(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059275
(43)【公開日】2024-05-01
(54)【発明の名称】燃料配送システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/083 20230101AFI20240423BHJP
【FI】
G06Q10/08 300
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022166862
(22)【出願日】2022-10-18
(71)【出願人】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(74)【代理人】
【識別番号】100148013
【弁理士】
【氏名又は名称】中山 浩光
(74)【代理人】
【識別番号】100192511
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 晃史
(72)【発明者】
【氏名】本藤 宗太
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA16
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】産業車両の稼働台数及び稼働時間等を含む消費状況が異なる複数のユーザに効率的に燃料を配送することが可能となる燃料配送システムを提供する。
【解決手段】燃料配送システムは、複数のユーザのそれぞれについて、燃料のタンク設備の容量、タンク設備の残量、産業車両の稼働台数、産業車両の稼働時間、及び、産業車両の燃料消費量を含む消費状況を取得し、消費状況及びタンク設備の容量に基づいて、機械学習を用いた演算により、配送計画を生成する。燃料配送システムは、消費状況及びタンク設備の容量に基づいて、複数のユーザの消費速度を評価し、消費速度の評価結果に基づいて、所定の第1周期で定期的に燃料を配送する第1群と、第1周期よりも長い第2周期で不定期的に燃料を配送する第2群と、に複数のユーザを分類し、第2群のユーザへの配送タイミングを第1群のユーザへの定期的な配送タイミングに合わせる。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料で動作する産業車両を使用する複数のユーザに前記燃料を配送する配送計画を生成する燃料配送システムであって、
複数の前記ユーザのそれぞれについて、前記燃料のタンク設備の容量、前記タンク設備の残量、前記産業車両の稼働台数、前記産業車両の稼働時間、及び、前記産業車両の燃料消費量を含む消費状況を取得する消費状況取得部と、
前記消費状況及び前記タンク設備の容量に基づいて、機械学習を用いた演算により、複数の前記ユーザの配送順序、所要時間、及び輸送コストを最適化するように前記配送計画を生成する配送計画生成部と、を備え、
前記配送計画生成部は、
前記消費状況及び前記タンク設備の容量に基づいて、複数の前記ユーザの消費速度を評価し、
前記消費速度の評価結果に基づいて、所定の第1周期で定期的に前記燃料を配送する第1群と、前記第1周期よりも長い第2周期で不定期的に前記燃料を配送する第2群と、に複数の前記ユーザを分類し、
前記第2群の前記ユーザへの配送タイミングを前記第1群の前記ユーザへの定期的な配送タイミングに合わせた前記機械学習を用いた演算により、前記配送計画を生成する、燃料配送システム。
【請求項2】
前記燃料は、消費期限を過ぎると廃棄されるバイオマス燃料であり、
前記配送計画生成部は、
前記消費速度の評価結果に基づいて、前記第2群の前記ユーザのうち、次回の配送量を第1配送量とした場合に前記第2周期が前記消費期限を超えると推定される前記ユーザを第3群に更に分類し、
前記第3群の前記ユーザの次回の配送量を前記第1配送量よりも小さく且つ前記第2周期が前記消費期限を超えないような第2配送量とすると共に、前記第3群の前記ユーザへの配送タイミングを前記第1群又は前記第2群の前記ユーザへの配送タイミングに合わせた前記機械学習を用いた演算により、前記配送計画を生成する、請求項1に記載の燃料配送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料配送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、燃料配送システムに関する技術として、建設機械の稼働情報と燃料の残量情報とに基づいて建設機械の燃料の給油時期を推定し、推定した給油時期と建設機械の位置情報とに基づいて燃料を配送する配送計画を作成する技術が知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
燃料で動作する産業車両を使用する複数のユーザにおいては、産業車両の稼働台数及び稼働時間等を含む消費状況が一般的には一致しない。そのため、燃料残量に基づいて生成された配送タイミングは必ずしも一致せず、複数のユーザに燃料を配送するための配送回数が余分に多くなることがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、燃料で動作する産業車両を使用する複数のユーザに燃料を配送する配送計画を生成する燃料配送システムであって、複数のユーザのそれぞれについて、燃料のタンク設備の容量、タンク設備の残量、産業車両の稼働台数、産業車両の稼働時間、及び、産業車両の燃料消費量を含む消費状況を取得する消費状況取得部と、消費状況及びタンク設備の容量に基づいて、機械学習を用いた演算により、複数のユーザの配送順序、所要時間、及び輸送コストを最適化するように配送計画を生成する配送計画生成部と、を備え、配送計画生成部は、消費状況及びタンク設備の容量に基づいて、複数のユーザの消費速度を評価し、消費速度の評価結果に基づいて、所定の第1周期で定期的に燃料を配送する第1群と、第1周期よりも長い第2周期で不定期的に燃料を配送する第2群と、に複数のユーザを分類し、第2群のユーザへの配送タイミングを第1群のユーザへの定期的な配送タイミングに合わせた機械学習を用いた演算により、配送計画を生成する。
【0006】
本発明の一態様に係る燃料配送システムによれば、消費状況及びタンク設備の容量に基づいて、複数のユーザの消費速度が評価される。消費速度の評価結果に基づいて、所定の第1周期で定期的に燃料を配送する第1群と、第1周期よりも長い第2周期で不定期的に燃料を配送する第2群と、に複数のユーザが分類される。第2群のユーザへの配送タイミングを第1群のユーザへの定期的な配送タイミングに合わせた機械学習を用いた演算により、配送計画が生成される。これにより、例えば第1群のユーザへの配送と第2群のユーザへの配送とを別々に行うような配送計画と比べて、配送回数が低減され、配送コストの増加を抑制できる。したがって、本発明の一態様に係る燃料配送システムによれば、産業車両の稼働台数及び稼働時間等を含む消費状況が異なる複数のユーザに効率的に燃料を配送することが可能となる。
【0007】
一実施形態において、燃料は、消費期限を過ぎると廃棄されるバイオマス燃料であり、配送計画生成部は、消費速度の評価結果に基づいて、第2群のユーザのうち、次回の配送量を第1配送量とした場合に第2周期が消費期限を超えると推定されるユーザを第3群に更に分類し、第3群のユーザの次回の配送量を第1配送量よりも小さく且つ第2周期が消費期限を超えないような第2配送量とすると共に、第3群のユーザへの配送タイミングを第1群又は第2群のユーザへの配送タイミングに合わせた機械学習を用いた演算により、配送計画を生成してもよい。この場合、バイオマス燃料の消費期限を超えると推定されるユーザについて配送量を調整することで、バイオマス燃料の消費期限を超えずに第1群又は第2群のユーザへの配送に合わせて配送することができる。その結果、バイオマス燃料の廃棄コスト及び配送コストを低減することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様に係る燃料配送システムによれば、産業車両の稼働台数及び稼働時間等を含む消費状況が異なる複数のユーザに効率的に燃料を配送することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態に係る燃料配送システムを説明するための図である。
【
図2】配送計画サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】産業車両の構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】配送計画サーバの機能的構成の一例を示すブロック図である。
【
図5】配送計画サーバの処理の一例を示すフローチャートである。
【
図6】
図5の配送計画生成処理の詳細な一例を示すフローチャートである。
【
図7】消費速度の評価結果に基づくユーザの分類の一例を示す図である。
【
図8】(a)は、第1群のユーザの配送計画の一例を示すタイミングチャートである。(b)は、第2群のユーザの配送計画の一例を示すタイミングチャートである。(c)は、第3群のユーザの消費速度の一例を示すタイミングチャートである。
【
図9】(a)は、第1群のユーザの配送計画の他の例を示すタイミングチャートである。(b)は、第2群のユーザの配送計画の他の例を示すタイミングチャートである。(c)は、第3群のユーザを第2群のユーザとして配送計画を生成する一例を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、一実施形態に係る燃料配送システムを説明するための図である。燃料配送システム1は、燃料で動作する産業車両2を使用する複数のユーザ3に燃料を配送する配送計画を生成するシステムである。産業車両2は、一例として、ディーゼルエンジンを搭載したフォークリフトである。ここでの燃料は、カーボンニュートラルの観点でCO
2の削減効果が見込まれるバイオマス燃料であり、例えば、脂肪酸メチルエステル(FAME)等のバイオディーゼル燃料である。産業車両2は、ディーゼルエンジンの燃料系部品等について、バイオディーゼル燃料を利用可能となるように構成されている。
【0012】
燃料は、燃料メーカ4で製造される。燃料メーカ4は、植物油の廃油等からバイオディーゼル燃料を製造する。燃料メーカ4は、予め選定された業者であってもよい。バイオディーゼル燃料は、軽油等の燃料よりも酸化しやすい。そのため、所定の消費期限(例えば3ヶ月)が定められている。産業車両2のディーゼルエンジンの保護のため、消費期限を過ぎたバイオディーゼル燃料は原則として使用されずに廃棄する運用とされる。
【0013】
燃料は、配送車両5によって燃料メーカ4から複数のユーザ3のそれぞれに配送される。配送車両5は、後述の配送計画に従って、複数のユーザ3のそれぞれに燃料を配送する。配送車両5は、1回の配送で複数のユーザ3のうち少なくとも1つのユーザ3に燃料を配送する。配送車両5としては、例えば、タンクローリー5a又はドラム缶を積載するトラック5bが用いられる。
【0014】
複数のユーザ3は、配送された燃料を産業車両2に給油するまで貯留するための燃料のタンク設備6を備えている。タンク設備6としては、例えば、固定設備として設けられたタンク6a又は配送されたドラム缶6bが用いられる。タンク6aには、タンクローリー5aで配送された燃料が、後述の配送計画に応じた配送量で供給される。タンク設備6としてのドラム缶6bは、後述の配送計画に応じた本数でトラック5bにより配送され、次回の配送タイミングまでユーザ3のもとに留置される。
【0015】
[燃料配送システムの構成]
以下、燃料配送システム1の構成について図面を参照して説明する。
図1に示されるように、燃料配送システム1は配送計画サーバ10を備えている。配送計画サーバ10は配送計画を生成するためのサーバである。
【0016】
配送計画サーバ10は、複数のユーザ3のユーザ端末3X及び燃料メーカ4のメーカ端末4XとネットワークNを介して通信可能に構成されている。配送計画サーバ10は、例えば、複数のユーザ3の産業車両2を管理する施設Fに設けられていてもよく、産業車両2のメーカーの施設に設けられていてもよい。配送計画サーバ10は、異なる場所に設けられた複数のコンピュータから構成されていてもよい。配送計画サーバ10は、端末7及びユーザ管理データベース8と接続されている。
【0017】
端末7は、配送計画サーバ10を操作するためのデバイスである。端末7は、例えば、コンピュータ及び携帯端末であってもよい。端末7は必須ではなく、配送計画サーバ10に接続された入力装置を用いて配送計画サーバ10が操作されてもよい。
【0018】
ユーザ端末3Xは、ユーザ3において産業車両2の管理及び配送計画サーバ10への情報提供をするためのデバイスである。ユーザ端末3Xは、例えば、コンピュータ及び携帯端末であってもよい。
【0019】
メーカ端末4Xは、燃料メーカ4において燃料製造の管理及び配送計画サーバ10からの配送手配の情報取得をするためのデバイスである。メーカ端末4Xは、例えば、コンピュータ及び携帯端末であってもよい。
【0020】
ユーザ管理データベース8は、複数のユーザ3についての産業車両2の利用に関する情報を記憶するデータベースである。ユーザ管理データベース8は、例えばユーザ3との燃料配送契約の際に提供された初期取得情報を記憶する。初期取得情報は、例えば、ユーザ3の産業車両2の使用場所の位置情報、ユーザ3のタンク設備6の容量、ユーザ3に配備される産業車両2の台数、及び、産業車両2ごとの燃料タンク容量等を含む。ユーザ管理データベース8は、その他、例えば複数のユーザ3からネットワークNを介して送信された継続取得情報を記憶する。継続取得情報は、産業車両2の稼働台数、産業車両2ごとの稼働時間(例えば1日単位)、産業車両2ごとの燃料消費量(例えば1日単位)、産業車両2ごとの燃料タンク残量、産業車両2ごとの給油タイミング、産業車両2ごとの給油量、燃料製造日、燃料の配送日、及び、燃料の配送量等を含む。継続取得情報は、産業車両2の識別情報と関連付けられていてもよい。識別情報は、個々の産業車両2を特定できる情報であればよい。識別情報は、ID番号[Identification Number]であってもよく、車両番号であってもよい。
【0021】
配送計画サーバ10のハードウェア構成について説明する。
図2は、配送計画サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図2に示されるように、配送計画サーバ10は、プロセッサ10a、記憶部10b、通信部10c、及びユーザインターフェイス10dを備えた一般的なコンピュータとして構成されている。
【0022】
プロセッサ10aは、各種オペレーティングシステムを動作させて配送計画サーバ10を制御する。プロセッサ10aは、制御装置、演算装置、レジスタなどを含むCPU[Central Processing Unit]などの演算器である。プロセッサ10aは、記憶部10b、通信部10c、及びユーザインターフェイス10dを統括する。記憶部10bは、例えばROM[Read Only Memory]、RAM[Random Access Memory]、HDD[Hard Disk Drive]、SSD[Solid State Drive]のうち少なくとも一つを含む記録媒体である。
【0023】
通信部10cは、ネットワークNを介した無線通信を行うための通信デバイスである。通信部10cには、ネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカードなどを用いることができる。配送計画サーバ10は、通信部10cを用いて複数のユーザ3のユーザ端末3X及び燃料メーカ4のメーカ端末4Xと通信を行う。ユーザインターフェイス10dは、配送計画サーバ10の管理者などに対する配送計画サーバ10の入出力部である。ユーザインターフェイス10dは、ディスプレイ、スピーカなどの出力器、及び、タッチパネルなどの入力器を含む。
【0024】
[産業車両の構成]
図3は、産業車両の構成の一例を示すブロック図である。産業車両2は、コントローラ20と、ディーゼルエンジンに設けられたエンジン負荷センサ21、エンジン回転数センサ22、及びエアフローセンサ23と、インジェクタ24とを備えている。各センサ及びインジェクタ24は、ディーゼルエンジンの制御を統括するコントローラ20と接続されている。
【0025】
コントローラ20は、CPU、ROM、RAM等を有する電子制御ユニットである。コントローラ20では、例えば、ROMに記録されているプログラムをRAMにロードし、RAMにロードされたプログラムをCPUで実行することにより各種の機能を実現する。なお、コントローラ20は、複数の電子ユニットから構成されていてもよい。
【0026】
インジェクタ24は、ディーゼルエンジンの各気筒の燃焼室内に燃料を噴射するインジェクタ24は、コントローラ20によって設定される噴射すべき燃料量(以下、単に噴射燃料量という)及び噴射時期で燃料を噴射することで、燃焼室内に燃料を供給する。各インジェクタ24には、コモンレール(図示せず)が接続されている。コモンレールは、各インジェクタ24に供給される高圧燃料を貯留する。各インジェクタ24の噴射動作は、コントローラ20によって制御される。
【0027】
エンジン負荷センサ21は、例えばアクセル開度センサ及び荷役レバー位置センサといった、ディーゼルエンジンの負荷を検出する検出器である。エンジン回転数センサ22は、ディーゼルエンジンのエンジン回転数を検出する検出器である。エアフローセンサ23は、ディーゼルエンジンの吸入空気量を検出する検出器である。エンジン負荷センサ21、エンジン回転数センサ22、及び、エアフローセンサ23は、検出したエンジン状態量の検出信号をコントローラ20に送信する。
【0028】
エンジン状態量取得部20aは、各種センサの検出結果に基づいて、エンジン状態量を取得する。エンジン状態量取得部20aは、エンジン負荷センサ21及びエンジン回転数センサ22の検出結果に基づいて、ディーゼルエンジンの負荷指令値を取得する。エンジン状態量取得部20aは、例えば、アクセル開度センサ並びに荷役レバー位置センサの検出結果及びエンジン回転数に基づいて、ディーゼルエンジンに出力させるトルクの指令値である負荷指令値を算出する。エンジン状態量取得部20aは、に基づいて、ディーゼルエンジンの吸入空気量を取得する。
【0029】
燃料噴射制御部20bは、例えば、エアフローセンサ23の検出結果とディーゼルエンジンの負荷指令値とに基づいて、負荷指令値に応じた燃焼トルクをディーゼルエンジンに発生させるための噴射燃料量を算出する。燃料噴射制御部20bは、算出した噴射燃料量で燃料を噴射させるようにインジェクタ24を制御する。
【0030】
送信情報取得部20cは、ユーザ端末3Xを介して配送計画サーバ10に継続取得情報として送信するための送信情報を取得する。送信情報取得部20cは、上述の継続取得情報のうち当該産業車両2に対応する情報を送信情報として取得する。送信情報取得部20cは、例えば、当該産業車両2の稼働時間、当該産業車両2の燃料消費量、当該産業車両2の燃料タンク残量、当該産業車両2の給油タイミング、及び、当該産業車両2の給油量を送信情報として取得する。なお、産業車両2の給油タイミング及び産業車両2の給油量は、ユーザ3がユーザ端末3Xに対して手動入力してもよい。
【0031】
通信部20dは、産業車両2の外部との無線通信を制御する通信デバイスである。通信部20dは、ユーザ端末3Xとの通信により各種情報の送信及び受信を行う。
【0032】
情報送信部20eは、通信部20dを通じてユーザ端末3Xに送信情報を送信する。情報送信部20eは、例えば、産業車両2の一日の稼働終了時及び給油実施時等に、ユーザ端末3Xに送信情報を送信する。情報送信部20eは、産業車両2の稼働中に一定時間ごとにユーザ端末3Xに送信情報を送信してもよい。
【0033】
[配送計画サーバの機能的構成及び処理]
次に、配送計画サーバ10の機能的構成及び処理の一例について説明する。
図4は、配送計画サーバの機能的構成の一例を示す図である。
図5は、配送計画サーバの処理の一例を示すフローチャートである。
【0034】
図4に示されるように、配送計画サーバ10は、消費状況取得部11、配送計画生成部12、及び、配送手配部13を有する。
【0035】
消費状況取得部11は、複数のユーザ3のそれぞれについての消費状況を取得する(ステップS01)。消費状況は、複数のユーザ3のそれぞれにおける燃料の消費速度に関連するパラメータである。消費状況は、例えば、燃料のタンク設備6の容量、タンク設備6の残量、産業車両2の稼働台数、産業車両2の稼働時間、及び、産業車両2の燃料消費量を含む。
【0036】
消費状況取得部11は、例えば、予めユーザ管理データベース8に記憶された初期取得情報及び継続取得情報に基づいて、消費状況を取得してもよい。消費状況取得部11は、ネットワークNを介して取得された継続取得情報に基づいて、消費状況を直接的に取得してもよい。消費状況取得部11は、少なくとも産業車両2ごとの稼働時間、産業車両2ごとの燃料消費量、及び産業車両2ごとの燃料タンク残量については、複数のユーザ3のそれぞれから継続取得情報を継続的に(例えば1日単位で)取得する。
【0037】
消費状況取得部11は、取得した消費状況に基づいて、平均消費状況を算出してもよい(ステップS02)。平均消費状況は、所定期間における消費状況の平均値である。平均消費状況は、例えば、産業車両2の稼働台数、産業車両2ごとの平均稼働時間、産業車両2ごとの平均燃料消費量、産業車両2ごとの平均給油回数、産業車両2ごとの給油頻度、及び、ユーザ3ごとの平均燃料消費量、を含む。ユーザ3ごとの平均燃料消費量は、当該ユーザ3における複数の産業車両2の燃料消費量の合計値を平均した値を意味する。所定期間は、例えば平均稼働時間及び平均燃料消費量については、過去1週間、過去1ヶ月、及び、過去3ヶ月の期間としてもよい。所定期間は、例えばユーザ3ごとの平均燃料消費量については、過去1週間の期間としてもよい。
【0038】
配送計画生成部12は、消費状況及びタンク設備6の容量に基づいて、機械学習を用いた演算により、複数のユーザ3の配送順序、所要時間、及び輸送コストを最適化するように、機械学習を用いた演算により、配送計画を生成する(ステップS03)。配送計画には、次回の配送タイミング(日程)、複数のユーザ3の配送順序、及び、ユーザ3ごとの配送量、が少なくとも含まれる。配送計画の生成にあたっては、配送の似姿(タンクローリー5aによる直接補給か、トラック5bによるドラム缶6bの交換か)は、初期取得情報の一部として予め定められていてもよい。
【0039】
配送計画生成部12は、例えば、燃料製造日及び燃料の消費期限に基づいて定めた複数の未来期間を区切りとして配送計画を生成する。未来期間は、燃料製造日を基準として消費状況に基づく消費予測を行う期間である。未来期間は、例えば燃料の消費期限が3ヶ月の場合、燃料製造日を基準として1ヶ月、燃料製造日を基準として2ヶ月、及び、燃料製造日を基準として3ヶ月、の3つの期間としてもよい。未来期間は、更に細かく、燃料製造日を基準として2週間、燃料製造日を基準として1ヶ月と2週間、及び、燃料製造日を基準として2ヶ月と2週間、において区切られてもよい。
【0040】
配送計画生成部12は、燃料製造日を基準として1ヶ月、燃料製造日を基準として2ヶ月、及び、燃料製造日を基準として3ヶ月、の3つの未来期間を区切りとして、複数のユーザ3ごとに暫定的な配送計画を生成する。ここでの燃料製造日は、次回の配送手配で用意される燃料の製造日を意味し、すでに製造された燃料にあっては過去の製造日であってもよいし、配送計画の生成時には未製造であっても次回の配送手配までに製造される燃料にあっては未来の製造日であってもよい。
【0041】
配送計画生成部12は、機械学習を用いた演算により配送計画を生成する。機械学習としては、例えば、遺伝的アルゴリズム(GA)を用いることができる。ここでの機械学習は、一例として、複数のユーザ3の全部又は一部についての配送順序を仮定したときに、移動時間と配送作業時間とコスト単価とに基づいて所要時間及び輸送コストを複数の未来期間ごとに算出し、輸送コストが小さいほど適応度が高くなるように構成される。コスト単価は、例えば、タンクローリー5aで配送する場合の運送費用、トラック5bで配送する場合の運送費用、及び、タンクローリー5a及びトラック5bの大きさ(最大積載量)に基づいて、燃料の単位体積あたりの物流単価として予め設定されていてもよい。
【0042】
例えば、所要時間が所定の最大輸送時間を超える計算結果である場合、適応度を下げるようにペナルティが与えられてもよい。ある配送量で配送した結果ユーザ3のタンク設備6の容量を超える場合、適応度を下げるようにペナルティが与えられてもよい。ある配送タイミングとその次の配送タイミングとの間の期間でユーザ3のタンク設備6が枯渇状態に至る場合、適応度を下げるようにペナルティが与えられてもよい。枯渇状態としては、例えば、タンク設備6の残量が予測消費量(後述)の所定日数分を下回った状態であってもよい。ユーザ3のタンク設備6に残る燃料の消費期限が切れる場合、適応度を下げるようにペナルティが与えられてもよい。例えば、タンク設備6に残る燃料の消費期限までの日数が次回の配送タイミングまでの日数に所定の日数を足した値を下回り、且つ、タンク設備6の残量が予測消費量の所定日数分を超えている状態において、燃料の消費期限が切れたものと取り扱ってもよい。また、ユーザ3のタンク設備6に残る燃料の残量と次回の配送タイミングでの配送量とを加算した配送後燃料量を100%としたときに、配送前の燃料の残量の割合が例えば10%程度を越える場合、適応度を下げるようにペナルティが与えられてもよい。機械学習では、輸送コストが小さいほど適応度が高くなるように、その他のペナルティが適宜設定されていてもよい。
【0043】
なお、配送計画生成部12は、一旦暫定的な配送計画を生成した場合、当該配送計画の生成後に新たに取得された継続取得情報に基づいて、配送手配の期限に達するまで、配送計画を再生成してもよい。配送計画生成部12は、配送手配の期限が到来した場合、最新の配送計画を次回の配送用の計画として決定してもよい。
【0044】
配送手配部13は、決定された配送計画に従って、燃料の配送を手配する(ステップS04)。配送手配部13は、例えば、決定された配送計画に従って、ネットワークNを介して燃料メーカ4のメーカ端末4Xに燃料の発注及び配送の依頼を行う。これにより、複数のユーザ3のそれぞれに燃料が配送される。
【0045】
本実施形態において、配送計画生成部12は、配送回数を余分に増加させないように予め調整した配送タイミングを用いた機械学習の演算により、配送計画を生成する。
図6は、
図5の配送計画生成処理の詳細な一例を示すフローチャートである。
図6に示されるように、配送計画生成部12は、消費状況及びタンク設備6の容量に基づいて、複数のユーザ3のそれぞれの消費速度を評価する(ステップS11)。
【0046】
具体的には、配送計画生成部12は、例えば、所定の未来期間(例えば、燃料の消費期限に合わせて、燃料製造日を基準として3ヶ月)の消費速度を算出する。配送計画生成部12は、例えば、1ヶ月分(例えば燃料製造日を基準として1ヶ月の未来期間に相当)の予測消費量を、過去の所定期間(例えば過去1ヶ月)の平均消費状況に基づいて算出する。1ヶ月分の予測消費量は、例えば、過去1ヶ月の産業車両2ごとの平均燃料消費量に産業車両2の稼働台数を乗算することで算出されてもよい。消費速度は、ここでは3ヶ月の未来期間を想定しているため、1ヶ月分の予測消費量の3倍とすることができる。
【0047】
配送計画生成部12は、算出した消費速度を用いて、複数のユーザ3のそれぞれの消費速度を評価する。消費速度の評価は、消費速度がタンク設備6の容量に対してどの程度速いかの程度の評価を意味する。消費速度の評価は、タンク設備6が枯渇状態に至るかどうか、及び、タンク設備6の残量の燃料が消費期限を過ぎるかどうか、を評価することに相当する。
【0048】
配送計画生成部12は、例えば、算出した消費速度(1ヶ月分の予測消費量の3倍)をタンク設備6の容量で除算して得られた数値(以下、消費速度評価値と称する)と所定の閾値との大小関係に応じて、消費速度を評価する。所定の閾値は、消費速度を評価するための消費速度評価値の閾値である。所定の閾値は、例えば、第1閾値、第1閾値よりも小さい第2閾値、及び、第2閾値よりも小さい第3閾値、を用いてもよい。第1閾値は、例えば、3以上の値(例えば10程度)であってもよい。第2閾値は、例えば、1.5以上3未満の値(例えば2程度)であってもよい。第3閾値は、例えば、1.5未満の値(例えば0.9程度)であってもよい。
【0049】
所定の閾値が大きいほど、タンク設備6の容量に対して消費速度が速く、タンク設備6の残量の燃料が消費期限を過ぎることは生じにくいが、タンク設備6が枯渇状態に至りやすい。所定の閾値が小さいほど、タンク設備6の容量に対して消費速度が遅く、タンク設備6が枯渇状態に至りにくいが、タンク設備6の残量の燃料が消費期限を過ぎることは生じやすい。
【0050】
配送計画生成部12は、消費速度の評価結果に基づいて、第1群と第2群とに複数のユーザ3を分類する(ステップS12)。
図7は、消費速度の評価結果に基づくユーザの分類の一例を示す図である。
図7に示されるように、配送計画生成部12は、消費速度評価値が第1閾値以上であるユーザ3を第1群に分類する。第1群は、所定の第1周期で定期的に燃料を配送するユーザ3の分類である。
【0051】
図8(a)は、第1群のユーザ3の配送計画の一例を示している。
図8(a)に示されるように、第1群のユーザ3には、日程T1,T2,T3,T4,T5,T6の定期的な配送タイミングにおいて燃料が配送される。日程T1,T2,T3,T4,T5,T6の各日程の間隔が、所定の第1周期に相当する。第1群のユーザ3では、各配送タイミングにおいて、タンク設備6の残量は10%から100%まで燃料が補給されてもよい。なお、
図8(a)の例では、日程T1,T2,T3,T4,T5,T6は等間隔であるが、継続取得情報に基づく配送計画の生成結果によっては、全てが等間隔でなくてもよく、周期的であればよい。
【0052】
配送計画生成部12は、消費速度評価値が第1閾値未満であるユーザ3を第2群に分類する。第2群は、第1周期よりも長い第2周期で不定期的に燃料を配送するユーザ3の分類である。
【0053】
図8(b)は、第2群のユーザ3の配送計画の一例を示している。
図8(b)に示されるように、第2群のユーザ3には、第1群のユーザ3に燃料が配送される第1周期よりも長い第2周期で不定期的に燃料が配送される。第2群のユーザ3の配送計画について、詳しくは後述する。
【0054】
配送計画生成部12は、消費速度評価値が第2閾値未満であり第3閾値以上であるユーザ3を第3群に分類する。第3群は、第1周期よりも長い第2周期で不定期的に燃料を配送するユーザ3であって、次回の配送量を第1配送量とした場合に第2周期が消費期限を超えると推定されるユーザ3の分類である。つまり、配送計画生成部12は、第2群のユーザ3のうち、次回の配送量を第1配送量とした場合に第2周期が消費期限を超えると推定されるユーザ3を第3群に更に分類する。
【0055】
図8(c)は、第3群のユーザ3の消費速度の一例を示している。
図8(c)に示されるように、第3群のユーザ3では、燃料製造日においてタンク設備6の残量が10%から100%まで燃料が補給されると、燃料製造日から3ヶ月先まで燃料が配送されることなく、燃料製造日から3ヶ月先の時点でタンク設備6に燃料が残るものと推定されている。そのため、第3群のユーザ3に燃料製造日から3ヶ月先を次回の配送タイミングと仮定したとき、
図8(c)の例と同じようにタンク設備6の容量の90%分の配送量(第1配送量)で燃料が補給されると、燃料製造日から3ヶ月先から起算した更に次の配送タイミングが3ヶ月(消費期限)を超えると推定される。すなわち、第3群のユーザ3は、第2群のユーザ3のうち、次回の配送量を第1配送量とした場合に第2周期が消費期限を超えると推定されるユーザ3である。
【0056】
配送計画生成部12は、第2群のユーザ3が存在するか否かを判定する(ステップS13)。第2群のユーザ3が存在すると判定した場合、配送計画生成部12は、ステップS14に移行する。第2群のユーザ3が存在しないと判定した場合、配送計画生成部12は、ステップS15に移行する。
【0057】
ステップS14において、配送計画生成部12は、第2群のユーザ3への配送タイミングを第1群のユーザ3への定期的な配送タイミングに合わせる。すなわち、配送計画生成部12は、第2群のユーザ3への配送タイミングを第1群のユーザ3への定期的な配送タイミングに合わせた機械学習を用いた演算により、配送計画を生成する。
【0058】
第2群のユーザ3には、日程T1~T6のいずれにも一致しない配送タイミングにおいて燃料が不定期に配送され得る。配送計画生成部12は、第2群のユーザ3への配送タイミングを第1群のユーザ3への定期的な配送タイミングの一部である日程T2,T5に合わせる。例えば、日程T2において、第2群のユーザ3のタンク設備6の残量はまだ10%に達していない。しかしながら、日程T2で第2群のユーザ3への燃料の配送をしない場合、タンク設備6の残量が10%に達するタイミングは、日程T1~T6のいずれにも一致しないタイミングT0となることがある(
図8(b)の破線参照)。そこで、配送計画生成部12は、例えば、第2群のユーザ3のタンク設備6の残量が所定残量以下(例えばタンク設備6の容量の半分以下)となる場合において、第1群のユーザ3への定期的な配送タイミングに一致するタイミングで、第2群のユーザ3への配送タイミングを設定してもよい。これにより、第2群のユーザ3への配送タイミングが第1群のユーザ3への定期的な配送タイミングに合うこととなる。その結果、
図8(b)の例では、第2群のユーザ3には、日程T2,T5の配送タイミングにおいて燃料が配送される。第2群のユーザ3では、日程T2の配送タイミングにおいて、タンク設備6の残量は15%から100%まで燃料が補給され、日程T5の配送タイミングにおいて、タンク設備6の残量は10%から100%まで燃料が補給される。
【0059】
配送計画生成部12は、第3群のユーザ3が存在するか否かを判定する(ステップS15)。第3群のユーザ3が存在すると判定した場合、配送計画生成部12は、ステップS16に移行する。配送計画生成部12は、第3群のユーザ3の次回の配送量を第1配送量よりも小さく且つ第2周期が消費期限を超えないような第2配送量に設定する(ステップS16)。
【0060】
図9(c)は、第3群のユーザ3を第2群のユーザ3として配送計画を生成する一例を示すタイミングチャートである。
図9の原点は、
図8の燃料製造日から3ヶ月先に相当する。
図9の原点は、
図8とは異なる燃料製造日である。なお、第1群のユーザ3には、日程T7,T8,T9,T10,T11,T12の定期的な配送タイミングにおいて燃料が配送される(
図9(a)参照)。
【0061】
図9(c)に示されるように、第3群のユーザ3には、
図9の燃料製造日においてタンク設備6の残量が60%になるまでの配送量(第2配送量、ここではタンク設備6の容量の50%分の配送量)で燃料が補給される。この場合、第3群のユーザ3では、平均消費状況に基づいて、
図9の燃料製造日の1ヶ月先においてタンク設備6の残量が30%となるまで燃料が消費されると予想される。そこで、
図9の燃料製造日の1ヶ月先において、第3群のユーザ3には、
図9の燃料製造日と同様にタンク設備6の残量が60%になるまでの配送量(第2配送量、タンク設備6の容量の30%分の配送量)で燃料が補給される。これにより、第3群のユーザ3では、
図9の燃料製造日の2ヶ月先においても、
図9の燃料製造日の1ヶ月先と同様、タンク設備6の残量が30%となるまで燃料が消費されると予想される。これ以降は同様の燃料の消費及び配送が繰り返される。その結果、第3群のユーザ3への配送タイミングは、日程T8において第1群のユーザ3への定期的な配送タイミングに合うこととなり、日程T10において第1群及び第2群のユーザ3への配送タイミングに合うこととなる。
【0062】
このように、配送計画生成部12は、第3群のユーザ3への配送量を第2配送量に調整することで、第3群のユーザ3への配送タイミングを第1群又は第2群のユーザへの配送タイミングに合わせる(ステップS17)。すなわち、配送計画生成部12は、第3群のユーザ3の次回の配送量を第1配送量よりも小さく且つ第2周期が消費期限を超えないような第2配送量とすると共に、第3群のユーザ3への配送タイミングを第1群又は第2群のユーザ3への配送タイミングに合わせた機械学習を用いた演算により、配送計画を生成する。その結果、第2群のユーザ3の一部である第3群のユーザ3を、実質的に第3群に該当しない第2群のユーザ3へと変更して取り扱うことが可能となる。
【0063】
一方、ステップS15において第3群のユーザ3が存在しないと判定した場合、配送計画生成部12は、
図6の処理を終了し、
図5のステップS04に戻る。
【0064】
以上説明した燃料配送システム1によれば、消費状況及びタンク設備6の容量に基づいて、複数のユーザ3の消費速度が評価される。消費速度の評価結果に基づいて、所定の第1周期で定期的に燃料を配送する第1群と、第1周期よりも長い第2周期で不定期的に燃料を配送する第2群と、に複数のユーザ3が分類される。第2群のユーザ3への配送タイミングを第1群のユーザ3への定期的な配送タイミングに合わせた機械学習を用いた演算により、配送計画が生成される。これにより、例えば第1群のユーザ3への配送と第2群のユーザ3への配送とを別々に行うような配送計画と比べて、配送回数が低減され、配送コストの増加を抑制できる。したがって、燃料配送システム1によれば、産業車両2の稼働台数及び稼働時間等を含む消費状況が異なる複数のユーザ3に効率的に燃料を配送することが可能となる。
【0065】
燃料配送システム1では、燃料は、消費期限を過ぎると廃棄されるバイオマス燃料であり、配送計画生成部12は、消費速度の評価結果に基づいて、第2群のユーザ3のうち、次回の配送量を第1配送量とした場合に第2周期が消費期限を超えると推定されるユーザ3を第3群に更に分類し、第3群のユーザ3の次回の配送量を第1配送量よりも小さく且つ第2周期が消費期限を超えないような第2配送量とすると共に、第3群のユーザ3への配送タイミングを第1群又は第2群のユーザ3への配送タイミングに合わせた機械学習を用いた演算により、配送計画を生成する。これにより、バイオマス燃料の消費期限を超えると推定されるユーザ3について配送量を調整することで、バイオマス燃料の消費期限を超えずに第1群又は第2群のユーザ3への配送に合わせて配送することができる。その結果、バイオマス燃料の廃棄コスト及び配送コストを低減することができる。
【0066】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。本発明は、上述した実施形態を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を施した様々な形態で実施することができる。
【0067】
上記実施形態では、燃料は、消費期限を過ぎると廃棄されるバイオマス燃料であったが、この例に限定されない。例えば、燃料が軽油である場合においても、配送計画生成部は、消費速度の評価結果に基づいて第1群と第2群とに複数のユーザを分類し、第2群のユーザへの配送タイミングを第1群のユーザへの定期的な配送タイミングに合わせた機械学習を用いた演算により、配送計画を生成してもよい。
【0068】
上記実施形態では、配送計画生成部は、第2群のユーザのうち、次回の配送量を第1配送量とした場合に第2周期が消費期限を超えると推定されるユーザを第3群に更に分類したが、この例に限定されない。例えば、第3群への分類は省略されてもよい。
【0069】
上記実施形態では、複数のユーザ3は、配送車両5としてタンクローリー5aを用いるユーザ3、配送車両5としてトラック5bを用いるユーザ3、及び、配送車両5としてタンクローリー5a及びトラック5bを併用するユーザ3を含んでいたが、この3通りを全て含まなくてもよい。複数のユーザ3は、配送車両5としてタンクローリー5aを用いるユーザ3のみからなってもよい。複数のユーザ3は、配送車両5としてトラック5bを用いるユーザ3のみからなってもよい。これらの場合、配送計画生成部は、配送車両5が互いに共通する複数のユーザ3間で配送タイミングを合わせるように、配送計画を生成することができる。
【符号の説明】
【0070】
1…燃料配送システム、2…産業車両、3…ユーザ、6…タンク設備、11…消費状況取得部、12…配送計画生成部。