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  • 特開-身体用洗浄剤組成物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059302
(43)【公開日】2024-05-01
(54)【発明の名称】身体用洗浄剤組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/86 20060101AFI20240423BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20240423BHJP
   C11D 1/72 20060101ALI20240423BHJP
   C11D 1/722 20060101ALI20240423BHJP
   C11D 3/50 20060101ALI20240423BHJP
   C11D 3/26 20060101ALI20240423BHJP
   C11D 1/83 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
A61K8/86
A61Q19/10
C11D1/72
C11D1/722
C11D3/50
C11D3/26
C11D1/83
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022166902
(22)【出願日】2022-10-18
(71)【出願人】
【識別番号】000004341
【氏名又は名称】日油株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100124349
【弁理士】
【氏名又は名称】米田 圭啓
(72)【発明者】
【氏名】佐々部 奈莉子
(72)【発明者】
【氏名】村上 大
【テーマコード(参考)】
4C083
4H003
【Fターム(参考)】
4C083AC662
4C083AC792
4C083AD051
4C083AD052
4C083AD091
4C083AD092
4C083BB05
4C083BB41
4C083CC23
4C083DD23
4C083DD27
4C083EE05
4H003AB03
4H003AB08
4H003AC08
4H003AC23
4H003BA12
4H003BA15
4H003DA02
4H003EB19
4H003FA17
4H003FA23
4H003FA26
(57)【要約】      (修正有)
【課題】原液を泡立てずに手で肌に塗布した際のすべり性、すすぎ時のすすぎやすさ、すすぎ後に肌に残った香りの持続性に優れ、肌上で泡立てることも可能な身体用洗浄剤組成物の提供。
【解決手段】(a)重量平均分子量(Mw)とz平均分子量(Mz)との比率が5≦Mz/Mw≦60であるアルキレンオキシド誘導体(1)を0.5~10質量%、アニオン性界面活性剤を5~30質量%、香料を0.01~5質量%含有する身体用洗浄剤組成物。
Z-[O-(PO)a-{(PO)b/(EO)c}-H]n(1)
(Zは炭素数1~24かつ1~6個の水酸基を有する化合物から全ての水酸基を除いた残基、aおよびbは1~100の数、cは1~200、a+b+c≧10かつb/c=1/5~5/1であり、(PO)b/(EO)cはPOとEOがランダム共重合していることを示し、POとEOのランダム率(x)が0.1≦x≦1である。)
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)成分を0.05~10質量%、(b)成分を5~30質量%、および(c)成分を0.01~5質量%含有する身体用洗浄剤組成物。

(a)成分:式(1)で表され、かつゲル浸透クロマトグラフィー測定により求められるクロマトグラムからそれぞれ算出される重量平均分子量(Mw)とz平均分子量(Mz)との比率(Mz/Mw)が式(2)の関係を満足するアルキレンオキシド誘導体
Z-[O-(PO)a-{(PO)b/(EO)c}-H]n (1)
(Zは炭素数1~24かつ1~6個の水酸基を有する化合物から全ての水酸基を除いた残基を示し、nは1~6の数を示す。POはオキシプロピレン基を示し、EOはオキシエチレン基を示し、a、bおよびcはそれぞれのオキシアルキレン基の平均付加モル数を示し、aは1~100の数を示し、bは1~100の数を示し、cは1~200の数を示し、a+b+c≧10かつb/c=1/5~5/1であり、(PO)b/(EO)cはPOとEOがランダム共重合していることを示し、POとEOのランダム率(x)が0. 1≦x≦1である。)
5≦Mz/Mw≦60 (2)

(b)成分:アニオン性界面活性剤

(c)成分:香料
【請求項2】
さらに、(d)成分:2-(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンに基づく式(3)の構成単位および(メタ)アクリル酸アルキルに基づく式(4)の構成単位を含む共重合体を0.0005~0.5%含有する請求項1に記載の身体用洗浄剤組成物。
【化1】
(式中、Rは水素原子またはメチル基を示す。)
【化2】
(式中、Rは水素原子またはメチル基を示し、Rは炭素数4~18のアルキル基を示す。)
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は顔や身体等に用いられる身体用洗浄剤組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧品市場では、香りや臭いケアに関心が高まっている。洗い流さずに使用するリーブオン化粧品には、香りを楽しむために身体に香りを付ける機能や、香りを身体に付けることによって不快な臭いをマスキングする機能が期待される。これに対して洗い流して使用するリンスオフ化粧品にも、リーブオン化粧品と同様に、身体に付いた香りを楽しめることや、不快な臭いを除去することが期待される。しかし、リーブオン化粧品は香りが持続しやすいが不快な臭いを除去できないのに対し、リンスオフ化粧品は不快な臭いを除去できるが香りが持続しにくい。
【0003】
例えば、特許文献1には、洗浄力、泡立ちなどの基本性能に優れ、かつ洗浄時の香り立ちとその持続性に優れた増粘系の液体洗浄剤組成物が開示されている。しかし、特許文献1の組成物は食器用洗浄剤であり、使用後のスポンジに残った洗浄剤の香り立ちを評価している。そのため、身体用洗浄剤組成物の肌上に香りを残す機能の発明には至っていなかった。
【0004】
リンスオフ化粧品の肌上への残香性を高めるため、例えば身体用洗浄剤組成物の原液を泡立てずに肌に塗布することができる。一方で、身体用洗浄剤組成物を使用する際、肌を傷めないように摩擦がないことを求める消費者も多いが、泡立てずに原液の洗浄剤を肌に塗布すると、肌への残香性は高まるものの、泡を肌上に塗布するよりも摩擦が生じやすくなる。また、原液を泡立てずに肌に塗布することによってすすぎ性が低下して、すすぎ終わるまでに肌を摩擦する回数が増えるといった課題があった。
【0005】
泡立たない洗浄剤の場合には、原液を塗り伸ばした際のすすぎ性およびすべり性を両立する発明がなされている。例えば、特許文献2には、良好なクレンジング効果と洗い流し時のすすぎ性を有し、かつ塗り始めののびおよび使用時のすべり性に優れ、肌への負担を軽減したオイルクレンジング料が開示されている。しかし、身体用洗浄剤組成物の場合、洗浄時の心地よさや洗浄実感の観点から、皮膚上で泡立つことが多く求められる。
【0006】
特許文献3には、きめが細かく泡の厚みが感じられながら泡の肌へのすべりが良く、すすぎ時にぬるつかずにさっと洗い流すことができ、繰り返し行われる洗浄にも十分なマイルド性を有するフォーマー容器入り液体洗浄剤が開示されている。しかし、同文献は、泡立てずに原液を肌に塗布した場合のすべり性およびすすぎ性について言及するものではなかった。
【0007】
また、香料を含む身体用洗浄剤組成物を原液で肌に塗布して使用した場合、洗浄直後の肌への残香性はあるものの、香りの持続性を付与することは困難であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2002―256300号公報
【特許文献2】特開2018―104313号公報
【特許文献3】特開2017―110170号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、原液を泡立てずに手で肌に塗布した際のすべり性、すすぎ時のすすぎやすさ、すすぎ後に肌に残った香りの持続性に優れ、肌上で泡立てることも可能な身体用洗浄剤組成物の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、特定のアルキレンオキシド誘導体、アニオン性界面活性剤、香料をそれぞれ特定範囲の含有量にて組み合わせて含有させることにより、上記課題を解決しうる身体用洗浄剤組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明は以下の[1]および[2]の態様を含む。
[1](a)成分を0.05~10質量%、(b)成分を5~30質量%、および(c)成分を0.01~5質量%含有する身体用洗浄剤組成物。

(a)成分:式(1)で表され、かつゲル浸透クロマトグラフィー測定により求められるクロマトグラムからそれぞれ算出される重量平均分子量(Mw)とz平均分子量(Mz)との比率(Mz/Mw)が式(2)の関係を満足するアルキレンオキシド誘導体
Z-[O-(PO)a-{(PO)b/(EO)c}-H]n (1)
(Zは炭素数1~24かつ1~6個の水酸基を有する化合物から全ての水酸基を除いた残基を示し、nは1~6の数を示す。POはオキシプロピレン基を示し、EOはオキシエチレン基を示し、a、bおよびcはそれぞれのオキシアルキレン基の平均付加モル数を示し、aは1~100の数を示し、bは1~100の数を示し、cは1~200の数を示し、a+b+c≧10かつb/c=1/5~5/1であり、(PO)b/(EO)cはPOとEOがランダム共重合していることを示し、POとEOのランダム率(x)が0. 1≦x≦1である。)
5≦Mz/Mw≦60 (2)

(b)成分:アニオン性界面活性剤

(c)成分:香料
【0012】
[2]上記[1]の態様において、さらに、(d)成分:2-(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンに基づく式(3)の構成単位および(メタ)アクリル酸アルキルに基づく式(4)の構成単位を含む共重合体を0.0005~0.5%含有する。
【化1】
(式中、Rは水素原子またはメチル基を示す。)
【化2】
(式中、Rは水素原子またはメチル基を示し、Rは炭素数4~18のアルキル基を示す。)
【発明の効果】
【0013】
本発明の身体用洗浄剤組成物は、原液を泡立てずに手で肌に塗布した際のすべり性、すすぎ時のすすぎやすさ、すすぎ後に肌に残った香りの持続性に優れ、肌上で泡立てることも可能であるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は本発明におけるMz/Mwを説明するためのモデルクロマトグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を説明するが、本発明は本明細書で説明される実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
なお、本明細書において記号「~」を用いて規定された数値範囲は「~」の両端(上限および下限)の数値を含むものとする。例えば「2~5」は2以上かつ5以下を表す。
本明細書に段階的に記載されている複数の数値範囲において、各上限値および各下限値は、任意に組み合わされた数値範囲の上限値または下限値になり得る。例えば、ある成分の含有量について「5~20質量%、10~15質量%」の記載がある場合、「5~15質量%」、「10~20質量%」、「5~10質量%」、「15~20質量%」の各数値範囲を構成し得る。
また、本明細書に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値または下限値は、実施例に示されている値または実施例から一義的に導き出される値に置き換えることができる。
【0016】
<身体用洗浄剤組成物>
本発明の身体用洗浄剤組成物は、(a)成分:アルキレンオキシド誘導体、(b)成分:アニオン性界面活性剤、および(c)成分:香料を含有する。以下、各成分について説明する。なお、「身体用洗浄剤組成物」を単に「組成物」と表記することがある。
【0017】
[(a)成分:アルキレンオキシド誘導体]
本発明に用いられる(a)成分は、式(1)で表されるアルキレンオキシド誘導体であり、ゲル浸透クロマトグラフィー測定により求められるクロマトグラムからそれぞれ算出される重量平均分子量(Mw)とz平均分子量(Mz)との比率(Mz/Mw)が式(2)の関係を満足する。
Z-[O-(PO)a-{(PO)b/(EO)c}-H]n (1)
5≦Mz/Mw≦60 (2)
【0018】
式(1)中のZは、炭素数1~24、好ましくは炭素数1~12、より好ましくは炭素数1~6であり、かつ1~6個の水酸基を有する化合物(Z(OH)n)から全ての水酸基を除いた残基であり、nは化合物(Z(OH)n)中の水酸基の数で1~6である。
1~6個の水酸基を有する化合物(Z(OH)n)としては、n=1であれば、例えば、メタノール、エタノール、ブタノール、n=2であれば、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、n=3であれば、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、n=4であれば、例えば、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ソルビタン、ジグリセリン、アルキルグリコシド、n=5であれば、例えば、キシリトール、n=6であれば、例えば、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、イノシトールなどがそれぞれ挙げられる。また、1~6個の水酸基を有する化合物として、これら化合物の混合物を用いても良い。nは好ましくは1~4であり、より好ましくは1~3であり、特に好ましくは1である。
【0019】
式(1)において、n=1の場合、Zは炭素数1~24の一価の炭化水素基である。かかる炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基が挙げられる。好ましくはアルキル基、アルケニル基であり、より好ましくは炭素数1~12のアルキル基またはアルケニル基、特に好ましくは炭素数1~6のアルキル基、更に好ましくは炭素数4のアルキル基である。炭素数1~6のアルキル基としては、直鎖でも分岐でも良いが、直鎖のものが好ましい。炭素数1~6の直鎖アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基、n-ヘキシル基などを挙げることができる。炭素数1~24の炭化水素基は1種のアルコール由来であってもよく、2種以上のアルコールを含有する混合アルコール由来であってもよい。
【0020】
POはオキシプロピレン基、EOはオキシエチレン基、a、bおよびcは、それぞれのオキシアルキレン基の平均付加モル数を示す。aは1~100の数を示し、bは1~100の数を示し、cは1~200の数を示し、a+b+c≧10である。なお、a、bおよびcは整数に限らず、少数や分数で表記されることがある。
a+b+cが小さすぎると、組成物の原液を肌に塗布した際のすべり性が不十分になることがある。こうした観点から、a+b+cを15以上とすることが好ましく、50以上とすることがより好ましい。また、a+b+cが大きくなるにつれて粘度が上昇する。分散・配合のしやすさの観点から、a+b+cは150以下であることが好ましく、120以下であることがより好ましく、70以下とすることが特に好ましい。a+b+cの範囲の好適な例としては、10~150、15~120、50~70が挙げられる。
また、POおよびEOの全付加モル数n×(a+b+c)は、30以上とすることが好ましく、40以上とすることがより好ましく、50以上とすることが特に好ましい。また、450以下とすることが好ましく、300以下とすることがより好ましく、100以下とすることが特に好ましい。n×(a+b+c)の範囲の好適な例としては、30~450、40~300、50~100が挙げられる。
【0021】
式(1)中の(PO)b/(EO)cは、オキシエチレンとオキシプロピレンとがランダム付加してPOとEOがランダム共重合したポリオキシアルキレン基を示し、POとEOのモル比(b/c)は1/5~5/1であり、好ましくは1/3~3/1、より好ましくは1/2~2/1である。b/cが小さすぎると、組成物の原液を肌に塗布した際のすべり性が不十分になることがある。反対にb/cが大きすぎると、組成物のすすぎ性が不十分になることがある。
【0022】
本発明において、ランダム率(x)は0. 1≦x≦1である。POとEOのランダム率(x)は式(5)より求められる。
x=(b+c)/(a+b+c) (5)
ランダム率(x)は0.6以上が好ましく、0.8以上がより好ましく、0.9以上が特に好ましい。また、ランダム率(x)は1未満が好ましく、0.99以下がより好ましく、0. 97以下が特に好ましい。ランダム率(x)の範囲の好適な例としては、0. 6≦x<1、0. 8≦x≦0.99、0. 9≦x≦0.97が挙げられる。
【0023】
式(1)で表されるアルキレンオキシド誘導体は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)において、示差屈折率計を用いて得られたクロマトグラムによって得られる分子量で規定される。このクロマトグラムとは、屈折率強度と溶出時間との関係を表すグラフである。
式(1)で表されるアルキレンオキシド誘導体は、GPC測定により求められるクロマトグラムから算出される重量平均分子量(Mw)とz平均分子量(Mz)との比率(Mz/Mw)が式(2)の関係を満足する。
5≦Mz/Mw≦60 (2)
【0024】
ここでMwおよびMzはGPCからそれぞれ下記式(6)および(7)によって求められる。
【数1】
【0025】
ただし、Nはポリマー分子の数、Mは分子量、Cは試料濃度である。Mwは分子量を重みとして用いた加重平均であり、Mzは分子量の2乗を重みとして用いた加重平均である。Mwは高分子量の存在の影響を受け、MzはMwよりもさらに大きく高分子量の存在の影響を受ける。そのため本発明におけるアルキレンオキシド誘導体は図1に示したクロマトグラムのようなMwおよびMzが得られる。
【0026】
Mz/Mwが小さくなりすぎると、組成物の原液を肌に塗布した際のすべり性が不十分になることに加え、すすぎ後に肌に残った香りの持続性が不十分となることがある。すべり性や残香性を高くするためには、Mz/Mwが20以上であることが好ましく、40以上がより好ましい。
一方、Mz/Mwが大きくなりすぎると、分子量分布における高分子量側の偏りが大きくなり粘度の上昇などが見られ、各製剤へ分散・配合し難くなることがある。この観点から、Mz/Mwは60以下であることが好ましく、50以下であることがより好ましい。
Mz/Mwの範囲の好適な例としては、20≦Mz/Mw≦60、40≦Mz/Mw≦50が挙げられる。
【0027】
式(1)で表されるアルキレンオキシド誘導体のMz/Mwは、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)として、下記に示す構成および条件のSHODEX(登録商標)GPC101 GPC専用システムと、BORWIN GPC計算プログラムとを用いて、屈折率強度と溶出時間で表されるクロマトグラムを得ることによって算出することができる。
<SHODEX(登録商標)GPC101 GPC専用システムの構成および条件>
示差屈折率計:SHODEX RI-71s
ガードカラム:SHODEX KF-G
カラム:SHODEX KF804L(3本連続して装着)
カラム温度:40℃
展開溶剤:テトラヒドロフラン
流速:1mL/分
試料:0 .1質量%テトラヒドロフラン溶液
試料注入量:0.1mL
【0028】
(a)成分の含有量は、組成物の全量を100質量%としたとき、0.05~10質量%であり、好ましくは0.1~6質量%、より好ましくは0.3~3質量%、特に好ましくは0.4~2質量%、更に好ましくは0.5~1質量%である。(a)成分の含有量が少なすぎる場合には、組成物の原液を肌に塗布した際のすべり性、すすぎ性、すすぎ後に肌に残った香りの持続性、肌上での泡立ちがいずれも不十分となることがあり、(a)成分の含有量が多すぎる場合には、組成物の原液を肌に塗布した際のすべり性、すすぎ性、肌上での泡立ちがいずれも不十分となることがある。
【0029】
[(b)成分:アニオン性界面活性剤]
本発明に用いられる(b)成分は、組成物に起泡力や洗浄力を付与するために配合されるアニオン性界面活性剤である。
【0030】
アニオン性界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、アルキルアミドエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアミドエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、α-オレフィンスルホン酸塩、N-アシルアミノ酸塩、N-アシルイセチオン酸塩、N-アシルメチルタウリン塩、アルキルスルホコハク酸塩等が挙げられる。
これらの中でも、高級脂肪酸塩が好ましく、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ヤシ油脂肪酸の各脂肪酸の塩が挙げられ、より好ましくはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸およびステアリン酸よりなる群から選ばれる1種または2種以上の脂肪酸の塩である。
上記脂肪酸の塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、トリエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩等が例示される。これらの中でもアルカリ金属塩が好ましく用いられ、カリウム塩がより好ましく用いられる。
(b)成分として、上記アニオン性界面活性剤から選ばれる1種または2種以上を用いることができる。
【0031】
(b)成分の含有量は、組成物の全量を100質量%としたとき、5~30質量%であり、好ましくは7~28質量%、より好ましくは10~25質量%、特に好ましくは12~20質量%、更に好ましくは14~18質量%である。(b)成分の含有量が少なすぎる場合には、組成物の原液を肌に塗布した際のすべり性、肌上での泡立ちが不十分となることがあり、(b)成分の含有量が多すぎる場合には、組成物の原液を肌に塗布した際のすべり性、すすぎ性、すすぎ後に肌に残った香りの持続性が不十分となることがある。
【0032】
[(c)成分:香料]
本発明に用いられる(c)成分は、有香成分を含む香料であれば、いかなるものでも制限なく使用できる。例えば、1,4-シネオール、1,8-シネオール、1-オクテン-3-オール、1-ペンテン-3-オール、2,6-ジメチル-5-ヘプテナール、2,6-ジメチルヘプタン-2-オール、2,6-ノナジエナール、2-エチルヘキサノール、リナロール、テルピノーレン、デカナール、ウンデカナール、2-メチルウンデカナール、2-メチル吉草酸エチル、2-メチル酪酸エチル、8-メルカプトメントン、L-メントール、p-クレジルメチルエーテル、p-サイメン、α-ピネン、β-ピネン、アセトアルデヒドエチルフェニルエチルアセタール、アセトアルデヒドフェニルエチルプロピルアセタール、アセト酢酸エチル、イソ吉草酸イソプロピル、イソ吉草酸シス-3-ヘキセニル、イソ吉草酸プロピル、イソ吉草酸メチル、イソ酪酸エチル、イソ酪酸プロピル、エチルイソアミルケトン、オクタナール、オクタナールジメチルアセタール、オクタン酸エチル、オシメン、カプリル酸アリル、カプロン酸アリル、カプロン酸エチル、カプロン酸プロピル、カロン、ギ酸エチル、サリチル酸エチル、サリチル酸メチル、シス-3-ヘキセン-1-オール、シネンサール、ジヒドロミルセノール、ジメチルオクテノン、テルピノーレン、トランス-2-ヘキセナール、トランス-2-ヘキセノール、トランス-3-ヘキセノール、ノナナール、ファラオン、ブッコキシム、プレゴン、プロピオン酸エチル、プロピオン酸シス-3-ヘキセニル、ヘキサナール、ヘプタン酸エチル、ペリラアルデヒド、ベンズアルデヒド、ミルセノール、ミルセン、メチルパンプルムース、メチルヘプテノン、ラビエノキシム、リファローム、リモネン、リモネンオキサイド、ルバフラン、安息香酸メチル、吉草酸エチル、酢酸、酢酸1-オクテン-3-イル、酢酸リナリル、酢酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸エチル、酢酸シス-3-ヘキセニル、酢酸トランス-2-ヘキセニル、酢酸ブチル、酢酸プレニル、酢酸ヘキシル、酢酸ミルセニル、酪酸アミル、酪酸アリル、酪酸イソアミル、酪酸エチル、酪酸ブチル、酪酸プロピル、酪酸メチル、レモン油、オレンジ油、ライム油、セージ油、バジル油、ラベンダー油、グレープフルーツ油、ベルガモット油、ユーカリ油およびマンダリン油などが挙げられる。
香料は人工的に合成した合成香料と、植物などから抽出した天然香料とに分類される。合成香料は単一の有効成分のみを含む場合があるのに対し、天然香料は複数の有効成分を含む。天然香料としては、例えば、レモン油、オレンジ油、ライム油、セージ油、バジル油、ラベンダー油、グレープフルーツ油、ベルガモット油、ユーカリ油およびマンダリン油などが挙げられる。
(c)成分としては複数の有香成分を含むことが好ましい。そのため、1種類以上の天然香料または2種類以上の合成香料を用いることが好ましく、2種類以上の天然香料または5種類以上の合成香料を用いることがより好ましい。
【0033】
(c)成分の含有量は、組成物の全量を100質量%としたとき、0.01~5質量%であり、好ましくは0.05~3質量%、より好ましくは0.1~2質量%、特に好ましくは0.5~1.5質量%、更に好ましくは0.6~1.4質量%である。(c)成分の含有量が少なすぎる場合には、すすぎ後に肌に残った香りの持続性が不十分となることがあり、(c)成分の含有量が多すぎる場合には、すすぎ性および肌上での泡立ちが不十分となることがある。
【0034】
本発明の身体用洗浄剤組成物において、(a)成分と(c)成分の含有量比[(a)/(c)]は、質量比にして、0.2~6であることが好ましく、より好ましくは0.3~3、特に好ましくは0.4~1、更に好ましくは0.5~0.8である。(a)成分と(c)成分の含有量比[(a)/(c)]が上記の範囲内であれば、すすぎ後に肌に残った香りの持続性および肌上での泡立ちがさらに良好となる。
【0035】
[(d)成分:共重合体]
本発明の身体用洗浄剤組成物は、さらに、(d)成分として特定の2種の構造単位を含む共重合体を含有していてもよい。
かかる共重合体は、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンに基づく式(3)の構成単位と、(メタ)アクリル酸アルキルに基づく式(4)の構成単位とを含む共重合体であり、本明細書では「共重合体d」とも表記する。
なお、本明細書において、「(メタ)アクリロイル」は「アクリロイルまたはメタクリロイル」を意味し、「(メタ)アクリル酸」は「アクリル酸またはメタクリル酸」を意味する。
【0036】
【化1】
(式中、Rは水素原子またはメチル基を示す。)
【化2】
(式中、Rは水素原子またはメチル基を示し、Rは炭素数4~18のアルキル基を示す。)
【0037】
式(4)中、Rで示されるアルキル基は、炭素数4~18の直鎖または分岐のアルキル基であり、例えば、ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、2-エチルヘキシル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシル等が例示される。なかでも、n-ブチル、n-ドデシル、n-オクタデシル等の直鎖アルキル基が好ましく、n-ブチルまたはn-オクタデシルがより好ましい。
でアルキル基の炭素数が4~18であることにより、組成物をすすいだ後に肌に残った香りの持続性が向上し、また(d)成分の水溶性が良好となる。
【0038】
本発明の身体用洗浄剤組成物に(d)成分として含有され得る共重合体dにおいて、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)に基づく式(3)の構成単位、および(メタ)アクリル酸アルキル(AMA)に基づく式(4)の構成単位それぞれの含有量の比([MPCに基づく構成単位]/[AMAに基づく構成単位])(モル比)は、すすぎ後に肌に残った香りの持続性の観点から、0.1以上が好ましく、また共重合体dの含水性の観点から、5以下が好ましい。
【0039】
共重合体dの重量平均分子量は、通常10,000~1,000,000であり、好ましくは30,000~900,000であり、より好ましくは50,000~800,000である。共重合体dの重量平均分子量が低すぎる場合には、重量平均分子量が上記範囲内の共重合体dを用いた場合よりも、すすぎ後に肌に残った香りの持続性が不十分となることがあり、一方、共重合体dの重量平均分子量が高すぎる場合には、取り扱いが困難となることがある。
なお、共重合体dの重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)によって測定され、ポリエチレングリコールに換算した分子量で示される。
【0040】
共重合体dの重合形態は特に限定されず、ランダム共重合体であっても、ブロック共重合体であってもよいが、ランダム共重合体が好ましい。また、共重合体dは、通常、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルホスホリルコリンに基づく構成単位と、(メタ)アクル酸アルキルに基づく構成単位からなる二元共重合体であるが、前記構成単位以外に、他の構成単位を含む共重合体であってもよい。
【0041】
共重合体dが含んでいてもよい他の構成単位は、本発明の効果に影響を与えない範囲で、通常、共重合体の構成単位となり得るものから適宜選択することができる。
かかる他の構成単位を形成する単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等の炭素数が1~3の低級アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の環状アルキル基を有する(メタ)アクリル酸エステル;(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸フェノキシエチル等の芳香族基を有する(メタ)アクリル酸エステル;スチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン系単量体;メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル等のビニルエーテル系単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル系単量体等を挙げることができる。
これら他の構成単位は1種または2種以上を含むことができ、共重合体d中におけるその含有量は、MPCに基づく構成単位とAMAに基づく構成単位の合計量に対して、40モル%以下であることが好ましく、より好ましくは20モル%以下である。なお、他の構成単位の含有量の下限値は0モル%である。
【0042】
共重合体dは、自体公知の製造方法により製造することができる。例えば、MPC、AMA、および必要に応じて上記他の構成単位を形成する単量体を含む単量体混合物を、ラジカル重合開始剤の存在下、窒素等の不活性ガス雰囲気下において、溶液重合等の公知の方法により重合させて製造することができる。その際の各単量体の含有量比は、共重合体d中における各構成単位の含有量比に相当する比とすればよい。
【0043】
本発明において、共重合体dは、上記した重合方法により製造して用いることもできるが、「リピジュア(LIPIDURE)(登録商標)-B」、「リピジュア(LIPIDURE)(登録商標)-PMB(Ph10)」、「リピジュア(LIPIDURE)(登録商標)-NR」(日油株式会社製)等、共重合体dの分散液等として市販されている製品を用いることもできる。
【0044】
本発明の身体用洗浄剤組成物には、共重合体dに該当するもののうち1種を単独で、または2種以上を組み合わせて含有させることができる。
本発明の身体用洗浄剤組成物に含有させる共重合体dの形態としては、粉末等の固形状;溶液、分散液等の液状のいずれでもよい。
【0045】
本発明の身体用洗浄剤組成物が(d)成分を含有する場合、(d)成分の含有量は、組成物の全量を100質量%としたとき、0.0005~0.5質量%であり、好ましくは0.005~0.3質量%、より好ましくは0.01~0.1質量%である。(d)成分の含有量が上記範囲内である場合、組成物の原液を肌に塗布した際のすべり性、すすぎ後に肌に残った香りの持続性がさらに良好となる。
【0046】
本発明の身体用洗浄剤組成物は、上記の(a)成分~(d)成分の他に、通常は水を含有する。水としては、例えば、蒸留水、脱イオン水等の精製水、水道水、工業用水等が挙げられ、化粧品、医薬部外品、医薬品等の製造に適する水が好適に用いられる。
本発明の身体用洗浄剤組成物においては、上記の(a)成分~(d)成分の他に、必要に応じて後述する添加剤を加えた後、全量が100質量%となるように水が用いられる。水の含有量は、組成物の全量を100質量%としたとき、好ましくは50~95質量%であり、より好ましくは60~90質量%、より好ましくは70~85質量%である。
【0047】
本発明の身体用洗浄剤組成物は、上記の(a)成分~(d)成分および水の他に、本発明の特徴を損なわない範囲で、洗浄剤や化粧料に一般的に用いられる他の添加剤を含有させることができる。
かかる添加剤としては、他の界面活性剤、低級アルコール、増粘剤、分散剤、保湿剤、油分、水溶性高分子、防腐剤、殺菌剤、pH調整剤などが挙げられ、毛髪や身体の洗浄剤に一般的に用いられている各種成分を含有していてもよい。
これらの添加剤は、目的に応じて、1種または2種以上を選択し、通常、身体用洗浄剤に用いられる含有量に準じて含有させることができる。
【実施例0048】
以下、実施例および比較例を挙げて本発明の実施形態をさらに具体的に説明する。なお、表1および表2中の成分の割合は質量%であり、固形分または有効成分の換算量を表している。
【0049】
〔実施例1~10および比較例1~2〕
表1(実施例1~6)および表2(実施例7~10、比較例1~2)に示す身体用洗浄剤組成物を調製し、下記の方法により評価した。表1および表2において各成分の数値は、身体用洗浄剤組成物全量に対する含有量(質量%)を示す。
なお、原料は以下のものを使用し、水を用いて各成分の含有量を調整した。また、各成分について記載された物性は、本明細書に記載の方法にて測定したものである。
【0050】
(a)成分
アルキレンオキシド付加誘導体(式(1)中、Z=CHCHCHCH-、a=4、b=28、c=31、a+b+c=63、b+c=59、b/c=0.90、x=0.94、n=1、Mw=3,500、Mz/Mw=42.3)
【0051】
((a)成分の製造方法)
温度計、圧力計、安全弁、窒素ガス吹き込み管、撹拌機、真空排気管、冷却コイル、蒸気ジャケットを装備した5Lオートクレーブに、プロピレングリコールモノブチルエーテル100gと複合金属シアン化物錯体触媒0. 03gを仕込み、窒素置換後、110℃へと昇温し、0. 3MPa以下の条件で、窒素ガス吹き込み管より、オキシプロピレン132gを滴下し、反応槽内の圧力と温度の経時的変化を測定したところ、1時間後、反応槽内の圧力が急激に減少した。その後、反応槽内を90℃に保ちながら、0. 5MPa以下の条件で、窒素ガス吹き込み管より、徐々にオキシプロピレン1054gとオキシエチレン1164gの混合物を滴下した。添加終了後、90℃で1時間反応させ、75~85℃で1時間減圧処理後、ろ過を行った。得られた化合物について、ゲル浸透クロマトグラフィーによる測定を行った。
【0052】
(a’)成分
アルキレンオキシド付加誘導体(式(1)中、Z=CHCHCHCH-、a=0、b=28、c=35、a+b+c=63、b+c=63、b/c=0.80、x=1.00、n=1、Mw=3,800、Mz/Mw=1.04)
【0053】
((a’)成分の製造方法)
温度計、圧力計、安全弁、窒素ガス吹き込み管、撹拌機、真空排気管、冷却コイル、蒸気ジャケットを装備した5Lオートクレーブに、ブタノール56gと触媒としての水酸化カリウム6. 0gを仕込み、窒素置換後、110℃へと昇温し、0. 5MPa以下の条件で、窒素ガス吹き込み管より、徐々にオキシプロピレン1230gとオキシエチレン1164gの混合物を滴下した。添加終了後、110℃で1. 5時間反応させ、75~85℃で1時間減圧処理後、反応物を5Lナスフラスコに移し、速やかに1N塩酸で中和し、窒素ガス雰囲気下で脱水後、ろ過を行った。得られた化合物について、ゲル浸透クロマトグラフィーによる測定を行った。
【0054】
(b)成分
(b-1)ラウリン酸カリウム;化粧品用として市販されている製品を用いた。
(b-2)ミリスチン酸カリウム;化粧品用として市販されている製品を用いた。
(b-3)パルミチン酸カリウム;化粧品用として市販されている製品を用いた。
(b-4)ステアリン酸カリウム;化粧品用として市販されている製品を用いた。
(b-5)N-ヤシ油脂肪酸アシルメチルタウリンナトリウム(「ダイヤポン(登録商標)K-SF」(日油株式会社製))
(b-6)N-ラウロイル-N-メチル-β-アラニンナトリウム(「ソフティルト(登録商標)AS-L」(日油株式会社製))
【0055】
(c)成分
ラベンダー油(「ラベンダー油」(永廣堂本店社製)):オレンジ油(「オレンジオイルN」(香栄興業社製))を1:5(質量比)の比率で、室温で均一になるまで混合して調製した調合香料を用いた。
【0056】
(d)成分
2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体液(「リピジュア(LIPIDURE)(登録商標)-PMB(Ph10)」(日油株式会社製))(2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)・メタクリル酸ブチル(BMA)共重合体(MPCとBMAのモル比(MPC/BMA)=4)を5質量%含有する水溶液)、重量平均分子量60万
【0057】
<評価方法>
(1)原液を泡立てずに手で塗布した際のすべり性
25歳から55歳までの女性20名をパネリストとし、身体用洗浄剤組成物約2gを泡立てずに濡れた肌に手で塗布した際のすべり性について、下記基準で評価を行った。
2点:すべり性が良いと感じた場合。
1点:すべり性がやや良いと感じた場合。
0点:すべり性が悪いと感じた場合。
【0058】
(2)泡立てずに原液を手で肌に塗布した後、すすぎ時のすすぎやすさ
25歳から55歳までの女性20名をパネリストとし、身体用洗浄剤組成物約2gを泡立てずに濡れた肌に手で塗布した後に、水ですすいだ際のすすぎやすさについて、下記基準で評価を行った。
2点:ぬるつきが取れるのが速く、すすぎやすいと感じた場合。
1点:ぬるつきが取れるのがやや速く、ややすすぎやすいと感じた場合。
0点:ぬるつきが取れるのが遅く、すすぎにくいと感じた場合。
【0059】
(3)すすぎ後に肌に残った香り(すすぎ直後)
25歳から55歳までの女性20名をパネリストとし、身体用洗浄剤組成物約2gを泡立てずに濡れた肌に手で塗布した後、水ですすいで肌をタオルドライした直後の肌に残った香り(残香性)について、下記基準で評価を行った。
2点:残香性が強いと感じた場合。
1点:残香性がやや強いと感じた場合。
0点:残香性が弱いと感じた場合。
【0060】
(4)すすぎ後に肌に残った香り(1時間後)
25歳から55歳までの女性20名をパネリストとし、身体用洗浄剤組成物約2gを泡立てずに濡れた肌に手で塗布した後、水ですすいで肌をタオルドライした1時間後の肌に残った香り(残香性)について、下記基準で評価を行った。
2点:残香性が強いと感じた場合。
1点:残香性がやや強いと感じた場合。
0点:残香性が弱いと感じた場合。
【0061】
(5)肌上での泡立ち
25歳から55歳までの女性20名をパネリストとし、身体用洗浄剤組成物約2gを泡立てずに濡れた肌に手で塗布した後、肌上で水を加えて泡立てた際の泡立ちについて、下記基準で評価を行った。
2点:泡立ちが良いと感じた場合。
1点:泡立ちがやや良いと感じた場合。
0点:泡立ちが悪いと感じた場合。
【0062】
上記(1)~(5)の各評価について下記の基準で判定して、表1および表2にそれぞれ示した。なお、「◎」および「○」を合格と判定した。
◎:合計点が35点以上
○:合計点が30点以上、34点以下
△:合計点が20点以上、29点以下
×:合計点が19点以下
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】
表1および表2に示される結果から明らかなように、実施例1~10の身体用洗浄剤組成物は、原液を泡立てずに手で肌に塗布した際のすべり性、すすぎ時のすすぎやすさ、すすぎ後に肌に残った香りの持続性に優れ、肌上で泡立ても良好であった。
これに対して、(a)成分を含有しない比較例1の身体用洗浄剤組成物では、原液を泡立てずに手で肌に塗布した際のすべり性、すすぎ時のすすぎやすさ、肌上で泡立てが不合格であり、すすぎ後に肌に残った香りの持続性が劣っていた。
また、(a)成分に代えて、Mz/Mwが規定範囲から外れる(a’)成分を用いた比較例2の身体用洗浄剤組成物では、原液を泡立てずに手で肌に塗布した際のすべり性、すすぎ後に肌に残った香りの持続性、肌上で泡立てが不合格であった。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明の身体洗浄剤組成物は、身体の洗浄を目的とするものであれば、液状、ゲル状等の使用形態は限定されず、例えば、ボディーシャンプー、洗顔料、ハンドソープとして用いることができる。またリーブオン化粧品やリンスオフ化粧品として利用することもでき。
【符号の説明】
【0067】
Mw 重量平均分子量
Mz z平均分子量
図1