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特開2024-59163釣り餌容器および釣り餌容器の製造方法
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  • 特開-釣り餌容器および釣り餌容器の製造方法 図1
  • 特開-釣り餌容器および釣り餌容器の製造方法 図2
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  • 特開-釣り餌容器および釣り餌容器の製造方法 図9
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059163
(43)【公開日】2024-05-01
(54)【発明の名称】釣り餌容器および釣り餌容器の製造方法
(51)【国際特許分類】
   A01K 97/04 20060101AFI20240423BHJP
【FI】
A01K97/04 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022166671
(22)【出願日】2022-10-18
(71)【出願人】
【識別番号】510112453
【氏名又は名称】株式会社やまひら
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【弁理士】
【氏名又は名称】南瀬 透
(74)【代理人】
【識別番号】100219483
【弁理士】
【氏名又は名称】宇野 智也
(72)【発明者】
【氏名】金子 英典
(57)【要約】
【課題】より利便性の高い釣り餌容器および釣り餌容器の製造方法を提供する。
【解決手段】釣り餌容器1は、釣り餌を収納するために凹状に形成され、上部が開口した平面視四角形状の容器本体10と、容器本体10上部の四辺にそれぞれ形成されたフランジ部20(21,22,23,24)と、を有し、フランジ部20(21,23)には、釣り餌容器1同士を連結させるための連結用突起部30および連結用切り込み部31が設けられており、容器本体10の四隅の角C1~C4のうちの一つ(C1)は、平面視において鈍角かつ丸まった形状となっている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣り餌を収納するために凹状に形成され、上部が開口した平面視四角形状の容器本体と、
前記容器本体上部の四辺にそれぞれ形成されたフランジ部と、を有し、
前記フランジ部には、釣り餌容器同士を連結させるための連結用突起部および連結用切り込み部が設けられており、
前記容器本体の四隅の角のうちの一つは、平面視において鈍角かつ底部が丸まった形状となっている釣り餌容器。
【請求項2】
前記容器本体上部の一辺に形成された前記フランジ部と、当該一辺と隣り合う別の一辺に形成された前記フランジ部にはそれぞれ折り目が設けられており、
前記一辺に形成されたフランジ部の折り目に沿って下方へ折り曲げられる部分の端部に設けられた突起部と、前記別の一辺に形成されたフランジ部の折り目に沿って下方へ折り曲げられる部分の端部に設けられた切り込み部とが係合する
請求項1に記載の釣り餌容器。
【請求項3】
前記容器本体および前記フランジ部は1枚のシートからなるものであり、
前記容器本体の凹状部分はプレス加工により成形されたものであり、
前記フランジ部の折り目に沿って下方へ折り曲げられる部分のうち、型取りされて下方へ折り曲げられない部分が前記連結用突起部となる
請求項2に記載の釣り餌容器。
【請求項4】
1枚のシートをプレス加工により、
釣り餌を収納するために凹状に形成され、上部が開口した平面視四角形形状の容器本体と、前記容器本体上部の四辺にそれぞれ形成されたフランジ部と、に成形し、
かつ、前記フランジ部に、釣り餌容器同士を連結させるための連結用突起部および連結用切り込み部を成形し、
かつ、前記容器本体の四隅の角のうちの一つを、平面視において鈍角かつ底部が丸まった形状となるように成形する釣り餌容器の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、魚釣りに用いられる餌を収納する釣り餌容器および釣り餌容器の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
川岸や海岸などで釣りをする際、釣り人は事前に釣具店やホームセンターなどで釣り餌を購入して、釣り場でその釣り餌を使いつつ釣りを行う。そして、釣り餌は釣り餌容器に収納されているため、釣り人にとって使いやすい釣り餌容器が求められている。
【0003】
例えば、特許文献1には、収納物を収納するために凹状に形成され上部が開口した収納部と、該収納部の上端部外周に形成されたフランジ部と、を有する平面視矩形状の容器体を、前記フランジ部の端部で分割可能に二つ連結して形成されている二分割式容器が記載されている。さらに、この二分割式容器の連結している側の各フランジ部には、分割後の各容器体を所定の位置に係止するための、各フランジ部からそれぞれ下方へ垂下させた面状のフック部が形成され、かつ、一方のフランジ部に形成されたフック部と他方のフランジ部に形成されたフック部とは互いに対向しない位置に形成されている。
【0004】
また、特許文献2には、半硬質の合成樹脂で形成され、ブリッジ部で連結された本体と蓋部で構成され、該本体の1つのコーナー部は三角形状に切除され、この部分に紐通し部が突出した状態で形成されている釣り餌容器が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007-499030号公報
【特許文献2】登録実用新案第3013548号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の二分割式容器は、分割後の容器を所定の安定した位置に係止して安定な状態として使用することができることを目的としたものであり、特許文献2に記載の釣り餌容器は、手で保持し易く、手が滑った場合にも河川湖沼に落としてしまうことがないようにすることを目的としたものであるが、釣り人にとって、より使いやすい釣り餌容器が求められている。
【0007】
よって、本発明は、より利便性の高い釣り餌容器および釣り餌容器の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る釣り餌容器は、釣り餌を収納するために凹状に形成され、上部が開口した平面視四角形状の容器本体と、容器本体上部の四辺にそれぞれ形成されたフランジ部と、を有し、フランジ部には、釣り餌容器同士を連結させるための連結用突起部および連結用切り込み部が設けられており、容器本体の四隅の角のうちの一つは、平面視において鈍角かつ底部が丸まった形状となっている。
【0009】
これにより、連結用突起部を他の釣り餌容器の連結用切り込み部に挿入させることで、釣り餌容器と別の釣り餌容器とを連結させることができる。また、釣り人などの利用者が、釣り餌を指で押さえて当該角(平面視において鈍角となっている角で、かつ底部が丸まった形状となっている角)から取り出す場合、直角の部分がないため、釣り餌に必要以上の力が加わることはない。
【0010】
また、釣り餌容器は、容器本体上部の一辺に形成されたフランジ部と、当該一辺と隣り合う別の一辺に形成されたフランジ部にはそれぞれ折り目が設けられており、一辺に形成されたフランジ部の折り目に沿って下方へ折り曲げられる部分の端部に設けられた突起部と、別の一辺に形成されたフランジ部の折り目に沿って下方へ折り曲げられる部分の端部に設けられた切り込み部とが係合する構造であることが望ましい。
【0011】
これにより、この一部が折り曲げられた2つのフランジ部は、下方へ折り曲げられた部分同士が突起部と切り込み部とが係合することでしっかりと固定され、この下方へ折り曲げられた部分をバッカンなどの隅に引っ掛けることができる。
【0012】
さらに、釣り餌容器は、容器本体およびフランジ部は1枚のシートからなるものであり、容器本体の凹状部分はプレス加工により成形されたものであり、フランジ部の折り目に沿って下方へ折り曲げられる部分のうち、型取りされて下方へ折り曲げられない部分が連結用突起部となる構造であることが望ましい。
【0013】
これにより、複数の部材を使わずに、釣り餌容器を1枚のシートから製造することができる。また、釣り餌容器を1枚のシートから製造したとしても、連結用突起部を成形することができる。
【0014】
なお、本発明に係る釣り餌容器は、1枚のシートをプレス加工により、釣り餌を収納するために凹状に形成され、上部が開口した平面視四角形形状の容器本体と、容器本体上部の四辺にそれぞれ形成されたフランジ部と、に成形し、かつ、フランジ部に、釣り餌容器同士を連結させるための連結用突起部および連結用切り込み部を成形し、かつ、前記容器本体の四隅の角のうちの一つを、平面視において鈍角かつ底部が丸まった形状となるように成形する。
【発明の効果】
【0015】
(1)本発明に係る釣り餌容器は、上述した構成により、連結用突起部を他の釣り餌容器の連結用切り込み部に挿入させることで、釣り餌容器と別の釣り餌容器とを連結させることができるため、連結させる複数の釣り餌容器にサイズや種類などが異なる餌をそれぞれ収納させて販売することができる。かつ、釣り人などの利用者が、釣り餌を指で押さえて直角の部分がない角から取り出す場合、釣り餌に必要以上の力が加わることはないため、容器から取り出す際に釣り餌が欠損することを防ぐことができる。
【0016】
(2)また、容器本体上部の一辺に形成されたフランジ部と、当該一辺と隣り合う別の一辺に形成されたフランジ部にはそれぞれ折り目が設けられており、一辺に形成されたフランジ部の折り目に沿って下方へ折り曲げられる部分の端部に設けられた突起部と、別の一辺に形成されたフランジ部の折り目に沿って下方へ折り曲げられる部分の端部に設けられた切り込み部とが係合する構造により、この一部が折り曲げられた2つのフランジ部は、下方へ折り曲げられた部分同士が突起部と切り込み部とが係合することでしっかりと固定され、この下方へ折り曲げられた部分をバッカンなどの隅に引っ掛けることができるため、利用者(釣り人)は釣り餌容器をバッカンなどに引っ掛けて固定させることができる。
【0017】
(3)さらに、容器本体およびフランジ部は1枚のシートからなるものであり、容器本体の凹状部分はプレス加工により成形されたものであり、フランジ部の折り目に沿って下方へ折り曲げられる部分のうち、型取りされて下方へ折り曲げられない部分が連結用突起部となる構造により、複数の部材を使わずに、釣り餌容器を1枚のシートから製造することができるため、釣り餌容器の製造時におけるコスト削減を実現することができる。
【0018】
なお、本発明に係る釣り餌容器の製造方法によれば、本発明に係る釣り餌容器と同様の作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の釣り餌容器の実施形態を示す図であり、釣り餌容器の概略平面図である。
図2図1に示す釣り餌容器の概略底面図である。
図3】(A)は、図1に示す釣り餌容器の概略背面図であり、(B)は、図1に示す釣り餌容器の概略正面図である。
図4】(A)は、図1に示す釣り餌容器の概略左側面図であり、(B)は、図1に示す釣り餌容器の概略右側面図である。
図5】本発明の釣り餌容器を組み立てた実施形態を示す図であり、組み立てた釣り餌容器の概略平面図である。
図6図5に示す釣り餌容器の概略底面図である。
図7】(A)は、図5に示す釣り餌容器の概略背面図であり、(B)は、図5に示す釣り餌容器の概略左側面図である。
図8】本発明の釣り餌容器にフィルムを貼った実施形態を示す図であり、フィルムを貼った釣り餌容器の概略平面図である。
図9】本発明の釣り餌容器を連結させた実施形態を示す図であり、連結させた釣り餌容器の概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施形態の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を変更しない限り、以下の内容に限定されない。
【0021】
[釣り餌容器]
図1~4は、本発明の釣り餌容器の実施形態を示す図である。図1の概略平面図に示すように、本発明に係る釣り餌容器1は、容器本体10と、フランジ部20とを有する。
【0022】
[容器本体]
容器本体10は、図1の概略平面図、図3(A)の概略背面図、図3(B)の概略正面図、図4(A)の概略左側面図、および図4(B)の概略右側面図などで示されるように、釣り餌を収納するために凹状に形成されている。本実施形態において、凹状の深さは約3cmmである。
また、容器本体10は上部が開口しており、平面視四角形状である(図1参照)。
【0023】
容器本体10は平面視四角形状であるため、四隅の角C1,C2,C3,C4を有する。そして、その四隅の角C1~C4のうちの一つは、平面視において鈍角となっている。例えば、本実施形態において、角C2~C4は直角となっているが、角C1は鈍角(約135度)となっている。
【0024】
また、他の角(角C2~C4)は垂直方向に対して直角(略直角)に形成されているが、角C1は、当該他の角よりも緩やかな傾斜となっている。具体的には、図3(A),図4(A)などに示されるように、角C1は底部が丸まった形状、つまり角C1の底部は滑らかな円弧状となっている。
【0025】
よって、釣り人はそこ(角C1)から容器本体10に収納されている釣り餌を傷付けずに、指でスライドさせて取り出すことができる。
もし、釣り人が他の角(角C2~C4)から釣り餌を取り出す場合、指に力を入れて釣り餌を押さえ付け、釣り餌をスライドさせつつ垂直の壁を昇らせて取り出す必要がある。そのため、釣り餌に非常に強い力が加わり、釣り餌の一部を欠損させてしまうおそれがある。一方、上述したような角C1の構成であれば鋭角な部分がないため、釣り餌に必要以上に強い力を加えずに釣り餌を取り出すことができる。
【0026】
なお、容器本体10に収納される釣り餌は、白エビ、オキアミ、キビナゴなどである。
【0027】
特に、白エビは頭が取れてしまうと魚が食い付かなくなるため、釣り餌を傷付けずに取り出すことは非常に重要である。白エビは、頭が付いている状態で、水中でまるで踊っているように操ることで魚が食い付きやすくなる。
【0028】
また、鮮度が悪い釣り餌は、容器から取り出す際に欠損しやすいものである。例えば、一度冷凍されて、釣り餌の加工場まで運搬され、さらに当該加工場で解凍・加工された後、再度冷凍される(二次冷凍される)ことで製造される釣り餌は、どうしても鮮度が悪くなる。
【0029】
よって、このような釣り餌を収納する場合であっても、釣り餌に必要以上に強い力を加えずに取り出すことができるため、釣り餌を欠損させてしまうおそれはない。
【0030】
[フランジ部]
また、フランジ部20は、容器本体10上部の四辺からそれぞれ水平方向に伸びて形成された面である。本実施形態において、容器本体10の上辺に形成されているものをフランジ部21、左辺に形成されているものをフランジ部22、下辺に形成されているものをフランジ部23、右辺に形成されているものをフランジ部24と言う(図1参照)。
【0031】
フランジ部20には、バッカン(図示せず)などの隅に引っ掛けるための引っ掛け用突起部50が設けられている。本実施形態において、引っ掛け用突起部50は、フランジ部21に3つ、フランジ部22に1つ設けられている(図1~4参照)。
【0032】
なお、本実施形態においては、図1の概略平面図、図2の概略底面図、図3(A)の概略背面図、および図4(A)の概略左側面図などで示されるように、フランジ部20(21,22)の一部をプレス加工により下方へ凹ませることにより、引っ掛け用突起部50が形成されている。
【0033】
また、フランジ部20には、釣り餌容器1同士を連結させるための連結用突起部30および連結用切り込み部31が設けられている(図1参照)。本実施形態においては、フランジ部21に連結用突起部30が2つ設けられている。また、フランジ部23に連結用切り込み部31が2つ設けられている。
【0034】
なお、容器本体10上部の一辺に形成されたフランジ部20と、当該一辺と隣り合う別の一辺に形成されたフランジ部20には、それぞれ折り目Bが設けられている。本実施形態においては、フランジ部21およびフランジ部22にそれぞれ折り目Bが設けられている(図1参照)。
【0035】
そして、フランジ部20(21,22)の一部は、折り目Bに沿って下方へ折り曲げられる。つまり、フランジ部20(21,22)は、折り目Bに沿って下方へ折り曲げられる部分20A(21A,22A)を含む。
【0036】
さらに、この折り目Bが設けられているフランジ部20(21,22)には、折り曲げられる部分20A(21A,22A)の端部に突起部40と切り込み部41がそれぞれ設けられている。本実施形態においては、フランジ部21の折り曲げられる部分21Aの端部に突起部40が設けられており、フランジ部22の折り曲げられる部分22Aの端部に切り込み部41が設けられている(図1参照)。
【0037】
[組み立て]
図5~7は、本発明の釣り餌容器を組み立てた実施形態を示す図である。ここで、図1~4に基づいて説明した構成と同じ構成については、同じ符号を付して詳細な説明を省略する。また、組み立てられた釣り餌容器の、正面図および右側面図の記載は省略する。
【0038】
上述したように、フランジ部20(21,22)の折り曲げられる部分20A(21A,22A)には折り目Bが設けられている。そのため、折り曲げられる部分20A(21A,22A)は、折り目Bから下方へ折り曲げられ、切り込み部41に突起部40が挿入して係合する(図5~7の点線枠参照)。
【0039】
そして、この一部が折り曲げられたフランジ部21,22が、バッカン(図示せず)などの隅に引っ掛けられる。ここで、図6に示すようにフランジ部21,22には引っ掛け用突起部50が設けられており、引っ掛け用突起部50は組み合立てた際に内側へ向かって突出しているため、これがバッカンなどに引っ掛かって釣り餌容器1がしっかりと固定される。
【0040】
例えば、釣り人が岩場といった足場が不安定なところ、傾斜しているところ、または船の上など揺れるところで釣りを行う場合、釣り餌容器を単にその辺りに置いておくだけでは、滑って川や海に落ちるおそれや、傾いたりひっくり返ったりして釣り餌がこぼれる(散乱する)おそれがある。そこで、釣り人は組み立てた釣り餌容器1のフランジ部(フランジ部21,22)をバッカンなどに引っ掛けて、固定させることができる。
【0041】
若しくは、上記例示した場所以外の安定したところで釣りを行う場合は、釣り人は組み立てずに(下方へ折り曲げられる部分を折り曲げずに)そのまま釣り餌容器を利用することもできる。このように、釣り餌容器1は、釣り人が釣りを行う場所に応じて、組み立てて使ったり、組み立てずに使ったりすることができる。
【0042】
なお、図8は、本発明の釣り餌容器にフィルムを貼った実施形態を示す図である。図8に示すように、釣り餌容器1は組み立てられ、容器本体10の凹状部分に釣り餌が収納される。そして、容器本体10の上部の開口面にフィルムFが貼られて封止される。
【0043】
[連結]
また、本実施形態においては、フランジ部21の折り曲げられる部分21Aに連結用突起部30が設けられているが、この連結用突起部30は、折り曲げられる部分21Aに、折り目Bから先(外側)の部分が型抜きされることにより形成されている(図1,5参照)。
つまり、図1に示す連結用突起部30の外周に沿って突起形状が型抜きされており、折り曲げられる部分21Aを下方へ折り曲げると、図5に示すようにその部分(型抜きされた突起形状の部分)は折り曲げられずに残る。
【0044】
このように、連結用突起部30は、折り曲げられずに残る突起形状であるため、連結用突起部30を別の釣り餌容器1の連結用切り込み部31に挿入することで、2つの釣り餌容器1を連結させることができる。
【0045】
例えば、図9は本発明の釣り餌容器を連結させた実施形態を示す図である。図9に示すように、フィルムFが貼られた釣り餌容器1(1A)の連結用切り込み部31に、フィルムFが貼られていない釣り餌容器1(1B)の連結用挿入部30が挿入されることで、2つの釣り餌容器1(1A,1B)が連結される。この際、釣り容器1A,1Bは、組み立てられていない状態(図1~4参照)と組み立てられた状態(図5~7参照)のどちらの状態でも連結することができる。
【0046】
もちろん、釣り餌容器1Aの連結用切り込み部41から釣り餌容器1Bの連結用挿入部40を取り外すことで、釣り餌容器1A,1Bの連結を解除することができる。
【0047】
このように、釣り餌容器1は別の釣り餌容器1と連結することができるため、
・大粒の餌が収納された釣り餌容器と、小粒の餌が収納された釣り餌容器
のように、餌のサイズが異なるものを連結して販売することができる。
【0048】
また、
・白エビが収納された釣り餌容器と、キビナゴが収納された釣り餌容器
のように、餌の種類が異なるものを連結して販売することができる。
【0049】
そして、釣り餌容器1同士の連結および連結解除は自由に行うことができるため、業者は販売時に複数の釣り餌容器1を連結させて販売することができ、釣り人は購入後に連結解除(切り離し)して、それぞれの釣り餌容器1に収納された釣り餌を個別に使用することができる。
【0050】
[釣り餌容器の製造方法]
以下、図1~7に基づいて、本発明の釣り餌容器の製造方法を説明する。
【0051】
まず、釣り餌容器1が形成される1枚のシート(プラスチックシート)を切り出す(外周を型抜きする)。
【0052】
次に、容器本体10の凹状部分をプレス加工により成形する。この際、容器本体10の四隅の角C1~C4のうちの一つ(例えば、角C1)は、平面視において鈍角となるように成形する。また、角C1の底部は、滑らかな円弧状(丸まった形状)となるように成形する。
【0053】
同時に、容器本体10上部の四辺にフランジ部20(21~24)をそれぞれ形成する。
【0054】
それから、フランジ部21には折り目Bを入れて、連結用突起部30、突起部40、引っ掛け用突起部50などを成形する。
【0055】
一方、フランジ部22にも折り目Bを入れて、切り込み部41、引っ掛け用突起部50などを成形する。
【0056】
なお、フランジ部23には、連結用切り込み部31を成形する。
【0057】
このような手順により、本実施形態の釣り餌容器1が製造される。釣り餌容器1は1枚のシートのみから製造されるため、製造者にとっても大きなコスト削減を実現することができる。
【0058】
また、当該シートにバイオマスプラスチックを用いることで、土中や水中で分解される釣り餌容器を製造することができる。釣りは、主に川岸や海岸などで楽しまれるが、残念ながら、空の釣り餌容器をその場にポイ捨てする釣り人も存在する。そのため、バイオマスプラスチックからなる釣り餌容器であれば、このようにポイ捨てされた場合であっても土中や水中で分解されるため、魚や動物が食べることもなく、プラスチックごみとして海洋に残り続けることもなく、環境にも優しい。
【0059】
特に、近年は持続可能な開発目標(SDGs)として、「海の豊かさを守ろう(目標14)」や「陸の豊かさも守ろう(目標15)」といった、環境に対する取り組みが世界規模で進められている。
【0060】
以上のように説明した釣り餌容器1および釣り餌容器1の製造方法は、本発明に係る釣り餌容器および釣り餌容器の製造方法を例示するものであり、本発明の趣旨を逸脱しない限り、本発明の構成は例示したものに限定されない。
【0061】
例えば、設けられる連結用突起部30および連結用突起部切り込み部31の数や位置は、適宜設計変更することができる。また、設けられる引っ掛け用突起部50の数や位置も、適宜設計変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明に係る釣り餌容器などは、釣り餌を傷めずに取り出しやすく、かつ様々なサイズまたは種類の釣り餌を収納することができるなど、より利便性の高い釣り餌容器などとして利用することができるため、産業上有用である。
【符号の説明】
【0063】
1 釣り餌容器
10 容器本体
20,21,22,23,24 フランジ部
20A,21A,22A フランジ部の折り曲げられる部分
30 連結用突起部
31 連結用切り込み部
40 突起部
41 切り込み部
50 引っ掛け用突起部
C1,C2,C3,C4 容器本体の角
B 折り目
F フィルム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9