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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059405
(43)【公開日】2024-05-01
(54)【発明の名称】風冷服用送風機
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/002 20060101AFI20240423BHJP
   A61L 9/22 20060101ALI20240423BHJP
   H01T 23/00 20060101ALI20240423BHJP
   H01T 19/00 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
A41D13/002 105
A61L9/22
H01T23/00
H01T19/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022167066
(22)【出願日】2022-10-18
(71)【出願人】
【識別番号】000130732
【氏名又は名称】株式会社サンエス
(74)【代理人】
【識別番号】100095337
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 伸一
(74)【代理人】
【識別番号】100174425
【弁理士】
【氏名又は名称】水崎 慎
(74)【代理人】
【識別番号】100203932
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 克宗
(72)【発明者】
【氏名】小林 則人
【テーマコード(参考)】
3B011
3B211
4C180
【Fターム(参考)】
3B011AA01
3B011AB01
3B011AC02
3B011AC03
3B211AA01
3B211AB01
3B211AC02
3B211AC03
4C180AA01
4C180AA07
4C180BB15
4C180CA10
4C180HH05
4C180LL14
4C180MM10
(57)【要約】
【課題】本発明は風冷服用送風機に関するもので、使い勝手を良くすることを目的とするものである。
【解決手段】風冷服用送風機4は、円筒状の風洞5の一端開口部側(服本体の外側)に空気流入口、風洞5の他端開口部側(服本体の内側)に空気排出口7を備えたファンケース8と、このファンケース8内に配置されたファンと、このファンを回転駆動するモータと、ファンケース8の風洞5外周部において、この風洞5の外周方向に向けて延出配置された取付フランジ11と、ファンケース8の風洞5外周部における、取付フランジ11の空気排出口7側に、着脱自在に装着され、取付フランジ11とにより風冷服を、その表裏面側から挟む取付リング12とを備え、取付リング12に、イオン発生機を設けた構成としている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
風洞の一端開口部側に空気流入口、前記風洞の他端開口部側に空気排出口を備えたファンケースと、
このファンケース内に配置されたファンと、
このファンを回転駆動するモータと、
前記ファンケースの風洞外周部において、この風洞の外周方向に向けて延出配置された取付フランジと、
前記ファンケースの風洞外周部における、前記取付フランジの前記空気排出口側に、着脱自在に装着され、前記取付フランジとにより風冷服を、その表裏面側から挟む取付リングと、を備え、
前記取付リングに、イオン発生機を設けた風冷服用送風機。
【請求項2】
前記イオン発生機は、
前記取付リングに一体化されたイオンケースと、
このイオンケース内に収納されたイオン発生素子と、を備え、
前記イオンケースは、前記空気排出口の一部を覆った内方部と、
この内方部から前記空気排出口の外周方向に延長された外方部と、を有し、
前記内方部には、前記空気排出口から排出される空気を取り込む空気取込口を設け、前記内方部と前記外方部の少なくとも一方には、前記イオン発生素子によって発生したイオンを、このイオンケース外に放出するイオン放出口を設けた請求項1に記載の風冷服用送風機。
【請求項3】
前記イオン発生機の前記イオンケースにおける前記内方部は、前記空気排出口の開口面積の半分以下を覆った構成とした請求項2に記載の風冷服用送風機。
【請求項4】
前記イオンケースに対向する、前記ファンケースの前記風洞あるいは前記取付フランジ部分には、前記イオンケースに設けた被係合部に係合する係合部を設け、前記ファンケースにおいて前記空気排出口の中央部に対して前記係合部の反対側の部分には、前記取付リングの被係止部に係止される係止部を設けた請求項3に記載の風冷服用送風機。
【請求項5】
前記取付フランジに設けた前記係合部は爪形状とし、前記イオンケースに設けた前記被係合部は、前記爪形状の前記係合部が係合する孔形状とした請求項4に記載の風冷服用送風機。
【請求項6】
前記ファンケースの前記空気排出口から排出される空気の一部が、前記イオンケースに設けた孔形状の前記被係合部を介して、前記イオンケース内に流入する構成とした請求項5に記載の風冷服用送風機。
【請求項7】
風洞の一端開口部側に空気流入口、前記風洞の他端開口部側に空気排出口を備えたファンケースと、
このファンケース内に配置されたファンと、
このファンを回転駆動するモータと、
前記ファンケースの風洞外周部において、この風洞の外周方向に向けて延出配置された取付フランジと、
前記ファンケースの風洞外周部における、前記取付フランジの空気排出口側に、着脱自在に装着され、前記取付フランジとにより風冷服を、その表裏面側から挟む取付リングと、を備え、
前記ファンケースの空気排出口部分で、前記取付リングの開口径内に収まるエリアに、イオン発生機を設けた風冷服用送風機。
【請求項8】
前記イオン発生機は、
前記ファンケースの前記空気排出口に設けたイオンケースと、
このイオンケース内に設けたイオン発生素子と、を備え、
前記イオンケースの前記ファンケースの前記空気排出口側には、前記空気排出口からの空気を取り込む空気取込口を設け、このイオンケースの外周面には、前記イオン発生素子によって発生したイオンを、このイオンケース外に放出するイオン放出口を設けた請求項7に記載の風冷服用送風機。
【請求項9】
前記イオンケースの外径は、前記ファンケースの前記空気排出口の外径よりも小さくし、前記空気排出口から排出された空気が前記イオンケースの内外を流れる構成とした請求項8に記載の風冷服用送風機。
【請求項10】
前記取付リングには、前記ファンケースの前記風洞あるいは前記取付フランジに設けた係合部に係合する被係合部を設け、この取付リングにおける中央部に対して前記被係合部の反対側の部分には、前記ファンケースにおいて前記空気排出口の中央部に対して前記係合部の反対側に設けた係止部に係止される被係止部を設け、この取付リングの前記被係止部に対向する前記イオンケースには、内方に窪んだ凹部を設けた請求項9に記載の風冷服用送風機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、風冷服用送風機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
風冷服用送風機を、服本体に装着した風冷服が開発され、脚光を浴びている。
また、特開2018-113217号公報(特許文献1)では、その(実施の形態5)および図16に詳述されているように、空気流通衣服201に、(実施の形態1)および図1図7に詳述されたイオン発生装置101を装着することが提案されている。
この空気流通衣服201は、段落(0039)に詳述されているように、空気流通衣服201内に、イオン発生装置101によって空気を導入し、風冷することで、快適な状態とし、また、イオンを含んだ空気を導入することで脱臭効果も果たせるものとなっている。
さらに、段落(0032)~(0035)には、イオン発生装置104の第2部分16を取り外すことによって、イオン発生素子1を取り外すことができることが記載されている。
つまり、イオン発生素子1に何らかの不具合が生じたときには、第2部分16とイオン発生素子1とが一体となったものを新しいものに交換すればよいというものである。
【0003】
イオン発生装置101に関する詳細な技術説明は、特開2002-95731号公報(特許文献2)などに記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-113217号公報
【特許文献2】特開2002-95731号公報
【特許文献3】特許第5958923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記(特許文献1)では、空気流通衣服201内に空気を導入することで風冷効果だけでなく、イオンを含んだ空気の導入による脱臭効果も得られるものとなっている。
しかしながら、この(特許文献1)には、空気流通衣服201に、イオン発生装置101を、どのようにして装着するのかが開示されていない。
例えば、空気流通衣服201に、イオン発生装置101を固定した場合には、汗などによって空気流通衣服201が汚れた場合の、空気流通衣服201洗濯時に、イオン発生装置101が水没などにより損傷することが危惧される。
そこで、(特許文献1)において、洗濯時にはイオン発生素子1を取り外すことも考えられる。
しかしながら、その時にも、ファンなどは空気流通衣服201に取り付けられた状態であるので、ファンの損傷する虞がある。
【0006】
一方、空気流通衣服201に対してファン部分も着脱自在とすることは、例えば、特許第5958923号公報(特許文献3)の段落(0017)にも記載されている公知の技術であるが、新規に、イオン発生装置101を設けた場合には、空気流通衣服201に対してファン以外にイオン発生装置101を取り付ける作業、または、取り外す作業が必要となり、作業性が悪化する場合が有る。
【0007】
そこで、本発明は、風冷服用送風機を、風冷服に取り付ける作業時、または風冷服から取り外す作業時に、イオン発生機の存在が、作業性を阻害しないようにすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そして、この目的を達成するために本発明の風冷服用送風機は、風洞の一端開口部側に空気流入口、前記風洞の他端開口部側に空気排出口を備えたファンケースと、このファンケース内に配置されたファンと、このファンを回転駆動するモータと、前記ファンケースの風洞外周部において、この風洞の外周方向に向けて延出配置された取付フランジと、前記ファンケースの風洞外周部における、前記取付フランジの空気排出口側に、着脱自在に装着され、前記取付フランジとにより風冷服を、その表裏面側から挟む取付リングとを備え、前記取付リングに、イオン発生機を設けた構成とした。
また、本発明の風冷服用送風機における前記イオン発生機は、前記取付リングに一体化されたイオンケースと、このイオンケース内に収納されたイオン発生素子とを備え、前記イオンケースは、前記空気排出口の一部を覆った内方部と、この内方部から前記空気排出口の外周方向に延長された外方部とを有し、前記内方部には、前記空気排出口から排出される空気を取り込む空気取込口を設け、前記内方部と外方部の少なくとも一方には、前記イオン発生素子によって発生したイオンを、このイオンケース外に放出するイオン放出口を設けた構成とした。
さらに、本発明の風冷服用送風機は、前記イオン発生機のイオンケースにおける内方部が、前記空気排出口の開口面積の半分以下を覆った構成とした。
また、本発明の風冷服用送風機は、前記イオンケース部に対向する、前記ファンケースの風洞部、あるいは前記取付フランジ部分に、前記イオンケースに設けた被係合部に係合する係合部を設け、この係合部と、前記空気排出口の中央部を介して対向する前記ファンケースの風洞部、あるいは前記取付フランジ部分には、前記取付リングの被係止部に係止される係止部を設けた構成とした。
さらに、本発明の風冷服用送風機における前記取付フランジ部に設けた係合部は爪形状とし、前記イオンケースに設けた被係合部は、前記爪形状の係合部が係合する孔形状とする構成とした。
また、本発明の風冷服用送風機は、前記ファンケースの空気排出口から排出される空気の一部が、前記イオンケースに設けた孔形状の被係合部を介して、前記イオンケース内に流入する構成とした。
さらに、本発明の風冷服用送風機は、風洞の一端開口部側に空気流入口、前記風洞の他端開口部側に空気排出口を備えたファンケースと、このファンケース内に配置されたファンと、このファンを回転駆動するモータと、前記ファンケースの風洞外周部において、この風洞の外周方向に向けて延出配置された取付フランジと、前記ファンケースの風洞外周部における、前記取付フランジの空気排出口側に、着脱自在に装着され、前記取付フランジとにより風冷服を、その表裏面側から挟む取付リングとを備え、前記ファンケースの空気排出口部分で、前記取付リングの開口径内に収まるエリアに、イオン発生機を設けた構成とした。
また、本発明の風冷服用送風機におけるイオン発生機は、前記ファンケースの空気排出口に設けたイオンケースと、このイオンケース内に設けたイオン発生素子とを備え、このイオンケースの前記ファンケースの空気排出口側には、前記空気排出口からの空気を取り込む空気取込口を設け、このイオンケースの外周面には、前記イオン発生素子によって発生したイオンを、このイオンケース外に放出するイオン放出口を設けた構成とした。
さらに、本発明の風冷服用送風機における前記イオンケースの外径は、前記ファンケースの空気排出口の外径よりも小さくし、前記空気排出口から排出された空気がイオンケースの内外を流れる構成とした。
また、本発明の風冷服用送風機における前記取付リングには、前記ファンケースの風洞部、あるいは取付フランジに設けた係合部に係合する被係合部を設け、この取付リングにおける前記空気排出口の中央部を介して対向する部分には、前記ファンケースの風洞部、あるいは取付フランジに設けた係止部に係止される被係止部を設け、この取付リングの被係止部に対向するイオンケース部には、内方に窪んだ凹部を設けた構成とした。
【発明の効果】
【0009】
以上のように本発明の風冷服用送風機によれば、風冷服用送風機を、取付リングを用いて風冷服に取り付ける作業時、または風冷服から取り外す作業時に、イオン発生機の存在が、作業性を阻害しないものとなり、作業性の良いものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態にかかる風冷服用送風機を取り付けた風冷服の背面図
図2】同風冷服の一部切断断面図
図3】同風冷服用送風機の分解斜視図
図4】同風冷服用送風機の分解斜視図
図5】同風冷服用送風機の取付リングの斜視図
図6】同風冷服用送風機の制御ブロック図
図7】本発明の他の実施形態にかかる風冷服用送風機を取り付けた風冷服の一部切断断面図
図8】同風冷服用送風機の背面図
図9】同風冷服用送風機の分解斜視図
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施の形態1)
以下本発明の一実施形態を、添付図面を用いて説明する。
図1において、1は風冷服で、服本体2の背中下部の左右に設けた円形の取付孔3に、図2のごとく、風冷服用送風機4を着脱自在に装着している。
つまり、風冷服用送風機4によって服本体2外の空気を、服本体2内に送風し、その風で服本体2を装着した身体の風冷を行うものである。
【0012】
風冷服用送風機4は、図2図4に示すように、円筒状の風洞5の一端開口部側(服本体2の外側)に空気流入口6、前記風洞5の他端開口部側(服本体2の内側)に空気排出口7を備えたファンケース8と、このファンケース8内に配置されたファン9と、このファン9を回転駆動するモータ10と、前記ファンケース8の風洞5外周部において、この風洞5の外周方向に向けて延出配置された取付フランジ11と、前記ファンケース8の風洞5外周部における、前記取付フランジ11の空気排出口7側に、着脱自在に装着され、前記取付フランジ11とにより服本体2を、その表裏面側から挟む取付リング12とを備え、前記取付リング12に、イオン発生機13を設けた構成としている。
前記イオン発生機13は、前記取付リング12に一体化されたイオンケース14と、このイオンケース14内に収納されたイオン発生素子15とを備えている。
イオンケース14は、取付リング12の空気排出口7側に一体化され、空気排出口7側に開口部を有する容器部16と、この容器部16の開口部に装着される蓋部17により構成され、内部に、前記イオン発生素子15と、その制御基板18が収納されている。
このイオンケース14は、図2に示すようにファンケース8の空気排出口7の一部を覆った内方部19と、この内方部19から前記空気排出口7の外周方向に延長された外方部20とを有している。
前記内方部19には、前記空気排出口7から排出される空気を取り込む複数の空気取込口21を設けている。
外方部20における蓋部17の側面には、図5に示すように、前記イオン発生素子15によって発生したイオンを、イオンケース14外に放出するイオン放出口21aを設けている。
【0013】
なお、イオン放出口21aは、イオンケース14における内方部19の蓋部17部分に設けても良いが、蓋部17の天面は人体側に近接し、風路抵抗が大きくなるので、蓋部17の側面に設けた方が、風路抵抗が大きくならず、イオンを服本体2内に広げやすくなる。
また、イオンケース14における内方部19には、空気排出口7から排出される空気を取り込む複数の空気取込口21を設けているが、イオンケース14の内方部19が、空気排出口7を覆う面積は、空気排出口7の開口面積の半分以下としている。
その理由は、空気排出口7から服本体2内に排出される空気量を十分に確保するためである。
【0014】
また、本実施形態では、イオンケース14がファンケース8の空気排出口7よりも、身体側に突出した状態となるので、空気排出口7と身体との間に空間が形成され、これにより、空気排出口7からの空気の吹き出しがスムーズになる。
【0015】
次に、取付リング12を、前記ファンケース8の風洞5外周部における、前記取付フランジ11の空気排出口7側に、着脱自在に装着する構成について説明する。
イオンケース14に対向したファンケース8の風洞5又は取付フランジ11の部分には、イオンケース14の被係合部22に係合する係合部23が設けられており、ファンケース8において空気排出口7の中央部に対して係合部23の反対側の部分には、取付リング12の被係止部24に係止される係止部25が設けられている。
具体的には、本実施形態の風冷服用送風機4は、前記イオンケース14の内方部19に対向する、前記ファンケース8の風洞5部、あるいは前記取付フランジ11部分に、図4に示すイオンケース14に設けた孔形状の被係合部22に係合する、爪形状の係合部23を設けている。
イオンケース14に設けた孔形状の被係合部22は、イオンケース14の内外を貫通するもので、しかも、この被係合部22は、イオンケース14の内方部19で、空気排出口7を覆った位置に設けられた状態となっている。
このため、この孔形状の被係合部22を介して、ファンケース8の空気排出口7から排出される空気の一部が、前記イオンケース14内に流入する構成ともなる。
【0016】
次に、係合部23と、前記空気排出口7の中央部を介して対向する前記ファンケース8の風洞5部、あるいは前記取付フランジ11部分には、図3のように、前記取付リング12の被係止部24を係止する係止部25を設けた構成としている。
なお、ファンケース8の係止部25は、貫通孔形状であり、取付リング12の被係止部24は、図5に示すように、貫通孔形状の係止部25に、外側から出入りする爪形状の突起26が設けられている。
また、取付リング12の被係止部24は、根元が、取付リング12に一体化され、その後図5における上方に延ばされ、その後、湾曲して下方に折り曲げられ、さらに下方に延ばされた形状とすることで、突起26を取付リング12の内方、つまり、貫通孔形状の係止部25側に付勢された構成となっている。
【0017】
以上の構成において、風冷服1に風冷服用送風機4を装着する場合には、先ず、ファンケース8の空気排出口7側を、服本体2の外表面側から取付孔3を貫通して服本体2内に挿入する。
その際、ファンケース8の取付フランジ11が図2のごとく、服本体2の表面側で、取付孔3の外周部分に当接した状態で、この挿入作業は停止する。
次に、服本体2内において、取付リング12を、前記ファンケース8の風洞5外周部における、前記取付フランジ11の空気排出口7側に、着脱自在に装着する。
この時には、先ず図4におけるファンケース8の係合部23に、取付リング12の被係合部22を係合させ、係合部23を軸に、取付リング12の被係止部24側を取付フランジ11側に回動させ、被係止部24の突起26を貫通孔形状の係止部25に係止させれば、風冷服1に風冷服用送風機4を装着することが出来る。
そしてこの状態では、服本体2の取付孔3外周は、服本体2の表裏面において、取付フランジ11と取付リング12で挟まれた状態となり、風冷服1に風冷服用送風機4が装着された状態となる。
【0018】
この状態で、電源コード27のプラグ28を、ファンケース8のコンセント29に挿入し、その後、電源コード27のプラグ30を図6に示すバッテリー31に接続すれば、風冷服用送風機4の電源駆動が行えることになる。
【0019】
なお、図6において31aは、制御基板18上に設けられたDC―DCコンバータである。
図2の状態で、モータ10とイオン発生機13を駆動すると、ファン9の駆動により、服本体2外の空気が、空気流入口6からファンケース8内に吸い込まれ、その後、空気排出口7から服本体2内に噴出され、服本体2内の風冷が行われる。
【0020】
また、この時、ファンケース8の空気排出口7から噴出された空気の一部が、イオンケース14の空気取込口21、孔形状の被係合部22からイオンケース14内に押し込まれることになる。
イオンケース14内には、イオン発生素子15が設けられており、このイオン発生素子15は、(先行文献1)、(先行文献2)で説明されているものと同様のもので、イオン発生素子15の電極15a、15bからプラスイオン、マイナスイオンが発生するものである。
したがって、イオンケース14内で発生したプラスイオン、マイナスイオンは、イオン放出口21aから服本体2内に放出され、(先行文献1)、(先行文献2)で説明されているものと同様に、脱臭、殺菌作用が行われる。
【0021】
次に、服本体2から風冷服用送風機4を取り外す作業について説明する。
この時には、先ず、図2の状態において、図5に示す取付リング12の被係止部24を外側に操作し、被係止部24の突起26を貫通孔形状の係止部25から外し、取付リング12の被係止部24側を空気排出口7側へと持ち上げる。
取付リング12の被係止部24側を空気排出口7側へと持ち上げる初期には、ファンケース8の係合部23に、取付リング12の被係合部22が係合しているので、この部分を軸にして、取付リング12の被係止部24側を空気排出口7側へと持ち上げる作業が行われる。
【0022】
本実施形態で特徴的なのは、取付リング12にイオンケース14が一体化され、また、取付リング12の被係合部22が、イオンケース14の内方部19に設けられ、さらにイオンケース14には外方部20も設けられていることである。
上述のごとく、本実施形態のイオン発生機13は、前記取付リング12に一体化されたイオンケース14と、このイオンケース14内に収納されたイオン発生素子15とを備えている。
イオンケース14は、取付リング12の空気排出口7側に一体化され、空気排出口7側に開口部を有する容器部16と、この容器部16の開口部に装着される蓋部17により構成され、内部に、前記イオン発生素子15と、その制御基板18が収納されている。
このイオンケース14は、図2に示すようにファンケース8の空気排出口7の一部を覆った内方部19と、前記空気排出口7の外周方向に延長された外方部20とを有している。
前記内方部19には、前記空気排出口7から排出される空気を取り込む複数の空気取込口21を設けている。
外方部20における蓋部17の側面には、図5に示すように、前記イオン発生素子15によって発生したイオンを、イオンケース14外に放出するイオン放出口21aを設けている。
【0023】
以上の構成にすると、服本体2から風冷服用送風機4を取り外す作業時に、図5に示す取付リング12の被係止部24を外側に操作し、被係止部24の突起26を貫通孔形状の係止部25から外し、取付リング12の被係止部24側を空気排出口7側へと持ち上げる。
この作業で、取付リング12の被係止部24側を空気排出口7側へと持ち上げる初期には、ファンケース8の係合部23に、取付リング12の被係合部22が係合しているので、この部分を軸にして、取付リング12の被係止部24側を空気排出口7側へと持ち上げることが出来る。さらに、取付リング12の被係止部24側を空気排出口7側へと持ち上げると、ファンケース8の重量により、ファンケース8の係合部23から、取付リング12の被係合部22が外周方向にずれ落ちる作用が働くので、係合部23と被係合部22の係合が容易に外れ、取付リング12をファンケース8から簡単に取り外すことが出来、作業性の良いものとなる。
また、最も重要な事ではあるが、取付リング12をファンケース8に装着、逆に取り外すときに、イオン発生機13を別個に装着、取り外す必要が無く、作業性の良いものとなる。
【0024】
(実施の形態2)
図7図9は本発明の他の実施形態を示すものである。
この実施形態において、上記実施形態と同じ構成要素には、同じ符号を付して、説明を行う。
図1と同様に、服本体2の背中下部の左右に設けた円形の取付孔3に、図2のごとく、風冷服用送風機32を着脱自在に装着している。
つまり、風冷服用送風機32によって服本体2外の空気を、服本体2内に送風し、その風で服本体2を装着した身体の風冷を行うものである。
【0025】
風冷服用送風機32は、図7図8に示すように、円筒状の風洞5の一端開口部側(服本体2の外側)に空気流入口6、前記風洞5の他端開口部側(服本体2の内側)に空気排出口7を備えたファンケース8と、このファンケース8内に配置されたファン9と、このファン9を回転駆動するモータ10と、前記ファンケース8の風洞5外周部において、この風洞5の外周方向に向けて延出配置された取付フランジ11と、前記ファンケース8の風洞5外周部における、前記取付フランジ11の空気排出口7側に、着脱自在に装着され、前記取付フランジ11とにより服本体2を、その表裏面側から挟む取付リング12aとを備え、前記ファンケース8の空気排出口7部分で、前記取付リング12aの開口径内に収まるエリアに、イオン発生機13aを設けた構成としている。
【0026】
イオン発生機13aは、ファンケース8の空気排出口7に設けたイオンケース33と、このイオンケース33内に設けたイオン発生素子15とを備えている。イオン発生機13aは、ファンケース8に固定されている。
なお、空気排出口7と空気流入口6には、本実施形態も、上記実施形態も、ファン9に手等が触れないように網目状のガードが設けられている。
このため、イオンケース33は空気排出口7のガード外側上に設けられた構成となっている。
【0027】
イオンケース33は、前記ファンケース8の空気排出口7側に、前記空気排出口7からの空気を取り込む空気取込口34を設けた円錐台形状(円錐台の底面に空気取込口34を設けた)となっており、この円錐台の外周面と天面には、前記イオン発生素子15によって発生したイオンを、このイオンケース33外に放出するイオン放出口35を設けた構成とした。
また、イオンケース33の空気取込口34部外径、および外周面部、天面部の外径は、前記ファンケース8の空気排出口7の外径よりも小さくし、前記空気排出口7から排出された空気がイオンケース33の内外を流れる構成とした。
さらに、イオンケース33の空気取込口34外径、および外周面部、天面部の外径は、取付リング12aの開口径よりも小さい。
以上の結果から、イオンケース33の空気取込口34において、取付リング12aの開口径内に収まるエリアに、イオン発生機13aを設けた構成としている。
【0028】
取付リング12aには、ファンケース8の風洞5又は取付フランジ11に設けられ係合部23に係合する被係合部22aが設けられ、取付リング12aにおける中央部に対して被係合部22aの反対側の部分には、ファンケース8において空気排出口7の中央部に対して係合部23の反対側に設けられた係止部25に係止される被係止部24が設けられている。
具体的には、取付リング12aには、前記ファンケース8の風洞5、あるいは取付フランジ11に設けた爪状の係合部23に係合する平板状の被係合部22aを設けている。また、取付リング12aにおける前記空気排出口7の中央部を介して被係合部22aに対向する部分には、前記ファンケース8の風洞5、あるいは取付フランジ11に設けた係止部25に係止される被係止部24(図5の被係止部24と同じ構成)を設けている。
そして、この取付リング12aの被係止部24に対向するイオンケース33部には、内方に窪んだ凹部33aを設けた構成とした。
前記イオン発生機13aは、前記イオンケース33内にイオン発生素子15と、その制御基板18が収納された構成としている。
【0029】
次に、取付リング12aを、前記ファンケース8の風洞5外周部における、前記取付フランジ11の空気排出口7側に、着脱自在に装着する構成について説明する。
本実施形態の風冷服用送風機32は、取付リング12aに、前記ファンケース8の風洞5、あるいは取付フランジ11に設けた爪状の係合部23に係合する平板状の被係合部22aを設けている。また、取付リング12aにおける前記空気排出口7の中央部を介して被係合部22aに対向する部分には、前記ファンケース8の風洞5、あるいは取付フランジ11に設けた係止部25に係止される被係止部24(図5の被係止部24と同じ構成)を設けている。
【0030】
以上の構成において、風冷服1に風冷服用送風機32を装着する場合には、先ず、ファンケース8の空気排出口7側を、服本体2の外表面側から取付孔3を貫通して服本体2内に挿入する。
その際、ファンケース8の取付フランジ11が図7のごとく、服本体2の表面側で、取付孔3の外周部分に当接した状態で、この挿入作業は停止する。
次に、服本体2内において、取付リング12aを、前記ファンケース8の風洞5外周部における、前記取付フランジ11の空気排出口7側に、着脱自在に装着する。
この時には、先ず図9におけるファンケース8の係合部23に、取付リング12aの被係合部22aを係合させ、この係合部23を軸に、取付リング12aの被係止部24側を取付フランジ11側に回動させ、被係止部24の突起26を貫通孔形状の係止部25(図4の係止部25と同じもの)に係止させれば、風冷服1に風冷服用送風機32を装着することが出来る。
そしてこの状態では、服本体2の取付孔3外周は、服本体2の表裏面において、取付フランジ11と取付リング12aで挟まれた状態となり、風冷服1に風冷服用送風機32が装着された状態となる。
【0031】
図7の状態で、モータ10とイオン発生素子15を駆動すると、ファン9の駆動により、服本体2外の空気が、空気流入口6からファンケース8内に吸い込まれ、その後、空気排出口7から服本体2内に噴出され、服本体2内の風冷が行われる。
【0032】
また、この時、ファンケース8の空気排出口7から噴出された空気の一部が、イオンケース33の空気取込口34からイオンケース33内に押し込まれることになる。
イオンケース33内には、イオン発生素子15が設けられており、このイオン発生素子15は、(先行文献1)、(先行文献2)で説明されているものと同様のもので、イオン発生素子15の電極15a、15bからプラスイオン、マイナスイオンが発生するものである。
したがって、イオンケース33内で発生したプラスイオン、マイナスイオンは、イオン放出口35から服本体2内に放出され、(先行文献1)、(先行文献2)で説明されているものと同様に、脱臭、殺菌作用が行われる。
【0033】
また、本実施形態においては、イオンケース33の空気取込口34部外径、および外周面部、天面部の外径は、前記ファンケース8の空気排出口7の外径よりも小さくし、前記空気排出口7から排出された空気がイオンケース33の内外を流れる構成とした。
この構成とすれば、イオンケース33の外側を流れる空気流により、イオンケース33内の、プラスイオン、マイナスイオンを含む空気を、イオン放出口35から吸い出す作用も働き、その結果として、イオンケース33内の、プラスイオン、マイナスイオンを含む空気は服本体2内に効果的に放出され、(先行文献1)、(先行文献2)で説明されているものと同様に、脱臭、殺菌作用が行われる。
【0034】
また、本実施形態では、ファンケース8の空気排出口7外側に、イオンケース33を設けたので、空気排出口7と身体間に空間が確保され、これにより空気排出口7からの空気流がスムーズに排出されることになる。
【0035】
次に、服本体2から風冷服用送風機4を取り外す作業について説明する。
この時には、先ず、図7の状態において、図5と同様に取付リング12aの被係止部24を外側に操作し、被係止部24の突起26を貫通孔形状の係止部25から外し、取付リング12aの被係止部24側を空気排出口7側へと持ち上げる。凹部33aによって、イオンケース33と被係止部24との間に隙間が生じるため、使用者は、隙間に指を入れて被係止部24を操作することができる。
取付リング12aの被係止部24側を空気排出口7側へと持ち上げる初期には、ファンケース8の係合部23に、取付リング12aの被係合部22aが係合しているので、この部分を軸にして、取付リング12aの被係止部24側を空気排出口7側へと持ち上げる作業が行われる。
【0036】
本実施形態で特徴的なのは、前記ファンケース8の空気排出口7部分で、前記取付リング12aの開口径内に収まるエリアに、イオン発生機13aを設けた構成としていることであり、イオン発生機13aは、ファンケース8に固定されていることから、取付リング12aをファンケース8に装着、逆に取り外すときに、イオン発生機13aを別個に装着、取り外す必要が無く、作業性の良いものとなる。
【0037】
以上、本発明の実施形態を詳述したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。そして本発明は、特許請求の範囲に記載された事項を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことが可能である。本発明は風冷服用送風機と、それを装着した風冷服
として活用される。
【符号の説明】
【0038】
1 風冷服
2 服本体
3 取付孔
4 風冷服用送風機
5 風洞
6 空気流入口
7 空気排出口
8 ファンケース
9 ファン
10 モータ
11 取付フランジ
12 取付リング
12a 取付リング
13 イオン発生機
13a イオン発生機
14 イオンケース
15 イオン発生素子
15a 電極
15b 電極
16 容器部
17 蓋部
18 制御基板
19 内方部
20 外方部
21 空気取込口
21a イオン放出口
22 被係合部
22a 被係合部
23 係合部
24 被係止部
25 係止部
26 突起
27 電源コード
28 プラグ
29 コンセント
30 プラグ
31 バッテリー
31a DC―DCコンバータ
32 風冷服用送風機
33 イオンケース
33a 凹部
34 空気取込口
35 イオン放出口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9