(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024005925
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】建具
(51)【国際特許分類】
E06B 5/16 20060101AFI20240110BHJP
E06B 3/67 20060101ALI20240110BHJP
E06B 3/263 20060101ALI20240110BHJP
E06B 3/58 20060101ALN20240110BHJP
【FI】
E06B5/16
E06B3/67 A
E06B3/263 D
E06B3/58 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022106401
(22)【出願日】2022-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100160794
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 寛明
(72)【発明者】
【氏名】桑山 裕次
(72)【発明者】
【氏名】恐田 祐樹
【テーマコード(参考)】
2E014
2E016
2E239
【Fターム(参考)】
2E014AA03
2E014BA01
2E014BA08
2E014BB01
2E014BB02
2E014BD06
2E016AA03
2E016BA09
2E016CA01
2E016CB01
2E016CC03
2E016DA01
2E016DB04
2E016DC01
2E016DD04
2E239CA22
2E239CA32
2E239CA33
2E239CA35
2E239CA45
2E239CA46
2E239CA47
2E239CA62
(57)【要約】
【課題】トリプルガラスを備え、防火性能の向上が図られた建具を提供すること。
【解決手段】枠体2若しくは框体30と、枠体2若しくは框体30に配置され、室外側ガラス35aと、室外側ガラス35aに対して隙間をあけて室内側に配置される室内側ガラス35bと、室外側ガラス35aと室内側ガラス35bとの間に配置される中間ガラス35cと、を備えるトリプルガラスと、枠体2若しくは框体30とトリプルガラスの端縁との間に配置された加熱発泡材315、と、を備え、加熱発泡材315は、少なくとも中間ガラス35cの端縁と、室外側ガラス35aと室内側ガラス35bとのうちの何れか一方の端縁と、に跨って対向する位置に配置されている建具1である。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠体若しくは框体と、
前記枠体若しくは框体に配置され、室外側ガラスと、前記室外側ガラスに対して隙間をあけて室内側に配置される室内側ガラスと、前記室外側ガラスと前記室内側ガラスとの間に配置される中間ガラスと、を備えるトリプルガラスと、
前記枠体若しくは框体と前記トリプルガラスの端縁との間に配置された加熱発泡材と、を備え、
前記加熱発泡材は、少なくとも前記中間ガラスの端縁と、前記室外側ガラスと前記室内側ガラスとのうちの何れか一方の端縁と、に跨って対向する位置に配置されている建具。
【請求項2】
前記加熱発泡材は、前記室外側ガラスの端縁に対向する位置から前記中間ガラスの端縁に跨って対向する位置を越えて、前記室内側ガラスと前記中間ガラスとの間の空間に対向する位置に至るまで延びて配置されている請求項1に記載の建具。
【請求項3】
前記加熱発泡材は、前記中間ガラスの端縁に対向する位置から前記室外側ガラスの端縁に跨って対向する位置を越えて、室外側へ延びて配置されている請求項1に記載の建具。
【請求項4】
前記加熱発泡材は、前記室内側ガラスの端縁に対向する位置から前記中間ガラスの端縁に跨って対向する位置を越えて、前記室外側ガラスと前記中間ガラスとの間の空間に対向する位置に至るまで延びて配置されている請求項1に記載の建具。
【請求項5】
前記加熱発泡材は、前記中間ガラスの端縁に対向する位置から前記室内側ガラスの端縁に跨って対向する位置を越えて、室内側へ延びて配置されている請求項1に記載の建具。
【請求項6】
前記トリプルガラスは矩形に形成され、
前記加熱発泡材は、少なくとも前記トリプルガラスの上辺に対向する位置に配置されている請求項1~請求項5のいずれかに記載の建具。
【請求項7】
前記トリプルガラスの室内側見付面に対向する位置には、断熱シートが配置されている請求項1~請求項5のいずれかに記載の建具。
【請求項8】
前記トリプルガラスは、アルミと樹脂の複合サッシの障子を構成する請求項1~請求項5のいずれかに記載の建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、スペーサを介して三層以上のガラスを配列させた複層ガラス体とこの複層ガラス体を備えた建具に関する。
【背景技術】
【0002】
防火性能を高めた防火建具があるが、ペアガラスを採用したタイプが主流である。一方、近年では住宅が排出するCO2の更なる削減、より快適な温熱環境の実現をするためトリプルガラスの採用が増加している(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示は、トリプルガラスを備え、防火性能の向上が図られた建具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、枠体若しくは框体と、前記枠体若しくは框体に配置され、室外側ガラスと、前記室外側ガラスに対して隙間をあけて室内側に配置される室内側ガラスと、前記室外側ガラスと前記室内側ガラスとの間に配置される中間ガラスと、を備えるトリプルガラスと、前記枠体若しくは框体と前記トリプルガラスの端縁との間に配置された加熱発泡材と、を備え、前記加熱発泡材は、少なくとも前記中間ガラスの端縁と、前記室外側ガラスと前記室内側ガラスとのうちの何れか一方の端縁と、に跨って対向する位置に配置されている建具に関する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】第1実施形態の建具としての引き違い窓を室内側から見た正面図である。
【
図4】第2実施形態の建具としての引き違い窓の内障子の戸先側の縦框の部分を示す横断面図である。
【
図5】第3実施形態の建具としての引き違い窓の内障子の戸先側の縦框の部分を示す横断面図である。
【
図6】第4実施形態の建具としての引き違い窓の内障子の戸先側の縦框の部分を示す横断面図である。
【
図7】第5実施形態の建具としての縦辷り窓の障子の上框の部分を示す縦断面図である。
【
図8】第5実施形態の建具としての縦辷り窓の障子の下框の部分を示す縦断面図である。
【
図9】第5実施形態の建具としての縦辷り窓の障子の右側の縦框の部分を示す横断面図である。
【
図10】第5実施形態の建具としての縦辷り窓の障子の左側の縦框の部分を示す横断面図である。
【
図11】第6実施形態の建具としての縦辷り窓の障子の右側の縦框の部分を示す横断面図である。
【
図12】第7実施形態の建具としての縦辷り窓の障子の右側の縦框の部分を示す横断面図である。
【
図13】第8実施形態の建具としての縦辷り窓の障子の右側の縦框の部分を示す横断面図である。
【
図14】第9実施形態の建具としての横辷り窓の障子の上框の部分を示す縦断面図である。
【
図15】第9実施形態の建具としての横辷り窓の障子の下框の部分を示す縦断面図である。
【
図16】第9実施形態の建具としての横辷り窓の障子の右側の縦框の部分を示す横断面図である。
【
図17】第10実施形態の建具としての横辷り窓の障子の左側の縦框の部分を示す横断面図である。
【
図18】第11実施形態の建具としての横辷り窓の障子の右側の縦框の部分を示す横断面図である。
【
図19】第12実施形態の建具としての横辷り窓の障子の右側の縦框の部分を示す横断面図である。
【
図20】第13実施形態の建具としてのFIX窓の上枠の部分を示す縦断面図である。
【
図21】第13実施形態の建具としてのFIX窓の下枠の部分を示す縦断面図である。
【
図22】第13実施形態の建具としてのFIX窓の右側の縦枠の部分を示す横断面図である。
【
図23】第14実施形態の建具としてのFIX窓の障子の右側の縦枠の部分を示す横断面図である。
【
図24】第15実施形態の建具としてのFIX窓の障子の右側の縦枠の部分を示す横断面図である。
【
図25】第16実施形態の建具としてのFIX窓の障子の右側の縦枠の部分を示す横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本開示の第1実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。本明細書において、「見付方向」とは、建物の壁に形成された開口部に納められた引き違い窓1における面材35,45の面方向を意味し、「見込方向」とは、上記面材35,45の厚さ方向(即ち、奥行き方向)を意味する。「見込方向」は室内外方向でもある。「見付面」は、引き違い窓1における室外側及び室内側に面するそれぞれの面を意味し、「見込面」は、引き違い窓1において室内外方向に延びる面を意味する。図面において、引き違い窓1の室外側を室外側X1とし、引き違い窓1の室内側を室内側X2とする。
【0008】
建具を構成する引き違い窓1は、
図1~
図3に示すように、図示しない建物躯体の開口部に取り付けられる枠体2の内側に、室外側X1に配置される外障子3と、室内側X2に配置される内障子4との2枚の障子がそれぞれ納められることによって構成される。
【0009】
枠体2は、上枠21、下枠22及び左右一対の縦枠23,24を矩形に枠組みすることによって構成される。
図2に示すように、上枠21には、室外側レール211及び室内側レール212が設けられる。上枠21は、室外側レール211の室外側X1に、網戸レール213を有する。下枠22には、室外側レール221及び室内側レール222が設けられる。下枠22は、室外側レール221の室外側X1に、網戸レール223を有する。
【0010】
図2に示すように、上枠21は、枠体本体であり室外側と室内側とに2分割構成とされた金属枠体214の内側表面に、樹脂カバー材215,216を取り付けた複合構造を有する。そのため、断熱性及び防露性に優れる。金属枠体214は、室外側レール211と室内側レール212との間で、室外側金属枠体2141と室内側金属枠体2142とに分割されている。室外側金属枠体2141と室内側金属枠体2142は、樹脂連結材2143によって連結されている。
【0011】
樹脂カバー材215は、上枠21における室外側レール211と室内側レール212との間に配置される。樹脂カバー材216は、上枠21における室内側レール212の室内側X2の部分を含んで構成され、室内側レール212の室内側面から金属枠体214の内側表面にかけて設けられている。樹脂カバー材216は、金属枠体214の室内側端部214aよりも室内側X2に突出するアングル部2161を有する。樹脂カバー材215は、
図1に示す位置に配置された外障子3の上側の位置に設けられている。樹脂カバー材216は、内障子4の上側において上枠21の延びる方向の全長に亘って設けられている。
【0012】
図2に示すように、下枠22は、枠体本体であり室外側と室内側とに2分割構成とされた金属枠体224の内側表面に、樹脂カバー材226,227を取り付けた複合構造を有する。そのため、断熱性及び防露性に優れる。金属枠体224は、室外側レール221と室内側レール222との間で、室外側金属枠体2241と室内側金属枠体2242とに分割されている。室外側金属枠体2241と室内側金属枠体2242は、樹脂連結材2243によって連結されている。
【0013】
樹脂カバー材226は、下枠22における室外側レール221と室内側レール222との間に配置される。詳しくは、樹脂カバー材226は、樹脂連結材2243よりも室外側X1の室外側金属枠体2241の内側表面に配置される。樹脂カバー材227は、下枠22における室内側レール222よりも室内側X2に配置される。樹脂カバー材226は、
図1に示す位置に配置された外障子3の下側の位置に設けられている。樹脂カバー材227は、内障子4の下側において下枠22の延びる方向の全長に亘って設けられている。
【0014】
図3に示すように、外障子3の戸先側に配置される縦枠23は、枠体本体である金属枠体231を有する。内障子4の戸先側に配置される縦枠24は、枠体本体である金属枠体241を有する。
【0015】
図1~
図3に示すように、外障子3は、上框31、下框32、戸先側に配置される縦框33及び戸尻側に配置される縦框である外召し合わせ框34を矩形に框組した框体30の内側に、3枚のガラスからなる矩形のトリプルガラスである面材35が納められることによって構成される。面材35は、断熱ガラスにより構成される室外側ガラス35aと、室外側ガラス35aに対して隙間をあけて室内側に配置され断熱ガラスにより構成される室内側ガラス35bと、室外側ガラス35aと室内側ガラス35bとの間に配置され耐熱強化ガラスにより構成される中間ガラス35cとを有している。この3枚のガラスの組み合わせについては、後述の他の実施形態についても同様である。
【0016】
室外側ガラス35aと中間ガラス35cとの間、室内側ガラス35bと中間ガラス35cとの間にはスペーサ35dが配置されている。トリプルガラスである面材35の端面は、断面視略コの字状のゴム製のパッキンであるグレーチングチャネル356により保持されている。グレーチングチャネル356を介して、面材35の端縁に対向する上框31、下框32、縦框33、及び、外召し合わせ框34の位置には、
図2~
図3に示すように、加熱発泡材315、325、335、345が設けられている。また、加熱発泡材315、325、335、345を介してグレーチングチャネル356の一部に覆いかぶさるようにして、ガラス保持金具3581、3582、3583、3584が設けられている。また、室外側レール211の下側において対向する上框31の部分にも、加熱発泡材316が設けられている。
【0017】
外障子3は、上枠21及び下枠22の室外側レール211,221に左右方向に移動可能に係合している。外障子3の下框32には、下枠22の室外側レール221上を転動する戸車36が設けられる。
【0018】
内障子4は、上框41、下框42、戸先側に配置される縦框43及び戸尻側に配置される内召し合わせ框44を矩形に框組した框体40の内側に、3枚のガラスからなるトリプルガラスである面材45が納められることによって構成される。面材45は、室外側ガラス45aと、室外側ガラス45aに対して隙間をあけて室内側に配置される室内側ガラス45bと、室外側ガラス45aと室内側ガラス45bとの間に配置される中間ガラス45cとを有している。
【0019】
室外側ガラス45aと中間ガラス45cとの間、室内側ガラス45bと中間ガラス45cとの間にはスペーサ45dが配置されている。トリプルガラスである面材45の端面は、断面視略コの字状のゴム製のパッキンであるグレーチングチャネル456により保持されている。グレーチングチャネル456を介して、面材45の端縁に対向する位置には、加熱発泡材415、425、435、445が設けられている。また、加熱発泡材415、425、435、445を介してグレーチングチャネル456の一部に覆いかぶさるようにして、ガラス保持金具4581、4582、4583、4584が設けられている。また、室内側レール212の下側において対向する上框41の部分にも、加熱発泡材416が設けられている。
【0020】
内障子4は、上枠21及び下枠22の室内側レール212,222に左右方向に移動可能に係合している。内障子4の下框42には、下枠22の室内側レール222上を転動する戸車46が設けられる。
【0021】
図2~
図3に示すように、外障子3の上框31、下框32、縦框33及び外召し合わせ框34は、金属框材311,321,331,341の室内側X2に、樹脂框材312、322、332,342を取り付けた複合構造をそれぞれ有する。金属框材311,321,331,341と、樹脂框材312、322、332,342と、により、それぞれ下側、上側、戸尻側、戸先側へ開口するコの字状のガラス保持溝313、323、333,343が形成される。
【0022】
内障子4の上框41、下框42、縦框43及び内召し合わせ框44は、金属框材411,421,431,441の室内側X2に、樹脂框材412,422,432,442を取り付けた複合構造をそれぞれ有する。金属框材411,421,431,441と、樹脂框材412、422、432,442と、により、それぞれ下側、上側、戸尻側、戸先側へ開口するコの字状のガラス保持溝413、423、433,443が形成される。
【0023】
本実施形態においては、例えば、金属框材311,321,331,341、411,421,431,441はアルミニウム材料により形成されており、外障子3の框(上框31、下框32、戸先側に配置される縦框33及び外召し合わせ框34)及び内障子4の框(上框41、下框42、戸先側に配置される縦框43及び内召し合わせ框44)は、アルミ樹脂複合構造で構成される。これによって、外障子3及び内障子4は、断熱性及び防露性に優れる。
【0024】
図2に示すように、加熱発泡材315は、外障子3の上框31のガラス保持溝313内であって、中間ガラス35cの端縁と、室内側ガラス35bの端縁と、に跨って対向する位置に配置されている。加熱発泡材315の室内側の端部は、室内側ガラス35bの室内側の面に一致する位置関係を有する。加熱発泡材315の室外側の端部は、中間ガラス35cの室外側の面に一致する位置関係を有する。
【0025】
加熱発泡材325は、外障子3の下框32のガラス保持溝323内であって、中間ガラス35cの端縁と、室内側ガラス35bの端縁と、に跨って対向する位置に配置されている。加熱発泡材325の室内側の端部は、室内側ガラス35bの室内側の面に一致する位置関係を有する。加熱発泡材325の室外側の端部は、中間ガラス35cの室外側の面に一致する位置関係を有する。
【0026】
図3に示すように、加熱発泡材335は、外障子3の縦框33のガラス保持溝333内であって、中間ガラス35cの端縁と、室内側ガラス35bの端縁と、に跨って対向する位置に配置されている。加熱発泡材335の室内側の端部は、室内側ガラス35bの室内側の面に一致する位置関係を有する。加熱発泡材335の室外側の端部は、中間ガラス35cの室外側の面に一致する位置関係を有する。
【0027】
加熱発泡材345は、外障子3の外召し合わせ框34のガラス保持溝343内であって、中間ガラス35cの端縁と、室内側ガラス35bの端縁と、に跨って対向する位置に配置されている。加熱発泡材345の室内側の端部は、室内側ガラス35bの室内側の面に一致する位置関係を有する。加熱発泡材345の室外側の端部は、中間ガラス35cの室外側の面に一致する位置関係を有する。
【0028】
図2に示すように、加熱発泡材415は、内障子4の上框41のガラス保持溝413内であって、中間ガラス45cの端縁と、室内側ガラス45bの端縁と、に跨って対向する位置に配置されている。加熱発泡材415の室内側の端部は、室内側ガラス45bの室内側の面に一致する位置関係を有する。加熱発泡材415の室外側の端部は、中間ガラス45cの室外側の面に一致する位置関係を有する。
【0029】
加熱発泡材425は、内障子4の下框42のガラス保持溝423内であって、中間ガラス45cの端縁と、室内側ガラス45bの端縁と、に跨って対向する位置に配置されている。加熱発泡材425の室内側の端部は、室内側ガラス45bの室内側の面に一致する位置関係を有する。加熱発泡材425の室外側の端部は、中間ガラス45cの室外側の面に一致する位置関係を有する。
【0030】
図3に示すように、加熱発泡材445は、内障子4の内召し合わせ框44のガラス保持溝443内であって、中間ガラス45cの端縁と、室内側ガラス45bの端縁と、に跨って対向する位置に配置されている。加熱発泡材445の室内側の端部は、室内側ガラス45bの室内側の面に一致する位置関係を有する。加熱発泡材445の室外側の端部は、中間ガラス45cの室外側の面に一致する位置関係を有する。
【0031】
加熱発泡材435は、内障子4の縦框43のガラス保持溝433内であって、中間ガラス45cの端縁と、室内側ガラス45bの端縁と、に跨って対向する位置に配置されている。加熱発泡材435の室内側の端部は、室内側ガラス45bの室内側の面に一致する位置関係を有する。加熱発泡材435の室外側の端部は、中間ガラス45cの室外側の面に一致する位置関係を有する。
【0032】
室外側における火災の際に、発泡した加熱発泡材315、325、335、345、415、425、435、445により室内側ガラス35b、45b及び中間ガラス35c、45cを保持することが可能となる。トリプルガラスにおいては、室外側ガラス35a、45aと室内側ガラス35b、45bとに挟まれて熱籠りが発生する中間ガラス35c、45cが最も割れやすい。しかし、加熱発泡材315、325、335、345、415、425、435、445は、室外側ガラス35a、45aの端縁に対向する位置には配置されていないため、室外側における火災の際に、室外側ガラス35a、45aを早々に脱落させることが可能となる。これにより熱籠りによる中間ガラス35c、45cの割れを防止することが可能となる。
【0033】
また、複層ガラスは一方のガラスの膨張や歪みに他方のガラスが追従しきれず割れてしまう場合がある。しかし、このように加熱発泡材315、325、335、345、415、425、435、445が配置されているため、室外側における火災の際に、加熱発泡材315、325、335、345、415、425、435、445が発泡して体積が膨張することにより、中間ガラス35c、45cと、室内側ガラス35b、45bと、スペーサ35d、45dとをそれぞれ分離させることが可能となる。これにより、室外側ガラス35a、45aの膨張や歪みの影響を中間ガラス35c、45c、室内側ガラス35b、45bに与えないことが可能となり、中間ガラス35c、45c、室内側ガラス35b、45bの割れを防止することが可能となる。
【0034】
また、複層ガラスは一方のガラスが受けた熱をスペーサを介して他方のガラスに伝えてしまうという特徴がある。しかし、このように加熱発泡材315、325、335、345、415、425、435、445が配置されているため、室外側における火災の際に、加熱発泡材315、325、335、345、415、425、435、445が発泡して体積が膨張することにより、中間ガラス35c、45cと、室内側ガラス35b、45bと、スペーサ35d、45dとをそれぞれ分離させることが可能となる。これにより、中間ガラス35c、45cが受けた熱を室内側ガラス35b、45bに極力伝えないことが可能となる。この結果、室内側ガラス35b、45bの熱割れを防止することが可能となる。
【0035】
また、このように加熱発泡材315、325、335、345、415、425、435、445が配置されているため、室外側における火災の際に、加熱発泡材315、325、335、345、415、425、435、445が発泡して体積が膨張することにより、中間ガラス35c、45c、及び、室内側ガラス35b、45bを框体30に保持することが可能となる。特に、室外側における火災の際には、縦框33及び外召し合わせ框34等のアルミ製の部材や中間ガラス35c、45c及び室内側ガラス35b、45bが上方向へ膨張するが、アルミの方がガラスよりも膨張率が大きい為、中間ガラス35c、45c及び室内側ガラス35b、45bの上辺と上框31、41との間に、隙間が生じやすい。しかし、中間ガラス35c、45c、及び、室内側ガラス35b、45bの上辺に対向する位置に加熱発泡材315、415が配置されているため、火災の際に膨張した加熱発泡材315、415がこの隙間を埋めて、上框31、41が中間ガラス35c、45c、及び、室内側ガラス35b、45bを保持することが可能となる。
【0036】
また、面材35、45を構成するトリプルガラスは、アルミと樹脂の複合サッシの外障子3、内障子4を構成(アルミ樹脂複合構造を構成)する。これにより、断熱性能に優れる面材35、45とすることが可能となり、この結果、住宅が排出するCO2の更なる削減をして、より快適な温熱環境の実現をすることが可能となる。また、面材35、45の一部が金属であるアルミにより構成されるため、防火性能に優れた面材35、45とすることが可能となる。
【0037】
また、加熱発泡材315、325、335、345、415、425、435、445は、中間ガラス35c、45c及び室内側ガラス35b、45bの端縁と、ガラス保持金具3581、3582、3583、3584、4581、4582、4583、4584と、の間に配置されている。このため、加熱発泡材315、325、335、345、415、425、435、445の発泡により、火災の際に、熱せられたガラス保持金具3581、3582、3583、3584、4581、4582、4583、4584と、中間ガラス35c、45c及び室内側ガラス35b、45bと、を接触させないことが可能となり、これらのガラスの熱割れを防止することが可能となる。
【0038】
次に、本開示の第2実施形態について説明する。第2実施形態においては、見込方向における加熱発泡材435Aの長さが、第1実施形態の見込方向における加熱発泡材435の長さとは異なる。同様に、見込方向における長さが、加熱発泡材435Aと同じ加熱発泡材が、第1実施形態の加熱発泡材315、325、335、345、415、425、445と同様の位置にそれぞれ設けられている。これ以外の構成については、第1実施形態と同様のため、同一の部材については同一の符号を付して説明を省略する。また、上述の、見込方向における長さが、加熱発泡材435Aと同じ加熱発泡材については、説明を省略し、加熱発泡材435Aについてのみ説明する。
【0039】
図4に示すように、加熱発泡材435Aは、内障子4の縦框43のガラス保持溝433内であって、中間ガラス45cの端縁と、室内側ガラス45bの端縁と、に跨って対向する位置に配置されている。加熱発泡材435Aの室内側の端部は、室内側ガラス45bの室内側の面よりも室内側に位置する。加熱発泡材435Aの室外側の端部は、中間ガラス45cの室外側の面に一致する位置よりも室外側に延びて、室外側ガラス45aと中間ガラス45cとの間の空間に対向する位置に至るまで延びている。
【0040】
これにより、第1実施形態において得られる効果に加えて、中間ガラス45cの室外側において加熱発泡材435Aを発泡させることが可能となり、室外側における火災の際に、中間ガラス45cの室外側への倒れ込みを防止することが可能となる。また、室内側ガラス45bの室内側で加熱発泡材435Aを発泡させることが可能となり、室外側における火災の際に、室内側ガラス45bの室内側への倒れ込みを防止することが可能となる。
【0041】
次に、本開示の第3実施形態について説明する。第3実施形態においては、見込方向における加熱発泡材435Bの配置されている位置が、第1実施形態の見込方向における加熱発泡材435の配置されている位置とは異なる。同様に、第1実施形態の加熱発泡材315、325、335、345、415、425、445のそれぞれに代えて、面材35、45に対する見込方向における位置が加熱発泡材435Bと同じ位置である加熱発泡材が設けられている。これ以外の構成については、第1実施形態と同様のため、同一の部材については同一の符号を付して説明を省略する。また、上述の、面材35、45に対する見込方向における位置が、加熱発泡材435Bと同じ加熱発泡材については、説明を省略し、加熱発泡材435Bについてのみ説明する。
【0042】
図5に示すように、加熱発泡材435Bは、内障子4の縦框43のガラス保持溝433内であって、中間ガラス45cの端縁と、室外側ガラス45aの端縁と、に跨って対向する位置に配置されている。加熱発泡材435Bの室内側の端部は、中間ガラス45cの室内側の面に一致する位置関係を有する。加熱発泡材435Bの室外側の端部は、室外側ガラス45aの室外側の面に一致する位置関係を有する。
【0043】
これにより、室内側における火災の際に、発泡した加熱発泡材435Bにより室外側ガラス45a及び中間ガラス45cを保持することが可能となる。トリプルガラスにおいては、室外側ガラス45aと室内側ガラス45bとに挟まれて熱籠りが発生する中間ガラス45cが最も割れやすい。しかし、加熱発泡材435Bは、室内側ガラス45bの端縁に対向する位置には配置されていないため、室内側における火災の際に、室内側ガラス45bを早々に脱落させることが可能となる。これにより熱籠りによる中間ガラス45cの割れを防止することが可能となる。
【0044】
また、複層ガラスは一方のガラスの膨張や歪みに他方のガラスが追従しきれず割れてしまう場合がある。しかし、このように加熱発泡材435Bが配置されているため、室内側における火災の際に、加熱発泡材435Bが発泡して体積が膨張することにより、中間ガラス45cと、室外側ガラス45aと、スペーサ45dとをそれぞれ分離させることが可能となる。これにより、室内側ガラス45bの膨張や歪みの影響を中間ガラス45c、室外側ガラス45aに与えないことが可能となり、中間ガラス45c、室外側ガラス45aの割れを防止することが可能となる。
【0045】
また、複層ガラスは一方のガラスが受けた熱をスペーサを介して他方のガラスに伝えてしまうという特徴がある。しかし、このように加熱発泡材435Bが配置されているため、室内側における火災の際に、加熱発泡材435Bが発泡して体積が膨張することにより、中間ガラス45cと、室外側ガラス45aと、スペーサ45dとをそれぞれ分離させることが可能となる。これにより、中間ガラス45cが受けた熱を室外側ガラス45aに極力伝えないことが可能となる。この結果、室外側ガラス45aの熱割れを防止することが可能となる。
【0046】
また、このように加熱発泡材435Bが配置されているため、室内側における火災の際に、加熱発泡材435Bが発泡して体積が膨張することにより、中間ガラス45c、及び、室外側ガラス45aを縦框43に保持することが可能となる。
【0047】
また、加熱発泡材435Bは、中間ガラス45c及び室外側ガラス45aの端縁と、ガラス保持金具4583と、の間に配置されている。このため、加熱発泡材435Bの発泡により、火災の際に、熱せられたガラス保持金具4583と、中間ガラス45c及び室外側ガラス45aと、を接触させないことが可能となり、これらのガラスの熱割れを防止することが可能となる。
【0048】
また、このように加熱発泡材435B等が配置されているため、室内側における火災の際に、加熱発泡材435B等が発泡して体積が膨張することにより、中間ガラス45c、及び、室外側ガラス45aを框体40に保持することが可能となる。特に、室内側における火災の際には、縦框43及び外召し合わせ框44等のアルミ製の部材や中間ガラス45c及び室外側ガラス45aが上方向へ膨張するが、アルミの方がガラスよりも膨張率が大きい為、中間ガラス45c及び室外側ガラス45aの上辺と上框41との間に、隙間が生じやすい。しかし、中間ガラス45c、及び、室外側ガラス45aの上辺に対向する位置であって見込み方向における加熱発泡材435Bの位置と同様の位置に図示しない加熱発泡材が配置されているため、火災の際に膨張した図示しない加熱発泡材がこの隙間を埋めて、上框41が中間ガラス45c、及び、室外側ガラス45aを保持することが可能となる。
【0049】
次に、本開示の第4実施形態について説明する。第4実施形態においては、見込方向における加熱発泡材435Cの長さが、第3実施形態の見込方向における加熱発泡材435Bの長さとは異なる。同様に、第1実施形態の加熱発泡材315、325、335、345、415、425、445に代えて、見込方向における長さ、及び、配置されている位置が加熱発泡材435Cと同じ加熱発泡材が、第3実施形態で設けられた他の加熱発泡材の位置にそれぞれ設けられている。これ以外の構成については、第3実施形態と同様のため、同一の部材については同一の符号を付して説明を省略する。また、上述の、見込方向における長さが加熱発泡材435Cと同じ、他の加熱発泡材については、説明を省略し、加熱発泡材435Cについてのみ説明する。
【0050】
図6に示すように、加熱発泡材435Cは、内障子4の縦框43のガラス保持溝443内であって、中間ガラス45cの端縁と、室外側ガラス45aの端縁と、に跨って対向する位置に配置されている。加熱発泡材435Cの室外側の端部は、室外側ガラス45aの室外側の面よりも室外側に位置する。加熱発泡材435Cの室内側の端部は、中間ガラス45cの室内側の面に一致する位置よりも室内側に延びて、室内側ガラス45bと中間ガラス45cとの間の空間に対向する位置に至るまで延びている。
【0051】
これにより、第3実施形態において得られる効果に加えて、中間ガラス45cの室内側において加熱発泡材435Cを発泡させることが可能となり、室内側における火災の際に、中間ガラス45cの室内側への倒れ込みを防止することが可能となる。また、室外側ガラス45aの室外側において加熱発泡材435Cを発泡させることが可能となり、室内側における火災の際に、室外側ガラス45aの室外側への倒れ込みを防止することが可能となる。
【0052】
次に、本開示の第5実施形態について説明する。
図7~
図10に示すように、建具を構成する開口部装置1Dは、枠体10D内に納められた戸体2Dを、ハンドル51Dの操作により吊元側の縦框回りに回転させることで外側に開放可能な、アルミ等の金属と樹脂とからなる複合型の縦辷り出し窓であり、枠体10Dと、枠体10Dに開閉可能に納められた複合型の戸体2Dと、を備える。戸体2Dは、上框21Dと、下框22Dと、左右の縦框23D、24Dと、により矩形に框組みされた框体20Dと、框体20Dに嵌め込まれた面材としてのガラス100Dと、を有する。
【0053】
ガラス100Dは、3枚のガラスからなる矩形のトリプルガラスにより構成されている。ガラス100Dは、室外側ガラス100Daと、室外側ガラス100Daに対して隙間をあけて室内側に配置される室内側ガラス100Dbと、室外側ガラス100Daと室内側ガラス100Dbとの間に配置される中間ガラス100Dcとを有しており、優れた断熱性を有する。
【0054】
室外側ガラス100Daと中間ガラス100Dcとの間、室内側ガラス100Dbと中間ガラス100Dcとの間にはスペーサ100Ddが配置されている。ガラス100Dの端面は、断面視略コの字状のゴム製のパッキンであるグレーチングチャネル101Dにより保持されている。グレーチングチャネル101Dを介して、ガラス100Dの端縁に対向する上框21D、下框22D、縦框23D、24Dの位置には、加熱発泡材315D、325D、335D、345Dが設けられている。また、加熱発泡材315D、325D、335D、345Dを介してグレーチングチャネル101Dの一部に覆いかぶさるようにして、ガラス保持金具1021D、1022D、1023D、1024Dが設けられている。
【0055】
また、上枠11Dを構成する金属上枠111Dと樹脂上枠112Dとの接続部分にも、加熱発泡材316Dが設けられている。また、金属下枠121Dと樹脂下枠122Dとを連結する連結部材121Dcの上方の位置にも加熱発泡材326Dが設けられている。また、金属縦枠131Dの部分であって、見付方向において加熱発泡材335Dよりも室内側ガラス100Dbの短縁から離れた位置にも、加熱発泡材336Dが設けられている。また、縦枠14Dを構成する金属縦枠141Dと樹脂縦枠142Dとの接続部分にも、加熱発泡材346Dが設けられている。
【0056】
上枠11Dは、室外側に配置されたアルミ合金等の金属からなる金属上枠111Dと、その室内側に配置され且つ塩化ビニル樹脂等の合成樹脂からなる樹脂上枠112Dと、を有する。
【0057】
金属上枠111Dは、室外側の外側金属上枠111Daと、室内側の内側金属上枠111Dbと、を有する。金属上枠111Dは、外側金属上枠111Da及び内側金属上枠111Dbによって挟まれて、これらを連結する樹脂製のブリッジ材111Dcを有する。また、金属上枠111Dは、室外側に配置されるパッキン111Ddを有する。
【0058】
樹脂上枠112Dは、複数の断面矩形状の空気室113Daを形成する格子状部112Daと、格子状部112Daの上側に突出する複数の突出部112Dbと、を有する。
金属上枠111Dと樹脂上枠112Dとの間には、複数の突出部112Dbによって仕切られる複数の空気室113Dcが形成される。
【0059】
上框21Dは、室外側に配置されたアルミ合金等の金属からなる金属上框211Dと、その室内側に設けられ且つ塩化ビニル樹脂等の合成樹脂からなる樹脂上框212Dと、を有する。
金属上框211Dは、室外側から鉛直方向に立設する金属上框立設部211Daを有する。金属上框211Dは、先端がパッキン111Ddに当接する。樹脂上框212Dは、複数の断面矩形状の空気室213Daを形成する格子状部212Daを有する。
【0060】
上框21Dは、下向きに開口して形成されるガラス保持溝21Daを有する。ガラス保持溝21Daにおいては、ガラス100Dの上端部が挟持される。
【0061】
下枠12D及び下框22Dは、上枠11D及び上框21Dと同様の構成であるので、対応する符号を付して、説明を省略する。
【0062】
戸体2Dは、上側アーム91D及び下側アーム92Dによってそれぞれ上枠11D及び下枠12Dと連結され、枠体10D内に吊り込まれる。
【0063】
図10に示すように、吊元側の縦枠13Dは、室外側に配置されたアルミ合金等の金属からなる金属縦枠131Dと、その室内側に配置され且つ塩化ビニル樹脂等の合成樹脂からなる樹脂縦枠132Dと、を有する。
【0064】
樹脂縦枠132Dは、複数の断面矩形状の空気室133Daを形成する格子状部132Daと、格子状部132Daの側方に突出する複数の突出部132Dbと、を有する。金属縦枠131Dと樹脂縦枠132Dとの間には、複数の突出部132Dbによって仕切られる複数の空気室133Dcが形成される。
【0065】
吊元側の縦框23Dは、室外側に配置されたアルミ合金等の金属からなる金属縦框231Dと、その室内側に配置され且つ塩化ビニル樹脂等の合成樹脂からなる樹脂縦框232Dと、を有する。
【0066】
金属縦框231Dは、室外側から吊元方向に延出する金属縦框横設部231Daを有する。金属縦框231Dは、金属縦框横設部231Daの先端に配置され且つ金属縦枠131に当接するパッキン231Dbを有する。樹脂縦框232Dには、断面矩形状の空気室233Daが形成される。縦框23Dは、縦框24D側(
図10における右側)に開口して形成されるガラス保持溝23Daを有する。ガラス保持溝23Daにおいては、ガラス100Dの側端部が挟持される。
【0067】
戸先側の縦枠14D及び縦框24Dは、吊元側の縦枠13D及び縦框23Dと同様の構成であるので、対応する符号を付して、説明を省略する。
【0068】
図7に示すように、加熱発泡材315Dは、ガラス保持溝21Da内であって、中間ガラス100Dcの端縁と、室内側ガラス100Dbの端縁と、に跨って対向する位置に配置されている。加熱発泡材315Dの室内側の端部は、室内側ガラス100Dbの室内側の面に一致する位置関係を有する。加熱発泡材315Dの室外側の端部は、中間ガラス100Dcの上辺に対向する位置関係を有する。
【0069】
図8に示すように、加熱発泡材325Dは、ガラス保持溝22Da内であって、中間ガラス100Dcの端縁と、室内側ガラス100Dbの端縁と、に跨って対向する位置に配置されている。加熱発泡材325Dの室内側の端部は、室内側ガラス100Dbの室内側の面に一致する位置関係を有する。加熱発泡材325Dの室外側の端部は、中間ガラス100Dcの室外側の面に一致する位置関係を有する。
【0070】
図9に示すように、加熱発泡材345Dは、ガラス保持溝24Da内であって、中間ガラス100Dcの端縁と、室内側ガラス100Dbの端縁と、に跨って対向する位置に配置されている。加熱発泡材345Dの室内側の端部は、室内側ガラス100Dbの室内側の面に一致する位置関係を有する。加熱発泡材345Dの室外側の端部は、中間ガラス100Dcの室外側の面に一致する位置関係を有する。
【0071】
図10に示すように、加熱発泡材335Dは、ガラス保持溝23Da内であって、中間ガラス100Dcの端縁と、室内側ガラス100Dbの端縁と、に跨って対向する位置に配置されている。加熱発泡材335Dの室内側の端部は、室内側ガラス100Dbの室内側の面に一致する位置関係を有する。加熱発泡材335Dの室外側の端部は、中間ガラス100Dcの室外側の面に一致する位置関係を有する。
【0072】
これにより、第1実施形態において得られる効果と同様の効果を得ることが可能となる。即ち、室外側における火災の際に、発泡した加熱発泡材315D、325D、335D、345Dにより室内側ガラス100Db及び中間ガラス100Dcを保持することが可能となる。そして、加熱発泡材315D、325D、335D、345Dは、室外側ガラス100Daの端縁に対向する位置には配置されていないため、室外側における火災の際に、室外側ガラス100Daを早々に脱落させることが可能となる。これにより熱籠りによる中間ガラス100Dcの割れを防止することが可能となる。
【0073】
また、このように加熱発泡材315D、325D、335D、345Dが配置されているため、室外側における火災の際に、加熱発泡材315D、325D、335D、345Dが発泡して体積が膨張することにより、中間ガラス100Dcと、室内側ガラス100Dbと、スペーサ100Ddとをそれぞれ分離させることが可能となる。これにより、室外側ガラス100Daの膨張や歪みの影響を中間ガラス100Dc、室内側ガラス100Dbに与えないことが可能となり、中間ガラス100Dc、室内側ガラス100Dbの割れを防止することが可能となる。
【0074】
また、このように加熱発泡材315D、325D、335D、345Dが配置されているため、室外側における火災の際に、加熱発泡材315D、325D、335D、345Dが発泡して体積が膨張することにより、中間ガラス100Dcと、室内側ガラス100Dbと、スペーサ100Ddとをそれぞれ分離させることが可能となる。これにより、中間ガラス100Dcが受けた熱を室内側ガラス100Dbに極力伝えないことが可能となる。この結果、室内側ガラス100Dbの熱割れを防止することが可能となる。
【0075】
また、このように加熱発泡材315D、325D、335D、345Dが配置されているため、室外側における火災の際に、加熱発泡材315D、325D、335D、345Dが発泡して体積が膨張することにより、中間ガラス100Dc、及び、室内側ガラス100Dbを框体20Dに保持することが可能となる。特に、火災の際には、左右の縦框23D、24D等のアルミ製の部材や中間ガラス100Dc及び室内側ガラス100Dbが上方向へ膨張するが、アルミの方がガラスよりも膨張率が大きい為、中間ガラス100Dc及び室内側ガラス100Dbの上辺と上框21Dとの間に、隙間が生じやすい。しかし、中間ガラス100Dc、及び、室内側ガラス100Dbの上辺に対向する位置に加熱発泡材315Dが配置されているため、火災の際に膨張した加熱発泡材315Dがこの隙間を埋めて、上框21Dが中間ガラス100Dc、及び、室内側ガラス100Dbを保持することが可能となる。
【0076】
また、加熱発泡材315D、325D、335D、345Dは、中間ガラス100Dc及び室内側ガラス100Dbの端縁と、ガラス保持金具1021D、1022D、1023D、1024Dと、の間に配置されている。このため、加熱発泡材315D、325D、335D、345Dの発泡により、火災の際に、熱せられたガラス保持金具1021D、1022D、1023D、1024Dと、中間ガラス100Dc及び室内側ガラス100Dbと、を接触させないことが可能となり、これらのガラスの熱割れを防止することが可能となる。
【0077】
次に、本開示の第6実施形態について説明する。第6実施形態においては、見込方向における加熱発泡材345Eの長さが、第5実施形態の見込方向における加熱発泡材345Dの長さとは異なる。同様に、見込方向における長さが、加熱発泡材345Eと同じ加熱発泡材が、第5実施形態の加熱発泡材315D、325D、335Dと同様の位置にそれぞれ設けられている。これ以外の構成については、第5実施形態と同様のため、同一の部材については同一の符号を付して説明を省略する。また、上述の、見込方向における長さが、加熱発泡材345Eと同じ加熱発泡材については、説明を省略し、加熱発泡材345Eについてのみ説明する。
【0078】
図11に示すように、加熱発泡材345Eは、ガラス保持溝24Da内であって、中間ガラス100Dcの端縁と、室内側ガラス100Dbの端縁と、に跨って対向する位置に配置されている。加熱発泡材345Eの室内側の端部は、室内側ガラス100Dbの室内側の面よりも室内側に位置する。加熱発泡材345Eの室外側の端部は、中間ガラス100Dcの室外側の面に一致する位置よりも室外側に延びて、室外側ガラス100Daと中間ガラス100Dcとの間の空間に対向する位置に至るまで延びている。
【0079】
これにより、第5実施形態において得られる効果に加えて、中間ガラス100Dcの室外側において加熱発泡材345Eを発泡させることが可能となり、室外側における火災の際に、中間ガラス100Dcの室外側への倒れ込みを防止することが可能となる。また、室内側ガラス100Dbの室内側で加熱発泡材345Eを発泡させることが可能となり、室外側における火災の際に、室内側ガラス100Dbの室内側への倒れ込みを防止することが可能となる。
【0080】
次に、本開示の第7実施形態について説明する。第7実施形態においては、見込方向における加熱発泡材345Fの配置されている位置が、第5実施形態の見込方向における加熱発泡材345Dの配置されている位置とは異なる。同様に、ガラス100Dに対する見込方向における位置が、加熱発泡材345Fと同じ加熱発泡材が、第5実施形態の加熱発泡材315D、325D、335Dのそれぞれに代えて設けられている。これ以外の構成については、第5実施形態と同様のため、同一の部材については同一の符号を付して説明を省略する。また、上述の、ガラス100Dに対する見込方向における位置が、加熱発泡材345Fと同じ加熱発泡材については、説明を省略し、加熱発泡材345Fについてのみ説明する。
【0081】
図12に示すように、加熱発泡材345Fは、ガラス保持溝24Da内であって、中間ガラス100Dcの端縁と、室外側ガラス100Daの端縁と、に跨って対向する位置に配置されている。加熱発泡材345Fの室内側の端部は、中間ガラス100Dcの室内側の面に一致する位置関係を有する。加熱発泡材345Fの室外側の端部は、室外側ガラス100Daの室外側の面に一致する位置関係を有する。
【0082】
これにより、第3実施形態において得られる効果と同様の効果を得ることが可能となる。即ち、室内側における火災の際に、発泡した加熱発泡材345Fにより室外側ガラス100Da及び中間ガラス100Dcを保持することが可能となる。また、加熱発泡材345Fは、室内側ガラス100Dbの端縁に対向する位置には配置されていないため、室内側における火災の際に、室内側ガラス100Dbを早々に脱落させることが可能となる。これにより熱籠りによる中間ガラス100Dcの割れを防止することが可能となる。
【0083】
また、このように加熱発泡材345Fが配置されているため、室内側における火災の際に、加熱発泡材345Fが発泡して体積が膨張することにより、中間ガラス100Dcと、室外側ガラス100Daと、スペーサ100Ddとをそれぞれ分離させることが可能となる。これにより、室内側ガラス100Dbの膨張や歪みの影響を中間ガラス100Dc、室外側ガラス100Daに与えないことが可能となり、中間ガラス100Dc、室外側ガラス100Daの割れを防止することが可能となる。
【0084】
また、このように加熱発泡材345Fが配置されているため、室内側における火災の際に、加熱発泡材435Bが発泡して体積が膨張することにより、中間ガラス100Dcと、室外側ガラス100Daと、スペーサ100Ddとをそれぞれ分離させることが可能となる。これにより、中間ガラス100Dcが受けた熱を室外側ガラス100Daに極力伝えないことが可能となる。この結果、室外側ガラス100Daの熱割れを防止することが可能となる。
【0085】
また、このように加熱発泡材345Fが配置されているため、室内側における火災の際に、加熱発泡材345Fが発泡して体積が膨張することにより、中間ガラス100Dc、及び、室外側ガラス100Daを縦框24Dに保持することが可能となる。
【0086】
また、加熱発泡材345Fは、中間ガラス100Dc及び室外側ガラス100Daの端縁と、ガラス保持金具1024Dと、の間に配置されている。このため、加熱発泡材345Fの発泡により、火災の際に、熱せられたガラス保持金具1024Dと、中間ガラス100Dc及び室外側ガラス100Daと、を接触させないことが可能となり、これらのガラスの熱割れを防止することが可能となる。
【0087】
次に、本開示の第8実施形態について説明する。第8実施形態においては、見込方向における加熱発泡材345Gの長さが、第7実施形態の見込方向における加熱発泡材345Fの長さとは異なる。同様に、見込方向における長さ及び配置されている位置が加熱発泡材345Gと同じ加熱発泡材が、第5実施形態の加熱発泡材315D、325D、335Dに代えて第7実施形態で設けられた他の加熱発泡材の位置にそれぞれ設けられている。これ以外の構成については、第7実施形態と同様のため、同一の部材については同一の符号を付して説明を省略する。また、上述の、見込方向における長さが加熱発泡材345Gと同じ、他の加熱発泡材については、説明を省略し、加熱発泡材345Gについてのみ説明する。
【0088】
図13に示すように、加熱発泡材345Gは、ガラス保持溝24Da内であって、中間ガラス100Dcの端縁と、室外側ガラス100Daの端縁と、に跨って対向する位置に配置されている。加熱発泡材345Gの室外側の端部は、室外側ガラス100Daの室外側の面よりも室外側に位置する。加熱発泡材345Gの室内側の端部は、中間ガラス100Dcの室内側の面に一致する位置よりも室内側に延びて、室内側ガラス100Dbと中間ガラス100Dcとの間の空間に対向する位置に至るまで延びている。
【0089】
これにより、第7実施形態において得られる効果に加えて、中間ガラス100Dcの室内側において加熱発泡材345Gを発泡させることが可能となり、室内側における火災の際に、中間ガラス100Dcの室内側への倒れ込みを防止することが可能となる。また、室外側ガラス100Daの室外側において加熱発泡材345Gを発泡させることが可能となり、室内側における火災の際に、室外側ガラス100Daの室外側への倒れ込みを防止することが可能となる。
【0090】
次に、本開示の第9実施形態について説明する。
図14~
図16に示すように、建具を構成する開口部装置1Hは、ハンドル51Hの操作により開閉可能な横辷り出し窓であり、枠体10Hと、枠体10Hに開閉可能に納められた複合型の戸体2Hと、を備える。戸体2Hは、上框21Hと、下框22Hと、図示しない左側の縦框と右側の縦框24Hと、により矩形に框組みされた框体20Hと、框体20Hに嵌め込まれた面材としてのガラス100Hと、を有する。
【0091】
ガラス100Hは、3枚のガラスからなる矩形のトリプルガラスにより構成されている。ガラス100Hは、室外側ガラス100Haと、室外側ガラス100Haに対して隙間をあけて室内側に配置される室内側ガラス100Hbと、室外側ガラス100Haと室内側ガラス100Hbとの間に配置される中間ガラス100Hcとを有しており、優れた断熱性を有する。
【0092】
室外側ガラス100Haと中間ガラス100Hcとの間、室内側ガラス100Hbと中間ガラス100Hcとの間にはスペーサ100Hdが配置されている。ガラス100Hの端面は、断面視略コの字状のゴム製のパッキンであるグレーチングチャネル101Hにより保持されている。グレーチングチャネル101Hを介して、ガラス100Hの端縁に対向する上框21H、下框22H、縦框24Hの位置には、加熱発泡材315H、325H、345Hが設けられている。また、加熱発泡材325H、345Hを介してグレーチングチャネル101Hの一部に覆いかぶさるようにして、ガラス保持金具1032H、1034Hが設けられている。
【0093】
また、上框21Hを構成する金属上框211Hの室外側の端部の内部や、金属上框211Hの内部であって、見込方向において室内側ガラス100Hbに一致する位置にも、加熱発泡材316H、317Hが設けられている。また、下框22Hのガラス保持溝22Ha内であって見込方向における中間ガラス100Hcに一致する位置にも加熱発泡材326Hが設けられている。また、下框22Hを構成する金属下框221Hと樹脂下枠122Hとを連結する連結部材222Hの下方の位置にも加熱発泡材327Hが設けられている。また、縦枠14Hを構成する金属縦枠141Hと樹脂縦枠142Hとの接続部分にも、加熱発泡材346Hが設けられている。
【0094】
上枠11Hは、室外側に配置されたアルミ合金等の金属からなる金属上枠111Hと、その室内側に配置され且つ塩化ビニル樹脂等の合成樹脂からなる樹脂上枠112Hと、を有する。
【0095】
金属上枠111Hは、室外側の外側金属上枠111Haと、室内側の内側金属上枠111Hbと、を有する。金属上枠111Hは、外側金属上枠111Ha及び内側金属上枠111Hbによって挟まれて、これらを連結する樹脂製のブリッジ材111Hcを有する。また、金属上枠111Hは、室外側に配置されるパッキン111Hdを有する。
【0096】
樹脂上枠112Hは、複数の断面矩形状の空気室113Haを形成する格子状部112Haと、格子状部112Haの上側に突出する複数の突出部112Hbと、を有する。
金属上枠111Hと樹脂上枠112Hとの間には、複数の突出部112Hbによって仕切られる複数の空気室113Hcが形成される。
【0097】
上框21Hは、室外側に配置されたアルミ合金等の金属からなる金属上框211Hと、その室内側に設けられ且つ塩化ビニル樹脂等の合成樹脂からなる樹脂上框212Hと、を有する。金属上框211Hは、先端がパッキン111Hdに当接する。樹脂上框212Hは、複数の断面矩形状の空気室213Haを形成する格子状部212Haを有する。上框21Hは、下向きに開口して形成されるガラス保持溝21Haを有する。ガラス保持溝21Haにおいては、ガラス100Hの上端部が挟持される。
【0098】
下枠12H及び下框22Hは、上枠11H及び上框21Hと同様の構成であるので、対応する符号を付して、説明を省略する。
【0099】
縦枠14Hは、室外側に配置されたアルミ合金等の金属からなる金属縦枠141Hと、その室内側に配置され且つ塩化ビニル樹脂等の合成樹脂からなる樹脂縦枠142Hと、を有する。樹脂縦枠142Hは、複数の断面矩形状の空気室143Haを形成する格子状部142Haと、格子状部142Haの側方に突出する複数の突出部142Hbと、を有する。金属縦枠141Hと樹脂縦枠142Hとの間には、複数の突出部142Hbによって仕切られる複数の空気室143Hcが形成される。
【0100】
縦框24Hは、室外側に配置されたアルミ合金等の金属からなる金属縦框241Hと、その室内側に配置され且つ塩化ビニル樹脂等の合成樹脂からなる樹脂縦框242Hと、を有する。金属縦框241Hは、室外側から吊元方向に延出する金属縦框横設部241Haを有する。金属縦框241Hは、金属縦框横設部241Haの先端に配置され且つ金属縦枠141に当接するパッキン241Hbを有する。樹脂縦框242Hには、断面矩形状の空気室243Haが形成される。縦框24Hは、図示しない縦框側(
図16における左側)に開口して形成されるガラス保持溝24Haを有する。ガラス保持溝24Haにおいては、ガラス100Hの側端部が挟持される。
【0101】
図示しない縦枠及び図示しない縦框は、縦枠14H及び縦框24Hと同様の構成であるので、説明を省略する。
【0102】
図14に示すように、加熱発泡材315Hは、ガラス保持溝21Ha内であって、グレーチングチャネル101Hを介して中間ガラス100Hcの端縁に対向する位置に配置されている。
【0103】
図15に示すように、加熱発泡材325Hは、ガラス保持溝22Ha内であって、中間ガラス100Hcの端縁と、室内側ガラス100Hbの端縁と、に跨って対向する位置に配置されている。加熱発泡材325Hの室内側の端部は、室内側ガラス100Hbの室内側の面よりも室内側に位置している。加熱発泡材325Hの室外側の端部は、見込方向における中間ガラス100Hcの中央に位置している。
【0104】
図16に示すように、加熱発泡材345Hは、ガラス保持溝24Ha内であって、中間ガラス100Hcの端縁と、室内側ガラス100Hbの端縁と、に跨って対向する位置に配置されている。加熱発泡材345Hの室内側の端部は、室内側ガラス100Hbの室内側の面に一致する位置関係を有する。加熱発泡材345Hの室外側の端部は、中間ガラス100Hcの室外側の面に一致する位置関係を有する。
【0105】
これにより、第1実施形態において得られる効果と同様の効果を得ることが可能となる。即ち、室外側における火災の際に、発泡した加熱発泡材345Hにより室内側ガラス100Hb及び中間ガラス100Hcを保持することが可能となる。そして、加熱発泡材345Hは、室外側ガラス100Haの端縁に対向する位置には配置されていないため、室外側における火災の際に、室外側ガラス100Haを早々に脱落させることが可能となる。これにより熱籠りによる中間ガラス100Hcの割れを防止することが可能となる。
【0106】
また、このように加熱発泡材345Hが配置されているため、室外側における火災の際に、加熱発泡材345Hが発泡して体積が膨張することにより、中間ガラス100Hcと、室内側ガラス100Hbと、スペーサ100Hdとをそれぞれ分離させることが可能となる。これにより、室外側ガラス100Haの膨張や歪みの影響を中間ガラス100Hc、室内側ガラス100Hbに与えないことが可能となり、中間ガラス100Hc、室内側ガラス100Hbの割れを防止することが可能となる。
【0107】
また、このように加熱発泡材345Hが配置されているため、室外側における火災の際に、加熱発泡材345Hが発泡して体積が膨張することにより、中間ガラス100Hcと、室内側ガラス100Hbと、スペーサ100Hdとをそれぞれ分離させることが可能となる。これにより、中間ガラス100Hcが受けた熱を室内側ガラス100Hbに極力伝えないことが可能となる。この結果、室内側ガラス100Hbの熱割れを防止することが可能となる。
【0108】
また、このように加熱発泡材345Hが配置されているため、室外側における火災の際に、加熱発泡材345Hが発泡して体積が膨張することにより、中間ガラス100Hc、及び、室内側ガラス100Hbを框体20Hに保持することが可能となる。
【0109】
また、加熱発泡材325H、345Hは、中間ガラス100Hc及び室内側ガラス100Hbの端縁と、ガラス保持金具1032H、1034Hと、の間に配置されている。このため、加熱発泡材325H、345Hの発泡により、火災の際に、熱せられたガラス保持金具1032H、1034Hと、中間ガラス100Hc及び室内側ガラス100Hbと、を接触させないことが可能となり、これらのガラスの熱割れを防止することが可能となる。
【0110】
次に、本開示の第10実施形態について説明する。第10実施形態においては、見込方向における加熱発泡材345Iの長さが、第9実施形態の見込方向における加熱発泡材345Hの長さとは異なる。これ以外の構成については、第9実施形態と同様のため、同一の部材については同一の符号を付して説明を省略する。
【0111】
図17に示すように、加熱発泡材345Iは、ガラス保持溝24Ha内であって、中間ガラス100Hcの端縁と、室内側ガラス100Hbの端縁と、に跨って対向する位置に配置されている。加熱発泡材345Iの室内側の端部は、室内側ガラス100Hbの室内側の面よりも室内側に位置する。加熱発泡材345Iの室外側の端部は、中間ガラス100Hcの室外側の面に一致する位置よりも室外側に延びて、室外側ガラス100Haと中間ガラス100Hcとの間の空間に対向する位置に至るまで延びている。
【0112】
これにより、第9実施形態において得られる効果に加えて、中間ガラス100Hcの室外側において加熱発泡材345Iを発泡させることが可能となり、室外側における火災の際に、中間ガラス100Hcの室外側への倒れ込みを防止することが可能となる。また、室内側ガラス100Hbの室内側で加熱発泡材345Iを発泡させることが可能となり、室外側における火災の際に、室内側ガラス100Hbの室内側への倒れ込みを防止することが可能となる。
【0113】
次に、本開示の第11実施形態について説明する。第11実施形態においては、見込方向における加熱発泡材345Jの配置されている位置が、第9実施形態の見込方向における加熱発泡材345Hの配置されている位置とは異なる。これ以外の構成については、第9実施形態と同様のため、同一の部材については同一の符号を付して説明を省略する。
【0114】
図18に示すように、加熱発泡材345Jは、ガラス保持溝24Ha内であって、中間ガラス100Hcの端縁と、室外側ガラス100Haの端縁と、に跨って対向する位置に配置されている。加熱発泡材345Jの室内側の端部は、中間ガラス100Hcの室内側の面に一致する位置関係を有する。加熱発泡材345Jの室外側の端部は、室外側ガラス100Haの室外側の面に一致する位置関係を有する。
【0115】
これにより、第3実施形態において得られる効果と同様の効果を得ることが可能となる。即ち、室内側における火災の際に、発泡した加熱発泡材345Jにより室外側ガラス100Ha及び中間ガラス100Hcを保持することが可能となる。また、加熱発泡材345Jは、室内側ガラス100Hbの端縁に対向する位置には配置されていないため、室内側における火災の際に、室内側ガラス100Hbを早々に脱落させることが可能となる。これにより熱籠りによる中間ガラス100Hcの割れを防止することが可能となる。
【0116】
また、このように加熱発泡材345Jが配置されているため、室内側における火災の際に、加熱発泡材345Jが発泡して体積が膨張することにより、中間ガラス100Hcと、室外側ガラス100Haと、スペーサ100Hdとをそれぞれ分離させることが可能となる。これにより、室内側ガラス100Hbの膨張や歪みの影響を中間ガラス100Hc、室外側ガラス100Haに与えないことが可能となり、中間ガラス100Hc、室外側ガラス100Haの割れを防止することが可能となる。
【0117】
また、このように加熱発泡材345Jが配置されているため、室内側における火災の際に、加熱発泡材345Jが発泡して体積が膨張することにより、中間ガラス100Hcと、室外側ガラス100Haと、スペーサ100Hdとをそれぞれ分離させることが可能となる。これにより、中間ガラス100Hcが受けた熱を室外側ガラス100Haに極力伝えないことが可能となる。この結果、室外側ガラス100Haの熱割れを防止することが可能となる。
【0118】
また、このように加熱発泡材345Jが配置されているため、室内側における火災の際に、加熱発泡材345Jが発泡して体積が膨張することにより、中間ガラス100Hc、及び、室外側ガラス100Haを縦框24Hに保持することが可能となる。
【0119】
また、加熱発泡材345Jは、中間ガラス100Hc及び室外側ガラス100Haの端縁と、ガラス保持金具1034Hと、の間に配置されている。このため、加熱発泡材345Jの発泡により、火災の際に、熱せられたガラス保持金具1034Hと、中間ガラス100Hc及び室外側ガラス100Haと、を接触させないことが可能となり、これらのガラスの熱割れを防止することが可能となる。
【0120】
次に、本開示の第12実施形態について説明する。第12実施形態においては、見込方向における加熱発泡材345Kの長さが、第11実施形態の見込方向における加熱発泡材345Jの長さとは異なる。これ以外の構成については、第11実施形態と同様のため、同一の部材については同一の符号を付して説明を省略する。
【0121】
図19に示すように、加熱発泡材345Kは、ガラス保持溝24Ha内であって、中間ガラス100Hcの端縁と、室外側ガラス100Haの端縁と、に跨って対向する位置に配置されている。加熱発泡材345Kの室外側の端部は、室外側ガラス100Haの室外側の面よりも室外側に位置する。加熱発泡材345Kの室内側の端部は、中間ガラス100Hcの室内側の面に一致する位置よりも室内側に延びて、室内側ガラス100Hbと中間ガラス100Hcとの間の空間に対向する位置に至るまで延びている。
【0122】
これにより、第11実施形態において得られる効果に加えて、中間ガラス100Hcの室内側において加熱発泡材345Kを発泡させることが可能となり、室内側における火災の際に、中間ガラス100Hcの室内側への倒れ込みを防止することが可能となる。また、室外側ガラス100Haの室外側において加熱発泡材345Kを発泡させることが可能となり、室内側における火災の際に、室外側ガラス100Haの室外側への倒れ込みを防止することが可能となる。
【0123】
次に、本開示の第13実施形態について説明する。本実施形態においては、建具は、建物の壁に形成され且つ開口縁に額縁が取り付けられた開口部に納められるFIX窓(嵌め殺し窓)1Lにより構成される。
図20~
図22に示すように、嵌め殺し窓1Lは、上枠100L、下枠200L、左側の図示しない縦枠、及び右側の縦枠400Lにより矩形に枠組みされた枠体としての窓枠10Lと、該窓枠10L内に嵌め込まれて固定された矩形のガラス20Lと、を備える開口部装置30Lにより構成される。
【0124】
窓枠10Lは、矩形に枠組みされた金属枠11Lと、金属枠11Lの室内側を覆い且つ矩形に枠組みされた樹脂枠12Lと、を含んで構成される。即ち、本実施形態に係る嵌め殺し窓1Lは、熱伝導率の低い樹脂枠12Lで金属枠11Lの室内側部分が覆われているため、優れた断熱性を有する。
【0125】
金属枠11Lは、例えばアルミで構成される。より具体的には、金属枠11Lは、アルミを押出し成形することで得られる。金属枠11Lは、金属上枠111Lと、金属下枠112Lと、左側の図示しない金属縦枠と、右側の金属縦枠114Lとで構成され、隣接する枠同士はねじ止めにより固定される。
【0126】
樹脂枠12Lは、例えば塩化ビニル樹脂等の合成樹脂を押出し成形することで得られる。樹脂枠12Lは、樹脂上枠121Lと、樹脂下枠122Lと、左側の図示しない樹脂縦枠と、右側の樹脂縦枠124Lとで構成される。樹脂上枠121Lは金属上枠111Lに取り付けられ、樹脂下枠122Lは金属下枠112Lに取り付けられ、図示しない左側の樹脂縦枠、右側の樹脂縦枠124Lはそれぞれ図示しない左側の金属縦枠、右側の金属縦枠114Lに取り付けられる。これにより上枠100Lは金属上枠111Lと樹脂上枠121Lで構成され、下枠200Lは金属下枠112Lと樹脂下枠122Lで構成され、縦枠400Lは、金属縦枠114Lと樹脂縦枠124Lで構成される。
【0127】
図20に示すように、ガラス20Lは、3枚のガラスからなる矩形のトリプルガラスである。ガラス20Lは、室外側ガラス20Laと、室外側ガラス20Laに対して隙間をあけて室内側に配置される室内側ガラス20Lbと、室外側ガラス20Laと室内側ガラス20Lbとの間に配置される中間ガラス20Lcとを有している。室外側ガラス20Laと中間ガラス20Lcとの間、室内側ガラス20Lbと中間ガラス20Lcとの間にはスペーサ20Ldが配置されている。
【0128】
金属上枠111Lは、中空部111Laを有するホロー構造である。金属上枠111Lの中空部111Laの下面側の室外側端部には、下方に突出する上枠ガラス支持部111Lbが形成される。上枠ガラス支持部111Lbの先端には緩衝部材104Lが取り付けられており、上枠ガラス支持部111Lbは緩衝部材104Lを介してガラス20Lの周縁部を支持する。
【0129】
金属上枠111Lの中空部111Laの下面側の室内側端部には、室内側に上枠水平部111Lcが連結されて設けられており、上枠水平部111Lcには略垂直に上下方向に延出する上枠垂直部111Ldが形成される。上枠垂直部111Ldには、樹脂上枠121Lを構成する樹脂上枠本体部121Laが取り付けられる。
【0130】
樹脂上枠本体部121Laには、上枠内押縁部材31Lが取り付けられる。上枠内押縁部材31Lの先端には緩衝部材105Lが取り付けられている。上枠内押縁部材31Lは緩衝部材105Lを介してガラス20Lの周縁部を押圧する。これにより、上枠内押縁部材31Lと上枠ガラス支持部111Lbとの間で、これらの間に形成され下向きにコの字に開口するガラス保持溝111Lhにおいて、ガラス20Lの周縁部が挟持される。ガラス保持溝111Lhを形成する上枠内押縁部材31Lの面には、断熱シール材により構成される断熱シート3191Lが配置されている。これにより、優れた断熱性を得ることが可能となる。
【0131】
金属下枠112Lは、仕切り壁112Lcで仕切られた下方側中空部112Lbと上方側中空部112Laを有するホロー構造である。金属下枠112Lの上方側中空部112Laの上方には、室外側の端部から上方に立設する第1立設部112Leと、ガラス保持溝112Lhが形成される。
第1立設部112Leの先端には緩衝部材206Lが取り付けられており、第1立設部112Leは緩衝部材206Lを介してガラス20Lの周縁部を支持する。
【0132】
金属下枠112Lの上方側中空部112Laの室内側端部には、室内側に下枠水平部112Lfが連結されて設けられており、下枠水平部112Lfには略垂直に上下方向に延出する下枠垂直部112Lgが形成される。下枠垂直部112Lgには、樹脂下枠122Lを構成する樹脂下枠本体部122Laが取り付けられる。樹脂下枠122Lの室外側端部には、緩衝部材207Lが取り付けられる。樹脂下枠122Lの室外側端部は、緩衝部材207Lを介してガラス20Lの周縁部を支持する。これにより、樹脂下枠122Lと第1立設部112Leとの間で、これらの間に形成され上向きにコの字に開口するガラス保持溝112Lhにおいて、ガラス20Lの周縁部が挟持される。
【0133】
ガラス保持溝112Lhにおいて、ガラス20Lの室内側見付面に対向する位置であって、樹脂下枠122Lと緩衝部材207Lとの間には、断熱シール材により構成される断熱シート3291Lが配置されている。また、ガラス保持溝112Lhにおいて、断熱シート3291Lが配置された位置よりも一段下がった位置にも、断熱シート3292Lが配置されている。これにより、優れた断熱性を得ることが可能となる。
【0134】
以下、右縦枠400Lの構成と図示しない左縦枠の構成とは同様であるため、以下では右縦枠400Lの構成のみを説明する。
【0135】
図22に示すように、金属縦枠114Lの室外側には、金属縦枠114Lから見付方向に沿ってガラス20L側に突出する縦枠ガラス支持部114Laが形成される。縦枠ガラス支持部114Laの先端には緩衝部材401Lが取り付けられており、縦枠ガラス支持部114Laは緩衝部材401Lを介してガラス20Lの周縁部を支持する。
【0136】
金属縦枠114Lの室内側のガラス20L側には、樹脂縦枠124Lを構成する樹脂縦枠本体部124Laが取り付けられる。樹脂縦枠本体部124Laには中空の長尺部材で構成された縦枠内押縁部材34Lが取り付けられる。縦枠内押縁部材34Lのガラス20L側の先端には緩衝部材403Lが取り付けられており、縦枠内押縁部材34Lは緩衝部材403Lを介してガラス20Lの周縁部を押圧する。これにより、縦枠内押縁部材34Lと上述の縦枠ガラス支持部114Laとの間で、ガラス20Lの周縁部が挟持される。ガラス保持溝114Lh内であって、縦枠内押縁部材34Lの近傍のガラス20Lの縁部と縦枠内押縁部材34Lとの間には、ガラス保持金具70Lを挟んで、断熱シール材により構成される2つの断熱シート3491L、3492Lが配置されている。これにより、優れた断熱性を得ることが可能となる。
【0137】
金属縦枠114Lとガラス20Lの側縁部との間の空間内には、ガラス保持金具70Lが配設される。ガラス保持金具70Lは、ガラス20Lの周縁部の上下方向に延設されている。ガラス保持金具70Lは、隙間を設けてガラス20Lの周縁部を覆うようにコの字形状に設けられている。
【0138】
FIX窓(嵌め殺し窓)1Lには、加熱発泡材315L、316L、325L、326L、327L、328L、345L、346L、347Lが設けられている。
【0139】
図20に示すように、加熱発泡材315Lは、ガラス保持溝111Lh内であって、中間ガラス20Lcの端縁と、室内側ガラス20Lbの端縁と、に跨って対向する位置に配置されている。加熱発泡材315Lの室内側の端部は、室内側ガラス20Lbの室内側の面に一致する位置関係を有する。加熱発泡材315Lの室外側の端部は、中間ガラス20Lcの室外側の面に一致する位置関係を有する。また、加熱発泡材316Lは、上枠ガラス支持部111Lbの内側面に配置されている。
【0140】
図21に示すように、加熱発泡材325Lは、ガラス保持溝112Lh内であって、中間ガラス20Lcの端縁と、室内側ガラス20Lbの端縁と、に跨って対向する位置に配置されている。加熱発泡材325Lの室内側の端部は、室内側ガラス20Lbの室内側の面によりも室内側に位置する。加熱発泡材325Lの室外側の端部は、中間ガラス20Lcの室外側の面に一致する位置関係を有する。
【0141】
また、加熱発泡材326Lは、第1立設部112Leの内側面に配置されている。加熱発泡材327Lは、金属下枠112Lと下枠水平部112Lfとの連結部分に配置されている。また、加熱発泡材328Lは、加熱発泡材327Lの見込方向室外側に配置されている。
【0142】
図22に示すように、加熱発泡材345Lは、ガラス保持溝114Lh内であって、中間ガラス20Lcの端縁と、室内側ガラス20Lbの端縁と、に跨って対向する位置に配置されている。加熱発泡材345Lの室内側の端部は、室内側ガラス20Lbの室内側の面に一致する位置関係を有する。加熱発泡材345Lの室外側の端部は、中間ガラス20Lcの室外側の面に一致する位置関係を有する。
【0143】
また、加熱発泡材346Lは、金属縦枠114Lの内側面に配置されている。また、加熱発泡材347Lは、縦枠ガラス支持部114Laの内側面に配置されている。
【0144】
これにより、第1実施形態において得られる効果と同様の効果を得ることが可能となる。即ち、室外側における火災の際に、発泡した加熱発泡材315L、325L、345Lにより室内側ガラス20Lb及び中間ガラス20Lcを保持することが可能となる。そして、加熱発泡材315L、325L、345Lは、室外側ガラス20Laの端縁に対向する位置には配置されていないため、室外側における火災の際に、室外側ガラス20Laを早々に脱落させることが可能となる。これにより熱籠りによる中間ガラス20Lcの割れを防止することが可能となる。
【0145】
また、このように加熱発泡材315L、325L、345Lが配置されているため、室外側における火災の際に、加熱発泡材315L、325L、345Lが発泡して体積が膨張することにより、中間ガラス20Lcと、室内側ガラス20Lbと、スペーサ20Ldとをそれぞれ分離させることが可能となる。これにより、室外側ガラス20Laの膨張や歪みの影響を中間ガラス20Lc、室内側ガラス20Lbに与えないことが可能となり、中間ガラス20Lc、室内側ガラス20Lbの割れを防止することが可能となる。
【0146】
また、このように加熱発泡材315L、325L、345Lが配置されているため、室外側における火災の際に、加熱発泡材315L、325L、345Lが発泡して体積が膨張することにより、中間ガラス20Lcと、室内側ガラス20Lbと、スペーサ20Ldとをそれぞれ分離させることが可能となる。これにより、中間ガラス20Lcが受けた熱を室内側ガラス20Lbに極力伝えないことが可能となる。この結果、室内側ガラス20Lbの熱割れを防止することが可能となる。
【0147】
また、このように加熱発泡材315L、325L、345Lが配置されているため、室外側における火災の際に、加熱発泡材315L、325L、345Lが発泡して体積が膨張することにより、中間ガラス20Lc、及び、室内側ガラス20Lbを窓枠10Lに保持することが可能となる。特に、火災の際には、左右の縦枠400L等のアルミ製の部材や中間ガラス20Lc及び室内側ガラス20Lbが上方向へ膨張するが、アルミの方がガラスよりも膨張率が大きい為、中間ガラス20Lc及び室内側ガラス20Lbの上辺と上枠100Lとの間に、隙間が生じやすい。しかし、中間ガラス20Lc、及び、室内側ガラス20Lbの上辺に対向する位置に加熱発泡材315Lが配置されているため、火災の際に膨張した加熱発泡材315Lがこの隙間を埋めて、上枠100Lが中間ガラス20Lc、及び、室内側ガラス20Lbを保持することが可能となる。
【0148】
また、加熱発泡材345Lは、中間ガラス20Lc及び室内側ガラス20Lbの端縁とガラス保持金具70Lとの間に配置されているため、加熱発泡材345Lの発泡により、火災の際に、熱せられたガラス保持金具70Lと、中間ガラス20Lc及び室内側ガラス20Lbとを接触させないことが可能となり、これらのガラスの熱割れを防止することが可能となる。
【0149】
次に、本開示の第14実施形態について説明する。第14実施形態においては、見込方向における加熱発泡材345Mの長さが、第13実施形態の見込方向における加熱発泡材345Lの長さとは異なる。これ以外の構成については、第13実施形態と同様のため、同一の部材については同一の符号を付して説明を省略する。
【0150】
図23に示すように、加熱発泡材345Mは、ガラス保持溝114Lh内であって、中間ガラス20Lcの端縁と、室内側ガラス20Lbの端縁と、に跨って対向する位置に配置されている。加熱発泡材345Mの室内側の端部は、室内側ガラス20Lbの室内側の面よりも室内側に位置する。加熱発泡材345Mの室外側の端部は、中間ガラス20Lcの室外側の面に一致する位置よりも室外側に延びて、室外側ガラス20Laと中間ガラス20Lcとの間の空間に対向する位置に至るまで延びている。
【0151】
これにより、第13実施形態において得られる効果に加えて、中間ガラス20Lcの室外側において加熱発泡材345Mを発泡させることが可能となり、室外側における火災の際に、中間ガラス20Lcの室外側への倒れ込みを防止することが可能となる。また、室内側ガラス20Lbの室内側で加熱発泡材345Mを発泡させることが可能となり、室外側における火災の際に、室内側ガラス20Lbの室内側への倒れ込みを防止することが可能となる。
【0152】
また、加熱発泡材345Mは、室外側における火災の際に、膨張する。これにより、ガラス保持溝114Lhにおける室内側の立ち上がりに設けられた、断熱シール材により構成される断熱シート3492Lを覆い、断熱シート3492Lの発火を防止することが可能となる。
【0153】
次に、本開示の第15実施形態について説明する。第15実施形態においては、見込方向における加熱発泡材345Nの配置されている位置が、第13実施形態の見込方向における加熱発泡材345Lの配置されている位置とは異なる。これ以外の構成については、第13実施形態と同様のため、同一の部材については同一の符号を付して説明を省略する。
【0154】
図24に示すように、加熱発泡材345Nは、ガラス保持溝114Lh内であって、中間ガラス20Lcの端縁と、室外側ガラス20Laの端縁と、に跨って対向する位置に配置されている。加熱発泡材345Nの室内側の端部は、中間ガラス20Lcの室内側の面に一致する位置関係を有する。加熱発泡材345Nの室外側の端部は、室外側ガラス20Laの室外側の面に一致する位置関係を有する。
【0155】
これにより、第3実施形態において得られる効果と同様の効果を得ることが可能となる。即ち、室内側における火災の際に、発泡した加熱発泡材345Nにより室外側ガラス20La及び中間ガラス20Lcを保持することが可能となる。また、加熱発泡材345Nは、室内側ガラス20Lbの端縁に対向する位置には配置されていないため、室内側における火災の際に、室内側ガラス20Lbを早々に脱落させることが可能となる。これにより熱籠りによる中間ガラス20Lcの割れを防止することが可能となる。
【0156】
また、このように加熱発泡材345Nが配置されているため、室内側における火災の際に、加熱発泡材345Nが発泡して体積が膨張することにより、中間ガラス20Lcと、室外側ガラス20Laと、スペーサ20Ldとをそれぞれ分離させることが可能となる。これにより、室内側ガラス20Lbの膨張や歪みの影響を中間ガラス20Lc、室外側ガラス20Laに与えないことが可能となり、中間ガラス20Lc、室外側ガラス20Laの割れを防止することが可能となる。
【0157】
また、このように加熱発泡材345Nが配置されているため、室内側における火災の際に、加熱発泡材345Nが発泡して体積が膨張することにより、中間ガラス20Lcと、室外側ガラス20Laと、スペーサ20Ldとをそれぞれ分離させることが可能となる。これにより、中間ガラス20Lcが受けた熱を室外側ガラス20Laに極力伝えないことが可能となる。この結果、室外側ガラス20Laの熱割れを防止することが可能となる。
【0158】
また、このように加熱発泡材345Nが配置されているため、室内側における火災の際に、加熱発泡材345Nが発泡して体積が膨張することにより、中間ガラス20Lc、及び、室外側ガラス20Laを縦枠400Lに保持することが可能となる。
【0159】
また、加熱発泡材345Nは、中間ガラス20Lc及び室外側ガラス20Laの端縁とガラス保持金具70Lとの間に配置されているため、加熱発泡材345Nの発泡により、火災の際に、熱せられたガラス保持金具70Lと、中間ガラス20Lc及び室外側ガラス20Laとを接触させないことが可能となり、これらのガラスの熱割れを防止することが可能となる。
【0160】
次に、本開示の第16実施形態について説明する。第16実施形態においては、見込方向における加熱発泡材345Oの長さが、第15実施形態の見込方向における加熱発泡材345Nの長さとは異なる。これ以外の構成については、第15実施形態と同様のため、同一の部材については同一の符号を付して説明を省略する。
【0161】
図25に示すように、加熱発泡材345Oは、ガラス保持溝114Lh内であって、中間ガラス20Lcの端縁と、室外側ガラス20Laの端縁と、に跨って対向する位置に配置されている。加熱発泡材445Oの室外側の端部は、室外側ガラス20Laの室外側の面よりも室外側に位置する。加熱発泡材345Oの室内側の端部は、中間ガラス20Lcの室内側の面に一致する位置よりも室内側に延びて、室内側ガラス20Lbと中間ガラス20Lcとの間の空間に対向する位置に至るまで延びている。
【0162】
これにより、第15実施形態において得られる効果に加えて、中間ガラス20Lcの室内側において加熱発泡材345Oを発泡させることが可能となり、室内側における火災の際に、中間ガラス20Lcの室内側への倒れ込みを防止することが可能となる。また、室外側ガラス20Laの室外側において加熱発泡材345Oを発泡させることが可能となり、室内側における火災の際に、室外側ガラス20Laの室外側への倒れ込みを防止することが可能となる。
【0163】
以上、本開示の好ましい一実施形態について説明したが、本開示は、上述した実施形態に制限されるものではなく、適宜変更が可能である。
【0164】
例えば、建具は、上述の実施形態に記載した構成に限定されない。例えば、トリプルガラスは矩形に形成され、加熱発泡材は、少なくともトリプルガラスの上辺に対向する位置に配置されていればよい。これにより、中間ガラス、室内側ガラス、室外側ガラスと、スペーサとをガラスの上端部において、火災時に早期に分離することが可能となる。
【符号の説明】
【0165】
2 枠体、 30 框体、35 面材、35a 室外側ガラス、35b 室内側ガラス、35c 中間ガラス、加熱発泡材315、325、335、345、415、425、435、445、3191L、3291L、3491L、3492L 断熱シート