(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059322
(43)【公開日】2024-05-01
(54)【発明の名称】遊技場用システム
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240423BHJP
【FI】
A63F7/02 331
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022166936
(22)【出願日】2022-10-18
(71)【出願人】
【識別番号】000108937
【氏名又は名称】ダイコク電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000567
【氏名又は名称】弁理士法人サトー
(72)【発明者】
【氏名】奈良崎 哲太
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088CA11
2C088CA23
2C088CA28
2C088CA31
2C088CA35
(57)【要約】
【課題】例えば種別のようなグループを跨ぐ配置替えが行われるか否かに応じて、適切に配置替に係る処理を行う。
【解決手段】管理装置において、機種グループを跨ぐ配置替えが含まれるかを予め指定し、当該指定に応じて基準配置替情報と配置情報とを比較する判定処理に基づき管理情報の引継ぎを行う第1引継処理と、第1引継処理よりも判定処理を抑制した上で管理情報の引継ぎを行う第2引継処理とを選択的に実行するので、例えば種別のような機種グループを跨ぐ配置替えが行われるか否かに応じて、適切に配置替えに係る処理を行うことが可能となる。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の遊技機が配置された遊技場における遊技場用システムであって、
遊技場における遊技機の配置箇所を特定するための配置ID、及び個々の遊技機を識別するための遊技機IDを対応付けて管理する配置管理手段と、
前記配置箇所に配置される遊技機を管理する上で必要とする設定情報、及び遊技情報の内の少なくとも一方である管理情報を前記配置IDに対応付けて管理する情報管理手段と、
遊技場における遊技機の配置替えに際し、当該配置替え後の配置ID、及び遊技機IDの関連性を示す配置替情報を規定する規定手段と、
前記規定手段により規定される前記配置替情報を取込む取込手段と、
当該配置替えに際し、複数の機種が属する機種グループを跨ぐ配置替えが含まれるか否かを指定するための指定手段と、
前記指定手段による指定に応じて、前記配置管理手段により管理される配置替え前の配置ID及び遊技機IDの関係性を示す基準配置替情報と、前記取込手段により取込まれた前記配置替情報と、を比較する判定処理に基づき配置替えに伴う前記管理情報の引継ぎを行う第1引継処理、並びに、前記第1引継処理よりも前記判定処理を抑制した上で配置替えに伴う前記管理情報の引継ぎを行う第2引継処理、の何れかの引継処理を選択的に実行する引継手段と、を備える遊技場用システム。
【請求項2】
前記引継処理を実行する場合に、前記機種グループを跨ぐ配置替えに伴い当該配置替え前の前記管理情報をそのまま引継ぐか否かを予め選択可能にするための引継選択手段を備える請求項1に記載の遊技場用システム。
【請求項3】
前記設定情報は、前記機種グループと機種とが対応付けて規定され、
前記配置替情報は、遊技機IDと機種との関連性を示し、
前記第2引継処理を実行する場合に、当該配置替え前の前記設定情報と前記配置替情報との比較結果に基づき、当該配置替情報により示される機種の内、前記機種グループと対応付けて規定される前記設定情報が未規定となる機種について、前記基準配置替情報を比較することにより、前記機種グループを跨ぐ配置替えが行われる機種を特定した上で前記管理情報の引継ぎを行う請求項1又は2に記載の遊技場用システム。
【請求項4】
前記機種グループを跨ぐ配置替えが行われる機種を特定した場合に、その旨を報知する報知手段を備える請求項3に記載の遊技場用システム。
【請求項5】
前記報知手段は、前記設定情報と前記機種グループとの対応関係を示す表示画面において、前記機種グループを跨ぐ配置替えが行われる機種を識別表示することにより報知する表示手段で構成されている請求項4に記載の遊技場用システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は遊技場用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技場では配置替えを行うことは珍しくなく、配置替え前後の台番を操作入力する構成では、工数を取られ面倒に感じたり、負担に感じたりする遊技場管理者も少なくない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本出願人は、先願(特許文献1:特願2022-016409号)において、基準配置替情報と配置替情報とを比較することで配置替えされた遊技機を特定することを提案している。
この点、配置替えに応じて、例えばレートや遊技機の種類が異なることにより区分される種別(機種グループ)が変わる場合に、変更前の情報を引継ぐようにすると、種別間を超えた情報の引継ぎが必要となり引継ぎ処理に時間を要する。勿論、種別を変更する場合に引継ぎ処理に時間が要することは仕方がないが、何れかの種別に新たな機種が対応付けられる場合、当該機種が他の種別から配置替えにより対応付けられるのか、遊技場全体を通して新台として対応付けられるのかを判定する必要がある。また、実際には種別を変更していない場合であっても全ての種別を参照する必要があり、引継ぎ処理に不必要に時間を要することから、こうした点を改善することが求められている。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、例えば種別のようなグループを跨ぐ配置替えが行われるか否かに応じて、適切に配置替に係る処理を行う遊技場用システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、複数の遊技機が配置された遊技場における遊技場用システムであって、
遊技場における遊技機の配置箇所を特定するための配置ID(例えば台番)、及び個々の遊技機を識別するための遊技機ID(例えば基板番号)を対応付けて管理する配置管理手段(例えば管理装置6)と、
前記配置箇所に配置される遊技機を管理する上で必要とする設定情報、及び遊技情報の内の少なくとも一方である管理情報を前記配置IDに対応付けて管理する情報管理手段(例えば管理装置6)と、
遊技場における遊技機の配置替えに際し、当該配置替え後の配置ID、及び遊技機IDの関連性を示す配置替情報を規定する規定手段(例えば配置替情報を規定するCSVファイル或いはこれを規定するUSBメモリやSDカード等の外部装置)と、
前記規定手段により規定される前記配置替情報を取込む取込手段(例えば管理装置6)と、
当該配置替えに際し、複数の機種が属する機種グループ(例えば種別)を跨ぐ配置替えが含まれるか否かを指定するための指定手段(例えば
図9の画面52で「種別変更・追加」の有無を指定するための釦群520)と、
前記指定手段による指定に応じて、前記配置管理手段により管理される配置替え前の配置ID及び遊技機IDの関係性を示す基準配置替情報と、前記取込手段により取込まれた前記配置替情報と、を比較する判定処理に基づき配置替えに伴う前記管理情報の引継ぎを行う第1引継処理、並びに、前記第1引継処理よりも前記判定処理を抑制した上で配置替えに伴う前記管理情報の引継ぎを行う第2引継処理、の何れかの引継処理を選択的に実行する引継手段(例えば管理装置6)と、を備える。
【0007】
本発明によれば、機種グループを跨ぐ配置替えが含まれるかを予め指定し、当該指定に応じて基準配置替情報と配置情報とを比較する判定処理に基づき管理情報の引継ぎを行う第1引継処理と、第1引継処理よりも判定処理を抑制した上で管理情報の引継ぎを行う第2引継処理とを選択的に実行するので、例えば種別のような機種グループを跨ぐ配置替えが行われるか否かに応じて、適切に配置替えに係る処理を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】一実施形態における遊技場用システムの全体構成を示す概略図
【
図8】配置替情報が取込まれる場合の設定画面を示す図(システム導入時)
【
図9】配置替情報が取込まれる場合の設定画面を示す図(2回目以降)
【
図10】入替機種確認画面を示す図(全ての遊技機)
【
図11】入替機種確認画面を示す図(種別:4円の遊技機)
【
図14】種別と機種とを対応付ける機種設定画面を示す図
【
図15】台番と機種や種別とを対応付ける台機種設定画面を示す図
【
図16】(1)と(2)は、種別変更前と変更後の台機種設定・基板番号の表示画面を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、遊技場用システムの全体構成を示す概略図である。
遊技場A内には多数の遊技機1が配置されており、各遊技機1に対応して遊技装置2及び情報表示装置3が配置されている。遊技機1、遊技装置2及び情報表示装置3は夫々、2台ずつ中継装置4に接続されており、中継装置4はLAN5を介して管理装置6と接続されている。
【0010】
また、遊技場A内にはPOSや残高精算機(何れも図示略)も配置されており、これらPOSや残高精算機もLAN5を介して管理装置6と接続されている。なお、
図1では図示を省略したが、実際には例えば数百台の遊技機1が配置されており、遊技媒体の貸出単価(貸出レート)が異なる複数の遊技機島が形成されるものとする。
【0011】
管理装置6は、遊技場A内の例えば事務室等に設置されている。詳しい図示は省略するが、管理装置6の制御部は、CPU、ROMやRAMといった記憶部を有するマイクロコンピュータを主体に構成されており、当該制御部には、遊技場管理者が操作するキーボード7、モニタ8、プリンタ(図示せず)等が接続されている。管理装置6は、遊技機側(遊技機1、遊技装置2等)から出力される遊技信号を入力することで、遊技機1毎の遊技情報、会員登録された会員毎の個人データ、遊技機1や遊技装置2等の稼動状態等を管理する。
なお、遊技場管理者とは遊技場Aの管理者のことであり、以下では単に「管理者」と称する。また、制御主体となる管理装置6の制御部(配置管理手段、情報管理手段、取込手段、指定手段、引継手段、引継選択手段、報知手段、表示手段)を単に「管理装置6」と称して説明を簡単化する。
【0012】
遊技場用システムでは、遊技場A内に設置されている遊技機1、遊技装置2、中継装置4、LAN5及び管理装置6等と同様の構成が別の遊技場(
図1の例示では遊技場B)内にも設置されている。
また、
図1に示すサーバ10は、例えば遊技場外のような各遊技場A、Bとは別に設置されており、各遊技場A、Bの管理装置6は、インターネットやVPN接続等の公衆回線9を介してサーバ10と接続されている。これにより、各遊技場A、Bの管理装置6は、サーバ10との間で各種信号や各種情報の通信が可能に構成されている。
【0013】
図2に示す遊技機1は、所謂封入式のCR(カードリーダ)パチンコ機で、遊技者が所有する残金や持玉や貯玉を変換した遊技玉数を記憶しており、その遊技玉数を消費してパチンコ玉を発射する構成とされている。つまり、遊技機1が記憶している遊技玉数が残っていることを条件として内部のパチンコ玉を発射装置により盤面11に発射可能となる。
【0014】
同図に示すように、遊技機1の下部には盤面11に玉を発射する発射装置を構成する操作ハンドル12が設けられているとともに、盤面11の下方には、残高を遊技玉に変換するための貸出釦13、記録媒体発行用の返却釦14、残高を示す残高表示部15、遊技玉数を示す遊技玉表示部16、遊技玉を持玉へ変換するための計数釦17が並設され、さらにそれらの下方には装飾用パネル18が設けられている。盤面11には、普図表示部19、普図保留表示部20、特図表示部21、普図入賞口22、第1一般入賞口23、第2一般入賞口24、第1保留数表示部25、第2保留数表示部26、第1始動口27、第2始動口28、大入賞口29を有する。
【0015】
遊技機1は以下のように動作する。
(1)第1始動口27は入賞率が変動しない入賞口(所謂ヘソ入賞口)、第2始動口28は入賞率が変動する入賞口(所謂電チュー)であり、各始動口27,28への入賞(始動入賞)に応じて大当り抽選を行い、抽選結果を特図表示部21にて行う図柄変動(単位遊技)にて報知し、その変動結果に応じて大当りや小当り(特定状態)となる。
【0016】
(2)図柄変動中に始動入賞した場合には所定の保留上限値(例えば各4つ)まで図柄変動を累積的に保留し、図柄変動終了後に保留している図柄変動を開始する。なお、保留している図柄変動数(保留数)が上限値である状態で始動入賞した場合、図柄変動は保留されない。
【0017】
(3)遊技機設定値(以下、モード)が6段階で設けられ、このモードにより、
図3に示すモード別スペック値の通り大当り抽選の当選確率(大当り確率)を通常遊技状態(通常状態、通常)と確率変動状態(確変状態、確変)とを対象として調整可能である。また、大当り後に確変となる大当り(確変大当り)となる割合である確変率(例えば66%で全モード共通)も定められる。大当り確率をモードにより不変とする一方、確変率を調整可能とするように、通常と確変との大当り確率や確変率、及び後述するラウンド振分率等の少なくとも1つがモードにより調整可能であればよい。
【0018】
(4)大当りが発生すると対応するラウンド(R)分だけ大入賞口29を開放する。1Rの上限入賞数は10個、上限開放期間は30秒であり、上限入賞数または上限開放期間の何れかが満たされた場合に1Rを終了する。対応するラウンドも大当り抽選と同様に抽選され、その振分率は第1始動口27に入賞した場合は4Rが10%で8Rが50%で15Rが40%だが、第2始動口28の場合は4Rが10%で15Rが90%となり、入賞に応じた図柄変動の保留消化優先順位は第1始動口27よりも第2始動口28の方が高く設定される。
【0019】
(5)確変中は大当り確率が向上するとともに、第2始動口28の入賞率が高くなる時短状態(時短)になる。また、確変大当りでない大当り(通常大当り)が発生した場合は大当り後に確変でない時短(単独時短)となり、所定の時短回数(例えば100回)分の図柄変動を行うか大当りが発生するまで時短を継続し、大当りが発生せずに時短回数分の図柄変動を行うと通常状態に戻る。
【0020】
(6)第2始動口28は普図入賞口22への入賞に応じて変動する普通図柄(普図)が当りとなった場合に入賞率の高い開放状態となる。この場合、普
図1回の変動期間は通常状態では30秒であり時短状態では3秒となる。また、開放期間は通常状態では0.3秒であり時短では5秒となる。即ち、時短では通常状態と比較して普図変動期間が短くなる一方、開放期間は長くなることで第2始動口28の入賞率が高くなる。
【0021】
(7)大入賞口29や第2始動口28が盤面右側にあることから時短中や大当り中には盤面11の右側を狙って玉を打出す、所謂右打ちが行われる。
以上は機種Aを例にして説明したが、例示した値は例えば機種Bであればラウンドの振分が異なる等、機種に応じて様々な値となり、遊技性も異なる。
【0022】
遊技機1及び当該遊技機1に付設された周辺機器は、遊技者による玉の打ち込みや各始動口27,28への始動入賞等の遊技の進行に伴って、以下に示すデータ項目を出力する。
アウト=前回データ送信時からの消費(使用、打込)価値(アウト)を1玉単位で示すデータ項目である。
【0023】
セーフ=前回データ送信時からの入賞に応じて付与された入賞付与価値(セーフ)を1玉単位で示すデータ項目である。
S入賞(回数)=前回データ送信時からの始動入賞(S入賞)を1回単位で示すデータ項目である。
【0024】
スタート(回数)=前回データ送信時からのS入賞により作動(変動)する役物(特図表示部21)のスタート(図柄変動数、役物作動数、単位遊技数)を示すデータ項目である。確定した時点で計数されるが、開始した時点で計数してもよい。
大当り(回数)=前回データ送信時から発生した大当り数を1回単位で示すデータ項目である。発生した時点で計数されるが、終了した時点で計数してもよい。
大当り(状態)=データ送信時に大当り状態の発生中であればオン、大当り状態の発生中でなければオフを示すデータ項目である。オンとなってからオフとなるまでの期間が大当り中として特定される。
【0025】
特別状態(甘中)=データ送信時に、特別状態中(甘中)、或いは大当り状態の発生中であればオン、それ以外であればオフを示すデータ項目である。オンとなってからオフとなるまでの期間が第2始動口28の入賞率が向上する特別状態中(時短中(確変時を含む))、或いは大当り中として特定される。例えば特別状態がオンの場合、大当り(状態)がオンであれば大当り中、オフであれば特別状態と特定される。又、特別状態は上記した時短や確変といった甘中が対応する。大当り中には必ずしもオンにならないとも良い。尚、大当り(状態)と特別状態の何れもオフであれば通常状態と特定する。
IDデータ信号=遊技機1から出力される遊技機固有の遊技機IDを示すデータ項目である。IDデータ信号は、パルス信号としてもよく、例えば電源投入時に出力すればよい。
【0026】
上記データ項目は例えば一括した、或いは複数の遊技情報を電文によりまとめたデータ信号としてもよく、この場合、所定期間(例えば200ms)単位でデータを集計し、その集計したデータやその時点における状態を特定可能な電文によるデータ信号を送信対象としてもよい。この場合、遊技機1と遊技装置2との間でデータ通信することで特定した遊技情報を中継装置4を介して管理装置6に送信するような構成とすることが望ましい。また、上記のデータ信号に代えてパルス信号や状態信号等による信号入力としてもよいことは勿論である。
【0027】
図1に示す遊技装置2は、遊技機1の遊技状態や遊技装置2の状態を示す状態表示灯30、貨幣(貨幣価値、有価価値)が投入される貨幣投入口31、遊技者識別用等のカメラ32(同図では保護カバーのみ図示)、遊技者からの操作入力を受付けるとともに残高、持玉数、貯玉数等の各種データを表示するタッチパネル式の液晶表示部33、一般カードや会員カードの記録媒体が挿入されるカード挿入口34等を有する。
【0028】
遊技装置2は以下のように動作する。
(1)貨幣を受付する(貨幣受付処理)と、遊技機1と遊技装置2との双方に入金額が残高に加算して表示され、残高がある状態で遊技機1の貸出釦13を押下げ(貸出操作、付与操作)すると貸出1単位(例えば125玉)分が貸出玉として遊技玉(対価付与価値、詳細は後述)に変換され(貸出処理、対価付与処理)、前記貸出レートである遊技レート(単に「レート」とも称する)に応じた対価分が残高から引落とされる。なお、貨幣は複数回の対価付与処理の対応分を受付可能である(例えば1万円まで)。
【0029】
(2)対応する遊技機1は所謂封入式で、盤面11に打ち出された玉は循環し、入賞した場合であっても遊技機外には払出されない。上記した遊技玉を管理し、盤面11への玉の打出し(使用)に応じて遊技玉を減算し、入賞に応じて遊技玉を加算する(入賞付与処理)。一方で遊技装置2は持玉を管理しており、持玉は直接的には遊技に使用できないが、遊技釦の押下に応じて貸出1単位分の持玉が変換玉として遊技玉に変換する変換処理(対価付与処理)を行う。この場合、変換率を別途設けてもよいが、本実施形態では1:1としている。以下の計数処理についても同様である。
【0030】
(3)遊技に応じて遊技機1の遊技玉が増加した場合、遊技機1の計数釦17の押下に応じて遊技玉が計数玉として持玉に変換される(計数処理)。この場合、1回の押下に応じて1玉が変換対象となるが、押下した状態を継続させると連続的、且つ加速的に変換可能となる。この様にして遊技玉と持玉とが更新され、遊技装置2では残高や持玉が残存する状態で遊技機1の返却釦14を押下する等の発行操作を行うと、遊技装置2にストックされていた一般カードに残高や持玉を対応付けて発行する(発行処理)。なお、持玉の一部や残高のみを発行対象とする分割発行も可能とする。
【0031】
(4)発行処理は遊技機1における遊技玉に応じた発行条件が設けられ、本実施形態では遊技玉が所定数(0)以下となることで発行条件が成立し発行処理が可能となる。よって、遊技機1と一定間隔(例えば200ms毎に)で通信(アウトやセーフ等の情報も含む)を行っており、遊技への使用や計数処理等により遊技玉が0になるとその旨が遊技装置2に通知され、発行条件が成立すると発行処理が許容される。遊技機1から遊技玉を特定可能な遊技玉信号を受信することで遊技玉を更新して発行条件が成立した旨を特定すればよいが、遊技玉が0になった旨を示す信号を別途受信するような他の特定方法を採用してもよい。
【0032】
(5)発行された一般カードにより特定可能な持玉はPOSにて景品との交換が許容され、残高は残高精算機にて貨幣に精算可能とする。なお、遊技装置2が受付ける貨幣を含め、貨幣価値としては現金が例示できるが、例えば電子マネーやクレジット決済といったように現金以外の貨幣価値を受付対象や精算対象としてもよい。また、持玉や残高を一般カードに対応付けて発行処理を行うことを例示したが、例えば会員カードや遊技者の携帯電話等の他の記録媒体に対応付けた発行処理を行っても勿論よい。
【0033】
(6)中継装置4とのシリアル通信により管理装置6にて貨幣受付処理や対価付与処理、残高や持玉、貸出玉数、変換玉数、入金額、計数玉数や貸出玉数や貸出玉の対価となる売上額、及び記録媒体の受付や発行処理等の各種情報を特定可能とするが、これらをパルス信号(例えば入金1000円毎に1パルス、売上100円毎に1パルス等)にて特定可能としてもよい。なお、遊技機1との通信は中継装置4を介さず、遊技機1と遊技装置2とで直接通信してもよいし、中継装置4を介して通信してもよい。
【0034】
図4は、情報表示装置3を拡大して示す正面図である。情報表示装置3は、中継装置4を介して遊技機1側から入力した遊技信号に基づいて、遊技情報を管理して表示し或いは管理装置6からの指示に応じて動作したりする。
同図に示すように情報表示装置3は、呼出表示時や特別状態中等にイルミネーション演出を行うイルミネーション部3a、各種遊技情報等を表示する表示領域35、当該表示領域35の表示内容を変更するといった各種操作を受付ける各種操作釦36、遊技場の従業員が携帯する操作リモコン(図示略)から送信されるリモコン信号を受光するリモコン受光部37等を有する。
【0035】
表示領域35は、液晶表示によりメイン表示部38と第1~第6サブ表示部39~44とに区分可能であり、通常状態時には
図4に示すように各表示部38~44を区分して情報表示を行うが、例えば特別状態発生演出を行う際や拡大して情報表示する際等、適宜区分せずに情報表示することも可能である。
メイン表示部38は、大当り数を該当期間単位(営業日当日(以下、本日)、1日前、2日前)で表示するが、各種操作釦36により遊技情報の切替操作があった場合には、図示しない他の遊技情報を表示する表示状態へと表示を切替える。
【0036】
第1サブ表示部39は、通常状態にて発生した大当りである初当り数を該当期間単位(本日、1日前、2日前)で表示する。第2サブ表示部40は、発生した大当り数の内訳を、大当り中の出玉が規定値(例えば1000玉)以上である大当りである「超」と、それ未満である「小」と、に区分して該当期間(営業日)単位で表示する。第3サブ表示部41は、初期化条件の成立(営業開始や特別状態の終了等により成立)後からのスタート(図柄変動数)を表示する。
【0037】
第4サブ表示部42は、大当り単位のスタートをグラフ化した所謂スタート履歴グラフを表示する。第5サブ表示部43は、獲得玉数(売上玉-差玉(アウト-セーフ)又は遊技装置2にて計数した持玉)と、獲得玉数を玉箱に換算した値を表示する。第6サブ表示部44は、機種名を表示する。
なお、第4サブ表示部42と第5サブ表示部43とで各種操作釦36の案内等を表示する場合もある。また、遊技者による各種操作釦36の操作や、従業員による前記操作リモコンの操作等により、
図4の表示画面から他の表示画面へと表示を切替えることができる。
【0038】
さて、管理装置6は、上記した遊技機1の配置箇所を特定するための配置ID(例えば台番)と、遊技機ID(例えば主基板番号等)とを対応付けて管理する配置管理手段として構成されるとともに、前記配置箇所に配置される遊技機1を管理する上で必要とする設定情報と遊技情報との内の少なくとも一方である管理情報を配置IDに対応付けて管理する情報管理手段として構成されている。
ここで、
図5及び
図6は、係る管理情報のうち管理者の向けの情報として管理される管理者用管理情報であって、機種Aについての遊技情報を台番及び遊技機IDに夫々対応付けて表す、素データ一覧及び遊技情報集計を例示している。
【0039】
即ち先ず、
図5に示すように管理装置6は、機種毎(同図では機種A)の素データを遊技信号により特定して遊技機IDに対応付けて管理している。
遊技機IDについて、同図では説明の便宜上「00001543、00001544、…」との番号で表しているが、当該番号は後述する
図7の「主基板番号等」に代替される(遊技機1の基板番号が用いられる)ものとする。或いは遊技機IDについては、台番+新台としての設定回数(例えば00100001)のような管理番号を採番してもよい。つまり遊技機IDは、個々の遊技機1を識別するための識別情報であればよく、
図5の「00001543」等の番号に代えて(或いは当該番号に紐づけられる)、基板番号や管理番号を用いることができる。
【0040】
また、
図5の素データ一覧における、「平均」は機種Aを対象とした遊技機平均を表しており、管理装置6では次の項目が定義されている。
モード=遊技機に設定された遊技機設定値(別途操作入力等により特定)
アウト=データ項目「アウト」にて説明した通り遊技機1にて消費された遊技価値を示す。
セーフ=データ項目「セーフ」にて説明した通り遊技機1への入賞に応じて付与された遊技価値を示す。
【0041】
スタート=データ項目「スタート」にて説明した通り遊技機1における役物の作動回数を示す。なお、以下も含め「甘中」とは時短などの特別状態期間に対応した遊技情報を示す。
S入賞=データ項目「S入賞」にて説明した通り遊技機1における始動入賞回数を示す。
売上玉=対応する遊技装置2から送信される遊技信号により特定可能な当該遊技装置2にて貨幣価値を対価として付与された遊技価値(貸出玉数、対価付与価値)を示す。
【0042】
大当り数=データ項目「大当り」にて説明した通り特定される大当り数を示す。「通常」は通常時に発生した大当り数で所謂「初当たり」数を示す。「特定」は特定の条件を満たす(例えばT1Yに対して設定される基準範囲(例えば1000~2000)内のT1Yとなった)大当りである特定大当りの発生回数を示す。
Tアウト<Tセーフ>=T中(大当り中、及び甘中)のアウト<セーフ>を示す。
T1アウト<T1セーフ>=T1中(大当り中)のアウト<セーフ>を示す。
特T1アウト<特T1セーフ>=特定大当りのみを対象としたT1中のアウト<セーフ>を示す。
【0043】
なお、
図5の集計は営業日単位で複数日を対象として記憶しているため、例えば3月1日から3月31日といったように期間を指定して、当該期間における遊技情報を加工して出力することを可能としている。また、係る種別集計(機種別の集計)で複数日の期間の集計を行う場合、例えば後述する遊技機1の配置替えや増減した日を基準として、集計を分割することができるが、詳しくは後述する。
【0044】
管理装置6では、上記の素データに基づいて機種毎の遊技情報を管理しており、
図6に例示する機種Aの遊技情報集計において次の項目が定義されている。なお、「平均」は機種Aを対象とした遊技機平均(
図5の「合計」の対応値)である。
【0045】
ベース=状態(通常時、甘中)別の出率で、「通常」はBセーフ÷BO、「甘中」はBセーフA÷BOAにて特定する。以下も含め通常中のアウトであるBOはアウト-Tアウト、通常中のセーフであるBセーフはセーフ-Tセーフ、甘中のアウトであるBOAをTアウト-T1アウト、甘中のセーフであるBセーフAをTセーフ-T1セーフにて特定しているが、BO、Bセーフ、BOA、BセーフAを素データとして求めてもよい。なお、以下では通常中のベースを単にベース、甘中のベースをBAとも言う。
【0046】
平均S=状態別のアウトに対する図柄変動数の割合で、通常(甘中)スタート÷BO(BOA)にて特定する。
平均S入賞=状態別のアウトに対する始動入賞数の割合で、通常(甘中)S入賞÷BO(BOA)にて特定する。なお、以下では通常中の平均SをS、平均S入賞をS1、甘中の平均SをSA、甘中の平均S入賞をS1Aとも言う。
【0047】
有効率=始動入賞に対する図柄変動数の割合で、通常スタート÷通常S入賞にて特定する。なお、通常だけでなく甘中の有効率を管理してもよい。
BY=図柄変動分を除いたベースで、通常(甘中)ベース-通常(甘中)平均S×始動賞球にて特定する。なお、始動賞球は始動入賞1回当りのセーフで、3にて演算。
【0048】
BYmin=BYminは始動入賞分を除いたベースで、通常(甘中)ベース-通常(甘中)平均S入賞×始動賞球にて特定する。
T1Y=平均大当り中出玉数で、(T1セーフ-T1アウト)÷合計大当り数にて特定する。なお、合計大当り数=通常大当り数+甘中大当り数である。
T1O=平均大当り中アウトで、T1アウト÷合計大当り数にて特定する。
【0049】
特T1Y=特定大当りを対象としたT1Yで、(特T1セーフ-特T1アウト)÷特定大当り数にて特定する。
特T1O=特定大当りを対象としたT1Oで、特T1アウト÷特定大当り数にて特定する。
【0050】
出率=アウトに対するセーフの割合(払出率、付与率)で、セーフ÷アウトにて特定する。
Bサ=通常時の差玉数で、BO-Bセーフにて特定する。
客滞率=売上玉に対するBサの割合で、Bサ÷売上玉にて特定する。
【0051】
粗利=遊技に応じた遊技場側の営業利益で、売上額-獲得玉×貸単価×原価率にて特定する。なお、獲得玉(獲得価値)=売上玉+セーフ-アウト、売上額=売上玉×貸単価、貸単価=4円、原価率=75%にて演算している。
【0052】
玉単価=アウト1当りの売上額で、売上額÷アウトにて特定する。
玉粗利=アウト1当りの粗利で、粗利÷アウトにて特定する。
営業割数=実際の売上額(売上玉)に対する遊技場側の損益額(損失玉)の割合で、獲得玉÷売上玉にて特定する。
【0053】
さて、遊技場では遊技機1の配置替えを行うことは珍しくなく、その配置替えに伴い管理情報の引継ぎに係る操作入力乃至作業に負担を感じる管理者も少なくない。管理情報には、
図5や
図6で説明した遊技情報以外の遊技情報や設定情報が含まれ、殊に多数の遊技機1を対象とした大規模な配置替えを行う場合には多くの工数が掛かり、大きな負担となっているのが実情である。
【0054】
そこで、本実施形態の管理装置6は、遊技場Aにおける遊技機の配置替えに際し、規定手段により規定される配置替情報を取込み、当該配置管理手段により管理される配置替え前の台番、及び遊技機IDの関係性を示す基準配置替情報と、当該取込まれた配置替情報と、を比較する判定処理に基づき配置替えされた遊技機1を特定し、当該遊技機1を対象として配置替えに伴う管理情報の引継ぎを行う構成としている。
【0055】
また、本実施形態の管理装置6は、当該配置替えに際し、複数の機種が属する機種グループを跨ぐ配置替えが含まれるか否かを指定するための指定手段を備えており、上記した管理情報の引継ぎは、係る指定手段による指定に応じて、前記判定処理に基づき配置替えに伴う管理情報の引継ぎを行う第1引継処理と、この第1引継処理よりも判定処理を抑制した上で配置替えに伴う管理情報の引継ぎを行う第2引継処理と、の何れかの引継処理により実行されるようになっている。
【0056】
こうした引継処理は、以下の課題を解決しうるものである。
即ち先ず、「発明が解決しようとする課題」でも述べたように、配置替えに応じて、例えばレートや遊技機1の種類が異なることで区分される機種グループが変わる場合に、変更前の情報を引継ぐようにすると、種別間を超えた情報の引継ぎが必要となり引継ぎ処理に時間を要する。この場合、何れかの種別に新たな機種が対応付けられるケースでは、当該機種が他の種別から配置替えにより対応付けられるのか、遊技場全体を通して新台として対応付けられるのかを判定する必要があり、又、実際には種別を変更していない場合であっても全ての種別を参照する必要があり、徒に引継処理に時間を要することとなる。
【0057】
また、管理装置6において、上記の如く配置替情報が取込まれるものとしても(例えば後述する
図7の申請書50の情報を取得できても)、これには種別情報が対応付けられていないので、基準配置替情報と比較しても種別の変更があるかを判定できない。一方、設定情報として、同一機種であっても遊技場における扱いが種別により異なるため種別単位で機種を設定している。仮に種別変更があった場合、申請書50では種別変更を特定できないため新台ではなく配置替えと判定され、新台との判定を条件に機種を新規登録することから、配置替先の種別に対象機種が設定されていなければ新たな機種として登録できず管理情報を引継げない。
こうした課題を解決するための構成について
図7以降の図面も参照しながら詳述する。
【0058】
図7は、規定手段による規定内容(配置替情報)を申請書50の形で例示したものであり、申請書50に化体されている配置替情報は、当該配置替え後の台番(同図で「新台番」として表す配置ID)及び遊技機IDの関連性を示すものである。
即ち、申請書50は、遊技機1の配置替えを行う場合に警察や公安委員会のような所轄機関に提出する書類であるが、当該書類の記載に含まれる配置替情報は例えば、遊技場の委託により
図7のような申請書50を作成する委託会社により作成されるCSVファイルやテキストファイル等、としてUSBメモリやSDカード等の着脱可能なメモリに予め記憶させ保持することができる。このため、申請書50の配置替情報は、例えばUSBメモリやSDカード等の外部装置或いはCSVファイルといった規定手段により規定され、管理装置6(取込手段)において入力可能に取込むことができる。なお、配置替情報を管理装置6(規定手段)により作成し、そのまま管理装置6にて取込む(前記記憶部に展開する)ようにしてもよい。
【0059】
申請書50は、これを所轄機関に申請する場合、
図7に例示するように申請日付(後述の入替日等に相当)、配置替え前の「旧台番」と配置替え後の「新台番」との配置IDを含むとともに、当該配置IDに対応付けられた「遊技盤番号等」や「主基板番号等」(以下、代表して主基板番号等と称する)を含む内容とされている。この主基板番号等が、遊技機1の一台一台必ず異なるものとして付与される基板番号(遊技機ID)である。
なお、配置替情報は、配置替え後の配置ID及び配置替え対象の遊技機IDの関連性を示す情報であればよく、以下に説明するように新台を配置する際にも適用可能である。
【0060】
ここで、
図8及び
図9は、システム導入時及び2回目以降の配置替え時において配置替情報を取込む場合に、管理装置6のモニタ8に表示される設定画面51及び52を示している。
先ず、
図8のシステム導入時の設定画面51において「初回ファイル選択」と表記された下部側の欄51aには、複数の「ファイル名」について「入替日」と「更新日時」を夫々特定し且つそれらCSVファイルの「選択」と「削除」を夫々選択・指定可能な領域が設けられている。また、CSVファイルをUSBメモリ等から取込むための「CSVファイル外部取込」釦51bと、指定したCSVファイルを削除するための「ファイル削除」釦51cが設けられている。
【0061】
ここで、同欄51aの「ファイル名」は、「店舗名_入替日(YYYYMMDD)_X(同
図8参照)」で表され、その配置替えに係る遊技機1の入替日を含む。
CSVファイルの配置替情報は、その入替日が対応付けられた、配置ID、遊技機ID、及び機種に関する情報(
図7の「機種A」で示される機種名或いは機種コード(機種ID))を少なくとも含む。このうち配置IDは、例えば遊技場Aに設置する台番であって配置替えのあったものだけでなく遊技場Aにおける全ての台番を含み、遊技機IDは、例えば一台の遊技機1ごとに付与される前記基板番号である。配置替情報は、これら配置IDと遊技機IDと機種との関連性を示すものである。
【0062】
同欄51aの「ファイル名」が選択されと、そのCSVファイルの配置替情報が管理装置6に取込まれる。これにより、システム導入時に管理装置6にて取込まれた配置替情報は、以後(2回目以降)行われる配置替えに際し、当該配置替え前の(入替日を基準日とする)台番及び遊技機IDの関係性を示す基準配置替情報として管理されることとなる。
【0063】
そして、2回目以降の配置替えの際、管理装置6において
図9の設定画面52を表示させ、同画面52における「前回入替時使用ファイル」欄52aのファイル名の基準配置替情報と、「対象ファイル選択」欄52bで選択される(取込まれる)配置替情報とを比較することにより判定処理(入替判定)を行い、配置替えされた遊技機1を特定することができる。
換言すれば、管理装置6は、初回の設定画面51においてCSVファイルの配置替情報を取込んだ場合は、基準となる台番及び遊技機IDの対応付けを行うだけだが、2回目以降の設定画面52において配置替情報を取込んだ場合には、初回の基準配置替情報と比較して台番及び遊技機IDの対応付けが異なるかを判定する。
【0064】
こうして、管理装置6は、上記の判定処理後、その入替後の配置に対応するように基準配置替情報を更新する。つまり、配置替情報と基準配置替情報は、配置替え後の情報と配置替え前の情報であるから、配置替情報は、次回の配置替えの際に基準配置替情報として利用される。
また、本実施形態の「配置替え」とは、厳密には新台を導入する「新台」と、設置されている遊技機自体の入替(増減)は行わないが配置を変更する狭義の「配置替え」と、遊技機を撤去する「撤去」と、の夫々のケース(
図10参照)を含み、上記の判定処理において、配置替え前にはない遊技機IDが台番に対応付けられていれば「新台」、配置替え前にあったが、対応する台番が異なる場合は狭義の「配置替え(台)」、配置替え前にはあったが配置替え後にない遊技機IDは「撤去(台)」と判定することができる。
【0065】
このように、CSVファイルの配置替情報は、管理装置6の管理対象となる遊技機1全て(遊技場Aの全台)を対象として配置替え後の台番及び遊技機IDの関連性を示すものであるが、配置替え前の台番(
図7の「旧台番」参照)を追加して、或いは基板番号に代えて配置替情報に含めてもよい。
なお、上記の判定処理を行うためには変化のあった台番を特定できればよいので、2回目以降は変化のあった台番だけを対象とした
図7のような申請書50用の情報をそのまま採用するといったように必ずしも全台を対象としない情報としてもよい。また、基板番号に代えて配置替え前の台番(旧台番)にて判定する場合、新台であれば配置替え前の台番号はその旨を特定可能となるように、例えば「0」といった予め決められる特定の情報を配置替情報に付加して記憶させるようにすればよい。
【0066】
管理装置6においては、上記の判定処理に基づき管理情報の引継ぎを行う第1引継処理と、係る判定処理を抑制した上で管理情報の引継ぎを行う第2引継処理と、の何れかを、
図9の設定画面52における「種別変更・追加」の釦群520(指定手段)で指定することで、対応する引継処理を選択し実行させることができる。
「種別変更・追加」はデフォルト設定で「無」が指定されており、操作が行わなければ係る指定に応じて、上記した2回目以降の配置替えに対応した判定処理に基づき管理情報の引継ぎを行う第1引継処理を実行する。
【0067】
この場合、管理装置6は、判定処理により配置替えされた遊技機1を特定するに際して、配置替情報に含まれる機種名或いは機種IDに基づき、当該機種に応じた設定情報を引継ぐ。
例えば「新台」の場合は、デフォルト値或いは機種IDに対応付けてサーバ10にて管理される設定情報(例えば不正検知の基準値)をダウンロードして配置替え後の機種(遊技機1)へと移行させるように設定し、「配置替え」の場合は、配置替え前の設定情報を配置替え後の機種へと移行させるように設定することで、自動的な引継処理を行わしめる。なお、設定情報としては、不正検知の基準値の他、遊技機1の配線に関わる配線設定の情報、機種に関連する情報表示装置3の画像設定の情報等、遊技機1を管理する上で必要とする周知の設定情報の引継ぎも併せて行いうることは勿論である。
【0068】
こうした第1引継処理を実行する場合(種別変更・追加が「無」の場合)、CSVファイルの配置替情報を取込んで(申請書50の情報に基づく)判定処理が行われるが、機種グループ(例えば種別)を跨ぐ配置替えには対応していない。このため、判定処理により新台と判定した場合には、上記のダウンロード等の別途の処理により設定情報を引継ぐことはできるが、仮に種別を跨ぐ配置替えがあった場合、後述する通り新台として登録しない(新台として判定しない)ので設定情報も引継ぐことができない。
もっとも、第1引継処理は、申請書50による判定処理だけで、これに基づき設定情報を含む管理情報を引継ぐことが可能となることから、種別を跨ぐ配置替えがないケースでは、引継処理乃至配置替えに係る情報の処理期間を極力短縮することが可能となる。
【0069】
また、管理装置6は、配置替えの対象となる遊技機1に関する条件を設定可能に構成されており、当該設定された条件に基づいて管理情報の引継ぎを抑制するか否かを特定する。係る条件については、上記した種別(種別変更・追加の有無)にも関連する、前記レートについてのレート条件を含むことから、「種別」(貸出レートが同一の機種グループ)を表す
図10、
図11の入替機種確認画面53,54について説明しておく。
【0070】
管理装置6は、上記のようにCSVファイルの配置替情報を取込み、これに含まれる機種ID(或いは機種名)により当該機種をも特定し、
図10の入替機種確認画面53を表示させる。
同図に示すように入替機種確認画面53では、取込まれたCSVファイルを「今回使用ファイル」として表す欄53a、指定される「種別」を表す欄53b、「機種名」「台数」「台番」等を「新台」と「配置替え(台)」と「撤去(台)」とに区分して表す欄53c、種別ごとの台数を新台と配置替え台と撤去台とに区分して表す欄53dが設けられるとともに、同画面53の右下隅に判定処理の基準となる「前回入時使用ファイル」を表す欄530が設けられている。
【0071】
「種別」を表す欄53bのプルダウン(入力操作)により、異なる種別を選択して切替表示を行うことができ、例えば「4円パチンコ」がプルダウンにより選択された場合、
図10の入替機種確認画面53から
図11の入替機種確認画面54に遷移する。
これら
図10と
図11の対比から明らかなように、「パチンコ(全て)」のような複数の遊技機グループの「種別」を選択した場合には「タイプ」や「機種カテゴリ」のような設定を不能とする(
図10の欄53c参照)一方、「4円パチンコ」のような単数の遊技機グループの「種別」しか含まない場合は「タイプ」等の各種設定を可能とする(
図11の欄53c´参照)。これは「機種」が同一でも「タイプ」他が異なる場合もあるためである。なお、「パチンコ(全て)」は全体像を把握するため選択可能としている。
【0072】
続いて、第2引継処理について説明する。
図9に示す「種別変更・追加」の釦群520のうち「有」の釦操作がされた場合、係る指定に応じて上記した初回の配置替替えの処理を2回目以降においても行う第2引継処理を実行する。この第2引継処理を実行する場合に、判定処理に代えて行われる機種設定及び台機種設定に係る新規登録処理について、従来の登録方法にも言及しながら説明する。
【0073】
ここで、
図14及び
図15は、管理装置6のモニタ8に表示される機種設定画面61及び台機種設定画面62を示している。
図14に示すように、機種設定画面61では、「種別」を表す「4円パチンコ」と、機種A,B,…といった「機種名」(或いは機種「NO」1,2,…で表される機種ID)と、が対応付けて設定されている。
このように、設定情報は、種別(機種グループ)と機種とが対応付けて規定された機種設定を含み、
図15に示す台機種設定画面62では、こうした「種別」と、「機種名」或いは機種IDと、配置IDの範囲たる「台番範囲」と、が対応付けて設定されている。
【0074】
従来では、遊技機1の配置替えに伴い機種を新規に設定する場合、操作入力により
図14の画面61で種別と機種とを対応付ける機種設定を先に行い、その後、
図15の画面62で台番と機種や種別とを対応付ける台機種設定を行っていた。この場合、台機種設定画面62における「機種名」や「種別」は機種設定画面61での設定状況に応じて選択候補を抽出し(
図14を参照した選択形式で抽出し)、その選択候補の中から対応付ける設定を行っていた。
【0075】
この場合、申請書50の情報に基づいて(CSVファイルの配置替情報を取込んで)
図14の機種設定を行うものとしても、その設定は新台と判定されることを条件として行われる。それ故、種別を跨ぐ配置替えが含まれる場合には、基準配置替え情報に遊技機IDが登録済みとなっており、これを新台と判定できないことから、
図14の機種設定にて追加されず、全くの新台(つまり全店を通した新規導入機種)のみが追加の設定対象となる。よって、種別を跨ぐ配置替えとなった機種は、
図15のような他の設定も更新できないものとなっていた。
【0076】
そこで、本実施形態の管理装置6は、「種別変更・追加」の「有」の指定に応じて、一旦、全台を新台と判定し、
図14の機種設定の追加登録対象として設定する(配置替え後の機種を全て登録する)。この場合、機種名は申請書50から特定可能(取込み可能)なので、機種名が登録済みの機種はそのままで未登録の機種を対象として新規登録する。この処理は、当該配置替え前の機種設定(設定情報)と申請書50の配置替情報との比較結果に基づき、当該配置替情報により示される機種(名)の内、種別(機種グループ)と対応付けて規定される機種設定が未規定となる機種を、その種別において新規登録するものである。
【0077】
管理装置6は、係る新規登録処理において、配置替え前の機種設定を照合することにより、その機種「NO」(
図14、
図15中「1,2,…」で示されるNO)は可能な限り変更せず、変更のない機種(登録済みの機種名)はそのまま維持し、申請書50の情報から特定できない機種名を削除する一方、当該削除により空いた「NO」に対して未登録の機種名を設定することで空いた「NO」を埋めるように設定する。また、係る
図14の機種設定と申請書50の情報とに基づき
図15のような台機種設定を含む他の設定情報をも更新する。
【0078】
そして、新規登録処理により更新された機種設定(設定情報)と基準配置替情報とを比較する比較区別処理を実行することにより、種別を跨ぐ配置替えが行われる機種(種別変更機種)を特定した上で管理情報の引継ぎを行う。これは、管理装置6において新規登録される機種は全くの新台か種別変更機種の何れかであるが、両者を区別する比較区別処理により、新規登録された機種の内、基準配置替え情報において他の種別に含まれる機種を種別変更機種と特定することができる。
【0079】
このように、第2引継処理を実行する場合には、基準配置替情報と配置替情報との比較は行われず、この意味で判定処理は抑制される。もっとも、新規登録処理では全てを「新台」の区分として扱い、上記の如く登録し(
図10、
図11の新台の区分の欄53c,53c´参照)、比較区別処理により全くの新台や種別変更機種等を特定した上で、同一種別であればそのまま管理情報を引継ぐ一方、他種別(種別変更機種)であればレート条件等に応じた処理をも行うので、判定処理に基づく第1引継処理に比して処理期間は長くなる。
【0080】
また、管理装置6は、比較区別処理により種別変更機種のような機種グループを跨ぐ配置替えが行われる機種を特定した場合に、その旨を報知する。この報知手段は例えば、台機種設定の設定情報と種別との対応関係を示す
図16(2)の表示画面632において、種別を跨ぐ配置替えが行われる機種を識別表示することにより報知するモニタ8(表示手段)で構成されている。
【0081】
ここで、
図16(1)及び(2)は、種別を含む台機種設定と申請書50(CSVファイル)上の基板番号とを対応付けた、種別変更前(配置替え前)の表示画面631及び種別変更後の表示画面632を並べて示している。
図16(2)の種別変更後の表示画面632では、例えば同一種別内での配置替えが行われる台番の欄の背景色を青色で、全くの新台や種別変更機種が配置される台番の欄の背景色を赤色で表示するといったような識別表示を行い(同画面632のハッチング参照)、配置替え後の設定状況を確認するよう注意を促す。
【0082】
なお、こうした報知は少なくとも種別を跨ぐ配置替えが行われる機種を識別可能であればよく、同
図16(2)では処理負荷軽減を考慮して、配置替え後の種別に基づきハッチングにより識別表示している。例えば台番「1」の欄では種別は変更されているものの配置替えはされていないため色付けされておらず、台番「2」の欄では台番「4」から配置替えされてはいるが、配置替え後の種別では配置替え前後の台番「2」「4」は共に1Pであることから同一種別での配置替えを示す青色で表示され(台番「4」も配置替え前後の台番「3」「4」は共に1Pであることから同様)、台番「3」の欄では台番「8」から配置替えされているが、配置替え後の種別では台番「3」は1Pである一方、台番「8」は4Pであることから種別変更機種となり赤色で表示される。また、台番「5」と「8」の欄では、全くの新台が配置されるので新台を示す赤色で識別表示され、台番「6」「7」の欄では色付けがなく、配置替えがないことを把握できるが、処理負荷軽減を考慮せずに実際の配置替え前後の種別を比較した上で識別表示してもよい。例えば、台番「1」の欄では4Pから1P(4円パチンコから1円パチンコ)への種別変更のみが行われるので(比較区別処理により特定可能であるので)、赤色で表示してもよい。同様に台番「2」~「4」の欄では、4Pから1Pへの種別変更機種として配置替えが行われるので赤色で表示することができる。なお、上記同様に同一種別内での配置替えがあれば、該当する台番の欄(表示画面632では省略)が青色で表示されることとなる。
【0083】
また、管理装置6において、上記した第1引継処理と第2引継処理との何れかの引継処理を選択的に実行する場合に、種別のような機種グループを跨ぐ配置替えに伴い当該配置替え前の設定情報及び遊技情報の夫々をそのまま引継ぐか否かを予め各別に選択可能にするための引継選択手段を備える。
【0084】
例えば、貸出レートのように遊技状況が変わる種別が配置替え前と配置換え後とで異なることで、不正検知の基準値を変更するといったように同一機種であっても異なる設定値にしたい場合や遊技情報を引継がないようにしたい場合もある。このような場合、例えば、配置替えに伴いパチンコ玉の貸出レートが4Pから1P(4円レートから1円レート)へと変わる等、貸出レート(機種グループ)が配置替え前後で異なることをレート条件とし、以下に説明する
図8の「種別間配置替え時のデータ反映」の釦群514や「種別間移動時の設定反映」の釦群517等(引継選択手段)での条件設定に応じて、遊技情報や設定情報をそのまま引継ぐか否か(管理情報の引継ぎを抑制するか否か)を予め選択可能としている。或いは、サーバ10にて種別ごとに区分して管理される設定情報を「配置替え」の場合であってもサーバ10からダウンロードしてもよいし、既に同一機種が同じ種別に設定されている場合にはその設定情報としてもよいし、スペックが近似する他機種同種別の設定情報としてもよい。
【0085】
ここで、
図8に示す設定画面51には「申請書連携」「ランプデータ移行」「ランプデータクリア」「種別間配置替え時のデータ反映」「帳票分割」「種別間移動時の設定反映」に係る夫々の条件の設定を行うための釦群511,512,513,514,515,516,517が設けられている。
【0086】
「申請書連携」は、申請書50と連携して配置替情報に係る機種入替設定をするか否かを設定するための釦群511を有する。釦群511のうち「有」の釦操作により、申請書50用のCSVファイルを取込んで自動的に反映させる。
「ランプデータ移行」は、ランプデータの引継ぎを行うか否かを設定するための釦群512を有する。ランプデータとは、
図4に例示した情報表示装置3で表示されるデータ、つまり遊技者向けの情報(遊技者が参照するデータ)として管理される遊技者用管理情報である。
【0087】
また「ランプデータ移行」~「種別間配置替え時のデータ反映」は遊技者用管理情報、「帳票分割」は管理者用管理情報を対象とした、配置替え前後の情報の区分についての条件を夫々設定可能な区分条件であり、その区分条件(釦群512~516等で設定された条件。予め設定された条件でもよい)に基づいて、遊技者用管理情報については引継ぎを抑制し、管理者用管理情報については引継ぎを行うことを可能とする。「種別間移動時の設定反映」の釦群517は、情報表示装置3のイルミネーション部3a等の設定(種別毎の機種の設定情報)を対象とした区分条件であり、ランプデータを対象とした「種別間配置替え時のデータ反映」とは区別される。
【0088】
このうち、「帳票分割」は、種別集計(例えば
図5、
図6のような機種別の集計)で複数日の期間(例えば一ヶ月)の集計を行う場合に、遊技機1の配置替えや増減した日を基準として集計を分割するか否かを設定するための、「配置替え台」用の釦群515と「増減台」用の釦群516を有する。釦群515のうち「有」の釦操作により配置替えした日を基準とし、釦群516のうち「有」の釦操作により増減した日を基準として、管理者用管理情報の引継ぎに係る集計を自働的に分割する。
【0089】
これに対し、遊技者用管理情報たるランプデータにあっては、「ランプデータ移行」の釦群512のうち「有」の釦操作によりランプデータの引継ぎを行う設定とした場合、「ランプデータクリア」の釦群513の操作により当該ランプデータ(単に「データ」とも称す)のうち引継ぎを行わずにクリアするデータの条件を設定する。
即ち、釦群513のうち「新台」の釦操作がなされた場合、「新台」と判定した台番のみデータをクリアし、「配置替え」の台番はデータを引継ぐように設定される。「新台/配置替え台」の釦操作がなされた場合、「新台」だけでなく「配置替え」の台番のデータもクリアするように設定される一方、「無」の場合はデータのクリアを行わずデータを引継ぐように設定される。
【0090】
また、「種別間配置替え時のデータ反映」は、その配置替えの対象となる台番(遊技機1)の種別(貸出レート)が配置替え前後で異なるような種別間配置替えがあった場合に、データを引継ぐ(「コピー」する)か「クリア」するか否かを設定するための釦群514を有する。釦群514のうち「クリア」の釦操作がなされた場合、当該貸出レートの異なる台番のデータをクリアするように設定され、以って管理情報の一部であるランプデータの引継ぎを抑制する。なお、この場合、ランプデータ以外の他の管理情報も含めたデータのクリアを行うように設定してもよい。
こうして、管理装置6は、係る設定に基づきデータを引継ぐかクリアするかを特定した上で、配置替情報と基準配置替情報とに基づき新台や配置替えを特定し、このとき表示される
図12のランプデータメンテナンス画面55で所定操作(同画面55上欄の「入替後反映」釦550の操作)が行なわれた場合に、
図13のコピー内容確認画面56に遷移する。
【0091】
コピー内容確認画面56では、「コピー元」或いは「コピー先」に該当する「種別」「機種」及び「台番」を、「登録」の順番と「処理」の内容とに対応付けた一覧表としてポップアップで表示する。
この場合、同画面56の「登録」に示される順番にデータの処理が行われるものとし、その処理の内容が「交換」であればコピー元とコピー先との台番間でデータを交換し(両者間の矢印参照)、「コピー」であればコピー元のデータをコビー先にコピーして引継ぎ、「クリア」であればコピー元の台番のデータをクリアする。
【0092】
即ち、管理装置6は、元となる基準配置替情報と今回取込んだCSVファイルの配置替情報とを比較することにより「配置替え」された遊技機1を特定した場合、そのうち配置替え前後で台番が入替るような配置替えの場合は「交換」、そうでない配置替えの場合は「コピー」を処理内容として特定し、
図8の「ランプデータクリア」の釦群513で「新台」が設定されれば新台だけが、「新台/配置替え台」が設定されれば新台だけでなく配置替えされた台もクリア対象として、データの「コピー」や「交換」も行わない(データの引継ぎを抑制する)。また、「ランプデータクリア」の釦群513で「無」が設定された場合は新台や配置替えがあってもデータをクリアしない(データの引継ぎを行う)。
【0093】
そして、
図8の「種別間移動時のデータ反映」の釦群514で「コピー」が設定されていれば配置替え前後で種別が異なる場合であってもデータの「コピー」対象とし、「クリア」が設定されていればデータを「コピー」対象とせずに「クリア」するだけとなる。
なお、
図8では、ランプデータに係る釦群512~514の操作により「ランプデータ移行」「有」、「ランプデータクリア」「新台」、「種別間配置替え時のデータ反映」「コピー」と設定した場合の設定画面51を例示している。なお、当該設定画面51の上欄の「反映」釦510を押下することで、該当する台番の情報表示装置3におけるランプデータが更新される(データの引継ぎが行われ或いは抑制される)。
【0094】
また、
図12のランプデータメンテナンス画面55は、上記したデータの引継ぎ処理(移行処理)を行った後や、引継ぎ処理を行わない場合に、直接数値をメンテナンス(修正)するための画面として用いることができる。
即ち、ランプデータメンテナンス画面55では、「台番」の欄55aにて対象となる台番を選択すると、その下側の欄55bに該当する情報表示装置3のランプデータが表示される。同欄55bの「基本データ」は、ランプデータの各項目を表し、「本日、1日前、2日前、…」の営業日単位で、各項目に対応する数値を入力することで情報表示装置3のランプデータを修正することができる。
【0095】
ランプデータの修正は、同図に例示するように「本日~3日前」の数値(便宜上「0」で表す)が示されている箇所にて行われ、「4日前」以前の数値が示されていない箇所は、該当項目の該当営業日のランプデータが表示対象となっておらず、例えばグレーアウト表示により入力不可となっている。
なお、説明の便宜上、ランプデータの項目「基本データ」は、
図4で示した表示項目以外の項目を含むものとしているが、情報表示装置3での表示の切替えに伴い表示される項目或いは機種等に応じた他の項目が表示される。
【0096】
引継選択手段として
図8に示す「種別間移動時の設定反映」の釦群517は、例えば情報表示装置3におけるイルミネーション部3aでの光フローの設定情報を配置替え前後で引継ぐか否かを選択することができる。これにより、種別を跨ぐ配置替えがあっても、予め釦群517で「有」が選択されていれば、配置替え前の種別の設定情報が引継がれ、「無」が選択されていれば配置替え後の種別の設定情報が反映されることとなる。
この点、情報表示装置3における光フローの設定は、種別毎に統一しているケースが少なくなく、配置替え前の種別の設定情報を引継ぐと、その機種だけ光フローの設定が違うといった事態が生じるが、各遊技場A、Bでの運用に応じて「種別間移動時の設定反映」を選択可能とすることができ、係る事態を抑制して所期の設定情報の引継処理を行うことができる。
【0097】
図示は省略するが、上記した「種別変更・追加」があって、引継選択手段による設定変更や
図16(2)の画面632で識別表示がなされるような場合には、モニタ8に次のようなポップ表示がなされる。即ちモニタ8には、種別変更・追加後、営業開始前に、
「 <確認> 台機種設定の種別が変更された台番があります。
営業開始前に変更した台番の売上や再プレイのテストを実施して下さい。
〇番台 種別:□円パチンコ他」と、その「確認」釦と、が表示されることにより、設定変更後に売上や再プレイのテストの、し忘れ防止として遊技場側への注意を促すことができる。
【0098】
以上のような実施形態によれば、次のような効果を奏することができる。
管理装置6は、例えば
図9の「種別変更・追加」釦群520による指定に応じて、自装置6が配置管理手段として管理する配置替え前の台番及び遊技機IDの関係性を示す基準配置替情報と、CSVファイル(申請書50)から取込まれた配置替情報と、を比較する判定処理に基づき配置替えに伴う管理情報の引継ぎを行う第1引継処理、並びに、第1引継処理よりも判定処理を抑制した上で配置替えに伴う管理情報の引継ぎを行う第2引継処理、の何れかの引継処理を選択的に実行する。
【0099】
この構成によれば、「種別変更・追加」釦群520による指定、つまりは種別のような複数の機種が属する機種グループを跨ぐ配置替えが含まれるか否かの指定に応じて処理時間が異なるシステムであっても、第1引継処理によれば判定処理により新台と判定されればそのまま新台と判定して引継処理を行うことで他の種別を参照する必要性が低減し、適切に配置替えに係る処理を行うことが可能となる。
【0100】
管理装置6は、引継処理を実行する場合に、機種グループを跨ぐ配置替えに伴い当該配置替え前の管理情報をそのまま引継ぐか否かを予め選択可能にするため、例えば
図8に示す釦群511~517で選択操作を受付ける引継選択手段として構成されている。これによれば、引継処理を行う場合に、他種別における管理情報を引継ぐか否かを予め設定により選択可能とするので、遊技場のニーズに応じた引継処理が可能となる。
【0101】
管理装置6は、第2引継処理を実行する場合に、例えば配置替え前の
図14の機種設定(設定情報)と申請書50の配置替情報との比較結果に基づき、当該配置替情報により示される機種の内、機種グループたる種別と対応付けて規定される設定情報が未規定となる機種について、基準配置替情報を比較することにより、種別を跨ぐ配置替えが行われる種別変更機種を特定した上で管理情報の引継ぎを行う。これによれば、例えば申請書50の配置替情報に種別のような機種グループを示す情報が含まれていなくとも適切に種別を跨ぐ配置替えが行われた機種を特定可能となる。
【0102】
管理装置6は、種別を跨ぐ配置替えが行われる機種を特定した場合に、その旨を報知する報知手段を備えることから、種別を跨ぐ配置替えがある場合に、種別を跨がない配置替えの場合よりも引継がれた管理情報を入念に確認する必要性を管理者に把握させ易くなる。
【0103】
前記報知手段は、例えば
図16(2)に示す台機種設定の設定情報と種別との対応関係を示す表示画面632において、種別を跨ぐ配置替えが行われる機種を、該当する欄の背景色の色分け等で識別表示することにより報知するモニタ8で構成されていることから、視覚的に容易に把握することができる。
【0104】
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変形または拡張してもよい。
第2引継処理を実行する場合に、機種設定に係る新規登録処理を行った上で、これにより更新された機種設定と基準配置替情報とを比較する比較区別処理により、第1引継ぎ処理のように基準配置替情報と配置替情報とを直接的に比較しないことで判定処理を抑制することを例示したが、例えば、比較区別処理を行わないことで判定処理を抑制する構成や、特定の台番や機種を予め指定し、当該指定した台番や機種だけを対象として遊技機IDがないかを判定するといったように、判定処理を抑制するのであればどのような構成でもよい。
【0105】
管理情報は設定情報と遊技情報との少なくとも一方であり、設定情報を判定処理の抑制対象としたが、処理を統一化するため遊技情報も含めて抑制対象としてもよい。また、設定情報は手動で行い、遊技情報を自動化するため遊技情報のみを対象としても勿論よい。
【0106】
図9の「種別変更・追加」で「有」と設定した場合、全台を新台と判定する構成を例示したが、機種設定と比較することにより追加となった機種や、種別の変更もない全くの新台のみを新台と判定するように、必ずしも全台を新台と判定する必要はない。勿論、全くの新台のみを新台と判定し、種別を跨ぐ配置替えが行われた機種は種別を跨ぐ配置替えが行われたと区分して判定し、区分して識別表示してもよい。
同様に設定情報だけでなく遊技情報も種別を跨げば引継がない方がよいと考える遊技場もあることから、種別を跨ぐ場合に、設定情報だけでなく遊技情報も引継ぐかどうかも設定可能としてもよい。
【0107】
遊技機IDは、遊技機1から送信される遊技信号により特定してもよい。例えば、管理装置6において、取込まれるCSVファイルの配置替情報が
図7の申請書50の如く「新台番」や「旧台番」を含むとき、その何れかの台番に対応する遊技機1から送信される遊技信号により遊技機IDを特定し、又、配置替えされた遊技機1を特定することも可能である。
【0108】
配置替情報は例えば、
図7の申請書50そのものの情報(申請書情報)を対象として取込むようにしてもよく、例えば新台導入時や撤去対象となる遊技機1に関する提出書類の情報を対象として取込むようにしてもよい。また、規定手段は、管理装置6のような取込手段において取込まれる配置替情報を規定するものであればよく、管理装置6と接続可能なUSBメモリ以外の例えばサーバ10のような外部装置等で規定する構成としてもよい。
各設定値は管理者が任意に操作入力により設定しても、予め管理装置6のメーカーにて設定しても、外部(例えばチェーン店本部等)のサーバ10から設定情報をダウンロードして設定してもよい。
【0109】
例示した全ての遊技情報は入力した信号により直接的に特定しても演算式を利用して間接的に特定してもよい。また、遊技信号としてパルス信号を例示したがシリアル通信等による信号入力としてもよい。
数値、桁数、項目等は例示であり、どのような数値を採用してもよい。また、出力としては印字、表示出力が少なくとも想定される。
【0110】
機種としては、例えばレート別やフロア別に機種をグループ化する等、どのような区分により構成してもよい。
対象となる遊技機1としては封入式遊技機を例示したが、従来の遊技媒体を払出す遊技機を対象とする等、他のパチンコ遊技機やスロットマシン等にも採用できる。なお、例示した封入式を考慮して遊技媒体は必要に応じて遊技価値と表現する。
【0111】
条件設定手段により設定可能な条件は、上記したレート条件や区分条件に限らず、各種遊技機に用いられる遊技価値に応じた他の条件や機種を指定するといった条件を規定する等、配置替えの対象となる遊技機に関する条件であればよい。
管理装置6が行う処理の一部を中継装置4、情報表示装置3、或いは遊技装置2等にて行ってもよい等、どの様に構成してもよい。更に例示した構成は変形例も含めて、どのように組合わせてもよいし、適宜、採用しない構成を設けてもよい。
【符号の説明】
【0112】
図面中、1は遊技機、6は管理装置(配置管理手段、情報管理手段、規定手段、取込手段、指定手段、引継手段、引継選択手段、報知手段、表示手段)、8はモニタ(指定手段、引継選択手段、報知手段、表示手段)、511~517は釦群(引継選択手段)、520は釦群(指定手段)である。