(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059376
(43)【公開日】2024-05-01
(54)【発明の名称】収納可視化システム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240423BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022167015
(22)【出願日】2022-10-18
(71)【出願人】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100149401
【弁理士】
【氏名又は名称】上西 浩史
(72)【発明者】
【氏名】山本 浩
(72)【発明者】
【氏名】山本 義徳
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049AA21
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】例えば、対象物(物品)の収納場所と、対象物(物品)を使う場所等との関係を含めて、対象物の収納場所を可視化する収納可視化システムを提供する。
【解決手段】収納可視化システムは、複数の対象物のそれぞれについて、対象物の種別と、対象物の収納場所と、付加情報とを含む収納物データを対象物毎に記憶する記憶部16と、収納物データを読み出し、各対象物について、種別と収納場所と付加情報とを互いに対応付けて、各対象物の対応情報を作成し、各対象物の対応情報を、表示装置の画面に表示させる表示処理部17とを有する。付加情報は、対象物の使用場所の情報、対象物の使用頻度の情報、対象物の収納場所との適合度の情報、及び対象物と付帯して使用する付帯物の種類の情報のうち、少なくとも1つの情報を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の対象物のそれぞれについて、前記対象物の種別と、前記対象物の収納場所と、付加情報とを含む収納物データを前記対象物毎に記憶する記憶部と、
前記収納物データを読み出し、前記各対象物について、前記種別と前記収納場所と前記付加情報とを互いに対応付けて、前記各対象物の対応情報を作成し、前記各対象物の前記対応情報を、表示装置の画面に表示させる表示処理部とを有し、
前記付加情報は、前記対象物の使用場所の情報、前記対象物の使用頻度の情報、前記対象物の収納場所との適合度の情報、及び前記対象物と付帯して使用する付帯物の種類の情報のうち、少なくとも1つの情報を含む、収納可視化システム。
【請求項2】
前記画面に表示される画像は、複数の領域に分割されており、
前記各領域は、前記対象物の前記収納場所、又は前記付加情報が対応付けられている、請求項1に記載の収納可視化システム。
【請求項3】
前記画面に表示される前記画像の複数の前記領域は、前記対象物の前記収納場所に対応付けられており、
前記各領域の配置は、前記対象物の前記収納場所の配置に対応している、請求項2に記載の収納可視化システム。
【請求項4】
前記表示処理部は、前記対象物の前記収納場所と、前記付加情報のうちの1つの情報とを組にして、前記画像に前記対象物の前記収納場所を表示させる、請求項1~3のいずれか1項に記載の収納可視化システム。
【請求項5】
前記表示処理部は、前記対象物の前記使用頻度の情報において、前記使用頻度に対応した色の情報又は明度の情報を付加し、
前記対象物の前記使用頻度毎に色又は明度により区別して、前記対象物の前記使用頻度を前記画像に表示させる、請求項1~3のいずれか1項に記載の収納可視化システム。
【請求項6】
前記表示処理部は、前記付加情報のうち前記付帯物の種類の情報に基づく関係がある前記対象物同士を結ぶ線を前記画像に表示する、請求項1~3のいずれか1項に記載の収納可視化システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を対象物として、その収納状況を可視化して示す収納可視化システムに係り、特に、複数の対象物のそれぞれについて、対象物の種別と対象物の収納場所と付加情報とを含む収納物データを用いた収納可視化システムに関する。
【背景技術】
【0002】
住居内には、衣類及び道具等の様々な物品がある。衣類及び道具等の物品は、それぞれ住居内の様々な収納場所に収納されている。衣類及び道具等の物品は、例えば、使用頻度、又は収納空間の容量等に応じて所定の収納場所に収納される。収納した人以外は、物品の収納場所が明確に分からず、物品の収納場所は、収納した人の記憶が頼りである。そこで、住居内における物品の収納場所を特定する方法が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、IDタグ1-i(i=1、2、…、m)が、台所の複数の収納場所の各々に収納された物品に設けられ、タグ識別子を保持し、読出信号に応じて、返答信号としてタグ識別子を送信する。物品は、食材又は調理用品を表し、タグ識別子は、物品を表す物品情報を含む。リーダライタ2-j(j=1、2、…、n)は、収納場所に設置され、検索要求に応じて、読出信号をIDタグ1-iに送信し、IDタグ(1-i)からのタグ識別子と、アンテナ識別子とを含む検索結果を送信する。在庫管理サーバは、在庫物品データベースと位置情報データベースとメニューデータベースとを備えている。位置情報データベースには、リーダライタ2-jのアンテナ識別子と、収納場所を表す位置情報とが格納されている。物品の収納場所が表示装置に表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、物品の収納場所が表示装置に表示されるだけである。特許文献1で、分かるのは物品の収納場所だけである。このため、例えば、物品の収納場所と、物品を使う場所等の関係は分からない。
【0006】
そこで、本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、例えば、対象物(物品)の収納場所と、対象物(物品)を使う場所等との関係を含めて、対象物の収納場所を可視化する収納可視化システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題は、本発明の収納可視化システムによれば、複数の対象物のそれぞれについて、対象物の種別と、対象物の収納場所と、付加情報とを含む収納物データを対象物毎に記憶する記憶部と、収納物データを読み出し、各対象物について、種別と収納場所と付加情報とを互いに対応付けて、各対象物の対応情報を作成し、各対象物の対応情報を、表示装置の画面に表示させる表示処理部とを有し、付加情報は、対象物の使用場所の情報、対象物の使用頻度の情報、対象物の収納場所との適合度の情報、及び対象物と付帯して使用する付帯物の種類の情報のうち、少なくとも1つの情報を含む、ことにより解決される。
上記のように構成された本発明の収納可視化システムでは、対象物の収納場所と、対象物を使う場所等との関係を含めて、対象物の収納場所を可視化できる。
【0008】
また、上記の収納可視化システムにおいて、画面に表示される画像は、複数の領域に分割されており、各領域は、対象物の収納場所、又は付加情報が対応付けられていると、好適である。
上記の構成によれば、対象物の収納場所と付加情報とをまとめて表示できる。
また、上記の収納可視化システムにおいて、画面に表示される画像の複数の領域は、対象物の収納場所に対応付けられており、各領域の配置は、対象物の収納場所の配置に対応していると、より好適である。
上記の構成によれば、対象物の収納場所の位置関係を認識できる。
また、上記の収納可視化システムにおいて、表示処理部は、対象物の収納場所と、付加情報のうちの1つの情報とを組にして、画像に対象物の収納場所を表示させると、さらに好適である。
上記の構成によれば、対象物の収納場所と、付加情報との関係を容易に認識できる。
【0009】
また、上記の収納可視化システムにおいて、表示処理部は、対象物の使用頻度の情報において、使用頻度に対応した色の情報又は明度の情報を付加し、対象物の使用頻度毎に色又は明度により区別して、対象物の使用頻度を画像に表示させると、なお一層好適である。
上記の構成によれば、対象物の使用頻度を容易に認識できる。
また、上記の収納可視化システムにおいて、表示処理部は、付加情報のうち付帯物の種類の情報に基づく関係がある対象物同士を結ぶ線を画像に表示すると、より一段と好適である。
上記の構成によれば、付帯物の種類の情報に基づく関係がある対象物同士を容易に認識できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の収納可視化システムによれば、対象物の収納場所と、対象物を使う場所等との関係を含めて、対象物の収納場所を可視化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の一実施形態の収納可視化システムの一例を示す模式図である。
【
図2】本発明の一実施形態の収納可視化システムにより表示される画像の第1の例を示す模式図である。
【
図3】本発明の一実施形態の収納可視化システムにより表示される画像の第2の例を示す模式図である。
【
図4】本発明の一実施形態の収納可視化システムにより表示される画像の第3の例を示す模式図である。
【
図5】(a)~(d)は本発明の一実施形態の収納可視化システムによる対象物の収納状況を可視化する方法の一例を工程順に示す模式図である。
【
図6】(a)~(d)は
図5(d)の次工程を示すものであり、本発明の一実施形態の収納可視化システムによる対象物の収納状況を可視化する方法の一例を工程順に示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<<本発明の一つの実施形態に係る収納可視化システムについて>>
以下、本発明の一つの実施形態(以下、本実施形態)について、添付の図面を参照しながら説明する。
なお、図面では、説明を分かり易くするために幾分簡略化及び模式化して図示している。また、図中に示すサイズ(寸法)等についても、実際のものとは異なっている。
【0013】
図1は本発明の一実施形態の収納可視化システムの一例を示す模式図である。
図1に示す収納可視化システム10は、処理部12と入力部14と表示装置15とを有する。
処理部12は、記憶部16と表示処理部17と制御部18とを有する。処理部12は、例えば、コンピュータで構成される。
記憶部16と表示処理部17とは制御部18に制御される。表示処理部17は表示装置15に接続されており、表示装置15の画面(図示せず)に画像を表示させる。
記憶部16に入力部14が接続されており、入力部14から記憶部16に各種の情報が入力される。
【0014】
入力部14は、例えば、記憶部16に各種情報を入力するための各種の入力デバイスである。入力部14は、例えば、マウス及びキーボード等である。また、入力部14は、複数の対象物のそれぞれについて、対象物の種別と、対象物の収納場所と、付加情報とを含む収納物データが記録された記憶媒体を、記憶部16に入力させるものでもよい。この場合、入力部14は、例えば、各種のメモリを、各種のメモリに対応するインターフェース(図示せず)を有し、インターフェースを介して記憶媒体から記憶部16に、上述の収納物データを記憶させる。
表示装置15は、例えば、収納可視化システム10で得られた各種の画像を表示するものであり、公知の各種のディスプレイが用いられる。
また、収納可視化システム10は、スマートフォン(図示せず)又はタブレット端末(図示せず)の画面に画像を表示させることもできる。この場合、スマートフォン又はタブレット端末が表示装置15であり、入力部14も兼ねる。
【0015】
記憶部16は、複数の対象物のそれぞれについて、対象物の種別と、対象物の収納場所と、付加情報とを含む収納物データを対象物毎に記憶する。記憶部16は、特に限定されるものではなく、公知の各種の記憶媒体、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、及びSSD(Solid State Drive)を利用できる。収納物データとしては、例えば、後述の下記表2に示すものが例示される。
表示処理部17は、記憶部16の収納物データを読み出し、各対象物について、種別と収納場所と付加情報とを互いに対応付けて、各対象物の対応情報を作成し、各対象物の対応情報を、表示装置15の画面に表示させる。
表示処理部17を含め処理部12は、ROM(Read Only Memory)等に記憶されたプログラム(コンピュータソフトウェア)を、処理部12で実行することにより、得られた各種の画像を表示装置15に表示させる。処理部12は、上述のようにプログラムが実行されるコンピュータによって構成されてもよいし、専用回路で構成された専用装置であってもよく、上述のようにプログラムがクラウド上で実行されるようにサーバーで構成してもよい。
【0016】
ここで、対象物とは、収納状況が可視化される対象となる物品又は資材であり、例えば、住居内にある物品のことであり、特に限定されるものではない。例えば、物品は、食品、衣類、及び日用品のような道具等のことである。対象物は収納状況が可視化される対象である。対象物の数は、特に限定されるものではなく、複数であればよいが、対象物の数の上限は、住居にある全ての物品の数である。
対象物の種別は、対象物の物品名又は対象物のカテゴリーである。対象物の種別を正確に分類するためには、対象物の物品名又は対象物のカテゴリーで統一することが好ましい。
対象物の物品名は、対象物のそのものの名称、詳しくは当該対象物の一般名称である。対象物のカテゴリーは、物品が属する区分であり、例えば、筆記用具、衣類、食品、家電、調理器具、及び寝具等である。対象物のカテゴリーが筆記用具の場合、対象物の物品名は、例えば、ボールペンであり、商品名は、例えば、エナージェルである。
【0017】
対象物の収納場所とは、対象物が現時点で置かれている場所のことであり、例えば、住居内の所定の場所である。対象物の収納場所とは、例えば、リビング、キッチン、クローゼット、玄関等の住居内の特定の領域のことであるが、これ以外に、例えば、多段の引出し場合、引出しの1段目、引出しの上のような、より限定された場所も対象物の収納場所に含まれる。さらには、リビング、リビングの入口付近の収納、リビングの上段の棚、リビングの収納ボックスの中段のように対象物の収納場所を階層化してもよい。
また、リビング、キッチン、クローゼット、玄関等を更に領域に分けて、それぞれを個別の収納場所としてもよい。
【0018】
付加情報は、対象物の使用場所の情報、対象物の使用頻度の情報、対象物の収納場所との適合度の情報、及び対象物と付帯して使用する付帯物の種類の情報のうち、少なくとも1つの情報を含む。
対象物は、収納場所と使用場所とが必ずしも一致するとは限らない、例えば、掃除機は普段は納戸に収納しているが、リビング等で使われる。このため、対象物の使用場所の情報があることが好ましい。
対象物によっては、毎日に使うとか、夏又は冬のような特定の時期に限って使う等、その使用頻度が異なるため、対象物の使用頻度の情報があることが好ましい。
【0019】
また、例えば、良く使うものは、使いやすい場所に収納し、あまり使わないものは、使いにくい場所に収納することが望ましい。しかしながら、住居の広さ等によっては、対象物の収納場所を確保できず、よく使う対象物を、必ずしも適切な場所に収納できないことがある。このため、対象物毎に、対象物の収納場所との適合度の情報があることが好ましい。
対象物の収納場所との適合度は、後に詳細に説明する収納場所そのものの使いやすさと、対象物の使用頻度とが適合しているかどうかにより決定されるものである。
対象物の収納場所との適合度については、例えば、対象物の使用頻度が高いのに、対象物が使いにくいところにあることを、対象物の収納場所との適合度が「低い」とし、対象物の使用頻度が高く、対象物が使いやすいところにあることを、対象物の収納場所との適合度が「高い」とする。このようなルールに基づいて、対象物の収納場所との適合度を決定することができる。
【0020】
また、例えば、対象物によっては、単独で使用するのではなく、いくつかのものと併用するものがある。例えば、パーソナルコンピュータと外付けのHDD、テレビと外付けのHDD等である。このため、対象物と付帯して使用する付帯物の種類の情報があることが好ましい。表示処理部17で、付帯物の種類の情報に基づいて関係がある対象物同士が特定される。
また、付加情報としては、対象物が購入したものであれば、購入金額が挙げられる。また、付加情報としては、収納要件も挙げられる。収納要件は、対象物の収納場所として要求される事項である。収納要件は、対象物の収納場所として要求される事項であれば、特に限定されるものではないが、例えば、防犯配慮、子供の安全配慮、衛生配慮、水濡れ厳禁、湿気を避ける、及び直射日光を避ける等が例示される。
対象物の収納場所は、上述のように対象物が現時点で置かれている場所のことである。
収納物データでは、対象物の収納場所に対して、付加情報として、上述の防犯配慮、湿気を避ける、及び直射日光を避ける等の収納要件を含めることができる。
【0021】
また、例えば、収納場所毎に、収納場所の名称、収納場所の位置情報、収納場所のサイズ、収納場所そのものの使いやすさの情報、及び収納特性を加えた収納場所データがあることが好ましい。この収納場所データは、例えば、記憶部16に記憶される。収納場所データとしては、下記表1に示すものが例示される。
収納場所の名称は、収納場所のそのものの名称、詳しくは当該対象物の一般名称である。収納場所の名称は、例えば、玄関、キッチン、リビングである。
収納場所の位置情報は、例えば、住居内における位置を示す情報である。
収納場所のサイズは、収納場所そのものの大きさのことであり、例えば、縦、横、及び高さで表される。
【0022】
収納場所そのものの使いやすさは、使用者にとっての収納場所自体の使いやすさのことであり、使用者毎の主観的な情報である。
収納場所そのものの使いやすさとは、例えば、ユーザ(使用者)にとって置きやすい、取りやすい等を考慮して決定されるものである。
収納場所そのものの使いやすさの情報は、例えば、以下のように対象物の位置と、対象物を得るためのアクションとを考慮して決定できる。
対象物の位置は、高さと奥行が用いられる。
高さについては、例えば、項目1:肩~目線、項目2:膝~腰、項目3:目線~手の届く範囲、項目4:床~膝、項目5:手の届く範囲以上、と分類する。
奥行については、例えば、項目1:一番手前、項目2:腕の届く範囲、項目3:体を動かす必要がある、と分類する。
【0023】
対象物を得るためのアクションとしては、アクション回数、アクションに必要な力、アクションの大きさ、対象物のサイズ及び対象物の重さ等が用いられる。
アクション回数については、例えば、項目1:なし、項目2:1回、項目3:2回、項目4:3回、項目5:4回以上、と分類する。
アクションに必要な力については、例えば、項目1:どちらでもない、項目2:やや小さい、項目3:やや大きい、項目4:小さすぎる、項目5:大きすぎる、と分類する。
アクションの大きさについては、例えば、項目1:手首の稼働範囲内で収まる、項目2:腕の稼働範囲内で大きい、項目3:体の向きを変える、項目4:小さな移動を伴う、項目5:大きな移動を伴う、と分類する。
対象物のサイズについては、例えば、項目1:両手に収まるサイズ、項目2:腕で抱えるサイズ、項目3:腕と体で支えるサイズ、項目4:持てないサイズ、と分類する。
対象物の重さについては、例えば、項目1:他に当てはまらない、項目2:普通に持てるが重い、項目3:持つのが大変なぐらい思い、項目4:一人で持てない程重い、項目5:複数人でも持てない、と分類する。
【0024】
なお、収納場所そのものの使いやすさの情報を決定する場合、収納場所そのものの使いやすさはユーザ(使用者)ごとに異なる。このため、収納場所そのものの使いやすさを、ユーザごとに評価して記憶しておくことが好ましい。対象物を最も使う頻度の高い人、例えば、下記表2の「使用者1」にとっての使いやすさで、収納場所そのものの使いやすさが適切かどうかを評価してもよい。
【0025】
収納特性は、収納場所の性質を示す。収納特性は、収納場所の性質を示すものであれば、特に限定されるものではなく、例えば、上記収納要件と同様に、防犯配慮、子供の安全配慮、衛生配慮、水濡れ厳禁、湿気を避ける、及び直射日光を避ける等である。
収納物データの収納要件と収納場所データの収納特性とは、項目が一致していることが好ましい。これにより、後述のように収納物データの収納要件と収納場所データの収納特性の評価値とに基づいてアラートを出すことができる。
【0026】
【0027】
収納物データのうち、対象物の収納要件と、収納場所データのうち、収納特性とに基づいてアラートを出してもよい。この場合、収納要件と収納特性とに基づくアラートを出す条件を設定しておく。収納特性について、例えば、数値が高い方が評価が優れているとして、1~5の数値で評価しておく。
例えば、収納場所データの収納特性の防犯配慮については、収納場所の防犯レベルと対応つける。この場合、玄関は人の出入りが多いため、防犯レベルが低く、例えば、防犯配慮の評価を1とし、納戸は家の奥にあるので人が立ち入りにくく防犯レベルが高いため、例えば、防犯配慮の評価を5とする等である。
また、収納場所データの収納特性の湿気については、キッチン、お風呂等は、水をよく使うので湿度が高く、例えば、湿気の評価を1とし、日当たりがよい場所については湿度が低く、例えば、湿気の評価を5とする。
また、収納場所データの収納特性の直射日光については、日当たりがよい場所は直射日光が多く、例えば、直射日光の評価を1とし、納戸は日が当たりにくいので直射日光が少なく、例えば、直射日光の評価を5とする。
【0028】
アラートについては、例えば、対象物の収納要件に対応する対象物の収納場所データの収納特性の評価が3以下の場合に、アラートを出す。より具体的には、例えば、対象物の収納要件が防犯配慮の場合、対象物の収納場所が玄関であれば、玄関は防犯配慮の評価が3以下なので、アラートを出す。また、対象物の収納要件が湿気の場合、収納場所がキッチンであれば、キッチンは湿気の評価が3以下なので、アラートを出す。また、対象物の収納要件が直射日光の場合、収納場所がリビングの日当たりがよい場所では、リビングは評価が3以下なので、アラートを出す。
アラートとしては、例えば、表示装置15(
図1参照)に文字等で表示する。これ以外に、アラートとしては、後述の
図2に示す画像20において、対象物を表す四角形のシンボルを点滅させたり、特定の色で表示したりしてもよい。さらには、アラートとしては、さらには、収納場所が不適切であることを文字で画像20に示してもよい。より具体的には、画像20中に、例えば、対象物が直射日光を避ける必要があるにも関わらず、対象物がリビング等の日当たりがよい場所に置かれていることを文字等で表示してもよい。
【0029】
収納物データには、上述の項目以外に、例えば、対象物の用途及び対象物の入手日等の情報が含まれてもよい。例えば、収納物データは、下記表2に示すような形式のものが用いられる。収納物データに含まれる情報は、下記表2に示すものに限定されるものではない。
なお、対象物の収納場所との適合度については、例えば、上述のようなルールに基づいて、対象物の収納場所との適合度を決定した結果を、表2の「対象物の収納場所との適合度」の欄に示すように、対象物の付加情報として追加してもよい。
【0030】
【0031】
以下、表示処理部17により表示装置15の画面に表示される画像の具体例について説明する。
図2は本発明の一実施形態の収納可視化システムにより表示される画像の第1の例を示す模式図であり、
図3は本発明の一実施形態の収納可視化システムにより表示される画像の第2の例を示す模式図である。
図2は対象物の収納場所と収納場所そのものの使いやすさとを可視化した図である。
【0032】
図2に示す画像20は、対象物の収納場所と、収納場所そのものの使いやすさとを組にした例であり、画像20に対象物の収納場所が表示されている。
画像20では、対象物の収納場所は、玄関、リビング、キッチン及び納戸である。画像20は、玄関の行22a、リビングの行22b、キッチンの行22c及び納戸の行22dを有する。
また、画像20では、収納場所そのものの使いやすさを、1~5の数値で評価しており、数値が大きい方が使いやすいことを示している。画像20は、収納場所そのものの使いやすさの評価1の列23a、評価2の列23b、評価3の列23c、評価4の列23d、及び評価5の列23dを有する。
以上のように、画像20には、複数の領域が設けられ、詳しくは、玄関の行22a、リビングの行22b、キッチンの行22c及び納戸の行22dと、収納場所そのものの使いやすさの評価1の列23a、評価2の列23b、評価3の列23c、評価4の列23d、及び評価5の列23dとが重なる領域24a、24b、24cがある。
【0033】
対象物の収納場所と、収納場所そのものの使いやすさとに応じて、画像20では、上述の領域24a、24b、24cに対象物が、例えば、四角形のシンボルで表示される。これにより、対象物が画像20に表示される。
なお、対象物を表す四角形のシンボルは、四角の枠内に文字の形態で対象物の種別(対象物の名称又は対象物のカテゴリー等)が記載されてもよい。
図2に示す画像20では、例えば、認印を示すシンボル25aは玄関にあり、かつ使いやすいことが認識できる。
【0034】
対象物の種別には、例えば、使用頻度も合わせて表示することができる。この場合、例えば、対象物の使用頻度に対応した明度の情報を付加する。より具体的には、使用頻度を、毎日、週に数回(週に2回以上6回以下)、週に1回、月に1回に分け、例えば、使用頻度が最も高いものの明度を低くし、順次明度を高くする。つまり、使用頻度が高いことで明度が低くなる程、黒に近く、使用頻度が低いことで明度が高くなる程、白に近い。このように明度を用いてグレースケールにより使用頻度を表すことができる。なお、例えば、使用頻度が最も高いものの明度を高くし、順次明度を低くしてもよい。また、明度の変化は連続的でも、離散的でもよい。上記使用頻度は、付加情報のうちの1つの情報である。
図2の画像20では、例えば、シンボルの色が濃く黒に近い程、使用頻度が高いことを表している。このことから、例えば、認印のシンボル25aは使用頻度が高いことが認識できる。例えば、認印を示すシンボル25aは玄関にあり、かつ使いやすいことが認識できる。上述のように認印は使用頻度が高く、かつ使いやすい収納場所にあることから、対象物の収納場所との適合度が高いことも認識できる。
【0035】
また、
図2の画像20では、リビングに、充電池を示すシンボル25cと充電器を示すシンボル25dとがあることが表示されており、使用頻度が低いことが認識できる。
リビングにパーソナルコンピュータを示すシンボル25eが表示されているが、使用頻度が高く、使いにくい収納場所であることが認識できる。この場合、パーソナルコンピュータは対象物の収納場所との適合度が低いことも認識できる。なお、以下、パーソナルコンピュータのことを単に「PC」という。
また、納戸にホームベーカリーを示すシンボル25fが表示されているが、使用頻度が高いが、使いにくい収納場所にあることが認識できる。この場合、ホームベーカリーは対象物の収納場所との適合度が低いことも認識できる。
このように画面に表示される画像20は、複数の領域24a、24b、24cに分割されており、各領域24a、24b、24cは、対象物の収納場所、又は付加情報が対応付けられていることが好ましい。これにより、対象物の収納場所と付加情報とをまとめて表示できる。
【0036】
画面に表示される画像20の複数の領域は、対象物の収納場所に対応付けられており、各領域の配置は、対象物の収納場所の配置に対応していることが好ましい。具体的には、画像20の玄関、リビング、キッチン及び納戸の配置を、住居のレイアウトにおける距離と対応する並び順とする。これにより、対象物の収納場所の位置関係を認識できる。
また、対象物の収納場所と、付加情報のうちの1つの情報とを組にして、画像20に対象物の収納場所を表示させることにより、対象物の収納場所と、付加情報との関係を容易に認識できる。これにより、例えば、対象物の収納場所と、収納場所そのものの使いやすさとの関係を容易に認識できる。
【0037】
また、例えば、図示はしていないが、表2の対象物1は使用者1が使うものであり、かつ使用頻度が高い。この対象物1が、表1の収納場所1に収納されている場合、表1に示すように使用者1にとって、使いやすい収納場所とは言えない。このように使用頻度が高いにも関わらず、使いにくいところに収納されていることを、例えば、
図2に示す画像20上のシンボル(図示せず)の位置と、使用頻度に対応した色の情報又は明度により、容易に認識できる。例えば、
図2のPC(シンボル25e)が、使用頻度が高いにも関わらず、使いにくいところに収納されているものに該当する。
なお、表2の対象物1が使用者2が使うものであり、この対象物が表1の収納場所1に収納されている場合、表1に示すように使用者2にとって、使いやすい収納場所である。このように使用者による使いやすさも、例えば、
図2に示す画像20上のシンボル(図示せず)の位置で容易に認識できる。
【0038】
表示処理部17は、付加情報のうち付帯物の種類の情報に基づく関係がある対象物同士を結ぶ線を画像に表示することが好ましい。これにより、付帯物の種類の情報に基づく関係がある対象物同士を容易に認識できる。すなわち、一緒に使う対象物同士を容易に理解できる。
図2に示す画像20では、例えば、認印を示すシンボル25aとボールペンを示すシンボル25bとが線26で結ばれている。これにより、認印とボールペンとが一緒に用いられることを容易に認識できる。
また、例えば、PCを示すシンボル25eと外付けのHDDを示すシンボル25gとが線26で結ばれている。これにより、PCと外付けのHDDとが一緒に用いられることを容易に認識できる。
【0039】
表示処理部17は、対象物の使用頻度の情報において、使用頻度に対応した色の情報又は明度の情報を付加し、対象物の使用頻度毎に色又は明度により区別して、対象物の使用頻度を画像に表示させることが好ましい。これにより、対象物の使用頻度を容易に認識できる。
対象物の使用頻度の情報に色の情報を付加して、対象物の使用頻度の情報を色によって区別するが、色そのものが異なることに加えて、色は同じで彩度が異なってもよい。色が異なるとは、例えば、色相が異なることである。上述の対象物の使用頻度の情報に色の情報を付加することについては、上述の色を変えること以外に、上述のように明度を用いて対象物の使用頻度の情報を区別して、グレースケールで表すことも含まれる。
なお、色又は明度の情報が付加され、表示のために区別されるのは、付加情報であれば、対象物の使用頻度の情報に、特に限定されるものではなく、対象物のサイズ、対象物への思い入れ等でもよい。
【0040】
また、上述のように収納物データの対象物の収納要件と、収納場所データの収納特性とに基づいてアラートを出してもよい。例えば、
図2では認印の収納場所が玄関であるが、実印の収納場所が玄関である場合、例えば、実印の収納要件は防犯配慮である。この場合、玄関は防犯配慮の評価が3以下であるため、アラートを出す。また、PCの収納場所がリビングであるが、例えば、PCの収納場所が玄関である場合、例えば、PCの収納要件は防犯配慮である。この場合、玄関は防犯配慮の評価が3以下であるため、アラートを出す。このように、対象物の収納要件と、収納場所データの収納特性の評価値とに基づいてアラートを出すようにしてもよい。アラートは、上述のようにシンボルを点滅させてもよく、シンボルの色を特定の色にして表示してもよい。さらには、収納場所が不適切であることを文字で画像20に示してもよい。
【0041】
図3は対象物の収納場所と対象物を使う場所とを可視化した図である。なお、
図3において、
図2に示す画像20と同一構成物には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。対象物を使う場所(対象物の使用場所)は、付加情報のうちの1つの情報である。
図3に示す画像20aでは、収納場所は、リビング、キッチン、納戸及び玄関である。そのため、画像20aは、リビングの行27a、キッチンの行27b、納戸の行27c及び玄関の行27dを有する。また、画像20aにおいて、対象物を使う場所は、宅外、玄関、納戸、キッチン及びリビングである。そのため、画像20aは、宅外の列28a、玄関の列28b、納戸の列28c、キッチンの列28d及びリビングの列28eを有する。
また、画像20aは、リビングの行27a、キッチンの行27b、納戸の行27c及び玄関の行27dと、宅外の列28a、玄関の列28b、納戸の列28c、キッチンの列28d及びリビングの列28eとが重なる領域29a、29bを有する。
図3の画像20aでは、収納場所と使う場所の一致、又は不一致を容易に認識できる。
例えば、外付けのHDD(シンボル25g)は、リビングに収納されているが、キッチンで使うとあり、一緒に使うPC(シンボル25e)とは使う場所が異なることが認識できる。
使用頻度が高いホームベーカリー(シンボル25f)は使う場所とは異なる納戸に収納されていることが認識できる。
【0042】
上述のように収納可視化システム10では、対象物(物品)の収納場所と、対象物(物品)を使う場所等との関係を含めて、対象物(物品)の収納場所を可視化できる。
図2及び
図3では、シンボルを四角形としているが、これに限定されるものではなく、シンボルは四角形以外の多角形でも、円でも楕円でもよい。また、シンボルに、対象物の写真を用いてもよい。この場合、対象物が直感的にわかりやすいため好ましい。
また、
図2及び
図3では、シンボルは全て同じ大きさとしているが、対象物のサイズをシンボルのサイズで表してもよい。すなわち、対象物が大きい程、シンボルの大きさを大きくし、対象物が小さい程、シンボルの大きさを小さくする。この場合、シンボルの大きさにより、対象物の大きさが直感的にわかりやすいため好ましい。
なお、使う場所及び収納場所の順番は、実際の距離に応じたものでもよい。この場合、各対象物の収納場所の相対的な位置関係が直感的にわかりやすいため好ましい。
また、付加情報のうち付帯物の種類の情報に基づく関係がある対象物同士を結ぶ線は、主に一緒に使うものは太い線、それ以外は細い線又は破線としてもよい。この場合、一緒に使う対象物同士であっても、その一緒に使う程度を、直感的に認識しやすいため好ましい。
また、収納場所毎のサイズ情報を加えて、収納物のサイズと収納場所とのバランスを確認できるようにしてもよい。
【0043】
なお、対象物の収納場所、及び対象物を使う場所は、実際の住宅のレイアウトを用いてもよい。
図4は本発明の一実施形態の収納可視化システムにより表示される画像の第3の例を示す模式図である。なお、
図4において、
図2に示す画像20と同一構成物には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
図4に示す画像30は、住居の間取りを示している。画像30には、リビング30a、キッチン30b、洗面所30c、浴室30d、トイレ30e、第1の部屋30f、第2の部屋30g、玄関30i、及びバルコニー30jが示されている。第2の部屋30gにはクローゼット30hがある。
【0044】
図4に示す画像30では、リビング30a、キッチン30b、洗面所30c、玄関30i、クローゼット30h及びバルコニー30jにシンボル31が表示されている。
シンボル31は、1つの対象物でもよいし、あるいは複数の対象物をまとめて示すものでもよい。シンボル31の数が多い程、対象物の数が多いことを示す。
なお、シンボル31は、使用頻度に応じて色を変えて表示してもよい。また、シンボル31は、明度を変えてグレースケールで表示してもよい。シンボル31が複数の対象物をまとめて示す場合、使用頻度毎に、対象物を区別する必要がある。
また、シンボル31は、対象物の収納場所との適合度に応じて色を変えて表示しても、対象物の収納場所との適合度に応じて明度を変えてグレースケールで表示してもよい。シンボル31が複数の対象物をまとめて示す場合、対象物の収納場所との適合度毎に、対象物を区別する必要がある。
なお、シンボル31は、円形としているが、これに特に限定されるものではなく、多角形でも、楕円でもよい。
【0045】
収納可視化システム10では、対象物の名称に基づいて対象物を表示したが、これに限定されるものではない。対象物の名称を表示する場合、対象物の数が多いと、表示処理部17の処理が増え、表示すること自体、表示処理部17に負荷がかかる。このため、例えば、対象物の種別を対象物のカテゴリーとして、対象物のカテゴリー毎に収納場所、使いやすさ、及び使う場所等を表示してもよい。これ以外に、収納場所毎に、対象物を表示するようにしてもよい。この場合、例えば、
図2に示すリビングに収納された対象物だけを表示させる。なお、対象物を表示するとは、対象物に関する情報を画面に表示することを意味する。
また、収納物データに基づいて対象物をサイズ毎に区別して、対象物をサイズ毎に表示するようにしてもよい。これにより、小さいものの収納場所、大きなものの収納場所を認識できる。
【0046】
さらには、複数の付帯情報を掛け合わせて、その条件に合う対象物を画像に表示させてもよい。すなわち、複数の付帯情報を満たす対象物を画像に表示させてもよい。
上述のように対象物のカテゴリー毎、又は収納場所毎に、対象物を表示する場合、表示する画像を切り替えられるように、画像に表示を切り替えるためのアイコン等を表示しておき、アイコンをクリック又はタップすることで、画像の表示が切り替わるようにしてもよい。これは、公知のユーザーインターフェースの技術により実現される。
また、対象物のサイズ等は、例えば、画像にスライダーを表示させ、スライダーのバーを動かすことにより、対象物のサイズが変えられるようにしてもよい。スライダーのバーを動かすことで、対象物のサイズ、すなわち、表示する付帯情報の条件が変わる。
【0047】
また、例えば、対象物の使用頻度、対象物のサイズ、対象物の思い入れ等の複数の付帯情報のスライダーを設けてもよい。各スライダーのバーを移動させることで、対象物の使用頻度、対象物のサイズ、対象物の思い入れの表示する付帯情報の条件を変えて、対象物の収納場所を表示することもできる。これらは、公知のユーザーインターフェースの技術により実現される。
また、付帯情報のスライダーは表示と非表示を選択できるようにしたり、また、スライダーの数を増やしたり、減らしたりするようにしてもよい。これにより、対象物の表示方法のバリエーションが豊富になり、対象物の収納場所について、対象物の使用頻度、対象物のサイズ及び対象物への思いれ等の、複数の付帯情報に基づいて認識できる。
上述のスライダーについては、表示と非表示の切り替え、及びスライダーの増減等が、公知のユーザーインターフェースの技術により実現される。
【0048】
次に、収納可視化システムにより、対象物の収納状況を可視化する方法について説明する。
図5(a)~(d)は本発明の一実施形態の収納可視化システムによる対象物の収納状況を可視化する方法の一例を工程順に示す模式図である。
図6(a)~(d)は
図5(d)の次工程を示すものであり、本発明の一実施形態の収納可視化システムによる対象物の収納状況を可視化する方法の一例を工程順に示す模式図である。
なお、
図5(a)~(d)及び
図6(a)~(d)において、
図2に示す画像20と同一構成物には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。
対象物の収納場所がリビングであり、リビングを中央、北、南の領域に分けている。さらに、リビングの中央、北、南のそれぞれに、多段の引出しが設けられている。多段の引出しを、さらに最下段、下から2段目、下から3段目に分けている。なお、付加情報は、使用頻度の情報である。
【0049】
図5(a)に示す画面40は、例えば、スマートフォンの画面に表示される。この場合、収納可視化システム10(
図1参照)の表示装置15(
図1参照)は、スマートフォンである。
記憶部16(
図1参照)に、対象物の種別と、対象物の収納場所と、付加情報とを含む収納物データが対象物毎に記憶されている。付加情報として、対象物の使用頻度、対象物のサイズ及び対象物への思い入れが、収納物データに収納されている。
表示処理部17(
図1参照)は、上述の収納物データを読み出し、各対象物について、種別と収納場所と付加情報とを互いに対応付けて、各対象物の対応情報を作成する。そして、各対象物の対応情報を、例えば、スマートフォンの画面に画像として表示させる。以下、より具体的に説明する。
【0050】
図5(a)に示す画面40には、リビングの中央収納40a、リビングの北収納40b、及びリビングの南収納40cの個別の収納場所が示されている。収納場所毎に、対象物の概要がリストで表示される。個別の収納場所の中をさらに区切り、その区切り、例えば、下からX番目の棚毎に対象物をリスト化して表示する。
対象物のリストは、対象物の全件数が多い場合、画面の大きさ等の制約から全件を表示することが難しい。この場合、表示単位を、個別のアイテム毎にするのか、又はグループ毎にするのかを選択できるようにし、かつ並び替え条件、例えば、使用頻度を選択できるようにする。例えば、使用頻度に基づいて、予め定めた数の対象物を上位のものから表示させる。
例えば、画面40の詳細41をタップすると、画面が切り替わり、
図5(b)に示すようにリビングの中央収納40aの詳細が示されるようになっている。
このように個別の収納場所毎の概要から、詳細41をタップしたり、拡大操作をすることにより、個別の収納場所毎の詳細を確認できるようになっている。
【0051】
また、各区切りのアイテムが全件表示される。縮小操作、又は画面上部の戻るボタンをタップすると、
図5(a)に示す画面40(前画面)に戻る。
図5(b)に示す可視化42をタップすると、
図5(c)に示すように収納場所と使いやすさとを示す画像43が表示される。この画像43では、四角形で示すシンボル25はそれぞれ1つの対象物を示す。シンボル25は、点又はドットでもよく、対象物を示す画像でもよい。
【0052】
なお、例えば、シンボル25をタップすると、シンボル25に対応付けられた対象物の詳細情報が表示される、詳細情報は、例えば、対象物の名称、用途、及び入手日である。
また、例えば、
図5(c)に示すように画像43の下方にスライダー44が設けられている。スライダー44は使用頻度を変更するものであり、スライダー44のバー44aが左にある程、使用頻度が高いことを表す。
図5(d)に示すようにスライダー44のバー44aを右側に移動させると、画像43の表示内容が変わる。このように、スライダー44のバー44aの位置を調整することにより、表示させるシンボル25(対象物)の使用頻度を指定できる。
なお、使用頻度の変更は、スライダー44に限定されるものではない。
また、
図6(a)に示すように、リビングの中央収納40aの対象物をタップすると、対応するシンボル25に詳細情報が表示されるようにしてもよい。
【0053】
画像43に表示されるシンボル25は、付加情報に基づいて表示される。また、付加情報を追加又は変更でき、複数の付加情報の要件を満たすシンボル25を表示できるようにしてもよい。この場合、使用頻度以外の付加情報を追加又は使用頻度を変更できるようにする。具体的には、付加情報の追加/変更の機能を画像43に設ける。画像43の追加/変更44bをタップして、例えば、付加情報のリスト(図示せず)を表示させて、リストから追加又は変更する付加情報を選択する。例えば、サイズを選択する。
サイズを選択すると、
図6(b)に示すようにサイズのスライダー45が表示される。スライダー45のバー45aをスライドさせることにより、対象物のサイズが変わる。これにより、対象物の使用頻度と、対象物のサイズとを掛け合わせて、対象物の絞り込みを行うことができ、それに対応したシンボル25が画像43に表示される。
【0054】
また、例えば、付加情報として、対象物への思い入れを追加してもよい。この場合、
図6(c)に示すように対象物への思い入れのスライダー46が表示される。スライダー46のバー46aをスライドさせることにより、対象物の思い入れが変わる。これにより、対象物の使用頻度と、対象物のサイズと、対象物への思い入れとを掛け合わせて、対象物の絞り込みを行うことができ、それに対応したシンボル25が画像43に表示される。
なお、付加情報毎にスライダーを設けて、スライダーのバーを変更するのではなく、画像43上での拡大操作及び縮小操作が、スライダーのバーの位置と連動するようにしてもよい。これにより、より直感的に操作できる。この場合、バーの位置を固定するスライダーを指定できるようにする。複数のスライダーは、拡大操作又は縮小操作の開始時点のスライダーのバーの位置を100%として、縮小割合が操作と連動する。
上述のように付加情報毎の複数のスライダーを連動させる場合、ユーザーインターフェースとして連動させるためのボタン(図示せず)を有することが好ましい。付加情報毎の複数のスライダーを連動させる場合、まず、連動させるためのボタン(以下、連動ボタンという)を押す。連動ボタンを押したときの各スライダーのバーの位置を100%とする。この状態で、複数のスライダーのうち、1つのスライダーのバーの位置を変えると、残りのスライダーのバーが連動して動く。動かしたスライダーのバーの距離に基づいて、連動ボタンを押したときの各スライダーのバーの位置から各バーの位置が連動して変わる。例えば、操作したスライダーのバーと連動して、縮小割合が変わる。
【0055】
収納可視化システム10において、住居内の対象物の全てについて収納場所を可視化することは、対象物の数が膨大であり、登録作業も膨大になるため現実的ではない。しかしながら、住居内において収納場所を限定して可視化し、住居内の収納場所の範囲を増すことにより、住居内全体の対象物についての収納場所の可視化につながる。その場合も同様に、スライダー等による付加情報の設定により表示させるシンボル25の条件を指定して絞り込んで表示させる。
なお、住居内の全体の対象物の数について収納場所を可視化する目的で、
図6(d)に示す画像48のように、対象物を表すシンボル49をドット等によって表示して、対象物の全数を表示してもよい。また、対象物が該当する領域24a、24b、24c(
図2参照)に示される対象物の数を数字で表示してもよい。
【0056】
なお、上述の
図5(a)~(d)及び
図6(a)~(d)に示すように、タップすることで画面が切り替わったり、スライダーのバーを動かすことによりシンボル25の表示が変わる。これらは、特に断りがない限り表示処理部17(
図1参照)により表示の切り替えがなされており、表示の切り替えは公知の方法(プログラム又はアルゴリズム)により実行される。
【0057】
以上までに、本発明の収納可視化システムに関する一つ実施形態を説明したが、上記の実施形態は、本発明の理解を容易にするための一例に過ぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得る。また、本発明には、その等価物が含まれることは勿論である。
【符号の説明】
【0058】
10 収納可視化システム
12 処理部
14 入力部
15 表示装置
16 記憶部
17 表示処理部
18 制御部
20 画像
20a 画像
22a、22b、22c、22d、27a、27b、27c、27d 行
23a、23b、23c、23d、28a、28b、28c、28d 列
24a、24b、24c、29a、29b 領域
25、25a、25b、25c、25d、25e、25f、25g、31 シンボル
30a リビング
30b キッチン
30c 洗面所
30d 浴室
30e トイレ
30f 第1の部屋
30g 第2の部屋
30h クローゼット
30i 玄関
30j バルコニー
40 画面
40a 中央収納
40b 北収納
40c 南収納
41 詳細
42 可視化
43 画像
44、45、46 スライダー
44a、45a、46a バー
44b 変更
49 シンボル