(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059344
(43)【公開日】2024-05-01
(54)【発明の名称】インピーダンス測定システム及びインピーダンス測定方法
(51)【国際特許分類】
G01R 27/02 20060101AFI20240423BHJP
【FI】
G01R27/02 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022166966
(22)【出願日】2022-10-18
(71)【出願人】
【識別番号】000227180
【氏名又は名称】日置電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002697
【氏名又は名称】めぶき弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100104709
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 誠剛
(72)【発明者】
【氏名】猪飼 亮介
(72)【発明者】
【氏名】飯島 淳司
(72)【発明者】
【氏名】鳴澤 知弘
【テーマコード(参考)】
2G028
【Fターム(参考)】
2G028BE04
2G028CG08
2G028DH04
2G028HN07
2G028HN11
2G028HN13
2G028MS05
(57)【要約】
【課題】測定時における安全性の向上を図ることができるインピーダンス測定システムおよびインピーダンス測定方法を提供することである。
【解決手段】インピーダンス測定システム1は、測定信号発生源11、電流検出部13および電圧検出部15を含み測定対象電子部品21,22のインピーダンスを測定するインピーダンス測定装置5を有する。測定信号発生源11と測定対象電子部品22の間の電流計測線54と、電流検出部13の出力端子の一方と測定対象電子部品21の間の電流計測線46とを接続するためのスイッチ30が設けられる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一対の端子を有する測定対象電子部品であって、少なくとも一組の前記測定対象電子部品に所定周波数の測定信号を供給する測定信号発生源と、
前記測定信号発生源の一対の出力端子の一方から他方の間に配置され、前記測定対象電子部品に流れる電流を検出する電流検出部と、
前記一組の測定対象電子部品のそれぞれの両端子間に発生する電圧を測定する少なくとも一つの電圧検出部とを含み、
各測定対象電子部品のそれぞれのインピーダンスを測定するインピーダンス測定装置を有するインピーダンス測定システムであって、
前記測定信号発生源の一対の出力端子の一方と前記一組の測定対象電子部品の一方との間の第1の電流計測線と、前記電流検出部の一対の出力端子の一方と前記一組の測定対象電子部品の他方の間の第2の電流計測線とを接続するための接続手段を有する、
ことを特徴とするインピーダンス測定システム。
【請求項2】
前記一組の測定対象電子部品の一方の両端子間に発生する電圧を測定する際に、前記第1の電流計測線と前記第2の電流計測線とが前記接続手段を介して接続される、
ことを特徴とする請求項1に記載のインピーダンス測定システム。
【請求項3】
前記一組の測定対象電子部品が複数組配設されている場合に、複数のスイッチを有する信号選択部を備え、前記複数のスイッチは、少なくとも前記測定信号発生源に接続された第1のスイッチ群と、前記電流検出部に接続された第2のスイッチ群と、前記電圧検出部に接続された第3のスイッチ群とからなり、
少なくとも、前記第1のスイッチ群によって前記測定信号発生源に接続されている電流計測線が前記一組の測定対象部品のうち前記一方または他方の測定対象電子部品のハイ側端子に接続された状態であって、前記第2のスイッチ群によって前記電流検出部に接続されている電流計測線が前記一方または他方の測定対象電子部品のロー側端子に接続された状態であって、前記第3のスイッチ群によって、前記電圧検出部の一方の端子に接続されている電圧計測線が前記一組の測定対象部品のうちの一方または他方の前記測定対象電子部品のハイ側端子に接続され、前記電圧検出部の他方の端子に接続されている電圧計測線が前記一方または他方の測定対象電子部品のロー側端子に接続された状態において、前記電圧検出部によって前記一組の測定対象部品のうちの一方または他方の前記測定対象電子部品の両端子間の電圧が検出される、
ことを特徴とする請求項1または2に記載のインピーダンス測定システム。
【請求項4】
前記一組の測定対象電子部品が複数組配設されている場合に、前記電圧検出部は、前記各組の測定対象電子部品の測定ごとに、それぞれ前記各組の測定対象電子部品に接続される、
ことを特徴とする請求項3に記載のインピーダンス測定システム。
【請求項5】
少なくとも一対の端子を有する測定対象電子部品であって、少なくとも一組の前記測定対象電子部品に所定周波数の測定信号を供給する測定信号発生源の一対の出力端子の一方から他方の間に配置された前記測定対象電子部品に流れる電流を電流検出部が検出し、前記一組の測定対象電子部品のそれぞれの両端子間に発生する電圧を少なくとも一つの電圧検出部が測定し、前記検出された電流の電流値と測定された電圧の電圧値に基づいて、各測定対象電子部品のそれぞれのインピーダンスを測定するインピーダンス測定方法であって、
前記測定信号発生源の一対の出力端子の一方と前記一組の測定対象電子部品の一方との間の第1の電流計測線と、前記電流検出部の一対の出力端子の他方と前記一組の測定対象電子部品の他方の間の第2の電流計測線とを接続する、
ことを特徴とするインピーダンス測定方法。
【請求項6】
前記一組の測定対象電子部品の一方の両端子間に発生する電圧を測定する際に、前記第1の電流計測線と前記第2の電流計測線とを接続手段を介して接続する、
ことを特徴とする請求項5に記載のインピーダンス測定方法。
【請求項7】
前記一組の測定対象電子部品が複数組配設されている場合に、複数のスイッチを有する信号選択部を備え、前記複数のスイッチが、少なくとも前記測定信号発生源に接続された第1のスイッチ群と、前記電流検出部に接続された第2のスイッチ群と、前記電圧検出部に接続された第3のスイッチ群とからなり、
少なくとも、前記第1のスイッチ群を介して前記測定信号発生源に接続されている電流計測線を前記一組の測定対象部品のうち前記一方または他方の測定対象電子部品のハイ側端子に接続し、
前記第2のスイッチ群を介して前記電流検出部に接続されている電流計測線を前記一方または他方の測定対象電子部品のロー側端子に接続し、
前記第3のスイッチ群を介して、前記電圧検出部の一方の端子に接続されている電圧計測線を前記一組の測定対象部品のうちの一方または他方の前記測定対象電子部品のハイ側端子に接続し、
前記電圧検出部の他方の端子に接続されている電圧計測線を前記一方または他方の測定対象電子部品のロー側端子に接続し、
前記電圧検出部が前記一組の測定対象部品のうちの一方または他方の前記測定対象電子部品の両端子間の電圧を検出する、
ことを特徴とする請求項5または6に記載のインピーダンス測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インピーダンス測定システム及びインピーダンス測定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
回路基板に存在する導体パターン、電池、素子等(以下、これらを「被測定試料(DUT)」という)のインピーダンスを測定する方法の一つとして4端子法が知られている。4端子法を用いるインピーダンス測定装置としては、測定信号源の一対の出力端子(ハイ側端子とロー側端子:図示せず)とバッテリセル400,500のそれぞれの一方の端子400a,500aを接続するための電流計測線410,420と、電圧計の一対の出力端子(図示せず)とバッテリセル500の両側端子500a,500bを接続するための電圧計測線510,520を用いて構成されている(
図4参照)。そして、バッテリセル400,500のそれぞれの他方の端子400b,500bが直列接続されている。
【0003】
上記したインピーダンス測定装置の構成について、
図5を参照して詳細に説明する。インピーダンス測定システム600は、バッテリセル710,720に電流計測線(電流ケーブル)、電圧計測線(電圧ケーブル)を介して接続されるインピーダンス測定装置615と、スキャナー613を有して構成されている。インピーダンス測定装置615は、測定信号を発生する測定信号源621と、電圧検出手段としての電圧計625と、電流検出手段としての電流計(図示せず)を含んで構成されている。
【0004】
具体的には、
図5に示すように、スイッチ810,820,830,880をオンした状態において、測定信号源621より電流計測線を介して測定対象としてのバッテリセル710およびバッテリセル720のハイ側端子に測定電流を流し、電圧計625によってバッテリセル710の両端子間の電圧が計測され、測定信号源621に接続されている電流計(図示せず)によって測定電流の電流値が計測される。測定電流の電流値と電圧値に基づいてバッテリセル710のインピーダンスが算出される。続いてスイッチ820,830をオフして、スイッチ860,870をオンした状態において、電圧計625によってバッテリセル720の両端子間の電圧が計測され、測定信号源621に接続されている電流計(図示せず)によって測定電流の電流値が計測される。測定電流の電流値と電圧値に基づいてバッテリセル720のインピーダンスが算出される。
【0005】
この4端子法を用いるインピーダンス測定装置によれば、測定電流径路内において、測定電流の往路と復路とが重ね合わされるため、測定電流により生ずる磁束の影響(電磁誘導)を軽減することができる。したがって、バッテリセルの端子付近における電流計測線の一部で生じる磁束漏れによる電磁誘導の影響を抑制でき、もって磁束漏れループに起因するバッテリセルの内部インピーダンス測定に対する影響を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、バッテリセルの生産ラインにおいて、複数のバッテリセルはそれぞれ接続されていないので、上記したインピーダンス測定を行う際に個々のバッテリセルの片側端子をすべて短絡(直列接続)させなければならず安全性に問題が生じる場合がある。
【0008】
したがって、本発明の課題は、測定時における安全性の向上を図ることができるインピーダンス測定システムおよびインピーダンス測定方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るインピーダンス測定システムの一側面は、少なくとも一組の前記測定対象電子部品に所定周波数の測定信号を供給する測定信号発生源と、測定信号発生源の一対の出力端子の一方から他方の間に配置され、測定対象電子部品に流れる電流を検出する電流検出部と、一組の測定対象電子部品のそれぞれの両端子間に発生する電圧を測定する少なくとも一つの電圧検出部とを含み、各測定対象電子部品のそれぞれのインピーダンスを測定するインピーダンス測定装置を有するインピーダンス測定システムであって、
測定信号発生源の一対の出力端子の一方と一組の測定対象電子部品の一方との間の第1の電流計測線と、電流検出部の一対の出力端子の一方と一組の測定対象電子部品の他方の間の第2の電流計測線とを接続するための接続手段を有することを特徴とする。
【0010】
本発明に係るインピーダンス測定システムの他の側面は、一組の測定対象電子部品の一方の両端子間に発生する電圧を測定する際に、第1の電流計測線と第2の電流計測線とが接続手段を介して接続されることを特徴とする。
【0011】
本発明に係るインピーダンス測定システムの他の側面は、一組の測定対象電子部品が複数組配設されている場合に、複数のスイッチを有する信号選択部を備え、複数のスイッチは、少なくとも測定信号発生源に接続された第1のスイッチ群と、電流検出部に接続された第2のスイッチ群と、電圧検出部に接続された第3のスイッチ群とからなり、少なくとも、第1のスイッチ群によって測定信号発生源に接続されている電流計測線が一組の測定対象部品のうち一方または他方の測定対象電子部品のハイ側端子に接続された状態であって、第2のスイッチ群によって電流検出部に接続されている電流計測線が一方または他方の測定対象電子部品のロー側端子に接続された状態であって、第3のスイッチ群によって、電圧検出部の一方の端子に接続されている電圧計測線が一組の測定対象部品のうちの一方または他方の測定対象電子部品のハイ側端子に接続され、電圧検出部の他方の端子に接続されている電圧計測線が前記一方または他方の測定対象電子部品のロー側端子に接続された状態において、電圧検出部によって一組の測定対象部品のうちの一方または他方の測定対象電子部品の両端子間の電圧が検出されることを特徴とする。
【0012】
本発明に係るインピーダンス測定システムの他の側面は、一組の測定対象電子部品が複数組配設されている場合に、電圧検出部は、各組の測定対象電子部品の測定ごとに、それぞれ各組の測定対象電子部品に接続されることを特徴とする。
【0013】
本発明のインピーダンス測定方法の一側面は、少なくとも一対の端子を有する測定対象電子部品であって、少なくとも一組の測定対象電子部品に所定周波数の測定信号を供給する測定信号発生源の一対の出力端子の一方から他方の間に配置された前記測定対象電子部品に流れる電流を電流検出部が検出し、一組の測定対象電子部品のそれぞれの両端子間に発生する電圧を少なくとも一つの電圧検出部が測定し、検出された電流の電流値と測定された電圧の電圧値に基づいて、各測定対象電子部品のそれぞれのインピーダンスを測定するインピーダンス測定方法であって、測定信号発生源の一対の出力端子の一方と一組の測定対象電子部品の一方との間の第1の電流計測線と、電流検出部の一対の出力端子の他方と一組の測定対象電子部品の他方の間の第2の電流計測線とを接続することを特徴とする。
【0014】
本発明のインピーダンス測定方法の他の側面は、一組の測定対象電子部品の一方の両端子間に発生する電圧を測定する際に、第1の電流計測線と第2の電流計測線とを接続手段を介して接続することを特徴とする。
【0015】
本発明のインピーダンス測定方法の他の側面は、一組の測定対象電子部品が複数組配設されている場合に、複数のスイッチを有する信号選択部を備え、複数のスイッチが、少なくとも測定信号発生源に接続された第1のスイッチ群と、電流検出部に接続された第2のスイッチ群と、電圧検出部に接続された第3のスイッチ群とからなり、少なくとも、第1のスイッチ群を介して測定信号発生源に接続されている電流計測線を一組の測定対象部品のうち一方または他方の測定対象電子部品のハイ側端子に接続し、第2のスイッチ群を介して電流検出部に接続されている電流計測線を一方または他方の測定対象電子部品のロー側端子に接続し、第3のスイッチ群を介して、電圧検出部の一方の端子に接続されている電圧計測線を一組の測定対象部品のうちの一方または他方の測定対象電子部品のハイ側端子に接続し、電圧検出部の他方の端子に接続されている電圧計測線を前記一方または他方の測定対象電子部品のロー側端子に接続し、電圧検出部が一組の測定対象部品のうちの一方または他方の測定対象電子部品の両端子間の電圧を検出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
測定時における安全性の向上を図ることができるインピーダンス測定システムおよびインピーダンス測定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の第1の実施の形態に係るインピーダンス測定システムの構成を示し、第1の接続構成態様を示した図である。
【
図2】本発明の第2の実施の形態に係るインピーダンス測定システムの構成を示し、第2の接続構成態様を示した図である。
【
図3】本発明の第3の実施の形態に係るインピーダンス測定システムの構成を示し、第3の接続構成態様を示した図である。
【
図4】従来のインピーダンス測定システムの構成を示した図である。
【
図5】従来のインピーダンス測定システムのより詳細な構成を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第1の実施の形態>
以下に、
図1を参照して本発明に係るインピーダンス測定システムの第1の実施の形態について説明する。なお、インピーダンス測定システムの測定対象電子部品(以下、「測定対象」と呼ぶ。)は、バッテリセル(電池セル)、電気回路を構成する素子であり、インピーダンスの測定は、バッテリセルや素子の特性評価等に重要な電気的パラメータとしてのインピーダンスを測定する。本実施の形態では測定対象としてバッテリセルを例に挙げて説明する。本発明はインピーダンス測定システムを構成するインピーダンス測定装置とバッテリセルとの接続態様に特徴があり、それに関連してバッテリセルは少なくとも2つ必要であり、互いに近距離で重ね合わせて配置されている。なお、本第1の実施の形態においては、1組のバッテリセルであって、互いに近距離で重ね合わせて配置されているバッテリセルを測定対象の例として説明するが、それ以外の例えば電気回路を構成する素子等であっても適用できる。
【0019】
[インピーダンス測定システムの構成]
インピーダンス測定システム1は、バッテリセル21、22に電流計測線45,46,54,56および電圧計測線47,48,57,58を介して接続されるスキャナー(信号選択部)3と、スキャナー3に電流計測線25,26および電圧計測線27,28を介して接続されるインピーダンス測定装置5を有して構成されている。電流計測線25,45,54はHi側電流計測線(SOURCE Hi)であり、電流計測線26,46,56はLo側電流計測線(SOURCE Lo)である。電圧計測線27,47,57はHi側電圧計測線(SENSE Hi)であり、電圧計測線28,48,58はLo側電圧計測線(SENSE Lo)である。
【0020】
ここで、上記した実施の形態とは異なり、電流計測線25,45,54をLo側電流計測線とし、電流計測線26,46,56をHi側電流計測線とし、電圧計測線27,47,57をLo側電圧計測線とし、電圧計測線28,48,58をHi側電圧計測線とし、Lo側とHi側を相互に入れ替えるようにしてもよい。その場合、CH1のバッテリ21のタブ端子21aはLo側端子となり、タブ端子21bはHi側端子となり、CH2のバッテリ22のタブ端子22aはLo側端子となり、タブ端子22bはHi側端子となる。このHi側端子とLo側端子の相互の入れ替えは、後述する第2の実施の形態、第3の実施の形態においても同様に可能であるが、そこでは便宜上、上記したような説明を省略する。なお、スキャナー3は請求項3の信号選択部に相当する。
【0021】
インピーダンス測定装置5は、測定信号を発生する測定信号源11、電流検出部としての電流計13及び電圧検出部としての電圧計15を含んで構成されている。なお、測定信号源11は請求項1の測定信号発生源に相当する。
【0022】
スキャナー3は、
図1に示すように、信号選択部としてのスイッチ30~38を備え、スイッチ30~スイッチ38のオンオフ(切り換え)を行う。
【0023】
[測定装置5とバッテリセル21,22との接続態様]
以下に、インピーダンス測定装置5と、スキャナー3と、測定対象であるバッテリセル21,22との接続態様において、電圧計測線の接続態様および電流計測線の接続態様を説明する。インピーダンス測定装置5で測定対象としてのバッテリセル21,22のそれぞれの内部インピーダンスを測定するにあたって、測定信号源11、電流計13および電圧計15とバッテリセル21,22とをスキャナー3を介して接続させる。
【0024】
<CH1のバッテリセル21の電圧計測線接続態様>
スキャナー3のスイッチ31,32のそれぞれをオンすることによって、電圧計測線27,28と電圧計測線47,48がそれぞれ接続され、電圧計15とバッテリセル21が接続される。そして、電圧計15の一対の出力端子(図示せず)の一方は、電圧計測線27,47を介してバッテリセル21のタブ端子21aに接続され、電圧計15の一対の出力端子の他方は、電圧計測線28,48を介してバッテリセル21のタブ端子21bに接続される。この接続態様はバッテリセル21の内部インピーダンスを測定するための態様である。測定方法については後述する。
【0025】
<CH2のバッテリセル22の電圧計測線接続態様>
スキャナー3のスイッチ37,38のそれぞれをオンすることによって、電圧計測線27,28と電圧計測線57,58がそれぞれ接続され、電圧計15とバッテリセル22が接続される。そして、電圧計15の一対の出力端子(図示せず)の一方は、電圧計測線27,57を介してバッテリセル22のタブ端子22aに接続され、電圧計15の一対の出力端子の他方は、電圧計測線28,58を介してバッテリセル22のタブ端子22bに接続される。この接続態様はバッテリセル22の内部インピーダンスを測定するための態様である。測定方法については後述する。
【0026】
<電流計測線接続態様>
スキャナー3のスイッチ33をオンすることによって電流計測線25と電流計測線45が接続され、スイッチ34をオンすることによって電流計測線26と電流計測線46が接続され、スイッチ35をオンすることによって電流計測線25と電流計測線54が接続され、スイッチ36をオンすることによって電流計測線26と電流計測線56が接続される。
【0027】
バッテリセル21,22のインピーダンス測定の際には、スキャナー3のスイッチ33,36をオンして、測定信号源11の一対の出力端子(図示せず)の一方を、電流計測線25,45を介してバッテリセル21のタブ端子21aに接続させ、測定信号源11の一対の出力端子の他方を、電流計13、電流計測線26,56を介してバッテリセル22のタブ端子22bに接続させる。
【0028】
ここで、バッテリセル21のタブ端子21bは、スイッチ30を介してバッテリセル22のタブ端子22aに接続されている。スキャナー3のスイッチ30をオンすることによって、電流計測線25,45,46,54,56で測定電流ループが形成される。これによりバッテリセル21に流れる測定電流の向きとバッテリセル22に流れる測定電流の向きが逆向きになる。なお、スイッチ30は請求項1の接続手段に相当する。
【0029】
電圧計15は、電圧計測線27の端部と電圧計測線28の端部との間に配設され、上記測定電流ループに流れる測定電流に起因して電圧計測線47の端部と電圧計測線48の端部との間に生じる電圧を測定し、測定された電圧は図示しない演算処理部に出力される。この電圧測定は上記した電流計測線の接続をした上でバッテリセル21,22のインピーダンス測定の際はそれぞれ上記した電圧計測線の接続態様に従って行われる。
【0030】
[測定方法]
バッテリセル21のインピーダンス測定(第1の接続態様に対応)については、演算処理部において電流計13で測定された測定電流(バッテリセル21に流れる電流)の電流値と、バッテリセル21の両端に発生する電圧の電圧値とに基づいて、バッテリセル21の内部インピーダンスが算出される。前提としてスキャナー3のスイッチ30,31,32,33,36をオンする必要がある。
【0031】
バッテリセル22のインピーダンス測定(第2の接続態様に対応)については、演算処理部において電流計13で測定された測定電流(バッテリセル22に流れる電流)の電流値と、バッテリセル22の両端に発生する電圧の電圧値とに基づいて、バッテリセル22の内部インピーダンスが算出される。前提としてスキャナー3のスイッチ30,33,36,37,38をオンする必要がある。
【0032】
図1は一組のバッテリセルを例にして説明したが、複数組のバッテリセルにおいても測定対象であるバッテリセルを変更する毎に上記したようにスイッチによる切替えを行って順次インピーダンス測定すればよい。具体的には後述する第2の実施の形態で説明する。
【0033】
[効果]
上記した第1の実施の形態に係るインピーダンス測定システムによれば、スキャナー3にスイッチ30を設けて、スキャナー3内の接続処理をもって1組のバッテリセル(一対のバッテリセルが1組)を用いて一対のバッテリセルのそれぞれに流れる電流の向きを異ならせる構成にしたので、バッテリを構成する個々のバッテリセルのインピーダンス測定を行う場合にバッテリ側でバッテリセル同士を短絡させることなく安全に各バッテリセルの内部インピーダンスを測定することができる。
【0034】
また、内部インピーダンスを測定する際、測定電流を印加する測定信号源11からバッテリセル21,22を介して流れる測定電流ループのループ長も従来(
図5参照)の測定電流ループのループ長と同様であるのでループ長の最小化による磁束漏れループの抑制も維持しつつ安全にバッテリセル21,22の内部インピーダンスを測定することができる。なお、ラミネート型バッテリセル以外の円筒型、角型セルや、電池以外の測定対象においても上記同様の効果を得ることができる。
【0035】
<第2の実施の形態>
以下に、
図2を参照して本発明に係るインピーダンス測定システムの第2の実施の形態について説明する。上記した第1の実施の形態とは一対のバッテリセルが二組(全4CH)配設されている点およびそれに対応してスキャナーを構成するスイッチの個数(19個)が異なる。なお、本第2の実施の形態は、上記した第1の実施の形態に係るインピーダンス測定システムと比較して、接続態様の数が増加しているが、基本的な考え方は同じである。すなわち、一組のバッテリセルの一方と他方を短絡させるためのスイッチ90,109,119(上記した第1の実施の形態ではスイッチ30である。)を設けて測定時に一組のバッテリセル(第1の実施の形態ではCH1とCH2のバッテリセル)の一方のHi側の電流計測線(SOURCE Hi)と他方のLo側電流計測線(SOURCE Lo)を短絡させ、測定対象とするバッテリセルのHi側の電圧計測線(SENSE Hi)とLo側の電圧計測線(SENSE Lo)を電圧計に接続させてインピーダンス測定を行うというのが基本的な考え方である。なお、スイッチ93,95,101,103は請求項3の第1のスイッチ群に対応し、スイッチ94,96,102,104は請求項3の第2のスイッチ群に対応し、スイッチ91,92,97,98,99,100,105,106は請求項3の第3のスイッチ群に対応する。
【0036】
したがって、本第2の実施の形態では、一対のバッテリセルの組み合わせはCH1のバッテリセル221およびCH2のバッテリセル222と、CH2のバッテリセル222およびCH3のバッテリセル223と、CH3のバッテリセル223およびCH4のバッテリセル224の3つの組み合わせ(3組)がある。そしてバッテリセル221~224のインピーダンス測定では、測定対象の4つのバッテリセルのそれぞれの両端電圧を測定するために各測定時に電圧計と測定対象のバッテリセルを接続させるので、電圧計測線の接続態様は4態様となる。具体的には、測定対象をバッテリセル221,222の組み合わせにした場合には、測定時に、バッテリセル221とバッテリセル222のそれぞれの両端電圧を測定するための接続(2態様)が必要となる。
【0037】
また、測定対象をバッテリセル222,223の組み合わせにした場合には、測定時に、バッテリセル223の両端電圧を測定するための接続(1態様)が必要となる(バッテリセル222の両端電圧測定は先に実施しており不要だからである)。また、測定対象をバッテリセル223,224の組み合わせにした場合には、測定時に、バッテリセル224の両端電圧を測定するための接続(1態様)が必要となる(バッテリセル223の両端電圧測定は先に実施しており不要だからである)。結局、電圧測定の態様はバッテリセル221~224のインピーダンス測定においてはCH数分の4態様となる。
【0038】
以下の説明では、上記した点を念頭に入れて説明する。なお、バッテリセル221、222とバッテリセル223、224は実際には近接して配置されているが、
図2では作図の関係で所定間隔離をおいた状態で示している。
【0039】
[インピーダンス測定システムの構成]
インピーダンス測定システム60は、バッテリセル221~224に電流計測線115,116,125,126,135,136,145,146および電圧計測線117,118,127,128,137,138,147,148を介して接続されるスキャナー(信号選択部)63と、スキャナー63に電流計測線85,86および電圧計測線87,88を介して接続されるインピーダンス測定装置55を有して構成されている。電流計測線85,115,125,135,145はHi側の電流計測線(SOURCE Hi)であり、電流計測線86,116,126,136,146はLo側の電流計測線(SOURCE Lo)である。電圧計測線87,117,127,137,147はHi側の電圧計測線(SENSE Hi)であり、電圧計測線88,118,128,138,148はLo側の電圧計測線(SENSE Lo)である。なお、スキャナー63は請求項3の信号選択部に相当する。
【0040】
インピーダンス測定装置55は、測定信号を発生する測定信号源71、電流検出部としての電流計73及び電圧検出部としての電圧計75を含んで構成されている。なお、測定信号源71は請求項1の測定信号発生源に相当する。
【0041】
スキャナー63は、
図2に示すように、信号選択部としてのスイッチ90~106,109,119を備え、スイッチ90~106,109,119のオンオフ(切り換え)を行う。
【0042】
[測定装置55とバッテリセル221~224との接続態様]
以下に、インピーダンス測定装置55と、スキャナー63と、測定対象であるバッテリセル221~224との接続態様において、電圧計測線の接続態様および電流計測線の接続態様を説明する。インピーダンス測定装置55で測定対象としてのバッテリセル221~224のそれぞれの内部インピーダンスを測定するにあたって、測定信号源71、電流計73、電圧計75とバッテリセル221~224とをスキャナー63を介して接続させる。
【0043】
<CH1のバッテリセル221の電圧計測線接続態様>
スキャナー63のスイッチ91,92のそれぞれをオンすることによって、電圧計測線87,88と電圧計測線117,118がそれぞれ接続され、電圧計75とバッテリセル221が接続される。そして電圧計75の一対の出力端子(図示せず)の一方は、電圧計測線87,117を介してバッテリセル221のタブ端子221aに接続され、電圧計75の一対の出力端子の他方は、電圧計測線88,118を介してバッテリセル221のタブ端子221bに接続される。この第1の接続態様はバッテリセル221の内部インピーダンスを測定するための態様である。測定方法については上記した第1の実施の形態と同様であるので説明は省略する。以下の電圧計測線接続態様についても同様に測定方法の説明を省略する。
【0044】
<CH2のバッテリセル222の電圧計測線接続態様>
スイッチ96,97のそれぞれをオンすることによって、電圧計測線87,88と電圧計測線127,128がそれぞれ接続され、電圧計75とバッテリセル222が接続される。そして電圧計75の一対の出力端子(図示せず)の一方は、電圧計測線87,127を介してバッテリセル222のタブ端子222aに接続され、電圧計75の一対の出力端子の他方は、電圧計測線88,128を介してバッテリセル222のタブ端子222bに接続される。この接続態様はバッテリセル222の内部インピーダンスを測定するための態様である。
【0045】
<CH3のバッテリセル223の電圧計測線接続態様>
スイッチ99,100のそれぞれをオンすることによって、電圧計測線87,88と電圧計測線137,138がそれぞれ接続され、電圧計75とバッテリセル223が接続される。そして電圧計75の一対の出力端子(図示せず)の一方は、電圧計測線87,137を介してバッテリセル223のタブ端子223aに接続され、電圧計75の一対の出力端子の他方は、電圧計測線88,138を介してバッテリセル223のタブ端子223bに接続される。この接続態様はバッテリセル223の内部インピーダンスを測定するための態様である。
【0046】
<CH4のバッテリセル224の電圧計測線接続態様>
スイッチ105,106のそれぞれをオンすることによって、電圧計測線87,88と電圧計測線147,148がそれぞれ接続され、電圧計75とバッテリセル224が接続される。そして電圧計75の一対の出力端子(図示せず)の一方は、電圧計測線87,147を介してバッテリセル224のタブ端子224aに接続され、電圧計75の一対の出力端子の他方は、電圧計測線88,148を介してバッテリセル224のタブ端子224bに接続される。この接続態様はバッテリセル224の内部インピーダンスを測定するための態様である。
【0047】
<電流計測線接続態様>
スキャナー63のスイッチ93をオンすることによって電流計測線85と電流計測線115が接続され、スイッチ94をオンすることによって電流計測線86と電流計測線116が接続される。スイッチ95をオンすることによって電流計測線85と電流計測線125が接続され、スイッチ96をオンすることによって電流計測線86と電流計測線126が接続される。スイッチ101をオンすることによって電流計測線85と電流計測線135が接続され、スイッチ102をオンすることによって電流計測線86と電流計測線136が接続される。スイッチ103をオンすることによって電流計測線85と電流計測線145が接続され、スイッチ104をオンすることによって電流計測線86と電流計測線146が接続される。
【0048】
[バッテリセル221,222のインピーダンス測定]
バッテリセル221のインピーダンス測定の際には、スキャナー63のスイッチ90,93,96をオンして、測定信号源71の一対の出力端子(図示せず)の一方を、電流計測線85,115を介してバッテリセル221のタブ端子221aに接続させ、測定信号源71の一対の出力端子の他方を、電流計73、電流計測線86,126を介してバッテリセル222のタブ端子222bに接続させる。続いてスキャナー63のスイッチ91,92のそれぞれをオンして、電圧計75の一対の出力端子(図示せず)の一方がバッテリセル221のタブ端子221aに接続され、電圧計75の一対の出力端子の他方がバッテリセル221のタブ端子221bに接続されてバッテリセル221のインピーダンス測定が実行される。なお、バッテリセル221のインピーダンス測定の際には、スキャナー63のスイッチ90,91,92,93,96以外のスイッチはオフさせる。
【0049】
また、バッテリセル222のインピーダンス測定の際には、スキャナー63のスイッチ90,93,96をオンして、測定信号源71の一対の出力端子(図示せず)の一方をバッテリセル221のタブ端子221aに接続させ、測定信号源71の一対の出力端子の他方をバッテリセル222のタブ端子222bに接続させる。続いてスキャナー63のスイッチ97,98のそれぞれをオンして、電圧計75の一対の出力端子(図示せず)の一方がバッテリセル222のタブ端子222aに接続され、電圧計75の一対の出力端子の他方がバッテリセル222のタブ端子222bに接続されてバッテリセル222のインピーダンス測定が実行される。なお、バッテリセル222のインピーダンス測定の際には、スキャナー63のスイッチ90,93,96,97,98以外のスイッチはオフさせる。
【0050】
ここで、バッテリセル221のタブ端子221bは、スイッチ90を介してバッテリセル222のタブ端子222aに接続されている。スキャナー63のスイッチ90をオンすることによって、電流計測線115,116,125,126で測定電流ループが形成される。これによりバッテリセル221に流れる測定電流の向きとバッテリセル222に流れる測定電流の向きが逆向きになる。
【0051】
[バッテリセル223,224のインピーダンス測定]
バッテリセル223のインピーダンス測定の際には、スキャナー63のスイッチ101,104,119をオンして、測定信号源71の一対の出力端子(図示せず)の一方を、電流計測線85,135を介してバッテリセル223のタブ端子223aに接続させ、測定信号源71の一対の出力端子の他方を、電流計73、電流計測線86,146を介してバッテリセル224のタブ端子224bに接続させる。続いてスキャナー63のスイッチ99,100のそれぞれをオンして、電圧計75の一対の出力端子(図示せず)の一方がバッテリセル223のタブ端子223aに接続され、電圧計75の一対の出力端子の他方がバッテリセル223のタブ端子223bに接続されてバッテリセル223のインピーダンス測定が実行される。なお、バッテリセル223のインピーダンス測定の際には、スキャナー63のスイッチ99,100,101,104,119以外のスイッチはオフさせる。
【0052】
また、バッテリセル224のインピーダンス測定の際には、スキャナー63のスイッチ101,104,119をオンして、測定信号源71の一対の出力端子(図示せず)の一方を、電流計測線85,135を介してバッテリセル223のタブ端子223aに接続させ、測定信号源71の一対の出力端子の他方を、電流計73、電流計測線86,146を介してバッテリセル224のタブ端子224bに接続させる。続いてスキャナー63のスイッチ105,106のそれぞれをオンして、電圧計75の一対の出力端子(図示せず)の一方がバッテリセル224のタブ端子224aに接続され、電圧計75の一対の出力端子の他方がバッテリセル224のタブ端子224bに接続されてバッテリセル224のインピーダンス測定が実行される。なお、バッテリセル224のインピーダンス測定の際には、スキャナー63のスイッチ101,104,105,106,119以外のスイッチはオフさせる。
【0053】
ここで、バッテリセル223のタブ端子223bは、スイッチ119を介してバッテリセル224のタブ端子224aに接続されている。スキャナー63のスイッチ119をオンすることによって、電流計測線135,136,145,146で測定電流ループが形成される。これによりバッテリセル223に流れる測定電流の向きとバッテリセル224に流れる測定電流の向きが逆向きになる。
【0054】
電圧計75は、電圧計測線87の端部と電圧計測線88の端部との間に配設され、上記測定電流ループに流れる測定電流に起因して電圧計測線117の端部と電圧計測線118の端部との間に生じる電圧を測定し、測定された電圧は図示しない演算処理部に出力される。この電圧測定は、インピーダンス測定の測定対象がバッテリセル221,222の場合と、バッテリセル223,224の場合において、それぞれ対応する上記した電流計測線の接続をした上で対応する上記した電圧計測線の接続態様に従って行われる。
【0055】
なお、測定対象をCH2とCH3のバッテリセル222,223にする場合もあるが、この場合の電圧計測線接続態様および電流計測線接続態様についてはスイッチ109をオンさせて、CH2のバッテリセル222のHi側の電流計測線125と、CH3のバッテリセル223のLo側の電流計測線136と、スイッチ109を含む測定電流ループを形成させ測定対象のバッテリセルごとに電圧測定を行ってインピーダンスの計算が行われる。
【0056】
[効果]
上記した第2の実施の形態に係るインピーダンス測定システムによれば、スキャナーに複数のスイッチ90,109,119を設けて、2組のバッテリセル(一対のバッテリセルが2組)を用いてそれぞれの組の一対のバッテリセルのそれぞれに流れる電流の向きを異ならせる構成にしたので、容量の大きい複数組からなるバッテリを構成する個々のバッテリセルのインピーダンス測定を行う場合でも個々のバッテリセルを短絡させずに安全にバッテリセルの内部インピーダンスを測定することができる。
【0057】
<第3の実施の形態>
以下に、
図3を参照して本発明に係るインピーダンス測定システムの第3の実施の形態について説明する。第3の実施の形態では、CH1のバッテリセル221のLo側の電流計測線116とCH2のバッテリセル222のHi側の電流計測線125を、接続線150を介して常時接続にし、CH2のバッテリセル222のLo側の電流計測線126とCH3のバッテリセル223のHi側の電流計測線135を、接続線151を介して常時接続にし、CH3のバッテリセル223のLo側の電流計測線136とCH4のバッテリセル224のHi側の電流計測線145を、接続線152を介して常時接続にしている。た点が異なる以外は上記した第2の実施の形態と同じである。第3の実施の形態は、スイッチ90,109,119を設けず、上記した構成にした以外は第2の実施の形態と同じである。したがって、第2の実施形態と同一の部分には同一の符号を用いて説明する。
【0058】
上記した構成においても、測定時に一組のバッテリセル(第1の実施の形態ではCH1とCH2のバッテリセル)の一方のHi側の電流計測線(SOURCE Hi)と他方のLo側電流計測線(SOURCE Lo)が短絡し、測定対象とするバッテリセルのHi側の電圧計測線(SENSE Hi)とLo側の電圧計測線(SENSE Lo)を電圧計に接続させれば上記した第2の実施の形態における効果と同様の効果が得られる。
【0059】
なお、上記した実施の形態におけるスキャナーを構成するスイッチの数をさらに増やせば、測定対象であるバッテリセルの組数を増加することができることはいうまでもない。また、電圧計15,75に接続される電圧計測線はツイストケーブルでなくシールド線であってもよい。
【0060】
[効果]
上記したように、本第3の実施の形態によれば、上記した第1の実施の形態に係るインピーダンス測定システムで得られる効果に加えて、シンプルな構成でインピーダンス測定を実施することができるので製造コストの低減が図れる。
【0061】
以上にこの発明の具体的な実施形態について説明したが、この発明は上記実施形態に限られるものではなく、この発明の範囲内で種々変更して実施することが可能である。例えば、ハイ側端子とロー側端子は相互に入れ替え可能である。
【符号の説明】
【0062】
1,60,160 インピーダンス測定システム
3,63 スキャナー
5,55 インピーダンス測定装置
11,71 測定信号源
13,73 電流計
15,75 電圧計
21,22,221,222,223,224 バッテリセル
21a,22a,121a,122a,221a,222a 223a,224a,21b,22b,121b,122b,221b,222b,223b,224b,225b タブ端子
25,26,45,46,54,56 電流計測線
27,28,47,48,57,58 電圧計測線
31,32,33,34,35,36,37,38,90,91,92,93,94,95,96,97,98,99,100,101,102,103,104,105,106,109,119 スイッチ
110,111,150,151,152 短絡線(接続線)
【手続補正書】
【提出日】2022-10-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正方法】変更
【補正の内容】