(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059146
(43)【公開日】2024-05-01
(54)【発明の名称】揺動装置
(51)【国際特許分類】
G02B 26/10 20060101AFI20240423BHJP
G02B 26/08 20060101ALI20240423BHJP
H02K 33/16 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
G02B26/10 104Z
G02B26/08 E
H02K33/16 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022166639
(22)【出願日】2022-10-18
(71)【出願人】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】ニデックインスツルメンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(74)【代理人】
【識別番号】100196140
【弁理士】
【氏名又は名称】岩垂 裕司
(72)【発明者】
【氏名】南澤 伸司
【テーマコード(参考)】
2H045
2H141
5H633
【Fターム(参考)】
2H045AB02
2H045AB38
2H045AB54
2H045BA02
2H141MB23
2H141MB24
2H141MC04
2H141MC05
2H141MD12
2H141MD23
2H141MD24
2H141MD40
2H141MG06
2H141MZ06
2H141MZ11
2H141MZ12
5H633BB03
5H633BB15
5H633BB16
5H633GG02
5H633GG06
5H633GG08
5H633GG13
5H633GG23
5H633HH03
5H633HH05
5H633HH09
5H633HH13
5H633JA03
5H633JB05
(57)【要約】
【課題】可動部を揺動させる揺動装置において、可動部のチルト動作を高い共振周波数で行い、且つ、安定したチルト動作を行う。
【解決手段】揺動装置1の可動体3は、第1接続機構41を介して、支持体である中間可動枠8に対してX軸周り(第1軸周り)に揺動可能に支持される。第1接続機構41は、可動体3に対してX軸方向の両側でX軸方向に延びる一対の板ばね部10A、10Bを備える。一対の板ばね部10A、10Bのそれぞれは、Z軸方向を板厚方向とする第1平板部11と、Y軸方向を板厚方向とする第2平板部12を備える。第1平板部11と第2平板部12は、X軸方向から見て十字形、L字形、もしくはT字形のいずれかの形状に組み立てられている。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動体および支持体と、
前記可動体と前記支持体とを接続する第1接続機構と、を有し、
前記可動体は、前記第1接続機構を介して、前記支持体に対して第1軸を中心とする第1軸周りの方向に揺動可能に支持され、
前記第1軸に沿う方向を第1軸方向とし、前記第1軸と交差する第2軸に沿う方向を第2軸方向とし、前記第1軸と交差し且つ前記第2軸と交差する第3軸に沿う方向を第3軸方向とする場合に、
前記第1接続機構は、前記可動体に対して前記第1軸方向の両側において前記第1軸方向に延びる一対の板ばね部を備え、
前記一対の板ばね部のそれぞれは、前記第3軸方向を板厚方向とする第1平板部と、前記第2軸方向を板厚方向とする第2平板部と、を備え、
前記第1平板部と前記第2平板部は、前記第1平板部の板厚方向の撓みが前記第2平板部により規制され、且つ、前記第2平板部の板厚方向の撓みが前記第1平板部により規制されるように組み立てられていることを特徴とする揺動装置。
【請求項2】
前記第1軸方向から見た場合に、前記第1平板部と前記第2平板部とが交差する交点と前記第1軸とが重なることを特徴とする請求項1に記載の揺動装置。
【請求項3】
前記可動体を前記第1軸周りに揺動させる第1磁気駆動機構を有し、
前記第1磁気駆動機構は、前記可動体に配置される磁石を備え、
前記可動体は、前記第3軸方向の一方側に反射部材が固定され、且つ、前記第3軸方向の他方側に前記磁石が固定される板状の被固定部を備え、
前記一対の板ばね部は、前記被固定部から前記第1軸方向の両側へ延びていることを特徴とする請求項2に記載の揺動装置。
【請求項4】
前記第3軸方向を板厚方向とする平板状の前記被固定部と、前記被固定部の前記第1軸方向の両側において前記第1軸方向に延びる一対の前記第1平板部とが一体に形成された第1部材と、
前記被固定部の前記第3軸方向の他方側において前記第2軸方向を板厚方向として前記第1軸方向に延びる板状の中央部と、前記中央部の前記第1軸方向の両側において前記第1軸方向に延びる一対の前記第2平板部とが一体に形成された第2部材と、を備え、
前記第1部材および前記第2部材は、前記第1軸方向の両端が前記支持体に接続されることを特徴とする請求項3に記載の揺動装置。
【請求項5】
前記中央部は、前記磁石を介して前記被固定部に固定されることを特徴とする請求項4に記載の揺動装置。
【請求項6】
前記一対の第1平板部のそれぞれは、前記第1軸方向に延びるスリットを備え、
前記スリットに前記第2平板部が配置されることを特徴とする請求項4に記載の揺動装置。
【請求項7】
前記第2平板部は、前記第1平板部の前記第2軸方向の端部から前記第3軸方向に屈曲して延びていることを特徴とする請求項1に記載の揺動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可動体を揺動させる揺動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、レーザー光などの走査光を射出して反射光を検知し、反射光が戻ってくるまでの時間を計測することで対象物までの距離や方向、形状などを測定する計測装置が用いられている。この種の計測装置では、走査光を反射するミラーを所定の周波数で揺動させるチルト動作を行ってパルス光を射出する。
【0003】
特許文献1には、ミラーを揺動させて走査光を反射する揺動装置(光スキャナ装置)が記載される。特許文献1の光スキャナ装置は、ミラーが配置される矩形の可動部と、可動部を囲む矩形枠状の固定部とを板バネで接続した揺動支持機構を備えており、可動部に配置されるコイルと固定部に配置される磁石とを備えた磁気駆動回路の駆動力により、ミラーが駆動される。
【0004】
特許文献1の揺動支持機構では、可動部はミラーの面内方向と平行な回転軸線周りに回転可能に支持される。可動部と固定部とを接続する板バネは回転軸線上に配置され、可動部から回転軸線方向の両側に延びた一対の板バネが固定部に接続される。一対の板バネは、可動部の回転軸線方向の両側において、それぞれ、板厚方向に2枚ずつ重ねて配置される。ミラーを駆動する際は、可動部が共振状態となる共振周波数で磁気駆動回路を駆動することにより、可動部を大きく傾けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の揺動支持機構は、単純な平板状の板バネを用いるため、回転軸線周りのチルト動作を行う際の共振周波数を増加させるには板バネの剛性を高くする必要がある。しかしながら、板バネの剛性を高くすると最大応力も高くなるため、可動部を駆動するために大きな駆動力が必要となり、可動部を駆動することが困難になってしまう。そのため、共振周波数を高くすることが困難である。
【0007】
板バネの厚さを薄くすることにより、共振周波数を増加させつつ最大応力の増大を抑制することはできるが、その場合は板バネの厚さを薄くした弊害として、板厚方向の振動の共振周波数が低くなり、チルト動作の共振周波数に近づく。そのため、チルト動作の際に可動部が板厚方向に動きやすくなるので、チルト動作が不安定になるという問題がある。
【0008】
本発明の課題は、このような点に鑑みて、可動部のチルト動作を高い共振周波数で行うことができ、且つ、安定したチルト動作を行うことにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の揺動装置は、可動体および支持体と、前記可動体と前記支持体とを接続する第1接続機構と、を有し、前記可動体は、前記第1接続機構を介して、前記支持体に対して第1軸を中心とする第1軸周りの方向に揺動可能に支持され、前記第1軸に沿う方向を第1軸方向とし、前記第1軸と交差する第2軸に沿う方向を
第2軸方向とし、前記第1軸と交差し且つ前記第2軸と交差する第3軸に沿う方向を第3軸方向とする場合に、前記第1接続機構は、前記可動体に対して前記第1軸方向の両側において前記第1軸方向に延びる一対の板ばね部を備え、前記一対の板ばね部のそれぞれは、前記第3軸方向を板厚方向とする第1平板部と、前記第2軸方向を板厚方向とする第2平板部と、を備え、前記第1平板部と前記第2平板部は、前記第1平板部の板厚方向の撓みが前記第2平板部により規制され、且つ、前記第2平板部の板厚方向の撓みが前記第1平板部により規制されるように組み立てられていることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、可動体の両側に第1軸方向に延びる一対の板ばね部を配置し、板ばね部を介して可動体を支持体に接続しているので、板ばね部を回転軸として第1軸周りに可動体を揺動させることができる。板ばね部は、交差する2枚の板ばね(平板部)を備えており、2枚の平板部が互いの撓みを規制するように組み立てられている。このようにすると、高い共振周波数で可動体を揺動させることを目的として、板ばね部が第1軸周りにねじれるときのばね定数を低くするために板ばね部の板厚を薄くした場合であっても、各平板部が板厚方向に撓みやすくなることを交差する平板部が突っ張ることにより規制することができる。これにより、板ばね部の板厚方向の振動の共振周波数が低くなって第1軸周りの共振周波数に近づくことを回避できる。従って、可動体が揺動する際に第1軸(揺動軸線)と交差する方向に可動体が動きやすくなって可動体の動き(第1軸周りの揺動運動)が不安定になることを回避できる。よって、可動体のチルト動作を高い共振周波数で行うことができ、且つ、安定したチルト動作を行うことができる。
【0011】
本発明において、前記第1軸方向から見た場合に、前記第1平板部と前記第2平板部とが交差する交点と前記第1軸とが重なることが好ましい。このように、交差する2枚の平板部(第1平板部、第2平板部)が交わる交点を回転中心(第1軸)として可動体が揺動する場合には、板ばね部は交点(第1軸)を中心として回転する方向以外の方向に動き難い。従って、安定したチルト動作を行うことができる。
【0012】
本発明において、前記可動体を前記第1軸周りに揺動させる第1磁気駆動機構を有し、前記第1磁気駆動機構は、前記可動体に配置される磁石を備え、前記可動体は、前記第3軸方向の一方側に反射部材が固定され、且つ、前記第3軸方向の他方側に前記磁石が固定される板状の被固定部を備え、前記一対の板ばね部は、前記被固定部から前記第1軸方向の両側へ延びていることが好ましい。このようにすると、被固定部に固定された反射部材を第1軸周りに揺動させるチルト動作を行うことができる。また、第1磁気駆動機構を反射部材に対して第2軸方向で重なる位置に設けることができる。
【0013】
本発明において、前記第3軸方向を板厚方向とする平板状の前記被固定部と、前記被固定部の前記第1軸方向の両側において前記第1軸方向に延びる一対の前記第1平板部とが一体に形成された第1部材と、前記被固定部の前記第3軸方向の他方側において前記第2軸方向を板厚方向として前記第1軸方向に延びる板状の中央部と、前記中央部の前記第1軸方向の両側において前記第1軸方向に延びる一対の前記第2平板部とが一体に形成された第2部材と、を備え、前記第1部材および前記第2部材は、前記第1軸方向の両端が前記支持体に接続されることが好ましい。このようにすると、曲げ加工のない平板状の2部品(第1部材、第2部材)を組み立てることにより、被固定部(可動体)の両側にそれぞれ交差する2枚の板ばねを配置した構造体を完成させることができる。従って、部品数および部品の加工手間の削減を図り、組立工数の削減を図ることができる。
【0014】
本発明において、前記中央部は、前記磁石を介して前記被固定部に固定されることが好ましい。このようにすると、第2平板部の第2軸方向の撓みを抑制できるので、板ばね部が第1軸を中心として回転する方向以外の方向に動くことを抑制できる。
【0015】
本発明において、前記一対の第1平板部のそれぞれは、前記第1軸方向に延びるスリットを備え、前記スリットに前記第2平板部が配置されることが好ましい。このようにすると、板ばね部を第1軸(回転軸線)を中心として第3軸方向に対称な形状に近づけることができ、且つ、板ばね部を第1軸(回転軸線)を中心として第2軸方向に対称な形状に近づけることができる。従って、安定したチルト動作を行うことができる。
【0016】
本発明において、前記第2平板部は、前記第1平板部の前記第2軸方向の端部から前記第3軸方向に屈曲して延びていることが好ましい。このようにすると、板ばね部を1部品で構成することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、可動体の両側に第1軸方向に延びる一対の板ばね部を配置し、板ばね部を介して可動体を支持体に接続しているので、板ばね部を回転軸として第1軸周りに可動体を揺動させることができる。板ばね部は、交差する2枚の板ばね(平板部)を備えており、2枚の平板部が互いの撓みを規制するように組み立てられている。このようにすると、高い共振周波数で可動体を揺動させることを目的として、板ばね部が第1軸周りにねじれるときのばね定数を低くするために板ばね部の板厚を薄くした場合であっても、各平板部が板厚方向に撓みやすくなることを交差する平板部が突っ張ることにより規制することができる。これにより、板ばね部の板厚方向の振動の共振周波数が低くなって第1軸周りの共振周波数に近づくことを回避できる。従って、可動体が揺動する際に第1軸(揺動軸線)と交差する方向に可動体が動きやすくなって可動体の動き(第1軸周りの揺動運動)が不安定になることを回避できる。よって、可動体のチルト動作を高い共振周波数で行うことができ、且つ、安定したチルト動作を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明を適用した揺動装置の外観斜視図である。
【
図2】Z1方向から見た揺動装置の分解斜視図である。
【
図3】Z2方向から見た揺動装置の分解斜視図である。
【
図4】揺動装置の断面図(
図1のA-A位置で切断した断面図)である。
【
図5】揺動装置の断面図(
図1のB-B位置で切断した断面図)である。
【
図6】可動体、中間可動枠、および第1接続機構の平面図および側面図である。
【
図7】Z1方向から見た可動体、中間可動枠、および第1接続機構の分解斜視図である。
【
図8】Z2方向から見た可動体、中間可動枠、および第1接続機構の分解斜視図である。
【
図9】変形例の可動体、中間可動枠、および第1接続機構の斜視図である。
【
図10】変形例の板ばね部および被固定部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、図面を参照して、本発明を適用した揺動装置の実施形態を説明する。
【0020】
(全体構成)
図1は、本発明を適用した揺動装置1の外観斜視図である。
図2は、Z1方向から見た揺動装置1の分解斜視図である。
図3は、Z2方向から見た揺動装置1の分解斜視図である。
図4は、
図1のA-A位置で切断した揺動装置1の断面図である。
図5は、
図1のB-B位置で切断した揺動装置1の断面図である。
【0021】
揺動装置1は、反射部材であるミラー2を備える。ミラー2は円形であり、平坦な反射面2aを備える。揺動装置1は、ミラー2を反射面2aと平行な回転軸線周りに揺動させ
る。揺動装置1は、例えば、レーザー光などの走査光を射出して反射光を受光する計測装置に用いられる。揺動装置1は、走査光を反射するミラー2を所定の周波数で揺動させるチルト動作を行う。
【0022】
以下の説明では、互いに直交する3軸をX軸、Y軸、Z軸とする。X軸は第1軸である。Y軸は第2軸である。Z軸は第3軸である。X軸に沿う方向をX軸方向(第1軸方向)とし、Y軸に沿う方向をY軸方向(第2軸方向)とし、Z軸に沿う方向をZ軸方向(第3軸方向)とする。X軸方向の一方側をX1方向とし、X軸方向の他方側をX2方向とし、Y軸方向の一方側をY1方向とし、Y軸方向の他方側をY2方向とし、Z軸方向の一方側をZ1方向とし、Z軸方向の他方側をZ2方向とする。
【0023】
図1、
図2、
図3に示すように、揺動装置1は、ミラー2を備える可動体3と、揺動支持機構4と、揺動支持機構4を介して可動体3を支持する固定体5を備える。揺動支持機構4は、可動体3をX軸周り(第1軸周り)およびY軸周り(第2軸周り)に揺動可能に支持する。また、揺動装置1は、可動体3をX軸周りに揺動させる第1磁気駆動機構6と、可動体3をY軸周りに揺動させる第2磁気駆動機構7を備える。
【0024】
図2、
図3、
図4、
図5に示すように、揺動支持機構4は、可動体3と固定体5との間に配置される中間可動枠8と、可動体3と中間可動枠8とを接続する第1接続機構41と、中間可動枠8と固定体5とを接続する第2接続機構42を備える。中間可動枠8は、第1接続機構41を介して、可動体3をX軸周りに回転可能に支持する。すなわち、中間可動枠8は、第1接続機構41を介して可動体3を支持する支持体である。固定体5は、第2接続機構42を介して中間可動枠8をY軸周りに回転可能に支持する。
【0025】
図6は、可動体3、中間可動枠8、および第1接続機構41の平面図および側面図である。
図6(a)は平面図であり、
図6(b)はX1方向から見た側面図であり、
図6(c)はY1方向から見た側面図である。本形態では、X軸とY軸の交点は、Z軸方向から見た可動体3の中心Pと重なる(
図6(a)参照)。可動体3に配置されるミラー2は、反射面2aがZ1方向を向くように設置される。揺動装置1は、例えば、反射面2aがZ1方向を向く位置を可動体3の基準位置とし、基準位置を中心としてX軸周りに所定の角度範囲でミラー2を揺動させるチルト動作、および、基準位置を中心としてY軸周りに所定の角度範囲でミラー2を揺動させるチルト動作を行う。
【0026】
(固定体)
図2、
図3に示すように、固定体5は、可動体3および揺動支持機構4を内側に収容するカバー51と、カバー51のZ2方向の端部に固定されて可動体3および揺動支持機構4をZ2方向から覆うベース52を備える。カバー51およびベース52は、非磁性の金属からなる。カバー51は、可動体3および揺動支持機構4をZ1方向から覆う端板部53と、端板部53の外縁からZ2方向に延びる側板部54を備える。端板部53には、ミラー2にZ2方向から重なる部分を切り欠いた開口部55が設けられている。側板部54は、X軸方向に対向する第1側板部541および第2側板部542と、Y軸方向で対向する第3側板部543および第4側板部544を備える。
【0027】
(第1接続機構)
図2、
図3、
図6に示すように、第1接続機構41は、可動体3のX1方向の端部に接続される板ばね部10Aと、可動体3のX2方向の端部に接続される板ばね部10Bを備える。第1接続機構41は、可動体3のX軸方向の両側に配置される一対の板ばね部10A、10Bによって可動体3と中間可動枠8とを接続する。板ばね部10A、10BはX軸方向に延びており、Z軸方向から見た場合にX軸と重なる。従って、可動体3は、板ばね部10A、10Bを回転軸としてX軸周りに揺動可能に支持される。板ばね部10A、
10Bは同一形状であり、X軸方向で逆向きに配置される。板ばね部10A、10Bの詳細な構造については後述する。
【0028】
(第2接続機構)
第2接続機構42は、カバー51および中間可動枠8をY軸周りに相対回転可能に接続する。
図2、
図3、
図5に示すように、第2接続機構42は、中間可動枠8のY軸方向の両側に配置される一対の接点部材43と、中間可動枠8のY軸方向の両端に固定される一対の球体44と、カバー51の第3側板部543および第4側板部544の内側面に設けられた一対の接点部材支持部45(
図5参照)を備える。
図5に示すように、各接点部材支持部45は、接点部材43をY軸上の位置に保持する。なお、
図2、
図3においては、接点部材支持部45の図示を省略している。
【0029】
接点部材43は、金属板の曲げ加工により製造した板ばねである。
図5に示すように、接点部材43は、球体44が点接触する凹曲面430が設けられた第1板部431と、第1板部431のZ2方向の端部から略直角に屈曲した接続部432と、接続部432から略直角に屈曲して第1板部431と平行に延びる第2板部433を備える。
【0030】
固定体5と中間可動枠8とを第2接続機構42により接続する際、カバー51の内側に保持された一対の接点部材43のそれぞれにおいて、第1板部431を第2板部433の側に撓ませて、対向する凹曲面430の間隔を広げ、その間に中間可動枠8を挿入する。第1板部431は中間可動枠8の側に付勢されて球体44に押し付けられるので、Y軸上において各凹曲面430と球体44とが点接触する状態を維持できる。これにより、中間可動枠8がカバー51に対してY軸周りに回転可能に支持される。
【0031】
(可動体)
図7は、Z1方向から見た可動体3、中間可動枠8、および第1接続機構41の分解斜視図である。
図8は、Z2方向から見た可動体3、中間可動枠8、および第1接続機構41の分解斜視図である。
図7、
図8に示すように、可動体3は、円形のミラー2がZ1方向の表面に固定される板状の被固定部30を備える。被固定部30は、矩形の磁石固定部31と、磁石固定部31の外周を囲む環状部32と、磁石固定部31からX1方向およびX2方向に延びて環状部32に接続される一対の接続部33を備える。
図5、
図8に示すように、被固定部30における磁石固定部31のZ2方向の表面には、第1磁気駆動機構6の磁石61が磁性板63を介して固定される。磁性板63は、磁石61に対するヨークとして機能する。
【0032】
第1接続機構41を構成する一対の板ばね部10A、10Bは、被固定部30からX1方向およびX2方向に延びて、中間可動枠8に接続される。これにより、可動体3が中間可動枠8に対してX軸周りに回転可能に支持される。
【0033】
(中間可動枠)
図4、
図5、
図7、
図8に示すように、中間可動枠8は、可動体3とベース52との間に配置される板部81と、板部81のX軸方向の両端からX軸方向の両側に延びる一対の腕部82、82と、板部81のY軸方向の両端からZ1方向に屈曲した一対の球体支持部83、83と、を備える。板部81は、X軸方向に長い長円形である。板部81の中央には、X軸方向に長い略長方形の開口部84が設けられている。可動体3の磁石固定部31に固定される磁石61は、開口部84を介して、ベース52に固定されるコイル62とZ軸方向で対向する(
図4、
図5参照)。
【0034】
図7、
図8に示すように、一対の球体支持部83、83は、中間可動枠8のX軸方向の中央に配置される。Y1側の球体支持部83の先端には、Y1側に突出する突出部85が
設けられており、Y2側の球体支持部83の先端には、Y2側に突出する突出部85が設けられている。各突出部85の先端には、第2接続機構42の球体44が溶接により固定される(
図5参照)。
【0035】
中間可動枠8のX軸方向の両端には、一対の腕部82の先端に近い部分をZ1方向に屈曲させた屈曲部86と、屈曲部86の先端から略直角に屈曲した板ばね固定部87が設けられている。
図2、
図6(b)に示すように、中間可動枠8のX軸方向の両端では、可動体3からX1方向およびX2方向に延びる一対の板ばね部10A、10Bの先端が一対の板ばね固定部87にZ1方向から固定される。
【0036】
中間可動枠8には、一対の腕部82の幅方向の中央を貫通してX軸方向に延びるスリット88が設けられており、スリット88は板ばね固定部87の先端まで延びている。また、中間可動枠8には、板部81に設けられた開口部84のX1側およびX2側の縁部分からZ1方向に立ち上がる2箇所の切り起こし部89が設けられている。2箇所の切り起こし部89は、板部81のY軸方向の中央に位置する。各切り起こし部89には、幅方向の中央を貫通する溝部90が設けられている。溝部90は、X軸方向から見てスリット88と重なる位置に設けられている。
【0037】
(磁気駆動機構)
第1磁気駆動機構6は、可動体3のZ2方向に配置される。
図2、
図3、
図5に示すように、第1磁気駆動機構6は、可動体3の被固定部30に磁性板63を介して固定される磁石61と、ベース52の中央に固定されて磁石61にZ2方向から対向するコイル62を備える。
図2に示すように、コイル62は、X軸方向に長い長円形の空芯コイルである。
図3、
図5に示すように、磁石61は、Y軸方向に並ぶ2つの磁石61N、61Sを備える。コイル62は、X軸方向に延びる2本の有効辺の一方が磁石61Nと対向し、有効辺の他方が磁石61Sと対向する。磁石61Sと磁石61Nは、コイル62と対向する方向(すなわち、Z軸方向)を着磁方向とし、コイル62と対向する側の磁極が異なる極性となるように着磁される。
図5に示すように、ベース52に固定されたコイル62の内側には、可動体3のX軸周りの揺動角度を検出するためのセンサ64が配置される。
【0038】
第2磁気駆動機構7は、第1磁気駆動機構6とY軸方向で並ぶ位置に配置される。本形態では、第1磁気駆動機構6のY1側およびY2側の2箇所に第2磁気駆動機構7が配置される。第2磁気駆動機構7は、第1磁気駆動機構6のY1側に配置される磁石71Aおよびコイル72Aと、第1磁気駆動機構6のY2側に配置される磁石71Bおよびコイル72Bを備える。磁石71Aとコイル72A、および磁石71Bとコイル72Bは、Z軸方向に対向する。
図2に示すように、コイル72A、72Bは、Y軸方向に長い長円形の空芯コイルである。
図3に示すように、磁石71A、71Bは、コイル72A、72Bと対向する方向(すなわち、Z軸方向)を着磁方向とし、コイル72A、72Bと対向する面で異なる極性の磁極(S極とN極)がX軸方向に並ぶように分極着磁される。
【0039】
図3、
図5に示すように、磁石71A、71Bは、中間可動枠8の板部81のY軸方向の両端部分に磁性板73を介して固定される。磁性板73は、磁石71A、71Bに対するヨークとして機能する。
図2に示すように、コイル72A、72Bは、ベース52に固定される。
図5に示すように、Y1側のコイル72Aの中央には、可動体3のY軸周りの揺動角度を検出するためのセンサ74が配置される。
【0040】
(板ばね部の詳細な構成)
本形態では、第1接続機構41を構成する一対の板ばね部10A、10Bが単純な平板状の板ばねではなく、直交する2枚の板ばねを組み合わせて構成される。
図7、
図8に示すように、一対の板ばね部10A、10Bは、それぞれ、Z軸方向を板厚方向とする第1
平板部11と、Y軸方向を板厚方向とする第2平板部12を備える。第1平板部11は、被固定部30と一体に形成されており、被固定部30からX1方向およびX2方向に延びている。すなわち、揺動装置1は、被固定部30と一対の第1平板部11とが一体に形成された平板状の第1部材13を備える。第1部材13のX軸方向の両端には、上述した中間可動枠8の板ばね固定部87にZ1方向から当接する当接部14が設けられる。
【0041】
板ばね部10A、10Bは、第1平板部11と第2平板部12が、第1平板部11の板厚方向の撓みが第2平板部12により規制され、且つ、第2平板部12の板厚方向の撓みが第1平板部11により規制されるように組み立てられている。すなわち、第1平板部11と第2平板部12は、以下に説明するように、X軸方向から見て十字形の部材を構成するように組み立てられている。これにより、第1平板部11の板厚方向の撓みが第2平板部12が面内方向で突っ張ることにより規制され、第2平板部12の板厚方向の撓みが第1平板部11が面内方向で突っ張ることにより規制される。
【0042】
図7、
図8に示すように、第1部材13には、第1平板部11の幅方向の中央を貫通するスリット15が設けられている。スリット15は、被固定部30の外周部分を構成する環状部32から、板ばね固定部87に固定される当接部14までの範囲をX軸方向に延びている。第1平板部11と第2平板部12は、第2平板部12のZ1側の端部をスリット15に配置することにより、X軸方向から見て十字形に配置される(
図6(c)参照)。
【0043】
図6(b)、
図8に示すように、第1部材13のZ2側には、被固定部30に対して垂直な姿勢(すなわち、Y軸方向を板厚方向とする姿勢)でX軸方向に延びる平板状の第2部材16が配置される。第2部材16は、磁石固定部31との間にZ軸方向の隙間がある位置で磁石61S、61Nの間をX軸方向に延びる中央部17を備える。一対の板ばね部10A、10Bの第2平板部12は、中央部17と一体に形成されており、中央部17からX1方向およびX2方向に延びている。すなわち、揺動装置1は、中央部17と一対の第2平板部12とが一体に形成された平板状の第2部材16を備える。
【0044】
図8に示すように、第2部材16のX軸方向の両端部分は、第1部材13のX軸方向の両端に設けられた当接部14にZ2方向から接続される。
図3に示すように、第2部材16のX軸方向の両端部分は、中間可動枠8の腕部82の先端部分においてスリット88に通され、第1部材13の当接部14を介して、中間可動枠8の板ばね固定部87に固定される。これにより、板ばね部10Aにおける第2平板部12のX1方向の端部、および、板ばね部10Bにおける第2平板部12のX2方向の端部は、第1部材13の当接部14を介して板ばね固定部87に固定される。
【0045】
なお、一対の板ばね部10A、10Bは、第2部材16のX軸方向の両端部分(すなわち、板ばね部10Aにおける第2平板部12のX1方向の端部、および、板ばね部10Bにおける第2平板部12のX2方向の端部)が、第1平板部11を介さずに、直接、板ばね固定部87のX軸方向の端面に固定される構造としてもよい。
【0046】
第2部材16の中央部17は、磁石61S、61Nの間に挟まれ、磁石61N、61Sを介して磁石固定部31に固定される。第2部材16は、中央部17のX軸方向の両側の部分(すなわち、第2平板部12を構成する部分)が、中間可動枠8の開口部84の縁からZ1方向へ延びる切り起こし部89の溝部90を通過する(
図3参照)。すなわち、第2部材16は、X軸方向の両端部分が中間可動枠8の腕部82の先端において腕部82を貫通するスリット88に配置され、X軸方向の中央に近い部分が切り起こし部89を貫通する溝部90に配置される。
【0047】
第2部材16において、被固定部30のX1方向およびX2方向に延びて一対の第2平
板部12を構成している部分は、それぞれ、第1平板部11のスリット15からZ1方向に突出する突出部18を備える。突出部18のZ1側には、第2平板部12のZ2側の端縁をZ1方向に切り欠いた矩形の切欠き部19が設けられている。
【0048】
(本形態の主な作用効果)
以上のように、本形態の揺動装置1は、可動体3および中間可動枠8(支持体)と、可動体3と中間可動枠8とを接続する第1接続機構41と、を有する。可動体3は、第1接続機構41を介して、中間可動枠8に対してX軸(第1軸)を中心とするX軸周り(第1軸周り)の方向に揺動可能に支持される。第1接続機構41は、可動体3に対してX軸方向(第1軸方向)の両側においてX軸方向(第1軸方向)に延びる一対の板ばね部10A、10Bを備える。一対の板ばね部10A、10Bのそれぞれは、Z軸方向(第3軸方向)を板厚方向とする第1平板部11と、Y軸方向(第2軸方向)を板厚方向とする第2平板部12と、を備える。第1平板部11と第2平板部12は、第1平板部11の板厚方向の撓みが第2平板部12により規制され、且つ、第2平板部12の板厚方向の撓みが第1平板部11により規制されるように組み立てられている。
【0049】
本形態の揺動装置1は、可動体3の両側にX軸方向に延びる一対の板ばね部10A、10Bを配置し、板ばね部10A、10Bを介して可動体3を中間可動枠8に接続しているので、板ばね部10A、10Bを回転軸としてX軸周りに可動体3を揺動させることができる。板ばね部10A、10Bは、交差する2枚の板ばね(平板部)を備えており、2枚の平板部が互いの撓みを規制するように組み立てられている。このようにすると、高い共振周波数で可動体3を揺動させることを目的として、板ばね部10A、10BがX軸周りにねじれるときのばね定数を低くするために板ばね部10A、10Bの板厚を薄くした場合であっても、各平板部が板厚方向に撓みやすくなることを交差する平板部が突っ張ることにより規制することができる。これにより、板ばね部10A、10Bの板厚方向の振動の共振周波数が低くなってX軸周りの共振周波数に近づくことを回避できる。従って、可動体3が揺動する際にX軸(揺動軸線)と交差する方向に可動体3が動きやすくなって可動体3のX軸周りのチルト動作が不安定になることを回避できる。よって、可動体3のチルト動作を高い共振周波数で行うことができ、且つ、安定したチルト動作を行うことができる。
【0050】
本形態では、X軸方向から見た場合に、第1平板部11と第2平板部12とが交差する交点とX軸とが重なる。このように、交差する2枚の平板部(第1平板部11、第2平板部12)が交わる交点を回転中心として可動体3が揺動する場合には、板ばね部10A、10Bは交点(X軸)を中心として回転する方向以外の方向に動き難い。従って、安定したチルト動作を行うことができる。
【0051】
本形態では、可動体3をX軸周りに揺動させる第1磁気駆動機構6は、可動体3に配置される磁石61を備える。可動体3は、Z1方向にミラー2(反射部材)が固定され、且つ、Z2方向に磁石61が固定される板状の被固定部30を備える。一対の板ばね部10A、10Bは、被固定部30からX軸方向の両側へ延びている。このような構成により、被固定部30に固定されたミラー2をX軸周りに揺動させるチルト動作を行うことができる。また、可動体3に対してY軸方向で重なる位置に第1磁気駆動機構6を設けることができる。
【0052】
本形態では、Z軸方向(第3軸方向)を板厚方向とする平板状の被固定部30と、被固定部30のX軸方向の両側においてX軸方向に延びる一対の第1平板部11とが一体に形成された第1部材13を備える。また、被固定部30のZ2方向においてY軸方向を板厚方向としてX軸方向に延びる板状の中央部17と、中央部17のX軸方向の両側においてX軸方向に延びる一対の第2平板部12とが一体に形成された第2部材16を備える。第
1部材13および第2部材16は、X軸方向の両端が中間可動枠8に接続される。このようにすると、曲げ加工のない平板状の2部品(第1部材13、第2部材16)を組み立てることにより、被固定部30の両側にそれぞれ交差する2枚の板ばねを配置した構造体を完成させることができる。従って、部品数および部品の加工手間の削減を図り、組立工数の削減を図ることができる。
【0053】
本形態では、中央部17は、磁石61を介して被固定部30に固定される。このようにすると、第2平板部12のY軸方向の撓みを抑制できるので、板ばね部10A、10BがX軸を中心として回転する方向以外の方向に動くことを抑制できる。
【0054】
本形態では、一対の第1平板部11のそれぞれは、X軸方向に延びるスリットを備え、スリットに第2平板部12が配置される。このようにすると、板ばね部10A、10Bは、X軸(回転軸線)を中心としてZ軸方向(第3軸方向)に対称な形状に近づくとともに、X軸(回転軸線)を中心としてY軸方向(第2軸方向)に対称な形状に近づく。従って、安定したチルト動作を行うことができる。
【0055】
(変形例)
図9は、変形例の可動体3、中間可動枠8、および第1接続機構141の斜視図である。
図10は、変形例の板ばね部110A、110Bおよび被固定部130の斜視図である。
図10(a)はZ1方向から見た斜視図であり、
図10(b)はZ1方向から見た斜視図である。上記形態では、第1平板部11と第2平板部12がX軸方向から見て十字形の部材を構成しているが、X軸方向から見てT字形の部材を用いてもよい。あるいは、
図9、
図10に示すように、X軸方向から見てL字形の部材を用いてもよい。
【0056】
図10(a)、
図10(b)に示すように、変形例の板ばね部110A、110Bは、Z軸方向を板厚方向とする第1平板部111と、Y軸方向を板厚方向とする第2平板部112を備える。第2平板部112は、第1平板部11のY1方向の端部から略直角に屈曲してZ2方向に延びている。板ばね部110A、110Bには、第1平板部111と第2平板部112とが繋がる角部を貫通してX軸方向に延びるスリット115が設けられている。
【0057】
板ばね部110A、110Bは、Z1方向からミラー2が固定される被固定部130と一体に形成される。変形例の被固定部130は、矩形の磁石固定部131、磁石固定部131の外周を囲む環状部132、磁石固定部131からX1方向およびX2方向に延びて環状部132に接続される接続部133を備える。
図10(b)に示すように、板ばね部110A、110Bのそれぞれにおいて、第2平板部112の一部は、環状部132および接続部133の周方向の一部をZ2方向に切り起こした切り起こし部になっている。
【0058】
図9に示すように、板ばね部110A、110Bは、中間可動枠8の腕部82に設けられた板ばね固定部87に対して、第1平板部111の先端がZ1方向から固定される。第2平板部112のX軸方向の一端は、中間可動枠8の腕部82に設けられたスリット88に配置される。第2平板部112のX軸方向の他端は、中間可動枠8の切り起こし部89に設けられた溝部90に配置される。
【0059】
変形例の板ばね部110A、110Bは、第1平板部111と第2平板部112がX軸方向から見てL字形に接続されており、第1平板部111と第2平板部112が互いの板厚方向の撓みを規制する。また、変形例の板ばね部110A、110Bは、X軸方向から見た場合に、第1平板部111と第2平板部112とが交差する交点とX軸とが重なる。具体的には、第1平板部111と第2平板部112とが繋がる屈曲箇所がX軸(回転軸線)と重なる。従って、上記形態と同様に、板ばね部110A、110BはX軸を中心とし
て回転する方向以外の方向に動き難いので、安定したチルト動作を行うことができる。
【0060】
(他の実施形態)
(1)上記形態の揺動装置1は、可動体3をX軸周りおよびY軸周りに揺動させる2軸揺動装置であるが、本発明は、可動体3をX軸周りに回転させる1軸揺動装置に適用することができる。
【0061】
(2)上記形態の揺動装置1は、第2接続機構42として、球体44と接点部材43とを点接触させる機構を用いているが、第2接続機構42として、第1接続機構41と同様の一対の板ばね部を用いるものであってもよい。
【0062】
(3)上記形態の揺動装置1は、走査光を反射するミラー2を揺動させるものであるが、揺動させる部品は、ミラー2とは異なる部品であってもよい。すなわち、揺動装置1は、走査光を射出して反射光を受光する計測装置以外の用途に用いるものであってもよい。
【符号の説明】
【0063】
1…揺動装置、2…ミラー、2a…反射面、3…可動体、4…揺動支持機構、5…固定体、6…第1磁気駆動機構、7…第2磁気駆動機構、8…中間可動枠、10A、10B…板ばね部、11…第1平板部、12…第2平板部、13…第1部材、14…当接部、15…スリット、16…第2部材、17…中央部、18…突出部、19…切欠き部、30…被固定部、31…磁石固定部、32…環状部、33…接続部、41…第1接続機構、42…第2接続機構、43…接点部材、44…球体、45…接点部材支持部、51…カバー、52…ベース、53…端板部、54…側板部、55…開口部、61、61N、61S…磁石、62…コイル、63…磁性板、64…センサ、71A、71B…磁石、72A、72B…コイル、73…磁性板、74…センサ、81…板部、82…腕部、83…球体支持部、84…開口部、85…突出部、86…屈曲部、87…板ばね固定部、88…スリット、89…切り起こし部、90…溝部、110A、110B…板ばね部、111…第1平板部、112…第2平板部、115…スリット、130…被固定部、131…磁石固定部、132…環状部、133…接続部、141…第1接続機構、430…凹曲面、431…第1板部、432…接続部、433…第2板部、541…第1側板部、542…第2側板部、543…第3側板部、544…第4側板部、P…可動体の中心