a)。光酸発生剤(PAG)から発生した酸(+H)は、第2光機能性層220の露光領域(EX1)における触媒反応を起こして、露光した部分と露光していない部分の現像液に対する溶解も相違するようにする。すなわち、酸(+H)の濃度が高い部分であればあるほど、現像液による溶解が充分に行われる。露光領域(EX1)は、第2光機能性層220の第2パターン部225aと称することもできる。
【0064】
ここで、第2光機能性層220の光が供給されない第1パターン部226では、酸(+H)が発生しない。しかし、露光領域(EX1)で発生した酸(+H)は、第2機能性層220の第1パターン部226に拡散することになる(b)。上述したように、酸(+H)は、現像液による溶解が行われるようにすることによって、ターゲット線幅よりも酸(+H)が拡散した領域(△C)だけ増加した線幅(CD1)に形成されていてもよい。ターゲット線幅よりも増加した線幅(CD1)に形成されると、粘着力が維持される部分の面積が狭くなりながら、その後、マイクロLEDを転写する際に誤整列が発生する可能性が高まり得る。
【0065】
これによって、本明細書の実施形態では、露光領域(EX1)を除く他の領域に酸(+H)が拡散することを防止する方法を含むことができる。
【0066】
具体的に、図11に示したように、本明細書の実施形態では、第2光機能性層220内にクエンチャー(Q)が含まれている。クエンチャー(Q)は、光酸発生剤(PAG)から発生する酸を中性化する材料を含むことができ、一例では、塩基性物質を含むことができる。
【0067】
クエンチャー(Q)が含まれた第2光機能性層220の露光領域(EX2)に光が印加されると、露光領域(EX2)の第2光機能性層220内に含まれた光酸発生剤(PAG)から酸(+H)が発生する(a)。露光領域(EX2)は、第2光機能性層220の第2パターン部225aと称することもできる。
【0068】
第2光機能性層220の光が供給されない第1パターン部226では、酸(+H)が発生しない。また、クエンチャー(Q)は、露光領域(EX2)と第2パターン部226の界面で酸(+H)を中性化させる。これによって、現象工程を行った後の線幅(CD2)は、露光領域(EX2)の幅と同一の幅を有するように形成することができる。
【0069】
図12を参照すると、複数のマイクロLEDが配置されたドナー基板140をパネル基板(SUB)上に位置させる。ここで、複数のマイクロLEDは、1次転写用マイクロLED131a,131b,131c,131dと、2次転写用マイクロLED132a,132b,132c,132dとを含むことができる。
【0070】
引き続き、ドナー基板140を図12における矢印で示したように、スタンピング方式によってパネル基板(SUB)上に合着及び脱着する。すると、複数のマイクロLEDのうち、1次転写用マイクロLED131a,131b,131c,131dがパネル基板(SUB)上に転写される。1次転写用マイクロLED131a,131b,131c,131dは、粘着性を有する第2光機能層の第1パターン部226上に配置されていてもよい。ここで、1次転写用マイクロLED131a,131b,131c,131dと隣接して配置された2次転写用マイクロLED132a,132b,132c,132dは、合着の際、粘着性が除去された第2パターン部225aと対応することによって、転写は行われない。
【0071】
これによって、マイクロLEDがパネル基板(SUB)上の目標位置でない所に過転写されるか、目標位置に転写されない不良が発生することを防止または減少することができる。
【0072】
図13を参照すると、2次転写用マイクロLED132a,132b,132c,132dが残っているドナー基板140を図13における矢印で示したように、スタンピング方式によってパネル基板(SUB)上に合着及び脱着する。すると、2次転写用マイクロLED132a,132b,132c,132dがパネル基板(SUB)上に転写される。2次転写用マイクロLED132a,132b,132c,132dは、粘着性を有する第2光機能層220の第1パターン部226上に配置されていてもよい。
【0073】
これによって、パネル基板(SUB)上には、1次転写用マイクロLED131a,131b,131c,131d及び2次転写用マイクロLED132a,132b,132c,132dが第1パターン部226と重畳して配置されていてもよい。ここで、1つのドナー基板1400を用いて、少なくとも2回以上繰り返して転写工程を行えるため、転写工程の速度を向上させることができる。また、パネル基板(SUB)上にスタンピング方式によって1次転写用マイクロLED131a,131b,131c,131d及び2次転写用マイクロLED132a,132b,132c,132dを転写する過程は、常温で行うことができる。これによって、熱と圧力を印加して転写する方法よりも、マイクロLEDの素子特性が熱及び圧力によって不良が発生することを防止または減少することができる。
【0074】
そして、ドナー基板140を除去すると、図14に示したように、第2光機能性層220の第1パターン部226が配置された位置と対応して、複数のマイクロLED131a,131b,131c,131d,132a,132b,132c,132dが配置されていてもよい。図14の複数のマイクロLEDのうち、一部の構成(B)を拡大して示した図15を参照すると、マイクロLED132aは、発光素子構造物120と、第1電極125と、第2電極127と、を含むことができる。第1電極125は、活性層110が位置しない第1半導体層105上に配置され、第2電極127は、第2半導体層115上に配置される。
【0075】
図16を参照すると、マイクロLED132a上に第1平坦化層250を形成する。第1平坦化膜250は、回路素子によって段差を有する上部表面を偏平にするのに十分な厚みを有することができる。引き続き、第1平坦化層250内に第1コンタクトホール252及び第2コンタクトホール254を形成する。第1コンタクトホール252及び第2コンタクトホール254は、光機能性層及び保護層205を貫通して、配線ライン204及び連結電極203表面の一部を露出させることができる。また、第1平坦化層250は、マイクロLED132aの第1電極125及び第2電極127上部面の一部を露出させる第3コンタクトホール253aと第4コンタクトホール253b )を含むことができる。
【0076】
次に、第1コンタクトホール252及び第2コンタクトホール254の露出面にそれぞれ第1配線電極255及び第2配線電極260を形成して、配線ライン204又は薄膜トランジスタ(TFT)の半導体層(ACT)のドレイン領域(DA)とそれぞれ電気的に接続させる。また、第1配線電極255および第2配線電極260は、それぞれ第1電極125および第2電極127の露出面に配置することができる。これにより、第1配線電極255は、第1電極125と電気的に連結することができる。第2配線電極260は、第2電極127と電気的に連結することができる。第1配線電極255及び第2配線電極260は、同じ物質から構成することができる。一例では、第1配線電極255又は第2配線電極260は、インジウム-スズ-酸化物(ITO)又はインジウム-亜鉛-酸化物(IZO)といった透明な金属酸化物を含むことができる。
【0077】
次に、第1平坦化層250上にバンク孔が備えられたバンク265を形成する。バンク265は、隣接したサブ画素をそれぞれ区分して発光領域を定義する。一例では、第1配線電極255及び第2配線電極260がそれぞれ形成された第1コンタクトホール252及び第2コンタクトホール254は、バンク265を構成する物質で満たすことができる。バンク265を含むパネル基板(SUB)上に密封材270を形成して、外部の衝撃又は異物からマイクロLED132aを保護する。
【0078】
本明細書の実施形態によれば、パネル基板上に光機能性層を形成して、局所的な露光工程を通じて領域別に相異する接着性を付与することにより、2次転写工程において、パネル基板上にマイクロLEDを目標する位置に正確に転写することができる効果がある。これによって、マイクロLEDがパネル基板上の目標位置でない所に過転写されるか、目標位置に転写されない不良が発生することを防止または減少することができる利点がある。
【符号の説明】
【0079】
100 成長基板
105 第1半導体層
110 活性層
115 第2半導体層
120 窒化物半導体構造物
125 第1電極
127 第2電極
130 マイクロLED
140 ドナー基板
SUB パネル基板
200 ベース基板
TFT 薄膜トランジスタ
201 層間絶縁膜
203 連結電極
204 配線ライン
210 第1光機能性層
220 第2光機能性層
226 第1パターン部
225 第2パターン部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16