(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059172
(43)【公開日】2024-05-01
(54)【発明の名称】電流増幅回路の広帯域化回路
(51)【国際特許分類】
H03F 1/42 20060101AFI20240423BHJP
H03F 1/34 20060101ALI20240423BHJP
H03F 3/68 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
H03F1/42
H03F1/34
H03F3/68
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022166685
(22)【出願日】2022-10-18
(71)【出願人】
【識別番号】000128094
【氏名又は名称】株式会社エヌエフホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】弁理士法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】曽布川 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】上村 勇仁
(72)【発明者】
【氏名】田守 建
【テーマコード(参考)】
5J500
【Fターム(参考)】
5J500AA01
5J500AA42
5J500AC54
5J500AC62
5J500AF08
5J500AF12
5J500AF15
5J500AF17
5J500AH25
5J500AH29
5J500AH33
5J500AH35
5J500AH37
5J500AK01
5J500AK03
5J500AK23
5J500AK27
5J500AM12
5J500AM13
5J500AT03
5J500ND00
5J500NM02
5J500NM04
5J500NN14
(57)【要約】
【課題】電流増幅回路の広帯域化を図ることができる、電流増幅回路の広帯域化回路を提供する。
【解決手段】電流増幅回路の出力をA倍(A=0を除く)した信号を補償容量Czの一端に与え、補償容量Czの他端を電流増幅回路の入力に接続することによって正帰還をかける電流増幅回路の広帯域化回路において、全帰還容量をCf
Tとし、定数をKとするとき、|A|・Cz=K・Cf
Tにおいて0<K<1とする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電流増幅回路の出力をA倍(A=0を除く)した信号を補償容量Czの一端に与え、
前記補償容量Czの他端を前記電流増幅回路の入力に接続することによって正帰還をかける回路において、
全帰還容量をCfTとし、定数をKとするとき、
|A|・Cz=K・CfTにおいて0<K<1とする、電流増幅回路の広帯域化回路。
【請求項2】
増幅率がA倍の反転増幅回路Uiの入力を前記電流増幅回路の非反転出力に接続し、
前記反転増幅回路Uiの出力を前記補償容量Czに接続し、
前記補償容量Czの他端を前記電流増幅回路の反転入力に接続することによって正帰還をかける、
又は、
増幅率がA倍の非反転増幅回路Unの入力を前記電流増幅回路の反転出力に接続し、
前記非反転増幅回路Unの出力を前記補償容量Czに接続し、
前記補償容量Czの他端を前記電流増幅回路の反転入力に接続することによって正帰還をかける、
又は、
前記電流増幅回路の反転出力を前記補償容量Czに接続し、
前記補償容量Czの他端を前記電流増幅回路の反転入力に接続することによって正帰還をかける、
又は、
増幅率がA倍の反転増幅回路Uiの入力を、前記電流増幅回路を構成する演算増幅器の段間の非反転信号に接続し、
前記反転増幅回路Uiの出力を前記補償容量Czに接続し、
前記非反転信号に対する前記電流増幅回路の出力の増幅率がn倍のとき増幅率Aを1/n倍とし、
前記補償容量Czの他端を前記電流増幅回路の反転入力に接続することによって正帰還をかける、
又は、
増幅率がA倍の非反転増幅回路Unの入力を、前記電流増幅回路を構成する演算増幅器の段間の反転信号に接続し、
前記非反転増幅回路Unの出力を前記補償容量Czに接続し、
前記反転信号に対する前記電流増幅回路の出力の増幅率がn倍のとき増幅率Aを1/n倍とし、
前記補償容量Czの他端を前記電流増幅回路の反転入力に接続することによって正帰還をかける、
又は、
前記電流増幅回路を構成する演算増幅器の段間の反転信号を前記補償容量Czに接続し、
前記反転信号に対する前記電流増幅回路の出力の増幅率がn倍のとき増幅率Aを1/nとし、
前記補償容量Czの他端を前記電流増幅回路の反転入力に接続することによって正帰還をかける、請求項1に記載の電流増幅回路の広帯域化回路。
【請求項3】
請求項2に記載の電流増幅回路の広帯域化回路において、
前記反転増幅回路Uiを有する場合、前記反転増幅回路Uiの出力と前記補償容量Czとの接続点の間にアッテネータを備え、
又は、
前記非反転増幅回路Unを有する場合、前記非反転増幅回路Unの出力と前記補償容量Czとの接続点の間にアッテネータを備え、
又は、
前記電流増幅回路を構成する演算増幅器の段間の反転信号と前記補償容量Czとの接続点の間にアッテネータを備えることによって、増幅率Aをさらに前記アッテネータの減衰率倍とする、請求項2に記載の電流増幅回路の広帯域化回路。
【請求項4】
前記アッテネータが、抵抗素子を用いたアッテネータ、容量素子を用いたアッテネータ、1次側巻線と2次側巻線が独立した絶縁トランス、又は中点タップを有するインダクタである、請求項3に記載の電流増幅回路の広帯域化回路。
【請求項5】
0.8≦K≦0.99とした、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電流増幅回路の広帯域化回路。
【請求項6】
帰還回路として、第1の抵抗と、第1のコンデンサと、バッファ増幅器と、第2の抵抗と第2のコンデンサの並列回路と、を備え、
前記電流増幅回路の出力側に前記第1の抵抗の一端が接続され、この第1の抵抗の他端に前記第1のコンデンサの一端と前記バッファ増幅器の入力側が接続され、前記第1のコンデンサの他端が交流的に接地され、前記バッファ増幅器の出力側に、前記並列回路の一端が接続され、前記並列回路の他端が前記電流増幅回路の入力側に接続され、前記第1の抵抗の抵抗値と前記第1のコンデンサの容量値の積を前記第2の抵抗の抵抗値と前記第2のコンデンサの容量値の積に等しくしたことを特徴とする、
前記帰還回路を帰還抵抗とすることによって、等価的に前記帰還抵抗の電極間容量をゼロとし、
前記全帰還容量CfTから前記帰還抵抗の電極間容量を差し引く、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電流増幅回路の広帯域化回路。
【請求項7】
0.8≦K≦0.99とした、請求項6に記載の電流増幅回路の広帯域化回路。
【請求項8】
帰還回路として、第1の抵抗と、第1のコンデンサと、第2の抵抗と第2のコンデンサの並列回路と、を備え、
前記電流増幅回路の出力側に前記第1の抵抗の一端が接続され、この第1の抵抗の他端に前記第1のコンデンサの一端と前記並列回路の一端が接続され、前記第1のコンデンサの他端が交流的に接地され、前記並列回路の他端が前記電流増幅回路の入力側に接続され、前記第1の抵抗の抵抗値と前記第1のコンデンサの容量値の積を前記第2の抵抗の抵抗値と前記第2のコンデンサの容量値の積に等しくしたことを特徴とする、
前記帰還回路を帰還抵抗とすることによって、等価的に前記帰還抵抗の電極間容量をゼロとし、
前記全帰還容量CfTから前記帰還抵抗の電極間容量を差し引く、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電流増幅回路の広帯域化回路。
【請求項9】
0.8≦K≦0.99とした、請求項8に記載の電流増幅回路の広帯域化回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電流増幅回路において、帰還容量を打ち消すことによって広帯域化を図るための回路に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1では、電流測定回路(電流増幅回路)の入力信号の配線等に生じる寄生容量等を打ち消すことによって、電流測定回路の低雑音化や広帯域化を図っている。
【0003】
特許文献2には、帰還抵抗の電極間容量を等価的にゼロにする帰還回路や、複数段の個別に帰還をかけた増幅回路を直列に接続する増幅器が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2016-102746号公報
【特許文献2】特開2013-066176号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電流増幅回路の入出力間には、意図的に付加する帰還容量以外に、帰還抵抗の電極間容量や、使用する演算増幅器の入出力間容量、その他の浮遊容量等が存在している。これらの容量の和を、全帰還容量CfTと呼ぶこととする。
【0006】
電流増幅回路の高域カットオフ周波数fcは、帰還抵抗をRfとすると、
【0007】
【0008】
と表すことができる。すなわち、全帰還容量CfTが一定であっても、電流増幅率を大きくするために帰還抵抗Rfを高抵抗にすると帯域が狭くなってしまう。このため、特に電流増幅率が高い電流増幅回路において、全帰還容量CfTをより小さくすることによって広帯域化する必要性が高い。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明はかかる課題を解決するため、電流増幅回路の出力をA倍(A=0を除く)した信号を補償容量Czの一端に与え、前記補償容量Czの他端を前記電流増幅回路の入力に接続することによって正帰還をかける回路において、全帰還容量をCfTとし、定数をKとするとき、|A|・Cz=K・CfTにおいて0<K<1とする、電流増幅回路の広帯域化回路を提供する。
【0010】
前記電流増幅回路の広帯域化回路では、増幅率がA倍の反転増幅回路Uiの入力を前記電流増幅回路の非反転出力に接続し、前記反転増幅回路Uiの出力を前記補償容量Czに接続し、前記補償容量Czの他端を前記電流増幅回路の反転入力に接続することによって正帰還をかける、又は、増幅率がA倍の非反転増幅回路Unの入力を前記電流増幅回路の反転出力に接続し、前記非反転増幅回路Unの出力を前記補償容量Czに接続し、前記補償容量Czの他端を前記電流増幅回路の反転入力に接続することによって正帰還をかける、又は、前記電流増幅回路の反転出力を前記補償容量Czに接続し、前記補償容量Czの他端を前記電流増幅回路の反転入力に接続することによって正帰還をかける、又は、増幅率がA倍の反転増幅回路Uiの入力を、前記電流増幅回路を構成する演算増幅器の段間の非反転信号に接続し、前記反転増幅回路Uiの出力を前記補償容量Czに接続し、前記非反転信号に対する前記電流増幅回路の出力の増幅率がn倍のとき増幅率Aを1/n倍とし、前記補償容量Czの他端を前記電流増幅回路の反転入力に接続することによって正帰還をかける、又は、増幅率がA倍の非反転増幅回路Unの入力を、前記電流増幅回路を構成する演算増幅器の段間の反転信号に接続し、前記非反転増幅回路Unの出力を前記補償容量Czに接続し、前記反転信号に対する前記電流増幅回路の出力の増幅率がn倍のとき増幅率Aを1/n倍とし、前記補償容量Czの他端を前記電流増幅回路の反転入力に接続することによって正帰還をかける、又は、前記電流増幅回路を構成する演算増幅器の段間の反転信号を前記補償容量Czに接続し、前記反転信号に対する前記電流増幅回路の出力の増幅率がn倍のとき増幅率Aを1/nとし、前記補償容量Czの他端を前記電流増幅回路の反転入力に接続することによって正帰還をかける、としてもよい。
【0011】
前記電流増幅回路の広帯域化回路では、上記の電流増幅回路の広帯域化回路において、前記反転増幅回路Uiを有する場合、前記反転増幅回路Uiの出力と前記補償容量Czとの接続点の間にアッテネータを備え、又は、前記非反転増幅回路Unを有する場合、前記非反転増幅回路Unの出力と前記補償容量Czとの接続点の間にアッテネータを備え、又は、前記電流増幅回路を構成する演算増幅器の段間の反転信号と前記補償容量Czとの接続点の間にアッテネータを備えることによって、増幅率Aをさらに前記アッテネータの減衰率倍とする、としてもよい。
【0012】
前記電流増幅回路の広帯域化回路では、前記アッテネータが、抵抗素子を用いたアッテネータ、容量素子を用いたアッテネータ、1次側巻線と2次側巻線が独立した絶縁トランス、又は中点タップを有するインダクタである、としてもよい。
【0013】
前記電流増幅回路の広帯域化回路では、帰還回路として、第1の抵抗と、第1のコンデンサと、バッファ増幅器と、第2の抵抗と第2のコンデンサの並列回路と、を備え、前記電流増幅回路の出力側に前記第1の抵抗の一端が接続され、この第1の抵抗の他端に前記第1のコンデンサの一端と前記バッファ増幅器の入力側が接続され、前記第1のコンデンサの他端が交流的に接地され、前記バッファ増幅器の出力側に、前記並列回路の一端が接続され、前記並列回路の他端が前記電流増幅回路の入力側に接続され、前記第1の抵抗の抵抗値と前記第1のコンデンサの容量値の積を前記第2の抵抗の抵抗値と前記第2のコンデンサの容量値の積に等しくしたことを特徴とする、前記帰還回路を帰還抵抗とすることによって、等価的に前記帰還抵抗の電極間容量をゼロとし、前記全帰還容量CfTから前記帰還抵抗の電極間容量を差し引く、としてもよい。
【0014】
前記電流増幅回路の広帯域化回路では、帰還回路として、第1の抵抗と、第1のコンデンサと、第2の抵抗と第2のコンデンサの並列回路と、を備え、前記電流増幅回路の出力側に前記第1の抵抗の一端が接続され、この第1の抵抗の他端に前記第1のコンデンサの一端と前記並列回路の一端が接続され、前記第1のコンデンサの他端が交流的に接地され、前記並列回路の他端が前記電流増幅回路の入力側に接続され、前記第1の抵抗の抵抗値と前記第1のコンデンサの容量値の積を前記第2の抵抗の抵抗値と前記第2のコンデンサの容量値の積に等しくしたことを特徴とする、前記帰還回路を帰還抵抗とすることによって、等価的に前記帰還抵抗の電極間容量をゼロとし、前記全帰還容量CfTから前記帰還抵抗の電極間容量を差し引く、としてもよい。
【0015】
前記電流増幅回路の広帯域化回路では、0.8≦K≦0.99とした、としてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、全帰還容量CfTを等価的により小さくすることができるので、電流増幅回路の広帯域化を図ることができる。この効果は、電流増幅率が大きい電流増幅回路において、特に有効である。
【0017】
また、本発明は、電流増幅回路そのものの出力、あるいは、複数段からなる増幅器の途中の出力から、補償容量を介して電流入力に帰還をかけているので、帰還容量を打ち消して広帯域化する効果を有する。一方、特許文献1では、その入力に差動入力の増幅器を用いており、一方の入力が電流測定入力になっていて、他方の入力から寄生容量に対して帰還をかけている。したがって、上記効果は、特許文献1には何の記載もまた示唆もない顕著な効果である。
【0018】
また、本発明は、特許文献2に開示されている直列に接続した複数の増幅回路を演算増幅器Uとして用いる回路や、等価的に電極間容量をゼロにすることが可能な帰還回路と併用することによって、さらに効果的に電流増幅回路の広帯域化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】演算増幅器Uを用いた従来技術の一般的な電流増幅回路あるいは電流電圧変換回路の基本的な回路構成を示す図である。
【
図2】本発明の好適な実施形態に係る、全帰還容量Cf
Tを打ち消すための基本回路の回路構成を示す図である。
【
図3】本発明の好適な実施形態に係る、使用する演算増幅器Uが差動出力を有している場合の、別の基本回路の回路構成を示す図である。
【
図4】本発明の好適な実施形態に係る、アッテネータATを追加した、基本回路の回路構成を示す図である。
【
図5】(A)はアッテネータの図記号、(B)~(D)は一般的に用いられる抵抗素子を用いたアッテネータの例、(E)~(G)は容量素子を用いるアッテネータの例、(H)は1次側巻線と2次側巻線が独立した絶縁トランスのアッテネータの例、(I)と(J)は中点タップを有するインダクタのアッテネータの例を示す図である。
【
図6】(A)~(C)は、増幅器を構成する複数の増幅回路の途中から正帰還をかけることによって全帰還容量Cf
Tを打ち消す回路構成を示す図である。
【
図7】(A)および(B)は、等価的に帰還抵抗の電極間容量をゼロにする帰還回路を併用した回路構成を示す図である。
【
図8】本発明の効果を、シミュレーションによる振幅周波数特性によって確認した例を示すグラフ図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。ただし、本発明は、以下の記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載され、または、発明を実施するための形態に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能である。そのような変形や変更もまた、本発明の範囲に含まれる。
【0021】
なお本発明においては原則として、「増幅器」は増幅機能を有する単独の機能ブロックを指し、「増幅回路」は増幅器や受動素子等の組み合わせによって全体として増幅機能を有する機能ブロックを指すこととする。
【0022】
<1.全帰還容量CfTを打ち消すための基本回路>
【0023】
図1に、演算増幅器Uを用いた従来技術の一般的な電流増幅回路あるいは電流電圧変換回路の基本的な回路構成を示す。上述のとおり、Cf
Tは全帰還容量、Rfは帰還抵抗である。
【0024】
図1の電流増幅回路では、Voutを電流増幅回路の出力電圧、Iinを電流増幅回路の入力電流、Rfを帰還抵抗とすると、低周波数域においては、
【0025】
【0026】
となり、電流増幅回路の高域カットオフ周波数fcは、
【0027】
【0028】
となる。
【0029】
図2には、全帰還容量Cf
Tを打ち消すための、本発明の基本回路の回路構成を示す。Uiは反転増幅回路であり、その増幅率をA(A=0を除く)とする。Czは補償容量である。
【0030】
増幅率がA倍の反転増幅回路Uiの入力を電流増幅回路の非反転出力に接続し、反転増幅回路Uiの出力を補償容量Czに接続し、補償容量Czの他端を電流増幅回路の反転入力に接続することによって正帰還をかけている。増幅率Aは負の値である。
【0031】
出力信号を反転増幅回路Uiで反転した上で、補償容量Czを経由して演算増幅器Uの反転入力に与えているので、この打ち消し回路は正帰還をかけていることになる。
【0032】
理論的には、
【0033】
【0034】
となるようにすれば、CfTを完全に打ち消すことができるが、実際には電流増幅回路が発振してしまう。よって実際的には、定数Kを用いて、
【0035】
【0036】
とする必要がある。Kが1に近づくほど打ち消し効果が大きくなるが、発振する可能性が高くなる。このため、実用的には、K=0.8(全帰還容量CfTを8割打ち消して、CfTが2割の容量になったように見える)からK=0.99(全帰還容量CfTの99%を打ち消し、CfTの容量が1%になったように見える)程度が好ましいが、これに限定するものではない。
【0037】
例えば、
図1において帰還抵抗Rf=10GΩ、Cf
T=0.1pFのとき、fc≒158Hzとなる。同じ定数の
図2において、|A|=1、Cz=0.09pFとすると、定数K=0.9となり、等価的にCf
T=0.01pFに見えるようになる結果、fc≒1.58kHzとなり、10倍の広帯域化を実現することができる。
【0038】
図3は、使用する演算増幅器Uが差動出力(非反転出力と反転出力)を有している場合の、本発明の別の基本回路の回路構成を示す。反転出力を用いるため、反転増幅回路Uiに代えて非反転増幅回路Unを用いている。
【0039】
増幅率がA倍の非反転増幅回路Unの入力を電流増幅回路の反転出力に接続し、非反転増幅回路Unの出力を補償容量Czに接続し、補償容量Czの他端を電流増幅回路の反転入力に接続することによって正帰還をかけている。増幅率Aは正の値である。
【0040】
図3において、非反転増幅回路Unを省略して直結することも可能であり、この場合は|A|=1として式(5)を適用することができ、他は
図2と同様である。この場合、電流増幅回路の反転出力を補償容量Czに接続し、補償容量Czの他端を電流増幅回路の反転入力に接続することによって正帰還をかけている。非反転増幅回路Unが括弧で囲まれているのは、このようにUnを省略して直結することが可能であることを示している。
【0041】
以降では、原則として、使用する演算増幅器Uが差動出力を有している場合の回路の例示は省略するが、演算増幅器Uの出力Voutから反転増幅回路Uiを介して補償容量Czに接続している場合は、演算増幅器Uの反転出力を用いることによって反転増幅回路Uiを省略することが可能である。
【0042】
<2.アッテネータを用いる変形回路>
【0043】
前述の例のように|A|=1とし、補償容量Czとして0.09pFのキャパシタを用いると、現実的にはそのようなキャパシタは入手性が悪いか入手不可能であり、また現実に入手できてもキャパシタの容量誤差が大きく、また容量値そのものが小さいため相対的に浮遊容量等の影響も受けやすくなる。このような問題を避けるためには、UiやUnの増幅率Aの絶対値を小さくすればよい。
【0044】
増幅率Aの絶対値を小さくするためには、一例として
図4のように、反転増幅回路Uiと補償容量Czの間にアッテネータATを追加すればよい。なお、使用する演算増幅器Uが差動出力を有している場合は、非反転増幅回路Unを用いるか、演算増幅器Uの出力を直接、アッテネータATの入力に接続すればよい。
【0045】
図4は、一例として、前述の
図2に対して反転増幅回路Uiと補償容量Czの間にアッテネータATを追加した回路であるが、補償容量Czを備える本発明の全ての電流増幅回路において、アッテネータATを追加可能である。
【0046】
例えば、1/100に減衰するアッテネータATを用い、反転増幅回路Uiの増幅率が-1倍であれば、|A|=0.01として式(5)を適用することができる。
【0047】
これを言い換えると、電流増幅回路の出力Voutを|A|倍した電圧が、帰還容量Czの一端に与えられている、ということができる。このことは、本発明全体に渡って同様である。
【0048】
一例として、前述の
図2の例と同様、帰還抵抗Rf=10GΩ、Cf
T=0.1pFのときを考える。|A|=0.009となるアッテネータATを用い、Cz=10pFとすると、定数K=0.9となり、等価的にCf
T=0.01pFに見えるようになる。この結果、
図2の例と同様にfc≒1.58kHzとなって、10倍の広帯域化を実現することができる。補償容量Czとして10pFのキャパシタを用いれば、容量誤差の小さなキャパシタを容易に入手できる上、浮遊容量等の影響も受けにくくなる。
【0049】
なお、本発明におけるアッテネータATは、直列に補償容量Czが接続されているので、直流で動作する必要がなく、交流で動作すれば足りるため、アッテネータの回路形式はより柔軟に選択可能である。
【0050】
アッテネータを
図5(A)のように表す。一般的に用いられる抵抗素子を用いたアッテネータの例として、
図5(B)~(D)のような回路形式が挙げられ、この場合は直流でも動作する。
【0051】
また、交流で動作するアッテネータに関しては、容量素子を用いるアッテネータの例として、
図5(E)~(G)のような回路形式も採用可能である。さらに、
図5(H)のような1次側巻線と2次側巻線が独立した絶縁トランスや、
図5(I)や
図5(J)のような中点タップを有するインダクタも、アッテネータとして使用することが可能である。
【0052】
本発明におけるアッテネータATは、これらも全て含むこととする。
【0053】
なお、
図5(H)の場合は、1次側巻線と2次側巻線の巻線方向を逆にすれば、入出力の関係を反転させることができるので、反転増幅回路Uiを省略できたり、反転増幅回路Uiの代わりに非反転増幅回路Unを用いることが可能である。
【0054】
また、
図5(J)の場合は入出力の関係が反転しているので、反転増幅回路Uiを省略できたり、反転増幅回路Uiの代わりに非反転増幅回路Unを用いることが可能である。
【0055】
<3.演算増幅器の段間から正帰還をかける変形回路>
【0056】
一例として特許文献2のように、直列に接続した複数の増幅回路を演算増幅器Uとして用いる場合は、
図6(A)~(C)のように、複数の増幅回路の途中から正帰還をかけることによって、同様に全帰還容量Cf
Tを打ち消すことができる。
【0057】
ここで、Ui’は反転増幅回路であり、Un’は非反転増幅回路であり、これらの直列接続によって演算増幅器Uが構成されている。演算増幅器Uを構成する反転増幅回路Ui’および非反転増幅回路Un’の個数は限定されず、帰還をかける段間の位置も限定されない。ただし、演算増幅器Uとして負帰還をかけるために、Uは全体として反転増幅回路とする必要があるため、Ui’の個数は奇数個である必要がある。
【0058】
図6(A)では、アッテネータATを省略する場合、増幅率がA倍の反転増幅回路Uiの入力を、電流増幅回路を構成する演算増幅器Uの段間の非反転信号に接続し、反転増幅回路Uiの出力を補償容量Czに接続し、非反転信号に対する電流増幅回路の出力の増幅率がn倍のとき増幅率Aを1/n倍とし、補償容量Czの他端を電流増幅回路の反転入力に接続することによって正帰還をかけている。増幅率Aは負の値である。アッテネータATを備える場合は、反転増幅回路Uiの出力と補償容量Czとの接続点の間に設けることによって、増幅率AをアッテネータATの減衰率倍とすることができる。
【0059】
図6(A)において、一例として、Ui’の増幅率の絶対値を40dB(100倍)、Un’の増幅率を60dB(1000倍)とする。この場合、Ui’、Un’とUiの接続点の信号振幅は、Voutの信号振幅の1/1000になるので、Uiの増幅率Aの絶対値が等価的に1/1000(0.001倍)となる。すなわち、1/1000のアッテネータを備えていることと等価になる。このため、
図6(A)の例では、アッテネータATを省略可能な場合も多い。以降の図の中で、アッテネータATが括弧に囲まれている場合は、アッテネータATを省略可能なことを示している。
【0060】
図6(B)は
図6(A)と比較すると、1段目がUn’、2段目がUi’と入れ替わっている。このため、Uiに代えて非反転増幅回路Unを用いており、Unの増幅率もAと表す。実際的には、反転増幅回路Uiの増幅率は負であり、非反転増幅回路Unの増幅率は正である。
【0061】
図6(B)では、アッテネータATを省略する場合、増幅率がA倍の非反転増幅回路Unの入力を、電流増幅回路を構成する演算増幅器Uの段間の反転信号に接続し、非反転増幅回路Unの出力を補償容量Czに接続し、反転信号に対する電流増幅回路の出力の増幅率がn倍のとき増幅率Aを1/n倍とし、補償容量Czの他端を電流増幅回路の反転入力に接続することによって正帰還をかけている。増幅率Aは正の値である。アッテネータATを備える場合は、非反転増幅回路Unの出力と補償容量Czとの接続点の間に設けることによって、増幅率AをアッテネータATの減衰率倍とすることができる。
【0062】
一例として、Un’の増幅率を60dB(1000倍)、Ui’の増幅率の絶対値を40dB(100倍)とする。この場合、Un’、Ui’とUiの接続点の信号振幅の絶対値はVoutの信号振幅の絶対値の1/100になるので、Unの増幅率が等価的に1/100(0.01倍)となる。このため、
図6(B)の例でも、アッテネータATを省略可能な場合も多い。さらに、Unの実際の増幅率が1でよい場合は、Unを省略可能である。
図6(B)において、非反転増幅回路Unを省略した場合の回路を、
図6(C)に示す。
【0063】
図6(C)では、アッテネータATを省略する場合、電流増幅回路を構成する演算増幅器Uの段間の反転信号を補償容量Czに接続し、反転信号に対する電流増幅回路の出力の増幅率がn倍のとき増幅率Aを1/n倍とし、補償容量Czの他端を電流増幅回路の反転入力に接続することによって正帰還をかけている。アッテネータATを備える場合は、非反転増幅回路Unの出力と補償容量Czとの接続点の間に設けることによって、増幅率AをアッテネータATの減衰率倍とすることができる。
【0064】
特許文献2では、直列に接続した3以上の増幅回路を演算増幅器Uとして用いる例も示されているが、同様に適用することが可能である。
【0065】
ここでは、特許文献2の例のように、直列に接続した複数の増幅回路を用いる場合を例示したが、これに限定するものではない。一例として、ディスクリート素子で構成する演算増幅器の段間から信号を取り出すことができる場合や、演算増幅器IC内部の増幅段間から信号を取り出すことができる端子を有している場合などには、
図6(A)~(C)と同様の回路構成とすることができる。
【0066】
<4.等価的に電極間容量をゼロにする帰還回路を併用する回路>
【0067】
意図的に付加する帰還容量Cfがないとき、全帰還容量CfTは、帰還抵抗Rfの電極間容量と、演算増幅器Uの出力と反転入力間の容量(浮遊容量を含む)である。
【0068】
特許文献2には、等価的に電極間容量をゼロにすることが可能な帰還回路が記載されている。詳細は、特許文献2の
図10(a)~(c)と
図11(a)と(b)、及び第6の実施の形態の説明を参照されたい。当該帰還回路を用いれば、全帰還容量Cf
Tのうち、帰還抵抗Rfの電極間容量を等価的にゼロにすることができる。即ち、全帰還容量Cf
Tを演算増幅器Uの出力と反転入力間の容量(浮遊容量を含む)だけに減少させることができる。
【0069】
前述の
図2の基本回路に対して、特許文献2の
図10(b)相当の帰還回路を併用する例を
図7(A)に示し、特許文献2の
図10(c)相当の帰還回路を併用する例を
図7(B)に示す。
【0070】
図7(A)では、帰還回路として、第1の抵抗Rfaと、第1のコンデンサCfaと、バッファ増幅器x1と、第2の抵抗Rfbと第2のコンデンサCfbの並列回路と、を備え、電流増幅回路の出力側に第1の抵抗Rfaの一端が接続され、この第1の抵抗Rfaの他端に第1のコンデンサCfaの一端とバッファ増幅器x1の入力側が接続され、第1のコンデンサCfaの他端が交流的に接地され、バッファ増幅器x1の出力側に、並列回路の一端が接続され、並列回路の他端が電流増幅回路の入力側に接続され、第1の抵抗Rfaの抵抗値と第1のコンデンサCfaの容量値の積を第2の抵抗Rfbの抵抗値と第2のコンデンサCfbの容量値の積に等しくしたことを特徴とする、帰還回路を帰還抵抗Rfとすることによって、等価的に帰還抵抗Rfの電極間容量をゼロとし、全帰還容量Cf
Tから帰還抵抗Rfの電極間容量を差し引くことができる。
【0071】
図7(A)においてRfbは、
図1~
図4や
図6における帰還抵抗Rfの抵抗成分であり、Cfbは帰還抵抗Rfの容量成分(電極間容量)である。抵抗Rfa、容量Cfaは追加する回路素子であり、一般的にはRfa≪Rfb、Cfa≫Cfbに選択される。x1と記載されている三角記号は、バッファアンプであり、その増幅率は、1に等しいか、1よりもわずかに小さい程度である。ここで、バッファアンプx1の増幅率が1のとき、
【0072】
【0073】
となるようにCfaとRfaを選択又は調整すれば、等価的に電極間容量をゼロにすることが可能な帰還回路となる。
【0074】
なおバッファアンプの増幅率がAb(バッファアンプにアッテネータを併用してもよく、1よりも大きくても小さくてもよい)のときや、バッファアンプの代わりに減衰率がAb(1よりも小さい)のアッテネータを用いる場合も、式(6)のようにCfaとRfaを選択又は調整すれば、等価的に電極間容量をゼロにすることが可能な帰還回路となる。ただし、この場合、Rfbの抵抗値は等価的に1/Abになるので、電流増幅回路の電流増幅率が1/Abになる。またアッテネータを用いる場合、アッテネータの抵抗値RATTは、Rfa≪RATT≪Rfbであることとする。
【0075】
ここで、Rfa≪Rfbであれば、バッファアンプx1を省略可能であり、この様子を
図7(B)に示す。
【0076】
図7(B)では、帰還回路として、第1の抵抗Rfaと、第1のコンデンサCfaと、第2の抵抗Rfbと第2のコンデンサの並列回路Cfbと、を備え、電流増幅回路の出力側に第1の抵抗Rfaの一端が接続され、この第1の抵抗Rfaの他端に第1のコンデンサCfaの一端と並列回路の一端が接続され、第1のコンデンサCfaの他端が交流的に接地され、並列回路の他端が電流増幅回路の入力側に接続され、第1の抵抗Rfaの抵抗値と第1のコンデンサCfaの容量値の積を第2の抵抗Rfbの抵抗値と第2のコンデンサCfbの容量値の積に等しくしたことを特徴とする、帰還回路を帰還抵抗Rfとすることによって、等価的に帰還抵抗Rfの電極間容量をゼロとし、全帰還容量Cf
Tから帰還抵抗Rfの電極間容量を差し引くことができる。
【0077】
図7(A)や
図7(B)では、
図2の基本回路に対して等価的に電極間容量をゼロにすることが可能な帰還回路を併用した例を示しているが、当該帰還回路は、帰還抵抗Rfを備えている全ての回路に対して、同様に併用可能である。
【0078】
本発明に対して、等価的に電極間容量をゼロにすることが可能な帰還回路を併用すれば、帰還抵抗の電極間容量がなくなったように見えるので、全帰還容量CfTは小さくなる。
【0079】
全帰還容量CfTが小さくなれば、本発明による帰還容量打ち消し効果を、より大きくすることが容易になる。
【0080】
一例として、等価的に電極間容量をゼロにすることが可能な帰還回路を併用しない場合に、全帰還容量CfTが0.15pFであり、その内訳が帰還抵抗Rfの電極間容量0.1pFと、演算増幅器Uの出力と反転入力間の容量等0.05pFであるとする。本発明による帰還容量打ち消しの定数K=0.97であるとすると、全帰還容量CfTが0.0045pF相当に打ち消される。
【0081】
これに対して、この例において等価的に電極間容量をゼロにすることが可能な帰還回路を併用すると、全帰還容量CfTは演算増幅器Uの出力と反転入力間の容量等0.05pFだけになる。本発明による帰還容量打ち消しの定数Kが同様に0.97であるとすると、全帰還容量CfTが0.0015pF相当となり、併用しない場合のさらに3倍程度の広帯域化が期待できる。また、K=0.91とすると、全帰還容量CfTが0.0045pF相当と、併用しない場合と同様になるが、定数Kを小さくできるので電流増幅回路が発振しにくくなるという効果を得ることもできる。
【0082】
意図的に帰還容量を付加しない場合は、帰還抵抗の電極間容量が全帰還容量CfTの主な成分である場合が多いので、この併用による効果は特に大きい。
【0083】
<5.本発明の効果を確認するためのシミュレーション結果>
【0084】
本発明の効果を、シミュレーションによる振幅周波数特性によって確認した例を、
図8に示す。
【0085】
プロットA~Fにおいて、入力電流=10pArms、帰還抵抗Rf=100GΩ、帰還抵抗Rfの電極間容量=0.1pF、その他の帰還容量=0.04pFである。
【0086】
プロットAでは、
図1相当の回路で本発明の適用がなく、カットオフ周波数fc≒11.5Hz、全帰還容量Cf
T=0.14pFである。
【0087】
プロットBでは、本発明の適用がなく、カットオフ周波数fc≒39.8Hz、
図7相当の帰還回路によって等価的に帰還抵抗Rfの電極間容量をゼロとして全帰還容量Cf
T=0.04pFとするが、本発明の正帰還による帰還容量の打ち消しがない。
【0088】
プロットCでは、
図2相当の回路で本発明の適用があり、カットオフ周波数fc≒115Hz、定数K=0.9によって、全帰還容量Cf
T=0.014pF相当である。
【0089】
プロットDでは、
図7相当の回路で本発明の適用があり、カットオフ周波数fc≒398Hz、等価的に帰還抵抗Rfの電極間容量をゼロとし、さらに定数K=0.9によって、全帰還容量Cf
T=0.004pF相当である。
【0090】
プロットEでは、
図2相当の回路で本発明の適用があり、カットオフ周波数fc≒1.15kHz、定数K=0.99によって、全帰還容量Cf
T=0.0014pF相当である。
【0091】
プロットFでは、
図7相当の回路で本発明の適用があり、カットオフ周波数fc≒4.37kHz、等価的に帰還抵抗Rfの電極間容量をゼロとし、さらに定数K=0.99によって、全帰還容量Cf
T=0.0004pF相当である。
【0092】
これらの結果から、下記を確認することができ、本発明の効果がより明らかになった。
【0093】
本発明の正帰還による帰還容量の打ち消しを行う場合(プロットCおよびE)、K=0.9では約10倍、K=0.99では約100倍の広帯域化を実現できている。
【0094】
本発明の正帰還による帰還容量の打ち消しを行い、さらに等価的に帰還抵抗Rfの電極間容量をゼロとする帰還回路を併用した場合(プロットDおよびF)は、併用しない場合に対して約3.5倍の広帯域化を実現できている。この3.5倍は、全帰還容量CfTの0.14pFと0.04pFの比によるものである。
【符号の説明】
【0095】
A 増幅率
Cz 補償容量
CfT 全帰還容量
U 演算増幅器
Ui 反転増幅回路
Un 非反転増幅回路
AT アッテネータ
Rf 帰還抵抗
Rfa 第1の抵抗
Cfa 第1のコンデンサ
Rfb 第2の抵抗
Cfb 第2のコンデンサ
x1 バッファ増幅器