(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059313
(43)【公開日】2024-05-01
(54)【発明の名称】ヘアドライヤー装置
(51)【国際特許分類】
A45D 20/10 20060101AFI20240423BHJP
【FI】
A45D20/10 Z
A45D20/10 101
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022166922
(22)【出願日】2022-10-18
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-09-06
(71)【出願人】
【識別番号】522407226
【氏名又は名称】橋本 賢
(74)【代理人】
【氏名又は名称】山本 真一
(72)【発明者】
【氏名】橋本 賢
【テーマコード(参考)】
3B040
【Fターム(参考)】
3B040CA01
3B040CA04
3B040CA05
3B040CB01
(57)【要約】
【課題】複数人で行う場合と同等の時間で一人の者が髪の毛を乾かすことを可能とする。
【解決手段】筐体30内に配設された二つのヘアドライヤーユニット10の各々は、筐体30の背面30BSの吸気口31側に配設された送風用ファン2と、当該ファン2を駆動制御するモーター1と、当該ファン2からの送風を温風として排出するヒーター3を有する。筐体30内に配設された温風導管体20は、各ヘアドライヤーユニット10から吹き出される上記温風を筐体30の正面30FSの排気口32へと導く。その結果、当該排気口32から、人の髪の毛を乾かすための温風が外部へと吹き出される。又、排気口32を覆って筐体30の正面30FSに接続された一端部40E1を有するホース状のホース形状体40を筐体30に設けても良い。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸気口及び排気口を有する筐体と、
前記筐体内に配設された複数のヘアドライヤーユニットと、
前記複数のヘアドライヤーユニットの各々から吹き出される温風を前記筐体の前記排気口へと導く、前記筐体内に配設された温風導管体と
を備えており、
前記複数のヘアドライヤーユニットの各々は、
前記吸気口側に配設されたファンと、
前記ファンからの送風を前記温風として排出するヒーターと
を有する
ことを特徴とする、ヘアドライヤー装置。
【請求項2】
請求項1に記載のヘアドライヤー装置であって、
前記筐体の前記排気口を覆って前記筐体の外面に接続された一端部、及び、前記排気口より前記一端部を介して長手方向に貫通した中空の内部空間に流入して前記内部空間内を流れる前記温風を外部へと吹き出すための他端部を有するホース形状体を
更に有することを特徴とする、ヘアドライヤー装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のヘアドライヤー装置であって、
前記複数のヘアドライヤーユニットの各々は、
前記ヒーターからの前記温風を受けて遠赤外線を放出するフィルターを
更に有することを特徴とする、ヘアドライヤー装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人の髪の毛を乾かすためのヘアドライヤーの技術分野に関する。
【背景技術】
【0002】
送風ファンと当該送風ファンを駆動制御するモーターとが別個のケーシング内に設けられており、当該別個のケーシングとヘアドライヤー本体部とが連結ホースで連結して成るヘアドライヤーが、提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。又、二つの別個のヘアドライヤーの電源配線が共通のプラグと共に共通化されて、当該二つの別個のヘアドライヤーより成るヘアドライヤーが提案されている(例えば、特許文献2を参照。)。又、ヘアドライヤーの本体部の温風吹き出し口の近傍位置に、当該本体部内のヒーターより放出される温風を受けて遠赤外線を温風吹き出し口側へ放出する遠赤外線物質が塗布されたフィルターを、当該本体部内に配設して成る構成が、提案されている(例えば、特許文献3を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】韓国特許第2140655号公報
【特許文献2】中国特開第1575140号公報
【特許文献3】日本国特許第6053906号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
美容院に於いては、一日の営業時間内に美容師が多くの人の髪の毛に対する美容を取り扱うことが出来る様に、他の作業と比較して長い作業時間を要する髪の毛を乾かす作業時間をより早くするための作業効率化が、求められる。そこで、ヘアドライヤーとして、通常使用時に於ける吹き出し口から吹き出される温風の温度が約60℃であり且つ消費電力が650ワットである、「低温ドライヤー(復元ドライヤーとも言う。)」が用いられる。その場合、低温ドライヤーの吹き出し口を髪の毛に対して比較的近距離(5cm~10cm)を離して、即ち、「従来のヘアドライヤー」よりも吹き出し口を髪の毛により近づけて、温風を髪の毛に吹き付けることが出来る。そのために、二人の作業者が各自「低温ドライヤー」を持って且つ「低温ドライヤー」を振り回す事無く顧客の髪の毛を乾燥させる作業が行われている。この場合、「低温ドライヤー」の消費電力が既述の通り650ワットであるため、2台の「低温ドライヤー」の各プラグを一つのコンセント(1500ワット)に差し込んで2台の「低温ドライヤー」を同時に使用することが出来る。尚、吹き出し口での温風の温度が90℃~120℃であり且つ消費電力が1200ワットである「従来のヘアドライヤー」(1台)を、「低温ドライヤー」の使用時よりも人の頭部乃至は頭皮に対してより一層遠くに離して実用する場合に於いても、人の頭皮に於ける体感温度は約45℃であり、一台の「低温ドライヤー」の使用時での人の頭皮に於ける体感温度もまた約45℃である。従って、人の頭皮に於ける体感温度に関しては両者間での差異は殆ど無いと言え、よって、髪の毛の乾燥作業に要する時間も、ドライヤー単体使用時に於いては、両者とも同程度である。
【0005】
しかしながら、一人の顧客の髪の毛を乾燥させる作業に対して二人の作業者が同時に取り掛かることは、上記の作業効率化の観点から判断して決して好ましいものではなく、一人の作業者による髪の毛の乾燥作業の実現が求められる。又、一人の美容師のみが美容院を経営・運営している場合には、顧客の髪の毛の乾燥作業時に当該美容師一人が2台の「低温ドライヤー」を手で持って同時に使用する必要性があるので、当該美容師にとっては2台の「低温ドライヤー」を手で持って作業を行う分だけ重くて辛い作業となるのであり、その分、手が疲れて体力を使用するので、必ずしも効率の良い作業であるとは言えない。
【0006】
又、上記の問題点は、「低温ドライヤー」を業務用ヘアドライヤーとしてではなく家庭用ヘアドライヤーとして用いて髪の毛を早く乾燥させる場合にも生じるものであり、更に、「低温ドライヤー」の使用ではなくて、吹き出し口での温風の温度が90℃~120℃(消費電力:1200ワット)である「従来のヘアドライヤー」を髪の毛からより一層離して2台で以って髪の毛を早く乾燥させる場合に於いても生じ得る問題点である。
【0007】
(発明の目的)
この発明はその様な問題点に鑑みて成されたものであり、その主目的は、複数人の作業者で以って人の髪の毛を乾かす作業に要する時間と同等の時間で以って、一人の作業者が髪の毛を乾かすこと(数倍速化)を可能とするヘアドライヤー装置を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の主題に係るヘアドライヤー装置は、吸気口及び排気口を有する筐体と、前記筐体内に配設された複数のヘアドライヤーユニットと、前記複数のヘアドライヤーユニットの各々から吹き出される温風を前記筐体の前記排気口へと導く、前記筐体内に配設された温風導管体とを備えており、前記複数のヘアドライヤーユニットの各々は、前記吸気口側に配設されたファンと、前記ファンからの送風を前記温風として排出するヒーターとを有することを特徴とする。
【0009】
以下、本発明の様々な具体化を、添付図面を基に、その効果・利点と共に、詳述する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施の形態1に係るヘアドライヤー装置を模式的に示す斜視図である。
【
図2】本発明の実施の形態1に係るヘアドライヤー装置の内部構成を模式的に示す図である。
【
図3】本発明の実施の形態1の変形例に係るヘアドライヤー装置の内部構成を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施の形態1)
<ヘアドライヤー装置の構成>
図1は、本実施の形態に係るヘアドライヤー装置100の構成を模式的に示す斜視図である。又、
図2は、
図1に示す矢印ARの方向より筐体乃至は箱体30を介してヘアドライヤー装置100の内部を透視した際の内部の各構成要素をブロック形式として模式的に示した図であり、便宜上、筐体30は横端面形状としてハッチング表示されている。
【0012】
図1及び
図2に於いて、ヘアドライヤー装置100の略直方体状又は略立方体状の筐体30は、その背面30BSに配設された吸気口(貫通口)31、及び、背面30BSに対向する正面30FSに配設された排気口(貫通口)32を有する。尚、筐体30の排気口32には、
図1に示される様に、温風が筐体30の外部に吹き出される様に、複数の網目32Nが配設されている。
【0013】
又、
図2に示される通り、それぞれが共通の構成を備える、2つのヘアドライヤーユニット10(10A,10B)が、筐体30の内部の空間内に、相対向する様に配設されている。当該2つのヘアドライヤーユニット10(10A,10B)の各々は、共に、既述の「低温ドライヤー」を成すユニットである。即ち、各ヘアドライヤーユニット10(10A,10B)は、1)吸気口31側に配設された送風用ファン2と、2)送風用ファン2を駆動制御するモーター1と、3)送風用ファン2からの送風を熱して約60℃の温風として排出するヒーター3とを有する。ここで、各ヘアドライヤーユニット10(10A,10B)の送風用ファン2及びモーター1は、吸気口31側より外気を吸い込んでヒーター3側へ吸い込んだ外気を送る「ファン」を成す。既述の通り、「低温ドライヤー」の消費電力は650ワットであってコンセント5の耐久消費電力1500ワットよりも小さい。そのため、2つのヘアドライヤーユニット10(10A,10B)の各々は、共通の電源配線4を有し、各ヘアドライヤーユニット10(10A,10B)の使用時に於いては、電源配線4の先端部のプラグ4Tはコンセント5に嵌め込まれる。尚、2つのヘアドライヤーユニット10(10A,10B)は、それぞれ、別個の電源配線及びプラグを有していても良い。
【0014】
又、
図2に示される通り、2つのヘアドライヤーユニット10(10A,10B)の各々から吹き出される温風を筐体30の排気口32へと導く温風導管体20が、筐体30の内部の空間内に配設されている。この温風導管体20は、全体的に貫通した中空の内部空間を有し、ここでは、1)第1温風導管体20Aと、2)第2温風導管体20Bと、3)第3温風導管体20Cとの3つの部分より成る。この内、第1温風導管体20Aは、一方のヘアドライヤーユニット10Aのヒーター3より吹き出される温風(第1温風)を、ヒーター3に対向した開口形状の一端部より吸い込んで、その中空の内部空間内を第3温風導管体20Cとの結合部である開口形状の他端部まで伝送させる。同様に、第2温風導管体20Bは、他方のヘアドライヤーユニット10Bのヒーター3より吹き出される温風(第2温風)を、ヒーター3に対向した開口形状の一端部より吸い込んで、その中空の内部空間内を第3温風導管体20Cとの結合部である開口形状の他端部まで伝送させる。又、第3温風導管体20Cは、第1温風導管体20Aの開口形状の他端部及び第2温風導管体20Bの開口形状の他端部と連通して結合し且つ非開口の面20Sを有する一端部を有する。即ち、第3温風導管体20Cの中空の内部空間は、その一端部に於いて、第1温風導管体20Aの中空の内部空間及び第2温風導管体20Bの中空の内部空間と連続的に繋がっている(連通)。そして、第3温風導管体20Cは、その一端部から流入した第1温風及び第2温風を、同管体20Cの中空の内部空間を経て、筐体30の排気口32に近接配置されて全体的に対面した開口形状の他端部へと伝送させる。ここで、第1温風及び第2温風が、共に第3温風導管体20Cの上記一端部及びその付近で滞留すること無く第3温風導管体20C内に流入し且つ第3温風導管体20Cの中空の内部空間内を流れて他端部より排出される様にするために、第3温風導管体20Cのコンダクタンスは、第1温風導管体20A及び第2温風導管体20Bの各々のコンダクタンスよりも大きな値に設定されている。その結果、第3温風導管体20Cは、その上記他端部より、第1温風の単位時間当りの流量及び第2温風の単位時間当りの流量を足し合わせて成る単位時間当りの流量(流量の和)に相当する単位時間当りの流量を有する第3温風を、筐体30の排気口32へと吹き出す。ここで、既述の通り、2つのヘアドライヤーユニット10(10A,10B)には、業務用の「低温ドライヤー」の構成が適用されている。従って、第3温風導管体20Cの上記他端部より吹き出される第3温風の温度は、単体の「低温ドライヤー」が吹き出す温風の温度に相当する温度、即ち、約60℃である。しかも、第3温風導管体20Cの上記他端部より吹き出される第3温風の流量は、単体の「低温ドライヤー」が吹き出す温風の流量(第1温風及び第2温風の各々の流量に相当。)の約2倍の流量(風量)に相当する。この様に、筐体30の排気口32より吹き出される温風(被排出温風)の温度は、単体の「低温ドライヤー」の温風の温度と殆ど変わらない一方で、上記被排出温風の流量(風量)は「低温ドライヤー」の温風の流量(風量)の約2倍に相当しており、人の髪の毛を乾かす場合に要する時間は、単体の「低温ドライヤー」の使用の場合の約1/2となり、上記被排出温風は、作業時間的に見て「2倍速化」の作用を呈することとなる。尚、温風導管体20は、例えば、樹脂、セラミック、或いは、金属等の材質より構成されており、温風導管体20の形状及び寸法は上記コンダクタンスの大小関係を満たす様に設定される。
【0015】
<ヘアドライヤー装置の動作及び利点・効果(髪の毛の乾燥作業)>
例えば美容院に於いて、美容師等の、一人の作業者がヘアドライヤー装置100を用いて顧客の髪の毛を乾かす作業を行う場合を考える。この場合、当該作業者は、先ずヘアドライヤー装置100の筐体30に配設されている電源のスイッチ部(図示せず。)をオン状態にする。その結果、各ヘアドライヤーユニット20に商用電源より電流が流れて、筐体30の排気口32からは、既述の通り、単体の「低温ドライヤー」の使用の場合と比較して、同程度の温度(約60℃)ではあるが、約2倍の流量(風量)を有する、上記の2倍速化の作用を呈する被排出温風が、顧客の髪の毛を乾燥させる温風として、筐体30の外部に排出乃至は吹き出される。この状態で以って、当該作業者は、筐体30を手で持って筐体30の排気口32を人の髪の毛より約5cm~10cmの近距離だけ離れた位置に移動させて、当該位置に於いて対応する髪の毛の部分に上記被排出温風を吹きかけることにより当該髪の毛の部分を乾かす。この作業を、当該髪の毛の部分が乾燥する毎に、上記被排出温風を吹きかける部分を移動させていくことで、当該作業者は髪の毛の乾燥作業を順次に行っていく。この場合、排気口32から吹き出される上記の被排出温風の2倍速化の作用が発揮される結果、当該作業者は、一人で以って、2人の作業者が同時に「低温ドライヤー」を用いて人の髪の毛を乾燥させるのに要する時間とほぼ同じ時間を掛けて、髪の毛を乾燥させる作業を遂行していき当該乾燥作業を終了させることになる。
【0016】
この様に、ヘアドライヤー装置100は、二人の作業者によって同時に人の髪の毛を乾かす場合の乾燥作業に要する時間と同等の時間を掛けるだけで、一人の作業者のみで人の髪の毛を乾燥させることを可能とすることが出来(2倍速化の実現。)、その結果、髪の毛の乾燥作業の効率の向上化を、ひいては、美容作業全体の効率の向上化を図ることが出来る。特に、一人の美容師のみが美容院を経営・運営している場合に於いて、当該美容師が顧客の髪の毛の乾燥作業時に2台の「低温ドライヤー」を自らの手で持って同時に使用する効率の良くない辛い作業を不要化し得る。
【0017】
(変形例)
(1)ヘアドライヤー装置100に於いて、
図1及び
図2に例示される様に、2点破線で示されるホース形状体40を筐体30に更に配設することにより、ホース形状体40から吹き出される温風で以って人の髪の毛の乾燥作業を行う様にすることとしても良い。本変形例に於いては、樹脂等より成る、筐体30と比較して軽量なホース状のホース形状体40が、筐体30の外面の内の筐体正面30FS側に、排気口32の外縁を全体的に被覆する様に、配設されている。即ち、基本的には全体的に任意の形状であるホース形状体40は、その長手方向に沿って延在する、貫通した中空の内部空間40ISを有しており、ホース形状体40の一端部40E1は、筐体30の排気口32を全体的に覆って筐体30の外面の筐体正面30FSに接続・固定されている。他方の、吹き出し口であるホース形状体40の他端部40E2は、排気口32より一端部40E1を介して中空の内部空間40IS内に流入して内部空間40IS内を流れる温風を外部へと吹き出す作用を呈する。この場合、排気口32より吹き出される上記の被排出温風の全てが滞留すること無く円滑にホース形状体40の中空の内部空間40IS内に流入して内部空間40IS内を流れて他端部40E2より外部に排出される様にするため、ホース形状体40のコンダクタンスは、第3温風導管体20Cのコンダクタンスよりも大きくなる様に、ホース形状体40の材質・形状・寸法が設定されている。
【0018】
斯かる構成を有するホース形状体40は、樹脂等の材質より成るので、筐体30と比較して重量的にみて非常に軽い。従って、美容師等の作業者は、筐体30自体を室内の床上に配置して又は壁面に取り付けた上で、筐体30を直接に手で持つこと無く、ホース形状体40のみを手で持って、ホース形状体40の他端部40E2を人の髪の毛の部分から約5cm~10cmの近距離だけ離して髪の毛の乾燥作業を行うことが出来る。重量的にホース形状体40は非常に軽量体なので、作業者は、重さを感じること無く、実施の形態1と同様に最速の時間(2倍速化)で以って髪の毛の乾燥作業を容易に且つ効率良く行うことが出来る。本変形例に於いても、上記利点・効果に加えて、既述した実施の形態1の利点・効果が同様に得られることは勿論である。
【0019】
(2)ヘアドライヤー装置100に於いて、
図2に一点鎖線で以って例示される様に、遠赤外線物質が練り込まれて成る既存のフィルター6を、各ヘアドライヤーユニット10のヒーター3の吹き出し側に設けることとしても良い。この場合、各フィルター6は、対向するヒーター3からの温風を受けて遠赤外線を放出する。斯かる構成により、特許文献3等の従来技術で指摘された利点・効果が同様に得られる。尚、本変形例のフィルター6を既述の変形例(1)の構成にも適用することは可能である。
【0020】
(3)実施の形態1で既述した温風導管体20の構成に代えて、
図3に例示される2本の並設された温風導管体20Hを、対応するヘアドライヤーユニット10毎に、筐体30の内部に設けることとしても良い。この場合にも、温風導管体20Hは、対応する各ヘアドライヤーユニット10から吹き出される温風を筐体30の排気口32へと導く。本変形例に於いても、実施の形態1で既述した作用及び利点・効果が同様に得られる。尚、
図3の本変形例の構成に対して、既述の変形例(1)又は/及び変形例(2)の構成を適用しても良い。
【0021】
(4)留意点:
本発明の主題は、筐体30内に配設される複数のヘアドライヤーユニット10の各々に適用される「低温ドライヤー」を「業務用ヘアドライヤー」としてではなく「家庭用ヘアドライヤー」として用いて、人が自宅で
図1等の筐体30乃至はホース形状体40を手で持って既述した動作により髪の毛をより早く乾燥させる場合にも適用可能であり、既述した利点・効果が同様に得られる。
【0022】
本発明の主題は、「低温ドライヤー」に代えて、吹き出し口での温風の温度が90℃~120℃であり且つ消費電力が1200ワットである「従来のヘアドライヤー」を、筐体30内に配設される複数のヘアドライヤーユニット10の各々として使用する場合にも適用可能であり、既述した利点・効果が同様に得られる。その場合には、既述の通り、筐体30の排気口32乃至はホース形状体40の吹き出し口である他端部40E2を、「低温ドライヤー」の場合よりも、人の頭部乃至は頭皮からより遠くに離してヘアドライヤー装置100,100Aを使用することとなる。
【0023】
本発明の主題は、筐体30内に配設されるヘアドライヤーユニット10の数が3以上である場合にも実施の形態1等と同様に適用可能であり、既述した作用及び利点・効果が実施の形態1等と同様に得られる。即ち、本発明の主題に於ける「筐体30内に配設された複数のヘアドライヤーユニット10」とは、「筐体30内に配設された2以上のヘアドライヤーユニット10」を意味する。
【0024】
(付記)
以上、本発明の実施の形態を詳細に開示し記述したが、以上の記述は本発明の適用可能な局面を例示したものであって、本発明はこれに限定されるものではない。即ち、記述した局面に対する様々な修正及び/又は変形例を、この発明の範囲から逸脱することの無い範囲内で考えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明は、例えば、美容院等で用いられる業務用のヘアドライヤー装置に適用して好適である。
【符号の説明】
【0026】
100,100A ヘアドライヤー装置
10 ヘアドライヤーユニット
1 モーター
2 送風用ファン
3 ヒーター
4 電源配線
4T プラグ
5 コンセント
6 フィルター
20,20H 温風導管体
30 筐体(箱体)
31 吸気口
32 排気口
30FS 筐体正面(外面)
30BS 筐体背面(外面)
40 ホース形状体
【手続補正書】
【提出日】2023-04-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明の主題に係るヘアドライヤー装置は、吸気口及び排気口を有する筐体と、前記筐体内に配設された複数のヘアドライヤーユニットと、前記複数のヘアドライヤーユニットの各々から吹き出される温風を前記筐体の前記排気口へと導く、前記筐体の内部の空間内に配設された温風導管体とを備えており、前記温風導管体は、全体的に貫通した中空の内部空間を有しており、前記複数のヘアドライヤーユニットの各々は、前記吸気口側に配設されたファンと、前記ファンからの送風を前記温風として排出するヒーターとを有することを特徴とする。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸気口及び排気口を有する筐体と、
前記筐体内に配設された複数のヘアドライヤーユニットと、
前記複数のヘアドライヤーユニットの各々から吹き出される温風を前記筐体の前記排気口へと導く、前記筐体の内部の空間内に配設された温風導管体と
を備えており、
前記温風導管体は、全体的に貫通した中空の内部空間を有しており、
前記複数のヘアドライヤーユニットの各々は、
前記吸気口側に配設されたファンと、
前記ファンからの送風を前記温風として排出するヒーターと
を有する
ことを特徴とする、ヘアドライヤー装置。
【請求項2】
請求項1に記載のヘアドライヤー装置であって、
前記筐体の前記排気口を覆って前記筐体の外面に接続された一端部、及び、前記排気口より前記一端部を介して長手方向に貫通した中空の内部空間に流入して前記内部空間内を流れる前記温風を外部へと吹き出すための他端部を有するホース形状体を
更に有することを特徴とする、ヘアドライヤー装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のヘアドライヤー装置であって、
前記複数のヘアドライヤーユニットの各々は、
前記ヒーターからの前記温風を受けて遠赤外線を放出するフィルターを
更に有することを特徴とする、ヘアドライヤー装置。
【手続補正書】
【提出日】2023-06-13
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明の主題に係るヘアドライヤー装置は、吸気口及び一つの排気口を有する、分離不能な一つの筐体と、前記一つの筐体の内部の空間内に配設された複数のヘアドライヤーユニットと、前記複数のヘアドライヤーユニットの各々から吹き出される温風を前記一つの筐体の前記一つの排気口へと導くと共に、前記内部の空間を形成する前記一つの筐体の内壁から全体的に遊離して前記一つの筐体の前記内部の空間内に配設され且つ全体的に貫通した中空の内部空間を有する、複数の温風導管体とを備えており、前記複数のヘアドライヤーユニットの各々は、前記吸気口側に配設されたファンと、前記ファンからの送風を前記温風として排出するヒーターとを有し、前記一つの筐体の前記一つの排気口は、前記一つの筐体の前記内壁から前記一つの筐体の外側の表面に至るまで前記一つの筐体を貫通しており、前記複数の温風導管体の各々は、(1)前記複数のヘアドライヤーユニットの内で対応するヘアドライヤーユニット内の前記ヒーターの前記温風の排出口に、前記一つの筐体の前記内部の空間を介して遊離・対向する、前記中空の内部空間の入口に該当する温風吸気口と、(2)前記一つの筐体の前記一つの排気口の内の前記内壁側の吸入端部に、前記一つの筐体の前記内部の空間を介して遊離・対向する、前記中空の内部空間の出口に該当する温風排気口とを、有することを特徴とする。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸気口及び一つの排気口を有する、分離不能な一つの筐体と、
前記一つの筐体の内部の空間内に配設された複数のヘアドライヤーユニットと、
前記複数のヘアドライヤーユニットの各々から吹き出される温風を前記一つの筐体の前記一つの排気口へと導くと共に、前記内部の空間を形成する前記一つの筐体の内壁から全体的に遊離して前記一つの筐体の前記内部の空間内に配設され且つ全体的に貫通した中空の内部空間を有する、複数の温風導管体と
を備えており、
前記複数のヘアドライヤーユニットの各々は、
前記吸気口側に配設されたファンと、
前記ファンからの送風を前記温風として排出するヒーターと
を有し、
前記一つの筐体の前記一つの排気口は、前記一つの筐体の前記内壁から前記一つの筐体の外側の表面に至るまで前記一つの筐体を貫通しており、
前記複数の温風導管体の各々は、
(1)前記複数のヘアドライヤーユニットの内で対応するヘアドライヤーユニット内の前記ヒーターの前記温風の排出口に、前記一つの筐体の前記内部の空間を介して遊離・対向する、前記中空の内部空間の入口に該当する温風吸気口と、
(2)前記一つの筐体の前記一つの排気口の内の前記内壁側の吸入端部に、前記一つの筐体の前記内部の空間を介して遊離・対向する、前記中空の内部空間の出口に該当する温風排気口とを、有する
ことを特徴とする、ヘアドライヤー装置。
【請求項2】
吸気口及び一つの排気口を有する、分離不能な一つの筐体と、
前記一つの筐体の内部の空間内に配設された、少なくとも2つのヘアドライヤーユニットと、
前記少なくとも2つのヘアドライヤーユニットの各々から吹き出される温風を前記一つの筐体の前記一つの排気口へと導くと共に、前記内部の空間を形成する前記一つの筐体の内壁から全体的に遊離して前記一つの筐体の前記内部の空間内に配設され且つ全体的に貫通した中空の内部空間を有する、一つである温風導管体と
を備えており、
前記少なくとも2つのヘアドライヤーユニットの各々は、
前記一つの筐体の前記吸気口側に配設されたファンと、
前記ファンからの送風を前記温風として排出するヒーターと
を有し、
前記一つの筐体の前記一つの排気口は、前記一つの筐体の前記内壁から前記一つの筐体の外側の表面に至るまで前記一つの筐体を貫通しており、
前記温風導管体は、
(1)前記少なくとも2つのヘアドライヤーユニットの内の2つのヘアドライヤーユニットの一方のヘアドライヤーユニット内の前記ヒーターの前記温風の第1排出口に、前記一つの筐体の前記内部の空間を介して遊離・対向する、開口形状の第1一端部と、全体的に貫通した中空の第1内部空間を通じて前記第1一端部に遊離する、開口形状の第1他端部と、を有する第1温風導管体と、
(2)前記2つのヘアドライヤーユニットの内の他方のヘアドライヤーユニット内の前記ヒーターの前記温風の第2排出口に、前記一つの筐体の前記内部の空間を介して遊離・対向する、開口形状の第2一端部と、全体的に貫通した中空の第2内部空間を通じて前記第2一端部に遊離する、開口形状の第2他端部と、を有する第2温風導管体と、
(3)全体的に貫通した中空の第3内部空間を有する第3温風導管体とを、
有しており、
前記第3温風導管体の前記第3内部空間は、前記第1温風導管体の前記第1他端部及び前記第2温風導管体の前記第2他端部の各々と連続的に結合した前記第3温風導管体の各々の結合部を介して、前記第1温風導管体の前記第1内部空間及び前記第2温風導管体の前記第2内部空間の各々と空間的に連通しており、
前記第3温風導管体は、
(i)非開口の面を有する一端部と、
(ii)前記一つの筐体の前記一つの排気口の内の前記内壁側の吸入端部に、前記一つの筐体の前記内部の空間を介して遊離・対向すると共に前記非開口の一端部と前記第3内部空間を介して遊離する、前記第3内部空間の出口に該当する他端部とを、有する
ことを特徴とする、ヘアドライヤー装置。