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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059319
(43)【公開日】2024-05-01
(54)【発明の名称】船外機および船舶
(51)【国際特許分類】
   F02D 41/30 20060101AFI20240423BHJP
   B63H 21/21 20060101ALI20240423BHJP
   B63H 20/00 20060101ALI20240423BHJP
   B63H 21/14 20060101ALI20240423BHJP
   F02M 51/00 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
F02D41/30
B63H21/21
B63H20/00 510
B63H20/00 803
B63H21/14
F02M51/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022166931
(22)【出願日】2022-10-18
(71)【出願人】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】加藤 陽介
(72)【発明者】
【氏名】大石 真也
(72)【発明者】
【氏名】野中 正志
(72)【発明者】
【氏名】青柳 慎太郎
【テーマコード(参考)】
3G066
3G301
【Fターム(参考)】
3G066AA16
3G066BA28
3G066DC09
3G066DC15
3G301JA30
3G301ND04
3G301PB01Z
3G301PE01Z
(57)【要約】
【課題】エンジンが駆動している状態において、一時貯留タンク内の燃料が気化することによって燃料タンクから一時貯留タンクに燃料を汲み上げにくくなることに起因して、一時貯留タンクへの燃料の供給不足によるユーザの意図しないエンジン回転数の低下が発生することを抑制することが可能な船外機および船舶を提供する。
【解決手段】船外機102は、エンジン1と、船体101に設けられた燃料タンク101aから燃料を船外機本体内に引き込む燃料ポンプ6cと、燃料を一時的に貯留する一時貯留タンク4と、一時貯留タンク4に貯留された燃料をエンジン1内に噴射する燃料噴射装置5と、一時貯留タンク4に設けられ、一時貯留タンク4に貯留された燃料の温度を検出する温度センサ7と、エンジン1が駆動している状態において、温度センサ7の検出結果に基づいて、エンジン回転数を所定の上限回転数R1を超えることがないように制限する制御を行う制御部8と、を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンと、
船体に設けられた燃料タンクから燃料を船外機本体内に引き込む燃料ポンプと、
前記燃料ポンプにより前記船外機本体内に引き込まれた前記燃料を一時的に貯留する一時貯留タンクと、
前記一時貯留タンクに貯留された前記燃料を前記エンジン内に噴射する燃料噴射装置と、
前記一時貯留タンクに設けられ、前記一時貯留タンクに貯留された前記燃料の温度を検出する温度センサと、
前記エンジンが駆動している状態において、前記温度センサの検出結果に基づいて、エンジン回転数を所定の上限回転数を超えることがないように制限する制御を行う制御部と、を備える、船外機。
【請求項2】
前記制御部は、前記温度センサにより検出される前記燃料の温度がしきい値温度以上である場合に、前記エンジン回転数を前記上限回転数を超えることがないように制限する制御を行うように構成されている、請求項1に記載の船外機。
【請求項3】
前記制御部は、前記しきい値温度以上の前記燃料の温度範囲において、前記燃料の温度が高くなる程、前記上限回転数を小さくする制御を行うように構成されている、請求項2に記載の船外機。
【請求項4】
前記制御部は、前記燃料の温度が前記しきい値温度よりも大きな上限温度以上である場合には、前記上限回転数を、前記燃料の温度が前記しきい値温度である場合の前記上限回転数よりも小さな一定の値を取る最小上限回転数に保持する制御を行うように構成されている、請求項3に記載の船外機。
【請求項5】
前記制御部は、前記エンジン回転数を前記上限回転数を超えることがないように制限して、少なくとも、前記温度センサにより検出される前記燃料の温度が前記しきい値温度未満になった状態で、前記エンジン回転数の前記上限回転数による制限を解除するように構成されている、請求項2に記載の船外機。
【請求項6】
前記制御部は、前記温度センサにより検出される前記燃料の温度が前記しきい値温度未満になり、かつ、前記エンジン回転数が前記上限回転数よりも小さな所定の解除回転数以下になった場合には、前記エンジン回転数の前記上限回転数による制限を解除するように構成されている、請求項5に記載の船外機。
【請求項7】
前記制御部は、前記エンジン回転数の前記上限回転数による制限を開始してから所定時間が経過した場合には、前記エンジン回転数の前記上限回転数による制限を解除するように構成されている、請求項1に記載の船外機。
【請求項8】
前記エンジン回転数の前記上限回転数による制限が開始された場合に、前記上限回転数による制限が開始されたことをユーザに通知する通知部をさらに備える、請求項1に記載の船外機。
【請求項9】
前記燃料タンクと前記一時貯留タンクとの間に配置され、手動で駆動されることにより前記燃料を前記燃料タンクから前記一時貯留タンク内に送る手動ポンプをさらに備え、
前記通知部は、前記エンジン回転数の前記上限回転数による制限が解除されずに継続される状態である場合に、前記手動ポンプを手動により駆動することをユーザに促す所定のメッセージを表示する表示部を含む、請求項8に記載の船外機。
【請求項10】
前記温度センサは、前記一時貯留タンクの外表面に接触した状態で配置され、前記外表面を介して前記燃料の温度を検出するように構成されている、請求項1に記載の船外機。
【請求項11】
前記温度センサは、前記一時貯留タンクの前記外表面に接触した状態で、前記一時貯留タンクの下部側に配置されている、請求項10に記載の船外機。
【請求項12】
前記制御部は、前記上限回転数を、約4000rpm以上約6000rpm以下の少なくとも一部を含む前記エンジン回転数の範囲により変化させる制御を行うように構成されている、請求項3に記載の船外機。
【請求項13】
船体と、
前記船体に設置された船外機と、を備え、
前記船外機は、
エンジンと、
前記船体に設けられた燃料タンクから燃料を船外機本体内に引き込む燃料ポンプと、
前記燃料ポンプにより前記船外機本体内に引き込まれた前記燃料を一時的に貯留する一時貯留タンクと、
前記一時貯留タンクに貯留された前記燃料を前記エンジン内に噴射する燃料噴射装置と、
前記一時貯留タンクに設けられ、前記一時貯留タンクに貯留された前記燃料の温度を検出する温度センサと、
前記エンジンが駆動している状態において、前記温度センサの検出結果に基づいて、エンジン回転数を所定の上限回転数を超えることがないように制限する制御を行う制御部と、を含む、船舶。
【請求項14】
前記制御部は、前記温度センサにより検出される前記燃料の温度がしきい値温度以上である場合に、前記エンジン回転数を前記上限回転数を超えることがないように制限する制御を行うように構成されている、請求項13に記載の船舶。
【請求項15】
前記制御部は、前記しきい値温度以上の前記燃料の温度範囲において、前記燃料の温度が高くなる程、前記上限回転数を小さくする制御を行うように構成されている、請求項14に記載の船舶。
【請求項16】
前記制御部は、前記燃料の温度が前記しきい値温度よりも大きな上限温度以上である場合には、前記上限回転数を、前記燃料の温度が前記しきい値温度である場合の前記上限回転数よりも小さな一定の値を取る最小上限回転数に保持する制御を行うように構成されている、請求項15に記載の船舶。
【請求項17】
前記制御部は、前記エンジン回転数を前記上限回転数を超えることがないように制限して、少なくとも、前記温度センサにより検出される前記燃料の温度が前記しきい値温度未満になった状態で、前記エンジン回転数の前記上限回転数による制限を解除するように構成されている、請求項14に記載の船舶。
【請求項18】
前記制御部は、前記温度センサにより検出される前記燃料の温度が前記しきい値温度未満になり、かつ、前記エンジン回転数が前記上限回転数よりも小さな所定の解除回転数以下になった場合には、前記エンジン回転数の前記上限回転数による制限を解除するように構成されている、請求項17に記載の船舶。
【請求項19】
前記制御部は、前記エンジン回転数の前記上限回転数による制限を開始してから所定時間が経過した場合には、前記エンジン回転数の前記上限回転数による制限を解除するように構成されている、請求項13に記載の船舶。
【請求項20】
前記船外機は、前記エンジン回転数の前記上限回転数による制限が開始された場合に、前記上限回転数による制限が開始されたことをユーザに通知する通知部をさらに含む、請求項13に記載の船舶。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、船外機および船舶に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、燃料噴射装置に接続された一時貯留タンクを備える船外機および船舶が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
上記特許文献1には、船体に設けられる燃料タンクから燃料を汲み上げる低圧燃料ポンプと、エンジン近傍に設けられた一時貯留タンクと、一時貯留タンクに設けられた温度センサおよび高圧燃料ポンプとを備える船外機が開示されている。一時貯留タンクは、低圧燃料ポンプにより燃料タンクから燃料が供給され、高圧燃料ポンプにより噴射ノズルに燃料を送るように構成されている。温度センサは、一時貯留タンク内の燃料の温度を検出するように構成されている。
【0004】
また、船外機は、エンジン停止中の温度センサの検出値に基づいて、エンジンの始動時に高圧燃料ポンプの駆動を制御する制御部をさらに備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001-132573号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、上記特許文献1には明記されていないが、従来より船外機の分野では、エンジンが駆動している間において、エンジンの温度上昇に起因して、一時貯留タンクの燃料が過度に温度上昇して、一時貯留タンク内の燃料が気化することが知られている。このような場合、一時貯留タンク内の圧力が上昇して、燃料タンクから一時貯留タンクに燃料を汲み上げにくくなる。すなわち、いわゆるベーパーロックが発生する。その結果、燃料の供給不足に伴うユーザの意図しないエンジン回転数の低下が発生することがある。上記特許文献1の船外機においてこのような課題について考えた場合、制御部は、エンジンが駆動している間ではなくエンジンを始動する際の高圧燃料ポンプの駆動を制御するものであり、上記のようなエンジンが駆動している状態での課題は解決されない。このため、上記特許文献1の船外機においても、一時貯留タンク内の燃料の温度が上昇した場合、燃料タンクから一時貯留タンクに燃料を汲み上げにくくなり、燃料の供給不足によるユーザの意図しないエンジン回転数の低下が発生するという懸念があり、改善が必要である。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、エンジンが駆動している状態において、一時貯留タンク内の燃料が気化することによって燃料タンクから一時貯留タンクに燃料を汲み上げにくくなることに起因して、一時貯留タンクへの燃料の供給不足によるユーザの意図しないエンジン回転数の低下が発生することを抑制することが可能な船外機および船舶を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、この発明の第1の局面による船外機は、エンジンと、船体に設けられた燃料タンクから燃料を船外機本体内に引き込む燃料ポンプと、燃料ポンプにより船外機本体内に引き込まれた燃料を一時的に貯留する一時貯留タンクと、一時貯留タンクに貯留された燃料をエンジン内に噴射する燃料噴射装置と、一時貯留タンクに設けられ、一時貯留タンクに貯留された燃料の温度を検出する温度センサと、エンジンが駆動している状態において、温度センサの検出結果に基づいて、エンジン回転数を所定の上限回転数を超えることがないように制限する制御を行う制御部と、を備える。
【0009】
この第1の局面による船外機では、上記のように、エンジンが駆動している状態において、一時貯留タンクに貯留された燃料の温度を検出する温度センサの検出結果に基づいて、エンジン回転数を所定の上限回転数を超えることがないように制限する制御を行う制御部を備える。これによって、温度センサにより検出される一時貯留タンクの燃料の温度に基づいて、エンジン回転数が所定の上限回転数に制限することができるので、エンジンの温度が過度に上昇しないようにすることができる。これにより、エンジンの過度の温度上昇に起因して一時貯留タンクの燃料が気化する温度にならないようにすることができる。また、エンジン回転数を所定の上限回転数を超えることがないように制限することによって、エンジンでの燃料の消費量を低減して一時貯留タンク内の燃料がすべて消費されるまでの時間を長く確保することができる。その結果、確保された時間の間に燃料タンクから燃料を汲み上げて一時貯留タンク内の温度上昇した燃料に混ぜ合わせることによって、一時貯留タンク内の燃料の温度を効果的に低下させることができる。これらの結果、エンジンが駆動している状態において、一時貯留タンク内の燃料が気化することによって燃料タンクから一時貯留タンクに燃料を汲み上げにくくなること(いわゆるベーパーロック)に起因して、一時貯留タンクへの燃料の供給不足によるユーザの意図しないエンジン回転数の低下が発生することを抑制することができる。
【0010】
上記第1の局面による船外機において、好ましくは、制御部は、温度センサにより検出される燃料の温度がしきい値温度以上である場合に、エンジン回転数を上限回転数を超えることがないように制限する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、一時貯留タンク内の燃料の温度にしきい値温度が設けられるので、一時貯留タンク内の燃料の温度上昇をより抑制して、一時貯留タンク内の燃料が気化することによって燃料タンクから一時貯留タンクに燃料を汲み上げにくくなること(いわゆるベーパーロックが発生すること)をより抑制することができる。
【0011】
この場合、好ましくは、制御部は、しきい値温度以上の燃料の温度範囲において、燃料の温度が高くなる程、上限回転数を小さくする制御を行うように構成されている。このように構成すれば、燃料の温度がしきい値温度以上のより高い温度である程、エンジン回転数をより小さく制限することができるので、エンジンの過度な温度上昇をより効果的に抑制して一時貯留タンク内の燃料の温度をより効果的に低下させることができる。
【0012】
上記制御部が燃料の温度が高くなる程上限回転数を小さくする制御を行う構成において、好ましくは、制御部は、燃料の温度がしきい値温度よりも大きな上限温度以上である場合には、上限回転数を、燃料の温度がしきい値温度である場合の上限回転数よりも小さな一定の値を取る最小上限回転数に保持する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、一時貯留タンク内の燃料の温度がしきい値温度よりも大きな上限温度以上でさらに大きくなったとしても、上昇させることが可能なエンジン回転数の最大値を最小上限回転数に保持することができる。その結果、一時貯留タンク内の燃料の温度が上限温度以上である場合において、制限されるエンジン回転数の最大値が小さくなりすぎることを回避することができる。
【0013】
上記制御部がエンジン回転数を上限回転数を超えることがないように制限する制御を行う構成において、好ましくは、制御部は、エンジン回転数を上限回転数を超えることがないように制限して、少なくとも、温度センサにより検出される燃料の温度がしきい値温度未満になった状態で、エンジン回転数の上限回転数による制限を解除するように構成されている。このように構成すれば、少なくとも、温度センサにより検出される燃料の温度がしきい値温度未満まで低下した状態で、エンジン回転数の上限回転数による制限を解除することができる。このため、一時貯留タンク内の燃料が気化しにくい状態(いわゆるベーパーロックが発生しにくい状態)で、エンジン回転数の上限回転数による制限を解除することができる。
【0014】
この場合、好ましくは、制御部は、温度センサにより検出される燃料の温度がしきい値温度未満になり、かつ、エンジン回転数が上限回転数よりも小さな所定の解除回転数以下になった場合には、エンジン回転数の上限回転数による制限を解除するように構成されている。このように構成すれば、比較的大きなエンジン回転数の状態で、エンジン回転数の上限回転数による制限が解除されることがなくなるので、エンジン回転数の上限回転数による制限の解除後に、即座に、温度センサにより検出される燃料の温度がしきい値温度を超えて再びエンジン回転数の上限回転数による制限が実行されることを抑制することができる。
【0015】
上記第1の局面による船外機において、好ましくは、制御部は、エンジン回転数の上限回転数による制限を開始してから所定時間が経過した場合には、エンジン回転数の上限回転数による制限を解除するように構成されている。このように構成すれば、上限回転数を超えない比較的小さなエンジン回転数の状態で所定時間経過することによって、温度センサにより検出される燃料の温度を低下させた状態で、エンジン回転数の上限回転数による制限を解除することができる。
【0016】
上記第1の局面による船外機において、好ましくは、エンジン回転数の上限回転数による制限が開始された場合に、上限回転数による制限が開始されたことをユーザに通知する通知部をさらに備える。このように構成すれば、エンジン回転数の上限回転数による制限が開始されたことをユーザが容易に把握することができる。
【0017】
この場合、好ましくは、燃料タンクと一時貯留タンクとの間に配置され、手動で駆動されることにより燃料を燃料タンクから一時貯留タンク内に送る手動ポンプをさらに備え、通知部は、エンジン回転数の上限回転数による制限が解除されずに継続される状態である場合に、手動ポンプを手動により駆動することをユーザに促す所定のメッセージを表示する表示部を含む。このように構成すれば、表示部の所定のメッセージによりエンジン回転数の上限回転数による制限が解除されない状態であることをユーザが視覚的に容易に把握することができるとともに、手動ポンプにより手動で燃料タンクから一時貯留タンク内に送ることによって、一時貯留タンク内の燃料の温度を下げることができる。
【0018】
上記第1の局面による船外機において、好ましくは、温度センサは、一時貯留タンクの外表面に接触した状態で配置され、外表面を介して燃料の温度を検出するように構成されている。このように構成すれば、温度センサを直接燃料に接触させることなく、燃料の温度を検出することができるので、温度センサに燃料内の異物などが付着して検出精度が低下することを防ぐことができる。
【0019】
この場合、好ましくは、温度センサは、一時貯留タンクの外表面に接触した状態で、一時貯留タンクの下部側に配置されている。このように構成すれば、一時貯留タンクの下部側に配置され温度センサにより、一時貯留タンク内の燃料が少ない状態でも、燃料の温度を精度よく検出することができる。
【0020】
上記制御部が燃料の温度が高くなる程上限回転数を小さくする制御を行う構成において、好ましくは、制御部は、上限回転数を、約4000rpm以上約6000rpm以下の少なくとも一部を含むエンジン回転数の範囲により変化させる制御を行うように構成されている。このように構成すれば、約4000rpm以上約6000rpm以下の少なくとも一部を含む上限回転数を超えることがないように、エンジン回転数を制限することによって、一時貯留タンク内の燃料が気化することによって燃料タンクから一時貯留タンクに燃料を汲み上げにくくなり、一時貯留タンクへの燃料の供給不足(いわゆるべーパーロック)によるユーザの意図しないエンジン回転数の低下が発生することを抑制することができる。
【0021】
この発明の第2の局面による船舶は、船体と、船体に設置された船外機と、を備え、船外機は、エンジンと、船体に設けられた燃料タンクから燃料を船外機本体内に引き込む燃料ポンプと、燃料ポンプにより船外機本体内に引き込まれた燃料を一時的に貯留する一時貯留タンクと、一時貯留タンクに貯留された燃料をエンジン内に噴射する燃料噴射装置と、一時貯留タンクに設けられ、一時貯留タンクに貯留された燃料の温度を検出する温度センサと、エンジンが駆動している状態において、温度センサの検出結果に基づいて、エンジン回転数を所定の上限回転数を超えることがないように制限する制御を行う制御部と、を含む。
【0022】
この第2の局面による船舶では、上記のように、エンジンが駆動している状態において、一時貯留タンクに貯留された燃料の温度を検出する温度センサの検出結果に基づいて、エンジン回転数を所定の上限回転数を超えることがないように制限する制御を行う制御部を備える。これによって、温度センサにより検出される一時貯留タンクの燃料の温度に基づいて、エンジン回転数が所定の上限回転数に制限することができるので、エンジンの温度が過度に上昇しないようにすることができる。これにより、エンジンの過度の温度上昇に起因して一時貯留タンクの燃料が気化する温度にならないようにすることができる。また、エンジン回転数を所定の上限回転数を超えることがないように制限することによって、エンジンでの燃料の消費量を低減して一時貯留タンク内の燃料がすべて消費されるまでの時間を長く確保することができる。その結果、確保された時間の間に燃料タンクから燃料を汲み上げて一時貯留タンク内の温度上昇した燃料に混ぜ合わせることによって、一時貯留タンク内の燃料の温度を効果的に低下させることができる。これらの結果、エンジンが駆動している状態において、一時貯留タンク内の燃料が気化することによって燃料タンクから一時貯留タンクに燃料を汲み上げにくくなること(いわゆるベーパーロック)に起因して、一時貯留タンクへの燃料の供給不足によるユーザの意図しないエンジン回転数の低下が発生することを抑制することができる。
【0023】
上記第2の局面による船舶において、好ましくは、制御部は、温度センサにより検出される燃料の温度がしきい値温度以上である場合に、エンジン回転数を上限回転数を超えることがないように制限する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、一時貯留タンク内の燃料の温度にしきい値温度が設けられるので、一時貯留タンク内の燃料の温度上昇をより抑制して、一時貯留タンク内の燃料が気化することによって燃料タンクから一時貯留タンクに燃料を汲み上げにくくなること(いわゆるベーパーロックが発生すること)をより抑制することができる。
【0024】
この場合、好ましくは、制御部は、しきい値温度以上の燃料の温度範囲において、燃料の温度が高くなる程、上限回転数を小さくする制御を行うように構成されている。このように構成すれば、燃料の温度がしきい値温度以上のより高い温度である程、エンジン回転数をより小さく制限することができるので、エンジンの過度な温度上昇をより効果的に抑制して一時貯留タンク内の燃料の温度をより効果的に低下させることができる。
【0025】
上記制御部が燃料の温度が高くなる程上限回転数を小さくする制御を行う構成において、好ましくは、制御部は、燃料の温度がしきい値温度よりも大きな上限温度以上である場合には、上限回転数を、燃料の温度がしきい値温度である場合の上限回転数よりも小さな一定の値を取る最小上限回転数に保持する制御を行うように構成されている。このように構成すれば、一時貯留タンク内の燃料の温度がしきい値温度よりも大きな上限温度以上でさらに大きくなったとしても、上昇させることが可能なエンジン回転数の最大値を最小上限回転数に保持することができる。その結果、一時貯留タンク内の燃料の温度が上限温度以上である場合において、制限されるエンジン回転数の最大値が小さくなりすぎることを回避することができる。
【0026】
上記制御部がエンジン回転数を上限回転数を超えることがないように制限する制御を行う構成において、好ましくは、制御部は、エンジン回転数を上限回転数を超えることがないように制限して、少なくとも、温度センサにより検出される燃料の温度がしきい値温度未満になった状態で、エンジン回転数の上限回転数による制限を解除するように構成されている。このように構成すれば、少なくとも、温度センサにより検出される燃料の温度がしきい値温度未満まで低下した状態で、エンジン回転数の上限回転数による制限を解除することができる。このため、一時貯留タンク内の燃料が気化しにくい状態(いわゆるベーパーロックが発生しにくい状態)で、エンジン回転数の上限回転数による制限を解除することができる。
【0027】
この場合、好ましくは、制御部は、温度センサにより検出される燃料の温度がしきい値温度未満になり、かつ、エンジン回転数が上限回転数よりも小さな所定の解除回転数以下になった場合には、エンジン回転数の上限回転数による制限を解除するように構成されている。このように構成すれば、上限回転数を超えない比較的小さなエンジン回転数の状態で所定時間経過することによって、温度センサにより検出される燃料の温度を低下させた状態で、エンジン回転数の上限回転数による制限を解除することができる。
【0028】
上記第2の局面による船舶において、好ましくは、制御部は、エンジン回転数の上限回転数による制限を開始してから所定時間が経過した場合には、エンジン回転数の上限回転数による制限を解除するように構成されている。このように構成すれば、温度センサにより検出される燃料の温度がしきい値温度以上である状態が解消されない場合に、制限を開始してからの時間を考慮して、エンジン回転数の上限回転数による制限を解除することができる。
【0029】
この場合、好ましくは、船外機は、エンジン回転数の上限回転数による制限が開始された場合に、上限回転数による制限が開始されたことをユーザに通知する通知部をさらに含む。このように構成すれば、表示部の所定のメッセージによりエンジン回転数の上限回転数による制限が解除されない状態であることをユーザが視覚的に容易に把握することができるとともに、手動ポンプにより手動で燃料タンクから一時貯留タンク内に送ることによって、一時貯留タンク内の燃料の温度を下げることができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、上記のように、エンジンが駆動している状態において、一時貯留タンク内の燃料が気化することによって燃料タンクから一時貯留タンクに燃料を汲み上げにくくなることに起因して、一時貯留タンクへの燃料の供給不足によるユーザの意図しないエンジン回転数の低下が発生することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】実施形態による船外機を備える船舶を示した斜視図である。
図2】実施形態による船体および船外機を示した側面図である。
図3】実施形態による船外機の燃料供給システムを示した構成図である。
図4】実施形態による船外機の通知部の表示部に表示されるメッセージについて説明するための図である。
図5】実施形態による船外機の制御部により制御されるエンジン回転数と温度センサの検出値との関係(エンジン回転数制御マップ)について説明するためのグラフである。
図6】実施形態による船外機の制御部が実行するエンジン回転数に上限回転数を設ける制御処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0033】
[実施形態]
(船舶の構成)
図1図6を参照して、実施形態による船外機102を備えた船舶100の構成について説明する。
【0034】
なお、図中のFWDは船舶100の前進方向を示している。図中のBWDは船舶100の後進方向を示している。図中のRは船舶100の右舷(スターボード)方向を示している。図中のLは船舶100の左舷(ポートサイド)方向を示している。
【0035】
船舶100は、船体101と、船外機102とを備えている。船外機102は、ブラケットを介して船体101の船尾(トランサム)に設置されている。
【0036】
船舶100には、燃料タンク101aが設けられている。一例ではあるが、燃料タンク101aは、船体101の船底に配置されている。
【0037】
ここで、一般的に、船舶では、エンジン回転数が上昇した際に、船外機のエンジンの側面に取り付けられた一時貯留タンク(ベーパーセパレータタンク)内の燃料の温度が上昇する。そして、船舶では、一時貯留タンク内の燃料の温度上昇に伴い、一時貯留タンク内などで燃料が気化することに起因して、燃料を燃料タンクから吸い上げにくくなること(いわゆるベーパーロックが発生すること)がある。結果として、船舶では、燃料の供給不足が発生することになり、ユーザの意図しないエンジン回転数の低下が発生することになる。
【0038】
そこで、図1および図2に示す本実施形態の船舶100(船外機102の制御部8)は、一時貯留タンク4の燃料の所定の温度上昇を温度センサ7により検出した場合には、ユーザの意図しないエンジン回転数の低下を抑制するための制御を行うように構成されている。詳細については後述する。
【0039】
(船外機の構成)
図1図3に示すように、船外機102は、燃料供給システム103を備えている。燃料供給システム103は、船体101に設けられた燃料タンク101aから燃料を汲み上げてエンジン1内に供給するように構成されている。燃料供給システム103の詳細については後述する。
【0040】
また、船外機102は、エンジン1と、カウル21aと、アッパーケース21bと、ロワーケース21cとを備えている。また、船外機102は、エンジン1の駆動力を伝達するドライブシャフト22と、プロペラ23aが設けられたプロペラシャフト23と、ウォーターポンプW1とを備えている。
【0041】
エンジン1は、カウル21aの内部に配置されている。エンジン1の側面には、一時貯留タンク4が取り付けられている。したがって、一時貯留タンク4は、エンジン1の熱によって温度上昇しやすい位置に配置されている。
【0042】
エンジン1は、スロットルバルブ10aが設けられた吸気通路10と、吸気通路10から燃料、空気の混合気が供給されるシリンダ11と、エンジン回転数を検出する回転数センサ12とを含んでいる。一例ではあるが、回転数センサ12は、クランクシャフトの回転角を検出するセンサにより構成されている。ロワーケース21cの内部には、シフトを切り替えるギヤユニット24およびプロペラシャフト23などが配置されている。
【0043】
ウォーターポンプW1は、船体101の外部から水を汲み上げて、冷却水通路W3を介して、エンジン1および一時貯留タンク4などの冷却対象に水を供給するように構成されている。
【0044】
(船外機の燃料供給システムの構成)
図3に示す船外機102の燃料供給システム103は、燃料タンク101aからエンジン1に燃料を供給するためのシステムである。
【0045】
(燃料供給システムの上流側の燃料配管、下流側の燃料配管、一時貯留タンク、および、燃料噴射装置の構成)
船外機102の燃料供給システム103は、上流側の燃料配管3aと、下流側の燃料配管3bと、一時貯留タンク4と、燃料噴射装置5とを備えている。
【0046】
上流側の燃料配管3aは、一時貯留タンク4と燃料タンク101aとを接続している。下流側の燃料配管3bは、一時貯留タンク4と燃料噴射装置5とを接続している。一時貯留タンク4は、低圧燃料ポンプ6cにより船外機本体内に引き込まれた燃料を一時的に貯留するように構成されている。
【0047】
燃料は、燃料タンク101a、上流側の燃料配管3a、一時貯留タンク4、下流側の燃料配管3b、燃料噴射装置5、エンジン1の順に、上流側から下流側に向けて流れる。
【0048】
燃料噴射装置5は、一時貯留タンク4に貯留された燃料をエンジン1内に噴射するように構成されている。詳細には、燃料噴射装置5は、エンジン1の吸気通路10に燃料を噴射するように構成されている。なお、燃料噴射装置は、エンジンのシリンダ内に燃料を直接噴射するように構成されていてもよい。すなわち、燃料噴射装置は、いわゆる直噴式であってもよい。
【0049】
(燃料供給システムの手動ポンプ、水分離フィルタ、および、低圧燃料ポンプの構成)
燃料供給システム103は、手動ポンプ6aと、水分離フィルタ6bと、低圧燃料ポンプ6cとを備えている。低圧燃料ポンプ6cは、特許請求の範囲の「燃料ポンプ」の一例である。
【0050】
手動ポンプ6aは、カウル21aの外部に配置されている。手動ポンプ6aは、上流側の燃料配管3aの途中に設けられている。手動ポンプ6aは、燃料タンク101aと一時貯留タンク4との間に配置されている。手動ポンプ6aは、手動で駆動させることにより燃料を燃料タンク101aから一時貯留タンク4に送るように構成されている。一例ではあるが、手動ポンプ6aは、ユーザによって圧縮されることにより負圧を発生させる圧縮部を含み、圧縮部の負圧により燃料を引き込む方式のポンプである。
【0051】
水分離フィルタ6bは、カウル21aの内部に配置されている。水分離フィルタ6bは、上流側の燃料配管3aの途中に設けられている。水分離フィルタ6bは、燃料タンク101aと一時貯留タンク4との間に配置されている。水分離フィルタ6bは、燃料タンク101a内の燃料に含まれる水を取り除くように構成されている。
【0052】
低圧燃料ポンプ6cは、カウル21aの内部に配置されている。低圧燃料ポンプ6cは、一時貯留タンク4の外表面4aに設置されている。低圧燃料ポンプ6cは、船体101に設けられた燃料タンク101aから燃料を船外機本体(一時貯留タンク4)内に引き込むように構成されている。低圧燃料ポンプ6cは、電気駆動式のポンプである。なお、低圧燃料ポンプは、エンジンの駆動力により駆動する方式のポンプであってもよい。
【0053】
(燃料供給システムの温度センサ、制御部、および、通知部の構成)
燃料供給システム103は、温度センサ7と、制御部8と、通知部9とを備えている。
【0054】
温度センサ7は、一時貯留タンク4に設けられている。温度センサ7は、一時貯留タンク4に貯留された燃料の温度を検出するように構成されている。温度センサ7は、一時貯留タンク4(筐体40)の外表面4aに接触した状態で配置されている。温度センサ7は、外表面4aを介して燃料の温度を検出するように構成されている。また、温度センサ7は、一時貯留タンク4の外表面4aに接触した状態で、一時貯留タンク4の下部側に配置されている。
【0055】
なお、本願発明者が鋭意検討した結果、船外機102の一時貯留タンク4において、外表面4aの温度と、一時貯留タンク4内の燃料の温度とが略一致することがわかった。このため、本実施形態の船外機102では、温度センサ7を燃料に直接接触させることなく、温度センサ7により一時貯留タンク4内の燃料の温度を検出することが可能である。
【0056】
制御部8は、エンジン1が駆動している状態において、温度センサ7の検出結果に基づいて、エンジン回転数を所定の上限回転数R1(図5参照)を超えることがないように制限する制御を行うように構成されている。その結果、ユーザの意図しないエンジン回転数の低下が抑制される。なお、制御部8は、エンジン回転数の調整を、スロットルバルブ10aの開度を調整することにより行う。制御部8が実行する制御内容の詳細については後述する。
【0057】
制御部8は、温度センサ7、回転数センサ12、低圧燃料ポンプ6c、一時貯留タンク4に設けられる高圧燃料ポンプ44、スロットルバルブ10aのアクチュエータ(図示せず)、および、通知部9の各々に対して、信号線により接続されている。
【0058】
制御部8は、温度センサ7から燃料の温度の検出値を取得するように構成されている。また、制御部8は、回転数センサ12からエンジン回転数の検出値を取得するように構成されている。また、制御部8は、低圧燃料ポンプ6c、高圧燃料ポンプ44、スロットルバルブ10aのアクチュエータ、および、通知部9の各々に対して、駆動を制御するための信号を送信するように構成されている。
【0059】
一例ではあるが、制御部8は、CPU(Central Processing Unit)、および、各種のプログラムが記憶されたメモリを含んでいる。制御部8は、CPUがメモリなどに記憶されたプログラムを実行することにより、各種の制御処理を実行するように構成されている。また、具体的な一例として、制御部8は、エンジンコントロールユニットとして構成されている。
【0060】
通知部9は、ランプ90と、表示部91とを含んでいる。ランプ90および表示部91は、船外機本体側に設けられていてもよいし、操船席側に設けられていてもよい。
【0061】
ランプ90は、制御部8によるエンジン回転数の上限回転数R1による制限が開始された場合に、上限回転数R1による制限が開始されたことをユーザに通知するように構成されている。具体的な一例として、ランプ90は、制御部8によるエンジン回転数の上限回転数R1による制限が開始された場合に、消灯状態から継続点灯状態または点滅点灯状態に切り換わるように構成されている。
【0062】
表示部91は、制御部8によるエンジン回転数の上限回転数R1による制限が開始された場合に、上限回転数R1による制限が開始されたことを示す所定の表示を行うように構成されている。具体的な一例として、表示部91には、制御部8によるエンジン回転数の上限回転数R1による制限が開始された場合に、「エンジン回転数の上限をXXXrpmに制限」などのメッセージが表示される。
【0063】
また、図4に示すように、表示部91は、エンジン回転数の上限回転数R1による制限が解除されずに継続される状態である場合に、手動ポンプ6aを手動により駆動することをユーザに促す所定のメッセージ91aを表示するように構成されている。エンジン回転数の上限回転数R1による制限が解除されずに継続される状態である場合とは、エンジン回転数の上限回転数R1による制限を開始してから所定時間(たとえば200秒)が経過した場合である。詳細については後述する。
【0064】
要するに、表示部91は、制御部8により、エンジン回転数の上限回転数R1による制限が解除されない状態(低圧燃料ポンプ6cにより燃料タンク101aから燃料を吸い上げにくい状態)が比較的長く続くようであれば、手動ポンプ6aを手動により駆動することをユーザに促す所定のメッセージ91aを表示する。具体的な一例として、表示部91には、所定のメッセージ91aとして「エンジン回転数の制限が解除されません。手動ポンプを操作してください。」というポップアップが表示される。
【0065】
(燃料供給システムの一時貯留タンクの詳細な構成)
図3に示す一時貯留タンク4は、上記の通り、エンジン1の側面に取り付けられている。一時貯留タンク4は、筐体40と、燃料が循環する環状配管41と、燃料室42と、燃料室42内に配置されるフロート弁43および高圧燃料ポンプ44とを含んでいる。
【0066】
筐体40の外表面4aには、温度センサ7が外表面4aに接触した状態で配置されている。詳細には、筐体40は、燃料室42を形成する内壁の一部分である下方側の外表面4aに、温度センサ7が接触した状態で配置されている。すなわち、温度センサ7は、燃料室42を形成する壁(下方側の外表面4a)を隔てて、燃料室42内の燃料に向かい合う位置に配置されている。
【0067】
筐体40には、燃料クーラW2が設けられている。燃料クーラW2は、冷却水通路W3が接続されており、ウォーターポンプW1から冷却用の水が供給されるように構成されている。燃料クーラW2は、筐体40内において、水を流通および一時的に貯留するジャケットである。
【0068】
環状配管41は、低圧燃料ポンプ6cに接続されており、一時貯留タンク4において最初に燃料が導入される部分である。
【0069】
フロート弁43は、燃料室42内に貯留される燃料の最大量を規定するように構成されている。詳細には、フロート弁43は、燃料室42内の燃料が所定の最大量に到達した場合に閉状態になり、環状配管41と燃料室42との接続を遮断するように構成されている。その結果、燃料は、環状配管41から燃料室42に流入することができなくなる。この場合、低圧燃料ポンプ6cにより燃料タンク101aから引き込まれた燃料は、燃料室42に流入することなく、環状配管41を循環する。
【0070】
また、フロート弁43は、燃料室42内の燃料が所定の最大量未満の場合に開状態になり、環状配管41と燃料室42とを接続して、環状配管41から燃料室42への燃料の流入を許容するように構成されている。
【0071】
高圧燃料ポンプ44は、燃料室42内で燃料に浸された状態で配置されている。高圧燃料ポンプ44は、異物フィルタ44aを介して燃料を吸い込み、下流側の燃料配管3bを介して、燃料噴射装置5に向けて燃料を圧送するように構成されている。
【0072】
下流側の燃料配管3bには、プレッシャーレギュレータ45が設けられている。プレッシャーレギュレータ45は、高圧燃料ポンプ44から圧送される燃料の一部を燃料室42に返送することにより、燃料噴射装置5から噴射される燃料の圧力を調整するように構成されている。
【0073】
(燃料供給システムの制御部の詳細な構成)
図5を参照して、制御部8が実行するエンジン回転数を上限回転数R1により制限する制御について説明する。
【0074】
制御部8は、温度センサ7により検出される燃料の温度がしきい値温度T1以上である場合に、エンジン回転数を上限回転数R1を超えることがないように制限する制御を行うように構成されている。一例ではあるが、本実施形態では、しきい値温度T1は、60℃である。また、しきい値温度T1が60℃の場合の上限回転数R1は、6000rpmである。
【0075】
すなわち、制御部8は、温度センサ7により検出される一時貯留タンク4の温度が上記のいわゆるベーパーロック現象が発生する可能性が高い温度であると判断した場合に、一時貯留タンク4の温度を下げるために、エンジン回転数を上限回転数R1を超えることがないように制限する制御を行うように構成されている。
【0076】
この場合に、制御部8は、しきい値温度T1以上の燃料の温度範囲において、燃料の温度が高くなる程、上限回転数R1を小さくする制御を行うように構成されている。
【0077】
この際、制御部8は、上限回転数R1を、約4000rpm以上約6000rpm以下の少なくとも一部を含むエンジン回転数の範囲により変化させる制御を行うように構成されている。
【0078】
具体的な一例として、温度センサ7により検出される一時貯留タンク4の温度が、しきい値温度T1である60℃から63℃になった場合、制御部8は、上限回転数R1を6000rpmから5000rpmに変化させる制御を行う。温度センサ7により検出される一時貯留タンク4の温度が60℃から63℃の間の温度範囲では、制御部8は、上限回転数R1を温度に比例するように変化させる。
【0079】
さらに、温度センサ7により検出される一時貯留タンク4の温度が、しきい値温度T1よりも大きな63℃から65℃になった場合、制御部8は、上限回転数R1を5000rpmから4000rpmに変化させる制御を行う。温度センサ7により検出される一時貯留タンク4の温度が63℃から65℃の間の温度範囲では、制御部8は、上限回転数R1を温度に比例するように変化させる。
【0080】
そして、制御部8は、燃料の温度がしきい値温度T1よりも大きな上限温度T2以上である場合には、上限回転数R1を、燃料の温度がしきい値温度T1である場合の上限回転数R1よりも小さな一定の値を取る最小上限回転数R2に保持する制御を行うように構成されている。
【0081】
一例ではあるが、本実施形態では、上限温度T2は、65℃である。また、最小上限回転数R2は、4000rpmである。要するに、制御部8は、燃料の温度が65℃以上である場合に、最も厳しい一律のエンジン回転数の制限を課すように構成されている。
【0082】
次に、制御部8が実行するエンジン回転数の上限回転数R1による制限を解除する制御について説明する。
【0083】
制御部8は、エンジン回転数を上限回転数R1を超えることがないように制限して、少なくとも、温度センサ7により検出される燃料の温度がしきい値温度T1未満になった状態で、エンジン回転数の上限回転数R1による制限を解除するように構成されている。
【0084】
詳細には、制御部8は、温度センサ7により検出される燃料の温度がしきい値温度T1未満になり、かつ、エンジン回転数が上限回転数R1よりも小さな所定の解除回転数以下になった場合には、エンジン回転数の上限回転数R1による制限を解除するように構成されている。一例ではあるが、本実施形態では、解除回転数は、600rpmである。
【0085】
この他に、エンジン回転数の上限回転数R1による制限を解除する場合として次のようなケースがある。制御部8は、エンジン回転数の上限回転数R1による制限を開始してから所定時間が経過した場合には、エンジン回転数の上限回転数R1による制限を解除するように構成されている。一例ではあるが、本実施形態では、上記の所定時間は、200秒である。
【0086】
(制御部が実行する制御処理のフロー)
次に、図6を参照して、制御部8が実行する制御処理のフローについて説明する。
【0087】
まず、ステップS1において、温度センサ7により検出される燃料の温度がしきい値温度T1以上であるか否かを判断する。温度センサ7により検出される燃料の温度がしきい値温度T1以上であると判断した場合にはステップS2に進む。温度センサ7により検出される燃料の温度がしきい値温度T1未満であると判断した場合にはステップS1の判断を繰り返す。
【0088】
次に、ステップS2において、エンジン回転数に上限回転数R1を設ける。すなわち、上限回転数R1を超えるエンジン回転数になるようなスロットルレバー(図示せず)に対する操作を無効化して、スロットルバルブ10aの開度を所定の開度以上にならないように制限する。この場合、通知部9のランプ90は、点灯して、ユーザに対してエンジン回転数が上限回転数R1以上にならないことを通知する。
【0089】
なお、船外機102は、エンジン回転数に上限回転数R1が設けられている間において、一時貯留タンク4内の燃料に対して燃料タンク101aから汲み上げた燃料を加えて混ぜ合わせることにより、一時貯留タンク4内の燃料の温度を低下させるように構成されている。
【0090】
次に、ステップS3において、温度センサ7により検出される燃料の温度がしきい値温度T1未満であるか否かを判断する。要するに、エンジン回転数に上限回転数R1を設けている間に、一時貯留タンク4内の燃料の温度が低下したか否かが判断される。温度センサ7により検出される燃料の温度がしきい値温度T1未満であると判断した場合にはステップS4に進む。温度センサ7により検出される燃料の温度がしきい値温度T1以上であると判断した場合にはステップS3の判断を繰り返す。
【0091】
次に、ステップS4において、エンジン回転数が解除回転数以下であるか否かを判断する。エンジン回転数が解除回転数以下であると判断した場合にはステップS5に進む。エンジン回転数が解除回転数よりも大きいと判断した場合にはステップS3に戻る。
【0092】
次に、ステップS5において、エンジン回転数の上限回転数R1を解除する。この場合、通知部9のランプ90は、消灯する。なお、上記ステップS3~5を経ることなく、上記のように、エンジン回転数の上限回転数R1による制限を開始してから所定時間が経過することによっても、制御部8は、エンジン回転数の上限回転数R1を解除する。
【0093】
(本実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0094】
本実施形態では、上記のように、エンジン1が駆動している状態において、一時貯留タンク4に貯留された燃料の温度を検出する温度センサ7の検出結果に基づいて、エンジン回転数を所定の上限回転数R1を超えることがないように制限する制御を行う制御部8を備える。これによって、温度センサ7により検出される一時貯留タンク4の燃料の温度に基づいて、エンジン回転数が所定の上限回転数R1に制限することができるので、エンジン1の温度が過度に上昇しないようにすることができる。これにより、エンジン1の過度の温度上昇に起因して一時貯留タンク4の燃料が気化する温度にならないようにすることができる。また、エンジン回転数を所定の上限回転数R1を超えることがないように制限することによって、エンジン1での燃料の消費量を低減して一時貯留タンク4内の燃料がすべて消費されるまでの時間を長く確保することができる。その結果、確保された時間の間に燃料タンク101aから燃料を汲み上げて一時貯留タンク4内の温度上昇した燃料に混ぜ合わせることによって、一時貯留タンク4内の燃料の温度を効果的に低下させることができる。これらの結果、エンジン1が駆動している状態において、一時貯留タンク4内の燃料が気化することによって燃料タンク101aから一時貯留タンク4に燃料を汲み上げにくくなること(いわゆるベーパーロック)に起因して、一時貯留タンク4への燃料の供給不足によるユーザの意図しないエンジン回転数の低下が発生することを抑制することができる。
【0095】
本実施形態では、上記のように、制御部8は、温度センサ7により検出される燃料の温度がしきい値温度T1以上である場合に、エンジン回転数を上限回転数R1を超えることがないように制限する制御を行うように構成されている。これによって、一時貯留タンク4内の燃料の温度にしきい値温度T1が設けられるので、一時貯留タンク4内の燃料の温度上昇をより抑制して、一時貯留タンク4内の燃料が気化することによって燃料タンク101aから一時貯留タンク4に燃料を汲み上げにくくなること(いわゆるベーパーロックが発生すること)をより抑制することができる。
【0096】
本実施形態では、上記のように、制御部8は、しきい値温度T1以上の燃料の温度範囲において、燃料の温度が高くなる程、上限回転数R1を小さくする制御を行うように構成されている。これによって、燃料の温度がしきい値温度T1以上のより高い温度である程、エンジン回転数をより小さく制限することができるので、エンジン1の過度な温度上昇をより効果的に抑制して一時貯留タンク4内の燃料の温度をより効果的に低下させることができる。
【0097】
本実施形態では、上記のように、制御部8は、燃料の温度がしきい値温度T1よりも大きな上限温度T2以上である場合には、上限回転数R1を、燃料の温度がしきい値温度T1である場合の上限回転数R1よりも小さな一定の値を取る最小上限回転数R2に保持する制御を行うように構成されている。これによって、一時貯留タンク4内の燃料の温度がしきい値温度T1よりも大きな上限温度T2以上でさらに大きくなったとしても、上昇させることが可能なエンジン回転数の最大値を最小上限回転数R2に保持することができる。その結果、一時貯留タンク4内の燃料の温度が上限温度T2以上である場合において、制限されるエンジン回転数の最大値が小さくなりすぎることを回避することができる。
【0098】
本実施形態では、上記のように、制御部8は、エンジン回転数を上限回転数R1を超えることがないように制限して、少なくとも、温度センサ7により検出される燃料の温度がしきい値温度T1未満になった状態で、エンジン回転数の上限回転数R1による制限を解除するように構成されている。これによって、少なくとも、温度センサ7により検出される燃料の温度がしきい値温度T1未満まで低下した状態で、エンジン回転数の上限回転数R1による制限を解除することができる。このため、一時貯留タンク4内の燃料が気化しにくい状態(いわゆるベーパーロックが発生しにくい状態)で、エンジン回転数の上限回転数R1による制限を解除することができる。
【0099】
本実施形態では、上記のように、制御部8は、温度センサ7により検出される燃料の温度がしきい値温度T1未満になり、かつ、エンジン回転数が上限回転数R1よりも小さな所定の解除回転数以下になった場合には、エンジン回転数の上限回転数R1による制限を解除するように構成されている。これによって、比較的大きなエンジン回転数の状態で、エンジン回転数の上限回転数R1による制限が解除されることがなくなるので、エンジン回転数の上限回転数R1による制限の解除後に、即座に、温度センサ7により検出される燃料の温度がしきい値温度T1を超えて再びエンジン回転数の上限回転数R1による制限が実行されることを抑制することができる。
【0100】
本実施形態では、上記のように、制御部8は、エンジン回転数の上限回転数R1による制限を開始してから所定時間が経過した場合には、エンジン回転数の上限回転数R1による制限を解除するように構成されている。これによって、上限回転数R1を超えない比較的小さなエンジン回転数の状態で所定時間経過することによって、温度センサ7により検出される燃料の温度を低下させた状態で、エンジン回転数の上限回転数R1による制限を解除することができる。
【0101】
本実施形態では、上記のように、エンジン回転数の上限回転数R1による制限が開始された場合に、上限回転数R1による制限が開始されたことをユーザに通知する通知部9をさらに備える。これによって、エンジン回転数の上限回転数R1による制限が開始されたことをユーザが容易に把握することができる。
【0102】
本実施形態では、上記のように、燃料タンク101aと一時貯留タンク4との間に配置され、手動で駆動されることにより燃料を燃料タンク101aから一時貯留タンク4内に送る手動ポンプ6aをさらに備え、通知部9は、エンジン回転数の上限回転数R1による制限が解除されずに継続される状態である場合に、手動ポンプ6aを手動により駆動することをユーザに促す所定のメッセージ91aを表示する表示部91を含む。これによって、表示部91の所定のメッセージ91aによりエンジン回転数の上限回転数R1による制限が解除されない状態であることをユーザが視覚的に容易に把握することができるとともに、手動ポンプ6aにより手動で燃料タンク101aから一時貯留タンク4内に送ることによって、一時貯留タンク4内の燃料の温度を下げることができる。
【0103】
本実施形態では、上記のように、温度センサ7は、一時貯留タンク4の外表面4aに接触した状態で配置され、外表面4aを介して燃料の温度を検出するように構成されている。これによって、温度センサ7を直接燃料に接触させることなく、燃料の温度を検出することができるので、温度センサ7に燃料内の異物などが付着して検出精度が低下することを防ぐことができる。
【0104】
本実施形態では、上記のように、温度センサ7は、一時貯留タンク4の外表面4aに接触した状態で、一時貯留タンク4の下部側に配置されている。これによって、一時貯留タンク4の下部側に配置された温度センサ7により、一時貯留タンク4内の燃料が少ない状態でも、燃料の温度を精度よく検出することができる。
【0105】
本実施形態では、上記のように、制御部8は、上限回転数R1を、約4000rpm以上約6000rpm以下の少なくとも一部を含むエンジン回転数の範囲により変化させる制御を行うように構成されている。これによって、約4000rpm以上約6000rpm以下の少なくとも一部を含む上限回転数R1を超えることがないように、エンジン回転数を制限することによって、一時貯留タンク4内の燃料が気化することによって燃料タンク101aから一時貯留タンク4に燃料を汲み上げにくくなり、一時貯留タンク4への燃料の供給不足(いわゆるべーパーロック)によるユーザの意図しないエンジン回転数の低下が発生することを抑制することができる。
【0106】
(変形例)
今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
【0107】
上記実施形態では、説明の便宜上、制御部の処理動作を処理フローに沿って順番に処理を行うフロー駆動型のフローチャートを用いて説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部の処理動作を、イベント単位で処理を実行するイベント駆動型(イベントドリブン型)の処理により行ってもよい。この場合、完全なイベント駆動型で行ってもよいし、イベント駆動およびフロー駆動を組み合わせて行ってもよい。
【0108】
上記実施形態では、温度センサを一時貯留タンクの外表面に接触するように、一時貯留タンクの外部に配置した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、温度センサを一時貯留タンクの内部に配置してもよい。
【0109】
上記実施形態では、温度センサを一時貯留タンクの下方側に配置した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、温度センサを一時貯留タンクの上方側に配置してもよい。
【0110】
上記実施形態では、温度センサにより検出される燃料の温度のしきい値温度を60℃とした例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、温度センサにより検出される燃料の温度のしきい値温度を60℃とは異なる温度に設定してもよい。
【0111】
上記実施形態では、エンジン回転数の上限回転数を4000rpmから6000rpmの範囲で変動させた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、エンジン回転数の上限回転数を4000rpmから6000rpmの範囲とは異なる範囲で変動させてもよい。
【0112】
上記実施形態では、エンジン回転数の情報、および、温度センサにより検出される燃料の温度の情報の両方に基づいて、制御部がエンジン回転数の上限回転数による制限を解除した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、温度センサにより検出される燃料の温度の情報のみに基づいて、制御部がエンジン回転数の上限回転数による制限を解除してもよい。
【0113】
上記実施形態では、エンジン回転数の上限回転数が変化する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、エンジン回転数の上限回転数が変化することがない一定の値であってもよい。
【0114】
上記実施形態では、エンジン回転数の前記上限回転数による制限を解除する際の解除回転数を600rpmとした例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、解除回転数を600rpmとは異なる回転数としてもよい。
【0115】
上記実施形態では、船舶が1つのみの船外機を備える例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、船舶が複数の船外機を備えていてもよい。
【0116】
上記実施形態では、船外機が、エンジンのみによってプロペラを駆動することが可能なエンジン駆動式の船外機である例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、船外機が、エンジンだけでなく、電気モータによってもプロペラを駆動することが可能なハイブリッド式の船外機であってもよい。
【0117】
上記実施形態では、通知部が、ランプおよび表示部を含む例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、通知部が、エンジン回転数の上限回転数による制限が開始された場合に、上限回転数による制限が開始されたことをユーザに通知する所定の音声を発する発音部などを含んでいてもよい。
【符号の説明】
【0118】
1 エンジン
4 一時貯留タンク
4a (一時貯留タンクの)外表面
5 燃料噴射装置
6a 手動ポンプ
6c 低圧燃料ポンプ(燃料ポンプ)
7 温度センサ
8 制御部
9 通知部
91 表示部
91a メッセージ
100 船舶
101 船体
101a 燃料タンク
102 船外機
R1 上限回転数
R2 最小上限回転数
T1 しきい値温度
T2 上限温度
図1
図2
図3
図4
図5
図6