(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059174
(43)【公開日】2024-05-01
(54)【発明の名称】天板付き什器
(51)【国際特許分類】
A47B 13/02 20060101AFI20240423BHJP
A47B 13/00 20060101ALI20240423BHJP
A47B 13/08 20060101ALI20240423BHJP
A47B 7/00 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
A47B13/02
A47B13/00 Z
A47B13/08 A
A47B7/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022166688
(22)【出願日】2022-10-18
(71)【出願人】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
(72)【発明者】
【氏名】大川 航平
(72)【発明者】
【氏名】千田 啓資
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 徹
(72)【発明者】
【氏名】繁田 佳祐
【テーマコード(参考)】
3B053
【Fターム(参考)】
3B053NP02
3B053NP07
3B053NQ02
3B053NQ07
3B053NQ10
3B053NR00
3B053NR01
3B053PA00
3B053PA03
3B053PC02
(57)【要約】
【課題】天板を備えた什器において、部品点数が多く組立に手間がかかるという問題を解消して構造の簡略化を図り易くしつつ、外観の模様替えを容易に行うことができるようにする。
【解決手段】天板付き什器Tにおいて、左右に対をなす少なくとも2つの脚体1と、これら脚体1を連結する幕板2と、両脚体2に両端部を支持された天板3と、この天板3の端面3dを覆うようにして脚体1の外面1b側に添設された外装体4とを具備してなる構成を採用する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右に対をなす少なくとも2つの脚体と、これら脚体を連結する幕板と、前記両脚体に両端部を支持された天板と、この天板の端面を覆うようにして前記脚体の外面側に添設された外装体とを具備してなる天板付き什器。
【請求項2】
前記天板には、前記天板面を覆うカバーが装着されており、そのカバーの端面も前記外装体により塞がれている請求項1記載の天板付き什器。
【請求項3】
前記天板と前記脚体との間には、オプション取付用の隙間が形成されており、
前記外装体の内面に突設された取付けブラケットを前記隙間に挿入して前記天板の下面に止着することにより、前記外装体を前記脚体の外側に取り付けている請求項1記載の天板付き什器。
【請求項4】
共通の幕板の左右両端部に、前後に対向配置された2枚の脚体をそれぞれ取着した天板付き什器であって、
前後に対向配置された2つの脚体の外面に、共通の外装体を添設している請求項1記載の天板付き什器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天板を備えた什器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の什器として、脚体上に天板支持フレームを設け、この天板支持フレーム上に天板を載設しているものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
ところが、このような構成のものは、脚体が支持フレームにより連結されているため、部品点数が多く組立に手間がかかるだけでなく、脚体の外観を変更したいという要望に応えることが難しいという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、構造の簡略化を図り易い上に、外観の模様替えを容易に行うことができる什器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明に係る天板付き什器は、左右に対をなす少なくとも2つの脚体と、これら脚体を連結する幕板と、前記両脚体に両端部を支持された天板と、この天板の端面を覆うようにして前記脚体の外面側に添設された外装体とを具備してなるものである。
【0007】
請求項2記載の発明に係る天板付き什器は、前記天板に前記天板面を覆うカバーが装着されており、そのカバーの端面も前記外装体により塞がれている請求項1記載のものである。
【0008】
請求項3記載の発明に係る天板付き什器は、前記天板と前記脚体との間にオプション取付用の隙間が形成されており、前記外装体の内面に突設された取付けブラケットを前記隙間に挿入して前記天板の下面に止着することにより、前記外装体を前記脚体の外側に取り付けている請求項1記載のものである。
【0009】
請求項4記載の発明に係る天板付き什器は、共通の幕板の左右両端部に、前後に対向配置された2枚の脚体をそれぞれ取着した天板付き什器であって、前後に対向配置された2つの脚体の外面に、共通の外装体を添設している請求項1記載のものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、構造の簡略化を図り易い上に、外観の模様替えを容易に行うことができる什器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態に係る天板付き什器を示す全体斜視図。
【
図2】同実施形態に係る天板付き什器を示す正面図。
【
図3】同実施形態に係る天板付き什器を示す平面図。
【
図4】同実施形態に係る天板付き什器を示す底面図。
【
図5】同実施形態に係る天板付き什器を示す分解斜視図。
【
図6】同実施形態に係る天板付き什器の要部を拡大して示す斜視図。
【
図7】同実施形態に係る天板付き什器の要部を示す分解斜視図。
【
図10】同実施形態に係る天板付き什器の要部を拡大して示す斜視図。
【
図11】同実施形態に係る天板へのカバーの取付手順を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施形態を
図1~
図11を参照して説明する。
【0013】
この実施形態の天板付き什器Tは、
図1~
図5に示すように、左右に対をなす少なくとも2つの脚体1と、これら脚体1を連結する幕板2と、前記両脚体1に両端部を支持された天板3と、この天板3の端面を覆うようにして脚体1の外面1b側に添設された外装体4とを具備してなるものである。そして、天板3には、天板面を覆うカバー5が装着されており、そのカバー5の端面も外装体により塞がれている。
【0014】
天板3と脚体1との間には、
図6~
図10に示すように、オプション取付用の隙間s1が形成されており、外装体4の内面に突設された取付けブラケット6をこの隙間s1に挿入して天板3の下面に止着することにより、外装体4を脚体1の外側に取り付けている。
【0015】
なお、この実施形態では、
図3~
図5に示すように、左右に対をなす2つの脚体1を2組備えている。すなわち、共通の幕板2の左右両端部に、前後に対向配置された2枚の脚体1をそれぞれ取着しており、前後に対向配置された2つの脚体1の外面1bに、共通の外装体4を添設している。以下、詳述する。
【0016】
脚体1は、
図5~
図10に示すように、図示しない芯材の外面に表側の外装板11a及び裏側の外装板11bを覆着した側面視四角形をなす盤状のものである。
図5~
図7、
図9及び
図10に示すように、上端面1aには、天板3の下面3eとの間に隙間s1を形成するための凹欠部1a1が形成されているとともに、上端部内面側に天板3をねじ16を利用してねじ止めするための天板取付け用のブラケット12が突設されている。
図7に示すように、脚体1の奥端には幕板2のスリットに係合する係合爪13と、幕板にねじ止めされる幕板取付け用のブラケット14が設けられている。幕板取付け用のブラケット14は、爪を介して脚体1に取り付けられているが、脚体1に溶接等により剛結されたものであってもよい。脚体1の下端面には、床面に接地するアジャスタ15が設けられている。なお、ねじ16は、天板3の埋設ナット3n2に螺着するようにしている。
【0017】
幕板2は、
図2、
図4及び
図5に示すように、左右に延びる幕板本体21と、この幕板本体21の両端に設けた端部構造体22とを備えたものである。幕板本体21は、前後対をなすチャンネル材23を中空体状をなすように合体させて剛結したものである。幕板本体21の前、後両面は、前、後の天板3の下方にそれぞれ形成された下肢空間にそれぞれ臨ませてある。端部構造体22は、概略角柱状のもので、前後両面に脚体1の係合爪13が係合する係合スリット22aと、幕板取付け用のブラケット14をねじ26によりねじ止めするための雌ねじ穴22bが設けられている。端部構造体22は、外側方に開放された形態をなしており、この端部構造体22の開口端には側面カバー体24が着脱可能に装着されている。側面カバー体24と端部構造体22との間には、上方に開放されたオプション取付用の空洞2sが形成されており、この空洞2sにデスクトップパネルの脚等を挿入して固定することができるようになっている。側面カバー体24を取り外した状態では、オプションの脚を端部構造体にねじ止めすることもできる。端部構造体22の上端には、オプション取付け用の空洞2sを開放することができる上面カバー体25が着脱可能に装着されている。
【0018】
天板3は、
図6、
図7、
図10及び
図11に示すように、使用端部3aと反使用端部3bとの間に平坦な天板面3cを有する厚板状のものである。すなわち、この天板付き什器Tは、使用端部3aから反使用端部3bに至る領域に天板面3cを有する天板3と、この天板3上に着脱可能に設けられたカバー5とを備えてなるものであって、カバー5が、天板面3cを覆うカバー本体51と、このカバー本体51の一方の縁から下側に延設され天板3の使用端部3aの外面に係合する使用端側係合部52と、カバー本体51の他方の縁から下側に延設され天板3の反使用端部3bの外面に係合する反使用端側係合部53とを具備してなる。
【0019】
天板3の使用端部3aは、
図6、
図7、
図10及び
図11に示すように、天板面3cの前縁から下方に延出する垂下面3a1と、この垂下面3a1の延出端から斜め後方に延出する傾斜面3a2とを備えたものであり、カバー5の使用端側係合部52は、天板面3cに添接するカバー本体51から下方に延出し天板3の垂下面3a1に当接又は近接する垂下板521と、この垂下板521の下端から斜め後方に延出し天板3の傾斜面3a2に密着又は近接する傾斜板522とを備えたものである。一方、カバー5の反使用端側係合部53は、カバー本体51から下方に延出し天板3の反使用端面3b1に密着する垂下板531を備えたものである。
【0020】
カバー本体51と、使用端側係合部52と、反使用端側係合部53とは、厚み方向に撓むことが可能な薄鋼板を素材にして一体に構成されている。先ず、
図11の(a)に示す状態から同図の(b)に示すように使用端側係合部52を天板3の使用端部3aに係合させた後に、同図の(c)に示すように反使用端側係合部53を天板の反使用端部3bに係合させることによってこのカバー5を天板3に装着することができるようになっている。この実施例では、
図1~
図5に示すように、カバー5の横幅寸法は、天板3の左右方向寸法の半分の長さ寸法に設定されており、各天板3に対して2枚のカバー5がそれぞれ装着されている。各カバー5の外面には、色彩や模様を表すプリント層が設けられている。
【0021】
図1、
図3及び
図4に示すように、対面配置された一対の天板3間には、配線類を挿通させることが可能な配線挿通用の空間Sが形成されている。そして、その空間Sには、開閉蓋71を有する配線取出しユニット7が配されている。配線取出しユニット7は、開閉蓋71を開いた場合に下肢空間と天板3上の空間とが連通するように構成されたものであるが、通常のものであるため説明を省略する。幕板2の上縁部には、配線類を案内するための図示しない配線ダクト等を設けてもよい。
【0022】
外装体4は、
図2~
図4、
図8及び
図9に示すように、幕板2を介して前、後に連結された2つの脚体1の端面1bと、これら脚体1に支持された2つの天板3の端面3dとを覆い隠す形態をなす盤状体であり、側面視長方形状をなしている。外装体4は、
図5、
図8及び
図9に示すように、外板41と、この外板41の内面に添接させた内板42と、外板41の外面を覆う外装シート43とを備えたものであり、上端近傍部に突設された取付けブラケット6により天板3に取り付けられている。すなわち、
図8に示すように、取付けブラケット6は、脚体1の凹欠部1a1と天板3との間に形成された隙間に挿入可能なブラケット本体61と、このブラケット本体61の基端から垂下し外装体4の上端部内面にねじ止めされる取付片62とを備えた側面視L字形のものである。ブラケット本体61は、脚体1から内方に向けて延出し、その挿入端を天板3の下面にねじ止めしている。すなわち、この取付けブラケット6は、脚体1の厚み寸法よりも大きな突出寸法を有した板状のものであり、スリットに挿入されて脚体1を貫通した貫通端を天板3の下面に表出させた埋設ナット3nにねじ止めするようにしている。63は、下肢空間側からブラケット6のねじ挿通孔61aを通して天板3の埋設ナット3nに螺着したねじである。64は、このブラケット6を外装体4に固定するためのねじであり、その頭部を座繰り部62aに収納している。
【0023】
ここで、
図1は本実施形態の天板付き什器Tを示す全体斜視図である。
図2は同天板付き什器Tを示す正面図であり、
図3は同平面図であり、
図4は同底面図である。
図5は、同天板付き什器Tを示す分解斜視図である。
図6は同天板付き什器Tの右奥部を拡大して示す斜視図であり、手前側の天板3、及び外装体4は省略して示している。
図7は
図6に示した部分の分解斜視図である。
図8は
図3におけるA-A線に沿った断面図であり、
図9は同B-B線に沿った断面図である。なお、
図8及び
図9では、上部を特に拡大して示している。
図10は、同天板付き什器Tの左手前部を拡大して示す斜視図である。
図11は、本実施形態に係る天板3へのカバー5の取付手順を示す説明図である。
【0024】
このような構成のものであれば、脚体1が幕板2により連結されているため、天板支持フレーム等の部品が不要となる。そのため、部品点数を無理なく削減することができ、部品製作や組立て作業を簡易化することができる。しかも、脚体1の外側面1bと天板3の端面3dとを外装体4により覆っているため、外観をシンプルなものにすることができる上に、その外装体4を交換するだけで什器全体の雰囲気を大きく変化させることができる。そのため、外観の模様替えを容易に行うことができる。
【0025】
また、この実施形態では、天板3に天板面3cを覆うカバー5が装着されており、そのカバー5の端面5aも外装体4により塞ぐようにしているため、カバー5の天板3に対する横ずれをこの外装体4により係止することができる。また、天板3とカバー5との寸法誤差によりそれらの端部端面に段差が生じるようなことがあっても、外装体4の存在により外観に悪影響を与えることがない。
【0026】
さらに、この実施形態では、天板3と脚体1との間に形成されたオプション取付用の隙間s1を利用して外装体4を取り付けているため、外装体4を取り付けるための格別な構造付加が不要であり、容易に実施することができる。そして、他のオプションを取り換えるのと同じ手間で、外装体4を取り外すことや交換することができ、模様替えを手軽に行うことが可能となる。
【0027】
また、前後に対向配置された2つの脚体1の外面1bに、共通の外装体4を添設しているので、外装体4を有しないものに比べても、部品点数の増加を最小限に止めることができる。
【0028】
なお、本発明は、必ずしも図示実施形態のものに限定されるものではない。
【0029】
例えば、前記実施形態では、天板の上にカバーを着脱可能に設けたものについて説明したが、本発明には、かかるカバーを有しないものも含まれる。
【0030】
外装体の取付け態様も以上説明した実施形態のものに限定されないが、図示例のようなものみすれば、オプション取付け用の構造をそのまま使用することができるので、構成の簡略化を図ることができる。
【0031】
加えて、前記実施形態では、共通の幕板の左右両端部に、前後に対向配置された2枚の脚体をそれぞれ取着した天板付き什器に本発明を適用しているが、脚体を左右1対のみ設けた天板付き什器に本発明を適用してももちろんよい。
【0032】
その他、本発明の趣旨を損ねない範囲で種々に変更してよい。
【符号の説明】
【0033】
T…天板付き什器
1…脚体
1b…脚体の外面
2…幕板
3…天板
3c…天板面
3d…(天板の)端面
3e…(天板の)下面
4…外装体
5…カバー
5a…(カバーの)端面
6…取付けブラケット
s1…オプション取付