(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059193
(43)【公開日】2024-05-01
(54)【発明の名称】粉粒体フィーダにおけるダンパー装置
(51)【国際特許分類】
B65G 65/40 20060101AFI20240423BHJP
【FI】
B65G65/40 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022166721
(22)【出願日】2022-10-18
(71)【出願人】
【識別番号】392028424
【氏名又は名称】アイシン産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081570
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 彰芳
(72)【発明者】
【氏名】西谷 博久
(72)【発明者】
【氏名】大沼 直邦
【テーマコード(参考)】
3F075
【Fターム(参考)】
3F075AA08
3F075BA01
3F075BB01
3F075CA06
3F075CA09
3F075CD12
3F075DA17
(57)【要約】
【課題】 従来、複数、特に二段重合した粉粒体フィーダにおけるダンパー装置にあって、各々のケーシング内でシュートの排出口を開閉する枢動弁体の駆動源は各々のケーシングに別個に設けられており、メンテナンスや操作が煩雑となり、これを単一の駆動源によって各々のケーシング内の枢動弁板の動作を連動させる装置はなかったという点である。
【解決手段】 上面及び下面に各々開口を形成したケーシングを有し、そのケーシングを上下方向に複数段重合し、前記各ケーシングの上面近傍内部にシャフトを貫通して備え、前記上面開口に粉粒体の自重落下用のシュートを備え、そのシュートの排出口を開閉する枢動弁板を前記シャフトに取り付けてあり、その枢動弁板の開閉はケーシング外に設けた駆動源によるシャフトの回転によってなされる粉粒体フィーダにおけるダンパー装置であって、前記駆動源は各々のケーシング内の枢動弁板を開閉する単一の、直線動をする手段であることとする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面及び下面に各々開口を形成したケーシングを有し、そのケーシングを上下方向に複数段重合し、前記各ケーシングの上面近傍内部にシャフトを貫通して備え、前記上面開口に粉粒体の自重落下用のシュートを備え、そのシュートの排出口を開閉する枢動弁板を前記シャフトに取り付けてあり、その枢動弁板の開閉はケーシング外に設けた駆動源によるシャフトの回転によってなされる粉粒体フィーダにおけるダンパー装置であって、前記駆動源は各々のケーシング内の枢動弁板を開閉する単一の、直線動をする手段であることを特徴とする粉粒体フィーダにおけるダンパー装置。
【請求項2】
前記したケーシングは上下に二段重合されていることを特徴とする請求項1に記載の粉粒体フィーダにおけるダンパー装置。
【請求項3】
前記した直線動をする手段はエアシリンダであることを特徴とする請求項1に記載の粉粒体フィーダにおけるダンパー装置。
【請求項4】
前記枢動弁板の背面にはブラケットを介して弁板アームが取り付けられ、その弁板アームの基端が前記シャフトに取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の粉粒体フィーダにおけるダンパー装置。
【請求項5】
前記エアシリンダにはウェイトが固定して備えられていることを特徴とする請求項3に記載の粉粒体フィーダにおけるダンパー装置。
【請求項6】
上段ケーシングのシャフトには、エアシリンダのロッドの先端と、シリンダアームで連結してあり、下段ケーシングのシャフトにはエアシリンダのシリンダ底部と、シリンダアームで連結してあることを特徴とする請求項3に記載の粉粒体フィーダにおけるダンパー装置。
【請求項7】
エアシリンダには上端寄りと下端寄りに各々コンプレッサーからのエアの供給口が形成され、少なくとも上下に二段重合されたケーシングには、このエアの供給口を切り替えるための電磁弁が設けられていることを特徴とする請求項3に記載の粉粒体フィーダにおけるダンパー装置。
【請求項8】
前記シャフトの駆動源と反対方向へのケーシングからの突出部分には枢動弁板の状態を確保するためのリミットスイッチが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の粉粒体フィーダにおけるダンパー装置。
【請求項9】
前記シャフトの駆動源のある側のケーシングの外壁面にはシャフトが挿通されるベアリングユニットが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の粉粒体フィーダにおけるダンパー装置。
【請求項10】
シャフトは前記ベアリングユニット内でオイルシールによってラジアル方向に締められていることを特徴とする請求項9に記載の粉粒体フィーダにおけるダンパー装置。
【請求項11】
前記したケーシングには各々点検口が開閉自在に備えられていることを特徴とする請求項1に記載の粉粒体フィーダにおけるダンパー装置。
【請求項12】
前記したシリンダアームのシャフトとの連結部より先方にストッパーアームを設け、そのストッパーアームを受けるストッパーをケーシングの外表面側の一部に備えていることを特徴とする請求項6に記載の粉粒体フィーダにおけるダンパー装置。
【請求項13】
前記したストッパーアームはシャフトの、シリンダアームより内側に設けられていることを特徴とする請求項12に記載の粉粒体フィーダにおけるダンパー装置。
【請求項14】
前記ストッパーアームはシリンダアームの先端に一体的に延長して設けられていることを特徴とする請求項12に記載の粉粒体フィーダにおけるダンパー装置。
【請求項15】
前記したストッパーはベアリングユニットの外表面に固定されたストッパー取り付け部材に設けられたボルトであることを特徴とする請求項12に記載の粉粒体フィーダにおけるダンパー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は粉粒体フィーダにおけるダンパー装置に関し、特に上下方向に複数段重合されたケーシングを有し、その各々のケーシング内に粉粒体を自重落下させるシュートと、そのシュートの排出口を開閉する枢動弁体を、ケーシングを貫通するシャフトに取り付けてあるダンパー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、粉粒体を移送するフィーダにあっては、移送中に粉粒体に空気が混入してしまう事態が生じることがあり、粉粒体と空気を分離させ、圧力を遮断するためにダンパー機構が組み入れられることが多く、粉粒体の定量での移送や、圧力遮断、空気の分離の確実性を高めるため、このダンパー機構を上下二段に配置したダンパー装置も提供されている。
【0003】
しかしながら、この上下二段に配備したダンパー装置にあっては、各々のケーシング内に設けられているシュートの排出口を開閉する枢動弁板(フラップ弁)の駆動は各々のケーシングに取り付けた駆動源によって枢動弁板を取り付けたシャフトの回転を独立して動作させる構造となっている。
【0004】
そのため、各ケーシング内における枢動弁板の動きと停止状態は単独に行われることとなる。従って、上段ケーシングのシュートにおける枢動弁板を閉めて対象物である粉粒体を一旦そのシュート内に溜め、続いて、下段ケーシングのシュートにおける枢動弁板を閉めて排出口を閉塞した状態としてから、上段ケーシングのシュートの枢動弁板を開けて、下段のシュートへ内部の粉粒体を落下させるという手順が必要となってくる。
【0005】
かかる手順を繰り返すことは人力では困難であり、自動制御させるためのプログラムを組むことも面倒なものとなり、費用も嵩張ってしまう。加えて、駆動源が各々のケーシング内の枢動弁板に対応してその数の分が存在しており、メンテナンスが時間と労力を多大に要してしまうこととなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
出願人は本願発明について、先行する技術文献を調査したが、格別に本願発明と関連し、類似していると思われる文献は発見できなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本願発明が解決しようとする問題点は、従来、複数、特に二段重合した粉粒体フィーダにおけるダンパー装置にあって、各々のケーシング内でシュートの排出口を開閉する枢動弁体の駆動源は各々のケーシングに別個に設けられており、メンテナンスや操作が煩雑となり、これを単一の駆動源によって各々のケーシング内の枢動弁板の動作を連動させる装置はなかったという点である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した問題点を解決するため、本発明に係る粉粒体フィーダにおけるダンパー装置は、上面及び下面に各々開口を形成したケーシングを有し、そのケーシングを上下方向に複数段重合し、前記各ケーシングの上面近傍内部にシャフトを貫通して備え、前記上面開口に粉粒体の自重落下用のシュートを備え、そのシュートの排出口を開閉する枢動弁板を前記シャフトに取り付けてあり、その枢動弁板の開閉はケーシング外に設けた駆動源によるシャフトの回転によってなされる粉粒体フィーダにおけるダンパー装置であって、前記駆動源は各々のケーシング内の枢動弁板を開閉する単一の、直線動をする手段であることを特徴としている。
【0009】
また、本発明に係る粉粒体フィーダにおけるダンパー装置は、前記したケーシングは上下に二段重合されていることを特徴としている。
【0010】
さらに、本発明に係る粉粒体フィーダにおけるダンパー装置は、前記した直線動をする手段はエアシリンダであることを特徴としている。
【0011】
そして、本発明に係る粉粒体フィーダにおけるダンパー装置は、前記枢動弁板の背面にはブラケットを介して弁板アームが取り付けられ、その弁板アームの基端が前記シャフトに取り付けられていることを特徴としている。
【0012】
また、本発明に係る粉粒体フィーダにおけるダンパー装置は、前記エアシリンダにはウェイトが固定して備えられていることを特徴としている。
【0013】
さらに、本発明に係る粉粒体フィーダにおけるダンパー装置は、上段ケーシングのシャフトには、エアシリンダのロッドの先端と、シリンダアームで連結してあり、下段ケーシングのシャフトにはエアシリンダのシリンダ底部と、シリンダアームで連結してあることを特徴としている。
【0014】
そして、本発明に係る粉粒体フィーダにおけるダンパー装置は、エアシリンダには上端寄りと下端寄りに各々コンプレッサーからのエアの供給口が形成され、少なくとも上下に二段重合されたケーシングには、このエアの供給口を切り替えるための電磁弁が設けられていることを特徴としている。
【0015】
また、本発明に係る粉粒体フィーダにおけるダンパー装置は、前記シャフトの駆動源と反対方向への突出部分には枢動弁板の状態を確保するためのリミットスイッチが設けられていることを特徴としている。
【0016】
さらに、本発明に係る粉粒体フィーダにおけるダンパー装置は、前記シャフトの駆動源におけるケーシングの外壁面にはシャフトが挿通されるベアリングユニットが設けられていることを特徴としている。
【0017】
そして、本発明に係る粉粒体フィーダにおけるダンパー装置は、シャフトは前記ベアリングユニット内でオイルシールによってラジアル方向に締められていることを特徴としている。
【0018】
また、本発明に係る粉粒体フィーダにおけるダンパー装置は、前記したケーシングには各々点検口が開閉自在に備えられていることを特徴としている。
【0019】
さらに、本発明に係る粉粒体フィーダにおけるダンパー装置は、前記したシリンダアームのシャフトとの連結部より先方にストッパーアームを設け、そのストッパーアームを受けるストッパーをケーシングの外表面側の一部に備えていることを特徴としている。
【0020】
そして、本発明に係る粉粒体フィーダにおけるダンパー装置は、前記したストッパーアームはシャフトの、シリンダアームより内側に設けられていることを特徴とし、前記ストッパーアームはシリンダアームの先端に一体的に延長して設けられていることを特徴としている。
【0021】
また、本発明に係る粉粒体フィーダにおけるダンパー装置は、前記したストッパーはベアリングユニットの外表面に固定されたストッパー取り付け部材に設けられたボルトであることを特徴としている。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る粉粒体フィーダにおけるダンパー装置は上記のように構成されている。そのため、複数段に重合されたダンパー装置にあって、各々のケーシング内のシュート排出口を開閉する枢動弁板は単一の直線動する駆動源により、連動して作動させることができ、煩雑なチェックやメンテナンスも不要となり、自動的に粉粒体の移送作業を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明を実施した粉粒体フィーダにおけるダンパー装置の機構を示す左側面図である。
【
図5】同じくシュートと枢動弁板の関係を示す図である。
【
図6】同じくエアシリンダとシリンダアームを示す図である。
【
図7】同じくエアシリンダロッドを全ストローク引き込んだ場合の動作と枢動弁板の動作位置を示す図である。
【
図8】同じくロッドを半ストローク押し出した場合の枢動弁板の動作位置を示す図である。
【
図9】同じくロッドを全ストローク押し出した場合の枢動弁板の動作位置を示す図である。
【
図10】同じくロッドを半ストローク引き込んだ場合の枢動弁板の動作位置を示す図である。
【
図12】同じくロッドを引き込み上段の弁板を閉めた状態の図である。
【
図13】同じくロッドを押し出し下段の弁板を閉めた状態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図面として示し、実施例で説明したように構成したことで実現した。
【実施例0025】
次に、本発明の好ましい実施の一例を、
図1乃至
図10を参照して説明する。図中1はケーシングを示しており、このケーシング1は上面及び下面に各々開口1a、1bが形成されているもので、装置として実施例では二つのケーシング1、1が各々の開口縁フランジを合せ、ボルトもしくはビスで締着することで中間パッキン17を挟んで上下方向に重合されている。
【0026】
各々のケーシング1、1内には上面開口に前工程から移送されてくる粉粒体の受入口を合せたシュート2、2が、そのシュート2、2の受入口縁のフランジをケーシング1の上面開口1aの縁フランジで挟持し、ボルトもしくはビスで挟持締着されて固定されている。このシュート2、2の排出口はシュート2の軸芯方向に対して略30度の角度で形成されている。尚、図中16はシュートパッキンを示している。
【0027】
また、前記各ケーシング1、1には、その上方寄り個所で左右方向にシャフト6が両端をケーシング1外に突出させて貫通状態で備えられている。このシャフト6の中央部位には、前記シュート2、2の排出口を開閉し、閉塞する弁板3を支持する弁板アーム4の基端が取り付けられている。
【0028】
前記弁板アーム4は弁板3の背面にブラケット4aを介し、弁板ピン5を弁板アーム4に挿通することで取り付け、ハードロックナットを用いて固定されている。
【0029】
前記したシャフト6のケーシング1から突出された一方側にはシリンダアーム8の一端が嵌装固定されて取り付けられている。このシリンダアーム8はエルボ形の平板状のものとされ、上段ケーシング1にあって、このシリンダアーム8はエルボ形のコーナー部分が上方に位置し、下段のケーシング1にあってはこのシリンダアーム8のエルボ形のコーナー部分が下方に位置する構成とされている。
【0030】
前記した各々のシリンダアーム8の他端は、直線動をする駆動源、本実施例ではエアシリンダ9に連結固定されるもので、上段のケーシング1におけるシリンダアーム8はエアシリンダ9の出入動作するロッド9aの先端に固定され、下段のケーシング1におけるシリンダアーム8はエアシリンダ9のシリンダ底部に固定されている。
【0031】
また、前記エアシリンダ9には上端寄りと下端寄りに二つのエア供給口9b、9cが設けられ、この各エア供給口9b、9cにはロータリーワンタッチ式の管継手が備えられているもので、シリンダ内を摺動往復するピストンに対して圧力を付与するものとなっている。
【0032】
さらに、前記エアシリンダ9には上半部分にウェイト13が上面に配備されたウェイト取り付け板を介してビスあるいはボルトによって固着されており、ウェイト13の側面側には追加のウェイトを付加することのできるように予めビスあるいはボルトが備えられている。このウェイト13によってエアシリンダ9自体が自重で下降することを可能としている。
【0033】
そして、シャフト6のシリンダアーム8を取り付けた側のケーシング1の外面に沿った個所には、シャフト6が挿通されたベアリングユニット7が設けられている。このベアリングユニット7にはシャフト6が挿通されるベアリング7bが設けられ、そのベアリング7bの外面には転動体としてのボール7cが配置されている。尚、図中7aは防塵カバーを示している。
【0034】
このベアリングユニット7内でケーシング1寄りの個所ではオイルシール10が配備され、このオイルシール10によってシャフト6はラジアル方向に締め付けされている。尚、図中11はそのオイルシール10の押えプレートである。
【0035】
また、シャフト6の他方の突出部にはリミットスイッチボックス20がリミットスイッチ取り付け板21を介して取り付けられている。このボックス20に収納されているリミットスイッチは弁板3の動き、位置状態を検知し、確保することを主眼として設けられている。
【0036】
さらに、本実施例にあっては、上段のケーシング1の一方側面に電磁弁取り付け板19を介して電磁弁18が取り付け固定されている。この電磁弁18は前記したエアシリンダ9のエア供給口9b、9cの切り換えを行なうためのものであり、エアシリンダ9内のピストンを作動させ、ロッド9aを押し出したり、引き込んだりの作用をする。このロッド9aの作用によって、エアシリンダ9に端部が固定されたシリンダアーム8、8が回動して弁板3、3を枢動させることとなる。
【0037】
そして、図中14は各ケーシング1の前面に形成された点検口であり、この点検口14はレバーハンドル14aの付いた開閉扉を開けることで内部を視認できる。尚、この点検口14は各ケーシング1の後面にも設けられている。
【0038】
本実施例に係る粉粒体フィーダにおけるダンパー装置は上記のように構成されている。ここで、このダンパー装置における各ケーシング1内における弁板3の作動を
図7乃至
図10を参照して説明する。初期状態ではエアシリンダ9はウェイト13による自重で降下された位置にあり、この状態でロッド9aは全ストロークの引き込み状態となっている。
【0039】
この状態で上段のシリンダアーム8のロッド9aとの連結部は下方へ引かれ、シャフト6に枢支された弁板アーム4は梃子の原理で上方へ附勢され、そのため、弁板アーム4に取り付けられている弁板3は上段ケーシング1内のシュート2の排出口を閉塞した状態となっており、下段のケーシン1内における弁板3はエアシリンダ9からの力が加えられておらず、シュート2の排出口を開けた状態となっている(
図7参照)。
【0040】
この状態からロッド9aを半ストローク押し出すと、上段のケーシング1内にあって、弁板3はシュート2の排出口を閉塞している。即ち、弁板3はシュート2の排出口に押し付けられているので、ここが支点となってエアシリンダ9は前記した上段ケーシング1内の弁板3のシュート2の排出口の押え力の作用によりやや傾きながら、さらに下降し、この下降力が下段ケーシング1のシリンダアーム8の先端を押し下げ、シャフト6に基端を枢支されている弁板アーム4は上方に向けて枢動し、その弁板3が下段ケーシング1のシュート2の排出口を閉塞する。
【0041】
このように、上下の各ケーシング1、1のシュート2、2が弁板3、3によって閉塞されると、上下の各ケーシング1、1のシュート2、2内は圧力差が遮断され、同圧力となって、ここで上段のケーシング1のシュート2内に前工程から移送されてきた対象物となる粉粒体が自重落下されて溜められる(
図8参照)。
【0042】
上記した状態から、エアシリンダ9のロッド9aを全ストローク押し出すと、そのロッド9aの先端に端部を取り付けられた上段ケーシング1のシリンダアーム8は、下段ケーシング1内で弁板3がシュート2の排出口を押えている力を支点として弁板アーム4を、シャフト6を枢軸として下方に向け、弁板3をシュート2の排出口から離脱させる。即ち、シュート2の排出口を開放する。この作動によって、上段ケーシング1のシュート2に溜められていた対象物としての粉粒体は自重で下段ケーシング1のシュート2内へ落下し、今度はその下段ケーシング1内のシュート2内に溜められることとなる(
図9参照)。
【0043】
次いで、この状態からエアシリンダ9のロッド9aを半ストローク引き込むと、エアシリンダ9の状態は前記した
図8の状態と同様となり、上下各段のケーシング1、1内におけるシュート2、2の排出口は各々弁板3、3によって閉塞されている状態となり、この状態では下段ケーシング1のシュート2内に対象物である粉粒体が溜められていることとなる(
図10参照)。
【0044】
ここから、エアシリンダ9のロッド9aを全ストローク引き込むと、前記した
図7の状態となり、下段のケーシング1のシュート2の排出口が開放されて、そこに溜められている粉粒体は自重で下段のケーシング1内を通過して、次工程へと自重落下によって移送される。こうして本実施例にあっては
図7で示す状態から
図10で示す状態へと循環して作動することとなる。
また、本実施例にあっては、シャフト6が挿通されるベアリングユニット7の外表面にストッパー取り付け部材24が装備されており、その取り付け部材24の前面に押しボルト(全ネジボルト)を用いたストッパー25が螺着されて設けられている。ここでストッパー25としてネジ先でストッパーアーム23を受ける押しボルトを用いたのは位置アジャストがその押しボルトの回転で容易に実行できるためであり、調整域が対応十分であれば中ボルトでも勿論可能である。
上記したストッパーアーム23及びそれを受けるストッパー25を附設したのは、各々のケーシング1、1内の弁板3がシュート2の排出口を開放する際に、シリンダアーム8の下方への回動距離を制御するためで、この制御によって、ストッパーアーム23は更に推進しようとするパワーが抑えられることとなり、この抑えられたパワーが反作用としての応力がエアシリンダ9を仲介して他のケーシング1内のシリンダアーム8に伝達され、そのシリンダアーム8によって作動される弁板3のシュート2の排出口を抑える力がアップすることとなり、一層の弁板3による閉塞力を得ることができる。即ち、エアシリンダ9の推進力を弁板3の閉塞力(押し付け力)に、エアシリンダ9やウェイト13の自重による力に加えて利用することができることとなる。