(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059290
(43)【公開日】2024-05-01
(54)【発明の名称】ストッパー
(51)【国際特許分類】
B65H 75/00 20060101AFI20240423BHJP
B65G 1/14 20060101ALI20240423BHJP
B65H 75/14 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
B65H75/00 A
B65G1/14 J
B65H75/14
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022166886
(22)【出願日】2022-10-18
(71)【出願人】
【識別番号】000238049
【氏名又は名称】冨士電線株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 幸則
(72)【発明者】
【氏名】相原 尚義
【テーマコード(参考)】
3F022
3F058
【Fターム(参考)】
3F022CC06
3F022CC10
3F058AB03
3F058BB19
3F058CA02
3F058DA05
3F058DB03
3F058DB05
3F058DC01
3F058DC03
3F058KA04
3F058MA02
(57)【要約】
【課題】ケーブルドラムの転動を防止しつつ、一定間隔でケーブルドラムを配置するためのケーブルドラム用のストッパーを提供すること。
【解決手段】ストッパー10は、ケーブルドラム20用のストッパー10であって、ケーブルドラム20のフランジに当接してケーブルドラム20の転動を阻止するための阻止部11と、2つのケーブルドラム20のフランジの間に配置され、2つのケーブルドラム20を離間させるための離間部12と、を有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーブルドラム用のストッパーであって、
前記ケーブルドラムのフランジに当接して前記ケーブルドラムの転動を阻止するための阻止部と、
2つの前記ケーブルドラムの前記フランジの間に配置され、2つの前記ケーブルドラムを離間させるための離間部と、
を有するストッパー。
【請求項2】
請求項1に記載のストッパーにおいて、
前記離間部は、
前記阻止部と同じ高さに配置された第1離間部と、
前記阻止部よりも高い位置に配置された第2離間部と、
を含むことを特徴とするストッパー。
【請求項3】
請求項1に記載のストッパーにおいて、
前記離間部の幅は、10~15cmの範囲内であることを特徴とするストッパー。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載のストッパーにおいて、
前記ストッパーは、木材で構成されていることを特徴とするストッパー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブルドラム用のストッパーに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ケーブルなどの長尺部材は、ケーブルドラムにコイル状に巻回された状態で保管および搬送される(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1には、ケーブルをコイル状に巻回するためのOFケーブル用ドラムが記載されている。特許文献1に記載のOFケーブル用ドラムは、胴部と、一対のフランジと、一対の回転防止ストッパーとを有する。胴部は、柱状に形成されており、その両端には円形状のフランジが配置されている。また、フランジの外周部には、OFケーブル用ドラムの回転を防止するための回転防止ストッパーが配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されているようなケーブルドラムは、並べて保管および搬送される。複数のケーブルドラムを並べて配置する際に、隣り合う2つのケーブルドラム間の距離が狭くなってしまうと、作業者の手が挟まれてしまう可能性がある。一方、隣り合う2つのケーブルドラム間の距離が広くなってしまうと、保管場所に保管できるケーブルドラムの数が少なくなってしまう。
【0006】
そこで、本発明の目的は、ケーブルドラムの転動を阻止しつつ、一定間隔でケーブルドラムを配置するためのケーブルドラム用のストッパーを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため本発明の一態様によれば、
ケーブルドラム用のストッパーであって、
前記ケーブルドラムのフランジに当接して前記ケーブルドラムの転動を阻止するための阻止部と、
2つの前記ケーブルドラムの前記フランジの間に配置され、2つの前記ケーブルドラムを離間させるための離間部と、
を有するストッパーが提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ケーブルドラムの転動を防止しつつ、一定間隔でケーブルドラムを配置できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、本発明の一実施の形態に係るストッパーの使用状態を説明するための図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施の形態に係るストッパーの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施の形態に係るストッパーについて、図面を参照して詳細に説明する。
【0011】
(ストッパーの構成)
図1は、本発明の一実施の形態に係るストッパー10の使用状態を説明するための図である。
図2は、本発明の一実施の形態に係るストッパー10の斜視図である。
【0012】
図1に示されるように、ストッパー10は、第1の方向D1に並んで配置された複数のケーブルドラム20に対して使用される。以下の説明では、複数のケーブルドラム20の配列方向(ケーブルドラム20の回転軸が沿う方向)を第1の方向D1とし、平面視したときに第1の方向D1に垂直な方向(ケーブルドラム20が転動可能な方向)を第2の方向D2とし、第1の方向D1および第2の方向D2に垂直な方向(高さ方向)を第3の方向D3として説明する。
【0013】
ケーブルドラム20は、胴部21と、一対のフランジ22とを有する。胴部21は円柱形状であり、両端にフランジ22がそれぞれ配置されている。一対のフランジ22は、それぞれ円形状である。胴部21にケーブル23が巻回され、一対のフランジ22によりケーブル23を巻回する領域を規定している。ケーブルドラム20の大きさは、特に限定されず、用途に応じて適宜選択されうる。たとえば、胴部21の長さ(フランジ22の間隔)は600mm程度であり、胴部21の太さは500~600mm程度であり、フランジ22の径は910~1150mm程度である。
【0014】
ストッパー10は、2つのケーブルドラム20のフランジ22に当接して2つのケーブルドラム20の転動を阻止するとともに、隣り合う2つのケーブルドラム20を離間させる。
図2に示されるように、本実施の形態では、ストッパー10は、阻止部11と、離間部12とを有する。ストッパー10の材料は、ケーブルドラム20に押し潰されない程度の強度を有する材料であれば特に限定されない。ストッパー10の材料の例には、木材、樹脂、金属が含まれる。ストッパー10は、取り扱いが容易であり、かつ安価に製造できる観点から、木材により構成されていることが好ましい。ストッパー10は、一体として形成されていてもよいし、複数の部材を組み合わせることにより形成されていてもよい。本実施の形態では、ストッパー10は、別の部材として形成された阻止部11と、離間部12(第1離間部13および第2離間部14)とを組み合わせることにより形成されている。
【0015】
阻止部11は、2つのケーブルドラム20のフランジ22に当接して2つのケーブルドラム20の転動(回転)を阻止する。阻止部11の形状は、上記の機能を発揮できれば特に限定されない。本実施の形態では、阻止部11は、直方体状であるが、フランジ22との接触面積を増大させるために傾斜面やフランジ22の外縁に沿う曲面などを有していてもよい。阻止部11の高さは、上記の機能を発揮できれば特に限定されず、ケーブルドラム20の大きさなどに応じて適宜設定される。たとえば、ストッパー10を移動させることなくケーブルドラム20を転動できるようにしたい場合は、阻止部11の高さは、通常状態ではケーブルドラム20の転動を阻止できるが、外部からケーブルドラム20に力を加えた状態ではケーブルドラム20が乗り越えられる高さに設定される。一方、ストッパー10を移動させなければケーブルドラム20を転動できないようにしたい場合は、阻止部11の高さは、ケーブルドラム20が乗り越えられない高さに設定される。阻止部11の大きさは、例えば、横(第1の方向D1の長さ)350mm、縦(第2の方向D2の長さ)90mm、高さ(第3の方向D3の長さ)35mmである。阻止部11の背面(ケーブルドラム20側の面)には第1離間部13が接続されており、阻止部11の上面には第2離間部14が接続されている。
【0016】
離間部12は、隣り合う2つのケーブルドラム20間に配置される部位であり、隣り合う2つのケーブルドラム20を離間させる。離間部12の構成は、上記の機能を発揮できれば特に限定されない。離間部12の幅(第1の方向D1の長さ)は、特に限定されず、隣り合う2つのケーブルドラム20間に設けたい間隔に応じて適宜設定される。たとえば、離間部12の幅は、10~15cmの範囲内である。本実施の形態では、離間部12は、阻止部11と同じ高さに配置された第1離間部13と、阻止部11よりも高い位置に配置された第2離間部14とを有する。
【0017】
第1離間部13は、阻止部11の背面(ケーブルドラム20側の面)に接続されており、第2の方向D2(フランジ22と平行な方向)に延在している。第1離間部13は、第2離間部14とともに、隣り合うケーブルドラム20の間に配置され、ケーブルドラム20同士を一定距離より近づけなくする。第1離間部13の形状は、上記の機能を発揮できれば特に限定されない。本実施の形態では、第1離間部13は、直方体状である。第1離間部13の大きさは、例えば横(第1の方向D1の長さ)150mm、縦(第2の方向D2の長さ)120mm、高さ(第3の方向D3の長さ)35mmである。
【0018】
第2離間部14は、阻止部11の上面および第1離間部13の上面に接続されており、第2の方向D2(フランジ22と平行な方向)に延在している。第2離間部14は、第1離間部13とともに、隣り合うケーブルドラム20の間に配置され、ケーブルドラム20同士を一定距離より近づけなくする。また、第2離間部14は、ケーブルドラム20が阻止部11を乗り越える場合においても隣り合うケーブルドラム20同士を一定距離より近づけなくする。さらに、第2離間部14は、ケーブルドラム20が傾くことも防止する。第2離間部14の形状は、上記の機能を発揮できれば特に限定されない。本実施の形態では、第2離間部14は、直方体状である。第2離間部14の大きさは、例えば、横(第1の方向D1の長さ)150mm、縦(第2の方向D2の長さ)120mm、高さ(第3の方向D3の長さ)35mmである。この例では、第1離間部13および第2離間部14は同じ大きさだが、第2離間部14は、第1離間部13よりも阻止部11の幅(第2の方向D2の長さ)の分だけ正面側に配置されている。
【0019】
ここで、ストッパー10の使用方法について説明する。たとえば、ストッパー10は、ケーブルドラム20を配置した後に使用する。具体的には、ストッパー10は、一定間隔(ここでは、12cm以上)で配置したケーブルドラム20に対して使用する。作業者は、ストッパー10をケーブルドラム20が配置された面(例えば、地面)に置き、足でスライドさせるように、ケーブルドラム20間に押し込む。このとき、阻止部11がフランジ22および地面の間に入り込むとともに、離間部12が隣接する2つのケーブルドラム20の間に入り込む。なお、ストッパー10を取り外す場合には、ストッパー10を足でスライドさせるように、引き抜けばよい。これにより、ケーブルドラム20の転動を防止できるとともに、2つのケーブルドラム20を一定距離に保つことができる。また、作業者が足で配置、取り外しできるため、操作が容易である。
【0020】
または、たとえば、ストッパー10は、ケーブルドラム20を配置する前に使用する。具体的には、作業者は、ストッパー10をケーブルドラム20が配置される面(例えば、地面)に置く。次いで、阻止部11の右側(左側)を乗り越えるようにしてケーブルドラム20を配置する。阻止部11の左側(右側)を乗り越えるようにして他のケーブルドラム20を配置する。これにより、ケーブルドラム20の転動を防止できるとともに、2つのケーブルドラム20を一定距離に保つことができる。
【0021】
(効果)
以上のように本実施の形態によれば、ストッパー10は、阻止部11および離間部12を有するため、ケーブルドラム20の転動を防止しつつ、一定間隔でケーブルドラム20を配置できる。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明のストッパーは、複数のケーブルドラムを保管、搬送する際に有用である。
【符号の説明】
【0023】
10 ストッパー
11 阻止部
12 離間部
13 第1離間部
14 第2離間部
20 ケーブルドラム
21 胴部
22 フランジ
23 ケーブル