IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本航空電子工業株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059420
(43)【公開日】2024-05-01
(54)【発明の名称】装置及び防振マウント
(51)【国際特許分類】
   G01P 15/08 20060101AFI20240423BHJP
   F16F 15/08 20060101ALI20240423BHJP
【FI】
G01P15/08 102Z
F16F15/08 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022167083
(22)【出願日】2022-10-18
(71)【出願人】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117341
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】細川 武志
【テーマコード(参考)】
3J048
【Fターム(参考)】
3J048AA01
3J048BA06
3J048EA07
(57)【要約】
【課題】更なる防振特性の向上が図られた防振マウントを提供する。
【解決手段】防振マウント100は、マウント部材200と、規制部材300とを備えている。マウント部材200は、弾性体からなる。マウント部材200は、基板保持部250と、第1防振部210と、第2防振部220とを有している。基板保持部250は、基板500の保持孔510内に取り付けられて上下方向において基板500を挟み込んで保持する。基板保持部250には、把持孔262が形成されている。把持孔262は、基板保持部250を上下方向に貫通している。規制部材300は、把持孔262に挿入されて把持されている。規制部材300は、水平面内において第1防振部210及び第2防振部220の両方から離れて位置している。上下方向において、規制部材300のサイズは、マウント部材200のサイズ以下であり、基板保持部250のサイズより大きい。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、センシングデバイスと、防振マウントと、固定対象物と、固定部材とを備える装置であって、
前記基板には、保持孔が形成されており、
前記保持孔は、前記基板を上下方向に貫通しており、
前記センシングデバイスは、前記基板に搭載されており、
前記防振マウントは、マウント部材と、規制部材とを備えており、
前記マウント部材は、弾性体からなり、
前記マウント部材は、基板保持部と、第1防振部と、第2防振部とを有しており、
前記基板保持部は、前記保持孔内に取り付けられ、前記上下方向において前記基板を挟み込んで保持しており、
前記基板保持部には、把持孔が形成されており、
前記把持孔は、前記基板保持部を前記上下方向に貫通しており、
前記第1防振部は、前記上下方向と直交する水平面内において前記把持孔から離れており、且つ、前記上下方向において前記基板保持部から上方に延びており、
前記第2防振部は、前記水平面内において前記把持孔から離れており、且つ、前記上下方向において前記基板保持部から下方に延びており、
前記第2防振部の下端は、前記固定対象物に押し付けられており、
前記規制部材は、前記上下方向に延びる筒形状を有しており、
前記規制部材は、前記把持孔に挿入されて把持されており、
前記規制部材は、前記水平面内において前記第1防振部及び前記第2防振部の両方から離れて位置しており、
前記規制部材の下端は、前記固定対象物に押し付けられており、
前記固定部材は、棒状部と、押さえ部とを有しており、
前記棒状部は、前記規制部材内に挿入されており、且つ、前記固定対象物に固定されており、
前記押さえ部は、前記水平面内に延びており、前記規制部材の上端及び前記第1防振部の上端の両方に押し付けられている
装置。
【請求項2】
請求項1記載の装置であって、
前記第1防振部は、前記上下方向におけるサイズが、前記水平面内におけるサイズよりも大きく、
前記第2防振部は、前記上下方向におけるサイズが、前記水平面内におけるサイズよりも大きい
装置。
【請求項3】
請求項1記載の装置であって、
前記基板は、前記上下方向において上面及び下面を有しており、
前記基板保持部は、筒状部と、第1鍔部と、第2鍔部と、第3鍔部とを有しており、
前記筒状部には、前記把持孔が形成されており、
前記第1鍔部、前記第2鍔部及び前記第3鍔部の夫々は、前記水平面内において前記筒状部から外側に延びており、
前記上下方向において、前記第3鍔部は、前記第1鍔部と前記第2鍔部との間に位置しており、且つ、前記第1鍔部及び前記第2鍔部の両方から離れて位置しており、
前記第1鍔部は、前記上面に接しており、
前記第2鍔部は、前記下面に接しており、
前記第3鍔部は、前記保持孔の内周に接している
装置。
【請求項4】
請求項3記載の装置であって、
前記第3鍔部は、前記水平面内におけるサイズが、前記上下方向におけるサイズよりも大きい
装置。
【請求項5】
請求項1記載の装置であって、
前記第1防振部及び前記第2防振部の夫々は、前記水平面内において前記規制部材を包囲する筒形状を有している
装置。
【請求項6】
請求項1記載の装置であって、
前記センシングデバイスは、加速度計及び角速度計であり、
前記装置は、慣性演算部を更に有しており、
前記慣性演算部は、前記加速度計及び前記角速度計の両方に接続されている
装置。
【請求項7】
請求項1記載の装置であって、
前記センシングデバイスは、加速度計及び角速度計であり、
前記装置は、機体制御部を更に有しており、
前記機体制御部は、加速度計及び角速度計の両方に接続されている
装置。
【請求項8】
保持孔が形成された基板に取り付けられ、固定部材によって固定対象物に固定されて使用される防振マウントであって、
前記防振マウントは、マウント部材と、規制部材とを備えており、
前記マウント部材は、弾性体からなり、
前記マウント部材は、基板保持部と、第1防振部と、第2防振部とを有しており、
前記基板保持部は、前記保持孔内に取り付けられて上下方向において前記基板を挟み込んで保持するものであり、
前記基板保持部には、把持孔が形成されており、
前記把持孔は、前記基板保持部を前記上下方向に貫通しており、
前記第1防振部は、前記上下方向と直交する水平面内において前記把持孔から離れており、且つ、前記上下方向において前記基板保持部から上方に延びており、
前記第2防振部は、前記水平面内において前記把持孔から離れており、且つ、前記上下方向において前記基板保持部から下方に延びており、
前記規制部材は、前記上下方向に延びる筒形状を有しており、
前記規制部材は、前記把持孔に挿入されて把持されており、
前記規制部材は、前記水平面内において前記第1防振部及び前記第2防振部の両方から離れて位置しており、
前記上下方向において、前記規制部材のサイズは、前記マウント部材のサイズ以下であり、前記基板保持部のサイズより大きい
防振マウント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マウント部材と、規制部材とを備えた防振マウントに関する。
【背景技術】
【0002】
図22及び図23を参照して、特許文献1の慣性計測装置(装置)900は、センサーユニット910と、弾性部材(防振マウント)920と、固定部(固定対象物)930と、固定部材940とを備えている。センサーユニット910には、ネジ穴(保持孔)912が形成されている。保持孔912は、センサーユニット910をZ方向(上下方向)に貫通している。センサーユニット910は、基板(図示せず)と、基板に搭載されたセンシングデバイス(図示せず)とを有している。防振マウント920は、マウント部材922と、制御部材(規制部材)924とを備えている。マウント部材922は、弾性体からなる。固定部材940は、棒状部942と、ワッシャー(押さえ部)944とを有している。棒状部942は、規制部材924内に挿入されており、且つ、固定対象物930に固定されている。押さえ部944は、XY平面(水平面)内に延びている。
【0003】
特許文献1の装置900においては、マウント部材922の一部がセンサーユニット910と固定対象物930との間に位置しているため、固定対象物930から外部振動がセンサーユニット910に伝達しにくくなっている。また、特許文献1の装置900においては、マウント部材922の一部がセンサーユニット910と押さえ部944との間に位置しているため、固定対象物930に連結された固定部材940から外部振動がセンサーユニット910に伝達しにくくなっている。更に、特許文献1の防振マウント920は、規制部材924を有することにより、マウント部材922の過大な弾性変形が防止されており、防振マウント920の防振特性の劣化が避けられている。即ち、特許文献1の装置900は、防振マウント920を有することにより、防振特性の向上が図られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-99231号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の防振マウント920のような防振マウントにおいて、更なる防振特性の向上が求められている。
【0006】
そこで、本発明は、更なる防振特性の向上が図られた防振マウントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、第1の装置として、
基板と、センシングデバイスと、防振マウントと、固定対象物と、固定部材とを備える装置であって、
前記基板には、保持孔が形成されており、
前記保持孔は、前記基板を上下方向に貫通しており、
前記センシングデバイスは、前記基板に搭載されており、
前記防振マウントは、マウント部材と、規制部材とを備えており、
前記マウント部材は、弾性体からなり、
前記マウント部材は、基板保持部と、第1防振部と、第2防振部とを有しており、
前記基板保持部は、前記保持孔内に取り付けられ、前記上下方向において前記基板を挟み込んで保持しており、
前記基板保持部には、把持孔が形成されており、
前記把持孔は、前記基板保持部を前記上下方向に貫通しており、
前記第1防振部は、前記上下方向と直交する水平面内において前記把持孔から離れており、且つ、前記上下方向において前記基板保持部から上方に延びており、
前記第2防振部は、前記水平面内において前記把持孔から離れており、且つ、前記上下方向において前記基板保持部から下方に延びており、
前記第2防振部の下端は、前記固定対象物に押し付けられており、
前記規制部材は、前記上下方向に延びる筒形状を有しており、
前記規制部材は、前記把持孔に挿入されて把持されており、
前記規制部材は、前記水平面内において前記第1防振部及び前記第2防振部の両方から離れて位置しており、
前記規制部材の下端は、前記固定対象物に押し付けられており、
前記固定部材は、棒状部と、押さえ部とを有しており、
前記棒状部は、前記規制部材内に挿入されており、且つ、前記固定対象物に固定されており、
前記押さえ部は、前記水平面内に延びており、前記規制部材の上端及び前記第1防振部の上端の両方に押し付けられている
装置を提供する。
【0008】
また、本発明は、第2の装置として、第1の装置であって、
前記第1防振部は、前記上下方向におけるサイズが、前記水平面内におけるサイズよりも大きく、
前記第2防振部は、前記上下方向におけるサイズが、前記水平面内におけるサイズよりも大きい
装置を提供する。
【0009】
また、本発明は、第3の装置として、第1の装置であって、
前記基板は、前記上下方向において上面及び下面を有しており、
前記基板保持部は、筒状部と、第1鍔部と、第2鍔部と、第3鍔部とを有しており、
前記筒状部には、前記把持孔が形成されており、
前記第1鍔部、前記第2鍔部及び前記第3鍔部の夫々は、前記水平面内において前記筒状部から外側に延びており、
前記上下方向において、前記第3鍔部は、前記第1鍔部と前記第2鍔部との間に位置しており、且つ、前記第1鍔部及び前記第2鍔部の両方から離れて位置しており、
前記第1鍔部は、前記上面に接しており、
前記第2鍔部は、前記下面に接しており、
前記第3鍔部は、前記保持孔の内周に接している
装置を提供する。
【0010】
また、本発明は、第4の装置として、第3の装置であって、
前記第3鍔部は、前記水平面内におけるサイズが、前記上下方向におけるサイズよりも大きい
装置を提供する。
【0011】
また、本発明は、第5の装置として、第1の装置であって、
前記第1防振部及び前記第2防振部の夫々は、前記水平面内において前記規制部材を包囲する筒形状を有している
装置を提供する。
【0012】
また、本発明は、第6の装置として、第1の装置であって、
前記センシングデバイスは、加速度計及び角速度計であり、
前記装置は、慣性演算部を更に有しており、
前記慣性演算部は、前記加速度計及び前記角速度計の両方に接続されている
装置を提供する。
【0013】
また、本発明は、第7の装置として、第1の装置であって、
前記センシングデバイスは、加速度計及び角速度計であり、
前記装置は、機体制御部を更に有しており、
前記機体制御部は、加速度計及び角速度計の両方に接続されている
装置を提供する。
【0014】
また、本発明は、第1の防振マウントとして、
保持孔が形成された基板に取り付けられ、固定部材によって固定対象物に固定されて使用される防振マウントであって、
前記防振マウントは、マウント部材と、規制部材とを備えており、
前記マウント部材は、弾性体からなり、
前記マウント部材は、基板保持部と、第1防振部と、第2防振部とを有しており、
前記基板保持部は、前記保持孔内に取り付けられて上下方向において前記基板を挟み込んで保持するものであり、
前記基板保持部には、把持孔が形成されており、
前記把持孔は、前記基板保持部を前記上下方向に貫通しており、
前記第1防振部は、前記上下方向と直交する水平面内において前記把持孔から離れており、且つ、前記上下方向において前記基板保持部から上方に延びており、
前記第2防振部は、前記水平面内において前記把持孔から離れており、且つ、前記上下方向において前記基板保持部から下方に延びており、
前記規制部材は、前記上下方向に延びる筒形状を有しており、
前記規制部材は、前記把持孔に挿入されて把持されており、
前記規制部材は、前記水平面内において前記第1防振部及び前記第2防振部の両方から離れて位置しており、
前記上下方向において、前記規制部材のサイズは、前記マウント部材のサイズ以下であり、前記基板保持部のサイズより大きい
防振マウントを提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の防振マウントは以下のように構成されている:マウント部材は、基板保持部と、第1防振部と、第2防振部とを有している;基板保持部には、把持孔が形成されている;第1防振部は、上下方向と直交する水平面内において把持孔から離れている;第2防振部は、水平面内において把持孔から離れている;規制部材は、水平面内において第1防振部及び第2防振部の両方から離れて位置している。これにより、本発明の防振マウントは、構造上、更にたわみやすくなっている。したがって、防振マウントが例えば硬めのゴム材などで形成された場合であっても、固定対象物の振動が基板に伝達することを抑制することができる。即ち、本発明の防振マウントにおいては、更なる防振特性の向上が図られている。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施の形態による装置を示す斜視図である。
図2図2の装置を示す上面図である。
図3図2の装置をA-A線に沿って示す断面図である。図において、装置の一部を拡大して示している。
図4図1の装置に含まれる防振マウントを示す斜視図である。
図5図4の防振マウントを示す側面図である。
図6図5の防振マウントをB-B線に沿って示す断面図である。
図7図4の防振マウントに含まれるマウント部材を示す斜視図である。
図8図7のマウント部材を示す側面図である。
図9図8のマウント部材をC-C線に沿って示す断面図である。
図10図4の防振マウントに含まれる規制部材を示す斜視図である。
図11図4の防振マウントの第1変形例を示す断面図である。
図12図11の防振マウントに含まれるマウント部材を示す断面図である。
図13図4の防振マウントの第2変形例を示す斜視図である。
図14図13の防振マウントに含まれるマウント部材を示す斜視図である。
図15図4の防振マウントの第3変形例を示す斜視図である。
図16図15の防振マウントに含まれるマウント部材を示す斜視図である。
図17図4の防振マウントの第4変形例を示す斜視図である。
図18図17の防振マウントに含まれるマウント部材を示す斜視図である。
図19図1の装置の機能的構成の概略を示すブロック図である。
図20図19に含まれる慣性演算部の機能的構成の一部を示すブロック図である。
図21図19に含まれる慣性演算部の機能的構成の一部を示すブロック図である。
図22】特許文献1の慣性計測装置を示す上面図である。
図23図23の慣性計測装置の一部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1を参照して、本発明の実施の形態による装置10は、ドローンに用いられるものである。なお本発明はこれに限定されず、装置10は、ドローン以外の機器等に用いられてもよい。図3に示されるように、本実施の形態の装置10は、基板500と、センシングデバイス600と、防振マウント100と、固定対象物700と、固定部材400とを備えている。
【0018】
図3に示されるように、本実施の形態の基板500には、保持孔510が形成されている。保持孔510は、基板500を上下方向に貫通している。基板500は、上下方向において上面502及び下面504を有している。上面502及び下面504は、上下方向と直交する面である。上面502は、上下方向において上方を向いている。下面504は、上下方向において下方を向いている。本実施の形態において、上下方向はZ方向である。また、上方は+Z方向であり、下方は-Z方向である。
【0019】
図1に示されるように、本実施の形態のセンシングデバイス600は、基板500に搭載されている。本実施の形態のセンシングデバイス600は、基板500の上面502に搭載されている。本実施の形態において、センシングデバイス600は、加速度計610及び角速度計620である。
【0020】
図1に示されるように、本実施の形態の装置10は、GPS受信機650を更に備えている。
【0021】
図3に示されるように、本実施の形態の防振マウント100は、保持孔510が形成された基板500に取り付けられ、固定部材400によって固定対象物700に固定されて使用されるものである。図6に示されるように、防振マウント100は、マウント部材200と、規制部材300とを備えている。
【0022】
図9を参照して、本実施の形態のマウント部材200は、弾性体からなる。マウント部材200は、ゴム製である。マウント部材200は、基板保持部250と、第1防振部210と、第2防振部220とを有している。
【0023】
図3に示されるように、本実施の形態の基板保持部250は、保持孔510内に取り付けられ、上下方向において基板500を挟み込んで保持している。図9に示されるように、基板保持部250には、把持孔262が形成されている。把持孔262は、基板保持部250を上下方向に貫通している。基板保持部250は、上下方向において第1防振部210と第2防振部220との間に位置している。基板保持部250は、上下方向において第1防振部210の下方に位置している。基板保持部250は、上下方向において第2防振部220の上方に位置している。
【0024】
図9に示されるように、基板保持部250は、筒状部260と、第1鍔部271と、第2鍔部272と、第3鍔部273とを有している。
【0025】
図9に示されるように、本実施の形態の筒状部260には、把持孔262が形成されている。筒状部260は、上下方向と直交する水平面内において第1鍔部271、第2鍔部272及び第3鍔部273のいずれよりも内側に位置している。
【0026】
図3に示されるように、本実施の形態の第1鍔部271は、基板500の上面502に接している。図9に示されるように、第1鍔部271は、水平面内において筒状部260から外側に延びている。第1鍔部271は、上下方向において第2鍔部272及び第3鍔部273のいずれよりも上方に位置している。水平面内において、第1鍔部271は、第3鍔部273よりも外側に延びている。
【0027】
図3に示されるように、本実施の形態の第2鍔部272は、基板500の下面504に接している。図9に示されるように、第2鍔部272は、水平面内において筒状部260から外側に延びている。第2鍔部272は、上下方向において第1鍔部271及び第3鍔部273のいずれよりも下方に位置している。水平面内において、第2鍔部272は、第3鍔部273よりも外側に延びている。
【0028】
図3に示されるように、本実施の形態の第3鍔部273は、保持孔510の内周512に接している。図9に示されるように、第3鍔部273は、水平面内において筒状部260から外側に延びている。これにより、防振マウント100に取り付けられた基板500の水平方向の振動は、第3鍔部273によって吸収されるようになっている。第3鍔部273は、上下方向において第1鍔部271と第2鍔部272との間に位置している。第3鍔部273は、上下方向において第1鍔部271及び第2鍔部272の両方から離れて位置している。本実施の形態の第3鍔部273は、水平面内におけるサイズS3が、上下方向におけるサイズSCと同程度となっている。
【0029】
図3において、本実施の形態の第1防振部210は、基板500と直接接触していない。図9に示されるように、第1防振部210は、上下方向と直交する水平面内において把持孔262から離れている。第1防振部210は、上下方向において基板保持部250から上方に延びている。水平面内において、第1防振部210は、第1鍔部271及び第2鍔部272のいずれの外端よりも内側に位置している。水平面内において、第1防振部210は、第3鍔部273よりも外側に位置している。これにより、第1防振部210は、水平面内において、基板500と重複している。より詳しくは、水平面内において、本実施の形態の第3鍔部273の外端は、第1防振部210の内端と同じ位置に位置している。第1防振部210は、上下方向におけるサイズSAが、水平面内におけるサイズS1よりも大きくなっている。これにより、第1防振部210は、柔らかく弾性変形しやすくなっており、特に上下方向の振動を吸収しやすくなっている。図4を参照して、第1防振部210は、水平面内において規制部材300を包囲する筒形状を有している。より詳しくは、第1防振部210は、水平面内において規制部材300を切れ目なく包囲している。
【0030】
図3において、本実施の形態の第2防振部220は、基板500と直接接触していない。第2防振部220の下端224は、固定対象物700に押し付けられている。図9に示されるように、第2防振部220は、水平面内において把持孔262から離れている。第2防振部220は、上下方向において基板保持部250から下方に延びている。水平面内において、第2防振部220は、第1鍔部271及び第2鍔部272のいずれの外端よりも内側に位置している。水平面内において、第2防振部220は、第3鍔部273よりも外側に位置している。これにより、第2防振部220は、水平面内において、基板500と重複している。より詳しくは、水平面内において、本実施の形態の第3鍔部273の外端は、第2防振部220の内端と同じ位置に位置している。第2防振部220は、上下方向におけるサイズSBが、水平面内におけるサイズS2よりも大きくなっている。これにより、第2防振部220は、柔らかく弾性変形しやすくなっており、特に上下方向の振動を吸収しやすくなっている。図6を参照して、第2防振部220は、水平面内において規制部材300を包囲する筒形状を有している。より詳しくは、第2防振部220は、水平面内において規制部材300を切れ目なく包囲している。
【0031】
上述のように、本実施の形態の第1防振部210及び第2防振部220の夫々は、水平面内において規制部材300を切れ目なく包囲している。これにより、本実施の形態のマウント部材200は、第1防振部210及び第2防振部220が切れ目等を有する場合と比較して、作製が容易になっており、上下方向と平行な軸に対する周方向の全周に渡って均一な防振特性を発揮できるようになっている。
【0032】
図10を参照して、本実施の形態の規制部材300は、金属製である。規制部材300は、上下方向に延びる筒形状を有している。より詳しくは、規制部材300は、上下方向に延びる円筒形状を有している。なお、本発明はこれに限定されず、規制部材300は、四角筒形状や、他の多角筒形状であってもよい。図3及び図6を参照して、規制部材300は、防振マウント100を固定部材400で固定対象物700に固定した際に、マウント部材200が上下方向に過剰に圧縮されることを規制している。図6及び図9を参照して、規制部材300は、把持孔262に挿入されて把持されている。規制部材300は、水平面内において第1防振部210及び第2防振部220の両方から離れて位置している。図9及び図10を参照して、上下方向において、規制部材300のサイズSRは、マウント部材200のサイズSM以下であり、基板保持部250のサイズSHより大きい。図3に示されるように、規制部材300の下端320は、固定対象物700に押し付けられている。
【0033】
図3に示されるように、本実施の形態の固定部材400は、棒状部410と、押さえ部420とを有している。より詳しくは、固定部材400は、棒状部410及び頭部412を含むネジ405と、ワッシャー415とで構成されており、頭部412とワッシャー415とは、押さえ部420を構成する。
【0034】
図3に示されるように、本実施の形態の棒状部410は、規制部材300内に挿入されている。棒状部410は、固定対象物700に固定されている。具体的には、棒状部410の下端付近には雄ネジが切られており、固定対象物700には固定孔710が設けられており、棒状部410の雄ネジを固定孔710にねじ込むことにより、棒状部410は固定対象物700に固定されている。棒状部410は、水平面内において規制部材300から離間しつつ内側に位置している。
【0035】
図3に示されるように、本実施の形態の押さえ部420は、水平面内に延びており、規制部材300の上端310及び第1防振部210の上端212の両方に押し付けられている。
【0036】
上述のように、本実施の形態の固定部材400は、棒状部410及び頭部412を含むネジ405と、ワッシャー415とで構成されており、頭部412とワッシャー415とが押さえ部420を構成していたが、本発明はこれに限定されず、棒状部410と押さえ部420とを含む限り、固定部材400を他の固定具で構成してもよい。
【0037】
図1及び図19を参照して、本実施の形態の装置10は、慣性演算部800を更に有している。
【0038】
図19に示されるように、本実施の形態の慣性演算部800は、加速度計610及び角速度計620の両方に接続されている。具体的には、加速度計610は、X軸加速度センサ、Y軸加速度センサ及びZ軸加速度センサの、3つの加速度センサで構成されており、角速度計620は、X軸角速度センサ、Y軸角速度センサ及びZ軸角速度センサの、3つの角速度センサで構成されており、慣性演算部800は、3つの加速度センサ及び3つの角速度センサの全てに接続されている。なお、本実施の形態の加速度センサ及び角速度センサは、MEMS(Micro Electro Mechanical System)センサである。
【0039】
図19に示されるように、本実施の形態の慣性演算部800は、GPS受信機650に接続されている。
【0040】
図19を参照して、慣性演算部800においては、加速度計610及び角速度計620で取得された加速度データ及び角速度データと、GPS受信機650で取得された装置10の位置データ及び速度データを用いて、ストラップダウン型の慣性演算が実施される。装置10を搭載したドローンにおける慣性演算の具体的内容を以下詳述する。
【0041】
図19を参照して、装置10を搭載したドローンが静止した状態において、加速度計610から加速度データを取得する(S101)。次に、この取得された加速度データに所定の補正処理を施す(S102)。その後、この加速度データの補正値に基づいて、水平面に対する装置10の初期姿勢角のうちピッチ角及びロール角を算出する(S103)。更に、この算出されたピッチ角及びロール角に基づいて、座標変換行列の初期値を算出する(S104)。
【0042】
その後、図21を参照して、装置10を搭載したドローンが移動を開始すると、姿勢角算出工程S110が実施される。この姿勢角算出工程S110においては、まず、ドローンの移動開始からΔt後において、角速度計620から加速度データを取得する(S111)。次に、この取得された角速度データに所定の補正処理を施す(S112)。その後、この角速度データの補正値に基づいて、装置10の姿勢角の変化分Δθを算出する(S113)。更に、この算出されたΔθに基づく回転行列と、座標変換行列の初期値とを掛け合わせて、新たな座標変換行列の算出、即ち座標変換行列の更新を実施する(S114)。この更新された座標変換行列に基づいて、水平面に対する装置10の姿勢角(ロール角、ピッチ角、方位角)を算出する(S115)。
【0043】
また、図21を参照して、装置10を搭載したドローンが移動を開始すると、速度・距離算出工程S120が実施される。この速度・距離算出工程S120においては、まず、ドローンの移動開始からΔt後において、加速度計610から加速度データを取得する(S121)。次に、この取得された加速度データに所定の補正処理を施す(S122)。その後、この加速度データの補正値を、更新された座標変換行列に掛け合わせて、水平面おける加速度成分を算出する(S123)。この算出された加速度成分を積分して速度データを算出する(S124)。また、この算出された速度データを更に積分することにより、距離データを算出する(S125)。
【0044】
その後、航法データ補正工程S130が実施される。この航法データ補正工程S130においては、姿勢角算出工程S110及び速度・距離算出工程S120で算出された航法データを、GPS受信機650で取得された装置10の位置データ及び速度データに基づいてカルマンフィルタ処理し、ドローンの移動開始からΔt後における補正された航法データを出力する。
【0045】
姿勢角算出工程S110、速度・距離算出工程S120及び航法データ補正工程S130は、Δt毎に繰り返し実施される。ここで、姿勢角算出工程S110における座標変換行列の更新(S114)は、直前の座標変換行列に対して行われる。
【0046】
図1及び図19を参照して、本実施の形態の装置10は、制御部820を更に有している。
【0047】
図19を参照して、本実施の形態の制御部820は、慣性演算部800と接続されている。制御部820においては、慣性演算部800から導出された装置10に係る航法データ(速度、位置、ロール角、ピッチ角、方位角等)に基づいて、安定化制御及び姿勢等制御を実施する。ここで、安定化制御とは、風などの外乱が発生しても装置10が搭載されているドローンの水平を安定的に保つための制御であり、慣性演算部800から導出された装置10に係る航法データ(速度、位置、ロール角、ピッチ角、方位角等)に基づいて、外乱の影響をキャンセルするように、ドローンの運動を司るアクチュエータやコントローラへの指令信号を生成する。また、姿勢等制御とは、慣性演算部800から導出された装置10に係る航法データ(速度、位置、ロール角、ピッチ角、方位角等)に基づいて、姿勢や高度等を所定の目標値に合わせるフィードバック制御を実施するためのドローンの運動を司るアクチュエータやコントローラへの指令信号を生成する。
【0048】
図19を参照して、慣性演算部800と制御部820とは、機体制御部850を構成する。即ち、本実施の形態の装置10は、機体制御部850を更に有している。なお、上述のように、慣性演算部800は、加速度計610及び角速度計620の両方に接続されていることから、機体制御部850は、加速度計610及び角速度計620の両方に接続されている。また、慣性演算部800は、GPS受信機650に接続されていることから、機体制御部850は、GPS受信機650に接続されている。
【0049】
装置10の防振マウント100の構成は、上述したものには限定されず、例えば、以下のような変形が可能である。
【0050】
(第1変形例)
図11及び図12に示されるように、第1の変形例による防振マウント100Aは、マウント部材200Aと、規制部材300とを備えている。ここで、本変形例の規制部材300は、上述の実施の形態の規制部材300と同様の構成であり、詳細な説明は省略する。
【0051】
図12を参照して、本変形例のマウント部材200Aは、弾性体からなる。マウント部材200Aは、樹脂製である。マウント部材200Aは、基板保持部250Aと、第1防振部210と、第2防振部220とを有している。ここで、本変形例の第1防振部210及び第2防振部220は、上述の実施の形態の第1防振部210及び第2防振部220と同様の構成であり、詳細な説明は省略する。
【0052】
図3及び図12を参照して、本変形例の基板保持部250Aは、保持孔510内に取り付けられて上下方向において基板500を挟み込んで保持するものである。図12に示されるように、基板保持部250Aには、把持孔262が形成されている。ここで、本変形例の把持孔262は、上述の実施の形態の把持孔262と同様の構成であり、詳細な説明は省略する。
【0053】
図12に示されるように、基板保持部250Aは、筒状部260と、第1鍔部271と、第2鍔部272と、第3鍔部273Aとを有している。ここで、本変形例の筒状部260、第1鍔部271及び第2鍔部272は、上述の実施の形態の筒状部260、第1鍔部271及び第2鍔部272と同様の構成であり、詳細な説明は省略する。
【0054】
図3及び図12を参照して、本変形例の第3鍔部273Aは、保持孔510の内周512に接するものである。図12に示されるように、第3鍔部273Aは、水平面内において筒状部260から外側に延びている。これにより、防振マウント100Aに取り付けられた基板500の水平方向の振動は、第3鍔部273Aによって吸収されるようになっている。第3鍔部273Aは、上下方向において第1鍔部271と第2鍔部272との間に位置している。第3鍔部273Aは、上下方向において第1鍔部271及び第2鍔部272の両方から離れて位置している。第3鍔部273Aは、水平面内におけるサイズS3が、上下方向におけるサイズSCよりも大きくなっている。これにより、本変形例の第3鍔部273Aは、上述の実施の形態の第3鍔部273と比較して、防振マウント100Aに基板500が取り付けられた際に、基板500の水平方向の振動をより吸収しやすくなっている。
【0055】
(第2変形例)
図13及び図14に示されるように、第2の変形例による防振マウント100Bは、マウント部材200Bと、規制部材300とを備えている。ここで、本変形例の規制部材300は、上述の実施の形態の規制部材300と同様の構成であり、詳細な説明は省略する。
【0056】
図14を参照して、本変形例のマウント部材200Bは、弾性体からなる。マウント部材200Bは、基板保持部250と、第1防振部210Bと、第2防振部220Bとを有している。ここで、本変形例の基板保持部250は、上述の実施の形態の基板保持部250と同様の構成であり、詳細な説明は省略する。
【0057】
図14に示されるように、本変形例の第1防振部210Bは、上下方向と直交する水平面内において把持孔262から離れている。第1防振部210Bは、上下方向において基板保持部250から上方に延びている。水平面内において、第1防振部210Bは、第1鍔部271及び第2鍔部272のいずれの外端よりも内側に位置している。水平面内において、第1防振部210Bは、第3鍔部273よりも外側に位置している。より詳しくは、水平面内において、第3鍔部273の外端は、第1防振部210Bの内端と同じ位置に位置している。第1防振部210Bは、水平面内において規制部材300を包囲している。第1防振部210Bは、上下方向におけるサイズが、水平面内におけるサイズよりも大きくなっている。これにより、第1防振部210Bは、防振マウント100Bに基板500が取り付けられた際に、基板500の上下方向の振動を吸収しやすくなっている。
【0058】
図14に示されるように、第1防振部210Bは、複数の第1垂直部215と、第1端部216とを有している。
【0059】
図14に示されるように、本変形例の第1垂直部215の夫々は、基板保持部250から上下方向における上方に延びている。即ち、第1垂直部215の夫々は、第1鍔部271から上下方向における上方に延びている。第1垂直部215の夫々は、第1端部216に連結されている。第1垂直部215は、第1端部216のみで互いに連結されている。第1垂直部215は、上下方向と平行な軸を中心とする周方向において等間隔に配置されている。
【0060】
図14に示されるように、本変形例の第1端部216は、第1防振部210Bの上下方向における上端212を規定している。第1端部216は、第1垂直部215を互いに連結している。
【0061】
図14を参照して、本変形例第2防振部220Bは、水平面内において把持孔262から離れている。第2防振部220Bは、上下方向において基板保持部250から下方に延びている。水平面内において、第2防振部220Bは、第1鍔部271及び第2鍔部272のいずれの外端よりも内側に位置している。水平面内において、第2防振部220Bは、第3鍔部273よりも外側に位置している。より詳しくは、水平面内において、第3鍔部273の外端は、第2防振部220Bの内端と同じ位置に位置している。図3及び図13を参照して、第2防振部220Bの下端224は、固定対象物700に押し付けられている。第2防振部220Bは、水平面内において規制部材300を包囲している。第2防振部220Bは、上下方向におけるサイズが、水平面内におけるサイズよりも大きくなっている。これにより、第2防振部220Bは、防振マウント100Bに基板500が取り付けられた際に、基板500の上下方向の振動を吸収しやすくなっている。
【0062】
図14に示されるように、第2防振部220Bは、複数の第2垂直部225と、第2端部226とを有している。
【0063】
図14に示されるように、本変形例の第2垂直部225の夫々は、基板保持部250から上下方向における下方に延びている。即ち、第2垂直部225の夫々は、第2鍔部272から上下方向における下方に延びている。第2垂直部225の夫々は、第2端部226に連結されている。第2垂直部225は、第2端部226のみで互いに連結されている。第2垂直部225は、上下方向と平行な軸を中心とする周方向において等間隔に配置されている。
【0064】
図14に示されるように、本変形例の第2端部226は、第2防振部220Bの上下方向における下端224を規定している。第2端部226は、第2垂直部225を互いに連結している。
【0065】
上述のように、本変形例のマウント部材200Bにおいて、第1垂直部215は第1端部216のみで連結されており、第2垂直部225は第2端部226のみで互いに連結されている。これにより、本変形例の防振マウント100Bは、上述の実施の形態の防振マウント100と比較して、固定部材400によって固定対象物700に固定された際に、上下方向により撓みやすくなっている。
【0066】
(第3変形例)
図15及び図16に示されるように、第3の変形例による防振マウント100Cは、マウント部材200Cと、規制部材300とを備えている。ここで、本変形例の規制部材300は、上述の実施の形態の規制部材300と同様の構成であり、詳細な説明は省略する。
【0067】
図16を参照して、本変形例のマウント部材200Cは、弾性体からなる。マウント部材200Cは、基板保持部250と、第1防振部210Cと、第2防振部220Cとを有している。ここで、本変形例の基板保持部250は、上述の実施の形態の基板保持部250と同様の構成であり、詳細な説明は省略する。
【0068】
図16を参照して、本変形例の第1防振部210Cは、上下方向と直交する水平面内において把持孔(図示せず)から離れている。第1防振部210Cは、上下方向において基板保持部250から上方に延びている。水平面内において、第1防振部210Cは、第1鍔部271及び第2鍔部272のいずれの外端よりも内側に位置している。水平面内において、第1防振部210Cは、第3鍔部273よりも外側に位置している。より詳しくは、水平面内において、第3鍔部273の外端は、第1防振部210Cの内端と同じ位置に位置している。第1防振部210Cは、水平面内において規制部材300を包囲している。第1防振部210Cは、上下方向におけるサイズが、水平面内におけるサイズよりも大きくなっている。これにより、第1防振部210Cは、防振マウント100Cに基板500が取り付けられた際に、基板500の上下方向の振動を吸収しやすくなっている。
【0069】
図16に示されるように、第1防振部210Cは、複数の第1貫通孔217を有している。
【0070】
図16に示されるように、本変形例の第1貫通孔217の夫々は、上下方向と直交する方向において第1防振部210Cを貫通している。
【0071】
図16を参照して、本変形例の第2防振部220Cは、水平面内において把持孔から離れている。第2防振部220Cは、上下方向において基板保持部250から下方に延びている。水平面内において、第2防振部220Cは、第1鍔部271及び第2鍔部272のいずれの外端よりも内側に位置している。水平面内において、第2防振部220Cは、第3鍔部273よりも外側に位置している。より詳しくは、水平面内において、第3鍔部273の外端は、第2防振部220Cの内端と同じ位置に位置している。図3及び図15を参照して、第2防振部220Cの下端224は、固定対象物700に押し付けられるものである。第2防振部220Cは、水平面内において規制部材300を包囲している。第2防振部220Cは、上下方向におけるサイズが、水平面内におけるサイズよりも大きくなっている。これにより、第2防振部220Cは、防振マウント100Cに基板500が取り付けられた際に、基板500の上下方向の振動を吸収しやすくなっている。
【0072】
図16に示されるように、第2防振部220Cは、複数の第2貫通孔227を有している。
【0073】
図16に示されるように、本変形例の第2貫通孔227の夫々は、上下方向と直交する方向において第2防振部220Cを貫通している。
【0074】
上述のように、本変形例のマウント部材200Cにおいて、第1防振部210Cは複数の第1貫通孔217を有しており、第2防振部220Cは複数の第2貫通孔227を有している。これにより、本変形例の防振マウント100Cは、上述の実施の形態の防振マウント100と比較して、固定部材400によって固定対象物700に固定された際に、上下方向により撓みやすくなっている。
【0075】
(第4変形例)
図17及び図18に示されるように、第4の変形例による防振マウント100Dは、マウント部材200Dと、規制部材300とを備えている。ここで、本変形例の規制部材300は、上述の実施の形態の規制部材300と同様の構成であり、詳細な説明は省略する。
【0076】
図18を参照して、本変形例のマウント部材200Dは、弾性体からなる。マウント部材200Dは、基板保持部250と、第1防振部210Dと、第2防振部220Dとを有している。ここで、本変形例の基板保持部250は、上述の実施の形態の基板保持部250と同様の構成であり、詳細な説明は省略する。
【0077】
図18に示されるように、本変形例の第1防振部210Dは、上下方向と直交する水平面内において把持孔262から離れている。第1防振部210Dは、上下方向において基板保持部250から上方に延びている。水平面内において、第1防振部210Dは、第1鍔部271及び第2鍔部272のいずれの外端よりも内側に位置している。水平面内において、第1防振部210Dは、第3鍔部273よりも外側に位置している。より詳しくは、水平面内において、第3鍔部273の外端は、第1防振部210Dの内端と同じ位置に位置している。第1防振部210Dは、水平面内において規制部材300を包囲している。第1防振部210Dは、上下方向におけるサイズが、水平面内におけるサイズよりも大きくなっている。これにより、第1防振部210Dは、防振マウント100Dに基板500が取り付けられた際に、基板500の上下方向の振動を吸収しやすくなっている。
【0078】
図18に示されるように、第1防振部210Dは、複数の第1スリット218を有している。
【0079】
図18に示されるように、本変形例の第1スリット218の夫々は、上下方向と直交する方向において第1防振部210Dを貫通している。第1スリット218の夫々は、上下方向に延びている。第1スリット218は、第1防振部210Dの上端212Dに達している。
【0080】
図18に示されるように、本変形例の第2防振部220Dは、水平面内において把持孔262から離れている。第2防振部220Dは、上下方向において基板保持部250から下方に延びている。水平面内において、第2防振部220Dは、第1鍔部271及び第2鍔部272のいずれの外端よりも内側に位置している。水平面内において、第2防振部220Dは、第3鍔部273よりも外側に位置している。より詳しくは、水平面内において、第3鍔部273の外端は、第2防振部220Dの内端と同じ位置に位置している。図3及び図17を参照して、第2防振部220Dの下端224Dは、固定対象物700に押し付けられるものである。第2防振部220Dは、水平面内において規制部材300を包囲している。第2防振部220Dは、上下方向におけるサイズが、水平面内におけるサイズよりも大きくなっている。これにより、第2防振部220Dは、防振マウント100Dに基板500が取り付けられた際に、基板500の上下方向の振動を吸収しやすくなっている。
【0081】
図18に示されるように、第2防振部220Dは、複数の第2スリット228を有している。
【0082】
図18に示されるように、本変形例の第2スリット228の夫々は、上下方向と直交する方向において第2防振部220Dを貫通している。第2スリット228の夫々は、上下方向に延びている。第2スリット228は、第2防振部220Dの下端224Dに達している。
【0083】
上述のように、本変形例のマウント部材200Dにおいて、第1防振部210Dは、複数の第1スリット218を有しており、第2防振部220Dは、複数の第2スリット228を有している。これにより、本変形例の防振マウント100Dは、上述の実施の形態の防振マウント100と比較して、固定部材400によって固定対象物700に固定された際に、上下方向により撓みやすくなっている。
【0084】
以上、本発明について、実施の形態を掲げて具体的に説明してきたが、本発明はこれに限定されるわけではなく、種々の変形が可能である。
【符号の説明】
【0085】
10 装置
100,100A,100B,100C,100D 防振マウント
200,200A,200B,200C,200D マウント部材
210,210B,210C,210D 第1防振部
212,212D 上端
215 第1垂直部
216 第1端部
217 第1貫通孔
218 第1スリット
220,220B,220C,220D 第2防振部
224,224D 下端
225 第2垂直部
226 第2端部
227 第2貫通孔
228 第2スリット
250,250A 基板保持部
260 筒状部
262 把持孔
271 第1鍔部
272 第2鍔部
273,273A 第3鍔部
300 規制部材
310 上端
320 下端
400 固定部材
405 ネジ
410 棒状部
412 頭部
415 ワッシャー
420 押さえ部
500 基板
502 上面
504 下面
510 保持孔
512 内周
600 センシングデバイス
610 加速度計
620 角速度計
650 GPS受信機
700 固定対象物
710 固定孔
800 慣性演算部
820 制御部
850 機体制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23