IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東洋自動機株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-リーク検出方法及びリーク検出装置 図1
  • 特開-リーク検出方法及びリーク検出装置 図2
  • 特開-リーク検出方法及びリーク検出装置 図3
  • 特開-リーク検出方法及びリーク検出装置 図4
  • 特開-リーク検出方法及びリーク検出装置 図5
  • 特開-リーク検出方法及びリーク検出装置 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059412
(43)【公開日】2024-05-01
(54)【発明の名称】リーク検出方法及びリーク検出装置
(51)【国際特許分類】
   G01M 3/26 20060101AFI20240423BHJP
   B65B 57/02 20060101ALI20240423BHJP
   G01M 3/38 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
G01M3/26 H
B65B57/02 F
G01M3/38 H
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022167075
(22)【出願日】2022-10-18
(71)【出願人】
【識別番号】000222727
【氏名又は名称】PACRAFT株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100130719
【弁理士】
【氏名又は名称】村越 卓
(72)【発明者】
【氏名】二川 忠史
(72)【発明者】
【氏名】佐郷 秀夫
(72)【発明者】
【氏名】山近 俊太
【テーマコード(参考)】
2G067
【Fターム(参考)】
2G067AA47
2G067BB17
2G067BB25
2G067DD10
2G067DD11
2G067EE12
(57)【要約】
【課題】包装体からの流動体の漏出の懸念を精度良く検出するのに有利なリーク検出方法及びリーク検出装置を提供する。
【解決手段】リーク検出方法は、流動体が封入されている包装体Bが載せられている搬送ベルト17を移動させることで、包装体Bを搬送する工程と、押圧ユニット23によって、搬送ベルト17に載せられている包装体Bに押圧力を作用させる工程と、包装体Bに押圧力が作用した後、搬送ベルト17に対する包装体Bの相対移動を行う工程と、搬送ベルト17のうち相対移動によって新たに露出する領域を含む範囲を撮像して画像を取得する工程と、画像に基づいて包装体Bからの流動体の漏出の情報を取得する工程と、を含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流動体が封入されている包装体が載せられている搬送ベルトを移動させることで、前記包装体を搬送する工程と、
押圧ユニットによって、前記搬送ベルトに載せられている前記包装体に押圧力を作用させる工程と、
前記包装体に前記押圧力が作用した後、前記搬送ベルトに対する前記包装体の相対移動を行う工程と、
前記搬送ベルトのうち前記相対移動によって新たに露出する領域を含む範囲を撮像して画像を取得する工程と、
前記画像に基づいて前記包装体からの前記流動体の漏出の情報を取得する工程と、
を含むリーク検出方法。
【請求項2】
力検出装置によって前記押圧力を検出し、
前記力検出装置によって検出される前記押圧力を記録する
請求項1に記載のリーク検出方法。
【請求項3】
前記包装体は、シール処理を受けたシール部を有し、前記相対移動によって前記包装体Bが前記搬送ベルトに対してずれる方向以外に前記シール部が向けられている状態で前記搬送ベルトに載せられる
請求項1又は2に記載のリーク検出方法。
【請求項4】
流動体が封入されている包装体が載せられる搬送ベルトを有し、前記搬送ベルトを移動させることで前記包装体を搬送する搬送ユニットと、
押圧部材と、前記押圧部材を昇降させる押圧昇降装置とを有する押圧ユニットであって、前記押圧部材によって前記包装体を前記搬送ベルトに押しつけて当該包装体に押圧力を作用させる押圧位置と、当該包装体から前記押圧部材が離間する離間位置と、に前記押圧部材が位置づけられるように前記押圧部材を昇降させる押圧ユニットと、
ずらし部材と、前記ずらし部材を移動させるずらし移動装置とを有する移動ユニットであって、前記包装体に前記押圧力を作用させた後、前記ずらし部材から前記包装体に力を作用させて前記搬送ベルトに対する当該包装体の相対移動を行う移動ユニットと、
前記搬送ベルトのうち前記相対移動によって新たに露出する領域を含む範囲を撮像して画像を取得する撮像装置と、
前記画像に基づいて前記包装体からの前記流動体の漏出の情報を取得する画像処理装置と、
を備えるリーク検出装置。
【請求項5】
前記ずらし移動装置は、前記ずらし部材がボックスモーションを示すように、前記ずらし部材を移動させる
請求項4に記載のリーク検出装置。
【請求項6】
前記押圧部材に作用する力を検出する力検出センサと、
前記力検出センサの検出結果に基づいて、前記押圧力を記録する記録装置と、
を備える請求項4又は5に記載のリーク検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、リーク検出方法及びリーク検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液状の内容物を封入する包装袋などの包装体は、シール不良等に起因して内容物が漏れ出しやすい状態にあることがある。そのような包装体は、大きな押圧力が作用しない製造時には内容物が漏れ出していなくても、その後の出荷時等の過程で意図せずに大きな押圧力が作用して内容物を漏出させることがある。
【0003】
そのような内容物の漏出(リーク)の懸念を有する包装体を事前に検知する方法として、包装体を搬送する搬送部に電気を流し、包装体搬送部における通電状態を測定する方法が知られている。しかしながら本来的に電気を通さない内容物(例えば油など)の場合、包装体搬送部における通電状態から、包装体からの内容物の漏出を適切に検出することが難しい。
【0004】
特許文献1は、包装体における通電状態によらずに、包装体からの流体の漏出を検査する方法を開示する。特許文献1の検査方法によれば、間欠的に移送される移送台上の包装体が、取り出し装置により取り出されて排出コンベアに移送された後に、移送台が反転させられる。当該反転によって包装体から洩れた微少の流体は移送台の表面を流れ、当該表面における流体の付着面の範囲が広くなる。その後に監視装置で移送台の表面を検査し、当該表面に付着した流体を検出する。
【0005】
また特許文献2が開示するリーク検査装置によれば、加圧部が、搬送ベルトの載置面に載せられている袋の内部空間の圧力を上昇させて、受入部が、載置面から落下した液状体を受け入れて排出する。検出部が、受入部から排出される液状体を検出し、制御部が、検出部の検出結果に基づいて液状体の漏れ出しの有無を確認する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10-197388号公報
【特許文献2】特開2020-63929号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の検査方法では、移送台の反転後に移送台の表面に付着している流体を検出することで、包装体からの流体の漏出が検出される。したがって、包装体から移送台の表面に漏れ出た流体のすべてが、移送台の反転によって移送台の表面から落下する場合、特許文献1の検査方法では包装体からの流体の漏出を適切に検出できない。
【0008】
特許文献2のリーク検査装置では、袋から漏れ出た液状体が微量であり、搬送ベルトの載置面に付着しているが、当該載置面から落下しない場合、袋から漏れ出た液状体が受入部によって受容されず、排出されない。そのような場合、特許文献2のリーク検査装置では袋から漏れ出た液状体を適切に検出できない。
【0009】
本開示は上述の事情に鑑みてなされたものであり、包装体からの流動体の漏出の懸念を精度良く検出するのに有利な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示の一態様は、流動体が封入されている包装体が載せられている搬送ベルトを移動させることで、包装体を搬送する工程と、押圧ユニットによって、搬送ベルトに載せられている包装体に押圧力を作用させる工程と、包装体に押圧力が作用した後、搬送ベルトに対する包装体の相対移動を行う工程と、搬送ベルトのうち相対移動によって新たに露出する領域を含む範囲を撮像して画像を取得する工程と、画像に基づいて包装体からの流動体の漏出の情報を取得する工程と、を含むリーク検出方法に関する。
【0011】
力検出装置によって押圧力を検出してもよく、力検出装置によって検出される押圧力を記録してもよい。
【0012】
包装体は、シール処理を受けたシール部を有してもよく、相対移動によって包装体Bが搬送ベルトに対してずれる方向以外にシール部が向けられている状態で搬送ベルトに載せられてもよい。
【0013】
本開示の他の態様は、流動体が封入されている包装体が載せられる搬送ベルトを有し、搬送ベルトを移動させることで包装体を搬送する搬送ユニットと、押圧部材と、押圧部材を昇降させる押圧昇降装置とを有する押圧ユニットであって、押圧部材によって包装体を搬送ベルトに押しつけて当該包装体に押圧力を作用させる押圧位置と、当該包装体から押圧部材が離間する離間位置と、に押圧部材が位置づけられるように押圧部材を昇降させる押圧ユニットと、ずらし部材と、ずらし部材を移動させるずらし移動装置とを有する移動ユニットであって、包装体に押圧力を作用させた後、ずらし部材から包装体に力を作用させて搬送ベルトに対する当該包装体の相対移動を行う移動ユニットと、搬送ベルトのうち相対移動によって新たに露出する領域を含む範囲を撮像して画像を取得する撮像装置と、画像に基づいて包装体からの流動体の漏出の情報を取得する画像処理装置と、を備えるリーク検出装置に関する。
【0014】
ずらし移動装置は、ずらし部材がボックスモーションを示すように、ずらし部材を移動させてもよい。
【0015】
リーク検出装置は、押圧部材に作用する力を検出する力検出センサと、力検出センサの検出結果に基づいて、押圧力を記録する記録装置と、を備えてもよい。
【発明の効果】
【0016】
本開示によれば、包装体からの流動体の漏出の懸念を精度良く検出するのに有利である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本開示のリーク検出装置の一例を示す平面図である。
図2図2は、図1に示すリーク検出装置の作動例を示す側方図である。
図3図3は、図1に示すリーク検出装置の作動例を示す側方図である。
図4図4は、図1に示すリーク検出装置の作動例を示す側方図である。
図5図5は、図1に示すリーク検出装置の作動例を示す側方図である。
図6図6は、図1に示すリーク検出装置の作動例を示す側方図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本開示の実施形態について説明する。以下の説明において、断りがない限り、「上流」及び「下流」の用語は包装体の搬送方向を基準とする。
【0019】
図1は、本開示のリーク検出装置10の一例を示す平面図である。図2図6は、図1に示すリーク検出装置10の作動例を示す側方図である。
【0020】
リーク検出装置10は、搬送ユニット15、押圧ユニット23、移動ユニット33、撮像装置45及び制御ユニット50(図2図6参照)を備える。制御ユニット50は、図1において図示が省略されており、図2図6において概念的に示されている。制御ユニット50の設置位置及び設置形態は限定されず、搬送ユニット15、押圧ユニット23、移動ユニット33及び撮像装置45から遠く離れた位置に制御ユニット50が設けられてもよい。
【0021】
搬送ユニット15は、上流から下流に(図1図6の右から左に)順に直列的に並べられる導入ベルト16、搬送ベルト17及び搬出ベルト18を有し、包装体Bを水平方向に搬送する。導入ベルト16、搬送ベルト17及び搬出ベルト18の各々は無端ベルトにより構成され、これらのベルト16、17、18の各々の上方に向けられた露出面(以下「上方露出面」とも称する)に、流動体が封入されている包装体Bが載せられる。各ベルト16、17、18は、2つの案内ローラ20によって上流側端部及び下流側端部で支持されつつ、緊張状態に置かれる。各案内ローラ20は搬送フレーム19(図1参照)によって回転自在に支持され、各ベルト16、17、18は、両端部に設けられる案内ローラ20のうちの少なくともいずれか一方がモータ等の駆動装置によって回転させられることで、走行させられる。
【0022】
図1図6に示す包装体Bは、周縁を形成するシール部B1と、シール部B1によって囲まれる非シール部B2とを有する。包装体Bのうち内容物が収容される部分は非シール部B2によって形成され、当該収容部分はシール部B1によって囲まれる。シール部B1は、非シール部B2を介して互いに反対側に位置する口部及び底部と、口部と底部との間で延び且つ非シール部B2を介して互いに反対側に位置する2つ側部とを有する。口部は、底部及び2つの側部のシール処理よりも後にシール処理を受けたシール部である。口部のシール強度は、底部及び2つの側部のシール強度よりも小さいことがある。
【0023】
包装体Bは、横臥姿勢で各ベルト16、17、18に載せられ、各ベルト16、17、18上においてシール部B1は非シール部B2に対して水平方向外側に位置する。特に後述の「包装体Bと搬送ベルト17との間の相対移動(図4及び図5参照)」によって包装体Bが搬送ベルト17に対してずれる方向以外(具体的には、当該ずれる方向とは反対向きの方向(図1図6の右方向))に口部が向けられている状態で(すなわち口部が非シール部B2よりも、包装体Bのずれる方向以外の方向に関して水平方向外側に位置している状態で)、包装体Bは搬送ベルト17に載せられる。
【0024】
包装体Bに封入される流動体は、流動性を有する物質全般を含みうるものであり、典型的には液状体である。単体では流動性を持たない固形物が、流動性を持つ他の物質と混ざり合うことで全体として流動性を有する内容物は、ここで言う流動体に分類されうる。
【0025】
導入ベルト16の上方露出面を下流に移動させることで、当該上方露出面に載せられている包装体Bが下流に搬送されて、最終的に搬送ベルト17の上方露出面に渡される。同様に、搬送ベルト17の上方露出面を下流に移動させることで、当該上方露出面に載せられている包装体Bが下流に搬送されて、最終的に搬出ベルト18の上方露出面に渡される。また搬出ベルト18の上方露出面を下流に移動させることで、当該上方露出面に載せられている包装体Bが更に下流に搬送される。
【0026】
押圧ユニット23は、下方に向かって突出する昇降伸縮ロッド25aを有する押圧昇降装置25、昇降伸縮ロッド25aの先端部に取り付けられる中間部材26、中間部材26の下方部に取り付けられるロードセル27、ロードセル27の下方部に取り付けられる押圧取付プレート28、及び押圧取付プレート28の下方部に取り付けられる押圧部材24を備える。
【0027】
押圧昇降装置25は、押圧部材24を高さ方向に昇降させるための装置であり、任意の装置(例えばエアシリンダ又はサーボモータ)により構成可能である。押圧昇降装置25は、制御ユニット50の制御下で、本体部からの昇降伸縮ロッド25aの下方への突出量を変えることにより、押圧部材24を昇降させて離間位置P1及び押圧位置P2に位置づける。離間位置P1(図2図3及び図6参照)に位置づけられる押圧部材24は、搬送ベルト17に載せられている包装体Bから上方に離間している。押圧位置P2(図4及び図5参照)に位置づけられる押圧部材24は、搬送ベルト17に載せられている包装体B(特に押圧処理位置Pb1に位置づけられる包装体B)を上方から搬送ベルト17に押しつけて、当該包装体Bに押圧力を作用させる。
【0028】
昇降伸縮ロッド25aの下方への伸縮に応じて、押圧部材24だけではなく、昇降伸縮ロッド25aの下方先端部に対して直接的又は間接的に取り付けられる他の部材(中間部材26、ロードセル27及び押圧取付プレート28)も一体的に昇降する。
【0029】
押圧部材24からの押圧力が作用した包装体Bの内部は圧力が高まる。その結果、包装体Bがシール不良等の不良を有する場合には、当該包装体B内からの内容物の漏出が助長される。例えば、シール部B1が意図しない非シール箇所を有していたり、所望強度よりも著しく低いシール強度を有する部分を含んでいたりする場合、包装体Bが押圧部材24から押圧力を受けることで、包装体Bから内容物が漏れ出す。一方、包装体Bの周縁を形成するシール部B1が適切にシールされており且つ適切なシール強度を有する場合、包装体Bは押圧部材24から押圧力を受けても、内容物を漏出させない。
【0030】
搬送ベルト17上の包装体Bに押圧部材24が押しつけられることで、当該包装体Bには押圧力が作用するが、押圧部材24にも当該押圧力に相関する反力が作用する。その結果、ロードセル27は、当該反力を押圧部材24から押圧取付プレート28を介して受け、当該反力に対応する電気信号を制御ユニット50(特に記録装置52)に出力する。このようにロードセル27は、押圧部材24に作用する力(すなわち押圧力に関する反力)を検出することで、包装体Bに作用する押圧力を間接的に検出する力検出センサとして機能する。
【0031】
記録装置52は、ロードセル27の検出結果を記憶媒体(図示省略)に保存し、押圧部材24が包装体Bにもたらした押圧力として記録する。当該記録は、押圧部材24が包装体Bにもたらした押圧力のエビデンスとして用いられてもよい。またロードセル27の検出結果は、他の任意の用途に用いられてもよい。例えば、制御ユニット50は、ロードセル27の検出結果から押圧ユニット23の動作不良を検出してもよく、必要に応じて管理者(ユーザ)に対してアラームを発することで押圧ユニット23の点検を管理者に促してもよい。また制御ユニット50は、ロードセル27の検出結果に基づいて昇降伸縮ロッド25aの伸縮量をコントロールすることで、押圧ユニット23から包装体Bに与える押圧力を調整してもよい。これにより押圧昇降装置25のフィードバック制御を実行でき、押圧ユニット23から包装体Bに所望の押圧力を精度良く加えることが可能である。
【0032】
移動ユニット33は、ずらし部材34と、ずらし部材34を移動させるずらし移動装置35とを有し、押圧ユニット23によって包装体Bに押圧力を作用させた後、ずらし部材34から包装体Bに力を作用させて当該包装体Bの搬送ベルト17に対する相対移動を行う。
【0033】
ずらし移動装置35は、支持プレート36、案内レール37、取付ブロック38、ずらし水平移動装置39、スライド部材40、取付プレート41及びずらし昇降装置42を有する。
【0034】
コの字形の平面形状(図1参照)を有する支持プレート36は、支持フレーム(図示省略)によって固定的に支持され、支持プレート36の下部に取り付けられる取付ブロック38及び案内レール37を固定的に支持する。取付ブロック38の下部にはずらし水平移動装置39が固定される。ずらし水平移動装置39は、本体部から水平方向(特に搬送ユニット15による包装体Bの搬送方向と逆向きの方向(図1図6の右方向))への突出量が可変である水平伸縮ロッド39aを有する任意の装置(例えばエアシリンダ又はサーボモータ)により構成可能である。水平伸縮ロッド39aの先端部には、取付プレート41を介してスライド部材40及びずらし昇降装置42が取り付けられている。
【0035】
案内レール37の延在方向は、搬送ユニット15による包装体Bの搬送方向に沿う水平方向であり、スライド部材40を当該延在方向に案内する。スライド部材40は、案内レール37に対してスライド自在に係合し、案内レール37の延在方向へ自由に移動が可能である一方で、案内レール37の延在方向とは異なる水平方向への移動が案内レール37によって制限される。なお案内レール37は、スライド部材40の高さ方向(例えば下方向)への移動を制限してもよいし、制限しなくてもよい。
【0036】
ずらし昇降装置42は、本体部から下方向への突出量が可変である鉛直伸縮ロッド42aを有する任意の装置(例えばエアシリンダ又はサーボモータ)により構成可能である。鉛直伸縮ロッド42aの先端部には、ずらし部材34が取り付けられている。ずらし部材34はL字状の断面形状を有し、水平方向に延在する水平部分と、当該水平部分の一方の端部(特に上流側端部)から下方向に延在する下向き部分とを含む。
【0037】
上述のずらし移動装置35において、ずらし水平移動装置39の水平伸縮ロッド39aの伸縮に応じて、スライド部材40、取付プレート41、ずらし昇降装置42及びずらし部材34が水平方向(特に包装体Bの搬送方向に沿う方向)へ一体的に移動させられる。またずらし昇降装置42の鉛直伸縮ロッド42aの伸縮に応じて、ずらし部材34が高さ方向へ移動させられる。このように水平伸縮ロッド39a及び鉛直伸縮ロッド42aの各々の伸縮によってずらし部材34の移動がコントロールされ、搬送ベルト17上の包装体Bに対してずらし部材34を相対的に移動させることができる。特に、本実施形態のずらし移動装置35(特にずらし水平移動装置39及びずらし昇降装置42)は、制御ユニット50の制御下で、後述のようにずらし部材34がボックスモーションを示すように、ずらし部材34を移動させる。ここで言うボックスモーションは、循環軌道に沿う単一方向への移動を繰り返し行う動きを指す。ここでの循環軌道は典型的には矩形状軌道であるが、循環軌道の具体的な形状は限定されず、円形や楕円形などの形状を循環軌道は有してもよい。
【0038】
撮像装置45は、支持フレーム(図示省略)によって固定的に支持され、特定の撮像範囲に位置する搬送ベルト17(特に上方露出面)の部分を撮像して画像を取得し、当該画像を制御ユニット50(特に画像処理装置51)に送る。ここでの特定の撮像範囲は「移動ユニット33による包装体Bと搬送ベルト17との間の相対移動」によって新たに露出する搬送ベルト17の上方露出面の領域を含む。すなわち搬送ベルト17のうち「移動ユニット33による包装体Bと搬送ベルト17との間の相対移動」が行われる前に当該包装体Bが載せられていた箇所を含む範囲が撮像装置45により撮像されて、その画像データが撮像装置45から制御ユニット50(特に画像処理装置51)に送信される。
【0039】
画像処理装置51は、撮像装置45が撮像取得した画像に基づいて、包装体Bからの流動体の漏出の情報を取得する。すなわち画像処理装置51は、搬送ベルト17のうち「移動ユニット33による包装体Bと搬送ベルト17との間の相対移動」が行われる前に当該包装体Bが載せられていた箇所を含む範囲(特定の撮像範囲)の画像の画像処理を行って、当該範囲における流動体の有無を判定する。当該画像処理の結果、搬送ベルト17の当該範囲に流動体が存在しないと判定された場合には包装体Bからの流動体の漏出は生じていないと判定されるが、当該範囲に流動体が存在すると判定された場合には包装体Bからの流動体の漏出が生じていると判定される。画像処理装置51は、画像処理の結果を、他のデバイス(図示省略)に送信してもよいし、保存部(図示省略)に任意の形態で保存してもよい。
【0040】
制御ユニット50は、リーク検出装置10の各種デバイスを制御する。本例の制御ユニット50は上述のように画像処理装置51及び記録装置52を有するが、制御ユニット50の構成は限定されず、画像処理装置51及び/又は記録装置52は制御ユニット50と別体として設けられてもよい。例えば制御ユニット50は、ユーザインターフェース(例えば表示部及び操作部)を備えてもよい。制御ユニット50は、ユーザインターフェース(例えば表示部)を介して管理者に情報を提供したり、ユーザインターフェース(例えば操作部)を介して管理者からの情報の入力を受け付けたりしてもよく、管理者から入力される情報に基づいて各種処理を行ってもよい。
【0041】
リーク検出装置10は、更に第1袋検出センサ61~第3袋検出センサ63を備える。
【0042】
第1袋検出センサ61は、搬送ベルト17よりも上流の第1検出位置に包装体Bが到達したか否かを検出し、検出結果を制御ユニット50に送る。本例の第1袋検出センサ61は、導入ベルト16の下流側端部に対応するように設定される第1検出位置を、導入ベルト16により搬送されている包装体Bが通過したか否かを検出する。
【0043】
第2袋検出センサ62は、押圧ユニット23(特に押圧部材24)よりも上流の第2検出位置に包装体Bが到達したか否かを検出し、検出結果を制御ユニット50に送る。本例の第2袋検出センサ62は、搬送ベルト17の上流側端部に対応するように設定される第2検出位置を、搬送ベルト17により搬送されている包装体Bが通過したか否かを検出する。
【0044】
第3袋検出センサ63は、搬送ベルト17により搬送されている包装体Bが、移動ユニット33による相対移動処理を受けるための第3検出位置に到達したか否かを検出し、検出結果を制御ユニット50に送る。本例の第3袋検出センサ63は、搬送ベルト17による包装体Bの間欠停止位置(特にずらし処理位置Pb2(図3及び図4参照))に設定される第3検出位置に、包装体Bが存在するか否かを検出する。
【0045】
次に、上述のリーク検出装置10によって行われるリーク検出方法の一例について説明する。
【0046】
各包装体Bは、内容物が封入された状態で、搬送ユニット15によって搬送される。搬送ユニット15による包装体Bの搬送態様は限定されない。本例の導入ベルト16及び搬出ベルト18は、包装体Bを間欠的に停止させることなく、継続的に包装体Bを搬送する。一方、搬送ベルト17は、間欠的に包装体Bの搬送及び停止を繰り返し、押圧部材24の真下の押圧処理位置Pb1と、ずらし処理位置Pb2とを含む複数の間欠停止位置において包装体Bを間欠的に停止させる。
【0047】
制御ユニット50は、導入ベルト16によって搬送される包装体Bが第1袋検出センサ61により検出された場合に、搬送ベルト17の搬送駆動を開始する。具体的には制御ユニット50は、第1袋検出センサ61の検出結果に応じて、搬送ベルト17を走行させるためのモータ等の駆動装置(図示省略)の駆動を開始する。これにより、包装体Bを、停滞させることなく、導入ベルト16から搬送ベルト17にスムーズに移動させることができる。
【0048】
制御ユニット50は、第2袋検出センサ62の検出結果に応じて、搬送ベルト17及び押圧ユニット23を駆動する。すなわち制御ユニット50は、包装体Bが第2検出位置を通過したことを示す検出信号を第2袋検出センサ62から受信してから、ある時間経過後に搬送ベルト17を間欠的に停止させることで、当該包装体Bを押圧処理位置Pb1に位置づける(図3参照)。
【0049】
そして制御ユニット50は、このようにして搬送ベルト17を間欠的に停止させている状態で、押圧昇降装置25を駆動して昇降伸縮ロッド25aの突出量を増大させ、押圧部材24が離間位置P1から降下して押圧位置P2に配置される(図3及び図4参照)。その結果、押圧処理位置Pb1に配置されている包装体Bは、押圧位置P2に配置される押圧部材24によって押圧される。その後、制御ユニット50は押圧昇降装置25を駆動して昇降伸縮ロッド25aの突出量を低減させ、押圧部材24が押圧位置P2から上昇して離間位置P1に配置される(図6参照)。その結果、押圧処理位置Pb1に配置されている包装体Bから押圧部材24が離間し、当該包装体Bは、搬送ベルト17によって間欠搬送可能な状態に置かれる。
【0050】
なお、第2袋検出センサ62により検出された包装体Bが、押圧部材24の真下の押圧処理位置Pb1において間欠的に停止している間に、離間位置P1から押圧位置P2への押圧部材24の降下(図3及び図4参照)及び押圧位置P2から離間位置P1への押圧部材24の上昇(図5及び図6参照)の両方が行われるように、押圧昇降装置25の駆動(特に昇降伸縮ロッド25aの伸縮)が制御される。
【0051】
押圧部材24から押圧力を受けた包装体Bは、その後、搬送ベルト17によって間欠的に搬送され、ずらし処理位置Pb2において間欠的に停止される(図3参照)。ずらし部材34は、包装体Bの搬送を邪魔しない基本位置P11に位置づけられる。当該基本位置P11に配置されるずらし部材34は、搬送ベルト17により搬送される包装体Bよりも上方に位置し、特にずらし部材34の下向き部分が、ずらし処理位置Pb2に配置される包装体Bよりも上流側に位置する。本例では、制御ユニット50の制御下で、水平伸縮ロッド39aが伸長状態に置かれ且つ鉛直伸縮ロッド42aが短縮状態に置かれることで、ずらし部材34は基本位置P11に配置される。
【0052】
なお本例では、図2及び図3に示すように、押圧部材24の真下の押圧処理位置Pb1における包装体Bの間欠的な停止及び配置と、ずらし処理位置Pb2における包装体Bの間欠的な停止及び配置とは、同時的に行われる。
【0053】
その後、搬送ベルト17が包装体Bの搬送を間欠的に停止している間に、制御ユニット50は第3袋検出センサ63の検出結果に応じてずらし移動装置35を制御し、ずらし部材34の「基本位置P11から準備降下位置P12への移動(図3及び図4参照)」、「準備降下位置P12からずらし実行位置P13への移動(図4及び図5参照)」及び「ずらし実行位置P13から退避位置P14への移動(図5及び図6参照)」を実行する。
【0054】
すなわち第3袋検出センサ63の検出結果が、ずらし処理位置Pb2に包装体Bが位置していることを示す場合、制御ユニット50は、水平伸縮ロッド39aが伸長状態を維持しつつ鉛直伸縮ロッド42aが短縮状態から伸長状態に置かれるようにずらし移動装置35を制御する。その結果、ずらし部材34は基本位置P11(図3参照)から準備降下位置P12(図4参照)に移動する。その後、制御ユニット50の制御下で、鉛直伸縮ロッド42aが伸長状態を維持しつつ水平伸縮ロッド39aが伸長状態から短縮状態に置かれることで、ずらし部材34は準備降下位置P12(図4参照)からずらし実行位置P13(図5参照)に移動する。その後、制御ユニット50の制御下で、水平伸縮ロッド39aが短縮状態を維持しつつ鉛直伸縮ロッド42aが伸長状態から短縮状態に置かれることで、ずらし部材34はずらし実行位置P13(図5参照)から退避位置P14(図6参照)に移動する。
【0055】
上述のように基本位置P11は、ずらし部材34の上昇端位置であり且つ上流端位置である。準備降下位置P12は、ずらし部材34の下降端位置であり且つ上流端位置である。ずらし実行位置P13は、ずらし部材34の下降端位置であり且つ下流端位置である。退避位置P14は、ずらし部材34の上昇端位置であり且つ下流端位置である。
【0056】
図4に示すように、ずらし部材34が準備降下位置P12に配置されることで、ずらし部材34の下向き部分が、ずらし処理位置Pb2に位置づけられる包装体Bの上流において、当該包装体Bと水平方向に重なるような高さに位置づけられる。なお、準備降下位置P12に位置づけられるずらし部材34の水平部分は、ずらし処理位置Pb2の包装体Bを上方から覆うが、当該包装体Bに接触していてもよいし接触しなくてもよく、当該包装体Bを押圧してもよいし押圧しなくてもよい(すなわち当該包装体Bの内部圧力を上昇させてもよいし上昇させなくてもよい)。
【0057】
そしてずらし部材34の準備降下位置P12からずらし実行位置P13への移動に伴って、ずらし処理位置Pb2に配置される包装体Bが、ずらし部材34の下向き部分により押されて下流に移動させられ、最終的にずらし移動位置Pb3(図5参照)に配置される。そしてずらし部材34がずらし実行位置P13から退避位置P14に移動することで、ずらし部材34の全体が搬送ベルト17上の包装体Bよりも上方に位置づけられる。
【0058】
このようにして搬送ベルト17上の包装体Bがずらし処理位置Pb2からずらし移動位置Pb3に移動させられた後、搬送ベルト17は包装体Bの間欠的な搬送を行う。そして、新たな包装体Bが押圧ユニット23の真下の押圧処理位置Pb1に配置され、且つ、押圧ユニット23から押圧力を受けた包装体Bがずらし処理位置Pb2に配置されるように、搬送ベルト17は包装体Bを間欠的に停止させる。
【0059】
包装体Bがずらし移動位置Pb3に配置されることで、包装体Bがずらし処理位置Pb2に配置されている状態で当該包装体Bにより覆われていた搬送ベルト17の上方露出面の範囲が露出される。撮像装置45は、このようにして搬送ベルト17と包装体Bとの間の相対移動により新たに露出する搬送ベルト17の領域を含む範囲を撮像して画像を取得し、当該画像を画像処理装置51に送る。
【0060】
なおずらし処理位置Pb2とずらし移動位置Pb3との間の距離は、限定されない。本例では、シール強度が相対的に小さいことがある口部のシール範囲以上の距離(例えば100mm程度)、包装体Bは移動ユニット33によってずらされ、搬送ベルト17の上方露出面のうち少なくとも口部の真下に位置していた領域が新たに露出される。一例として、移動ユニット33が包装体Bを移動させる方向に関し、包装体Bの長さ以上の距離、包装体Bは移動ユニット33によって移動させられてもよい。
【0061】
撮像装置45の撮像範囲は、押圧ユニット23による押圧力を受けた包装体Bから漏出する内容物が飛散しうる範囲の一部又は全部を含む。この撮像範囲には、搬送ベルト17と包装体Bとの間の相対移動により新たに露出する搬送ベルト17の領域が含まれる。本例の撮像範囲は、搬送ベルト17と包装体Bとの間の相対移動により新たに露出する搬送ベルト17の領域に加え、当該領域の周辺領域も含む。そのため、押圧部材24による押圧によって包装体Bから内容物が漏出して搬送ベルト17に付着した場合には、そのような漏出した内容物を確実に撮像画像に写すことができる。
【0062】
画像処理装置51は、撮像装置45から送られてくる画像の画像処理を行って、画像中の搬送ベルト17に内容物が付着していないか否かを検出することで、検査対象の包装体Bからの内容物の漏出の有無を検出する。画像処理の具体的な手法は限定されず、画像処理装置51は任意のアルゴリズムに従って画像処理を実行可能である。
【0063】
画像処理装置51の検出結果は、任意の用途に使われることができる。例えば、画像処理装置51は、各包装体Bの識別番号(ID)と、内容物の漏出の有無の検出結果とを互いに紐付けて保存部(図示省略)に記憶してもよい。また、内容物の漏出の有無に応じて包装体Bの搬送先を変えるデバイスが設けられる場合には、画像処理装置51から当該デバイスに検出結果を送り、当該デバイスは画像処理装置51から送られてくる検出結果に基づいて各包装体Bの搬送先を変えてもよい。例えば、内容物を漏出した包装体B(不良包装体)を、排出デバイス(図示省略)によって、正規の搬送ラインから排除してもよい。そのような排出装置は、任意の構成を有することができ、例えば搬送ベルト17又は搬出ベルト18の上方で水平方向に揺動する振り分けアームを具備していてもよいし、包装体Bを排除する際に搬出ベルト18を下方に傾動させる傾動デバイスを具備してもよい。
【0064】
なお内容物を漏出した包装体Bが画像処理装置51によって検出された場合、制御ユニット50の制御下で、アラーム装置によってアラーム(例えばアラーム表示及び/又はアラーム音声)が発せられることで、管理者に対する報知が行われてもよい。また包装体Bから漏出して搬送ベルト17に付着した内容物は、洗浄清掃装置(図示省略)によって洗浄清掃されてもよい。そのような洗浄清掃装置は、任意の位置に設置可能であり、例えば搬送ベルト17のリターン部に設けられてもよい。またそのような洗浄清掃装置は、任意の構成を有することができ、例えば洗浄水噴出ノズル及び乾燥エア噴出ノズルを具備していてもよい。なお洗浄清掃装置が設けられない場合であっても、例えば管理者がリーク検出装置10の稼働を止めて、手動的にリーク検出装置10(搬送ベルト17等)の洗浄及び清掃を行ってもよい。
【0065】
その後、制御ユニット50がずらし移動装置35を制御して、鉛直伸縮ロッド42aを短縮状態に維持しつつ水平伸縮ロッド39aを短縮状態から伸長状態に置くことで、ずらし部材34を退避位置P14から基本位置P11に移動させる。ずらし部材34の退避位置P14から基本位置P11への移動は、搬送ベルト17上の包装体Bが間欠的に停止している状態で行われてもよいし、搬送ベルト17によって包装体Bが間欠的に搬送されている間に行われてもよい。
【0066】
以上説明したように本実施形態によれば、流動体が封入されている包装体Bが載せられている搬送ベルト17を移動させることで、包装体Bを搬送する工程と、押圧ユニット23によって、搬送ベルト17に載せられている包装体Bに押圧力を作用させる工程と、包装体Bに当該押圧力が作用した後、搬送ベルト17に対する包装体Bの相対移動を行う工程と、搬送ベルト17のうち当該相対移動によって新たに露出する領域を含む範囲を撮像して画像を取得する工程と、当該画像に基づいて包装体Bからの流動体の漏出の情報を取得する工程と、が行われる。
【0067】
これにより、各包装体Bの不良に起因する包装体Bからの流動体の漏出の懸念を、精度良く検出することができる。特に、包装体Bに押圧力を作用させた直後に取得される搬送ベルト17の撮影画像に基づいてそのような検出が行われることで、包装体Bからの内容物の漏出量が少なくても、そのような内容物の漏出を正確に検出することが可能である。
【0068】
[変形例]
図1図6に示す移動ユニット33は、包装体Bを、搬送ベルト17に対し、搬送ベルト17によって包装体Bが搬送される方向へ相対的にずらすが、包装体Bを他の方向へ相対的にずらしてもよい。例えば、移動ユニット33は、包装体Bを、搬送ベルト17に対し、搬送ベルト17によって包装体Bが搬送される方向と直角を成す方向(すなわち搬送ベルト17の幅方向;図1の紙面上方向又は紙面下方向;図2図6の紙面に垂直な方向)へ相対的にずらしてもよい。この場合、移動ユニット33によってずらされた後の包装体Bは、引き続き搬送ベルト17上に位置していてもよいし、搬送ベルト17ではない他のデバイス(例えば包装体Bを移送可能な他のベルト)に載せられてもよい。
【0069】
また図1図6に示す移動ユニット33は、搬送ベルト17上の包装体Bに押圧力を加えて当該包装体Bを搬送ベルト17上でスライドさせることで「搬送ベルト17に対する包装体Bの相対移動」を行っているが、他の手段を用いてもよい。例えば包装体Bを保持しつつ三次元的に移動させることが可能な機構(例えばロボットハンドやパラレルリンク機構など)を移動ユニット33は具備してもよい。
【0070】
また図1図6に示す搬送ベルト17は包装体Bを間欠搬送するが、搬送ベルト17は、包装体Bを、間欠停止させることなく、継続的に搬送してもよい。
【0071】
また図1図6に示すずらし部材34は垂直面内でボックスモーションを行うが、ずらし部材34は他の方向に向けられる面内(例えば水平面内)でボックスモーションや往復動を行ってもよい。
【0072】
また包装体Bにはスパウトが取り付けられてもよい。この場合、包装体Bのうちスパウトが取り付けられる箇所であるスパウトシール部が、当該包装体Bの他のシール部よりも後にシール処理を受けたシール部分を構成しうる。このスパウトシール部のシール強度は、他のシール部のシール強度よりも小さいことがある。そのため「包装体Bと搬送ベルト17との間の相対移動(図4及び図5参照)」によって包装体Bが搬送ベルト17に対してずれる方向以外にスパウトシール部及びスパウトが向けられている状態で(すなわちスパウトシール部及びスパウトが非シール部B2よりも、包装体Bのずれる方向以外の方向に関して水平方向外側に位置している状態で)、包装体Bは搬送ベルト17に載せられてもよい。また包装体Bが移動ユニット33によってずらし処理位置Pb2からずらし移動位置Pb3に移動させられることで、搬送ベルト17の上方露出面のうち少なくともスパウトシール部及びスパウトの真下に位置していた領域が新たに露出されてもよい。
【0073】
本明細書で開示されている実施形態及び変形例はすべての点で例示に過ぎず限定的には解釈されないことに留意されるべきである。上述の実施形態及び変形例は、添付の特許請求の範囲及びその趣旨を逸脱することなく、様々な形態での省略、置換及び変更が可能である。例えば上述の実施形態及び変形例が全体的に又は部分的に組み合わされてもよく、また上述以外の実施形態が上述の実施形態又は変形例と組み合わされてもよい。また、本明細書に記載された本開示の効果は例示に過ぎず、その他の効果がもたらされてもよい。
【0074】
上述の技術的思想を具現化する技術的カテゴリーは限定されない。例えば上述の装置を製造する方法或いは使用する方法に含まれる1又は複数の手順(ステップ)をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムによって、上述の技術的思想が具現化されてもよい。またそのようなコンピュータプログラムが記録されたコンピュータが読み取り可能な非一時的(non-transitory)な記録媒体によって、上述の技術的思想が具現化されてもよい。
【0075】
[付記]
本開示は、以下の構成をとることもできる。
【0076】
[項目1]
流動体が封入されている包装体が載せられている搬送ベルトを移動させることで、前記包装体を搬送する工程と、
押圧ユニットによって、前記搬送ベルトに載せられている前記包装体に押圧力を作用させる工程と、
前記包装体に前記押圧力が作用した後、前記搬送ベルトに対する前記包装体の相対移動を行う工程と、
前記搬送ベルトのうち前記相対移動によって新たに露出する領域を含む範囲を撮像して画像を取得する工程と、
前記画像に基づいて前記包装体からの前記流動体の漏出の情報を取得する工程と、
を含むリーク検出方法。
【0077】
[項目2]
力検出装置によって前記押圧力を検出し、
前記力検出装置によって検出される前記押圧力を記録する
項目1に記載のリーク検出方法。
【0078】
[項目3]
前記包装体は、シール処理を受けたシール部を有し、前記相対移動によって前記包装体Bが前記搬送ベルトに対してずれる方向以外に前記シール部が向けられている状態で前記搬送ベルトに載せられる
項目1又は2に記載のリーク検出方法。
【0079】
[項目4]
流動体が封入されている包装体が載せられる搬送ベルトを有し、前記搬送ベルトを移動させることで前記包装体を搬送する搬送ユニットと、
押圧部材と、前記押圧部材を昇降させる押圧昇降装置とを有する押圧ユニットであって、前記押圧部材によって前記包装体を前記搬送ベルトに押しつけて当該包装体に押圧力を作用させる押圧位置と、当該包装体から前記押圧部材が離間する離間位置と、に前記押圧部材が位置づけられるように前記押圧部材を昇降させる押圧ユニットと、
ずらし部材と、前記ずらし部材を移動させるずらし移動装置とを有する移動ユニットであって、前記包装体に前記押圧力を作用させた後、前記ずらし部材から前記包装体に力を作用させて前記搬送ベルトに対する当該包装体の相対移動を行う移動ユニットと、
前記搬送ベルトのうち前記相対移動によって新たに露出する領域を含む範囲を撮像して画像を取得する撮像装置と、
前記画像に基づいて前記包装体からの前記流動体の漏出の情報を取得する画像処理装置と、
を備えるリーク検出装置。
【0080】
[項目5]
前記ずらし移動装置は、前記ずらし部材がボックスモーションを示すように、前記ずらし部材を移動させる
項目4に記載のリーク検出装置。
【0081】
[項目6]
前記押圧部材に作用する力を検出する力検出センサと、
前記力検出センサの検出結果に基づいて、前記押圧力を記録する記録装置と、
を備える項目4又は5に記載のリーク検出装置。
【符号の説明】
【0082】
10 リーク検出装置、15 搬送ユニット、16 導入ベルト、17 搬送ベルト、18 搬出ベルト、19 搬送フレーム、20 案内ローラ、23 押圧ユニット、24 押圧部材、25 押圧昇降装置、25a 昇降伸縮ロッド、26 中間部材、27 ロードセル、28 押圧取付プレート、33 移動ユニット、34 ずらし部材、35 ずらし移動装置、36 支持プレート、37 案内レール、38 取付ブロック、39 ずらし水平移動装置、39a 水平伸縮ロッド、40 スライド部材、41 取付プレート、42 ずらし昇降装置、42a 鉛直伸縮ロッド、45 撮像装置、50 制御ユニット、51 画像処理装置、52 記録装置、61 第1袋検出センサ、62 第2袋検出センサ、63 第3袋検出センサ、B 包装体、B1 シール部、B2 非シール部、P1 離間位置、P2 押圧位置、P11 基本位置、P12 準備降下位置、P13 ずらし実行位置、P14 退避位置、Pb1 押圧処理位置、Pb2 ずらし処理位置、Pb3 ずらし移動位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6