(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024005941
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】印刷装置
(51)【国際特許分類】
B41J 29/38 20060101AFI20240110BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20240110BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20240110BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
B41J29/38 201
B41J29/38 203
B41J29/00 Z
B41J29/42 F
H04N1/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022106428
(22)【出願日】2022-06-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000992
【氏名又は名称】弁理士法人ネクスト
(72)【発明者】
【氏名】市川 修也
(72)【発明者】
【氏名】中山 瑠偉
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AQ06
2C061CL08
2C061CQ04
2C061CQ24
2C061CQ34
2C061HK05
2C061HK11
2C061HN04
2C061HN15
5C062AA05
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB38
5C062AB40
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC05
5C062AC22
5C062AC34
5C062AE15
5C062AF12
(57)【要約】
【課題】印刷ジョブの表示設定のオン/オフに応じて、ユーザ認証情報が一致する印刷ジョブを印刷後も記憶部に保持するか否かを選択することが可能となる技術を提供する。
【解決手段】CPU12は、認証処理後、リスト表示設定47がオフの場合、ユーザ識別情報と関連づけられてUSBストレージ19Aに記憶されている印刷ジョブに基づく画像を、印刷部2を用いてシートに印刷し、印刷実行後、印刷ジョブをUSBストレージ19Aから削除する第1印刷処理と、認証処理後、リスト表示設定47がオンの場合、ユーザ識別情報と関連づけられてUSBストレージ19Aに記憶されている印刷ジョブを表示部34Aに表示させ、受付部34Bから受け付けられた入力操作に応じて、表示部34Aに表示された印刷ジョブの中から印刷ジョブを選択し、選択された印刷ジョブに基づく画像を、印刷部2を用いてシートに印刷する第2印刷処理と、を実行する。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの入力操作を受け付ける受付部と、
印刷ジョブとその印刷ジョブを記憶させたユーザに関するユーザ識別情報とを関連付けて記憶する記憶部と、
印刷前に前記記憶部に記憶された1以上の印刷ジョブを表示するための表示部と、
画像をシートに印刷する印刷部と、
制御部と、を備え、
前記印刷ジョブに基づく画像を前記印刷部によりシートに印刷後、印刷終了した前記印刷ジョブを前記記憶部に保持するジョブ保持印刷と、前記印刷ジョブに基づく画像を前記印刷部によりシートに印刷後、印刷終了した前記印刷ジョブを前記記憶部から削除するジョブ削除印刷のいずれかの機能を選択可能な印刷装置であって、
前記制御部は、
前記印刷装置にログインする入力操作を、前記受付部を介して受け付け、入力操作によって入力されたユーザ識別情報に基づいてユーザの認証を行う認証処理と、
前記認証処理後、前記表示部の表示設定がオフの場合、前記ユーザ識別情報と関連づけられて前記記憶部に記憶されている印刷ジョブに基づく画像を、前記印刷部を用いてシートに印刷し、印刷実行後、前記印刷ジョブを前記記憶部から削除する第1印刷処理と、
前記認証処理後、前記表示部の表示設定がオンの場合、前記ユーザ識別情報と関連づけられて前記記憶部に記憶されている印刷ジョブを前記表示部に表示させ、前記受付部から受け付けられた入力操作に応じて、前記表示部に表示された印刷ジョブの中から印刷ジョブを選択し、選択された印刷ジョブに基づく画像を、前記印刷部を用いてシートに印刷する第2印刷処理と、
を実行し、
前記第2印刷処理において、
前記印刷ジョブを前記表示部に表示させる際、前記ジョブ保持印刷と前記ジョブ削除印刷のいずれかの機能を選択可能とする選択操作子を前記表示部に表示させ、
前記選択操作子により前記ジョブ保持印刷が選択されていれば、印刷終了後、前記印刷ジョブを前記記憶部に保持し、
前記選択操作子により前記ジョブ削除印刷が選択されていれば、印刷終了後、前記印刷ジョブを前記記憶部から削除する、
印刷装置。
【請求項2】
前記選択操作子は、前記ジョブ保持印刷と前記ジョブ削除印刷のいずれかの機能を選択可能とする選択アイコンであり、
前記制御部は、
前記第2印刷処理において、
前記印刷ジョブと前記選択アイコンとを前記表示部に表示させ、
前記選択アイコンにより前記ジョブ保持印刷が選択されている状態で、前記受付部から受け付けられた入力操作に応じて前記印刷部による印刷実行後、印刷終了した印刷ジョブを前記記憶部へ保持し、
前記選択アイコンにより前記ジョブ削除印刷が選択されている状態で、前記受付部から受け付けられた入力操作に応じて前記印刷部による印刷実行後、印刷終了した印刷ジョブを前記記憶部から削除する、
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記表示部は、前記受付部を有するタッチパネルであって、
前記選択操作子は、前記ジョブ保持印刷と前記ジョブ削除印刷のいずれかの機能を選択可能とする選択アイコンであり、
前記制御部は、
前記第2印刷処理において、
前記印刷ジョブと前記選択アイコンと共に、印刷を指示する印刷ボタンを前記表示部に表示させ、
前記選択アイコンにより前記ジョブ保持印刷が選択されている状態で、前記受付部から受け付けられた入力操作に応じて前記印刷ボタンが操作されると前記印刷部による印刷を実行し、前記印刷部による印刷実行後、印刷終了した印刷ジョブを前記記憶部へ保持し、
前記選択アイコンにより前記ジョブ削除印刷が選択されている状態で、前記受付部から受け付けられた入力操作に応じて前記印刷ボタンが操作されると前記印刷部による印刷を実行し、前記印刷部による印刷実行後、印刷終了した印刷ジョブを前記記憶部から削除する、
請求項1に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記受付部から受け付けられた入力操作に応じて前記表示設定のオン/オフを切り替える第1切替処理、
を更に実行し、
前記第2印刷処理において、前記表示設定がオンの場合、前記印刷ジョブのリストを前記表示部に表示させる、
請求項1~3のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項5】
外部端末と通信可能な通信部を、備え、
前記制御部は、
前記通信部からの指示に応じて前記表示設定のオン/オフを切り替える第2切替処理、を更に実行し、
前記第2印刷処理において、前記表示設定がオンの場合、前記印刷ジョブのリストを前記表示部に表示させる、
請求項1~3のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記記憶部は、不揮発性メモリと揮発性メモリを含み、
前記制御部は、
前記選択操作子を、前記印刷ジョブが前記不揮発性メモリに記憶されているときに前記表示部に表示させ、前記印刷ジョブが前記揮発性メモリに記憶されているときには前記表示部に表示させない、
請求項1に記載の印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、印刷装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、認証情報が付与された印刷データを印刷データ格納部に格納し、ユーザからのパスワードの入力を受け付け、パスワードが一致する印刷データがあれば、その印刷データを印刷するようにした印刷装置が記載されている。そして、この印刷装置では、パスワードの入力後かつ印刷前に、印刷データを印刷後に印刷データ格納部に保存しておくか、又は、印刷後に印刷データ格納部から全ての印刷データを削除するかをユーザが選択可能な選択画面を表示し、パスワードが一致する印刷データを印刷後も印刷データ格納部に保存するか否かをユーザが選択できるようにもなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、印刷ジョブの表示設定がオフのときには、パスワードが一致する印刷データを印刷後に印刷データ格納部から削除し、印刷ジョブの表示設定がオンのときには、パスワードが一致する印刷データを印刷後も印刷データ格納部に保存するか否かをユーザが選択したいことがある。
【0005】
しかし、特許文献1に記載の印刷装置では、印刷ジョブの表示設定のオン/オフに拘わらず、パスワードが一致する印刷データを印刷後も印刷データ格納部に保存するか否かを選択するようにしているので、このユーザの要望に応えることができない。
【0006】
本願は、印刷ジョブの表示設定のオン/オフに応じて、ユーザ認証情報が一致する印刷ジョブを印刷後も記憶部に保持するか否かを選択することが可能となる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本願の印刷装置は、ユーザの入力操作を受け付ける受付部と、印刷ジョブとその印刷ジョブを記憶させたユーザに関するユーザ識別情報とを関連付けて記憶する記憶部と、印刷前に記憶部に記憶された1以上の印刷ジョブを表示するための表示部と、画像をシートに印刷する印刷部と、制御部と、を備え、印刷ジョブに基づく画像を印刷部によりシートに印刷後、印刷終了した印刷ジョブを記憶部に保持するジョブ保持印刷と、印刷ジョブに基づく画像を印刷部によりシートに印刷後、印刷終了した印刷ジョブを記憶部から削除するジョブ削除印刷のいずれかの機能を選択可能な印刷装置であって、制御部は、印刷装置にログインする入力操作を、受付部を介して受け付け、入力操作によって入力されたユーザ識別情報に基づいてユーザの認証を行う認証処理と、認証処理後、表示部の表示設定がオフの場合、ユーザ識別情報と関連づけられて記憶部に記憶されている印刷ジョブに基づく画像を、印刷部を用いてシートに印刷し、印刷実行後、印刷ジョブを記憶部から削除する第1印刷処理と、認証処理後、表示部の表示設定がオンの場合、ユーザ識別情報と関連づけられて記憶部に記憶されている印刷ジョブを表示部に表示させ、受付部から受け付けられた入力操作に応じて、表示部に表示された印刷ジョブの中から印刷ジョブを選択し、選択された印刷ジョブに基づく画像を、印刷部を用いてシートに印刷する第2印刷処理と、を実行し、第2印刷処理において、印刷ジョブを表示部に表示させる際、ジョブ保持印刷とジョブ削除印刷のいずれかの機能を選択可能とする選択操作子を表示部に表示させ、選択操作子によりジョブ保持印刷が選択されていれば、印刷終了後、印刷ジョブを記憶部に保持し、選択操作子によりジョブ削除印刷が選択されていれば、印刷終了後、印刷ジョブを記憶部から削除する、ことを特徴とする。
【0008】
これにより、認証処理後、表示設定がオフの場合、ユーザ識別情報と関連づけられて記憶部に記憶されている印刷ジョブは、印刷実行後、記憶部から削除される。一方、認証処理後、表示設定がオンの場合、ユーザ識別情報と関連づけられて記憶部に記憶されている印刷ジョブの中から選択されたものは、印刷実行後、記憶部に保持するか否かを選択できる。したがって、印刷ジョブの表示設定のオン/オフに応じて、ユーザ認証情報が一致する印刷ジョブを印刷後も記憶部に保持するか否かを選択することが可能となる。
【0009】
また、選択操作子は、ジョブ保持印刷とジョブ削除印刷のいずれかの機能を選択可能とする選択アイコンであり、制御部は、第2印刷処理において、印刷ジョブと選択アイコンとを表示部に表示させ、選択アイコンによりジョブ保持印刷が選択されている状態で、受付部から受け付けられた入力操作に応じて印刷部による印刷実行後、印刷終了した印刷ジョブを記憶部へ保持し、選択アイコンによりジョブ削除印刷が選択されている状態で、受付部から受け付けられた入力操作に応じて印刷部による印刷実行後、印刷終了した印刷ジョブを記憶部から削除する、ことを特徴とする。
【0010】
これにより、印刷ジョブの表示設定のオン/オフに応じて、ユーザ認証情報が一致する印刷ジョブを印刷後も記憶部に保持するか否かを選択することが可能となる。
【0011】
また、表示部は、受付部を有するタッチパネルであって、選択操作子は、ジョブ保持印刷とジョブ削除印刷のいずれかの機能を選択可能とする選択アイコンであり、制御部は、第2印刷処理において、印刷ジョブと選択アイコンと共に、印刷を指示する印刷ボタンを表示部に表示させ、選択アイコンによりジョブ保持印刷が選択されている状態で、受付部から受け付けられた入力操作に応じて印刷ボタンが操作されると印刷部による印刷を実行し、印刷部による印刷実行後、印刷終了した印刷ジョブを記憶部へ保持し、選択アイコンによりジョブ削除印刷が選択されている状態で、受付部から受け付けられた入力操作に応じて印刷ボタンが操作されると印刷部による印刷を実行し、印刷部による印刷実行後、印刷終了した印刷ジョブを記憶部から削除する、ことを特徴とする。
【0012】
これにより、認証処理後、表示設定がオンの場合、ユーザ識別情報と関連づけられて記憶部に記憶されている印刷ジョブの中から選択されたものは、印刷実行後、記憶部に保持するか否かを、印刷ボタンが操作される前に選択できる。
【0013】
また、制御部は、受付部から受け付けられた入力操作に応じて表示設定のオン/オフを切り替える第1切替処理、を更に実行し、第2印刷処理において、表示設定がオンの場合、印刷ジョブのリストを表示部に表示させる、ことを特徴とする。
【0014】
これにより、印刷ジョブの表示設定のオン/オフを任意に切り替えることが可能となる。
【0015】
また、外部端末と通信可能な通信部を、備え、制御部は、通信部からの指示に応じて表示設定のオン/オフを切り替える第2切替処理、を更に実行し、第2印刷処理において、表示設定がオンの場合、印刷ジョブのリストを表示部に表示させる、ことを特徴とする。
【0016】
これにより、印刷ジョブの表示設定のオン/オフを外部端末から任意に切り替えることが可能となる。
【0017】
また、記憶部は、不揮発性メモリと揮発性メモリを含み、制御部は、選択操作子を、印刷ジョブが不揮発性メモリに記憶されているときに表示部に表示させ、印刷ジョブが揮発性メモリに記憶されているときには表示部に表示させない、ことを特徴とする。
【0018】
これにより、揮発性メモリに記憶されている印刷ジョブについては、ジョブ保持印刷を指定できないので、ジョブ保持印刷が指定された印刷ジョブが消去されたときの誤動作を事前に防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本願の一実施形態に係る複合機の外観を示す図である。
【
図2】
図1の複合機の電気的構成を示すブロック図である。
【
図3】蓄積印刷に関する設定変更処理の流れを示すフローチャートである。
【
図4】ユーザ設定に関する設定変更処理の流れを示すフローチャートである。
【
図5】印刷ジョブを記憶部に記憶する処理に関するフローチャートである。
【
図6】印刷ジョブを印刷する処理の流れを示すフローチャートである。
【
図7】
図6に含まれる蓄積印刷処理の流れを示すフローチャートである。
【
図8】
図7に含まれるリスト表示処理の流れを示すフローチャートである。
【
図9】
図7に含まれるリスト非表示処理の流れを示すフローチャートである。
【
図10】待機画面の一例(A)とジョブリスト表示画面の一例(B)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0021】
図1は、本願の一実施形態に係る複合機(MFP:Multi-Function Peripheral)1の外観を示す斜視図である。複合機1は、印刷装置の一例であり、プリント機能、コピー機能、スキャン機能、及びファックス機能等を有する。なお、複合機としては、これら全ての機能を備えた複合機に限られるものではなく、例えば、ファックス機能を備えていない複合機であってもよい。以下、
図1の矢印で示されるように、複合機1の上下方向、前後方向、及び左右方向を定義する。
【0022】
複合機1は、印刷部2と、画像読取部3と、操作パネル33と、タッチパネル34とを備える。印刷部2は、電子写真方式のプリント機能を有する。印刷部2の印刷方式は、電子写真方式に限らず、インクジェット方式であってもよい。印刷部2の筐体20は、給紙トレイ21と排紙トレイ22とを有する。給紙トレイ21には、普通紙などのシートを複数枚収容することができる。印刷部2は、給紙トレイ21から給紙されたシートに画像を印刷し、排紙トレイ22に排紙する。なお、給紙トレイ21に収容されるシートは、普通紙に限られず、厚紙などであってもよい。
【0023】
画像読取部3は、スキャン機能を有する。画像読取部3は、筐体30と、原稿搬送部31と、原稿カバー32とを備える。原稿搬送部31は、複数の原稿を積載可能な原稿トレイ31Aを備える。原稿カバー32は、筐体30の載置台に対して回動自在に設けられている。
【0024】
操作パネル33及びタッチパネル34は、複合機1の前面に設けられている。操作パネル33には、タッチパネル34と、キャンセルキー35A、ホームキー35B、戻りキー35C及び電源キー35Dなどを有する。
【0025】
図2は、複合機1の電気的構成を示すブロック図である。複合機1は、印刷部2と、画像読取部3と、ASIC11と、RAM13と、ROM14と、不揮発性メモリ15と、ネットワークI/F16と、USBI/F19と、を備える。
【0026】
ASIC11には、CPU12が搭載されている。CPU12は、制御部の一例であり、複合機1の各部に対する全般的な制御を行う。なお、ASIC11を、制御部として用いてもよい。ROM14には、複合機1を制御するためのプログラム43が記憶されている。CPU12は、RAM13を作業領域として用いてプログラム43を実行する。不揮発性メモリ15は、NVRAM等からなり、複合機1の各種処理の設定、各種処理に用いるデータが記憶されている。
【0027】
ネットワークI/F16は、通信部の一例である。複合機1は、ネットワークI/F16を介して、LANに接続し、管理者PC17及びPC18と通信する。管理者PC17は、外部端末の一例であって、複合機1の管理者が操作する情報端末である。PC18
は、外部端末の一例であって、管理者以外のユーザが操作する情報端末である。ネットワークI/F16は、LAN以外のネットワークに接続してもよい。外部端末は、パソコン以外の情報端末であってもよく、例えば、スマートフォン、タブレット端末等であってもよい。また、複合機1は、USBI/F19を介して、複合機1の外部からUSBストレージ19Aが接続されている。
【0028】
タッチパネル34は、表示部34Aと、受付部34Bとを有する。タッチパネル34の表示部34Aは、表示部の一例であり、液晶ディスプレイ等からなる。表示部34Aには、複合機1の操作画面等が表示される。受付部34Bは、ユーザのタッチ操作を受け付け、ユーザにより押下された位置を検出する。なお、受付部34Bを有さない液晶ディスプレイを表示部として用いてもよい。物理キー35は、受付部の一例であって、ユーザの入力操作を受け付ける。
【0029】
USBストレージ19Aは、記憶部の一例であり、印刷ジョブが記憶される。印刷ジョブには、少なくとも画像データ42が含まれ、ユーザ識別情報及びジョブ名が付加され得る。USBストレージ19Aには、ジョブ管理情報41が記憶されており、ユーザ識別情報及びジョブ名が付加されていた印刷ジョブについて、それらの情報が記憶される。なお、RAM13を記憶部として使用してもよく、RAM13にジョブ管理情報41と印刷ジョブの画像データ42とを記憶するようにしてもよい。
【0030】
次に、
図3を用いて、管理者が複合機1の設定を変更する方法について説明する。以降、各処理の説明において、ステップを「S」と表記する。
図3では、リスト表示設定とジョブの保存先設定を管理者が変更する場合を例に説明する。なお、リスト表示設定は、
図10(B)を用いて後述するジョブリスト表示画面を表示するか否かを設定するものである。そして、ジョブの保存先設定は、
図5を用いて後述する印刷ジョブの記憶処理において、PC18から受信した印刷ジョブの保存先を設定するものである。
【0031】
複合機1は、CPU12がROM14に記憶されているプログラム43を実行することにより、EWS(Embedded Web Server)用のWebサーバとして機能する。複合機1の管理者が管理者PC17上でブラウザを起動し、ブラウザのURL入力欄にEWS用の所定のURLを入力すると、管理者PC17の表示部に複合機1の設定用のブラウザ画面が表示される。
【0032】
管理者が設定用のブラウザ画面で所定の操作を行い、設定変更の処理を進めると(S1:YES)、蓄積印刷処理(
図6参照)に関する設定画面が表示される。管理者がその設定画面にて、リスト表示オンを指定する操作を行うと(S2:YES)、その操作情報が複合機1へ送信され、不揮発性メモリ15に記憶されているリスト表示設定47がオンに設定される(S3)。これにより、複合機1のCPU12は、蓄積印刷処理においてジョブリスト表示画面が表示されるように設定される。また、管理者がその設定画面にて、リスト表示オフを指定する操作を行うと(S2:NO)、その操作情報が複合機1へ送信され、不揮発性メモリ15に記憶されているリスト表示設定47がオフに設定される(S4)。
【0033】
また、管理者がその設定画面にて、印刷ジョブの保存先設定をRAM保存に指定する操作を行うと(S5:RAM保存)、その操作情報が複合機1へ送信され、不揮発性メモリ15に記憶されているジョブの保存先設定44がRAMに設定される(S6)。また、管理者がその設定画面にて、印刷ジョブの保存先設定をストレージ保存に指定する操作を行うと(S5:ストレージ保存)、その操作情報が複合機1へ送信され、不揮発性メモリ15に記憶されているジョブの保存先設定44がストレージに設定される(S7)。
【0034】
次に、
図4を用いて、管理者が複合機1の不揮発性メモリ15に記憶されている認証DB46の設定を変更する方法について説明する。管理者が、蓄積印刷処理に関する設定画面からユーザ設定に関する設定画面に移行させ、ユーザ設定変更を行うと(S101:YES)、その設定変更がユーザ情報の登録である場合(S102:ユーザ追加登録)、入力されたユーザ名とパスワードが複合機1へ送信され、不揮発性メモリ15に記憶されている認証DB46に追加登録される(S103)。また、その設定変更がユーザ情報の削除である場合(S102:ユーザ削除)、削除指定されたユーザ名が複合機1へ送信され、不揮発性メモリ15に記憶されている認証DB46から削除指定された登録ユーザ名と登録パスワードが削除される(S104)。
【0035】
なお、
図3及び
図4の設定変更は、管理者PC17から行われるようにしたが、これに限らず、PC18から行われるようにしてもよいし、複合機1の操作パネル33やタッチパネル34から行われるようにしてもよい。
【0036】
図5は、印刷ジョブをUSBストレージ19A及びRAM13を含む記憶部に記憶する処理に関するフローチャートである。
【0037】
CPU12は、ネットワークI/F16を介してPC18から印刷ジョブを受信すると(S200:YES)、受信した印刷ジョブにユーザ識別情報及びジョブ名が付加されているか否かを判定する(S201)。S201において、CPU12は、印刷ジョブにユーザ識別情報及びジョブ名が付加されている場合(S201:YES)は、S202の処理に進み、印刷ジョブにユーザ識別情報及びジョブ名が付加されていない場合(S201:NO)は、S206の処理に進む。
【0038】
S202において、CPU12は、不揮発性メモリ15に記憶されている蓄積印刷設定45がオンになっているか否かを判定する。蓄積印刷設定45は、後に詳述する蓄積印刷処理の実行可否に関する設定であって、蓄積印刷設定45がオンのとき蓄積印刷処理を実行することができる。S202において、CPU12は、蓄積印刷設定45がオンになっている場合(S202:YES)、S203の処理に進み、蓄積印刷設定45がオフになっている場合(S202:NO)、S206の処理に進む。
【0039】
S203において、CPU12は、不揮発性メモリ15に記憶されているジョブの保存先設定44が示す保存先を判定する。ジョブの保存先設定44は、受信した印刷ジョブの保存先を、RAMとストレージのいずれにするかを設定できる。S203の判定において、ジョブの保存先設定44が示す保存先がRAMである場合(S203:RAM)、CPU12は、PC18から受信した印刷ジョブをRAM13に記憶する。具体的には、CPU12は、印刷ジョブの画像データ42をRAM13に記憶する。さらにCPU12は、その印刷ジョブに付加されていたジョブ名及びユーザ識別報をジョブ管理情報41に追加し、追加後のジョブ管理情報41をRAM13に記憶させる。その後、CPU12は、
図5の処理を終了する。
【0040】
一方、S203の判定において、ジョブの保存先設定44が示す保存先がストレージである場合(S203:ストレージ)、CPU12は、PC18から受信した印刷ジョブをUSBストレージ19Aに記憶する。具体的には、CPU12は、印刷ジョブの画像データ42をUSBストレージ19Aに記憶する。さらにCPU12は、その印刷ジョブに付加されていたジョブ名及びユーザ識別情報をジョブ管理情報41に追加し、追加後のジョブ管理情報41をUSBストレージ19Aに記憶させる。その後、CPU12は、
図5の処理を終了する。
【0041】
S201において印刷ジョブにユーザ識別情報及びジョブ名が付加されていないと判定された場合(S201:NO)、又は、S202において蓄積印刷設定45がオフになっていると判定された場合(S202:NO)、CPU12は、S206の処理を行う。S206において、CPU12は、印刷部2を制御してPC18から受信した印刷ジョブの画像データ42をシートへ印刷する。その後、CPU12は、
図5の処理を終了する。
【0042】
次に、
図6~
図10を参照して、蓄積印刷処理の流れについて説明する。PC18から複合機1へ印刷ジョブを送信したユーザが複合機1のホームキー35B等を操作すると、
図10(A)に示すような待機画面90がタッチパネル34の表示部34Aに表示される。待機画面90には、ファックスボタン51と、コピーボタン52と、スキャンボタン53と、蓄積印刷ボタン54と、設定ボタン55と、ユーザ認証ボタン56とが含まれる。
【0043】
ユーザ認証ボタン56は、ユーザが複合機1にログイン又はログアウトする際に使用される。ユーザ認証ボタン56が押下されると、CPU12は、
図6に示す処理を開始する。
図6のS300において、CPU12は、認証処理を実行する。CPU12は、タッチパネル34の表示部34Aにログイン画面を表示し、物理キー35等を用いたユーザの識別情報とパスワードの入力を受け付ける。ユーザが自身の識別情報とパスワードとを入力すると、CPU12は、不揮発性メモリ15に記憶された認証DB46に予め記憶されている情報と照合する。ユーザが入力した情報と、認証DB46に予め記憶されている情報とが一致する場合、そのユーザは複合機1にログインすることができる。ユーザが複合機1へログインすると(S301:YES)、CPU12は、S302の処理に進む。
【0044】
S302において、CPU12は、ログインしたユーザの印刷ジョブがRAM13又はUSBストレージ19Aに保存されているか否か判定する。CPU12は、RAM13又はUSBストレージ19Aのジョブ管理情報41に記憶されている印刷ジョブの中から、ログインしたユーザのユーザ識別情報が関連付いている印刷ジョブを探索する。CPU12は、探索の結果、ログインしたユーザのユーザ識別情報が関連付いている印刷ジョブが存在していた場合(S302:YES)は、S303の処理に進む。S303において、CPU12は、蓄積印刷処理を行う。蓄積印刷処理については、
図7を用いて後述する。
【0045】
ログインしたユーザのユーザ識別情報が関連付いている印刷ジョブがジョブ管理情報41の中に存在しなかった場合(S302:NO)、又は、S303の処理が完了した場合、CPU12は、S304の処理に進む。S304において、CPU12は、待機画面90をタッチパネル34の表示部34Aに表示し、S305の処理に進む。
【0046】
S305において、CPU12は、蓄積印刷ボタン54が押下されたか否かを判定する。CPU12は、蓄積印刷ボタン54が押下された場合(S305:YES)は、上記S302の処理に戻り、蓄積印刷ボタン54が押下されていない場合(S305:NO)は、S306の処理に進む。
【0047】
S306において、CPU12は、ログインしていたユーザがログアウトするか否かを判定する。CPU12は、ユーザが所定の操作を行い複合機1からログアウトした場合(S306:YES)は、
図6の処理を終了し、ユーザがログアウトするための所定の操作を行わなかった場合(S306:NO)は、上記S305の処理に戻る。
【0048】
図6のS303において実行する蓄積印刷処理について、
図7~
図10を参照して説明する。CPU12は、
図7に示す処理を開始すると、S400において、不揮発性メモリ15に記憶されているリスト表示設定47がオンであるか否かを判定する。この判定において、リスト表示設定47がオフの場合(S400:NO)、CPU12は、S401において、リスト非表示処理を行う。リスト非表示処理は、
図9を用いて後述する。リスト非表示処理が終了すると、CPU12は、
図7の処理を終了する。一方、この判定において、リスト表示設定47がオンの場合(S400:YES)、CPU12は、S402において、リスト表示処理を行う。リスト表示処理は、
図8を用いて次に説明する。リスト表示処理が終了すると、CPU12は、
図7の処理を終了する。
【0049】
CPU12は、
図8に示す処理を開始すると、S500において、ジョブ管理情報41の中からログインしたユーザの印刷ジョブに関する情報を取得し、そのユーザの印刷ジョブを全てUSBストレージ19Aから探索し、探索したすべての印刷ジョブを含む印刷ジョブリストを作成する。CPU12は、印刷ジョブリストを作成すると、S501の処理に進む。
【0050】
S501において、タッチパネル34の表示部34Aに印刷ジョブリストと印刷ボタンと削除ボタンと全選択ボタンと印刷後保存アイコンとを含むジョブリスト表示画面を表示する。
図10(B)は、表示部34Aに表示されたジョブリスト表示画面91の一例を示している。ジョブリスト表示画面91には、削除ボタン61、全選択(SELECT ALL)ボタン62、印刷ボタン63、印刷後保存アイコン68、チェックボックス66A~66E、ならびにスクロールボタン64及び65が表示されている。また、印刷後保存アイコン68には、チェックボックス68Aも表示されている。ジョブリスト表示画面91の左側にはS500において作成した印刷ジョブリストが表示されている。
【0051】
CPU12は、ジョブリスト表示画面91を表示すると、S502において、印刷ジョブリストの中から任意の印刷ジョブ、全選択ボタン62及び印刷後保存アイコン68に対するユーザの指定を受け付ける。CPU12は、タッチパネル34の受付部34B又は物理キー35を介して、ユーザが削除又は印刷したい印刷ジョブの選択を受け付ける。ユーザが削除又は印刷を希望する印刷ジョブをジョブリスト表示画面91に表示された印刷ジョブリストに含まれる印刷ジョブの中から選んで押下すると、選択された各印刷ジョブの左横に位置するチェックボックス66A~66Eにチェックマークが表示される。ユーザが全選択ボタン62を押下した場合は、ジョブリスト表示画面91に表示されたすべての印刷ジョブのチェックボックス66A~66Eにチェックマークが表示される。ユーザが削除ボタン61又は印刷ボタン63を押下すると、印刷ジョブの選択が確定する。また、印刷後保存アイコン68は、印刷が終了した印刷ジョブをUSBストレージ19Aに保存するジョブ保持印刷と、印刷が終了した印刷ジョブをUSBストレージ19Aから削除するジョブ削除印刷のいずれかの機能を選択可能にするアイコンである。ユーザが印刷後保存アイコン68を指定する度にチェックボックス68Aへのチェックマークの表示(オン)と非表示(オフ)がトグルで繰り返される。そして、チェックボックス68Aへチェックマークが表示されている状態がジョブ保持印刷を選択している状態を示し、チェックボックス68Aへチェックマークが表示されていない状態がジョブ削除印刷を選択している状態を示している。
【0052】
続くS503において、CPU12は、印刷ボタン63による指示入力があったか、削除ボタン61による指示入力があったかを判定する。印刷ボタン63は、ユーザが選択した印刷ジョブについて、画像データ42の印刷を指示するためのボタンである。削除ボタン61は、印刷ジョブの削除を指示するためのボタンである。CPU12は、ジョブリスト表示画面91において、印刷ボタン63による指示入力があった場合(S503:印刷ボタン)は、S504の処理に進む。
【0053】
S504において、CPU12は、印刷処理を実行する。CPU12は、印刷部2を制御して、ユーザがジョブリスト表示画面91で指定した印刷ジョブについて画像データ42の印刷を実行する。CPU12は、ジョブリスト表示画面91で指定されたすべての印刷ジョブについて印刷が完了すると、S505の処理に進む。
【0054】
S505において、CPU12は、印刷後保存アイコン68のチェックボックス68Aがオン指定されているか否か、つまり印刷後保存アイコン68がジョブ保持印刷を指定しているか否かを判定する。この判定において、印刷後保存アイコン68がジョブ保持印刷を指定している場合(S504:YES)、つまり、チェックボックス68Aにチェックマークが表示されている場合、CPU12は、
図8の処理を終了する。これにより、指定された印刷ジョブは、印刷後もUSBストレージ19Aに保存されたままとなる。
【0055】
一方、S505の判定において、印刷後保存アイコン68がジョブ削除印刷を指定している場合(S505:NO)、つまりチェックボックス68Aにチェックマークが表示されていない場合、CPU12は、S506の処理に進む。
【0056】
S506において、CPU12は、ジョブリスト表示画面91において指定された印刷ジョブをUSBストレージ19Aから削除するとともに、上記S500で作成したジョブリストから指定された印刷ジョブを削除して、ジョブリストを更新する。なお、このとき、ジョブ管理情報41からそれらの印刷ジョブに関する情報を削除し、削除後のジョブ管理情報41をUSBストレージ19Aに記憶させる、ジョブ管理情報41の更新処理も行う。これにより、指定された印刷ジョブは、印刷後にUSBストレージ19Aから削除される。CPU12は、ジョブリストの更新を終えると、S507の処理に進む。
【0057】
S507において、CPU12は、指定可能な印刷ジョブがジョブリストに残っているか否かを判定する。この判定において、印刷ジョブが残っている場合(S507:YES)、CPU12は、上記S501の処理に戻る。一方、この判定において、印刷ジョブが残っていない場合(S507:NO)、CPU12は、
図8の処理を終了する。
【0058】
上記S503において、CPU12は、削除ボタン61による指示入力があった場合(S503:削除ボタン)は、上記S506の処理に進む。これにより、ジョブリスト表示画面91で指定されたすべての印刷ジョブは、印刷されずにUSBストレージ19Aから削除される。
【0059】
なお、
図8のリスト表示処理は、USBストレージ19Aに記憶された印刷ジョブをその処理対象としている。しかし、印刷ジョブは、
図5の処理で上述したようにRAM13にも記憶され得るので、RAM13に記憶された印刷ジョブも、リスト表示処理の対象とすることができる。ただし、この場合、ジョブリスト表示画面91に印刷後保存アイコン68を表示しないようにした方が好ましい。この理由は、印刷後保存アイコン68によりジョブ保持印刷の機能が選択されないようにするためである。つまり、RAM13に保存された印刷ジョブに対してジョブ保持印刷が指定されると、複合機1の電源が落とされた場合等、RAM13に保存された印刷ジョブが消去されたときに対応できないので、RAM13に保存された印刷ジョブに対して印刷処理をするときには、印刷後保存アイコン68を表示しないようにして、最初からジョブ保持印刷を選択できないようにした方がよいからである。
【0060】
CPU12は、
図9に示す処理を開始すると、S600において、上記S500と同様にして、ジョブ管理情報41の中からログインしたユーザの印刷ジョブに関する情報を取得し、そのユーザの印刷ジョブを全て含む印刷ジョブリストを作成する。CPU12は、印刷ジョブリストを作成すると、S601の処理に進む。
【0061】
S601において、CPU12は、印刷処理を実行する。CPU12は、印刷部2を制御して、S600で作成した印刷ジョブリストに含まれる印刷ジョブについて画像データ42の印刷を実行する。
【0062】
続くS602において、CPU12は、印刷処理の実行が終了した印刷ジョブをUSBストレージ19Aから削除する。
【0063】
そして、CPU12は、印刷ジョブリストに含まれるすべての印刷ジョブについて印刷が完了するまで、S601とS602の処理を続け(S603:NO)、印刷ジョブリストに含まれるすべての印刷ジョブについて印刷が完了すると(S603:YES)、
図9の処理を終了する。
【0064】
以上説明したように、本実施形態の複合機1は、ユーザの入力操作を受け付ける受付部と、印刷ジョブとその印刷ジョブを記憶させたユーザに関するユーザ識別情報とを関連付けて記憶するUSBストレージ19Aと、印刷前にUSBストレージ19Aに記憶された1以上の印刷ジョブを表示するための表示部と、画像をシートに印刷する印刷部2と、CPU12と、を備え、印刷ジョブに基づく画像を印刷部2によりシートに印刷後、印刷終了した印刷ジョブをUSBストレージ19Aに保持するジョブ保持印刷と、印刷ジョブに基づく画像を印刷部2によりシートに印刷後、印刷終了した印刷ジョブをUSBストレージ19Aから削除するジョブ削除印刷のいずれかの機能を選択可能である。
【0065】
そして、CPU12は、複合機1にログインする入力操作を、受付部34Bを介して受け付け、入力操作によって入力されたユーザ識別情報に基づいてユーザの認証を行う認証処理と、認証処理後、表示部34Aのリスト表示設定47がオフの場合、ユーザ識別情報と関連づけられてUSBストレージ19Aに記憶されている印刷ジョブに基づく画像を、印刷部2を用いてシートに印刷し、印刷実行後、印刷ジョブをUSBストレージ19Aから削除する第1印刷処理と、認証処理後、表示部34Aのリスト表示設定47がオンの場合、ユーザ識別情報と関連づけられてUSBストレージ19Aに記憶されている印刷ジョブを表示部34Aに表示させ、受付部34Bから受け付けられた入力操作に応じて、表示部34Aに表示された印刷ジョブの中から印刷ジョブを選択し、選択された印刷ジョブに基づく画像を、印刷部2を用いてシートに印刷する第2印刷処理と、を実行する。
【0066】
さらにCPU12は、第2印刷処理において、印刷ジョブを表示部34Aに表示させる際、ジョブ保持印刷とジョブ削除印刷のいずれかの機能を選択可能とする選択操作子を表示部34Aに表示させ、印刷後保存アイコン68によりジョブ保持印刷が選択されていれば、印刷終了後、印刷ジョブをUSBストレージ19Aに保持し、印刷後保存アイコン68によりジョブ削除印刷が選択されていれば、印刷終了後、印刷ジョブをUSBストレージ19Aから削除する。
【0067】
このように、本実施形態の複合機1では、認証処理後、リスト表示設定47がオフの場合、ユーザ識別情報と関連づけられてUSBストレージ19Aに記憶されている印刷ジョブは、印刷実行後、USBストレージ19Aから削除される。一方、認証処理後、リスト表示設定47がオンの場合、ユーザ識別情報と関連づけられてUSBストレージ19Aに記憶されている印刷ジョブの中から選択されたものは、印刷実行後、USBストレージ19Aに保持するか否かを選択できる。したがって、印刷ジョブのリスト表示設定47のオン/オフに応じて、ユーザ認証情報が一致する印刷ジョブを印刷後もUSBストレージ19Aに保持するか否かを選択することが可能となる。
【0068】
ちなみに、本実施形態において、複合機1は、「印刷装置」の一例である。USBストレージ19Aは、「記憶部」の一例である。CPU12は、「制御部」の一例である。印刷後保存アイコン68は、「選択操作子」の一例である。リスト表示設定47は、「表示設定」の一例である。
【0069】
また、印刷後保存アイコン68は、ジョブ保持印刷とジョブ削除印刷のいずれかの機能を選択可能とする選択アイコンであり、CPU12は、第2印刷処理において、印刷ジョブと印刷後保存アイコン68とを表示部34Aに表示させ、印刷後保存アイコン68によりジョブ保持印刷が選択されている状態で、受付部34Bから受け付けられた入力操作に応じて印刷部2による印刷実行後、印刷終了した印刷ジョブをUSBストレージ19Aへ保持し、印刷後保存アイコン68によりジョブ削除印刷が選択されている状態で、受付部34Bから受け付けられた入力操作に応じて印刷部2による印刷実行後、印刷終了した印刷ジョブをUSBストレージ19Aから削除する。
【0070】
これにより、印刷ジョブのリスト表示設定47のオン/オフに応じて、ユーザ認証情報が一致する印刷ジョブを印刷後もUSBストレージ19Aに保持するか否かを選択することが可能となる。
【0071】
また、表示部34Aは、受付部34Bを有するタッチパネルであって、印刷後保存アイコン68は、ジョブ保持印刷とジョブ削除印刷のいずれかの機能を選択可能とする選択アイコンであり、CPU12は、第2印刷処理において、印刷ジョブと印刷後保存アイコン68と共に、印刷を指示する印刷ボタンを表示部34Aに表示させ、印刷後保存アイコン68によりジョブ保持印刷が選択されている状態で、受付部34Bから受け付けられた入力操作に応じて印刷ボタン63が操作されると印刷部2による印刷を実行し、印刷部2による印刷実行後、印刷終了した印刷ジョブをUSBストレージ19Aへ保持し、印刷後保存アイコン68によりジョブ削除印刷が選択されている状態で、受付部34Bから受け付けられた入力操作に応じて印刷ボタン63が操作されると印刷部2による印刷を実行し、印刷部2による印刷実行後、印刷終了した印刷ジョブをUSBストレージ19Aから削除する。
【0072】
これにより、認証処理後、リスト表示設定47がオンの場合、ユーザ識別情報と関連づけられてUSBストレージ19Aに記憶されている印刷ジョブの中から選択されたものは、印刷実行後、USBストレージ19Aに保持するか否かを、印刷ボタン63が操作される前に選択できる。
【0073】
また、CPU12は、受付部34Bから受け付けられた入力操作に応じてリスト表示設定47のオン/オフを切り替える第1切替処理、を更に実行し、第2印刷処理において、リスト表示設定47がオンの場合、印刷ジョブのリストを表示部34Aに表示させる。
【0074】
これにより、印刷ジョブのリスト表示設定47のオン/オフを任意に切り替えることが可能となる。
【0075】
また、外部端末と通信可能な通信部を、備え、CPU12は、ネットワークI/F16からの指示に応じてリスト表示設定47のオン/オフを切り替える第2切替処理、を更に実行し、第2印刷処理において、リスト表示設定47がオンの場合、印刷ジョブのリストを表示部34Aに表示させる。ちなみに、ネットワークI/F16は、「通信部」の一例である。
【0076】
これにより、印刷ジョブのリスト表示設定47のオン/オフをネットワークI/F16に接続された管理者PC17から任意に切り替えることが可能となる。
【0077】
また、記憶部は、USBストレージ19AとRAM13を含み、CPU12は、印刷後保存アイコン68を、印刷ジョブがUSBストレージ19Aに記憶されているときに表示部34Aに表示させ、前記印刷ジョブがRAM13に記憶されているときには表示部34Aに表示させない。ちなみに、USBストレージ19Aは、「不揮発性メモリ」の一例である。RAM13は、「揮発性メモリ」の一例である。
【0078】
これにより、RAM13に記憶されている印刷ジョブについては、ジョブ保持印刷を指定できないので、ジョブ保持印刷が指定された印刷ジョブが消去されたときの誤動作を事前に防止することが可能となる。
【0079】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0080】
(1)上記実施形態では、印刷装置の一例として複合機1を挙げたが、印刷装置としては、複合機1に限らず、単体のプリンタであってもよい。
【0081】
(2)上記実施形態では、制御部の一例として、1つのCPU12を用いているが、これに限らず、複数のCPUからなるものを用いてもよいし、複数のコアからなるCPUを含むものでもよい。
【符号の説明】
【0082】
1…複合機、2…印刷部、3…画像読取部、11…ASIC、12…CPU、13…RAM、14…ROM、15…不揮発性メモリ、16…ネットワークI/F、18…PC、19…USBI/F、19A…USBストレージ、34…タッチパネル、34A…表示部、34B…受付部、35…物理キー、41…ジョブ管理情報、42…画像データ、43…プログラム、44…ジョブの保存先設定、45…蓄積印刷設定、46…認証DB、47…リスト表示設定、54…蓄積印刷ボタン、56…ユーザ認証ボタン、63…印刷ボタン、90…待機画面、91…ジョブリスト表示画面。