(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059175
(43)【公開日】2024-05-01
(54)【発明の名称】天板付き什器
(51)【国際特許分類】
A47B 13/02 20060101AFI20240423BHJP
A47B 13/00 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
A47B13/02
A47B13/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022166689
(22)【出願日】2022-10-18
(71)【出願人】
【識別番号】000001351
【氏名又は名称】コクヨ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100085338
【弁理士】
【氏名又は名称】赤澤 一博
(72)【発明者】
【氏名】大川 航平
(72)【発明者】
【氏名】千田 啓資
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 徹
(72)【発明者】
【氏名】繁田 佳祐
(72)【発明者】
【氏名】高木 梨帆
【テーマコード(参考)】
3B053
【Fターム(参考)】
3B053NP02
3B053NP07
3B053NQ01
3B053NQ10
3B053NR00
3B053NR01
(57)【要約】
【課題】従来の天板付き什器の構成において、部品点数が多く組立に手間がかかるとともに天板下に形成される下肢空間へのアクセスが難しいという問題が存在することを踏まえ、簡略化を図り易い上に、外部からの下肢空間へのアクセスが容易になる天板付き什器を提供する。
【解決手段】対をなす脚体1と、これら脚体1を連結する幕板2と、両脚体1に両端部を支持された天板3とを具備してなる天板付き什器T2を、脚体1が、天板3下方の下肢空間KSを側方に開放する開放部1kを備えたものとする。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対をなす脚体と、これら脚体を連結する幕板と、前記両脚体に両端部を支持された天板とを具備してなり、
前記脚体は、天板下方の下肢空間を側方に開放する開放部を備えたものである天板付き什器。
【請求項2】
前記開放部は、外部から下肢空間にアクセス可能な窓状空間により構成されたものである請求項1記載の天板付き什器。
【請求項3】
前記脚体に設けられた幕板取付け用のブラケットを、下肢空間において前記幕板に止着具を介して止着している請求項2記載の天板付き什器。
【請求項4】
前記開放部は、前記窓状空間に網目を有する蓋体を着脱可能に蓋着したものである請求項2記載の天板付き什器。
【請求項5】
前記脚体が、一対の柱状枠材と、これら柱状枠材の下端部間に設けられた下枠材と、前記柱状枠材の上端部間に架設された上枠材とを備えたものであり、前記柱状枠材、前記下枠材、及び前記上枠材に囲まれた領域に前記開放部が形成されている請求項1記載の天板付き什器。
【請求項6】
前記上枠材の上面に天板の下面に止着具を介して止着される天板取付けブラケットが設けられているとともに、奥側の柱状枠材に幕板に止着具を介して止着される幕板取付けブラケットが設けられている請求項5記載の天板付き什器。
【請求項7】
前記天板と前記脚体の上枠材との間には、前記天板取付け用ブラケットの厚み寸法に相当する隙間が形成されており、この隙間に挿入したオプション取付用のブラケットを前記天板の下面に止着することができるように構成されている請求項6記載の天板付き什器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天板を備えた什器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の什器として、脚体上に天板支持フレームを設け、この天板支持フレーム上に天板を載設しているものが知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
ところが、このような構成のものは、脚体が支持フレームにより連結されているため、部品点数が多く組立に手間がかかるという課題がある。
【0004】
また、脚体が支持フレームにより連結されていると、天板下に形成される下肢空間へのアクセスが難しくなるという課題もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、構造の簡略化を図り易い上に、外部からの下肢空間へのアクセスが容易になる天板付き什器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明に係る天板付き什器は、対をなす脚体と、これら脚体を連結する幕板と、前記両脚体に両端部を支持された天板とを具備してなり、前記脚体は、天板下方の下肢空間を側方に開放する開放部を備えたものである。
【0008】
請求項2記載の発明に係る天板付き什器は、前記開放部が、外部から下肢空間にアクセス可能な窓状空間により構成された請求項1記載のものである。
【0009】
請求項3記載の発明に係る天板付き什器は、前記脚体に設けられた幕板取付け用のブラケットを、下肢空間において前記幕板に止着具を介して止着している請求項2記載のものである。
【0010】
請求項4記載の発明に係る天板付き什器は、前記開放部が、前記窓状空間に網目を有する蓋体を着脱可能に蓋着したものである請求項2記載のものである。
【0011】
請求項5記載の発明に係る天板付き什器は、前記脚体が、一対の柱状枠材と、これら柱状枠材の下端部間に設けられた下枠材と、前記柱状枠材の上端部間に架設された上枠材とを備えたものであり、前記柱状枠材、前記下枠材、及び前記上枠材に囲まれた領域に前記開放部が形成されている請求項1記載のものである。
【0012】
請求項6記載の発明に係る天板付き什器は、前記上枠材の上面に天板の下面に止着具を介して止着される天板取付けブラケットが設けられているとともに、奥側の柱状枠材に幕板に止着具を介して止着される幕板取付けブラケットが設けられている請求項5記載のものである。
【0013】
請求項7記載の発明に係る天板付き什器は、前記天板と前記脚体の上枠材との間に、前記天板取付け用ブラケットの厚み寸法に相当する隙間が形成されており、この隙間に挿入したオプション取付用のブラケットを前記天板の下面に止着することができるように構成されている請求項6記載のものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、構造の簡略化を図り易い上に、外部からの下肢空間へのアクセスが容易になる天板付き什器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る天板付き什器を示す全体斜視図。
【
図2】同実施形態に係る天板付き什器を示す右側面図。
【
図3】同実施形態に係る天板付き什器を示す平面図。
【
図4】同実施形態に係る天板付き什器を示す底面図。
【
図5】同実施形態に係る天板付き什器を示す分解斜視図。
【
図6】同実施形態に係る天板付き什器の要部を拡大して示す斜視図。
【
図7】同実施形態に係る天板付き什器の要部を示す分解斜視図。
【
図10】同実施形態に係る天板付き什器の要部を拡大して示す斜視図。
【
図11】同実施形態に係る天板へのカバーの取付手順を示す説明図。
【
図13】本発明の第2の実施形態に係る天板付き什器を示す全体斜視図。
【
図14】同実施形態に係る天板付き什器を示す右側面図。
【
図15】同実施形態に係る天板付き什器を示す平面図。
【
図16】同実施形態に係る天板付き什器を示す分解斜視図。
【
図17】同実施形態に係る天板付き什器の要部を示す分解斜視図。
【
図20】本発明の第3の実施形態に係る天板付き什器を示す全体斜視図。
【
図21】同実施形態に係る天板付き什器を示す右側面図。
【
図22】同実施形態に係る天板付き什器を示す平面図。
【
図23】同実施形態に係る天板付き什器を示す分解斜視図。
【
図24】同実施形態に係る天板付き什器の要部を示す分解斜視図。
【
図25】本発明の第4の実施形態に係る天板付き什器を示す全体斜視図。
【
図26】同実施形態に係る天板付き什器を示す右側面図。
【
図27】同実施形態に係る天板付き什器を示す平面図。
【
図28】同実施形態に係る天板付き什器を示す分解斜視図。
【
図29】同実施形態に係る天板付き什器の要部を示す分解斜視図。
【
図32】同実施形態に係る天板付き什器の他の使用態様を示す全体斜視図。
【
図33】本発明の他の実施形態に係るサイドエッジを示す図。
【
図34】同実施形態に係るサイドエッジの装着態様を示す図。
【
図35】本発明の他の実施形態に係るサイドエッジを示す図。
【
図36】同実施形態に係るサイドエッジの装着態様を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
<第1の実施形態>
以下、本発明の一実施形態を
図1~
図12を参照して説明する。
【0017】
この実施形態の天板付き什器T2は、
図1~
図5に示すように、左右に対をなす少なくとも2つの脚体1と、これら脚体1を連結する幕板2と、両脚体1に両端部を支持された天板3とを具備している。また、この什器Tは、天板3に付属させて、天板面3cを覆うカバー5と、このカバー5の側端面5a及び天板3の側端面3dを覆うサイドエッジ8とを備えている。
【0018】
そして、天板3と脚体1との間には、
図6~
図10に示すように、オプション取付用の隙間s1が形成されている。
【0019】
なお、この実施形態では、
図3~
図5に示すように、左右に対をなす2つの脚体1を2組備えている。すなわち、共通の幕板2の左右両端部に、前後に対向配置された2枚の脚体1をそれぞれ取着している。以下、詳述する。
【0020】
脚体1は、
図5~
図10に示すように、図示しない芯材の外面に表側の外装板11a及び裏側の外装板11bを覆着した側面視四角形をなす盤状のものである。
図5~
図7、
図9及び
図10に示すように、上端面1aには、天板3の下面3eとの間に隙間s1を形成するための凹欠部1a1が形成されているとともに、上端部内面側に天板3をねじ16を利用してねじ止めするための天板取付け用のブラケット12が突設されている。
図7に示すように、脚体1の奥端には幕板2のスリットに係合する係合爪13と、幕板2にねじ止めされる幕板取付け用のブラケット14が設けられている。幕板取付け用のブラケット14は、爪を介して脚体1に取り付けられているが、脚体1に溶接等により剛結されたものであってもよい。脚体1の下端面には、床面に接地するアジャスタ15が設けられている。なお、ねじ16は、天板3の埋設ナット3n2に螺着するようにしている。
【0021】
ここで、脚体1には窓状の開放部1kが形成されている。この開放部1kは、外部から下肢空間KSにアクセス可能な窓状空間により構成されたもので、矩形状をなしている。なお、図中では、開放部1kが表側の外装板11a及び裏側の外層板11bを打ち抜いただけの形態をなしているが、その開口縁1k1に適宜な窓枠(図示せず)を装着するのが望ましい。
【0022】
幕板2は、
図2、
図4及び
図5に示すように、左右に延びる幕板本体21と、この幕板本体21の両端に設けた端部構造体22とを備えたものである。幕板本体21は、前後対をなすチャンネル材23を中空体状をなすように合体させて剛結したものである。幕板本体21の前、後両面は、前、後の天板3の下方にそれぞれ形成された下肢空間にそれぞれ臨ませてある。端部構造体22は、概略角柱状のもので、前後両面に脚体1の係合爪13が係合する係合スリット22aと、幕板取付け用のブラケット14をねじ26によりねじ止めするための雌ねじ穴22bが設けられている。端部構造体22は、外側方に開放された形態をなしており、この端部構造体22の開口端には側面カバー体24が着脱可能に装着されている。側面カバー体24と端部構造体22との間には、上方に開放されたオプション取付用の空洞2sが形成されており、この空洞2sにデスクトップパネルの脚等を挿入して固定することができるようになっている。側面カバー体24を取り外した状態では、オプションの脚を端部構造体にねじ止めすることもできる。端部構造体22の上端には、オプション取付け用の空洞2sを開放することができる上面カバー体25が着脱可能に装着されている。
【0023】
天板3は、
図6、
図7、
図10及び
図11に示すように、使用端部3aと反使用端部3bとの間に平坦な天板面3cを有する厚板状のものである。すなわち、この天板付き什器Tは、使用端部3aから反使用端部3bに至る領域に天板面3cを有する天板3と、この天板3上に着脱可能に設けられたカバー5とを備えてなるものであって、カバー5が、天板面3cを覆うカバー本体51と、このカバー本体51の一方の縁から下側に延設され天板3の使用端部3aの外面に係合する使用端側係合部52と、カバー本体51の他方の縁から下側に延設され天板3の反使用端部3bの外面に係合する反使用端側係合部53とを具備してなる。
【0024】
天板3の使用端部3aは、
図6、
図7、
図10及び
図11に示すように、天板面3cの前縁から下方に延出する垂下面3a1と、この垂下面3a1の延出端から斜め後方に延出する傾斜面3a2とを備えたものであり、カバー5の使用端側係合部52は、天板面3cに添接するカバー本体51から下方に延出し天板3の垂下面3a1に当接又は近接する垂下板521と、この垂下板521の下端から斜め後方に延出し天板3の傾斜面3a2に密着又は近接する傾斜板522とを備えたものである。一方、カバー5の反使用端側係合部53は、カバー本体51から下方に延出し天板3の反使用端面3b1に密着する垂下板531を備えたものである。
【0025】
カバー本体51と、使用端側係合部52と、反使用端側係合部53とは、厚み方向に撓むことが可能な薄鋼板を素材にして一体に構成されている。先ず、
図11の(a)に示す状態から同図の(b)に示すように使用端側係合部52を天板3の使用端部3aに係合させた後に、同図の(c)に示すように反使用端側係合部53を天板の反使用端部3bに係合させることによってこのカバー5を天板3に装着することができるようになっている。この実施例では、
図1~
図5に示すように、カバー5の横幅寸法は、天板3の左右方向寸法の半分の長さ寸法に設定されており、各天板3に対して2枚のカバー5がそれぞれ装着されている。各カバー5の外面には、色彩や模様を表すプリント層が設けられている。
【0026】
図1、
図3及び
図4に示すように、対面配置された一対の天板3間には、配線類を挿通させることが可能な配線挿通用の空間Sが形成されている。そして、その空間Sには、開閉蓋71を有する配線取出しユニット7が配されている。配線取出しユニット7は、開閉蓋71を開いた場合に下肢空間と天板3上の空間とが連通するように構成されたものであるが、通常のものであるため説明を省略する。幕板2の上縁部には、配線類を案内するための図示しない配線ダクト等を設けてもよい。
【0027】
サイドエッジ8は、
図12に示すように、内面が天板3の側端面(端面3d)とカバー5の側端面(端面5a)に添接するエッジ本体81と、このエッジ本体81から内面側に突出する取付片82とを備えたものであり、その取付片82を天板3の下面3eに止着している。詳述すれば、エッジ本体81は、天板3の端面3dと、カバー5の端面5aとを全体的に覆う形状をなしており、エッジ本体81の上端面81aとカバー5の上面5cとは略面一にしてある。取付片82は、エッジ本体81の下縁から内方に延出させた板状のもので、脚体1の上端面1aを全幅に亘って覆う基板部83と、この基板部83の延出端から内方に延出する第1、第2の先端部84、85とを備えている。第1の先端部84は、
図9に示すように、天板取付け用のブラケット12の上面12aと天板3の下面3eとの間に挟持されるものであり、天板取付け用のブラケット12とともに天板3の下面3eに共締め固定される。3n2は天板3に埋設された埋設ナット、16はこの埋設ナット3n2に螺着され脚体1のブラケット12とサイドエッジ8の第1の先端部84とを共締め固定する止着具たるねじである。第1の先端部84は、ねじ挿通孔84aが内方に開放された二股形状をなしており、ねじ16を緩めるだけでサイドエッジ8を装脱することができるようになっている。第2の先端部85は、
図8に示すように、天板3の下面3eに沿って内方に挿入されるもので、ねじ挿通孔85aを有している。3nは天板3に埋設された埋設ナット、89はこの埋設ナット3nに螺着されサイドエッジ8の第2の先端部85を緊締固定する止着具たるねじである。このサイドエッジ8のエッジ本体81と取付部82とは、共通の板金素材を用いて一体に構成されている。
【0028】
なお、この実施形態では、天板固定状態においては、サイドエッジ8の基板部83が脚体1と天板3との間に挟持されるようになっている。この場合、脚体1の凹欠部1a1が形成されている部位は、例外的にサイドエッジ8に接しておらず、前述したオプション取付け用の隙間s1が形成されている。そのため、サイドエッジ8を取り付けた状態において照明器具等のオプション類をこの隙間s1を利用して装着することもできる。この場合、隙間s1に挿入された図示しないオプション取付け用のブラケットは、サイドエッジ8の第2の先端部85とともに天板3の下面3eに共締め固定することが可能である。
【0029】
ここで、
図1は本実施形態の天板付き什器T2を示す全体斜視図である。
図2は同天板付き什器T2を示す右側面図であり、
図3は同平面図であり、
図4は同底面図である。
図5は、同天板付き什器T2を示す分解斜視図である。
図6は同天板付き什器T2の右奥部を拡大して示す斜視図であり、手前側の天板3を省略して示している。
図7は
図6に示した部分の分解斜視図である。
図8は
図3におけるA-A線に沿った断面図であり、
図9は同B-B線に沿った断面図である。なお、
図8及び
図9では、上部を特に拡大して示している。
図10は、同天板付き什器T2の左手前部を拡大して示す斜視図である。
図11は、本実施形態に係る天板3へのカバー5の取付手順を示す説明図である。
図12の(a)は、サイドエッジ8の正面図、同図の(b)は、同平面図、同図の(c)は、同側面図である。
【0030】
このような構成によれば、脚体1同士を幕板2により連結し、天板3を脚体1により支持しているので、天板支持フレームを設ける場合に比べて部品点数を削減し、構造の簡略化を図ることができるとともに、広い下肢空間KSを確保することができる。しかも、脚体1は下肢空間KSを外側方に開放する開放部1kを備えたものであるため、下肢空間KSへのアクセスが容易なものとなる。そのため、組立や分解作業を円滑に進めることが可能になる上に、床清掃等も効率良く行うことができる。
【0031】
特に、開放部1kが、外部から下肢空間KSにアクセス可能な窓状空間により構成されたものであれば、外部から開放部1kを通して止着具や工具を下肢空間KSに挿入させることが可能となり、幕板2と脚体1との止着作業の自由度を向上させて分解、組立作用の効率化を図ることができる。具体的には、この実施形態のように脚体1に設けられた幕板取付け用のブラケット14を、下肢空間KSにおいて幕板2に止着具たるねじ26を介して止着しているような場合でも、そのねじ26やそのねじ26を操作するためのドライバーといった工具等を外部から開放部1kを通して下肢空間KSに挿入することも可能となり、止着具の装脱作業の多様化を図ることが可能となる。
【0032】
また、この実施形態は盤状の脚体1に開放部1kを形成しているため、その開放部1kを四角形に限らず、円形、楕円形、多角形等種々の開口形状のものにすることが可能であり、外観に種々の変化を持たせることができる。
【0033】
さらに、開放部1kが窓状空間により構成されたものであれば、その窓状空間に適宜な蓋体を装着することによって、脚体1の外観を種々演出するようなことも可能となる。
【0034】
<第2の実施形態>
第2の実施形態に係る天板付き什器T3は、
図13~
図19に示されるようなもので、枠状の脚体10により天板3を支持している。天板3にはカバー5が装着されており、天板3の端面3dとカバー5の端面5aとはサイドエッジ8により隠されている。
【0035】
第2の実施形態における脚体10以外の構成は第1の実施形態の什器T2に準じたものあり、同一又は相当する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0036】
枠状の脚体10は、
図13~
図19に示すように、一対の柱状枠材101と、これら柱状枠材101の下端部間に設けられた下枠材102と、柱状枠材101の上端部間に架設された上枠材103とを備えたものであり、柱状枠材101、下枠材102、及び上枠材103に囲まれた領域に下肢空間KSを外側方に開放する開放部10aが形成されている。上枠材103の上面内縁部分には天板3の下面3eに止着具を介して止着される天板取付け用のブラケット104が溶接等により固設されているとともに、奥側の柱状枠材101には幕板2に止着具を介して止着される幕板取付け用のブラケット105が溶接等により固設されている。
【0037】
天板取付け用のブラケット104の上面104aは、
図14及び
図17~
図19に示すように、上枠材103の上面103aよりも高い位置に設定されており、脚体10の天板取付け用のブラケット104上に天板3の下面3eを載置して固定した状態では、脚体10の上面と天板3の下面3eとの間に連続した隙間ssが形成されるようになっている。この状態からサイドエッジ8を取り付ける場合には、
図19に示すように、天板取付け用のブラケット104のねじ106を緩めてそのブラケット104の上面104aと天板3との間にサイドエッジ8の取付片82における第1の先端部84を挿入し、ねじ106を締め付けることによって、サイドエッジ8が脚体10と共に天板3に共締め固定される。しかる後に、
図18に示すように、サイドエッジ8の第2の先端部85をねじ89により天板3に止着すれば、サイドエッジ8が強固に天板3に取り付けられることになる。
【0038】
サイドエッジ8を取り付けた状態においても、
図14及び
図18に示すように、脚体10と天板3との間の隙間ssは残されるため、この隙間ssを利用して照明やパネルなどのオプション類を取り付けることもできる。その場合も、隙間ssに挿入される図示しないオプション類の取付けブラケットは、サイドエッジ8の第2の先端部85とともに天板3の下面3eに共締め固定すればよい。
【0039】
この什器T3は、着座姿勢で使用されるのに適した寸法に設定されており、例えば、天板面3cの高さが、720mmになるように脚体10の寸法が定められている。
【0040】
ここで、
図13は本実施形態の天板付き什器T3を示す全体斜視図である。
図14は同天板付き什器T3を示す右側面図であり、
図15は同平面図である。
図16は、同天板付き什器T3を示す分解斜視図である。
図17は同天板付き什器T3の右奥部の分解斜視図で、手前側の天板3は省略して示している。
図18は
図15におけるC-C線に沿った断面図であり、
図19は同D-D線に沿った断面図である。なお、
図18及び
図19では、上部を特に拡大して示している。
【0041】
このような構成のものであれば、第1の実施形態と同様に、脚体1同士を幕板2により連結し、天板3を脚体1により支持しているので、天板支持フレームを設ける場合に比べて部品点数を削減することができ、構造の簡略化を図ることができるとともに、広い下肢空間KSを確保することができる。
【0042】
しかも、脚体10が下肢空間KSを外側方に開放する開放部10aを備えたものであるため、下肢空間KSへのアクセスが容易なものとなる。そのため、組立や分解作業を円滑に進めることが可能になる上に、床清掃等も効率良く行うことができる。
【0043】
特に、この実施形態のように脚体10を枠状のものにすれば、パイプ素材を用いて強度の高い脚体10を構成することができる上に、広大な開放部10aを形成することが可能となる。
【0044】
<第3の実施形態>
第3の実施形態に係る天板付き什器T4は、
図20~
図24に示されるようなもので、枠状の脚体A10により天板3を支持している。天板3にはカバー5が装着されており、天板3の端面3dとカバー5の端面5aとはサイドエッジ8により隠されている。
【0045】
第3の実施形態における脚体A10以外の構成は第1、第2の実施形態の什器T2、T3に準じたものあり、同一又は相当する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0046】
枠状の脚体A10は、
図20、
図21、
図23及び
図24に示すように、一対の柱状枠材101と、これら柱状枠材101の下端部間に設けられた下枠材102と、柱状枠材101の上端部間に架設された上枠材103とを備えたものであり、柱状枠材101、下枠材102、及び上枠材103に囲まれた領域に下肢空間KSを外側方に開放する開放部10aが形成されている。なお、この脚体A10の奥端側(反使用端部3b側)の柱状枠材101は、鉛直に起立しているのに対して、使用端側(使用端部3a側)の柱状枠材101は前傾している。すなわち、この脚体A10は、下端側の奥行寸法が上端側の奥行寸法より小さい側面視台形状をなしている。それ以外の構成は、第2の実施形態の脚体10と同じであり、同一又は相当する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0047】
この什器T4は、着座姿勢で使用されるのに適した寸法に設定されており、例えば、天板面3cの高さが、720mmになるように脚体A10の寸法が定められている。
【0048】
ここで、
図20は本実施形態の天板付き什器T4を示す全体斜視図である。
図21は同天板付き什器T4を示す右側面図であり、
図22は同平面図である。
図23は、同天板付き什器T4を示す分解斜視図である。
図24は同天板付き什器T4の右奥部の分解斜視図で、手前側の天板3は省略して示している。
【0049】
このような構成のものであれば、第2の実施形態のものと同様な作用効果を得ることができる。しかも、本実施形態のように脚体A10を側面視台形状のものにすれば、側面視正方形や長方形のものに比べて視覚的な面白さを延出することができる上に、脚体A10の使用端側下半部分を奥に控えることができる。そのため、使用者が脚体A10に足を引っかける可能性を低減させることができ、使い勝手を向上させることが可能となる。
【0050】
<第4の実施形態>
第4の実施形態に係る天板付き什器T5は、
図25~
図32に示されるようなもので、ハイタイプの枠状脚体B10により天板3を支持している。天板3にはカバー5が装着されており、天板3の端面3dとカバー5の端面5aとはサイドエッジ8により隠されている。
【0051】
第4の実施形態における脚体B10以外の構成は第1、第2の実施形態の什器T2、T3に準じたものあり、同一又は相当する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0052】
枠状の脚体B10は、
図25、
図26及び
図28~
図31に示すように、一対の柱状枠材101と、これら柱状枠材101の下端近傍部間に設けられた下枠材102と、柱状枠材101の上端部間に架設された上枠材103とを備えたものであり、柱状枠材101、下枠材102、及び上枠材103に囲まれた領域に下肢空間KSを外側方に開放する開放部10aが形成されている。前後の柱状枠材101は鉛直に起立しており、この脚体B10の側面視は上下に長い長方形状をなしている。
【0053】
この什器T5は、
図26に示すように、天板3の反使用端3bと脚体B10の奥端B10bとは略一致するように構成されている。すなわち、前述した実施形態では、対面配置された一対の天板3間に、配線類を挿通させることが可能な配線挿通用の空間Sが形成されており、その空間Sに、開閉蓋71を有する配線取出しユニット7が配されたものであったが、本実施形態の什器T5には、かかる空間S及び配線取出しユニット7は設けられていない。これに代えて、本実施形態では天板3の反使用端3b間に、上面にコンセントB71を有する配線ダクトB7を設けている。
【0054】
この実施形態に使用されるサイドエッジ8は、基本的な構成要素は前述したものと同じであり、同一又は相当する部分には同一の符号を付す。
【0055】
この什器T5は、起立姿勢で使用されるのに適した寸法に設定されており、例えば、天板面3cの高さが、例えば、1000mmになるように脚体B10の寸法が定められている。かかるハイタイプの什器T5は、ハイタイプの椅子を組み合わせて使用されることもあり、
図25、
図28及び
図29に示すように、その場合の足置きとなるように左右の下枠材102間に横架材107が架設されている。
【0056】
なお、この什器T5は、脚体の開放部B10aが、外部から下肢空間KSにアクセス可能な窓状空間により構成されたものであるが、この窓状空間に網目を有する蓋体9を着脱可能に蓋着してもよい。蓋体9は、
図32に示すように、窓状空間を塞ぐ遮蔽板91の周縁に取付鍔92を設けたもので、遮蔽板91には網目を形成するように多数のパンチング孔91aが穿設されている。パンチング孔91aの形状や大きさ、或いは密度等は種々変形が可能である。遮蔽板91の周縁には内方に延出する取付鍔92が設けられ、これら取付鍔92を脚体の柱状枠材101、下枠材102、及び上枠材103の内側に嵌合させることができるようになっている。そして、下の取付鍔92の延出端には、下枠材102に内側から嵌合するチャンネル部92aが形成されている。この蓋体9は、チャンネル部92aを下枠材102に嵌合させるとともに、上の取付鍔92を上枠材103にねじ止めすることによって、脚体B10に取付けられている。
【0057】
ここで、
図25は本実施形態の天板付き什器T5を示す全体斜視図である。
図26は同天板付き什器T5を示す右側面図であり、
図27は同平面図である。
図28は、同天板付き什器T5を示す分解斜視図である。
図29は同天板付き什器T5の右奥部の分解斜視図で、手前側の天板3は省略して示している。
図30は
図27におけるE-E線に沿った断面図であり、
図31は同F-F線に沿った断面図である。なお、
図30及び
図31では、上部を特に拡大して示している。
図32は、脚体の開放部B10aに網目を有する蓋体9を装着した状態を示す斜視図である。
【0058】
このような構成のものであれば、第2の実施形態のものと同様な作用効果を得ることができる。しかも、第2、第3の実施形態と同じ幕板2、天板3、及びカバー5等を使用しているにも関わらず、天板高さが全く異なった什器T5を実現することが可能となり、仕様変更などにも容易に対応することができるものとなる。
【0059】
なお、本発明は、必ずしも図示実施形態のものに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0060】
例えば、以上説明した第1、第2、第3、第4の実施形態は、共通の天板、カバー、幕板を使用し、サイドエッジも同じ構成のものを用いているが、本発明は必ずしもこのようなものに限定されるものではなく、いずれかの構成要素に変形を加えてもよいのは勿論である。しかしながら、前述のような部品の共通化を図っておけば、脚体のみを異なったものにすることによって、什器全体の外観や機能を容易に変更することができるという格別な効果が得られる。すなわち、このような構成によれば、設計段階における仕様変更のみならず、使用段階における模様替え等に円滑に対応することができるという効果が得られる。
【0061】
また、前述した各実施形態では、サイドエッジの取付片を、脚体の天板取付け用のブラケットとともに天板下面に共締め固定しているが、取付片を単独で天板に止着するだけのものであってもよい。しかしながら、前述したような構成によれば、取付片が脚体と天板との間で挟圧固定されることになるため、サイドエッジを確実に天板に取り付けることができるという効果が得られる。
【0062】
さらに、前述した各実施形態では、サイドエッジがエッジ本体と取付片のみからなるものについて説明したが、さらに、カバーと天板との間、例えば、カバーの使用端係合部と天板との間に挿入されてエッジ本体の位置決めを行う位置決め片を備えたものであってもよい。詳述すれば、
図33~
図36に示すサイドエッジA8、B8は、天板3の垂下面3a1とカバー5の垂下板521との間、又は天板3の傾斜面3a2とカバー5の傾斜板522との間に挿入されている。具体的に説明すれば、
図33及び
図34に示すサイドエッジA8は、エッジ本体81の先端縁から内方に突出された位置決め片86を備えており、この位置決め片86を天板3の垂下面3a1とカバー5の垂下板521との間に挿入している。
図35及び
図36に示すサイドエッジB8は、エッジ本体8の先端縁の傾斜部分から内方に突出させた位置決め片86を備えており、この位置決め片86を天板3の傾斜面3a2とカバー5の傾斜板522との間に挿入している。サイドエッジの材質も鋼板に限らず合成樹脂製のものにするなど種々変形が可能である。
【0063】
また、第1実施形態における脚体の開放部の形状は、前述したように、外観に種々の変化を持たせるべく、四角形に限らず、円形、楕円形、多角形等種々の開口形状のものにしてもよい。
【0064】
さらに、脚体をパイプ素材により枠状に構成する場合であっても、単なる矩形状や台形状に限らず、トラス状にする等、種々変形が可能である。
【0065】
加えて、幕板が対をなす脚体を連結するものであれば、幕板の取付態様は任意のものを採用してよい。
【0066】
そして、本発明は脚体の形態についてはどのようなものであってよく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0067】
T2、T3、T4、T5…天板付き什器
1、10、A10、B10…脚体
1k、10a…開放部
101…柱状枠材
102…上枠材
103…下枠材
12…天板取付け用のブラケット
14…幕板取付け用のブラケット
2…幕板
26…止着具(ねじ)
3…天板
3e…(天板の)下面
9…蓋体
KS…下肢空間