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特開2024-59410ボイラ制御装置、プログラム、ボイラ制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059410
(43)【公開日】2024-05-01
(54)【発明の名称】ボイラ制御装置、プログラム、ボイラ制御方法
(51)【国際特許分類】
   F22B 37/38 20060101AFI20240423BHJP
   F23N 5/00 20060101ALI20240423BHJP
   F23N 5/24 20060101ALI20240423BHJP
   F23J 3/00 20060101ALI20240423BHJP
   F22B 35/00 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
F22B37/38 E
F23N5/00 J
F23N5/24 107Z
F23N5/24 107B
F23J3/00 101A
F22B35/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022167072
(22)【出願日】2022-10-18
(71)【出願人】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(72)【発明者】
【氏名】森田 愛士
(72)【発明者】
【氏名】吉川 広治
【テーマコード(参考)】
3K003
3K261
3L021
【Fターム(参考)】
3K003EA07
3K003FA04
3K003FB05
3K003GA03
3K003TB06
3K003TC02
3K003TC07
3K003TE07
3K261GB11
3L021AA05
3L021DA05
3L021DA09
3L021DA28
3L021FA14
(57)【要約】
【課題】ボイラの流路入口から出口までの燃焼ガス流の流れが把握され、ボイラの制御追従性が向上し、燃焼用空気量制御の素早い応答性能が確保され得るボイラ制御装置を提供する。
【解決手段】ボイラ制御装置1は、ボイラ3における節炭器39の後段に設けられる酸素濃度計の信号を受信する第1の酸素濃度受付部101と、ボイラ3の燃焼ガスの流路の中間部付近、且つ、燃焼ガスの流路の断面方向の両端に設けられる酸素濃度計の信号をそれぞれ受信する第2の酸素濃度受付部102及び第3の酸素濃度受付部103と、第1から第3の酸素濃度受付部101から103が受け付けた酸素濃度の情報に基づいて、流路の入り口に設けられるダンパ41の開度を制御するダンパ制御部107と、を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボイラにおける節炭器の後段に設けられる酸素濃度計の信号を受信する第1の酸素濃度受付部と、
前記ボイラの燃焼ガスの流路の中間部付近、且つ、前記燃焼ガスの前記流路の断面方向の両端に設けられる前記酸素濃度計の信号をそれぞれ受信する第2の酸素濃度受付部及び第3の酸素濃度受付部と、
前記第1から第3の酸素濃度受付部が受け付けた酸素濃度の情報に基づいて、前記流路の入り口に設けられるダンパの開度を制御するダンパ制御部と、
を有するボイラ制御装置。
【請求項2】
前記第1から第3の酸素濃度受付部が受け付けた前記酸素濃度の情報に基づいて、前記ボイラの加熱配管に付着するクリンカの量を評価するクリンカ評価部を有する
請求項1に記載のボイラ制御装置。
【請求項3】
クリンカ除去用のスートブロワが運転されている間においては、発電機出力によるダンパ開度の情報に2次の再熱器の出口における温度の信号と2次SHスプレイCV開度についての情報の比例制御と前記第1の酸素濃度受付部が受け付けた前記酸素濃度の情報を加算した信号に基づいて前記ダンパ制御部が前記ダンパの開度を制御する、
請求項1又は請求項2に記載のボイラ制御装置。
【請求項4】
ボイラにおける節炭器の後段に設けられる酸素濃度計の信号を受信する第1の酸素濃度受付手段と、
前記ボイラの燃焼ガスの流路の中間部付近、且つ、前記燃焼ガスの前記流路の断面方向の両端に設けられる前記酸素濃度計の信号をそれぞれ受信する第2の酸素濃度受付手段及び第3の酸素濃度受付手段と、
前記第1から第3の酸素濃度受付部が受け付けた酸素濃度の情報に基づいて、前記流路の入り口に設けられるダンパの開度を制御するダンパ制御手段と、
をコンピュータに実行させるプログラム。
【請求項5】
ボイラにおける節炭器の後段に設けられる酸素濃度計の信号を受信する第1の酸素濃度受付ステップと、
前記ボイラの燃焼ガスの流路の中間部付近、且つ、前記燃焼ガスの前記流路の断面方向の両端に設けられる前記酸素濃度計の信号をそれぞれ受信する第2の酸素濃度受付ステップ及び第3の酸素濃度受付ステップと、
前記第1から第3の酸素濃度受付部が受け付けた酸素濃度の情報に基づいて、前記流路の入り口に設けられるダンパの開度を制御するダンパ制御ステップと、
を有するボイラ制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボイラ制御装置、プログラム、ボイラ制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、石炭炊きの火力発電所では、ボイラ燃焼に伴い発生するクリンカ(灰分等、石炭が保有する成分溶出分の塊)がボイラ内に配列された加熱配管に付着する事は避けられず、これが付着することで加熱配管の表面の熱伝達が阻害され、ボイラ熱吸収の低下及びボイラ効率の低下に繋がっていた。これらボイラ内の加熱配管は、ボイラケーシングで囲まれた高温で閉塞、且つ暗所な場所に設置されているため、目視によるクリンカ付着状況の確認は不可能に近く、ボイラ内の正確な汚損状態を把握することは困難である。
【0003】
また、付着したクリンカはボイラ内の燃焼ガスの流れを阻害し、バーナ燃焼用の空気量の制御に用いられるガス酸素濃度の流路断面の両端におけるアンバランスの誘発にも繋がっている。
【0004】
この解決手法として、ボイラの流路出口に設置した酸素濃度計の濃度信号と温度計で測定した温度信号を用いて演算しボイラ燃焼の状況を判断して内部の汚損状況を把握する技術が例えば、特許文献1に記載されている。
【0005】
排煙脱硫装置で発生する石膏の色度をボイラ本体内における燃焼状態の良悪の判定指標として用いて一次的な燃焼管理が行われ、石膏の色度(3種類(3.5.7度))の色見本を基準)が所定の管理値以上である場合に、節炭器の出口(A・B)側流路に複数設置した酸素濃度計の数値(A側平均値とB側平均値)と標準偏差に基づき、二次的な燃焼管理が行われる。
【0006】
より具体的な燃焼管理としては、定格負荷時において、節炭器の出口(A・B)側流路に複数設置した酸素濃度計の数値(A側平均値・B側平均値)の差が0.4%より大きくなる場合にはエアレジスタの設定開度の確認が行われ、通風系統の酸素濃度分布から燃焼不良と思われるバーナの入替えが行われる。酸素濃度の数値に基づいて燃焼管理の行われる点が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第2954730号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
石炭焚きボイラで使用する石炭は銘柄が数多く存在し、単一銘柄であったとしても同じ成分の石炭は、ほぼ無いに等しい。銘柄が異なる石炭の混炭燃焼の場合には言うまでもなく、単一銘柄での燃焼或いは同じ質量の石炭の燃焼においても、ボイラ燃焼ガス中における窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)の濃度は常に同じ値を示す事はない。また、燃焼時に用いる燃焼空気は、夏季と冬季でかなり温度差が生じており、ボイラ燃焼ガス温度の動向にも影響を及ぼす。
【0009】
先行技術は、ボイラ燃焼で発生した燃焼ガス濃度や燃焼ガス温度等、燃焼で生じるプロセス測定データを用いてボイラ汚損度合いを検出する手法である。しかしながら、先行技術は、石炭性状の差異や外気温度の変化ほか、ボイラ燃焼に影響が生じる不確定要素を反映したものではない。このため、ボイラ汚損の判定精度は高いと言い難い。
【0010】
節炭器の出口に設置した酸素濃度計の数値に基づいて、バーナの入替えを行う、に過ぎない。
【0011】
また、ボイラ内に付着した汚損はボイラ燃焼ガス流の流れを阻害し、バーナ燃焼空気の制御に用いる燃焼ガス酸素濃度のアンバランスを誘発させる。詳細に把握して管理することがボイラ燃焼の安定化に繋がるが、先願は汚損把握のみに着眼しボイラ設備全般を考慮した内容となっていない。
【0012】
本発明は、きめ細やかなボイラ汚損除去によるボイラ効率への貢献と燃焼空気量の自動平衡制御の追従性向上を一元化したシステムを構築することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため、本発明の一態様であるボイラ制御装置は、ボイラにおける節炭器の後段に設けられる酸素濃度計の信号を受信する第1の酸素濃度受付部と、ボイラの燃焼ガスの流路の中間部付近、且つ、燃焼ガスの流路の断面方向の両端に設けられる酸素濃度計の信号をそれぞれ受信する第2の酸素濃度受付部及び第3の酸素濃度受付部と、第1から第3の酸素濃度受付部が受け付けた酸素濃度の情報に基づいて、流路の入り口に設けられるダンパの開度を制御するダンパ制御部と、を有する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、ボイラにおける燃焼用空気量制御性を向上させて燃焼のアンバランスが起こらないようにするともに蒸気温度制御の安定性向上を図ることができる。ボイラの流路入口から出口までの燃焼ガス流の流れが把握され、ボイラの制御追従性が向上し、燃焼用空気量制御の素早い応答性能が確保され得る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の石炭火力発電システムにおける微粉炭燃焼部を示すブロック図である。
図2】本発明の石炭火力発電システム、特に、ボイラの断面模式図である。
図3】本発明に係るボイラ制御装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4】本発明に係るボイラ制御装置の機能的構成を示すブロック図である。
図5】本発明の石炭火力発電システム、特に、ボイラの断面模式図であって、クリンカが付着した状態における状況を示す図である。
図6】本発明の石炭火力発電システム、特に、ボイラの断面模式図であって、付着したクリンカの内、中間部に付着したクリンカがスートブロワ処理により除去された状態における状況を示す図である。
図7】本発明に係るボイラ制御装置の処理の流れを示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態に係るボイラ制御装置1について図面を参照しながら説明する。なお、各図において、同一構成要素には同一符号を付す。同一構成要素にて第1の構成要素、第2の構成要素のように区別する場合には、符号にa、b等が付加される。
【0017】
図1は、石炭火力発電システム200における微粉炭燃焼部2を示すブロック図である。ここで、図1に示すように、微粉炭燃焼部2は、ボイラ(燃焼ボイラ)3と、ボイラ3を熱源とする空気予熱器4(熱交換ユニット)と、微粉炭とともに燃焼させる空気をボイラ3に供給する空気供給機5と、を備え、石炭微粉炭機6から石炭微粉炭を受け入れる。ボイラ3はボイラ制御装置1により制御される。
【0018】
ボイラ(燃焼ボイラ)3には、石炭微粉炭機6によって微細な粒度に粉砕された微粉炭が、図示されない微粉炭管を介して供給される。石炭微粉炭機6の種類としては、ローラミル、チューブミル、ボールミル、ビータミル、インペラーミル等が挙げられるが、これらに限定されるものではなく微粉炭燃焼で用いられるミルであればよい。また、粉砕された微粉炭は、空気供給機5から供給された空気と混合される。これにより、微粉炭は予熱され、乾燥させられて、燃焼を容易にすることができる。
【0019】
ボイラ3では、空気供給機5から供給されて空気予熱器4によって加熱された空気とともに微粉炭が燃焼される。加熱された空気を用いることにより、ボイラ3の燃焼温度が下がることを防ぐことができる。
【0020】
図2を参照して、石炭火力発電システム200、特に、ボイラ3について詳しく説明する。図2は、石炭火力発電システム200、特に、ボイラ3の断面模式図である。図2においては、図1に示した、空気供給機5、空気予熱器4、石炭微粉炭機6は省略されている。図2に示すように、ボイラ3は全体として略逆U字状をなしており、図中矢印に沿って燃焼ガスが逆U字状に移動した後、再度小さくU字状に反転し、ボイラ3の出口(図2における矢印の最後)は、図1における集塵装置7に接続されている。本実施形態に係る微粉炭燃焼部2においては、ボイラ3の高さは30mから70mである。
【0021】
ボイラ3の燃焼ガス流201の上流には、微粉炭を燃焼するための図2には図示されないバーナが設置されている。また、ボイラ3内の逆U字頂部付近には、過熱低減器(DSH:De Super Heater)34、最終過熱器(FSH:Final Super Heater)35、再熱器(RH:ReHeater)36の各熱交換ユニットが設置されている。
【0022】
更に、第2再熱器(RH:Reheater)37がボイラ3の流路方向に沿って4つ設けられている。
【0023】
更に第2の再熱器37と平行して、熱交換ユニットとして1次過熱器(1SH:1st Super Heater)38が続いてボイラ3の流路方向に沿って設置されている。1次過熱器38の終端付近からは、熱交換ユニットとして、節炭器39が4段階に設けられている。節炭器39は、ECO(Economizer)とも呼ばれる。節炭器39は、燃焼ガスの保有する熱を利用してボイラ給水を予熱するために設けられた伝熱面群である。なお、本実施形態においては、ボイラ3中、節炭器39は、4段階に分離して設置されているが、このような形態に限定されない。即ち、ボイラ3は単一の節炭器39のみを有するものであってもよい。
【0024】
そして、ボイラ3を用いて微粉炭を燃焼することによって石炭灰(シンダーアッシュ、クリンカアッシュ)及び燃焼ガス(燃焼ガス)が生成し、集塵装置7に排出される。
【0025】
微粉炭燃焼工程では、図2には図示されない石炭微粉炭機6で生成された微粉炭が、ボイラ3において燃焼される。ここで、微粉炭の原料となる石炭は、具体的には瀝青炭、亜瀝青炭、又は褐炭等であるが、これらの石炭に限定されるものではなく微粉炭燃焼が行える石炭であればよい。また、ボイラ3に供給される微粉炭の平均の粒度は、微粉炭燃焼で一般的に用いられる粒径範囲であればよく、一般的には、74μm未満の粒径で80wt%以上の粉砕度である。
【0026】
図2に示すように、バーナーゾーン33においては微粉炭が燃焼されるが、このときの温度は1300℃から1500℃に及び、燃焼によって生成される石炭灰は、矢印の方向に沿って上昇して燃焼ガスとともにボイラ3上部、最終過熱器35、第1の再熱器36、第2の再熱器37、1次過熱器38(いずれも熱交換ユニット)を通過し、4つの節炭器39(熱交換ユニット)を順次通過する。上記のように、この熱交換ユニット付近は、450℃から900℃前後が維持されている領域であり、この燃焼ガスの保有する熱を利用してボイラ給水を予熱するために設けられた伝熱面群を通過することによって熱交換され、燃焼ガスの温度が低下する。燃焼ガスがバーナーゾーン33から節炭器39付近まで到達するまでに要する時間は、おおむね5秒から10秒である。そして、その後燃焼ガスは後段の集塵装置7に送られる。
【0027】
バーナーゾーン33においては、空気導入用のチャッキダンパ41が設けられる。チャッキダンパ41としては、空気の逆流防止機能を備えるチャッキダンパが好ましい。空気導入用の第1のチャッキダンパ(CD)41aと第2のチャッキダンパ(CD)41bとが設けられており、第1ダンパ制御機42a及び第2ダンパ制御機42bによりそれぞれの開閉が制御される。チャッキダンパ41は、チェックダンパ(Check Damper,CD)ともいう。片方向からの風のみを通す目的で設置され、逆向きの風が流れないように、羽根が自重もしくは、錘の力によって閉じられる構造となっている。
【0028】
燃焼ガスの保有する熱を利用してボイラ給水を予熱するために設けられた伝熱面群を有する節炭器39を経た燃焼ガス出口に第1の酸素濃度計43が設けられる。更に、第2、第3の酸素濃度形が、ボイラ3の流路の第1の酸素濃度計の上流側に設けられる。ボイラ3の燃焼ガスの流路の中間部付近、且つ、前記燃焼ガスの前記流路の断面方向の両端に第2の酸素濃度計44及び第3の酸素濃度計45がそれぞれ二か所に設けられる。特に、第2の再熱器(RH)37の上流側と下流側とに第2の酸素濃度計44が設けられる。また、第1過熱器(1SH)に1方の第3の酸素濃度計45aが設けられ、節炭器39に他方の第3の酸素濃度計45bが設けられる。
【0029】
第1の酸素濃度計43、第2の酸素濃度計44及び第3の酸素濃度計45の測定結果に基づいて石炭火力発電システム200はボイラ制御装置1により制御される。ボイラ制御装置1は、連続監視を行い、測定信号に基づいて燃焼空気入り口のチャッキダンパ41の制御信号を発出し、ボイラ3における流路入口から出口までの燃焼ガス流201を制御する。ボイラ制御装置1について以下に詳述する。
【0030】
ボイラ制御装置1は、本実施形態に係る石炭火力発電システム200を制御する。図3はボイラ制御装置1のハードウェア構成を示す。図3に示すように、ボイラ制御装置1は、制御部10と、入出力部16と、通信手段17と、記憶部18と、を備える。制御部10は、プロセッサ11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インタフェース15とを有する。ボイラ制御装置1は、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な汎用のパーソナルコンピュータであってもよいし、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。
【0031】
プロセッサ11は、各種演算及び処理を行う。プロセッサ11は、例えば、CPU(central processing unit)、MPU(micro processing unit)、SoC(system on a chip)、DSP(digital signal processor)、GPU(graphics processing unit)、ASIC(application specific integrated circuit)、PLD(programmable logic device)又はFPGA(field-programmable gate array)等である。或いは、プロセッサ11は、これらのうちの複数を組み合わせたものである。また、プロセッサ11は、これらにハードウェアアクセラレーター等を組み合わせたものであってもよい。
【0032】
プロセッサ11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。プロセッサ11は、ROM12に記録されているプログラム又はRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。プログラムの一部又は全部は、プロセッサ11の回路内に組み込まれていてもよい。
【0033】
バス14は入出力インタフェース15にも接続される。入出力インタフェース15には、入出力部16と、通信手段17と、記憶部18と、が接続されている。
【0034】
入出力部16は、有線又は無線により電気的に入出力インタフェース15に接続される。入出力部16は例えばキーボード及びマウス等の入力部と画像を表示するディスプレイ及び音声を拡声するスピーカ等の出力部とによって構成される。なお、入出力部16はタッチパネルのように表示機能と入力機能が一体的な構成であってもよい。
【0035】
通信手段17は、プロセッサ11が、本発明の実施形態に係る第1の酸素濃度計43、第2の酸素濃度計44、第3の酸素濃度計45、第1ダンパ制御機42a、及び、第2ダンパ制御機42b等と、例えば図2に示した有線、或いは、図示されないインターネット等のネットワークを介して通信を行うための装置である。記憶部18は、石炭火力発電システム200全体を制御するプログラム、第1の酸素濃度計43から第3の酸素濃度計45の測定結果、チャッキダンパ41の開度、過去の制御履歴等を記憶する例えばハードディスクドライブ(HDD)、半導体ドライブ(SSD)等の記憶装置である。
【0036】
図3に示したハードウェア構成は、あくまで一例であり、特にこの構成に限定されるわけではない。シングルプロセッサ、マルチプロセッサ及びマルチコアプロセッサ等の各種処理装置単体によって構成されるものの他、これら各種処理装置と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)及びFPGA(Field-Programmable Gate Array)等の処理回路とが組み合わせられたものを、プロセッサとしての機能的構成を実現するものとして採用してもよい。ボイラ制御装置1が記憶部18を有するのではなく、記憶部18が別途設けられる構成が採用されてもよい。
【0037】
図4は、本実施形態に係るボイラ制御装置1の機能的構成を示すブロック図である。図4に示す各機能は、図3に示すボイラ制御装置1の有するプロセッサ11等により実現される。
【0038】
第1の酸素濃度受付部101は、第1の酸素濃度計43が測定した酸素濃度を受け付ける。第2の酸素濃度受付部102は、第2の酸素濃度計44が測定した酸素濃度を受け付ける。第3の酸素濃度受付部103は、第3の酸素濃度計45が測定した酸素濃度を受け付ける。ダンパ制御部104は、第1ダンパ制御機42a及び第2ダンパ制御機42bに信号を発出し、第1のチャッキダンパ41aと第2のチャッキダンパ41bとを、第1ダンパ制御機42a及び第2ダンパ制御機42bを通して制御する。クリンカ評価部108は、第1の酸素濃度計43から第3の酸素濃度計45によりもたらされる酸素濃度情報、ダンパ開度、過去の履歴等に基づいて図4に図示されないクリンカ51の付着状況を評価する。
【0039】
図1から図7を参照して、本発明に係るボイラ制御装置1による石炭火力発電システム200の制御について説明を加える。
【0040】
図2に図示されない空気供給機5からボイラ3への空気の供給に対して、第1のチャッキダンパ41a及び第2のチャッキダンパ41bの開度に対して設定値が与えられる。例えば、第1のチャッキダンパ41aの開度55%、第2のチャッキダンパ41bの開度55%が与えられる。
【0041】
本実施形態に係る石炭火力発電システム200においては、節炭器39を経た流路の出口付近には、第1の酸素濃度計43が設置される。第1の酸素濃度計43の測定結果は、信号線19aを通して、ボイラ制御装置1の第1の酸素濃度受付部101により受け付けられる。
【0042】
第1の酸素濃度計43は2つ設置されてもよく、例えば、ボイラ3を正面、即ち反燃焼ガス流路側、から見て右側であるA側にA側の第1の酸素濃度計43aが設置され、ボイラ3を正面から見て左側であるB側にB側の第1の酸素濃度計43bが設置される。そして、節炭器39の出口のA側に設置される第1の酸素濃度計43aとB側に設置される第1の酸素濃度計43bの間の偏差補正により第1のチャッキダンパ41aと242bとの開度が補正される。これらのみの場合、例えば、開度はそれぞれ45%と65%と補正量の上下限(-10/+10%)に張りつくこととなり、燃焼のアンバランスが生じる可能性がある。
【0043】
本実施形態に係る石炭火力発電システム200においては、更に、流路中間部に第2の酸素濃度計44及び第3の酸素濃度計45が設置され、連続的に酸素濃度が監視される。
【0044】
第2の酸素濃度計44は、例えば、図2に示す再熱器(RH)37の上流側及び下流側の2か所に設置される。或いは、第2の酸素濃度計44は、図2に示すボイラ3における燃焼ガスの流路の下流或いは一端側(図2中右側)に位置する再熱器(RH)37において流路断面の両端に設置される。測定された信号は、信号線19bを通して、ボイラ制御装置1の第2の酸素濃度受付部102により受け付けられる。
【0045】
第3の酸素濃度計45は、例えば、図2に示すボイラ3の図中右側即ちボイラ3内の流路の下流に位置する第1SH(SuperHeater)38付近、及び、図2に示すボイラ3の図中右側即ちボイラ3内の流路の下流に位置する節炭器(エコノマイザ、ECO)39付近に設置される。測定された信号は、信号線19bを通して、ボイラ制御装置1の第3の酸素濃度受付部103により受け付けられる。
【0046】
本実施形態に係る石炭火力発電システム200においては、これら第1の酸素濃度計43と第2の酸素濃度計44と第3の酸素濃度計45とからの測定信号を補正要素として取り込み、燃焼空気入り口のチャッキダンパ41である、第1のチャッキダンパ41a及び第2のチャッキダンパ41bの制御信号がボイラ制御装置1のダンパ制御部104において作成される。そして、図2に示すボイラ3内の流路の入口から出口までの燃焼ガス流201の流れが把握される。これにより、ボイラ3の制御追従性が向上する。燃焼用空気量制御の素早い応答性能が確保され得る。
【0047】
図5は、ボイラ3においてはボイラ燃焼に伴い発生するクリンカ(灰分等、石炭が保有する成分溶出分の塊)51がボイラ内に配列された加熱配管に付着する例を示す。図5に示す例においては、2か所を中心にクリンカ51が付着している。一か所目は流路の比較的上流で、過熱低減器(DSH)34近辺、及び、2か所目は流路の比較的中流で再熱器(RH)36の近辺である。この時、燃焼ガス流201は、図5に示すように、流路の上流に付着したクリンカ51aと中流に付着したクリンカ51bとにより、流れが阻害される。そして、例えば、燃焼ガス流201は上流に付着したクリンカ51aと中流に付着したクリンカ51bとを迂回することとなり、例えば、図5に示すように、流路が二手に分かれる。
【0048】
この影響により、第1の酸素濃度計43から第3の酸素濃度計45の信号が変化する。例えば、石炭微粉の燃焼が不十分となり酸素が使われないことから、酸素濃度が上昇する。そして、上流に付着したクリンカ51aと中流に付着したクリンカ51bとの付着の仕方に依存して、第2の酸素濃度計44と第3の酸素濃度計45とで、酸素濃度が異なるという状況が生じる。クリンカ51の過去の付着状況と、第1の酸素濃度計43から第3の酸素濃度計45の酸素濃度との関係との統計情報に基づいて、クリンカ51の発生状況をボイラ制御装置1のクリンカ評価部105が評価推定する。例えば、第1の酸素濃度計43から第3の酸素濃度計45における酸素濃度を時系列に集計し、並行してボイラ点検で得られるクリンカ51の量を時系列に集計することにより、クリンカ51の付着状況と酸素濃度との関係が明確化され得る。
【0049】
図6は、スートブロワを使ってボイラ内の中流に付着した図5に示したクリンカ51bが除去された状態を示す。スートブロワを行うと、クリンカ51の除去前と除去後とでボイラ内を流れる燃焼ガス流201に変化が生じる。結果、第2の酸素濃度計44と第3の酸素濃度計45付近を流れる燃焼ガス流201の流量も変化する。燃焼が安定すれば、石炭火力発電システム200における蒸気温度制御の安定も期待できる。
【0050】
なお、スートブロワ運転中は、ボイラ制御装置1は節炭器(ECO)39の出口付近に設置される第1の酸素濃度計43からの信号のみに基づいて第1ダンパ制御機42a及び第2ダンパ制御機42bに制御信号を送出することが好ましい。スートブロワ処理が外乱となり、酸素濃度の分布が変動するからである。
【0051】
きめ細やかなボイラ汚損除去によるボイラ効率への貢献と燃焼空気量の自動平衡制御の追従性向上を一元化したシステムが構築される。ボイラ燃焼のアンバランスが抑制され、燃焼ガス流201のガス偏流状態の把握をすることが可能となる。
【0052】
図7は、本発明に係るボイラ制御装置1の処理の流れを示すシーケンス図である。一方の第2の酸素濃度計44aの出力をボイラ制御装置1の第2の酸素濃度受付部102が受け付ける(ステップS01)。他方の第2の酸素濃度計44bの出力をボイラ制御装置1の第2の酸素濃度受付部102が受け付ける(ステップS02)。一方の第3の酸素濃度計45aの出力をボイラ制御装置1の第3の酸素濃度受付部103が受け付ける(ステップS03)。他方の第3の酸素濃度計45bの出力をボイラ制御装置1の第3の酸素濃度受付部103が受け付ける(ステップS04)。第2の酸素濃度受付部102が受け付けた酸素濃度の平均がダンパ制御部104により計算される(ステップS05)。第3の酸素濃度受付部103が受け付けた酸素濃度の平均がダンパ制御部104により計算される(ステップS06)。ダンパ制御部104はこれらの平均値の差分を計算する(ステップS07)。
【0053】
ダンパ制御部104は、差分の履歴とクリンカ51の付着との関係を、記憶部18に記録されているデータベースから取得する(ステップS08)。一方、スートブロワ起動中か否かの情報がボイラ制御装置1のダンパ制御機42にもたらされる(ステップS09)。A/M(アナログメモリ)の設定値は0としスートブロワ起動中(ステップS09)となった場合のみ設定値0を出力する(ステップS10)。通常はS08の値を使用し、スートブロワ起動中はS10の値(0)を使用するアナログ切換を行う(ステップS11)。
【0054】
ステップS11で集約された情報に基づいて、ダンパ制御部104は、チャッキダンパ41の開度を決めるための比例制御演算を、第1のチャッキダンパ41aと第2のチャッキダンパ41bを念頭に行う(ステップS12、S13)。ここで、比例制御において、第1のチャッキダンパ41aを念頭に置いての比例係数(ステップS12)と第2のチャッキダンパ41bを念頭においての比例係数(ステップS13)とは逆符号である。即ち、例えば、標準のチャッキダンパ41の開度を例えば55度とした場合、一方が55度プラス6度の場合(スレップS14)には、他方は、55度マイナス6度(ステップS15)のように設定される。
【0055】
制御係数を求めるため、積分を配慮したPI制御のための演算が行われる(ステップS16)。
【0056】
2次の再熱器(RH)37の出口における温度の信号と三次過熱器出口蒸気温度制御を行っている2次SHスプレイCV開度についての情報をボイラ制御装置1のダンパ制御部104が取得する(ステップS17)。ステップS16で得られた比例積分制御とステップS17で得られた情報とが足し合わされる(スレップS18)。次に再度、比例制御の係数がダンパ制御部104により導出される(ステップS19)。
【0057】
発電機の出力がダンパ制御部104に信号として入力される(ステップS20)。発電機の出力の履歴とともにデータ処理がなされ(ステップS21)、第1のチャッキダンパ41a及び第2のチャッキダンパ41bの開度の情報(ステップS21)が、ステップS19で導出される情報に加算される(ステップS22)。
【0058】
一方、A側に設置された第1の酸素濃度計43aの出力をボイラ制御装置1の第1の酸素濃度受付部101が受け付ける(ステップS23)。B側に設置された第1の酸素濃度計43bの出力をボイラ制御装置1の第1の酸素濃度受付部101が受け付ける(ステップS24)。ダンパ制御部107は、ステップS23及びステップS24で得られた酸素濃度の差分を導出する(ステップS25)。ダンパ制御部107は、得られた酸素濃度の差分についてデータ処理を行い(ステップS26)、比例制御の係数を導出する(ステップS27)。ステップS22とステップS27との結果は足し合わされ(ステップS28)、自動或いは手動の選択がなされる(ステップS29)。そして、ダンパ制御部107が開度の制御信号を第1ダンパ制御機42aに送り、第1のチャッキダンパ41aの開度が設定される(ステップS30)。
【0059】
ボイラ制御装置1は、クリンカ51除去用のスートブロワが運転されている間においては、発電機出力によるダンパ開度の情報(S21)に2次の再熱器(RH)37の出口における温度の信号と2次SHスプレイCV開度についての情報の比例制御(S17~19)と第1の酸素濃度受付部101が受け付けた酸素濃度の情報とを加算した(S22、S28)、信号に基づいてダンパ制御部104がチャッキダンパ41の開度を制御する。
【0060】
第2のチャッキダンパ41bの開度は、第1のチャッキダンパ41aの開度の制御と同様のステップにより制御される(ステップS31)。但し、開度の増減についての符号が逆になり(ステップS15)、比例制御定数が設定される(ステップS13)。ステップS27の後、開度制御の符号が正負逆転させられる(ステップS32)。ステップS31の結果と足し合わされ(ステップS33)、自動か手動かの選択がされる(ステップS34)。そして、ダンパ制御部107が開度の制御信号を第2ダンパ制御機42bに送り、第2のチャッキダンパ41bの開度が設定される(ステップS35)。
【0061】
本開示は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施形態は、この発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。即ち、本発明の範囲は、実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の開示の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
【0062】
以上説明した実施形態に係るボイラ制御装置1によれば以下のような効果が奏される。
【0063】
(1)ボイラ制御装置1は、ボイラ3における節炭器39の後段に設けられる酸素濃度計の信号を受信する第1の酸素濃度受付部101と、ボイラ3の燃焼ガスの流路の中間部付近、且つ、燃焼ガスの流路の断面方向の両端に設けられる酸素濃度計の信号をそれぞれ受信する第2の酸素濃度受付部102及び第3の酸素濃度受付部103と、第1から第3の酸素濃度受付部101から103が受け付けた酸素濃度の情報に基づいて、流路の入り口に設けられるチャッキダンパ41の開度を制御するダンパ制御部104と、を有する。
【0064】
これにより、流路入口から出口までの燃焼ガス流201の流れが把握され、ボイラ3の制御追従性が向上し、燃焼用空気量制御の素早い応答性能が確保され得る。
【0065】
(2)(1)のボイラ制御装置1は、第1から第3の酸素濃度受付部101~103が受け付けた酸素濃度の情報に基づいて、ボイラ3の加熱配管に付着するクリンカ51の量を評価するクリンカ評価部105を有する。
【0066】
これにより、酸素濃度の測定に基づいてクリンカ51の付着量が見積もられ、クリンカ51の除去の時期が策定され得る。
【0067】
(3)(1)又は(2)のボイラ制御装置1は、クリンカ51除去用のスートブロワが運転されている間においては、発電機出力によるダンパ開度の情報(S21)に2次の再熱器(RH)37の出口における温度の信号と2次SHスプレイCV開度についての情報の比例制御(S17~19)と第1の酸素濃度受付部101が受け付けた酸素濃度の情報とを加算した(S22、S28)、信号に基づいてダンパ制御部104がチャッキダンパ41の開度を制御する。
【0068】
これにより、スートブロワが運転されている間に酸素濃度が外乱を受けて変動しボイラ3の制御が乱れる、という事象の発生を未然に防止することができる。
【0069】
(4)プログラムは、燃焼ガスの保有する熱を利用してボイラ給水を予熱するために設けられた伝熱面群を有する節炭器39を経た燃焼ガス出口に設けられる酸素濃度計の信号を受信する第1の酸素濃度受付手段101と、燃焼ガスの流路の中間部付近、且つ、燃焼ガスの流路の断面方向の両端に設けられる酸素濃度計の信号をそれぞれ受信する第2の酸素濃度受付部102及び第3の酸素濃度受付手段103と、第1から第3の酸素濃度受付部101~103が受け付けた酸素濃度の情報に基づいて、流路入り口に設けられるチャッキダンパの開度を制御するダンパ制御手段と、をコンピュータに実行させる。
【0070】
これにより、流路入口から出口までの燃焼ガス流201の流れが把握され、ボイラ3の制御追従性が向上し、燃焼用空気量制御の素早い応答性能が確保され得る。
【0071】
(5)ボイラ制御方法は、燃焼ガスの保有する熱を利用してボイラ給水を予熱するために設けられた伝熱面群を有する節炭器39を経た燃焼ガス出口に設けられる酸素濃度計の信号を受信する第1の酸素濃度受付ステップと、燃焼ガスの流路の中間部付近、且つ、燃焼ガスの流路の断面方向の両端に設けられる酸素濃度計の信号をそれぞれ受信する第2の酸素濃度受付ステップ及び第3の酸素濃度受付ステップと、第1から第3の酸素濃度受付部101~103が受け付けた酸素濃度の情報に基づいて、流路入り口に設けられるチャッキダンパ41の開度を制御するダンパ制御ステップと、を有する。
【0072】
これにより、流路入口から出口までの燃焼ガス流201の流れが把握され、ボイラ3の制御追従性が向上し、燃焼用空気量制御の素早い応答性能が確保され得る。
【符号の説明】
【0073】
1 ボイラ制御装置
2 微粉炭燃焼部
3 ボイラ
4 空気予熱器
5 空気供給機
6 石炭微粉炭機
7 集塵装置
10 制御部
11 プロセッサ
12 ROM
13 RAM
14 バス
15 入出力インタフェース
16 入出力部
17 通信手段
18 記憶部
19 信号線
33 バーナーゾーン
34 加熱低減器(DSH)
35 最終過熱機(FSH)
36 再熱器(RH)
37 第2再熱器(RH)
38 第1過熱器(1SH)
39 節炭器(エコマイザ、ECO)
41 ダンパ
41a 第1のチャッキダンパ
41b 第2のチャッキダンパ
42a 第1ダンパ制御機
42b 第2ダンパ制御機
43 第1の酸素濃度計
44 第2の酸素濃度計
45 第3の酸素濃度計
51a 上流に付着したクリンカ
51b 中流に付着したクリンカ
101 第1の酸素濃度受付部
102 第2の酸素濃度受付部
103 第3の酸素濃度受付部
104 ダンパ制御部
105 クリンカ評価部
200 石炭火力発電システム
201 燃焼ガス流
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7