(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059343
(43)【公開日】2024-05-01
(54)【発明の名称】プロジェクト管理装置、プロジェクト管理支援方法およびコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20230101AFI20240423BHJP
【FI】
G06Q10/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022166965
(22)【出願日】2022-10-18
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】521308403
【氏名又は名称】フラッグス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109081
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 友由
(72)【発明者】
【氏名】林部 正樹
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
5L010AA09
5L049AA09
(57)【要約】
【課題】プロジェクトの進捗管理の品質向上を支援する技術を提供する。
【解決手段】プロジェクト管理装置14は、管理画面生成部32と管理画面提供部34を備える。管理画面生成部32は、プロジェクトにおける管理項目である成果物と、成果物の下位の管理項目としての1つ以上のタスクと、成果物の下位の管理項目としての、タスクを遂行する中で生じた1つ以上の不具合とをユーザが設定可能な管理画面を生成する。管理画面提供部34は、管理画面を表示部に表示させる。管理画面生成部32は、ユーザが入力した、各タスクの遂行に要する工数と、各不具合の解消に要する工数の両方を反映した成果物の工数を管理画面に設定する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロジェクトにおける管理項目である成果物と、前記成果物の下位の管理項目としての1つ以上のタスクと、前記成果物の下位の管理項目としての、前記タスクを遂行する中で生じた1つ以上の不具合とをユーザが設定可能な管理画面を生成する管理画面生成部と、
前記管理画面生成部により生成された管理画面を表示部に表示させる管理画面提供部と、
を備え、
前記管理画面生成部は、前記ユーザが入力した、各タスクの遂行に要する工数と、各不具合の解消に要する工数の両方を反映した前記成果物の工数を前記管理画面に設定する、
プロジェクト管理装置。
【請求項2】
前記管理画面は、前記成果物に対して前記ユーザが入力した工数の見積を含み、さらに、各タスクに対して前記ユーザが入力した、各タスクの遂行に要する工数の見積と、各不具合に対して前記ユーザが入力した、各不具合の解消に要する工数の見積の合計を含む、
請求項1に記載のプロジェクト管理装置。
【請求項3】
前記管理画面生成部は、前記タスクおよび前記不具合の工数に基づく進捗状況を表示する管理画面と、前記タスクおよび前記不具合の個数に基づく進捗状況を表示する管理画面とを、前記ユーザの操作に応じて切り替える、
請求項1または2に記載のプロジェクト管理装置。
【請求項4】
前記プロジェクトは、複数の成果物を含み、
前記管理画面生成部は、前記複数の成果物のそれぞれに含まれるタスクと不具合のリストと、前記複数の成果物の進捗状況を集計した情報とを含む管理画面を生成する、
請求項1または2に記載のプロジェクト管理装置。
【請求項5】
前記管理画面生成部は、前記ユーザにより選択された前記タスクまたは前記不具合のステータスと、前記タスクの遂行または前記不具合の解消に要した工数の両方をユーザが入力可能な入力画面をさらに生成し、
前記管理画面生成部は、前記入力画面に入力された前記タスクまたは前記不具合のステータスと工数を前記管理画面に反映する、
請求項1または2に記載のプロジェクト管理装置。
【請求項6】
プロジェクトにおける管理項目である成果物と、前記成果物の下位の管理項目としての1つ以上のタスクと、前記成果物の下位の管理項目としての、前記タスクを遂行する中で生じた1つ以上の不具合とをユーザが設定可能な管理画面を生成するステップと、
前記管理画面を表示部に表示させるステップと、
をコンピュータが実行し、
前記生成するステップは、前記ユーザが入力した、各タスクの遂行に要する工数と、各不具合の解消に要する工数の両方を反映した前記成果物の工数を前記管理画面に設定する、
プロジェクト管理支援方法。
【請求項7】
プロジェクトにおける管理項目である成果物と、前記成果物の下位の管理項目としての1つ以上のタスクと、前記成果物の下位の管理項目としての、前記タスクを遂行する中で生じた1つ以上の不具合とをユーザが設定可能な管理画面を生成する機能と、
前記管理画面を表示部に表示させる機能と、
をコンピュータに実現させ、
前記生成する機能は、前記ユーザが入力した、各タスクの遂行に要する工数と、各不具合の解消に要する工数の両方を反映した前記成果物の工数を前記管理画面に設定する、
コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、データ処理技術に関し、特にプロジェクト管理装置、プロジェクト管理支援方法およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
以下の特許文献1では、プロジェクトの進行中に、当初の予定工数に対して作業の遅れが生じもしくは早く進んだ場合、作業担当者からの申告によりその理由を取得して、実際に要した遅れ工数または進み工数を理由内容に応じて補正し、プロジェクト終了後、額面通りの実績工数ではなく、作業担当者に基づく実績工数(遅早理由を考慮した実績工数)を算定する技術が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
プロジェクトの進捗管理の一層の品質向上が求められている。本開示の1つの目的は、プロジェクトの進捗管理の品質向上を支援する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本開示のある態様のプロジェクト管理装置は、プロジェクトにおける管理項目である成果物と、成果物の下位の管理項目としての1つ以上のタスクと、成果物の下位の管理項目としての、タスクを遂行する中で生じた1つ以上の不具合とをユーザが設定可能な管理画面を生成する管理画面生成部と、管理画面生成部により生成された管理画面を表示部に表示させる管理画面提供部とを備える。管理画面生成部は、ユーザが入力した、各タスクの遂行に要する工数と、各不具合の解消に要する工数の両方を反映した成果物の工数を管理画面に設定する。
【0006】
本開示の別の態様は、プロジェクト管理支援方法である。この方法は、プロジェクトにおける管理項目である成果物と、成果物の下位の管理項目としての1つ以上のタスクと、成果物の下位の管理項目としての、タスクを遂行する中で生じた1つ以上の不具合とをユーザが設定可能な管理画面を生成するステップと、管理画面を表示部に表示させるステップとをコンピュータが実行する。生成するステップは、ユーザが入力した、各タスクの遂行に要する工数と、各不具合の解消に要する工数の両方を反映した成果物の工数を管理画面に設定する。
【0007】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本開示の表現をシステム、コンピュータプログラム、コンピュータプログラムを読み取り可能に記録した記録媒体などの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
【発明の効果】
【0008】
本開示の技術によれば、プロジェクトの進捗管理の品質向上を支援できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施形態の情報処理システムの構成を示す図である。
【
図2】プロジェクト管理装置の機能ブロックを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の技術を好適な実施形態をもとに図面を参照しながら説明する。実施形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、本明細書または請求項中に「第1」、「第2」等の用語が用いられる場合には、特に言及がない限り、いかなる順序や重要度を表すものでもなく、ある構成と他の構成とを区別するためのものである。
【0011】
実施形態の概要を説明する。これまでのソフトウェア開発等のプロジェクトでは、プロジェクトの進行に係るタスクと、タスクを遂行する中で生じた不具合とを別個に管理していた。実施形態での「タスク」は、例えば、設計やプログラミング、テスト等、ソフトウェア開発における作業の細目である。また、実施形態での「不具合」は、例えば、ソフトウェア開発の中で生じた課題や問題、インシデントを含む。タスクと不具合とが別個に管理されていたため、プロジェクト完了までの全容をユーザが把握することが困難なことがあった。
【0012】
実施形態のシステムでは、ソフトウェア開発等のプロジェクトを、プロジェクト、成果物、タスク、不具合等、複数種類の管理項目に分けてツリー構造にて管理する。「プロジェクト」は、上位階層の管理項目であり、1つ以上の成果物を含み得る。「成果物」は、中位階層の管理項目であり、下位階層の管理項目である「タスク」と「不具合」のうち少なくとも1つを含み得る。実施形態のシステムでは、これまで属人的に管理されていたプロジェクトのWBS(Work Breakdown Structure)を標準化することにより、プロジェクト管理の品質を向上でき、また均質化できる。
【0013】
また、実施形態のシステムでは、プロジェクトにおける管理項目である成果物の下位の管理項目としてタスクと不具合を並列に設定可能である。そして、タスクの遂行に要する工数と、不具合の解消に要する工数の両方が上位階層の成果物の工数に反映される。これにより、プロジェクト完了までの全容把握が容易になり、また、プロジェクトの進捗管理の品質向上を支援できる。
【0014】
図1は、実施形態の情報処理システム10の構成を示す。情報処理システム10は、ユーザ装置12で総称されるユーザ装置12a、ユーザ装置12b、ユーザ装置12cと、プロジェクト管理装置14とを備える。これらの装置は、LAN・WAN・インターネット等を含み得る通信網16を介して接続される。
【0015】
複数のユーザ装置12のそれぞれは、プロジェクト管理装置14を利用するユーザにより使用される情報処理装置である。ユーザ装置12は、ラップトップ、タブレット端末、スマートフォンであってもよい。ユーザは、ソフトウェア開発等のプロジェクトの管理者または担当者であってもよい。
【0016】
プロジェクト管理装置14は、プロジェクトの進捗管理を支援する情報処理装置である。プロジェクト管理装置14は、ウェブサーバの機能を含み、後述するように、ユーザ装置12に対してプロジェクト管理画面のウェブページを提供する。プロジェクト管理装置14の物理的な構成に制約はない。プロジェクト管理装置14は、単一の装置により実現されてもよく、複数の装置(例えばアプリケーションサーバやデータベースサーバ)がシステムとして連携することにより実現されてもよい。また、プロジェクト管理装置14は、クラウド上の1台以上のサーバにより実現されてもよい。
【0017】
図2は、プロジェクト管理装置14の機能ブロックを示すブロック図である。本明細書のブロック図で示す複数の機能ブロックは、ハードウェア的には、回路ブロック、メモリ、その他のLSIで構成することができ、ソフトウェア的には、メモリにロードされたプログラムをコンピュータのプロセッサ(CPU等)が実行すること等により実現される。したがって、これらの機能ブロックがハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、またはそれらの組合せによっていろいろな形で実現できることは当業者には理解されるところであり、いずれかに限定されるものではない。
【0018】
プロジェクト管理装置14は、データ処理部20、記憶部22、通信部24を備える。データ処理部20は、各種データ処理を実行する。記憶部22は、データ処理部20により参照または更新されるデータを記憶する。通信部24は、所定の通信プロトコルにしたがって外部装置と通信する。データ処理部20は、通信部24を介して、ユーザ装置12とデータを送受信する。
【0019】
記憶部22は、プロジェクトデータ記憶部26を含む。プロジェクトデータ記憶部26は、管理対象のプロジェクトに関するプロジェクトデータを記憶する。プロジェクトデータは、プロジェクト管理画面に対してユーザが入力したデータを含む。例えば、プロジェクトデータは、プロジェクトにおいて随時定められた複数の管理項目(例えばプロジェクト、成果物、タスク、不具合等)の識別情報やステータス、作業の予定情報、作業の実績情報を含む。作業の予定情報は、予定された作業の日程(例えば開始予定日、終了予定日)や工数を含む。作業の実績情報は、実績としての作業の日程(例えば開始日、終了日)や工数を含む。
【0020】
データ処理部20は、要求受付部30、管理画面生成部32、管理画面提供部34、プロジェクトデータ更新部36を含む。これら複数の機能ブロックの機能は、コンピュータプログラム(「プロジェクト管理支援プログラム」とも呼ぶ。)に実装されてもよい。プロジェクト管理支援プログラムは、記録媒体またはネットワークを介してプロジェクト管理装置14のストレージにインストールされてもよい。プロジェクト管理装置14のプロセッサは、プロジェクト管理支援プログラムをストレージからメインメモリに読み出して実行することにより、上記複数の機能ブロックの機能を発揮してもよい。
【0021】
要求受付部30は、ユーザ装置12から送信された各種要求を受け付ける。ユーザ装置12から送信される要求は、プロジェクト管理画面提供要求を含み、また、プロジェクト管理画面にユーザが入力したデータを含むプロジェクトデータ更新要求を含む。
【0022】
管理画面生成部32は、ユーザ装置12から送信されたプロジェクト管理画面提供要求が受け付けられた場合、プロジェクトデータ記憶部26に記憶されたプロジェクトデータに基づいて、プロジェクト管理画面のデータを生成する。管理画面提供部34は、管理画面生成部32により生成されたプロジェクト管理画面を表示部に表示させる。実施形態では、管理画面提供部34は、プロジェクト管理画面のデータをユーザ装置12へ送信することにより、ユーザ装置12の表示部にプロジェクト管理画面を表示させる。
【0023】
プロジェクトデータ更新部36は、ユーザ装置12から送信されたプロジェクトデータ更新要求に応じて、プロジェクトデータ記憶部26に記憶されたプロジェクトデータを更新する。例えば、プロジェクトデータ更新部36は、プロジェクトデータ更新要求に含まれる、プロジェクト管理画面にユーザが入力したデータ(例えば各管理項目の情報)をプロジェクトデータ記憶部26に格納する。
【0024】
以上の構成による情報処理システム10の動作を説明する。
ユーザは、ユーザ装置12でウェブブラウザを起動し、プロジェクト管理画面の表示を指示する操作をウェブブラウザに入力する。ユーザ装置12のウェブブラウザは、プロジェクト管理画面の提供を要求するデータをプロジェクト管理装置14へ送信する。
【0025】
プロジェクト管理装置14の要求受付部30は、ユーザ装置12からの要求を受け付ける。プロジェクト管理装置14の管理画面生成部32は、プロジェクト管理画面のウェブページを生成する。プロジェクト管理装置14の管理画面提供部34は、プロジェクト管理画面のウェブページを要求元のユーザ装置12へ送信する。ユーザ装置12のウェブブラウザは、プロジェクト管理画面のウェブページを表示部に表示させる。
【0026】
図3は、プロジェクト管理画面50の例を示す。プロジェクト管理画面50は、プロジェクトの複数の管理項目をツリー構造で示す管理項目リスト52を含む。管理項目リスト52は、複数種類の管理項目(
図3ではプロジェクト、成果物、タスク、不具合)を含む。成果物は、「要件定義」や「画面設計書」、「正常系テスト」等であってもよい。成果物「画面設計書」に関するタスクは、「初版作成」、「初版レビュー」等であってもよい。また、成果物「正常系テスト」に関するタスクは、「ケース1」、「ケース2」等であってもよい。不具合は、「必要な情報が表示されない」や「画面遷移エラー」等であってもよい。
【0027】
管理項目リスト52は、各管理項目の基本情報として、ステータスと名称を含む。実施形態でのステータスは、ToDo(未着手)、Doing(実施中)、Review(レビュー中)、Done(完了)、Discard(破棄)を含む。
図3の管理項目リスト52では、サンプルプロジェクトの下位項目として、成果物Aと不具合管理表が設定されている。また、成果物Aの下位項目として、タスク1、タスク2、タスク3、不具合1、不具合2が設定されている。また、タスク3の下位項目として、タスク3-1とタスク3-2が設定されている。
【0028】
プロジェクト管理画面50は、画面内の見積情報や進捗状況の表示態様を切り替えるための切替ボタン56と切替ボタン58を含む。切替ボタン56は、進捗状況に関する値の算出基準を選択するボタンである。管理画面生成部32は、切替ボタン56において個数と工数のいずれが選択されたかに応じて、タスクおよび不具合の工数に基づく進捗状況を表示するプロジェクト管理画面50と、タスクおよび不具合の個数に基づく進捗状況を表示するプロジェクト管理画面50とを切り替える。
【0029】
切替ボタン58は、進捗状況に関する値の単位を選択するボタンである。管理画面生成部32は、切替ボタン58において時間、人日、人月のいずれが選択されたかに応じて、時間単位の工数を表示するプロジェクト管理画面50と、人日単位の工数を表示するプロジェクト管理画面50と、人月単位のプロジェクト管理画面50とを切り替える。実施形態では、1人日=8時間、かつ、1人月=20人日で換算する。例えば、
図3(人日単位)の「20人日」の表示は、時間単位では「160時間」の表示になり、人月単位では「1人月」の表示になる。
【0030】
このように、プロジェクト管理画面50では、様々な粒度や観点からプロジェクトの見積情報や進捗状況を確認できる。なお、プロジェクト管理画面50の表示切り替えの例は後述する。
【0031】
管理項目リスト52は、各管理項目に対する予定情報としての見積と、実績情報としての進捗状況をユーザが入力可能なエリアを含む。カラム「見積:成果物」の値は、成果物に対してユーザが入力した工数の見積値である。
図3のプロジェクト管理画面50では、ユーザは、サンプルプロジェクト直下の管理項目である成果物サンプルと不具合管理表それぞれのカラム「見積:成果物」に工数を設定可能である。
図3では、成果物サンプルに10人日が設定され、不具合管理表に0人日が設定されている。管理画面生成部32は、成果物サンプルと不具合管理表の合計10人日をサンプルプロジェクトのカラム「見積:成果物」に自動で設定する。
【0032】
カラム「見積:タスク」の値は、成果物を分解したタスクと不具合について、各タスクに対してユーザが入力した、各タスクの遂行に要する工数の見積値を示し、また、各不具合に対してユーザが入力した、各不具合の解消に要する工数の見積値を示す。
図3では、成果物Aの下位項目であるタスク1、タスク2、タスク3、タスク3-1、タスク3-2、不具合1、不具合2のそれぞれに、3人日、4人日、5人日、2人日、3人日、1人日、2人日が設定されている。管理画面生成部32は、成果物Aの下位項目の工数の見積値の合計20人日を、成果物Aのカラム「見積:タスク」に自動で設定する。
【0033】
プロジェクト管理画面50では、成果物サンプルのカラム「見積:成果物」の値(10人日)と、成果物サンプルのカラム「見積:タスク」の値(20人日)とを比較容易な態様でユーザに提示する。これにより、当初の見積工数と、作業分解後のタスクおよび不具合の積み上げによる見積工数との乖離をユーザに容易に把握させ、プロジェクト管理を支援できる。
【0034】
プロジェクト管理画面50の進捗状況の表示態様は、切替ボタン56において個数と工数のいずれが選択されたかに応じて切り替わる。
図3の切替ボタン56では個数が選択されている。
図3のカラム「進捗状況:総数」は、管理項目の個数を示す。管理画面生成部32は、タスクおよび不具合の個数を1として、それらタスクおよび不具合の総数を上位項目である成果物Aのカラム「進捗状況:総数」に自動で設定する。
【0035】
図3のカラム「進捗状況:予定完了」は、予定の上では、現在時点で完了している管理項目の個数を示す。管理画面生成部32は、プロジェクトデータに基づいて該当するタスクおよび不具合を識別し、該当するタスクおよび不具合の総数を成果物Aのカラム「進捗状況:予定完了」に自動で設定する。
【0036】
図3のカラム「進捗状況:出来高」は、実績として、現在時点で完了している管理項目の個数を示す。管理画面生成部32は、プロジェクトデータに基づいて該当するタスクおよび不具合を識別し、該当するタスクおよび不具合の総数を成果物Aのカラム「進捗状況:出来高」に自動で設定する。
【0037】
図3のカラム「進捗状況:先行」は、現在時点で予定より進んでいる管理項目の個数を示し、例えば、開始予定日より先に開始された管理項目(すなわちステータスがDoingの管理項目)の個数を示す。管理画面生成部32は、プロジェクトデータに基づいて該当するタスクおよび不具合を識別し、該当するタスクおよび不具合の総数を成果物Aのカラム「進捗状況:先行」に自動で設定する。
【0038】
図3のカラム「進捗状況:遅延」は、現在時点で予定より遅れている管理項目の個数を示す。予定より遅れている管理項目は、開始予定日を過ぎても未開始の管理項目(すなわちステータスがToDoの管理項目)と、終了予定日を過ぎても未完了の管理項目(すなわちステータスがDoneでない管理項目)の両方を含んでもよい。管理画面生成部32は、プロジェクトデータに基づいて該当するタスクおよび不具合を識別し、該当するタスクおよび不具合の総数を成果物Aのカラム「進捗状況:遅延」に自動で設定する。
【0039】
図3のカラム「進捗状況:残」は、現在時点で未完了の管理項目の個数を示し、例えば、ステータスがDoneでない管理項目の個数を示す。管理画面生成部32は、プロジェクトデータに基づいて該当するタスクおよび不具合を識別し、該当するタスクおよび不具合の総数を成果物Aのカラム「進捗状況:残」に自動で設定する。
【0040】
図3のカラム「進捗状況:予定進捗率」は、個数ベースの、現在時点での予定上の進捗率を示す。管理画面生成部32は、サンプルプロジェクトと成果物Aのそれぞれについて、カラム「進捗状況:総数」の値に占めるカラム「進捗状況:予定完了」の値の割合を、カラム「進捗状況:予定進捗率」に自動で設定する。
【0041】
図3のカラム「進捗状況:実績進捗率」は、個数ベースの、現在時点での実績としての進捗率を示す。管理画面生成部32は、サンプルプロジェクトと成果物Aのそれぞれについて、カラム「進捗状況:総数」の値に占めるカラム「進捗状況:出来高」の値の割合を、カラム「進捗状況:実績進捗率」に自動で設定する。
【0042】
図4も、プロジェクト管理画面50の例を示す。
図4のプロジェクト管理画面50は、切替ボタン56において工数が選択されている点が、
図3のプロジェクト管理画面50と異なる。
【0043】
図4のカラム「進捗状況:総数」は、管理項目の工数を示す。タスクおよび不具合の工数は、後述の実績入力ウィンドウを介してユーザにより入力される。管理画面生成部32は、タスクおよび不具合の工数を合計し、その合計値を上位項目の成果物Aのカラム「進捗状況:総数」に自動で設定する。
【0044】
図4のカラム「進捗状況:予定完了」は、予定の上では、現在時点で完了している管理項目の工数を示す。管理画面生成部32は、該当するタスクおよび不具合の工数を合計し、その合計値を成果物Aのカラム「進捗状況:予定完了」に自動で設定する。
【0045】
図4のカラム「進捗状況:出来高」は、実績として、現在時点で完了している管理項目の工数を示す。管理画面生成部32は、該当するタスクおよび不具合の工数を合計し、その合計値を成果物Aのカラム「進捗状況:出来高」に自動で設定する。
【0046】
図4のカラム「進捗状況:先行」は、現在時点で予定より進んでいる管理項目の工数を示す。管理画面生成部32は、該当するタスクおよび不具合の工数を合計し、その合計値を成果物Aのカラム「進捗状況:先行」に自動で設定する。
【0047】
図4のカラム「進捗状況:遅延」は、現在時点で予定より遅れている管理項目の工数を示す。管理画面生成部32は、該当するタスクおよび不具合の工数を合計し、その合計値を成果物Aのカラム「進捗状況:遅延」に自動で設定する。
【0048】
図4のカラム「進捗状況:残」は、現在時点で未完了の管理項目の工数を示す。管理画面生成部32は、該当するタスクおよび不具合の工数を合計し、その合計値を成果物Aのカラム「進捗状況:残」に自動で設定する。
【0049】
図4のカラム「進捗状況:予定進捗率」は、工数ベースの、現在時点での予定上の進捗率を示す。管理画面生成部32は、サンプルプロジェクトと成果物Aのそれぞれについて、カラム「進捗状況:総数」の値に占めるカラム「進捗状況:予定完了」の値の割合を、カラム「進捗状況:予定進捗率」に自動で設定する。
【0050】
図4のカラム「進捗状況:実績進捗率」は、工数ベースの、現在時点での実績としての進捗率を示す。管理画面生成部32は、サンプルプロジェクトと成果物Aのそれぞれについて、カラム「進捗状況:総数」の値に占めるカラム「進捗状況:出来高」の値の割合を、カラム「進捗状況:実績進捗率」に自動で設定する。
【0051】
図3、
図4で示したように、管理画面生成部32は、ユーザが入力した、各タスクの遂行に要する工数と、各不具合の解消に要する工数の両方を反映した成果物Aの工数をプロジェクト管理画面50に設定する。これにより、プロジェクトのWBSの中でタスクと不具合の両方を容易に把握可能になり、プロジェクト管理の品質向上を支援できる。
【0052】
図5も、プロジェクト管理画面50の例を示す。管理画面生成部32は、プロジェクト管理画面50において編集対象のタスクまたは不具合がユーザにより選択された場合、実績入力ウィンドウ60を生成し、管理項目リスト52の上に実績入力ウィンドウ60を重ねて配置したプロジェクト管理画面50を生成する。管理画面提供部34は、実績入力ウィンドウ60を含むプロジェクト管理画面50をユーザ装置12に送信して表示させる。
【0053】
実績入力ウィンドウ60は、ステータススライダー62と作業時間スライダー64とを含む。ステータススライダー62は、ユーザが選択したタスクまたは不具合の現在のステータスを入力するオブジェクトである。作業時間スライダー64は、ユーザが選択したタスクの遂行に要した実績の工数または不具合の解消に要した実績の工数を入力するオブジェクトである。
図5では、編集対象としてタスク2が選択され、ステータススライダー62においてタスク2のステータスがDoneに設定され、作業時間スライダー64においてタスク2の工数が4人日に設定されている。このように、プロジェクト管理画面50では、各管理項目のステータスの変更と工数の計上を1つのダイアログ内で完結でき、ユーザの操作性を高めている。
【0054】
プロジェクトデータ更新部36は、実績入力ウィンドウ60に入力されたタスクまたは不具合のステータスと工数を反映するようにプロジェクトデータ記憶部26に記憶されたプロジェクトデータを更新する。管理画面生成部32は、更新されたプロジェクトデータに基づいて、実績入力ウィンドウ60に入力されたタスクまたは不具合のステータスと工数を反映した新たなプロジェクト管理画面50を生成する。管理画面提供部34は、新たなプロジェクト管理画面50をユーザ装置12に表示させる。
【0055】
図6も、プロジェクト管理画面50の例を示す。
図6は、
図4のプロジェクト管理画面50に対して、
図5の実績入力ウィンドウ60への入力内容が反映された新たなプロジェクト管理画面50を示している。
図6のプロジェクト管理画面50では、タスク2のカラム「基本情報:ステータス」がDoneに更新され、カラム「進捗状況:出来高」が4人日に更新され、カラム「進捗状況:遅延」が0人日に更新されている。これに伴い、成果物Aのカラム「進捗状況:出来高」が7人日に更新され、カラム「進捗状況:遅延」が8人日に更新され、カラム「進捗状況:実績進捗率」が35%(=7/20)に更新されている。
【0056】
図6のプロジェクト管理画面50には不図示だが、1つのプロジェクトは、その下位項目として複数の成果物を含み得る。管理画面生成部32は、ユーザの操作に応じて、複数の成果物のそれぞれに含まれるタスクと不具合のリスト(管理項目リスト52)と、複数の成果物の進捗状況を集計した情報(後述の集計情報66)とを含むプロジェクト管理画面50を生成する。
【0057】
図7は、集計情報66の例を示す。プロジェクト管理画面50において、集計情報66は、管理項目リスト52の上部に配置される。
図7の集計情報66は、
図6の管理項目リスト52においてサンプルプロジェクト配下の複数の成果物に関する工数ベースの進捗状況を集計した情報である。集計情報66は、管理項目リスト52と同様に、予定進捗率、実績進捗率、総数、予定完了、出来高、先行、遅延、残を含む。集計情報66の未計画は、開始予定日と終了予定日が未定の管理項目(例えばタスク3-1、タスク3-2)の工数の合計を示している。
【0058】
図8も、集計情報66の例を示す。
図8の集計情報66は、
図6の管理項目リスト52においてサンプルプロジェクト配下の複数の成果物に関する個数ベースの進捗状況を集計した情報である。管理画面生成部32は、管理項目リスト52と同様に、切替ボタン56において個数と工数のいずれが選択されたかに応じて、複数の成果物に関する工数ベースの進捗状況を集計した集計情報66と、複数の成果物に関する個数ベースの進捗状況を集計した集計情報66とを切り替える。
【0059】
管理画面生成部32は、集計情報66の各項目の値に、該当する管理項目(例えばタスクおよび不具合)を含む管理項目リスト52へのハイパーリンクを設定する。例えば、
図7および
図8の集計情報66の遅延の値には、タスク3、不具合1、不具合2を含む管理項目リスト52へのハイパーリンクが設定される。
【0060】
図7の集計情報66においてユーザが遅延の値(8人日)を選択した場合、管理画面生成部32は、
図9に示すプロジェクト管理画面50を生成する。
図9の管理項目リスト52には、タスク3、不具合1、不具合2の進捗情報が表示される。これにより、集計情報66においてユーザが注目した進捗状況の項目に限定したタスクや不具合の詳細情報をユーザに提供できる。
【0061】
以上、本開示の実施形態を説明した。実施形態は例示であり、各構成要素あるいは各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本開示の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【0062】
上述した実施形態および変形例の任意の組み合わせもまた本開示の実施の形態として有用である。組み合わせによって生じる新たな実施の形態は、組み合わされる実施形態および変形例それぞれの効果をあわせもつ。また、請求項に記載の各構成要件が果たすべき機能は、実施形態および変形例において示された各構成要素の単体もしくはそれらの連携によって実現されることも当業者には理解されるところである。
【符号の説明】
【0063】
10 情報処理システム、 14 プロジェクト管理装置、 26 プロジェクトデータ記憶部、 30 要求受付部、 32 管理画面生成部、 34 管理画面提供部、 36 プロジェクトデータ更新部。