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特開2024-59318保証料収益予測装置、保証料収益予測方法及び保証料収益予測プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059318
(43)【公開日】2024-05-01
(54)【発明の名称】保証料収益予測装置、保証料収益予測方法及び保証料収益予測プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/08 20120101AFI20240423BHJP
【FI】
G06Q40/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022166930
(22)【出願日】2022-10-18
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】萬 亜樹
(72)【発明者】
【氏名】仲 晋作
(72)【発明者】
【氏名】水野 克哉
(72)【発明者】
【氏名】上野 剛光
【テーマコード(参考)】
5L040
5L055
【Fターム(参考)】
5L040BB61
5L055BB61
(57)【要約】
【課題】保証の契約が確定したタイミングで金融機関から連携される情報から、将来の返済前残高に応じた保証料収益を予測できるようにする保証料収益予測装置、保証料収益予測方法及び保証料収益予測プログラムを提供することを課題とする。
【解決手段】本実施形態では、制御部を備える保証料収益予測装置であって、制御部は、契約データと、保証料管理マスタと、にアクセス可能であり、制御部は、契約データと保証料管理マスタとに基づいて一括保証料を算出する保証料算出部と、契約データと申込時保証契約データとに基づき、返済予定データを作成する展開部と、返済予定データの各月の残高積数から残高積数合計を算出する合計部と、一括保証料を残高積数合計で割ることによって保証年率を算出する保証年率算出部と、返済予定データの各月の返済前残高と、保証契約データの保証年率とに基づき、保証料収益を予測する予測部と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備える保証料収益予測装置であって、
前記制御部は、
顧客識別情報と融資金と融資利率と初回返済年月と最終回返済年月とを少なくとも含む契約データと、
借入年数と顧客信用情報と単位円毎の保証料とが少なくとも設定された保証料管理マスタと、にアクセス可能であり、
前記制御部は、
前記契約データと前記保証料管理マスタとに基づいて一括保証料を算出し、保証期間と保証金額と顧客信用情報と前記一括保証料とを少なくとも含む申込時保証契約データを作成する保証料算出部と、
前記契約データと前記申込時保証契約データとに基づき、各月の返済前残高を展開し、返済回数と、返済日と、前記各月の返済前残高と、前回の返済日から経過した日数を示す経過日数と、各月の残高積数とを少なくとも含む返済予定データを作成する展開部と、
前記返済予定データの各月の残高積数から残高積数合計を算出する合計部と、
前記一括保証料を前記残高積数合計で割ることによって保証年率を算出し、顧客識別情報と前記保証年率とを少なくとも含む保証契約データを作成する保証年率算出部と、
前記返済予定データの各月の返済前残高と、前記保証契約データの保証年率とに基づき、保証料収益を予測し、返済回数と前記保証料収益とを少なくとも含む保証料収益予定データを作成する予測部と、
を備えたことを特徴とする保証料収益予測装置。
【請求項2】
前記単位円毎の保証料は、100万円毎の保証料であり、
前記保証料算出部は、(100万円あたりの保証料)×(前記融資金)÷100万により、前記一括保証料を算出することを特徴とする請求項1に記載の保証料収益予測装置。
【請求項3】
前記展開部は、前記各月の残高積数を、(前記返済前残高)×(前記経過日数)÷365によって計算することを特徴とする請求項1又は2に記載の保証料収益予測装置。
【請求項4】
前記予測部は、(前記各月の返済前残高)×(前記保証年率)÷12により、月毎に前記保証料収益を予測することを特徴とする請求項1又は2に記載の保証料収益予測装置。
【請求項5】
前記顧客信用情報は、顧客の信用度によって選定されるコースであり、
前記単位円毎の保証料は、前記借入年数及び前記コースに応じて設定されることを特徴とする請求項1又は2に記載の保証料収益予測装置。
【請求項6】
保証料収益予測装置が、顧客識別情報と融資金と融資利率と初回返済年月と最終回返済年月とを少なくとも含む契約データにアクセスするステップと、
前記保証料収益予測装置が、借入年数と顧客信用情報と単位円毎の保証料とが少なくとも設定された保証料管理マスタと、にアクセスするステップと、
前記保証料収益予測装置が、前記契約データと前記保証料管理マスタとに基づいて一括保証料を算出し、保証期間と保証金額と顧客信用情報と前記一括保証料とを少なくとも含む申込時保証契約データを作成するステップと、
前記保証料収益予測装置が、前記契約データと前記申込時保証契約データとに基づき、各月の返済前残高を展開し、返済回数と、返済日と、前記各月の返済前残高と、前回の返済日から経過した日数を示す経過日数と、各月の残高積数とを少なくとも含む返済予定データを作成するステップと、
前記保証料収益予測装置が、前記返済予定データの各月の残高積数から残高積数合計を算出するステップと、
前記保証料収益予測装置が、前記一括保証料を前記残高積数合計で割ることによって保証年率を算出し、顧客識別情報と前記保証年率とを少なくとも含む保証契約データを作成するステップと、
前記保証料収益予測装置が、前記返済予定データの各月の返済前残高と、前記保証契約データの保証年率とに基づき、保証料収益を予測し、返済回数と前記保証料収益とを少なくとも含む保証料収益予定データを作成するステップと、
を含むことを特徴とする保証料収益予測方法。
【請求項7】
コンピュータに、
顧客識別情報と融資金と融資利率と初回返済年月と最終回返済年月とを少なくとも含む契約データにアクセスするステップと、
借入年数と顧客信用情報と単位円毎の保証料とが少なくとも設定された保証料管理マスタと、にアクセスするステップと、
前記契約データと前記保証料管理マスタとに基づいて一括保証料を算出し、保証期間と保証金額と顧客信用情報と前記一括保証料とを少なくとも含む申込時保証契約データを作成するステップと、
前記契約データと前記申込時保証契約データとに基づき、各月の返済前残高を展開し、返済回数と、返済日と、前記各月の返済前残高と、前回の返済日から経過した日数を示す経過日数と、各月の残高積数とを少なくとも含む返済予定データを作成するステップと、
前記返済予定データの各月の残高積数から残高積数合計を算出するステップと、
前記一括保証料を前記残高積数合計で割ることによって保証年率を算出し、顧客識別情報と前記保証年率とを少なくとも含む保証契約データを作成するステップと、
前記返済予定データの各月の返済前残高と、前記保証契約データの保証年率とに基づき、保証料収益を予測し、返済回数と前記保証料収益とを少なくとも含む保証料収益予定データを作成するステップと、
を実行させるための保証料収益予測プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保証料収益予測装置、保証料収益予測方法及び保証料収益予測プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、保証会社は保証料を金融機関から一括前受けで受領する場合があり、保証会社により計上される保証料収益は、毎月の残高に応じて按分して決定される。例えば、毎月の残高は、保証している金融機関から月に一度ファイル連携されることによって確定される。ただし金融機関から毎月連携される直近の月の実残高に対して対象月分のみの保証料を算出することになり、将来の保証料収益を算出することはできない。
【0003】
特許文献1には、リース割賦契約時の分割払い債権に取引信用保険を付与して分割払い契約の保証を支援するリース割賦保証システムであって、リース割賦契約時の分割払いの残債に対して取引信用保険の保険料を設定する構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002-312700号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来は、保証の契約が確定したタイミングで金融機関から連携される情報から、将来の返済前残高に応じた保証料収益を予測することができないという課題があった。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、保証の契約が確定したタイミングで金融機関から連携される情報から、将来の返済前残高に応じた保証料収益を予測できるようにする保証料収益予測装置、保証料収益予測方法及び保証料収益予測プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る保証料収益予測装置は、制御部を備える保証料収益予測装置であって、前記制御部は、顧客識別情報と融資金と融資利率と初回返済年月と最終回返済年月とを少なくとも含む契約データと、借入年数と顧客信用情報と単位円毎の保証料とが少なくとも設定された保証料管理マスタと、にアクセス可能であり、前記制御部は、前記契約データと前記保証料管理マスタとに基づいて一括保証料を算出し、保証期間と保証金額と顧客信用情報と前記一括保証料とを少なくとも含む申込時保証契約データを作成する保証料算出部と、前記契約データと前記申込時保証契約データとに基づき、各月の返済前残高を展開し、返済回数と、返済日と、前記各月の返済前残高と、前回の返済日から経過した日数を示す経過日数と、各月の残高積数とを少なくとも含む返済予定データを作成する展開部と、前記返済予定データの各月の残高積数から残高積数合計を算出する合計部と、前記一括保証料を前記残高積数合計で割ることによって保証年率を算出し、顧客識別情報と前記保証年率とを少なくとも含む保証契約データを作成する保証年率算出部と、前記返済予定データの各月の返済前残高と、前記保証契約データの保証年率とに基づき、保証料収益を予測し、返済回数と前記保証料収益とを少なくとも含む保証料収益予定データを作成する予測部と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の一態様によれば、前記単位円毎の保証料は、100万円毎の保証料であり、前記保証料算出部は、(100万円あたりの保証料)×(前記融資金)÷100万により、前記一括保証料を算出することを特徴とする。
【0009】
また、本発明の一態様によれば、前記展開部は、前記各月の残高積数を、(前記返済前残高)×(前記経過日数)÷365によって計算することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の一態様によれば、前記予測部は、(前記各月の返済前残高)×(前記保証年率)÷12により、月毎に前記保証料収益を予測することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の一態様によれば、前記顧客信用情報は、顧客の信用度によって選定されるコースであり、前記単位円毎の保証料は、前記借入年数及び前記コースに応じて設定されることを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る保証料収益予測方法は、保証料収益予測装置が、顧客識別情報と融資金と融資利率と初回返済年月と最終回返済年月とを少なくとも含む契約データにアクセスするステップと、前記保証料収益予測装置が、借入年数と顧客信用情報と単位円毎の保証料とが少なくとも設定された保証料管理マスタと、にアクセスするステップと、前記保証料収益予測装置が、前記契約データと前記保証料管理マスタとに基づいて一括保証料を算出し、保証期間と保証金額と顧客信用情報と前記一括保証料とを少なくとも含む申込時保証契約データを作成するステップと、前記保証料収益予測装置が、前記契約データと前記申込時保証契約データとに基づき、各月の返済前残高を展開し、返済回数と、返済日と、前記各月の返済前残高と、前回の返済日から経過した日数を示す経過日数と、各月の残高積数とを少なくとも含む返済予定データを作成するステップと、前記保証料収益予測装置が、前記返済予定データの各月の残高積数から残高積数合計を算出するステップと、前記保証料収益予測装置が、前記一括保証料を前記残高積数合計で割ることによって保証年率を算出し、顧客識別情報と前記保証年率とを少なくとも含む保証契約データを作成するステップと、前記保証料収益予測装置が、前記返済予定データの各月の返済前残高と、前記保証契約データの保証年率とに基づき、保証料収益を予測し、返済回数と前記保証料収益とを少なくとも含む保証料収益予定データを作成するステップと、を含むことを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る保証料収益予測プログラムは、コンピュータに、顧客識別情報と融資金と融資利率と初回返済年月と最終回返済年月とを少なくとも含む契約データにアクセスするステップと、借入年数と顧客信用情報と単位円毎の保証料とが少なくとも設定された保証料管理マスタと、にアクセスするステップと、前記契約データと前記保証料管理マスタとに基づいて一括保証料を算出し、保証期間と保証金額と顧客信用情報と前記一括保証料とを少なくとも含む申込時保証契約データを作成するステップと、前記契約データと前記申込時保証契約データとに基づき、各月の返済前残高を展開し、返済回数と、返済日と、前記各月の返済前残高と、前回の返済日から経過した日数を示す経過日数と、各月の残高積数とを少なくとも含む返済予定データを作成するステップと、前記返済予定データの各月の残高積数から残高積数合計を算出するステップと、前記一括保証料を前記残高積数合計で割ることによって保証年率を算出し、顧客識別情報と前記保証年率とを少なくとも含む保証契約データを作成するステップと、前記返済予定データの各月の返済前残高と、前記保証契約データの保証年率とに基づき、保証料収益を予測し、返済回数と前記保証料収益とを少なくとも含む保証料収益予定データを作成するステップと、を実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、保証の契約が確定したタイミングで金融機関から連携される情報から、将来の返済前残高に応じた保証料収益を予測できるようにすることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、従来の保証料収益の計上例を示す図である。
図2図2は、実施形態の保証料収益予測装置の構成の例を示すブロック図である。
図3図3は、実施形態の契約データの例を示す図である。
図4図4は、実施形態の保証料管理マスタの例を示す図である。
図5図5は、実施形態の申込時保証契約データの例を示す図である。
図6図6は、実施形態の返済予定データの例を示す図である。
図7図7は、実施形態の保証契約データの例を示す図である。
図8図8は、実施形態の保証料収益予測データの例を示す図である。
図9図9は、実施形態の保証料収益予測処理のデータフローの例を示す図である。
図10図10は、実施形態の保証料収益予測処理の例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は本実施形態により限定されるものではない。
【0017】
[1.概要]
まず、本発明の概要を説明する。
【0018】
図1は、従来の保証料収益の計上例を示す図である。毎月、金融機関は、返済期間、融資利率、融資日、及び融資残高を含む前月分の情報を保証会社に連携する。保証会社は、毎月、金融機関から連携される対象月分の融資残高をもとに、毎月の保証料収益を、返済前残高(実残高)×保証料率によって算出する。
【0019】
将来の保証料の収益を計算するためには、未来分についても毎月の残高を把握する必要がある。しかし、金融機関が返済予定をデータとして保持しないなどの理由で、金融機関から返済予定をもらうことができないことが大半であったので、従来、保証会社では、金融機関から連携された月の文の残高情報のみが保持されていた。すなわち、従来は、返済予定が保持されていないので、金融機関から連携される最新月の保証料収益のみ算出可能だった。
【0020】
本実施形態の保証料収益予測装置は、保証の契約が確定したタイミングで金融機関から連携される、融資金額、返済期間及び利率から、返済予定を展開することで、将来の予定残高を保持する。そして、本実施形態の保証料収益予測装置は、将来の予定残高と、保証年率(=保証料÷残高積数合計)とから将来の保証料収益を算出する。
【0021】
本実施形態の保証料収益予測装置によれば、金融機関から受領した情報をもとに、返済予定を展開することで、毎月の想定残高を把握でき、その残高に応じた保証料の計算が可能となる。保証会社は金融機関から返済予定をもらうことができないため、将来の収益を把握しづらかったが、返済予定の展開で未来の収益のシミュレーションが可能となる。このシミュレーション機能(保証料収益の将来予測機能)によって未来の収益の把握を行うことは、経営判断に役立つ。
【0022】
[2.構成]
本実施形態に係る保証料収益予測装置100の構成の一例について、図2を参照して説明する。図2は、保証料収益予測装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0023】
保証料収益予測装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、保証料収益予測装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
【0024】
保証料収益予測装置100は、記憶部1と制御部2と通信インターフェース部3と入出力インターフェース部4と、を備えている。保証料収益予測装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0025】
記憶部1には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどのデータが格納される。記憶部1には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部1として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0026】
また、記憶部1には、契約データ1a、保証料管理マスタ1b、申込時保証契約データ1c、返済予定データ1d、保証契約データ1e及び保証料収益予測データ1fなどが格納されている。契約データ1a、保証料管理マスタ1b、申込時保証契約データ1c、返済予定データ1d、保証契約データ1e及び保証料収益予測データ1fの詳細については、図3乃至図8を参照して後述する。
【0027】
制御部2は、保証料収益予測装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部2は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0028】
制御部2は、保証料算出部2aと、展開部2bと、合計部2cと、保証年率算出部2d及び予測部2eを備える。
【0029】
保証料算出部2aは、金融機関から、保証会社の保証料収益予測装置100に申込情報及び融資情報が連携されると、保証料を算出する。金融機関から保証会社に連携される申込情報には、例えば顧客名、融資日、返済期間及び融資利率が含まれる。また、金融機関から保証会社に連携される融資情報は、例えば借入年数、コース、保証金額、借入年数、保証料種類及び諾否が含まれる。
【0030】
なお、金融機関から、申込情報及び融資情報を保証料収益予測装置100へ連携する方法は任意でよい。例えば、保証料収益予測装置100は、オペレータの操作入力により、申込情報及び融資情報の連携を受け付けてもよい。また例えば、保証料収益予測装置100は、ネットワーク200を介したデータ通信により、申込情報及び融資情報の連携を受け付けてもよい。
【0031】
まず、保証料算出部2aは、金融機関から、保証料収益予測装置100に連携された申込情報及び融資情報に基づき、契約データ1aを更新する。
【0032】
図3は、実施形態の契約データ1aの例を示す図である。実施形態の契約データ1aは、顧客No、枝番、融資日、融資金、融資利率、初回返済年月及び最終回返済年月を含む。
【0033】
顧客No(顧客識別情報の例)は、顧客を識別する番号である。枝番は、顧客Noにより識別されるデータが複数ある場合に、複数のデータを識別する番号である。融資日は、融資が実行される日(融資金が入金される日)である。融資金は、融資される金額(借入金額)である。融資利率(借入金利)は、融資金(借り入れた元金)に対する支払利息の割合である。初回返済年月は、最初の返済年月である。最終回返済年月は、最後の返済年月である。
【0034】
次に、保証料算出部2aは、契約データ1aと保証料管理マスタ1bとに基づき、保証料を計算し、申込時保証契約データ1cを更新する。
【0035】
図4は、実施形態の保証料管理マスタ1bの例を示す図である。実施形態の保証料管理マスタ1bは、コース毎、借入年数毎に100万円あたりの保証料を保持するマスタを設定する。具体的には、実施形態の保証料管理マスタ1bは、借入年数、コース、保証料種類、通常or超過、改定日、及び、保証料(円)/100万毎を含む。
【0036】
借入年数は、融資金の借入期間を示す年数である。コース(顧客信用情報の例)は、保証する顧客の信用度などによって選定される。100万あたりの保証料の設定値がコースによって異なる。保証料種類は、一括(一括前受保証料)、又は、分割(分割保証料)の分類を示す。実施形態の例では、保証料種類には「一括」が設定されている。
【0037】
通常or超過には、「通常」又は「超過」が設定される。「通常」は、実施形態の保証料収益予測装置100で保持される担保金額を超過しない金額に対する保証料を示す。「超過」は、実施形態の保証料収益予測装置100で保持される担保金額を超過する金額に対する保証料を示す。改定日は、保証料管理マスタ1bのデータが改定された日である。
【0038】
保証料(円)/100万毎(単位円毎の保証料の一例)は、100万毎の保証料(円)である。保証料(円)/100万毎は、借入年数及びコースに応じて設定される。
【0039】
図5は、実施形態の申込時保証契約データ1cの例を示す図である。実施形態の申込時保証契約データ1cは、顧客No、枝番、申込取引先No、諾否結果、保証期間、保証金額、コース、保証料種類及び保証料を含む。顧客No及び枝番は、図3の説明と同様なので説明を省略する。コース及び保証料種類は、図4の説明と同様なので説明を省略する。
【0040】
申込取引先Noは、融資の申し込み取引先を識別する番号である。図5の申込取引先Noの例では、顧客Noと同じ値が設定されている。諾否結果は、融資の諾否(OK又はNG)が設定される。保証期間は、上述の融資期間に相当する期間である。保証金額は、上述の融資金(借入金額)に相当する金額である。
【0041】
保証料は、(100万円あたりの保証料)×(借入金額)÷100万により計算される。例えば、借入金額(融資金):30,000,000円、融資期間:35年、コース:A、保証料種類:一括払いの場合、保証料は、図4の保証料管理マスタ1bに基づき、下記式により計算される。
10,000円×(30,000,000円÷1,000,000)
=300,000円(※円未満切り捨て)
【0042】
次に、展開部2bが、契約データ1a及び申込時保証契約データ1cに基づき、返済予定を展開し、返済予定データ1dを作成する(月別の予定残高を展開)。
【0043】
図6は、実施形態の返済予定データ1dの例を示す図である。図6の例は、下記貸付条件で返済予定が展開される場合を示す。
融資金額 :30,000,000円
融資日 :2022年1月10日
返済期間 :35年
融資利率 :0.5%
一括保証料:300,000円
【0044】
実施形態の返済予定データ1dは、返済回数、返済日、月々返済額、支払元金、支払利息、返済前残高、返済後残高、経過日数及び残高積数を含む。返済回数は、返済の回数である。返済日は、返済が行われる日である。月々返済額は、月々の返済額である。支払元金は、月々返済額のうち、元金に相当する金額である。支払利息は、月々返済額のうち、利息に相当する金額である。
【0045】
返済前残高は、月別返済前の残高である。返済前残高は、例えば残高積数及び保証料収益の計算に使用される。返済後残高は、月別返済後の残高である。経過日数は、前回の返済日から経過した日数である。
【0046】
残高積数は、返済回数における残高積数であり、(返済前残高)×(経過日数)÷365によって計算される。例えば、返済回数1回目の残高積数は、下記式により計算される。
30,000,000円×31÷365=2,547,945(※円未満切り捨て)
【0047】
次に、合計部2cが、返済予定データ1dから、残高積数合計を算出する。図6の例では、残高積数合計は、541,855,226円である。
【0048】
次に、保証年率算出部2dは、申込時保証契約データ1c(図5)の一括保証料と、合計部2cにより返済予定データ1d(図6)から算出された残高積数合計から、一括保証料÷残高積数合計によって保証年率を算出し、保証契約データ1eを更新する。
【0049】
図7は、実施形態の保証契約データ1eの例を示す図である。実施形態の保証契約データ1eは、顧客N、枝番、申込取引先No、諾否結果、保証期間、保証金額、コース、保証料種類及び保証料率を含む。顧客N、枝番、申込取引先No、諾否結果、保証期間、保証金額、コース及び保証料種類は、図5の説明と同様なので説明を省略する。
【0050】
保証料率は、(一括保証料)÷(残高積数合計)によって算出される値である。例えば図5及び6の例では、保証年率は、下記式により計算される。
(保証年率)=(一括保証料)÷(残高積数合計)
=300,000÷541,855,226
≒0.05537%(※小数第6位以下切り上げ)
【0051】
次に、予測部2eは、月別の返済前残高と保証年率とから未来の収益を予測(展開)し、保証料収益予定データ1fを作成する。
【0052】
図8は、実施形態の保証料収益予測データ1fの例を示す図である。実施形態の保証料収益予測データ1fは、返済回数、返済日、月々返済額、支払元金、支払利息、返済前残高、返済後残高、経過日数、残高積数、保証年率及び保証料収益を含む。返済回数、返済日、月々返済額、支払元金、支払利息、返済前残高、返済後残高、経過日数及び残高積数は、図6の説明と同様なので説明を省略する。また、保証年率は、図7の説明と同様なので説明を省略する。
【0053】
保証料収益は、(各月の返済前残高)×(保証年率)÷12によって算出される値である。例えば返済回数1回目の場合では、保証料収益は、下記式により計算される。
(保証料収益)=(各月の返済前残高)×(保証年率)÷12
=30,000,000×0.05537%÷12
=1,384.25
≒1,385(※小数以下切り上げ)
【0054】
なお、一部繰上返済など契約更新があった場合は、都度返済パターンの展開し直しを行い、正しい保証料収益が算出し直される。
【0055】
図1に戻り、通信インターフェース部3は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、保証料収益予測装置100をネットワーク200に通信可能に接続する。通信インターフェース部3は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク200は、保証料収益予測装置100と他の装置とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。
【0056】
入出力インターフェース部4には、入力装置110および出力装置120が接続されている。入力装置110には、キーボード、マウス、およびマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタ(タッチパネルを含む)を用いることができる。出力装置120には、モニタ(タッチパネルを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。出力装置120には、例えば制御部2による処理結果などが出力される。
【0057】
図9は、実施形態の保証料収益予測処理のデータフローの例を示す図である。まず、申込画面にて入力されたコース及び借入年数を基に、保証料管理マスタ1bより100万円あたりの保証料(通常保証料)が取得され、保証料(一括保証料)が算出される。例えば、保証料は、(100万円あたりの通常保証料)×(担保評価額以下の分の借入金額)÷100万で算出される。そして、保証料算出部2aは、申込時保証契約データ1cを更新する。
【0058】
次に、展開部2bが、金融機関から連携された申込情報及び融資情報に基づく返済予定を展開し、返済予定データ1dを作成する。次に、合計部2cが、返済予定データ1dの残高積数を合計し、残高積数合計を算出する。
【0059】
次に、保証年率算出部2dが、申込時保証契約データ1cの保証料(一括保証料)と、合計部2cにより返済予定データ1dから算出された残高積数合計から、保証年率を算出し、保証契約データ1eを更新する。
【0060】
次に、予測部2eが、各月の保証料収益を計算することによって、未来の保証料収益シミュレーションを行う。つまり、実施形態の保証料収益予測装置100は、各月の返済前残高(予定残高)を保持しているため、その予定残高に応じた未来の保証料収益のシミュレーションが可能になる。
【0061】
図10は、実施形態の保証料収益予測処理の例を示すフローチャートである。はじめに、保証料算出部2aが、契約データ1aと保証料管理マスタ1bとから、一括保証料を算出し、保証期間と保証金額とコース(顧客信用情報の例)と一括保証料とを少なくとも含む申込時保証契約データ1cを作成する(ステップS1)。
【0062】
次に、展開部2bが、契約データ1bと申込時保証契約データ1cとに基づき、各月の返済前残高を展開し、返済回数と、返済日と、各月の返済前残高と、前回の返済日から経過した日数を示す経過日数と、各月の残高積数とを少なくとも含む返済予定データ1dを作成する(ステップS2)。次に、合計部2cが、返済予定データ1dの各月の残高積数から残高積数合計を算出する(ステップS3)。
【0063】
次に、保証年率算出部2dが、一括保証料を残高積数合計で割ることによって保証年率を算出し、顧客識別情報と保証年率とを少なくとも含む保証契約データ1eを作成する(ステップS4)。次に、予測部2eが、返済予定データ1dの各月の返済前残高と、保証契約データ1eの保証年率とに基づき、各月の保証料収益を予測し、返済回数と保証料収益とを少なくとも含む保証料収益予定データ1fを作成する(ステップS5)。
【0064】
以上、説明したように、実施形態の保証料収益予測装置100によれば、保証の契約が確定したタイミングで金融機関から連携される情報から、将来の返済前残高に応じた保証料収益を予測することができる。
【0065】
[3.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
【0066】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
【0067】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0068】
[4.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0069】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0070】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0071】
また、保証料収益予測装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0072】
例えば、保証料収益予測装置100が備える処理機能、特に制御部2にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて保証料収益予測装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0073】
また、このコンピュータプログラムは、保証料収益予測装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0074】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0075】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、本実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0076】
記憶部1に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0077】
また、保証料収益予測装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、保証料収益予測装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0078】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、住宅ローンなどの金融機関からの融資における信用保証業務等において有用である。
【符号の説明】
【0080】
100 保証料収益予測装置
1 記憶部
1a 契約データ
1b 保証料管理マスタ
1c 申込時保証契約データ
1d 返済予定データ
1e 保証契約データ
1f 保証料収益予測データ
2 制御部
2a 記憶制御部
2b 設定部
2c 変更部
3 通信インターフェース部
4 入出力インターフェース部
110 入力装置
120 出力装置
200 ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10