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特開2024-59334給湯機及び給湯機の排気ユニットの取り付け方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059334
(43)【公開日】2024-05-01
(54)【発明の名称】給湯機及び給湯機の排気ユニットの取り付け方法
(51)【国際特許分類】
   F24H 9/02 20060101AFI20240423BHJP
【FI】
F24H9/02 301D
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022166951
(22)【出願日】2022-10-18
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】390002886
【氏名又は名称】株式会社長府製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100120086
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼津 一也
(74)【代理人】
【識別番号】100090697
【弁理士】
【氏名又は名称】中前 富士男
(74)【代理人】
【識別番号】100176142
【弁理士】
【氏名又は名称】清井 洋平
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 広志
(72)【発明者】
【氏名】久我 拓也
【テーマコード(参考)】
3L037
【Fターム(参考)】
3L037AC05
(57)【要約】
【課題】本体ユニットに排気ユニットを取り付けるための部材の点数を抑制可能な給湯機及び給湯機の排気ユニットの取り付け方法を提供する。
【解決手段】筺体11の前側パネル12に形成された貫通孔13から排気グリル14が突出している本体ユニットに、排気グリル14からの燃焼ガスを取り込んで排出する箱状の排気ユニット16が、第1の取付具17及び第2の取付部18を用いて取り付けられた給湯機10において、前側パネル12は、貫通孔13の上側周縁部13aが筺体11の内側に折り曲げられ、第1の取付具17は、筺体11の内側から上側周縁部13aに係止された第1のフック片35と、排気ユニット16の前側パネル12に対向する側壁27に形成された開口部28直上の真上領域38及びその水平方向一側に隣接する開口部28の斜め上の一側斜上領域に排気ユニット16の内側から接触した第1の当接片37とを備えて、開口部28を挿通している。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筺体の前側パネルに形成された貫通孔から排気グリルが突出している本体ユニットに、該排気グリルから吹き出される前記筺体内の燃焼ガスを取り込んで該排気グリルの該燃焼ガスの吹き出し方向とは異なる方向に排出する箱状の排気ユニットが、第1の取付具及び第2の取付部を用いて取り付けられた給湯機において、
前記前側パネルは、前記貫通孔の上側周縁部及び下側周縁部が前記筺体の内側に折り曲げられ、
前記排気ユニットは、前記前側パネルに対向して配置された側壁を有し、該側壁には、前記排気グリルが挿通された開口部が形成され、
前記側壁及び前記前側パネルに弾性体が挟持され、
前記第1の取付具は、前記筺体の内側から前記上側周縁部に係止された第1のフック片と、前記側壁の前記開口部直上の真上領域及び該真上領域の水平方向一側に隣接する前記開口部の斜め上の一側斜上領域に前記排気ユニットの内側から接触した第1の当接片とを備えて、前記開口部を挿通し、
前記第2の取付具は、前記筺体の内側から前記下側周縁部に係止された第2のフック片と、前記側壁の前記開口部直下の真下領域及び該真下領域の水平方向他側に隣接する前記開口部の斜め下の他側斜下領域に前記排気ユニットの内側から接触した第2の当接片とを備えて、前記開口部を挿通していることを特徴とする給湯機。
【請求項2】
請求項1記載の給湯機において、前記第1の当接片は、前記真上領域の水平方向他側に隣接する前記開口部の斜め上の他側斜上領域に非接触であり、前記第2の当接片は、前記真下領域の水平方向一側に隣接する前記開口部の斜め下の一側斜下領域に非接触であることを特徴とする給湯機。
【請求項3】
筺体の前側パネルに形成された貫通孔から排気グリルが突出している本体ユニットに、該排気グリルから吹き出される前記筺体内の燃焼ガスを取り込んで該排気グリルの該燃焼ガスの吹き出し方向とは異なる方向に排出する箱状の排気ユニットが、第1の取付具及び第2の取付部を用いて取り付けられた給湯機において、
前記前側パネルは、前記貫通孔の上側周縁部及び下側周縁部が前記筺体の内側に折り曲げられ、
前記排気ユニットは、前記前側パネルに対向して配置された側壁を有し、該側壁には、前記排気グリルが挿通された開口部が形成され、
前記側壁及び前記前側パネルに弾性体が挟持され、
前記第1の取付具は、前記筺体の内側から前記上側周縁部に係止された第1のフック片と、前記側壁の前記開口部直上の真上領域及び該真上領域の水平方向一側に隣接する前記開口部の斜め上の一側斜上領域に前記排気ユニットの内側から接触した第1の当接片とを備えて、前記開口部を挿通し、
前記第2の取付具は、前記筺体の内側から前記下側周縁部に係止された第2のフック片と、前記側壁の前記開口部直下の真下領域及び該真下領域の水平方向一側に隣接する前記開口部の斜め下の一側斜下領域に前記排気ユニットの内側から接触した第2の当接片とを備えて、前記開口部を挿通していることを特徴とする給湯機。
【請求項4】
請求項3記載の給湯機において、前記第1の当接片は、前記真上領域の水平方向他側に隣接する前記開口部の斜め上の他側斜上領域に非接触であり、前記第2の当接片は、前記真下領域の水平方向他側に隣接する前記開口部の斜め下の他側斜下領域に非接触であることを特徴とする給湯機。
【請求項5】
請求項1又は3記載の給湯機において、前記第1の当接片及び前記第2の当接片それぞれの水平方向の長さは、前記開口部の水平方向の長さより短いことを特徴とする給湯機。
【請求項6】
請求項1又は2記載の給湯機において、前記第1の取付具の形状及び前記第2の取付具の形状は同一であることを特徴とする給湯機。
【請求項7】
筺体の前側パネルに形成された貫通孔から排気グリルが突出している本体ユニットに、該排気グリルが挿通される開口部が形成された側壁を有し、該排気グリルから吹き出される前記筺体内の燃焼ガスを取り込んで該排気グリルの該燃焼ガスの吹き出し方向とは異なる方向に排出する箱状の排気ユニットを、前記前側パネルの前記貫通孔の上側周縁部に係止される第1のフック片、並びに、前記側壁の前記開口部直上の真上領域及び該真上領域の水平方向一側に隣接する前記開口部の斜め上の一側斜上領域に前記排気ユニットの内側から接触する第1の当接片を備える第1の取付具と、前記前側パネルの前記貫通孔の下側周縁部に係止される第2のフック片、並びに、前記側壁の前記開口部直下の真下領域及び該真下領域の水平方向他側に隣接する前記開口部の斜め下の他側斜下領域に前記排気ユニットの内側から接触する第2の当接片を備える第2の取付具とを用いて取り付ける給湯機の排気ユニットの取り付け方法であって、
前記筺体の前記前側パネルが固定される部材から取り外された状態の該前側パネルを、前記側壁に対向配置させ、前記貫通孔を前記開口部に向かい合わせて配置する工程と、
前記前側パネルの裏側に折り曲げられた前記上側周縁部に該前側パネルの裏側から前記第1の取付具を近付け、前記第1のフック片を前記上側周縁部に係止させ、前記第1の当接片を前記排気ユニット内に配置する工程と、
前記第1のフック片が前記上側周縁部を係止した状態を維持しながら前記第1の取付具を前記上側周縁部に沿って移動させ、前記側壁の前記真上領域及び前記一側斜上領域に前記排気ユニットの内側から前記第1の当接片を接触させる工程と、
前記前側パネルの裏側に折り曲げられた前記下側周縁部に該前側パネルの裏側から前記第2の取付具を近付け、前記第2のフック片を前記下側周縁部に係止させ、前記第2の当接片を前記排気ユニット内に配置する工程と、
前記第2のフック片が前記下側周縁部を係止した状態を維持しながら前記第2の取付具を前記下側周縁部に沿って移動させ、前記側壁の前記真下領域及び前記他側斜下領域に前記排気ユニットの内側から前記第2の当接片を接触させる工程とを有して、
前記側壁及び前記前側パネルの間に配された弾性体を該側壁及び該前側パネルで挟んだ状態にすることを特徴とする給湯機の排気ユニットの取り付け方法。
【請求項8】
筺体の前側パネルに形成された貫通孔から排気グリルが突出している本体ユニットに、該排気グリルが挿通される開口部が形成された側壁を有し、該排気グリルから吹き出される前記筺体内の燃焼ガスを取り込んで該排気グリルの該燃焼ガスの吹き出し方向とは異なる方向に排出する箱状の排気ユニットを、前記前側パネルの前記貫通孔の上側周縁部に係止される第1のフック片、並びに、前記側壁の前記開口部直上の真上領域及び該真上領域の水平方向一側に隣接する前記開口部の斜め上の一側斜上領域に前記排気ユニットの内側から接触する第1の当接片を備える第1の取付具と、前記前側パネルの前記貫通孔の下側周縁部に係止される第2のフック片、並びに、前記側壁の前記開口部直下の真下領域及び該真下領域の水平方向一側に隣接する前記開口部の斜め下の一側斜下領域に前記排気ユニットの内側から接触する第2の当接片を備える第2の取付具とを用いて取り付ける給湯機の排気ユニットの取り付け方法であって、
前記筺体の前記前側パネルが固定される部材から取り外された状態の該前側パネルを、前記側壁に対向配置させ、前記貫通孔を前記開口部に向かい合わせて配置する工程と、
前記前側パネルの裏側に折り曲げられた前記上側周縁部に該前側パネルの裏側から前記第1の取付具を近付け、前記第1のフック片を前記上側周縁部に係止させ、前記第1の当接片を前記排気ユニット内に配置する工程と、
前記第1のフック片が前記上側周縁部を係止した状態を維持しながら前記第1の取付具を前記上側周縁部に沿って移動させ、前記側壁の前記真上領域及び前記一側斜上領域に前記排気ユニットの内側から前記第1の当接片を接触させる工程と、
前記前側パネルの裏側に折り曲げられた前記下側周縁部に該前側パネルの裏側から前記第2の取付具を近付け、前記第2のフック片を前記下側周縁部に係止させ、前記第2の当接片を前記排気ユニット内に配置する工程と、
前記第2のフック片が前記下側周縁部を係止した状態を維持しながら前記第2の取付具を前記下側周縁部に沿って移動させ、前記側壁の前記真下領域及び前記一側斜下領域に前記排気ユニットの内側から前記第2の当接片を接触させる工程とを有して、
前記側壁及び前記前側パネルの間に配された弾性体を該側壁及び該前側パネルで挟んだ状態にすることを特徴とする給湯機の排気ユニットの取り付け方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、台所等に供給される水を筺体内で燃焼ガスにより加熱する給湯機及び給湯機の排気ユニットの取り付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
燃焼ガスを筺体から排出する給湯機は、筺体の前方に窓がある等の理由で筺体の前方に燃焼ガスを排出できない場合、特許文献1、2に記載されているように、筺体の前方とは異なる方向に燃焼ガスを排出する排気ユニット(特許文献1、2ではそれぞれ排気案内筒、排気アダプタ)が筺体に取り付けられる。排気ユニットは燃焼ガスの排出方向として左側又は右側が選択可能に設計されている。排気ユニットの燃焼ガスの排出方向は給湯機の設置現場に応じて決定され、通常、給湯機の設置現場で排気ユニットを筺体に取り付ける作業が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-31496号公報
【特許文献2】特開2022-56930号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献2に記載の給湯機は、排気ユニットの本体ユニットへの取り付けに2つの第1連結部及び2つの第2連結部が使用される。更に、各第1連結部及び各第2連結部の本体ユニットや排気ユニットへの固定にはねじ等が用いられることから、排気ユニットの本体ユニットへの取り付けには、多くの部材が必要であった。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたもので、本体ユニットに排気ユニットを取り付けるための部材の点数を抑制可能な給湯機及び給湯機の排気ユニットの取り付け方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的に沿う第1の発明に係る給湯機は、筺体の前側パネルに形成された貫通孔から排気グリルが突出している本体ユニットに、該排気グリルから吹き出される前記筺体内の燃焼ガスを取り込んで該排気グリルの該燃焼ガスの吹き出し方向とは異なる方向に排出する箱状の排気ユニットが、第1の取付具及び第2の取付部を用いて取り付けられた給湯機において、前記前側パネルは、前記貫通孔の上側周縁部及び下側周縁部が前記筺体の内側に折り曲げられ、前記排気ユニットは、前記前側パネルに対向して配置された側壁を有し、該側壁には、前記排気グリルが挿通された開口部が形成され、前記側壁及び前記前側パネルに弾性体が挟持され、前記第1の取付具は、前記筺体の内側から前記上側周縁部に係止された第1のフック片と、前記側壁の前記開口部直上の真上領域及び該真上領域の水平方向一側に隣接する前記開口部の斜め上の一側斜上領域に前記排気ユニットの内側から接触した第1の当接片とを備えて、前記開口部を挿通し、前記第2の取付具は、前記筺体の内側から前記下側周縁部に係止された第2のフック片と、前記側壁の前記開口部直下の真下領域及び該真下領域の水平方向他側に隣接する前記開口部の斜め下の他側斜下領域に前記排気ユニットの内側から接触した第2の当接片とを備えて、前記開口部を挿通している。
【0006】
前記目的に沿う第2の発明に係る給湯機は、筺体の前側パネルに形成された貫通孔から排気グリルが突出している本体ユニットに、該排気グリルから吹き出される前記筺体内の燃焼ガスを取り込んで該排気グリルの該燃焼ガスの吹き出し方向とは異なる方向に排出する箱状の排気ユニットが、第1の取付具及び第2の取付部を用いて取り付けられた給湯機において、前記前側パネルは、前記貫通孔の上側周縁部及び下側周縁部が前記筺体の内側に折り曲げられ、前記排気ユニットは、前記前側パネルに対向して配置された側壁を有し、該側壁には、前記排気グリルが挿通された開口部が形成され、前記側壁及び前記前側パネルに弾性体が挟持され、前記第1の取付具は、前記筺体の内側から前記上側周縁部に係止された第1のフック片と、前記側壁の前記開口部直上の真上領域及び該真上領域の水平方向一側に隣接する前記開口部の斜め上の一側斜上領域に前記排気ユニットの内側から接触した第1の当接片とを備えて、前記開口部を挿通し、前記第2の取付具は、前記筺体の内側から前記下側周縁部に係止された第2のフック片と、前記側壁の前記開口部直下の真下領域及び該真下領域の水平方向一側に隣接する前記開口部の斜め下の一側斜下領域に前記排気ユニットの内側から接触した第2の当接片とを備えて、前記開口部を挿通している。
【0007】
前記目的に沿う第3の発明に係る給湯機の排気ユニットの取り付け方法は、筺体の前側パネルに形成された貫通孔から排気グリルが突出している本体ユニットに、該排気グリルが挿通される開口部が形成された側壁を有し、該排気グリルから吹き出される前記筺体内の燃焼ガスを取り込んで該排気グリルの該燃焼ガスの吹き出し方向とは異なる方向に排出する箱状の排気ユニットを、前記前側パネルの前記貫通孔の上側周縁部に係止される第1のフック片、並びに、前記側壁の前記開口部直上の真上領域及び該真上領域の水平方向一側に隣接する前記開口部の斜め上の一側斜上領域に前記排気ユニットの内側から接触する第1の当接片を備える第1の取付具と、前記前側パネルの前記貫通孔の下側周縁部に係止される第2のフック片、並びに、前記側壁の前記開口部直下の真下領域及び該真下領域の水平方向他側に隣接する前記開口部の斜め下の他側斜下領域に前記排気ユニットの内側から接触する第2の当接片を備える第2の取付具とを用いて取り付ける給湯機の排気ユニットの取り付け方法であって、前記筺体の前記前側パネルが固定される部材から取り外された状態の該前側パネルを、前記側壁に対向配置させ、前記貫通孔を前記開口部に向かい合わせて配置する工程と、前記前側パネルの裏側に折り曲げられた前記上側周縁部に該前側パネルの裏側から前記第1の取付具を近付け、前記第1のフック片を前記上側周縁部に係止させ、前記第1の当接片を前記排気ユニット内に配置する工程と、前記第1のフック片が前記上側周縁部を係止した状態を維持しながら前記第1の取付具を前記上側周縁部に沿って移動させ、前記側壁の前記真上領域及び前記一側斜上領域に前記排気ユニットの内側から前記第1の当接片を接触させる工程と、前記前側パネルの裏側に折り曲げられた前記下側周縁部に該前側パネルの裏側から前記第2の取付具を近付け、前記第2のフック片を前記下側周縁部に係止させ、前記第2の当接片を前記排気ユニット内に配置する工程と、前記第2のフック片が前記下側周縁部を係止した状態を維持しながら前記第2の取付具を前記下側周縁部に沿って移動させ、前記側壁の前記真下領域及び前記他側斜下領域に前記排気ユニットの内側から前記第2の当接片を接触させる工程とを有して、前記側壁及び前記前側パネルの間に配された弾性体を該側壁及び該前側パネルで挟んだ状態にする。
【0008】
前記目的に沿う第4の発明に係る給湯機の排気ユニットの取り付け方法は、筺体の前側パネルに形成された貫通孔から排気グリルが突出している本体ユニットに、該排気グリルが挿通される開口部が形成された側壁を有し、該排気グリルから吹き出される前記筺体内の燃焼ガスを取り込んで該排気グリルの該燃焼ガスの吹き出し方向とは異なる方向に排出する箱状の排気ユニットを、前記前側パネルの前記貫通孔の上側周縁部に係止される第1のフック片、並びに、前記側壁の前記開口部直上の真上領域及び該真上領域の水平方向一側に隣接する前記開口部の斜め上の一側斜上領域に前記排気ユニットの内側から接触する第1の当接片を備える第1の取付具と、前記前側パネルの前記貫通孔の下側周縁部に係止される第2のフック片、並びに、前記側壁の前記開口部直下の真下領域及び該真下領域の水平方向一側に隣接する前記開口部の斜め下の一側斜下領域に前記排気ユニットの内側から接触する第2の当接片を備える第2の取付具とを用いて取り付ける給湯機の排気ユニットの取り付け方法であって、前記筺体の前記前側パネルが固定される部材から取り外された状態の該前側パネルを、前記側壁に対向配置させ、前記貫通孔を前記開口部に向かい合わせて配置する工程と、前記前側パネルの裏側に折り曲げられた前記上側周縁部に該前側パネルの裏側から前記第1の取付具を近付け、前記第1のフック片を前記上側周縁部に係止させ、前記第1の当接片を前記排気ユニット内に配置する工程と、前記第1のフック片が前記上側周縁部を係止した状態を維持しながら前記第1の取付具を前記上側周縁部に沿って移動させ、前記側壁の前記真上領域及び前記一側斜上領域に前記排気ユニットの内側から前記第1の当接片を接触させる工程と、前記前側パネルの裏側に折り曲げられた前記下側周縁部に該前側パネルの裏側から前記第2の取付具を近付け、前記第2のフック片を前記下側周縁部に係止させ、前記第2の当接片を前記排気ユニット内に配置する工程と、前記第2のフック片が前記下側周縁部を係止した状態を維持しながら前記第2の取付具を前記下側周縁部に沿って移動させ、前記側壁の前記真下領域及び前記一側斜下領域に前記排気ユニットの内側から前記第2の当接片を接触させる工程とを有して、前記側壁及び前記前側パネルの間に配された弾性体を該側壁及び該前側パネルで挟んだ状態にする。
【発明の効果】
【0009】
第1の発明に係る給湯機は、第1の取付具が、筺体の内側から上側周縁部に係止された第1のフック片と、側壁の開口部直上の真上領域及び真上領域の水平方向一側に隣接する開口部の斜め上の一側斜上領域に排気ユニットの内側から接触した第1の当接片とを備えて、開口部を挿通し、第2の取付具が、筺体の内側から下側周縁部に係止された第2のフック片と、側壁の開口部直下の真下領域及び真下領域の水平方向他側に隣接する開口部の斜め下の他側斜下領域に排気ユニットの内側から接触した第2の当接片とを備えて、開口部を挿通しているので、基本的に第1、第2の取付具の2点のみで、本体ユニットに排気ユニットを固定でき、本体ユニットに排気ユニットを取り付けるための部材の点数を抑制可能である。
【0010】
第2の発明に係る給湯機は、基本的に、第1の発明に係る給湯機に対し、第2の取付具の第2の当接片が、側壁の真下領域及び真下領域の水平方向一側に隣接する開口部の斜め下の一側斜下領域(即ち、他側斜下領域ではなく一側斜下領域)に排気ユニットの内側から接触する点のみが異なることから、第2の発明に係る給湯機も、本体ユニットに排気ユニットを取り付けるための部材の点数を抑制可能である。
【0011】
また、第3の発明に係る給湯機の排気ユニットの取り付け方法は、第1の発明に係る給湯機に対応し、第4の発明に係る給湯機の排気ユニットの取り付け方法は、第2の発明に係る給湯機に対応する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施の形態に係る給湯機の説明図である。
図2】排気ユニットを本体ユニットに取り付けた状態を示す説明図である。
図3】排気ユニットを本体ユニットに取り付けた状態を示す説明図である。
図4】排気ユニットを本体ユニットに取り付けた状態を示す説明図である。
図5】(A)、(B)はそれぞれ、排気グリルの正面図及び平面図である。
図6】(A)、(B)はそれぞれ、排気ユニットの正面図及び平面図である。
図7】(A)、(B)はそれぞれ、第1の取付具の斜視図及び側面図である。
図8】排気ユニットに対して前側パネルを位置調整した様子を示す説明図である。
図9】排気ユニット及び前側パネルに第1、第2の取付具を装着する様子を示す説明図である。
図10】排気ユニット及び前側パネルに第1、第2の取付具を装着する様子を示す説明図である。
図11】排気ユニット及び前側パネルに第1、第2の取付具を装着する様子を示す説明図である。
図12】(A)、(B)はそれぞれ、変形例に係る第2の取付具の斜視図及び側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1図2図3に示すように、本発明の一実施の形態に係る給湯機10は、筺体11の前側パネル12に形成された貫通孔13から排気グリル14が突出している本体ユニット15に、排気グリル14から吹き出される筺体11内の燃焼ガスを取り込んで排気グリル14の燃焼ガスの吹き出し方向とは異なる方向に排出する箱状の排気ユニット16が、取付具17、18(それぞれ第1の取付具及び第2の取付具の一例)を用いて取り付けられている。以下、詳細に説明する。
【0014】
本体ユニット15は、図1図2に示すように、箱状の筺体11内に、気体燃料の燃焼により燃焼ガスを発生させるバーナ19及びその燃焼ガスによって水を加熱する熱交換器20を有する。筺体11は、前側パネル12に加えて、前側パネル12が図示しない螺子部材により固定された前側が開口したケーシング(前側パネル12が固定された部材の一例)21を具備している。
【0015】
貫通孔13は、左右方向に長く、筺体11の前側パネル12の上側領域に形成されている。前側パネル12の貫通孔13の周縁は、前側パネル12を正面視して、水平に配された直線状の上側周縁部13a、上側周縁部13aの下方で水平に配された直線状の下側周縁部13b、上側周縁部13aの左端及び下側周縁部13bの左端の間に設けられた円弧状の左側周縁部、並びに、上側周縁部13aの右端及び下側周縁部13bの右端の間に設けられた円弧状の右側周縁部によって構成されている。
【0016】
なお、本実施の形態では、筺体11を背面側から見た状態で右側を筺体11の右側、左側を筺体11の左側とする。
前側パネル12は、図2に示すように、貫通孔13の周縁が全周に亘って筺体11の内側(前側パネル12の裏側)に向けて折り曲げられている。即ち、上側周縁部13a及び下側周縁部13bは筺体11の外側(前側パネル12の表側)ではなく筺体11の内側(前側パネル12の裏側)に折り曲げられている。
【0017】
前側パネル12の下側領域には、図1に示すように、バーナ19による気体燃料の燃焼に必要とされる空気を外部から筺体11内に取り込む複数の給気孔22が形成されている。燃焼ガスにより加熱された水は図示しない管を通って台所や洗面所等に供給され、熱交換器20で水を加熱した燃焼ガスは、図1図2に示すように、筺体11内の熱交換器20の上方に設けられた排気室23に流入する。
【0018】
排気室23の前側には、図1図2図3図5(A)、(B)に示すように、左右方向に長い開口24が形成され、開口24の周辺領域に、左右方向に長い排気グリル14が連結されている。排気グリル14は、排気室23に連結された環状のフランジ部25及びフランジ部25の前方に配され、前側パネル12の貫通孔13を挿通した筒状部26を有している。
【0019】
フランジ部25は、筺体11内に配され、左右方向に長く、外縁が全周にわたって前方に折り曲げられている。同じく左右方向に長い筒状部26は、軸心が略水平に配され、前側端部(先端部)の全周が内側に折り曲げられている。フランジ部25の内側及び筒状部26の内側からなる空間は開口24を介して排気室23の内側に連通している。排気室23内の燃焼ガスは排気グリル14から筺体11外に出ることができる。
【0020】
排気ユニット16は、図2図3図6(A)、(B)に示すように、左右方向に長い金属製の箱状物であり、取付具17、18によって、前側パネル12に固定されている。排気ユニット16は、前側パネル12の前方で前側パネル12に対向して配置された側壁27を有し、側壁27には左右方向に長い開口部28が形成されている。筒状部26、貫通孔13及び開口部28はそれぞれ、筒状部26が貫通孔13及び開口部28を挿通可能な大きさであり、筒状部26は貫通孔13及び開口部28を挿通した状態で前側(本実施の形態では、前端から略半分の部分)が排気ユニット16内に配されている。
【0021】
排気ユニット16の左右方向他側端部(本実施の形態では、右側端部)には、筒状部26(排気グリル14)から排気ユニット16内に吹き出される燃焼ガスを排気ユニット16外に排出する排出口30が形成されている。本実施の形態では、燃焼ガスが筒状部26から前方に吹き出され、排出口30から右向き(即ち、排気グリル14の燃焼ガスの吹出し方向とは異なる方向)に吹き出される。
【0022】
側壁27は、開口部28の周縁が、図6(A)に示すように、上下にそれぞれ水平部を有し、左右にそれぞれ鉛直部を有している。排気ユニット16は、図2図3図6(A)、(B)に示すように、側壁27の開口部28外縁の上側の水平部から後方に突出した上側板部31、同外縁の下側の水平部から後方に突出した下側板部32、同外縁の左側の鉛直部から後方に突出した左側板部33、及び、同外縁の右側の鉛直部から後方に突出した右側板部34を具備している。
【0023】
上側板部31、下側板部32、左側板部33及び右側板部34は互いに非接触であり、上側板部31及び下側板部32はそれぞれ矩形状で水平に配され、左側板部33及び右側板部34は同一高さに鉛直に配され、いずれも先側(後側)が基側(前側)に比べて細くなっている。排気ユニット16には、上側板部31、下側板部32、左側板部33及び右側板部34を囲むように、環状に形成されたスポンジ製のパッキン(弾性体の一例)29が取り付けられている。パッキン29は、図2に示すように、側壁27及び前側パネル12に前後から挟まれた(挟持された)状態であり、排気ユニット16と本体ユニット15の接続部から燃焼ガスが外部に漏れ出るのを防止している。
【0024】
左側板部33及び右側板部34は、上側板部31及び下側板部32に比べて前後方向に長く、左側板部33から右側板部34までの距離は貫通孔13の左右方向の長さより僅かに短い(本実施の形態では、0.5mm以上2mm以下の範囲で短い)。排気ユニット16は、排気ユニット16が前側パネル12に固定された状態で、上側板部31及び下側板部32が貫通孔13まで達して(貫通孔13に挿入されて)いないのに対し、左側板部33及び右側板部34はそれぞれ細くなった先側が貫通孔13に挿入されている。左側板部33及び右側板部34の各先側を貫通孔13に挿入することによって、前側パネル12に対する排気ユニット16の位置決めが可能である。
【0025】
取付具17、18は、図2図3図7(A)、(B)に示すように、共に左右方向に長い金具であり、取付具18は取付具17の下方に配されている。取付具17は、板状物の後側端部(先端部)が鋭角に折り曲げられたフック片35(第1のフック片の一例)と、フック片35の前側端部に連結され、実質的に鉛直に配された矩形板状の当接片37(第1の当接片の一例)を備えている。フック片35は折り曲げられた先端部を除く部分が略水平に配された板片部になっている。
【0026】
フック片35及び当接片37はいずれも左右方向に長く、フック片35の左右方向の長さは上側周縁部13a、貫通孔13及び開口部28それぞれの左右方向の長さより短い。当接片37の左右方向(水平方向)の長さは、フック片35の左右方向(水平方向)の長さより長く、貫通孔13及び開口部28それぞれの左右方向(水平方向)の長さより短い。フック片35及び当接片37の各右端は左右方向同位置に配されている。当接片37はフック片35に対して左側に突出した突出部37aを具備している。
【0027】
以下、側壁27において、図3示すように、開口部28の直上の領域を真上領域38、真上領域38の左側(水平方向一側の一例)に隣接する開口部28の左斜め上(斜め上の一例)の領域を左斜上領域39(一側斜上領域の一例)、真上領域38の右側(水平方向他側の一例)に隣接する開口部28の右斜め上の領域を右斜上領域40(他側斜上領域の一例)、開口部28の直下の領域を真下領域41、真下領域41の左側に隣接する開口部28の左斜め下(斜め下の一例)の領域を左斜下領域42(一側斜下領域の一例)、真下領域41の右側(水平方向他側の一例)に隣接する開口部28の右斜め下(斜め下の一例)の領域を右斜下領域43(他側斜下領域の一例)とする。
【0028】
取付具17は、図2図3に示すように、フック片35の先端部が、筺体11の内側(前側パネル12の裏側)から前側パネル12の上側周縁部13aに係止され、フック片35の板片部が、上側板部31と筒状部26の間に配されて貫通孔13及び開口部28を挿通し、当接片37が、側壁27の真上領域38の右側端部を除く部分及び左斜上領域39に排気ユニット16の内側から面接触して、前側パネル12及び排気ユニット16に装着されている。左斜上領域39には当接片37の突出部37aが接触し、当接片37は真上領域38の右側端部及び右斜上領域40に非接触である。本実施の形態では、フック片35の板片部に上側板部31及び筒状部26が接触している。
【0029】
取付具18は、取付具17と同形状であり、後側端部(先端部)が鋭角に折り曲げられたフック片45(第2のフック片の一例)と、フック片45の前側端部に連結され、実質的に鉛直に配された矩形板状の当接片47(第2の当接片の一例)が設けられている。フック片45は折り曲げられた先端部を除く部分が略水平に配された板片部になっている。
【0030】
フック片45及び当接片47はいずれも左右方向に長く、フック片45の左右方向の長さは下側周縁部13b、貫通孔13及び開口部28それぞれの左右方向の長さより短い。当接片47の左右方向(水平方向)の長さは、フック片45の左右方向(水平方向)の長さより長く、貫通孔13及び開口部28それぞれの左右方向(水平方向)の長さより短い。フック片45及び当接片47の各左端は左右方向同位置に配されている。当接片47はフック片45に対して右側に突出した突出部47aを具備している。
【0031】
取付具18は、取付具17に対し上下を反対にして配置され、フック片45の先端部が、筺体11の内側(前側パネル12の裏側)から前側パネル12の下側周縁部13bに係止され、フック片45の板片部が、下側板部32と筒状部26の間に配されて貫通孔13及び開口部28を挿通し、当接片47が、側壁27の真下領域41の左側端部を除く部分及び右斜下領域43に排気ユニット16の内側から面接触して、前側パネル12及び排気ユニット16に装着されている。右斜下領域43には当接片47の突出部47aが接触し、当接片47は真下領域41の左側端部及び左斜下領域42に非接触である。本実施の形態では、フック片45の板片部に下側板部32及び筒状部26が接触している。
【0032】
また、フランジ部25と前側パネル12によって、図2図4に示すように、環状パッキン48が挟まれている。取付具17のフック片35及び取付具18のフック片45はそれぞれ、環状パッキン48及び筒状部26の間に配されている。
【0033】
次に、図8図11を参照して、排気ユニット16の本体ユニット15への取り付け方法について説明する。
【0034】
第1ステップ:
排気ユニット16が取り付けられていない前側パネル12をケーシング21から取り外された状態にする。本実施の形態では、工場出荷時に前側パネル12がケーシング21に固定されているため、前側パネル12をケーシング21から取り外すが、工場出荷時に前側パネル12がケーシング21に固定されていない場合、つまり、前側パネル12がケーシング21から取り外された状態も有り得る。
【0035】
第2ステップ:
前側パネル12を、図8に示すように、排気ユニット16の側壁27に対向配置させて、左側板部33の先側及び右側板部34の先側を貫通孔13に挿通させ、貫通孔13を開口部28に向かい合わせて配置する。
【0036】
第3ステップ:
前側パネル12の裏側から上側周縁部13aに取付具17を近付けてフック片35の先端部を上側周縁部13aに係止させた後、上側周縁部13aに係止したフック片35の先端部を中心に取付具17を回動させて、図9図10に示すように、フック片35の板片部を貫通孔13及び開口部28に挿通した状態にし、当接片37を排気ユニット16内に配置する。本実施の形態では、当接片37(突出部37aを含む)を、突出部37aが左斜上領域39に接触しない位置で、排気ユニット16の内側から側壁27の真上領域38に面接触した状態にする。
【0037】
第4ステップ:
フック片35の先端部が上側周縁部13aを係止した状態を(本実施の形態では、当接片37が排気ユニット16の内側から側壁27に面接触した状態も)維持しながら、直線状の上側周縁部13aに沿って取付具17を水平移動させ、図11に示すように、突出部37aが左斜上領域39に面接触し、当接片37の突出部37aを除く部分が真上領域38に面接触し、フック片35の先端部が上側周縁部13aに係止し、側壁27の真上領域38及び左斜上領域39と前側パネル12とでパッキン29を挟んだ状態にして、取付具17を前側パネル12及び排気ユニット16に装着する。
【0038】
取付具18に対しても、取付具17に対する第3ステップ及び第4ステップの作業に対応する下記の第5ステップ及び第6ステップの作業が行われる。
【0039】
第5ステップ:
前側パネル12の裏側から下側周縁部13bに取付具18を近付けてフック片45の先端部を下側周縁部13bに係止させた後、下側周縁部13bに係止したフック片45の先端部を中心に取付具18を回動させて、図9図10に示すように、フック片45の板片部を貫通孔13及び開口部28に挿通した状態にし、当接片47を排気ユニット16内に配置する。本実施の形態では、当接片47(突出部47aを含む)を、突出部47aが右斜下領域43に接触しない位置で、排気ユニット16の内側から側壁27の真下領域41に面接触した状態にする。
【0040】
第6ステップ:
フック片45の先端部が下側周縁部13bを係止した状態を(本実施の形態では、当接片47が排気ユニット16の内側から側壁27に面接触した状態も)維持しながら、直線状の下側周縁部13bに沿って取付具18を水平移動させ、図11に示すように、突出部47aが右斜下領域43に面接触し、当接片47の突出部47aを除く部分が真下領域41に面接触し、フック片45の先端部が下側周縁部13bを係止し、側壁27の真下領域41及び右斜下領域43と前側パネル12とでパッキン29を挟んだ状態にして、取付具18を排気ユニット16及び前側パネル12に装着する。
【0041】
取付具17、18の排気ユニット16及び前側パネル12への装着により、図9に示すように、側壁27及び前側パネル12の間に配されたパッキン29を側壁27及び前側パネル12で挟んだ状態となる。これによって、パッキン29から排気ユニット16及び前側パネル12に対して排気ユニット16及び前側パネル12が離れる方向の力が与えられ、排気ユニット16及び前側パネル12は取付具17、18が排気ユニット16及び前側パネル12から脱落するのを抑制する方向の力を取付具17、18に与える。
【0042】
取付具17の突出部37aが左斜上領域39に接触し、取付具18の突出部47aが右斜下領域43に接触していることによって、取付具17の突出部37aを含む当接片37が左斜上領域39に接触せず、取付具18の突出部47aを含む当接片47が右斜下領域43に接触していない場合に比べて、取付具17、18の排気ユニット16及び前側パネル12からの脱落を安定的に防止可能である。そのため、本実施の形態では、例えば、前側パネル12に力が作用しパッキン29の復元力に反して前側パネル12が排気ユニット16に接近したとしても、取付具17、18の排気ユニット16及び前側パネル12への装着を安定して維持できる。
【0043】
なお、図10では、第3ステップの作業を終えた時点での取付具17の状態及び第5ステップの処理を終えた時点での取付具18の状態を記載しているが、本実施の形態において、実際には、第3ステップの処理を終えた時点で取付具18の前側パネル12及び排気ユニット16への取り付け作業は開始されていない。この点、第3ステップの後、第5ステップを行ってから第4ステップ及び第6ステップを行ってもよいことは言うまでもない。
【0044】
また、第5ステップ及び第6ステップを順次行った後に第3ステップ及び第4ステップを順次行うようにしてもよい。第2ステップから第6ステップは、排気ユニット16において側壁27が上側に位置し水平となるように排気ユニット16を台等に載置して行うことや、側壁27が鉛直になるように排気ユニット16を配置して行うことが可能である。
【0045】
第7ステップ:
取付具17、18によって排気ユニット16が取り付けられた前側パネル12をケーシング21に接近させて位置調整し、筒状部26が、図2に示すように、貫通孔13及び開口部28を挿通して、フック片35の板片部(取付具17)及びフック片45の板片部(取付具18)の間に配されるようにした後、前側パネル12を螺子部材を用いてケーシング21に固定する。筒状部26を貫通孔13及び開口部28を挿通させる過程で、フック片35の先端部及びフック片45の先端部はそれぞれ環状パッキン48及び筒状部26の間に配される。
【0046】
フック片35の板片部とフック片45の板片部の間に筒状部26を配した状態で前側パネル12をケーシング21に固定することにより、取付具17、18が排気ユニット16及び前側パネル12に対して移動可能な範囲が極端に制限され、取付具17、18が排気ユニット16及び前側パネル12から脱落しない状態となる。そのため、排気ユニット16は前側パネル12に確実に固定される。
【0047】
ここまで説明した実施の形態では、第1の取付具である取付具17の形状及び第2の取付具である取付具18の形状が同一であるが、第1の取付具の形状と第2の取付具の形状は異なっていてもよい。例えば、第2の取付具として図12(A)、(B)に示す取付具50を採用し、取付具50を第1の取付具としての取付具17と共に使用して排気ユニット16を前側パネル12(本体ユニット15)に取り付けることができる。
【0048】
取付具50は、図12(A)、(B)に示すように、板状物の後側端部(先端部)が鋭角に折り曲げられたフック片51(第2のフック片の一例)と、フック片51の前側端部に連結され、実質的に鉛直に配された矩形板状の当接片53(第2の当接片の一例)を備えている。フック片51は折り曲げられた先端部を除く部分が略水平に配された板片部になっている。当接片53はフック片51に対して水平方向一側に突出した突出部53aを有している。
【0049】
取付具50は、取付具17(取付具18)と比べて、形状が異なる。具体的には、本体ユニット15に排気ユニット16が取り付けられた状態で、取付具17(取付具18)は、図3図7(A)、(B)に示すように、突出部37a(突出部47a)がフック片35(フック片45)より左側(右側)に突出するように形成されているのに対し、取付具50は、図12(A)、(B)に示すように、突出部53aがフック片51より左側に突出するように形成されている。
【0050】
第1の取付具としての取付具17及び第2の取付具としての取付具50を用いた変形例に係る給湯機は、給湯機10に対し、取付具18の代わりに取付具50を採用した点のみが基本的に異なる。これにより、変形例に係る給湯機は、第1の取付具(取付具17)が、筺体11の内側から上側周縁部13aに係止された第1のフック片(フック片35)と、側壁27の開口部28直上の真上領域38及び真上領域38の水平方向一側(左側)に隣接する開口部28の斜め上の一側斜上領域(左斜上領域39)に排気ユニット16の内側から接触した第1の当接片(当接片37)とを備えて、開口部28を挿通し、取付具50が、筺体11の内側から下側周縁部13bに係止された第2のフック片(フック片51)と、側壁27の開口部28直下の真下領域41及び真下領域41の水平方向一側に隣接する開口部28の斜め下の一側斜下領域(左斜下領域42)に排気ユニット16の内側から接触した第2の当接片(当接片53)とを備えて、開口部28を挿通していることとなる。なお、ここでは、当該変形例に係る給湯機において、給湯機10と同様の構成は同じ符号を付している。
【0051】
更に、当該変形例に係る給湯機は、当接片37が、真上領域38の水平方向他側に隣接する開口部28の斜め上の他側斜上領域の一例である右斜上領域40に非接触となり、当接片53が、真下領域41の水平方向他側に隣接する開口部28の斜め下の他側斜下領域の一例である右斜下領域43に非接触となる。
【0052】
また、給湯機10における排気ユニット16の本体ユニット15への取り付け方法が、第1の取付具17の上側周縁部13aに沿った移動方向と第2の取付具18の下側周縁部13bに沿った移動方向が反対であるのに対し、当該変形例に係る給湯機における排気ユニット16の本体ユニット15への取り付け方法は、第1の取付具17の上側周縁部13aに沿った移動方向と第2の取付具50の下側周縁部13bに沿った移動方向が同一であることのみが両者で基本的に異なっている。
【0053】
これにより、当該変形例に係る給湯機における排気ユニット16の本体ユニット15への取り付け方法は、筺体11の前側パネル12が固定される部材(ケーシング21)から取り外された状態の前側パネル12を、側壁27に対向配置させ、貫通孔13を開口部28に向かい合わせて配置する工程と、前側パネル12の裏側に折り曲げられた上側周縁部13aに前側パネル12の裏側から第1の取付具(取付具17)を近付け、第1のフック片(フック片35)を上側周縁部13aに係止させ、第1の当接片(当接片37)を排気ユニット16内に配置する工程と、第1のフック片が上側周縁部13aを係止した状態を維持しながら第1の取付具を上側周縁部13aに沿って移動させ、側壁27の真上領域38及び一側斜上領域(左斜上領域39)に排気ユニット16の内側から第1の当接片を接触させる工程と、前側パネル12の裏側に折り曲げられた下側周縁部13bに前側パネル12の裏側から第2の取付具(取付具50)を近付け、第2のフック片(フック片51)を下側周縁部13bに係止させ、第2の当接片(当接片53)を排気ユニット16内に配置する工程と、第2のフック片が下側周縁部13bを係止した状態を維持しながら第2の取付具を下側周縁部13bに沿って移動させ、側壁27の真下領域41及び一側斜下領域(左斜下領域42)に排気ユニット16の内側から第2の当接片を接触させる工程とを有して、側壁27及び前側パネル12の間に配された弾性体(パッキン29)を側壁27及び前側パネル12で挟んだ状態にすることとなる。
【0054】
当該変形例に係る給湯機における排気ユニット16の本体ユニット15への取り付け方法は、給湯機10における排気ユニット16の本体ユニット15への取り付け方法と同様である。
【0055】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものでなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の適用範囲である。
例えば、上側周縁部及び下側周縁部は水平に配されている必要も、直線状である必要もない。上側周縁部が直線状であるが斜めに配されている場合、第1の取付具は第1のフック片を上側周縁部に係止した状態で上側周縁部に沿って斜めに移動させられる。これは、第2の取付具と下側周縁部との関係でも同様である。
【0056】
そして、上側周縁部が曲線状の場合、第1の取付具は第1のフック片を上側周縁部に係止した状態で上側周縁部に沿って移動できる形状(即ち、第1のフック片が長尺の直線状ではない形状)に設計される。この場合、第1の取付具は非直線的に移動することとなる。これらの点は、下側周縁部に対する第2の取付具でも同様である。
【0057】
更に、第1の取付具は第1のフック片と第1の当接片の間に他の片を有してもよく、第1のフック片は板状物を折り曲げたものでなくてもよい(例えば、メッシュ状物を折り曲げたものでもよい)。第1の当接片は板状である必要はない(例えば、棒状であってもよい)。第2の取付具も第2のフック片と第2の当接片の間に他の片を有してもよく、第2のフック片は板状物を折り曲げたものでなくてもよく、第2の当接片は板状である必要はない。
【0058】
また、第1の当接片の水平方向(左右方向)の長さが排気ユニットの側壁に形成された開口部の水平方向の長さ以上の第1の当接片を採用することもできる。但し、この場合、第1の当接片が当該開口部及び前側パネルに形成された貫通孔を通過可能なように各部位を設計する必要がある。例えば、開口部及び貫通孔それぞれの縦の長さを長くして、開口部及び貫通孔に対し長尺の第1の当接片を斜めにすれば、第1の当接片が開口部及び貫通孔を通過できる設計が可能である。
【0059】
そして、一側斜上領域に接触する第1の当接片が他側斜上領域にも接触するように第1の取付具等を設計することや、他側斜下領域(又は一側斜下領域)に接触する第2の当接片が一側斜下領域(又は他側斜下領域)にも接触するように第2の取付具等を設計することもできる。但し、この場合、第1、第2の取付具を排気ユニットの側壁の開口部及び前側パネルの貫通孔を通過させる作業が円滑に行えない等の事象の発生が考えられる。
【符号の説明】
【0060】
10:給湯機、11:筺体、12:前側パネル、13:貫通孔、13a:上側周縁部、13b:下側周縁部、14:排気グリル、15:本体ユニット、16:排気ユニット、17、18:取付具、19:バーナ、20:熱交換器、21:ケーシング、22:給気孔、23:排気室、24:開口、25:フランジ部、26:筒状部、27:側壁、28:開口部、29:パッキン、30:排出口、31:上側板部、32:下側板部、33:左側板部、34:右側板部、35:フック片、37:当接片、37a:突出部、38:真上領域、39:左斜上領域、40:右斜上領域、41:真下領域、42:左斜下領域、43:右斜下領域、45:フック片、47:当接片、47a:突出部、48:環状パッキン、50:取付具、51:フック片、53:当接片、53a:突出部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12