(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059136
(43)【公開日】2024-05-01
(54)【発明の名称】窓ガラス保護具
(51)【国際特許分類】
E06B 9/00 20060101AFI20240423BHJP
E06B 3/28 20060101ALI20240423BHJP
E06B 7/28 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
E06B9/00 Z
E06B3/28
E06B7/28 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022166608
(22)【出願日】2022-10-18
(71)【出願人】
【識別番号】000200666
【氏名又は名称】泉株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100156199
【弁理士】
【氏名又は名称】神崎 真
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】関 和治
(72)【発明者】
【氏名】武井 徳知
【テーマコード(参考)】
2E014
【Fターム(参考)】
2E014AA03
2E014BB08
(57)【要約】
【課題】 飛来物による窓ガラスの損傷をより確実に防止する
【解決手段】 窓ガラス1の室外側に配置されるカバーと、窓ガラスの室外側と室内側とを囲繞するように設けられて、上記カバーを窓ガラスの室外側に保持するバンド12とを備え、上記バンドを上記窓ガラス1と窓枠3との間に挟持させて固定する窓ガラス保護具2に関する。
上記カバーは、上記窓ガラス1に対して室外側に離隔するように設けられた正面板13と、当該正面板13より室内側に向けて設けられた側板とから構成された複数の箱状カバー11A、11Bによって構成され、上記側板のうち、隣接する箱状カバー11の内側に位置する内側板16の先端部同士を連結部18によって連結することで、箱状カバー11A、11Bを窓ガラス1A、1Bの開閉に伴ってく字形に屈曲可能とした。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
窓ガラスの室外側に配置されるカバーと、窓ガラスの室外側と室内側とを囲繞するように設けられて、上記カバーを窓ガラスの室外側に保持するバンドとを備え、上記バンドを上記窓ガラスと窓枠との間に挟持させて固定するようにした窓ガラス保護具において、
上記カバーは、上記窓ガラスに対して室外側に離隔するように設けられた正面板と、当該正面板より室内側に向けて設けられた側板とから構成された、複数の箱状カバーによって構成され、
上記側板のうち、隣接する箱状カバーの内側に位置する内側板の先端部同士を連結部によって連結したことを特徴とする窓ガラス保護具。
【請求項2】
上記箱状カバーの正面板と、外側に位置する外側板とに、それぞれ上記バンドを挿通させる挿通口を設け、
上記バンドを上記正面板の挿通口より上記箱状カバーの内部に挿入するとともに、上記箱状カバーの内部に挿入された上記バンドを上記外側板の挿通口から外部に取り出すようにしたことを特徴とする請求項1に記載の窓ガラス保護具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は窓ガラス保護具に関し、詳しくは窓ガラスの室外側に配置されるカバーと、窓ガラスの室外側と室内側とを囲繞するように設けられて、上記カバーを窓ガラスの室外側に保持するバンドとを備えた窓ガラス保護具において、
【背景技術】
【0002】
今日、建物等に設けられた窓ガラスを雨風や飛来物等から保護するため、当該窓ガラスの外部を覆う木製や金属製の雨戸が知られているが、このような雨戸はマンションやアパートなどの集合住宅や、一戸建て住宅の2階以上には設けられていない場合がある。
そこで、台風や竜巻などの恐れがある場合には、窓ガラスの室外側に配置されるカバーと、窓ガラスの室外側と室内側とを囲繞するように設けられて、上記カバーを窓ガラスの室外側に保持するバンドとを備えた窓ガラス保護具が知られている(特許文献1)。
上記特許文献1の窓ガラス保護具は、上記バンドを上記窓ガラスと窓枠との間で挟持することにより、窓ガラスに固定するようになっており、上記カバーによって飛来物の衝突による窓ガラスの損傷を防止するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1における上記カバーは平板状であるため、窓ガラスとカバーとの間に空間がなく、飛来物がカバーに衝突した場合には、その衝撃や貫通した飛来物によって窓ガラスが損傷してしまう恐れがあった。
このような問題に鑑み、本発明は飛来物による窓ガラスの損傷をより確実に防止することが可能な窓ガラス保護具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち請求項1の発明にかかる窓ガラス保護具は、窓ガラスの室外側に配置されるカバーと、窓ガラスの室外側と室内側とを囲繞するように設けられて、上記カバーを窓ガラスの室外側に保持するバンドとを備え、上記バンドを上記窓ガラスと窓枠との間に挟持させて固定するようにした窓ガラス保護具において、
上記カバーは、上記窓ガラスに対して室外側に離隔するように設けられた正面板と、当該正面板より室内側に向けて設けられた側板とから構成された、複数の箱状カバーによって構成され、
上記側板のうち、隣接する箱状カバーの内側に位置する内側板の先端部同士を連結部によって連結したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
上記発明によれば、上記カバーが箱状カバーによって構成されているため、正面板と窓ガラスとの間に空間を形成することができ、飛来物が箱状カバーの正面板に衝突しても、その衝撃や貫通した飛来物による損傷を防止することが可能となる。
また、複数の箱状カバーの内側板の先端部を連結部によって連結したことで、箱状カバーをく字形に屈曲させることが可能となり、これにより窓ガラス保護具を窓ガラスに装着する際に、窓ガラスの開閉に伴って箱状カバーを屈曲させることが可能となり、装着が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図3】窓ガラスに装着した状態の窓ガラス保護具の平面図
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下図示実施形態について説明すると、
図1、
図2は窓ガラス1を保護する窓ガラス保護具2を示しており、
図3に示すように使用状態では窓ガラスに装着され、台風や竜巻などが発生した際に、飛来物によって窓ガラス1が破損してしまうのを防止するものとなっている。
図3に示すように、本実施形態の窓ガラス1は2枚組となっており、建物に装着された略長方形の窓枠3(サッシ)にそって移動可能に設けられている。ここでは閉鎖状態における図示右側の窓ガラス1を右窓ガラス1A、左側の窓を左窓ガラス1Bと呼ぶこととする。
また以下の説明において、
図3の図示上方が室外側、図示下方が室内側となり、また図示左右方向において、窓枠3の両端を外側と呼び、内方を内側と呼ぶこととする。
上記窓ガラス1は略長方形の金属製の枠部材によって保持されており、以下の説明において、窓ガラス1と示した場合には、特に言及しない場合を除き、当該枠部材を含むものとする。
上記窓ガラス1は上記窓枠3に沿って左右に移動可能に設けられており、右窓ガラス1Aは左窓ガラス1Bよりも室内側に設けられており、窓ガラス1を閉鎖状態とすると、右窓ガラス1Aおよび左窓ガラス1Bの内側端部同士が重合するようになっている。
また2枚の窓ガラス1よりもさらに室外側には、上記窓枠3に沿って移動可能に設けられた網戸4が設けられている。
【0009】
上記窓ガラス保護具2は、窓ガラス1の室外側に配置される2つの箱状カバー11と、これら箱状カバー11を窓ガラス1の室外側に保持する2本のバンド12とを備えている。
図3に示すように、窓ガラス保護具2は、上記箱状カバー11を窓ガラス1の室外側に位置させ、その状態で上記バンド12を窓ガラス1の室内側に巻回し、バンド12の先端部同士を連結することで、固定されるようになっている。
上記箱状カバー11はいわゆるプラスチック製段ボールによって構成されている。上記プラスチック製段ボールとは、表面および裏面に設けられた平坦な樹脂製のライナーと、これらライナーとライナーとの間に設けられた樹脂製で波状のメディアムとを接着剤等によって固定したものとなっている。
上記箱状カバー11は、窓ガラス1の枚数と同じ2つ備えており、ここでは図示右側の箱状カバー11を右箱状カバー11A、左側の箱状カバー11を左箱状カバー11Bと呼ぶこととする。
各箱状カバー11は、上記窓ガラス1に対して室外側に離隔するように設けられた正面板13と、当該正面板13より室内側に向けて設けられた側板とから構成されており、窓ガラス保護具2を窓ガラス1に装着すると、窓ガラス1と正面板13との間に空間が形成されるようになっている。
また上記側板は、上下に位置する上面板14および下面板15と、隣接する左箱状カバー11Bと右箱状カバー11Aの内側に位置する内側板16と、外側に設けられた外側板17とから構成されている。
このうち上記左箱状カバー11Bの内側板16と右箱状カバー11Aの内側板16とは、その先端部が連結部18によって連結されており、これにより
図5に示すように、左箱状カバー11Bと右箱状カバー11Aとをく字形に屈曲させることが可能となっている。
ここで、従来公知の窓ガラス1は、右窓ガラス1Aと左窓ガラス1Bの幅が異なっていることから、これに伴って右箱状カバー11Aと左箱状カバー11Bの幅を異ならせたものとなっている。
したがって、
図3に示すように窓ガラス1を閉鎖状態とすると、右窓ガラス1Aおよび左窓ガラス1Bの内側部分が重合した位置に、右箱状カバー11Aおよび左箱状カバー11Bの内側板16が位置するようになっている。
【0010】
上記バンド12は
図1に示すように箱状カバー11の上部と下部に平行となるように設けられ、上記箱状カバー11に穿設された複数の挿通口19を通過するように設けられている。
また上記バンド12の両端部は、窓ガラス1を囲繞して室内側に位置するようになっており、両端部は長さ調整機能を有したバックル20によって連結され、その後ゆるみが無いように引き絞られるようになっている。
上記挿通口19は左箱状カバー11Bおよび右箱状カバー11Aの略対称となる位置に設けられており、上記箱状カバー11の正面板13における内側板16に隣接した位置と、上記外側板17における室内側、すなわち窓ガラス1に隣接した位置とに設けられている。
そして、上記バンド12は、上記正面板13の挿通口19より上記箱状カバー11の内部に挿入されると、箱状カバー11の内部を通過したのち、上記外側板17の挿通口19から外部に取り出されるようになっている。
そして外側板17から箱状カバー11の外側に取り出されたバンド12は、それぞれ窓枠3と右窓ガラス1Aとの間、および窓枠3と左窓ガラス1Bとの間を通って、窓ガラス1の室内側に取り廻され、上記バックル20によって窓ガラス1の室内側で連結されるようになっている。
また上記バンド12の両端部をバックル20の長さ調節機能によって調節することによって、後述するように2つの箱状カバー11を窓ガラス1に密着させることができ、窓ガラス保護具2を窓ガラス1に固定することが可能となっている。
【0011】
図4は上記左箱状カバー11Bおよび右箱状カバー11Aの展開図を示している。上述したように、左窓ガラス1Bと右窓ガラス1Aは寸法が異なるため、左箱状カバー11Bおよび右箱状カバー11Aは異なる形状を有している。
上記展開状態において、上記正面板13に対し、上記側板はそれぞれ予め形成された折れ曲げ部21の位置で折り曲げることが可能となっている。また上記上面板14および下面板15には、それぞれ両側に上記外側板17および内側板16と連結するための連結板22が、折れ曲げ部21を介して連続して設けられている。
また上記正面板13の中央には、上面板14および下面板15にかけて図示2点鎖線で示す折れ曲げ部21が設けられており、不使用時には当該折れ曲げ部21で折り曲げることで、コンパクトに収容することが可能となっている。
上記外側板17および内側板16の上部および下部には、それぞれ留め具23が設けられており、上記連結板22における対応した位置には、上記外側板17および内側板16の留め具23に連結される留め具23が設けられている。上記留め具23には従来公知の構成を用いることができ、例えばオス部とメス部とを嵌合させて連結する構成のものを使用することができる。
このような構成により、上記折れ曲げ部21で折り曲げた外側板17および内側板16に対して、上記上面板14または下面板15に設けられた上記連結板22とを重合させることで、これらを上記留め具23によって連結し、箱状カバー11を箱状に組み立てることが可能となっている。
【0012】
上記左箱状カバー11Bと右箱状カバー11Aとを連結する連結部18は、左箱状カバー11Bの内側板16の先端に設けられている。当該連結部18は、上記左箱状カバー11Bの内側板16の先端部に折れ曲げ部21を介して折れ曲げ可能に設けられている。
また上記連結部18には複数の留め具23が設けられており、これに対し上記右箱状カバー11Aの内側板16の先端には、上記連結部18の板厚に合わせて凹部が形成され、上記連結部18の留め具23の位置に合わせて複数の留め具23が設けられている。
このような構成により、予め上記左箱状カバー11Bと右箱状カバー11Aとを組み立てた状態で、上記左箱状カバー11Bの連結部18を右箱状カバー11Aの内側板16に重合させ、上記留め具23によって連結することにより、上記左箱状カバー11Bと右箱状カバー11Aとを連結することができる。
なお
図4において、上記箱状カバー11の正面板13や外側板17には、作業時に保持したり、窓ガラス保護具2を窓ガラス1に装着した状態で空気を流通させるためのスリットが複数設けられている。
上記スリットの配置は任意であるが、本実施形態では外側板17や正面板13の外側にスリットを設けることで、以下に説明する窓ガラス保護具2を窓ガラス1に装着する際の操作を容易にすることができる。
【0013】
以下、上記構成を有る窓ガラス保護具2の装着方法について、
図5を用いて説明する。ここでは、窓ガラス1が2階等に設けられ、なおかつテラスやベランダなど、作業者が室外で作業をすることができない場合に、当該窓ガラス保護具2を一人で装着する場合の手順を説明する。
なお、テラスやベランダなど室外に作業スペースがある場合や、複数の作業者がいる場合には、以下に説明する作業を適宜簡略化することができる。
最初に、室内で窓ガラス保護具2の組み立てを行う。上述したように、
図5に示す展開された状態の左箱状カバー11Bおよび右箱状カバー11Aを、それぞれ箱状に組み立てる。
続いて、組み立てた左箱状カバー11Bおよび右箱状カバー11Aを上記連結部18によって連結し、さらに上記箱状カバー11に設けた挿通口19にバンド12を通しておく。なお、組立時にはバンド12の両端部は連結しない。
【0014】
このように窓ガラス保護具2を組み立てたら、
図5(a)に示すように、左窓ガラス1B、右窓ガラス1A、網戸4を窓枠3の右側に寄せておく。ただし、窓ガラス1の右側には、窓枠3との間にバンド12を通すための隙間(以下、開口部と呼ぶ)を設けておく。
この状態で、左箱状カバー11Bと右箱状カバー11Aとをく字形に屈曲させた状態で、右箱状カバー11Aの一部を窓枠3から室外側に突出させる。
この状態で、右箱状カバー11Aの外側板17の挿通口19より取り出されているバンド12の端部を、窓ガラス保護具2と同梱されたプラスチック段ボール製のバンド通し器具24を用いて、室外側から室内側に取り込む。
上記バンド通し器具24は、略コ字形を有しており、室外側には上記右窓ガラス1Aの幅と同じ長さの保持部24aが設けられ、当該保持部24aの先端には上記バンド12を一時的に保持するためのスリット24bが設けられている。
作業者は、室内で上記保持部24aのスリット24bにバンド12の先端部を装着し、その状態で上記保持部24aを窓ガラス1の左側の開口部から室外側に位置させ、さらに上記保持部24aのスリットを窓ガラス1の右側の開口部まで到達させる。
これにより、作業者は室内に居ながら、室内側から当該バンド12の端部を受取ることができる。なお、上記バンド通し器具24を用いずとも、棒などを用いてバンド12の端部の受け渡しは可能である。またバンド12の先端を振り回して受渡すことも考えられる。
作業者は窓ガラス1の右側の開口部よりバンド12の端部を室内に引き込むと、左箱状カバー11Bの外側板17の挿通口19より取り出されたバンド12の端部に設けられたバックル20に連結する。
上記作業は箱状カバー11の上下に設けられている2本のバンド12について行い、またバックル20で連結したバンド12の長さは調整せず、たるんだ状態としておく。
【0015】
次に、
図5(b)に示すように、作業者は上記右箱状カバー11Aの全体を室外に取出して、当該右箱状カバー11Aを網戸4に仮固定する。
このとき、作業者は
図5(a)の状態から、右箱状カバー11Aより取り出されている上記バンド12を引っ張り、その際右箱状カバー11Aに設けたスリット等を保持することにより、室内に居ながら、右箱状カバー11Aを網戸4の室外側に位置させることができる。
また作業者は、ガムテープなどを用いて、右箱状カバー11Aの外側板17を網戸4の右側の端部に仮止めする。なお、網戸4がない場合には、右箱状カバー11Aの外側板17を右窓ガラス1Aの右側の端部に仮固定すればよい。
そして
図5(b)の状態では、上記左箱状カバー11Bは上記連結部18によって上記右箱状カバー11Aに対してく字形に屈曲した状態を維持しており、左箱状カバー11Bは室内側に位置していることから、窓ガラス保護具2の落下が防止された状態となっている。
【0016】
次に、
図5(c)に示すように、上記右窓ガラス1A、左窓ガラス1B、網戸4をそれぞれ窓枠3の右側に移動させ、窓枠3の右側の開口部を閉鎖する。
これにより、右窓ガラス1Aの外側板17より取り出されたバンド12が、右窓ガラス1A(網戸4)と窓枠3との間に挟まれ、右窓ガラス1Aに対する右箱状カバー11Aの外側板17の位置決めが完了する。
【0017】
次に、
図5(d)は、上記左箱状カバー11Bを室外側に位置させ、当該左箱状カバー11Bの外側板17を左窓ガラス1Bの左側端部に位置決めした状態を示している。
作業者は、
図5(c)の状態から、左箱状カバー11Bを保持して室内から室外に移動させる。このとき、左箱状カバー11Bは右箱状カバー11Aに対してく字形に屈曲した状態を維持している。
左箱状カバー11Bを室外に位置させると、作業者は当該左箱状カバー11Bの外側板17の先端部を、左窓ガラス1Bの左側端部にガムテープなどで仮止めする。このとき、左箱状カバー11Bの挿通口19に上記バンド12を固定しないようにする。
【0018】
次に、
図5(e)は、上記左窓ガラス1Bを閉鎖するとともに、窓ガラス保護具2が窓ガラス1に装着された状態を示している。
図5(d)に示すように、左箱状カバー11Bの外側板17を左窓ガラス1Bに仮止めしたら、作業者は左窓ガラス1Bを室内から操作して図示左側に移動させる。
すると、それまでく字形に屈曲していた左箱状カバー11Bと右箱状カバー11Aとが、上記連結部18を中心に回動し、左窓ガラス1Bと右窓ガラス1Aに沿って開くようになっている。
作業者は、左窓ガラス1Bを閉鎖させるとともに、室内で上記バックル20によって連結されているバンド12を引き絞る。
すると、左箱状カバー11Bと右箱状カバー11Aとの連結部分が、上記バンド12における挿通口19の外部に露出している部分によって室内側に引き寄せられることとなる。
このようにして左箱状カバー11Bおよび右箱状カバー11Aの内側板16が窓ガラス1に引き寄せられたら、作業者は左窓ガラス1Bを完全に閉鎖するとともに、図示しないカギによって左窓ガラス1Bと右窓ガラス1Aとを閉鎖状態とする。
これにより、左箱状カバー11Bより取り出されたバンド12が左窓ガラス1Bと窓枠3との間に挟持されることとなり、作業者はその後、室内においてたるんでいるバンド12を上記バックル20によって引き絞る。
これにより、窓ガラス保護具2が窓ガラス1に装着されることとなる。
【0019】
上記実施形態における窓ガラス保護具2によれば、箱状カバー11の正面板13と窓ガラス1との間に空間を形成することができるため、台風や竜巻によって飛来した飛来物が箱状カバー11に衝突しても、その衝撃によって窓ガラス1が破損するのを防止することができ、また衝突した飛来物が正面板13を貫通した場合であっても、窓ガラス1への到達を可及的に阻止することが可能となっている。
また
図5に示したように、本実施形態の窓ガラス保護具2は、2階の窓等、室外で作業を行うことができない場合であっても、窓ガラス11の開閉に伴って、く字形に屈曲した左箱状カバー11Bと右箱状カバー11Aとを、窓に沿って開かせることが可能となっている。これにより、窓ガラス保護具2を室内側からの操作だけで窓ガラス1に装着することが可能となっている。
【0020】
図6は他の実施形態にかかる窓ガラス保護具2を説明する図となっている。上述した実施形態に対し、本実施形態の窓ガラス保護具2は3個の箱状カバー11によって構成されていることを特徴としている。
本実施形態においては、中央に位置する中央箱状カバー11Cを構成する側板のうち、図示左右に位置する側板は内側板16となっており、それぞれ両側に位置する左箱状カバー11Bおよび右箱状カバー11Aの内側板16と、連結部18を介して連結されるようになっている。
また中央箱状カバー11Cの正面板13には、その両側に上記バンド12を挿通させる挿通口19が形成されている。
このような構成により、上記左箱状カバー11B、中央箱状カバー11C、右箱状カバー11Aは上記連結部18によってそれぞれく字形に屈曲させることができ、上記挿通口19を通したバンド12を室内側から引き絞れば、中央箱状カバー11Cを窓ガラス1に密着させることができる。
このように、本実施形態にかかる窓ガラス保護具2によれば、横幅の異なる窓ガラス1に対しても窓ガラス保護具2を装着することが可能となり、また窓ガラス1の枚数や幅に応じて、4個以上の箱状カバー11を連結することも可能である。
【符号の説明】
【0021】
1 窓ガラス 1A 右窓ガラス
1B 左窓ガラス 2 窓ガラス保護具
3 窓枠 4 網戸
11 箱状カバー 11A 右箱状カバー
11B 左箱状カバー 12 バンド
16 内側板 17 外側板
18 連結部 19 挿通口
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