(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024059445
(43)【公開日】2024-05-01
(54)【発明の名称】水中装飾品
(51)【国際特許分類】
A01K 63/04 20060101AFI20240423BHJP
E04H 13/00 20060101ALI20240423BHJP
F24F 8/50 20210101ALI20240423BHJP
【FI】
A01K63/04 C
E04H13/00 J
F24F8/50
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022167121
(22)【出願日】2022-10-18
(71)【出願人】
【識別番号】521503031
【氏名又は名称】岩倉 直幸
(74)【代理人】
【識別番号】100182349
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 誠治
(72)【発明者】
【氏名】岩倉 直幸
【テーマコード(参考)】
2B104
【Fターム(参考)】
2B104AA08
2B104CA03
2B104EB04
2B104EE13
(57)【要約】
【課題】水中での気泡の滞留時間が長く、見た目も良く、興趣の有る水中装飾品を提供する。
【解決手段】水中香炉100は、水中に設置される水中装飾品であって、香炉の外形を有し、底部に挿通孔112が形成され、上部に開口部114を有する香炉本体110と、挿通孔112から香炉本体110の内部にエアを供給可能なエアチューブ120と、香炉本体110の内部に配置され、エアチューブ120から供給されたエアから気泡を発生させるエアストーン130と、エアストーン130が配置され、エアストーン130で発生した気泡を開口部114から外部に放出する流路を構成する中空管パイプ140と、を備え、香炉本体110と気泡とによって、香炉から立ち上る煙を模したことを特徴とする。かかる構成によれば、水中での気泡の滞留時間が長く、見た目も良く、興趣の有る水中装飾品が提供される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水中に設置される水中装飾品であって、
香炉の外形を有し、底部又は側部に挿通孔が形成され、上部に開口部を有する香炉本体と、
前記挿通孔から前記香炉本体の内部にエアを供給可能なエア供給部と、
前記香炉本体の内部に配置され、前記エア供給部から供給されたエアから気泡を発生させる気泡発生部と、
前記気泡発生部が配置され、前記気泡発生部で発生した気泡を前記開口部から外部に放出する流路を構成する筒状部と、
を備え、
前記香炉本体と気泡とによって、香炉から立ち上る煙を模したことを特徴とする、水中装飾品。
【請求項2】
前記気泡発生部は、多孔性セラミックのエアストーンであり、
前記エアストーンは粒度が#800~#2000であり、径が8mm~18mmであることを特徴とする、請求項1に記載の水中装飾品。
【請求項3】
前記香炉本体の内部には、エアの流れ方向において前記気泡発生部の下流側にフィルム式の微細気泡の発生装置を設けたことを特徴とする、請求項1又は2に記載の水中装飾品。
【請求項4】
前記筒状部は、流路方向に2段以上に分割されており、一方を他方に差し込んで順次連結することによって構成されることを特徴とする、請求項1に記載の水中装飾品。
【請求項5】
前記筒状部には、切欠き又は孔が設けられていることを特徴とする、請求項1又は4に記載の水中装飾品。
【請求項6】
前記筒状部は、少なくとも内周面に釉薬が塗布されていることを特徴とする、請求項1又は4に記載の水中装飾品。
【請求項7】
前記エア供給部には香料を内蔵する香料容器が連結されており、前記エア供給部から前記香炉本体に供給されるエアに香りを付加することを特徴とする、請求項1記載の水中装飾品。
【請求項8】
前記香料容器には、前記エア供給部に香りを送るファンが設けられていることを特徴とする、請求項7に記載の水中装飾品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水中に設置される水中装飾品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アクアリウム用の装飾品として、特開平8-289696号公報(特許文献1)に示されるものが知られている。同文献に開示されるアクアリウム用の装飾品は、内部中空となる容器を石や岩を模した外形に形成し、この容器の上部に気泡水流の流出口と下部周囲に通水部分を設け、容器内に、フィルタとこのフィルタ上に位置する散気部材を設け、気泡水流によって生じる水流の全てがフィルタを通過するようにし、水中への酸素の供給と水の浄化が確実に効率よく行える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の水中装飾品では、散気部材から出る気泡は荒く、気泡の上昇する速度は速いので、水中での滞留時間は短く、見た目には慌ただしく映り、興趣に欠けるという問題がある。
【0005】
そこで本発明は、このような課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、水中での気泡の滞留時間が長く、見た目も良く、興趣の有る水中装飾品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明によれば、水中に設置される水中装飾品であって、香炉の外形を有し、底部又は側部に挿通孔が形成され、上部に開口部を有する香炉本体と、前記挿通孔から前記香炉本体の内部にエアを供給可能なエア供給部と、前記香炉本体の内部に配置され、前記エア供給部から供給されたエアから気泡を発生させる気泡発生部と、前記気泡発生部が配置され、前記気泡発生部で発生した気泡を前記開口部から外部に放出する流路を構成する筒状部と、を備え、前記香炉本体と気泡とによって、香炉から立ち上る煙を模したことを特徴とする、水中装飾品が提供される。
【0007】
かかる構成によれば、香炉本体と、煙を模した気泡とによって、お香を焚いた香炉の様子を楽しむことができる。また、気泡は筒状部を通って放出されるため、気泡が広がらずに放出される。例えば、気泡発生部で発生する気泡を微細にすることによって、水面に上がるまでの速度が遅くなり、水中での滞留時間を長くすることができる。よって、お香を焚いたときの煙がくゆる視覚的な効果を得ることができる。このように、水中での気泡の滞留時間が長く、見た目も良く、興趣の有る水中香炉を提供することができる。
【0008】
また、一般的なお香は燃焼時間が数分から長くて数十分のものが多いが、水中香炉は、煙に見立てた微細な泡が何日もくゆる様子を鑑賞することができる。
【0009】
また、一般的なお香では匂い移りや室内の壁紙、壁面を変色させてしまう可能性があるが、水中香炉ではそのような心配はない。
【0010】
また、一般的なお香は火を使うため、火事などの心配があるが、水中香炉は火を使わないため、その心配はない。
【0011】
本発明は様々な応用が可能である。以下の応用例は適宜組み合わせることができる。
例えば、前記気泡発生部は、多孔性セラミックのエアストーンであり、前記エアストーンは粒度が#800~#2000であり、径が8mm~18mmであってもよい。かかる構成によれば、エアストーンの粒度が細かく気孔径が小さいため、微細な気泡を出すことができ、水中での滞留時間が長くなる。また、エアストーンが小さい径のため、水中に放出される気泡が拡散しづらく、香炉から立ち上る煙に似せることができる。
【0012】
また、前記香炉本体の内部には、エアの流れ方向において前記気泡発生部の下流側にフィルム式の微細気泡の発生装置を設けてもよい。かかる構成によれば、フィルム式の微細気泡の発生装置によってより微細な気泡を発生することができる。
【0013】
また、前記筒状部は、流路方向に2段以上に分割されており、一方を他方に差し込んで順次連結することによって構成されるようにしてもよい。かかる構成によれば、筒状部を任意の長さに調整できるため、対応可能な香炉の形や大きさのバリエーションが増える。
【0014】
また、前記筒状部には、切欠き又は孔が設けられていてもよい。かかる構成によれば、香炉本体の内部で水の流れを形成することができる。
【0015】
また、前記筒状部は、少なくとも内周面に釉薬が塗布されていてもよい。かかる構成によれば、エアーは、筒状部に引っ掛かったり、だまになったりすることが防止されて、スムーズに香炉本体から放出される。
【0016】
また、前記エア供給部には香料を内蔵する香料容器が連結されており、前記エア供給部から前記香炉本体に供給されるエアに香りを付加するようにしてもよい。かかる構成によれば、気泡に香りを容易に付加することができる。
【0017】
また、前記香料容器には、前記エア供給部に香りを送るファンが設けられているようにしてもよい。かかる構成によれば、香料容器から積極的に香りを放出することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、水中での滞留時間が長く、見た目も良く、興趣の有る水中香炉を提供することができる。本発明のその他の効果については、後述する発明を実施するための形態においても説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】第1の実施形態の水中香炉100の構成を概念的に示す図である。
【
図4】香炉本体110からエアチューブ120とエアストーン130を取り外した状態を示す図である。
【
図5】香炉本体110にエアストーン130を取り付けたエアチューブ120を挿入した状態を示す図である。
【
図6】エアストーン130とエアチューブ120を中空管パイプ140に通した状態を示す図である。
【
図7】第2の実施形態の水中香炉200の構成を概念的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0021】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態の水中香炉100(水中装飾品)について、
図1~
図4を参照しながら説明する。まず、
図1を参照しながら、水中香炉100の構成について説明する。
図1は、本実施形態の水中香炉100の構成を概念的に示す図である。
図2は、香炉本体110の底面図である。
図3は、水中香炉100の分解斜視図である。
図4は、香炉本体110からエアチューブ120とエアストーン130を取り外した状態を示す図である。
【0022】
本実施形態の水中香炉100は、
図1に示したように、水中に設置される水中装飾品である。水中香炉100は、香炉の外形を有し、底部に挿通孔112が形成され(
図2参照)、上部に開口部114を有する香炉本体110(
図3参照)と、挿通孔112から香炉本体110の内部にエアを供給可能なエアチューブ120(エア供給部)と、香炉本体110の内部に配置され、エアチューブ120から供給されたエアから気泡を発生させるエアストーン130(気泡発生部)と、エアストーン130が配置され、エアストーン130で発生した気泡を開口部114から外部に放出する流路を構成する中空管パイプ140(筒状部)と、を備え、香炉本体110と気泡とによって、香炉から立ち上る煙を模したことを特徴とする。以下、本実施形態の各構成について詳細に説明する。
【0023】
(香炉本体110)
香炉本体110は、炭や火種を入れて香を焚く一般的な仏具の香炉の外形を有しているものである。香炉本体110は、
図1に示したように、水槽WTの底に設置される。香炉本体110の底部からエアチューブ120が内部に導入されている。香炉本体110は、
図2に示したように、底部にエアチューブ120を挿通するための挿通孔112が形成されている。また、香炉本体110の底部の外周には脚116が3か所に設けられている。
【0024】
香炉本体110の上部には、
図3に示したように、大きな開口部114が形成されている。開口部114には、蓋150が被せられる。蓋150の中央には、円形の中央開口部152が形成されている。中央開口部152には、
図4に示したように、中空管パイプ140の上端が嵌め合わされる。中央開口部152は、美観を損なわないように小さい穴に構成されている。中央開口部152の周りには、円周方向に複数の装飾用開口部154が形成されている。
【0025】
香炉本体110と蓋150は、陶磁器製である。香炉本体110と蓋150の少なくともいずれかを和風・洋風の柄や形にしたりすることで、金魚・メダカだけではなく外国の熱帯魚・水生生物にも合う水景を水槽WT内に演出することができる。
【0026】
(エアチューブ120)
エアチューブ120は、香炉本体110の内部にエアを供給可能なエア供給部である。エアチューブ120は、
図1に示したように、水槽WTの外部に配置されるエアポンプAPに一端が連結されており、他端が水槽WT内に導かれて香炉本体110の底部から挿通孔112を介して内部に導入される。エアチューブ120自体は、一般的なものとすることができるので、これ以上の詳細な説明を省略する。
【0027】
(エアストーン130)
エアストーン130は、エアチューブ120から供給されたエアからミリバブルやマイクロバブルなどの微細な気泡を発生させる気泡発生部である。エアストーン130は、
図3に示したように、多孔性セラミックで構成されたセラミック部132と、エアチューブ120に連結する中空状の連結部134によって構成されている。セラミック部132は、微細な気泡を出すために粒度が細かくなっている(気孔径が小さくなっている)。セラミック部132の粒度は#800~#2000である。また、セラミック部132の径は気泡をお香のように見せるために小さく構成されており、直径が8mm~18mmである。
【0028】
エアストーン130は、
図4に示したように、連結部134がエアチューブ120の他端に連結されてエアチューブ120とともに香炉本体110の内部に導入され、中空管パイプ140内に配置される。セラミック部132は、上向きになるように配され、水中で発生させた気泡が引っ掛かったり、微細な泡がだまになったりすることが防止される。
【0029】
(中空管パイプ140)
中空管パイプ140は、エアストーン130で発生した気泡が香炉本体110内に滞留しないように開口部114から外部に放出するための流路を構成する筒状部である。中空管パイプ140は、
図3に示したように、筒状の形状をしている。中空管パイプ140には、下部に穴部142が加工されている。中空管パイプ140の穴部142によって香炉本体110の内部で水の流れができるようになっている。なお、中空管パイプ140には、穴部142に代えてU字の切欠を下端部に加工するようにしてもよい。
【0030】
中空管パイプ140は、陶磁器製であり、微細な気泡が引っかからないように、だまにならないように、スムーズに香炉本体110から放出されるように、釉薬が塗られている。中空管パイプ140は、
図4に示したように、香炉本体110の内部において底部に立設され、上端が蓋150の中央開口部152に嵌め合わされる。よって、中空管パイプ140が倒れることが防止されている。
【0031】
なお、本実施形態では、中空管パイプ140を長さが調整できない構成のものとしたが、長さを調整できるようにしてもよい。例えば、中空管パイプを上下2段以上に分割し、上段に配置される中空管パイプにシリコンゴムやゴム製リングなどを設け、下段に配置される中空管パイプを差し込んで使用する構成としてもよい。連結する中空管パイプの数を変更して長さ調整できる中空管パイプとすると、対応可能な香炉の形や大きさのバリエーションが増える。
【0032】
また、中空管パイプ140に濾材を入れると濾過フィルタとして使用でき、インテリア性と濾過性能も兼ね備えたものとすることができる。
【0033】
以上、水中香炉100の各部の構成について説明した。以下、水中香炉100の組み立て工程について、
図5及び
図6を参照しながら説明する。
図5は、香炉本体110にエアストーン130を取り付けたエアチューブ120を挿入した状態を示す図である。
図6は、エアストーン130とエアチューブ120を中空管パイプ140に通した状態を示す図である。
【0034】
まず、
図1に示したように、香炉本体110を水槽WTに置く。その後、エアストーン130を取り付けたエアチューブ120を、
図5に示したように、香炉本体110の脚116の間を通して、挿通孔112から内部に挿入する。
図6に示したように、エアストーン130とエアチューブ120が内部に挿入されるように、開口部114から中空管パイプ140を香炉本体110の内部に設置する。
【0035】
このように、香炉本体110の底部の挿通孔112からエアチューブ120を通すことによって、エアストーン130のセラミック部132が上向きに配置される。よって、水中で発生した気泡が引っ掛かったり、微細な泡がだまになったりすることを防止し、微細な気泡を放出することができる。最後に、中空管パイプ140の上端部が嵌り合うように蓋150を開口部114に被せる(
図4参照)。
【0036】
エアポンプAPを駆動してエアチューブ120からエアを供給すると、
図1に示したように、エアストーン130によって微細な気泡が発生し、中空管パイプ140の上端から微細な気泡が水槽WTに放出される。微細な気泡が狭い中空管パイプ140の穴から放出されるので、あたかも香炉から煙が立ち上る様が表現される。
【0037】
(第1の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、エアストーン130で発生させた気泡は微細であるため、水面に上がるまでの速度が遅く、水中での滞留時間が長い。また、気泡は中空管パイプ140を通って放出されるため、気泡が広がらずに放出されるため、香炉でお香を焚いたときの煙がくゆる視覚的な効果を得ることができる。よって、水中での滞留時間が長く、見た目も良く、興趣の有る水中香炉を提供することができる。
【0038】
また、一般的なお香は燃焼時間が数分から長くて数十分のものが多いが、水中香炉100は、煙に見立てた微細な泡が何日もくゆる様子を鑑賞することができる。
【0039】
また、一般的なお香では匂い移りや室内の壁紙、壁面を変色させてしまう可能性があるが、水中香炉100ではそのような心配はない。
【0040】
また、一般的なお香は火を使うため、火事などの心配があるが、水中香炉100は火を使わないため、その心配はない。
【0041】
また、香炉本体110を水槽WT内に置くだけで設置することができるため、レイアウトが容易である。
【0042】
水中香炉100は、香炉の外形を有しているため、メンテナンスは布で拭いたり、柔らかいブラシで磨いたりすればよいため、メンテンスが容易である。また、日々成長するために日常的な管理が必要な水草とは異なり、日常のメンテナンスも必要ない。
【0043】
また、水中香炉100は、香炉本体110、中空管パイプ140及び蓋150が高温で焼いた陶磁器製であり、色落ちしたり、塗料がはがれたりしないので、塗装がとれたりし易い樹脂製の水槽用装飾品とは異なり、劣化しにくい。さらに、水質を変える可能性がある観賞魚用の石や流木とは異なり、水質を変える可能性も少ない。
【0044】
また、水中香炉100は、水槽の大きさを問わず設置することができる。
【0045】
水中香炉100が発生する気泡は、微細な泡なので、水はねが少ない。また、微細な泡で酸素供給をすることができる。
【0046】
また、水中香炉100は、水槽用ヒーターが必要な熱帯魚とは異なり、水温を問わないため、ヒーターはいらない。よって、電気代を節約できる。
【0047】
また、水中香炉100は、成長を促すために強い照明が必要となる水草とは異なり、強い照明器具が必要ない。よって、電気代を節約できる。
【0048】
また、水中香炉100は、香炉の外形を有しているため、香炉の美術品という面から芸術性・意匠性に富むものとなる。よって、水槽WT内の美観を高めることができる。
【0049】
また、水中香炉100のみで水槽WT内の装飾が可能となるため、熱帯魚や金魚等の水生生物を水槽WTに入れなくてもよい。よって、観賞魚の飼育方法などを学ばなくてもよいので、専門的知識は少なくて済む。
【0050】
また、水中香炉100は、一般家庭用の水槽で使用するだけではなく、水族館、美術館、老舗旅館、料亭、高級ホテル、ビル・マンションエントランス、オフィス、映画・舞台(小道具として)、寺院、公共の場、店頭、店内ディスプレイ、ショーウインドウ商業施設、福祉施設、病院、学校、催し物、イベント、展示会、結婚式会場等に、和洋問わずその場に合った癒しと華やかさ、格調高い高級感のある空間を演出できる。
【0051】
また、中空管パイプ140には、下部に穴部142が加工されていることによって、香炉本体110の内部で水の流れを形成することができる。
【0052】
また、中空管パイプ140には釉薬が塗られているため、エアーは中空管パイプ140に引っ掛かったり、だまになったりすることが防止されて、スムーズに香炉本体から放出される。
【0053】
(変形例)
本変形例は、香炉本体110内を流れるエアの流れ方向において、エアストーン130の下流側にフィルム式の微細気泡の発生装置を設けたものである。エアストーン130で発生した微細な気泡が、フィルム式の微細気泡の発生装置を通過するとさらに微細な気泡となる。よって、気泡の水中での滞留時間がさらに長くなり、見た目も良く、より一層興趣の有る水中香炉100を提供することができる。
【0054】
(第2の実施形態)
第2の実施形態の水中香炉200(水中装飾品)について、
図7を参照しながら説明する。
図7は、第2の実施形態の水中香炉200の構成を概念的に示す図である。本実施形態は、主にエアチューブ220に香料容器260を連結した構成が上記第1の実施形態の水中香炉100とは異なるものであり、その他の構成は第1の実施形態と同様である。本実施形態では、上記第1の実施形態と異なる点を中心に説明する。実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0055】
(香料容器260)
香料容器260は、エアチューブ220から香炉本体110に供給されるエアに香りを付加するものである。香料容器260には、ポプリや香水などの香りを発生するものが収容されている。香料容器260は、
図7に示したように、水槽WTの外側に配置されている。エアチューブ220には、分岐管270が設けられており、分岐管270には、エアポンプAPと香料容器260とが連結されている。
【0056】
よって、エアポンプAPから供給されるエアと香料容器260から供給される香りが分岐管270で混合してエアチューブ220によって香炉本体110に供給される。なお、香料容器260には、エアチューブ220に香りを送るためのファンを設けてもよい。
【0057】
(第2の実施形態の効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、エアチューブ220に香料容器260を連結することにより、気泡に香りを容易に付加することができる。
【0058】
また、香料容器260にファンを設けた場合には、香料容器260から積極的に香りを放出することができる。
【0059】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0060】
例えば、上記第1の実施形態では、香炉本体110の底部にエアチューブ120を挿通する挿通孔112を形成したが、本発明はこれに限定されない。香炉本体110の内部にエアが供給できれば任意に設計することができる。例えば、香炉本体110の側部でもよい。第2の実施形態も同様である。
【0061】
また、上記第1の実施形態では、香炉本体110を上下の径が小さく途中の径が大きくなった略楕円形状のものとしたが、本発明はこの例に限定されない。一般的な香炉で用いられている形状であれば任意に設計することができる。例えば、円筒状、円錐状、多角形状などとすることができる。また、蓋のデザインも任意に設計することができる。第2の実施形態も同様である。
【0062】
また、上記第1の実施形態では、香炉本体110に蓋150を被せる構成としたが、本発明はこの例に限定されない。一般的な香炉で用いられている形態であれば任意に設計することができる。例えば、蓋の無い構成とすることができる。第2の実施形態も同様である。
【0063】
また、上記第1の実施形態では、香炉本体110、中空管パイプ140、蓋150を陶磁器製としたが、本発明はこの例に限定されない。例えば、磁器製、陶器製、ガラス製、樹脂製、銅器製などとすることができる。第2の実施形態も同様である。
【0064】
また、上記第1の実施形態では、気泡発生部として多孔性セラミックのエアストーン130を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。気泡を発生できれば任意に設計することができる。例えば、フィルム式、小型にした電気分解装置、マイクロバブル発生装置、オゾン水生成器としたりすることができる。第2の実施形態も同様である。
【0065】
また、上記第1の実施形態では、エアチューブ120にエアを供給するためにエアポンプAPを用いたが、本発明はこの例に限定されない。例えば、酸素ボンベや二酸化炭素ボンベから気体を供給してもよい。第2の実施形態も同様である。
【0066】
以上説明した実施形態、応用例、変形例等は、適宜組み合わせて実施できる。
【符号の説明】
【0067】
100、200 水中香炉(水中装飾品)
110 香炉本体
112 挿通孔
114 開口部
116 脚
120、220 エアチューブ(エア供給部)
130 エアストーン(気泡発生部)
132 セラミック部
134 連結部
140 中空管パイプ(筒状部)
142 穴部
150 蓋
152 中央開口部
154 装飾用開口部
260 香料容器
270 分岐管
WT 水槽
AP エアポンプ